JP6977770B2 - 液式鉛蓄電池 - Google Patents

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Description

本発明は、液式鉛蓄電池に関するものである。
近年、自動車においては、大気汚染防止又は地球温暖化防止のため、様々な燃費向上対策が検討されている。燃費向上対策を施した自動車としては、例えば、エンジンの動作時間を少なくするアイドリングストップシステム車(以下、「ISS車」という)、エンジンの動力によるオルタネータの発電を低減する発電制御車等のマイクロハイブリッド車が検討されている。
ISS車では、エンジンの始動回数が多くなるため、鉛蓄電池の大電流放電が繰り返される。比較的深い充放電が繰り返された場合、鉛蓄電池の高率放電性能が不十分であると、例えばアイドリングストップ後のエンジン再始動時にバッテリ電圧が低下し、再始動できなくなる。特に、近年では、氷点下で使用されるような低温地域においても対応できるように、低温高率放電性能を向上させることが重要な課題となっている。
これに対し、特許文献1には、負極活物質に含有させるリグニンスルホン酸塩として、共役二重結合を有するリグニンスルホン酸塩を用いることで、低温高率放電性能を向上させる技術が開示されている。
特開平9−147871号公報
ところで、近年、鉛蓄電池の製造コストの削減、軽量化等の観点から、正極における正極活物質の使用量を低減することが求められている。しかしながら、正極活物質の使用量を低減した場合、正極活物質の使用量の低下に伴って電池容量が低下し、低温条件下において充分に長い時間放電を持続させることができない場合がある。
また、ISS車及びマイクロハイブリット車では、短時間ではあるが、回生充電等により鉛蓄電池の大電流充電が繰り返される。大電流充電が繰り返されると、電解液中の水の電気分解が起こることが知られている。電気分解が起こると、水が分解して生じる酸素ガス及び水素ガスが電池外に排出されるため、電解液中の水が減少する。その結果、電解液中の硫酸濃度が上昇し、電極(正極等)の腐食劣化等により容量低下が進行する。このような理由から、鉛蓄電池の電解液中の水が減少した場合、減少した分の水を補水してメンテナンスを行う必要があるが、鉛蓄電池に対しては、メンテナンスフリーの観点から電解液中の水の減少(減液)を抑制することが求められている。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、低温高率放電性能に優れると共に、電解液の減液を抑制することができる液式鉛蓄電池を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、PbOを含む正極活物質として用い、広角X線回折によって特定されるα−PbO及びβ−PbOのX線回折パターンのピーク強度の比率を特定の範囲とすることで、正極活物質単位質量あたりの低温高率放電性能を向上し得ることを見出し、さらに、多孔膜を正極板と負極板との間に配置することで電解液の減液を抑制できることを見出した。本発明者らは、これらの知見に基づき本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の一側面の液式鉛蓄電池は、セパレータを介して交互に積層された正極板及び負極板を備える液式鉛蓄電池であって、正極板と負極板との間に配置された多孔膜を更に備え、正極板は、PbOを含む正極活物質を有し、正極活物質におけるα−PbO及びβ−PbOのX線回折パターンのピーク強度の比率(α−PbO/β−PbO)は0.60以下である。
上記液式鉛蓄電池によれば、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、優れた低温高率放電性能が得られる。すなわち、上記液式鉛蓄電池によれば、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、低温条件下で長時間放電を持続させることができる。また、上記液式鉛蓄電池によれば、電解液の減液を抑制することができる。
一態様において、多孔膜は、ガラスマットである。
一態様において、正極活物質の比表面積は、7.0m/g以上である。
一態様において、正極活物質の含有量は、正極板の全質量を基準として、60質量%以下である。
一態様において、多孔膜と正極板との距離、又は、多孔膜と負極板との距離は、2.0mm以下である。
一態様において、多孔膜は、正極板に接している。
一態様において、正極板及び負極板の積層方向から視て、正極板の積層方向に垂直な面における正極活物質によって構成される領域と、多孔膜の積層方向に垂直な面とが重なる部分の面積は、該領域の面積の80%以上である。
一態様において、多孔膜の細孔径は、200μm以下である。
一態様において、多孔膜の厚さは、0.1〜2.0mmである。
一態様において、多孔膜の空孔率は、40%以上である。
本発明によれば、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、低温高率放電性能に優れると共に、電解液の減液を抑制することができる液式鉛蓄電池を提供することができる。すなわち、本発明によれば、液式鉛蓄電池の優れた低温高率放電性能を維持しつつ、正極活物質の使用量を低減することができ、液式鉛蓄電池における電解液の減液を抑制することができる。また、本発明によれば、鉛蓄電池のマイクロハイブリッド車への応用を提供できる。また、本発明によれば、鉛蓄電池のISS車への応用を提供できる。
一実施形態に係る鉛蓄電池の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。 一実施形態に係る鉛蓄電池の電極群を示す斜視図である。 図2におけるI−I線に沿った矢視断面を示す模式断面図である。 正極板及び負極板の積層方向から視た、正極板及び多孔膜を示す図である。
以下、図面を適宜参照しながら、本発明の一実施形態について詳細に説明する。
<液式鉛蓄電池>
図1は、一実施形態の液式鉛蓄電池(以下、単に「鉛蓄電池」ともいう)の全体構成及び内部構造を示す斜視図である。図1に示すように、本実施形態に係る鉛蓄電池1は、上面が開口している電槽2と、電槽2の開口を閉じる蓋3とを備えている。電槽2及び蓋3は、例えばポリプロピレンで形成されている。蓋3には、正極端子4と、負極端子5と、蓋3に設けられた注液口を閉塞する液口栓6とが設けられている。
電槽2の内部には、電極群7と、電極群7を正極端子4に接続する正極柱(図示せず)と、電極群7を負極端子5に接続する負極柱8と、希硫酸等の電解液とが収容されている。
図2は、電極群7を示す斜視図であり、図3は、図2におけるI−I線に沿った矢視断面を示す模式断面図である。図2及び図3に示すように、電極群7は、正極板9と、負極板10と、正極板9と負極板10との間に配置されたセパレータ11及び多孔膜12と、を備えている。ここで、正極板9は、正極集電体13と、正極集電体13に充填された正極活物質とを有しており、正極活物質は、正極活物質充填部14を構成している。一方、負極板10は、負極集電体15と、負極集電体15に充填された負極活物質とを有しており、負極活物質は、負極活物質充填部16を構成している。なお、本明細書では、化成後の正極板から正極集電体を除いたものを「正極活物質」と称し、化成後の負極板から負極集電体を除いたものを「負極活物質」と称する。
電極群7は、複数の正極板9と負極板10とが、セパレータ11及び多孔膜12を介して、電槽2の開口面と略平行方向に交互に積層された構造を有している。すなわち、正極板9及び負極板10は、それらの主面9sが電槽2の開口面と垂直方向に広がるように配置されている。図2において、正極板9の主面9sは、正極板9及び負極板10の積層方向から視て、正極板9の積層方向に垂直な面であり、負極板10の主面は、正極板9及び負極板10の積層方向から視て、負極板10の積層方向に垂直な面である。
電極群7における正極板9及び負極板10の枚数は、図3に示すように、正極板6枚に対し負極板7枚であってよく、正極板7枚に対し負極板8枚であってもよく、正極板8枚に対し負極板8枚であってもよく、正極板8枚に対し負極板9枚であってもよい。正極板及び負極板の枚数が増えるほど、サイクル寿命特性(例えばISSサイクル性能)が向上する傾向がある。
電極群7において、複数の正極板9の耳部9a同士は、正極側ストラップ17で集合溶接されている。同様に、複数の負極板10の耳部10a同士は、負極側ストラップ18で集合溶接されている。そして、正極側ストラップ17及び負極側ストラップ18のそれぞれが、正極柱及び負極柱8を介して正極端子4及び負極端子5に接続される。
図3に示すように、セパレータ11は袋状に形成されており、負極板10がセパレータ11内に収容されている。また、多孔膜12は、シート状に形成されており、正極板9に密着した状態で、正極板9とセパレータ11との間に設けられている。詳細には、多孔膜12は、正極板9における正極活物質充填部14と接している。
図4は、正極板9及び負極板10の積層方向から視た、正極板9及び多孔膜12を示す図である。多孔膜12は、正極板9の主面9sにおける正極活物質によって構成される領域Aの少なくとも一部を覆うように設けられている。ここで、正極板9の主面9sにおける正極活物質によって構成される領域Aは、正極板9の主面9sのうち、正極活物質が存在している領域と言い換えてよく、正極板9の主面9sのうち、正極活物質によって覆われている領域と言い換えてもよい。領域Aと、多孔膜12の積層方向(正極板9及び負極板10の積層方向)に垂直な面とが重なる部分の面積は、正極板からの正極活物質の脱落を防止できる観点及び電解液の減液をより抑制できる観点から、好ましくは、領域Aの面積の80%以上であり、より好ましくは、領域Aの面積の90%以上であり、更に好ましくは、領域Aの面積と同一(100%)である。なお、図4において、砂地上のハッチングで示す部分が正極板9の積層方向に垂直な面(正極板9の主面9s)における正極活物質によって構成される領域Aであり、斜線のハッチングで示す部分が、領域Aと、多孔膜12の積層方向に垂直な面とが重なる部分である。
次に、鉛蓄電池を構成する正極板9、負極板10、セパレータ11及び多孔膜12の詳細について説明する。
[正極板]
正極活物質は、Pb成分としてPbOを含み、必要に応じて、PbO以外のPb成分(例えばPbSO)及び後述する添加剤を更に含む。正極活物質は、後述するように、正極活物質の原料を含む正極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極活物質を得た後に未化成の正極活物質を化成することで得ることができる。正極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば、鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を加えてもよい。
正極活物質におけるPb成分の含有量は、低温高率放電性能により優れる観点及びサイクル寿命特性が向上する観点から、正極活物質の全質量を基準として、好ましくは90質量%以上であり、より好ましくは95質量%以上であり、更に好ましくは98質量%以上である。Pb成分の含有量は、製造コストの低減及び軽量化の観点から、正極活物質の全質量を基準として、100質量%以下であってよい。これらの観点から、Pb成分の含有量は、90〜100質量%、95〜100質量%又は98〜100質量%であってよい。
正極活物質は、Pb成分として、少なくともβ−PbOを含む。正極活物質は、サイクル寿命特性が向上し易い観点から、好ましくはα−PbOを含む。正極活物質は、α−PbOを含んでいなくてもよい。
正極活物質におけるα−PbO及びβ−PbOのX線回折パターンのピーク強度の比率(α−PbO/β−PbO)は、優れた低温高率放電性能を得る観点から、0.60以下である。比率α−PbO/β−PbOが0.60以下であることにより、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、優れた低温高率放電性能が得られる。比率α−PbO/β−PbOは、より優れた低温高率放電性能を得る観点から、好ましくは0.50以下であり、より好ましくは0.40以下であり、更に好ましくは0.30以下である。比率α−PbO/β−PbOは、優れたサイクル寿命特性が得られる観点から、好ましくは0.01以上であり、より好ましくは0.10以上であり、更に好ましくは0.25以上である。これらの観点から、比率α−PbO/β−PbOは、0.01〜0.60、0.01〜0.50、0.10〜0.40又は0.25〜0.30であってよい。なお、上記比率α−PbO/β−PbOは、化成後(満充電状態)の正極活物質における比率である。比率α−PbO/β−PbOは、例えば、正極活物質の製造時に用いる希硫酸の量、化成時の温度等により調整することができる。例えば、正極活物質の製造時に用いる希硫酸の量を多くするほどβ−PbO比率を高くすることができ、希硫酸の化成温度を高くするほどα−PbO比率を高くすることができる。
正極活物質の広角X線回折からは、例えば、主な化合物としてα−PbO、β−PbO及びPbSOが検出される。α−PbO及びβ−PbOそれぞれの化合物として特定される波形のメインピーク強度(cps)を用いて、「α−PbOのメインピーク強度」/「β−PbOのメインピーク強度」の比率を比率α−PbO/β−PbOとして算出することができる。広角X線回折装置としては、例えば、X線回折装置SmartLab(リガク製)を用いることができる。
広角X線回折測定は、例えば、以下のような方法で行うことができる。
[広角X線回折測定方法]
・測定装置:全自動多目的水平型X線回折装置 SmartLab(株式会社リガク製)
・X線源:Cu−Kα / 1.541862Å
・フィルター:Cu−Kβ
・出力:40kV、30mA
・スキャンモード:CONTINUOUS
・スキャン範囲:20.0000度〜60.0000度
・ステップ幅:0.0200度
・スキャン軸:2θ/θ
・スキャンスピード:10.0000度/分
・試料ホルダー:ガラス製、深さ0.2mm
・試料作製方法:測定試料は、下記の手順により作製できる。まず、化成した電池を解体して正極板を取り出し水洗をした後、50℃で24時間乾燥する。次に、前記正極板の中央部から正極活物質を3g採取してすり潰す。
・算出方法:正極活物質の厚みが試料ホルダーの深さと同等になるように正極活物質を充填し、平滑な試料面を作製する。広角X線回折を測定し、回折角(2θ)と回折ピーク強度とのX線回折パターン(X線回折チャート)を得る。X線回折パターンにおいては、例えば、回折角度28.6度に位置するα−PbO、及び、回折角度25.3度に位置するβ−PbOが検出される。α−PbO(110面)及びβ−PbO(111面)それぞれの化合物として特定される波形のピーク強度(cps)を用いて、「α−PbOのピーク強度」/「β−PbOのピーク強度」の比率を比率α−PbO/β−PbOとして算出する。
正極活物質の比表面積は、低温高率放電性能により優れる観点から、好ましくは7.0m/g以上であり、より好ましくは9.0m/g以上であり、更に好ましくは12.0m/g以上である。正極活物質の比表面積の上限に制限はないが、実用的な観点から、20m/g以下であってよく、15m/g以下であってよく、13m/g以下であってよい。なお、上記比表面積は、化成後(満充電状態)の正極活物質の比表面積である。正極活物質の比表面積は、例えば、後述する正極活物質ペーストを作製する際の硫酸及び水の添加量を調整する方法、未化成の段階で活物質を微細化させる方法、化成条件を変化させる方法等により調整することができる。
正極活物質の比表面積は、例えば、BET法で測定することができる。BET法は、一つの分子の大きさが既知の不活性ガス(例えば窒素ガス)を測定試料の表面に吸着させ、その吸着量と不活性ガスの占有面積とから表面積を求める方法であり、比表面積の一般的な測定手法である。
正極活物質の含有量は、製造コストの低減及び軽量化の観点から、正極板の全質量を基準として、60質量%以下であってよく、55質量%以下であってよく、53質量%以下であってよい。正極活物質の含有量は、充分な低温高率放電性能が得られやすい観点から、正極板の全質量を基準として、40質量%以上であってよい。すなわち、正極活物質の含有量は、40〜60質量%、40〜55質量%又は40〜53質量%であってよい。本実施形態の液式鉛蓄電池では、正極活物質の含有量が上記範囲にある場合であっても、低温高率放電性能に優れると共に、電解液の減液を抑制することができる。
正極集電体は、正極活物質からの電流の導電路となり、且つ、正極活物質を保持するものである。正極集電体は例えば格子状を呈している。正極集電体の組成としては、例えば、鉛−カルシウム−錫系合金、鉛−アンチモン−ヒ素系合金等の鉛合金が挙げられる。用途に応じて適宜セレン、銀、ビスマス等を正極集電体に添加してもよい。これらの鉛合金を重力鋳造法、エキスパンド法、打ち抜き法等で格子状に形成することにより正極集電体を得ることができる。
正極板の製造工程では、例えば、正極活物質ペーストを正極集電体に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板を得る。未化成の正極活物質は、好ましくは主成分として三塩基性硫酸鉛を含む。前記正極活物質ペーストは、例えば、正極活物質の原料を含んでおり、その他の所定の添加剤等を更に含んでいてもよい。
正極活物質ペーストが含む添加剤としては、例えば、炭素材料(炭素繊維を除く)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
正極活物質ペーストを作製するに際しては、正極活物質の原料として、鉛粉を用いることができる。また、化成時間を短縮できる観点から、正極活物質の原料として鉛丹(Pb)を加えてもよい。この正極活物質ペーストを正極集電体(例えば正極集電体格子)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板が得られる。正極活物質ペーストにおいて、補強用短繊維の配合量は、正極活物質の原料の全質量を基準として、0.005〜0.3質量%であってよい。
比率α−PbO/β−PbOが0.60以下である正極活物質は、例えば、下記の方法により得ることができる。
(1)正極活物質の原料として鉛粉を用いる方法
鉛粉に対して、補強用短繊維等の添加剤を加えて乾式混合する。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水4〜10質量%及び希硫酸(比重1.28)5〜10質量%を加えて混練して正極活物質ペーストを作製する。希硫酸(比重1.28)は、発熱を低減するために、数回に分けて徐々に添加してよい。正極活物質ペーストの作製において、急激な発熱は疎な構造の正極活物質を形成し、寿命での活物質同士の結合力が低下するため、なるべく発熱を抑えることが望ましい。
(2)正極活物質の原料として鉛粉及び鉛丹(Pb)を用いる方法
まず、鉛粉に対して、補強用短繊維等の添加剤を加えて乾式混合する。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水4〜10質量%を加えて混練して第一のペーストを作製する。水の前記配合量は、鉛粉及び添加剤の合計質量を基準とした配合量である。
次に、鉛丹(Pb)と、第一の希硫酸(比重1.3〜1.4)15〜25質量%とを混合した後に混練し、続いて第二の希硫酸(比重1.45〜1.6)5〜20質量%を加えた後に混練して第二のペーストを作製する(鉛丹と希硫酸の反応生成物である二酸化鉛(PbO)と硫酸鉛(PbSO)が生成)。前記第一及び第二の希硫酸の前記配合量は、前述の第一のペーストを作製する際に用いる鉛粉、及び、前記鉛丹の合計質量を基準とした配合量である。
そして、前記第一のペーストに前記第二のペーストを添加して1時間の混練を行い、正極活物質ペーストを作製する。この正極活物質ペーストにおいて、第一のペースト中に含まれる鉛粉と、第二のペースト中に含まれる鉛丹との割合は、質量比で鉛粉/鉛丹=90/10〜80/20になるように調整してよい。また、水の全量は、鉛粉及び鉛丹の合計質量を基準として、3〜8質量%としてよい。ただし、ここでいう「水」には、希硫酸中の水は含まないものとする。
正極活物質は、正極活物質の原料を含む正極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の正極活物質を得た後に未化成の正極活物質を化成することで得ることができる。正極活物質は、例えばα−PbO及びβ−PbOを含む。
前記正極活物質ペーストを正極集電体(鋳造格子体、エキスパンド格子体等)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の正極活物質を有する正極板を得る。正極活物質ペーストにおいて、補強用短繊維の配合量は、鉛粉の全質量(鉛丹を含む場合は鉛粉及び鉛丹の合計質量)を基準として、0.05〜0.3質量%であってよい。
熟成条件は、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間としてよい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間としてよい。
[負極板]
負極活物質は、Pb成分として少なくともPbを含み、必要に応じてPb以外のPb成分(例えばPbSO)及び後述する添加剤を更に含む。負極活物質は、好ましくは、多孔質の海綿状鉛(Spongy Lead)を含む。負極活物質は、後述するように、負極活物質の原料を含む負極活物質ペーストを熟成及び乾燥することにより未化成の負極活物質を得た後に未化成の負極活物質を化成することで得ることができる。負極活物質の原料としては、特に制限はなく、例えば、鉛粉が挙げられる。鉛粉としては、例えば、ボールミル式鉛粉製造機又はバートンポット式鉛粉製造機によって製造される鉛粉(ボールミル式鉛粉製造機においては、主成分PbOの粉体と鱗片状金属鉛の混合物)が挙げられる。
負極集電体は、負極活物質からの電流の導電路となり、且つ、負極活物質を保持するものである。負極集電体の組成は、上述した正極集電体の組成と同じであってよい。
負極板の製造工程では、例えば、負極活物質ペーストを負極集電体(例えば負極集電体格子)に充填した後に熟成及び乾燥を行うことにより、未化成の負極活物質を有する負極板を得る。負極集電体としては、正極集電体と同じものを用いることができる。未化成の負極活物質は、好ましくは、主成分として三塩基性硫酸鉛を含む。前記負極活物質ペーストは、例えば、負極活物質の原料、及び、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂を含んでおり、その他の所定の添加剤等を更に含んでいてもよい。
負極活物質ペーストは、溶媒及び硫酸を更に含んでいてもよい。溶媒としては、例えば、水(例えばイオン交換水)及び有機溶媒が挙げられる。
スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂としては、リグニンスルホン酸、リグニンスルホン酸塩、及び、フェノール類とアミノアリールスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物(例えば、ビスフェノールとアミノベンゼンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物)からなる群より選ばれる少なくとも一種であってよい。
負極活物質ペーストが含む添加剤としては、例えば、硫酸バリウム、炭素材料(炭素繊維を除く)及び補強用短繊維(アクリル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ポリエチレンテレフタレート繊維、炭素繊維等)が挙げられる。炭素材料としては、例えば、カーボンブラック及び黒鉛が挙げられる。カーボンブラックとしては、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック及びケッチェンブラックが挙げられる。
負極活物質ペーストは、例えば、以下の方法により得ることができる。まず、鉛粉に、スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂と、必要に応じて添加される添加剤とを混合することにより混合物を得る。次に、この混合物に、硫酸(希硫酸等)及び溶媒(水等)を加えて混練することにより負極活物質ペーストが得られる。
負極活物質ペーストにおいて、硫酸バリウムを用いる場合、硫酸バリウムの配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として、0.01〜1質量%であってよい。炭素材料を用いる場合、炭素材料の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として、0.2〜1.4質量%であってよい。スルホ基及び/又はスルホン酸塩基を有する樹脂の配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準として、樹脂固形分換算で、好ましくは0.01〜2質量%であり、より好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.1〜0.5質量%である。
熟成条件は、温度35〜85℃、湿度50〜98RH%の雰囲気で15〜60時間としてよい。乾燥条件は、温度45〜80℃で15〜30時間としてよい。
[セパレータ]
セパレータは、正極板と負極板との電気的な接続を阻止し、電解液の硫酸イオンを透過させる機能を有する。セパレータを形成する材料の例としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等が挙げられる。セパレータは、これらの材料で形成された織布、不織布、多孔質膜等にSiO、Al等の無機系粒子を付着させたものであってよい。
セパレータの厚さは、好ましくは0.1mm〜0.5mm、より好ましくは0.2mm〜0.3mmである。セパレータの厚さが0.1mm以上であると、セパレータの強度を確保できる。セパレータの厚さが0.5mm以下であると、電池の内部抵抗の上昇を抑制できる。
セパレータの平均孔径は、好ましくは10nm〜500nm、より好ましくは30nm〜200nmである。セパレータの平均孔径が10nm以上であると、硫酸イオンを好適に通過させ、硫酸イオンの拡散速度を確保できる。セパレータの平均孔径が500nm以下であると、鉛のデンドライトの成長が抑制され、短絡が生じにくくなる。
[多孔膜]
多孔膜は、多孔性の膜であれば特に限定されず、例えば、不織布であってよい。多孔膜の構成材料は、電解液に対して耐性を有する材料であれば、特に制限されるものではない。多孔膜の構成材料としては、具体的には、有機繊維、無機繊維、パルプ、無機酸化物粉末等が挙げられる。多孔膜の構成材料として、無機繊維及びパルプを含む混合繊維を用いてもよく、有機繊維及び無機繊維を含む有機無機混合繊維を用いてもよい。有機繊維としては、ポリオレフィン繊維(ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維等)、ポリエチレンテレフタレート繊維などが挙げられる。無機繊維としては、ガラス繊維等が挙げられる。電解液の減液をより抑制できる観点及びサイクル寿命特性に優れる観点から、多孔膜は、好ましくは、ガラス繊維をフェルト状に加工することにより形成されるガラスマットである。ガラス繊維としては、例えば、チョップドストランド、ミルドファイバー等が挙げられる。なお、ガラスマットはガラス繊維のみからなっていてよく、ガラス繊維以外の他の材料(例えば上述の有機繊維等)を含んでいてもよい。
多孔膜の厚さは、減液をより抑制する観点及び成層化を防止する観点から、0.1mm以上であってよく、0.5mm以上であってよく、1.0mm以上であってよい。多孔膜の厚さは、充放電性能(例えば、充電受入性及び低温高率放電性能)を向上させる観点から、2.0mm以下であってよく、1.0mm以下であってよく、0.5mm以下であってよい。これらの観点から、多孔膜の厚さは、0.1〜2.0mm、0.1〜1.0mm、0.1〜0.5mm、0.5〜2.0mm、0.5〜1.0mm又は1.0〜2.0mmであってよい。
多孔膜の平均細孔径は、充放電性能(例えば、充電受入性及び低温高率放電性能)を向上させる観点から、200μm以下であってよく、100μm以下であってよく、10μm以下であってよい。多孔膜の平均細孔径は、0.1μm以上であってよい。すなわち、多孔膜の平均細孔径は、0.1〜200μm、0.1〜100μm又は0.1〜10μmであってよい。多孔膜の平均細孔径は、水銀圧入法により測定される積算細孔径分布において、分布曲線のY軸(細孔容積又は細孔比表面積)における最小値と最大値との中間値に対応するX軸(細孔径)の値であるメディアン径として算出される。多孔膜の平均細孔径は、例えば、株式会社島津製作所製、オートポアIV 9500で測定できる。
多孔膜の空孔率は、硫酸イオンの拡散性を確保すると共に、硫酸イオンを保持する空間を大きくする観点から、40%以上であってよい。多孔膜の空孔率は、97%以下であってよい。すなわち、多孔膜の空孔率は40〜97%であってよい。多孔膜の空孔率は、多孔膜から適当な大きさの直方体状に切り取った試料について、下記式(1)〜(3)に従い実際の体積と見かけの体積とから算出される。
空孔率(%)={1−(実際の体積/見かけの体積)}×100 …(1)
実際の体積(cm)=重量の実測値(g)/密度(g/cm) …(2)
見かけの体積(cm)=縦(cm)×横(cm)×厚さ(cm) …(3)
なお、見かけの体積を算出する際の試料の縦、横及び厚さはいずれも実測値を用いる。
上述した本実施形態の液式鉛蓄電池では、正極活物質におけるα−PbO及びβ−PbOのX線回折パターンのピーク強度の比率(α−PbO/β−PbO)が0.60以下であるため、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、優れた低温高率放電性能が得られる。
また、本実施形態の液式鉛蓄電池は多孔膜を備えるため、電解液の減液を抑制する性能(減液抑制性能)に優れる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、本発明者らは次のように推測している。すなわち、正極板と負極板との間に多孔膜が存在する場合、過充電において発生したガスが多孔膜内に捕捉され、活物質と電解液との界面にガスが存在することになる。その結果、活物質と電解液との界面の面積が減少し、ガス発生の過電圧が増大する。これにより、電解液の減液が抑制されると推測される。
また、本発明者らの検討により明らかになったことであるが、正極活物質の使用量を低減するために正極活物質における比率(α−PbO/β−PbO)を0.60以下とすると、正極活物質の泥状化が進行して正極活物質が正極集電体から脱落しやすくなり、サイクル寿命特性が低下する場合がある。一方、本実施形態では、多孔膜が正極板に密着しているため、正極活物質の脱落を抑制することができ、鉛蓄電池のサイクル寿命特性を向上させることができる。かかる効果は、多孔膜がガラスマットである場合に顕著である。
ところで、ISS車及び発電制御車では、鉛蓄電池の充電が間欠的に行われるため、充電が不充分となり、PSOC(Partial State Of Charge)と呼ばれる部分充電状態で使用されることになる。完全な充電が行われず充電が不足した状態で鉛蓄電池が使用される場合には、電池内の電極(極板等)における上部と下部との間で、電解液である希硫酸の濃淡差が生じる成層化現象が起こる。これは、完全な充電が行われないために、電解液の撹拌が不充分になるからである。この場合、電極下部の希硫酸の濃度が高くなりサルフェーションが発生する。サルフェーションは、放電生成物である硫酸鉛が充電状態に戻りにくい現象である。そのため、サルフェーションが発生すると、電極上部のみが集中的に反応するようになる。その結果、電極上部において、活物質間の結びつきが弱くなる等の劣化が進み、集電体から活物質が剥離して、電池性能低下及び早期寿命に至る。そのため、最近の鉛蓄電池においては、PSOC下で使用された場合の電池の寿命性能を向上させるため、充電受入性を向上させることが極めて重要な課題となっている。しかしながら、正極活物質の使用量を低減した場合、正極活物質の使用量の低下に伴って充電受入性が低下する場合がある。一方、上記液式鉛蓄電池によれば、正極活物質の使用量を低減した場合であっても、優れた充電受入性が得られやすい。
<液式鉛蓄電池の製造方法>
本実施形態の液式鉛蓄電池の製造方法は、例えば、電極板(正極板及び負極板)を得る電極板製造工程と、電極を含む構成部材を組み立てて液式鉛蓄電池を得る組み立て工程とを備えている。
鉛蓄電池の製造方法は、例えば、上記のように作製した正極板及び負極板を、セパレータ及び多孔膜を介して積層し、同極性の電極の集電部をストラップで溶接させて電極群を得る。この電極群を電槽内に配置して未化成の電池を作製する。次に、未化成の電池に希硫酸を入れて直流電流を通電して電槽化成する。化成後の硫酸の比重(20℃)を適切な電解液の比重に調整して鉛蓄電池が得られる。化成に用いる硫酸の比重(20℃)は1.15〜1.25であってよい。化成後の硫酸の比重(20℃)は、1.25〜1.33が好ましく、1.26〜1.30がより好ましい。
なお、化成条件、及び、硫酸の比重は、電極のサイズに応じて調整することができる。また、化成処理は、組み立て工程後に実施されることに限られず、電極板製造工程において実施されてもよい(タンク化成)。
以上、本実施形態の鉛蓄電池及びその製造方法について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されない。
例えば、多孔膜は、正極板から離間するように、正極板とセパレータとの間に設けられていてもよい。この場合、電解液の減液効果が得られやすい観点から、多孔膜と正極板との距離(積層方向における最短距離)は、2.0mm以下であってよく、1.0mm以下であってよく、0.5mm以下であってよい。ただし、多孔膜は、上記正極活物質の脱落を抑制する効果が得られる観点から、正極板に接していることが好ましく、正極板に密着していることがより好ましい。また、同様の観点から、多孔膜は、正極板の主面における正極活物質によって構成される領域の全部を覆うように設けられていることがより好ましい。
また、多孔膜は、セパレータと負極板との間に設けられていてもよい。この場合、成層化を抑制することができ、サイクル寿命特性に優れる傾向がある。多孔膜は、負極板に接した状態(例えば密着した状態)で設けられていてもよく、負極板から離間するように設けられていてもよい。多孔膜と負極板との距離(積層方向における最短距離)は、電解液の減液効果が得られやすい観点から、2.0mm以下であってよく、1.0mm以下であってよく、0.5mm以下であってよい。
また、多孔膜は複数であってもよい。例えば、正極板とセパレータとの間に2以上の多孔膜が設けられていてもよく、正極板とセパレータとの間、及び、負極板とセパレータとの間に多孔膜が設けられていてもよい。
また、多孔膜は、電極板(正極板又は負極板)の主面、側面及び底面のすべてを覆うように設けられていてもよい。例えば、シート状の多孔膜が電極板に巻きつけられるようにして電極板の表面(主面及び側面)を覆っていてよい。また、本実施形態の多孔膜はシート状であるが、多孔膜の形状は特に限定されず、例えば、袋状であってもよい。多孔膜が袋状である場合、電極板が袋状の多孔膜内に収容されていてもよい。
また、本実施形態では、負極板が袋状のセパレータ内に配置されているが、正極板が袋状のセパレータ内に配置されていてもよい。また、セパレータの形状は袋状に限定されず、例えば、シート状であってもよい。
以下、実施例により本発明を具体的に説明する。但し、本発明は下記の実施例のみに限定されるものではない。
<実施例1>
(正極板の作製)
鉛粉に対して、補強用短繊維としてアクリル繊維0.25質量%(鉛粉の全質量基準)を加えて乾式混合した。次に、前記鉛粉を含む混合物に対して、水3質量%及び希硫酸(比重1.55)30質量%を加えて1時間混練して正極活物質ペーストを作製した。正極活物質ペーストの作製に際しては、急激な温度上昇を避けるため、希硫酸(比重1.55)の添加は段階的に行った。なお、前記水及び希硫酸の配合量は、鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準とした配合量である。
鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体に、前記正極活物質ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後、温度50℃で16時間乾燥して、未化成の正極活物質を有する正極板を作製した。
(負極板の作製)
負極活物質の原料として鉛粉を用いた。ビスパーズP215(ビスフェノールとアミノベンゼンスルホン酸とホルムアルデヒドとの縮合物、商品名、日本製紙株式会社製)0.2質量%(樹脂固形分)、補強用短繊維(アクリル繊維)0.1質量%、硫酸バリウム1.0質量%、及び、炭素質導電材(ファーネスブラック)0.2質量%の混合物を前記鉛粉に添加した後に乾式混合した(前記配合量は、負極活物質の原料の全質量を基準とした配合量である)。次に、水を加えた後に混練した。続いて、比重1.280の希硫酸を少量ずつ添加しながら混練して、負極活物質ペーストを作製した。鉛合金からなる圧延シートにエキスパンド加工を施すことにより作製されたエキスパンド式集電体にこの負極活物質ペーストを充填した後、温度50℃、湿度98%の雰囲気で24時間熟成した。その後乾燥して、未化成の負極活物質を有する負極板を作製した。
(ガラスマットの作製)
ガラスマットとして、松林工業社製のガラスマット(厚さ:0.5mm、ガラス繊維の繊維径:19μm)を用意した。
(電池の組み立て)
袋状に加工したポリエチレン製のセパレータに未化成の負極板を挿入した。次に、未化成の正極板7枚と、前記袋状セパレータに挿入された未化成の負極板8枚とを、ガラスマットを介して交互に積層した。この際、積層方向から視て、正極板の積層方向に垂直な面における正極活物質によって構成される領域と、ガラスマットの積層方向に垂直な面とが重なる部分の面積が、上記領域の面積の100%となるように、ガラスマットを正極板とセパレータとの間に配置し、正極板に密着させた。
続いて、キャストオンストラップ(COS)方式で、同極性の電極板の耳部同士を溶接して電極群を作製した。前記電極群を電槽に挿入して2V単セル電池(JIS D 5301規定のD23サイズの単セルに相当)を組み立てた。その後、比重1.170の硫酸溶液を注入し、40℃の水槽に入れて1時間静置した。その後、17Aにて18時間の定電流で化成を行った。なお、化成後の電解液(硫酸溶液)の比重は1.29(20℃)に調整した。
(X線回折パターンのピーク強度に基づく比率α−PbO/β−PbOの測定)
測定試料は、下記の手順により作製した。まず、上記の手順で化成した電池を解体して、一つの電極群を取り出した。次に、取り出した電極群から全ての正極板を取り出して水洗をした後、50℃で24時間乾燥した。次に、正極板の中央部から正極活物質を3g採取してすり潰した。続いて、正極活物質の厚みが試料ホルダーの深さと同等になるように正極活物質を試料ホルダーに充填して平滑な試料面を作製した後、比率α−PbO/β−PbOの測定を行った。比率α−PbO/β−PbOは電極群から取り出した全ての正極板について算出した比率α−PbO/β−PbOの平均値とした。比率α−PbO/β−PbOの測定条件を下記する。
[比率α−PbO/β−PbOの測定条件]
・測定装置:全自動多目的水平型X線回折装置 SmartLab(株式会社リガク製)
・X線源:Cu−Kα / 1.541862Å
・フィルター:Cu−Kβ
・出力:40kV、30mA
・スキャンモード:CONTINUOUS
・スキャン範囲:20.0000度〜60.0000度
・ステップ幅:0.0200度
・スキャン軸:2θ/θ
・スキャンスピード:10.0000度/分
・試料ホルダー:ガラス製、深さ0.2mm
・算出方法:作製した試料(正極活物質)3gを用いて広角X線回折を測定した結果、得られた回折角(2θ)と回折ピーク強度のX線回折チャートから、回折角度28.6度に位置するα−PbO、及び、回折角度25.3度に位置するβ−PbOが検出された。α−PbO(110面)及びβ−PbO(111面)それぞれの化合物として特定される波形のピーク強度(cps)を用いて、「α−PbOのピーク強度」/「β−PbOのピーク強度」の比率を比率α−PbO/β−PbOとして算出した。このようにして測定した結果、α−PbO/β−PbO比率(平均値)は0.02であった。
(正極活物質の比表面積の測定)
比表面積の測定試料は、下記の手順により作製した。まず、上記の手順で化成した電池を解体して、一つの電極群を取り出した。次に、取り出した電極群から全ての正極板を取り出して水洗をした後、50℃で24時間乾燥した。次に、正極板の中央部から正極活物質を2g採取して、130℃で30分乾燥して測定試料を作製した。
上記のとおり作製した測定試料を液体窒素で冷却しながら、液体窒素温度で窒素ガス吸着量を多点法で測定し、BET法に従って正極活物質の比表面積を算出した。正極活物質の比表面積は、電極群から取り出した全ての正極板について算出した正極活物質の比表面積の平均値とした。測定条件を下記する。正極活物質の比表面積(平均値)は、12.9m/gであった。
[比表面積の測定条件]
・装置:Macsorb1201(株式会社マウンテック製)
・脱気時間:130℃で10分
・冷却:液体窒素で5分間
・吸着ガス流量:25mL/分
(正極活物質の含有量の測定)
測定試料は、下記の手順により作製した。まず、上記の手順で化成した電池を解体して、一つの電極群を取り出した。次に、取り出した電極群から全ての正極板を取り出して水洗をした後、50℃で24時間乾燥し、正極板から耳部を切り落としてから正極板の質量を測定した。次に、正極板から正極活物質を全て取り出し、正極集電体の質量を求めた。正極板の質量から正極集電体の質量を除いた量を正極活物質の全質量とし、正極板の全質量を基準とした正極活物質の含有量を算出した。正極活物質の含有量は、電極群から取り出した全ての正極板について算出した正極活物質の含有量の平均値とした。正極活物質の含有量(平均値)は43.2質量%であった。
<実施例2>
正極活物質ペースト作製時の水の配合量を11質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)に変更し、正極活物質ペースト作製時の希硫酸として23質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)の希硫酸(比重1.55)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.185に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例3>
正極活物質ペースト作製時の水の配合量を9質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)に変更し、正極活物質ペースト作製時の希硫酸として25質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)の希硫酸(比重1.34)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.200に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例4>
化成時、水槽温度を45℃に変更したことを除き、実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例5>
正極活物質ペースト作製時の水の配合量を12質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)に変更し、正極活物質ペースト作製時の希硫酸として15質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)の希硫酸(比重1.28)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.230に変更し、硫酸注液後の静置時間を5時間に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例6>
化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.200に変更したことを除き、実施例5と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例7>
化成時、硫酸注液後の静置時間を1時間に変更したことを除き、実施例5と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<実施例8>
正極活物質ペースト作製時の希硫酸として11質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)の希硫酸(比重1.28)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.235に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例1>
正極活物質ペースト作製時の希硫酸として9質量%(鉛粉及び補強用短繊維の全質量を基準)の希硫酸(比重1.28)を使用し、化成時に注液する硫酸溶液の比重を1.240に変更したことを除き、実施例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例2>
ガラスマットを用いなかったことを除き、比較例1と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例3>
ガラスマットを用いなかったことを除き、実施例8と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例4>
ガラスマットを用いなかったことを除き、実施例7と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例5>
ガラスマットを用いなかったことを除き、実施例6と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<比較例6>
ガラスマットを用いなかったことを除き、実施例3と同様にして鉛蓄電池を作製した。次いで、実施例1と同様にして、比率α−PbO/β−PbO、正極活物質の比表面積及び正極活物質の含有量の測定を行った。測定結果は表1に示す。
<特性評価>
以下では、実施例及び比較例の鉛蓄電池についての特性評価を行った。なお、低温高率放電性能及び充電受入性についての評価は、減液抑制性能がA(良好)であるものについてのみ実施した。
(減液抑制性能)
雰囲気温度(水槽の温度)60℃において、2.4Vで42日間定電圧の過充電を行った。この充電の前後の重量を測定し、重量差(過充電による減液の量(減液量))を比較することにより、減液抑制性能を評価した。減液抑制性能は、比較例1の測定結果を100として相対評価した。減液量が小さいほど、減液抑制性能に優れる。相対評価値が100以下である場合をA、100より大きい場合をBとした。結果を表1に示す。
(低温高率放電性能)
作製した鉛蓄電池の電池温度を−15℃に調整した後、300Aで定電流放電を行い、セル電圧が1.0Vを下回るまでの放電持続時間を測定し、正極活物質の単位質量あたりの放電持続時間(「放電持続時間」/「正極活物質の含有量(g)」)を算出した。低温高率放電性能は、比較例1の測定結果(正極活物質の単位質量あたりの放電持続時間)を100として相対評価した。相対評価値が135以上である場合をAAA、120以上135未満である場合をAA、105以上120未満である場合をA、90以上105未満である場合をBとした。結果を表1に示す。
(充電受入性)
作製した鉛蓄電池について、化成後、約12時間放置した後、25℃で10.4Aの電流値で30分間定電流放電を行い、さらに、6時間放置した後、2.33Vで100Aの制限電流として60秒間の定電圧充電を行い、その開始から5秒目までの電流値を測定し、正極活物質の単位質量あたりの電流値(「電流値」/「正極活物質の含有量(g)」)を算出した。比較例1の測定結果(正極活物質の単位質量あたりの電流値)を100として相対評価した。相対評価値が120以上である場合をAA、105以上120未満である場合をA、90以上105未満である場合をBとした。結果を表1に示す。
(ISSサイクル性能)
ISSサイクル性能の測定を次のように行った。作製した鉛蓄電池について、電池温度が25℃になるように雰囲気温度を調整し、45A−59秒間の定電流放電及び300A−1秒間の定電流放電を行った後に制限電流100A−2.33V−60秒間の定電流・定電圧充電を行う操作を1サイクルとする試験を行った。この試験は、ISS車での鉛蓄電池の使われ方を模擬したサイクル試験である。このサイクル試験では、放電量に対して充電量が少ないため、充電が完全に行われないと徐々に充電不足になり、その結果、放電電流を300Aとして1秒間放電した時の1秒目電圧が徐々に低下する。すなわち、定電流・定電圧充電時に負極が分極して早期に定電圧充電に切り替わると、充電電流が減衰して充電不足になる。このサイクル試験では、300A放電時の1秒目電圧を測定し、1.2Vを下回ったときのサイクル数を求め、正極活物質の単位質量あたりのサイクル数(「1.2Vを下回ったときのサイクル数」/「正極活物質の含有量(g)」)を求めた。ISSサイクル性能は、比較例5の測定結果(正極活物質の単位質量あたりのサイクル数)を100として相対評価した。相対評価値が85超である場合をA、70超85以下である場合をB、70以下である場合をCとした。結果を表1に示す。
Figure 0006977770
1…鉛蓄電池、9…正極板、10…負極板、11…セパレータ、12…多孔膜。

Claims (8)

  1. セパレータを介して交互に積層された正極板及び負極板を備える液式鉛蓄電池であって、
    前記正極板と前記セパレータとの間に配置された多孔膜を更に備え、
    前記正極板は、PbOを含む正極活物質を有し、
    前記正極活物質の含有量は、前記正極板の全質量を基準として、40質量%以上60質量%以下であり、
    前記正極活物質におけるα−PbO及びβ−PbOのX線回折パターンのピーク強度の比率(α−PbO/β−PbO)は0.35以上0.60以下である、液式鉛蓄電池。
  2. 前記多孔膜は、ガラスマットである、請求項1に記載の液式鉛蓄電池。
  3. 前記正極活物質の比表面積は、7.0m/g以上である、請求項1又は2に記載の液式鉛蓄電池。
  4. 前記正極活物質の比表面積は、10.3m/g以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  5. 前記多孔膜と前記正極板との距離、又は、前記多孔膜と前記負極板との距離は、2.0mm以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  6. 前記多孔膜は、前記正極板に接している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  7. 前記正極板及び前記負極板の積層方向から視て、前記正極板の前記積層方向に垂直な面における前記正極活物質によって構成される領域と、前記多孔膜の前記積層方向に垂直な面とが重なる部分の面積は、前記領域の面積の80%以上である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
  8. 前記多孔膜の厚さは、0.1〜2.0mmである、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液式鉛蓄電池。
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