JP5617634B2 - リチウムイオン二次電池用電極 - Google Patents

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Description

本発明は、多孔膜を有するリチウムイオン二次電池用電極に関し、さらに詳しくは膜平滑性や強度に寄与しうる多孔膜を有するリチウムイオン二次電池用電極に関する。また本発明は、かかる多孔膜付電極を備えたリチウムイオン二次電池に関する。
実用化されている電池の中でも、リチウムイオン二次電池は最も高いエネルギー密度を示し、特に小型エレクトロニクス用に多く使用されている。また、小型用途に加えて自動車向けへの展開も期待されている。その中で、リチウムイオン二次電池の長寿命化と、安全性のさらなる向上が要望されている。
リチウムイオン二次電池は、一般に集電体に担持された電極活物質層を含む、正極および負極、セパレータおよび非水電解液を具備する。電極活物質層は、平均粒径5〜50μm程度の電極活物質と結着剤とを含む。電極は集電体上に粉末の電極活物質を含んだ合剤スラリーを塗布して電極活物質層を形成して作製される。また、正極と負極を隔離するためのセパレータとしては、厚さ10〜50μm程度の非常に薄いセパレータが使用されている。リチウムイオン二次電池は、電極とセパレータとの積層工程や所定の電極形状に裁断する裁断工程等を経て製造される。しかし、この一連の製造工程を通過する間に、電極活物質層から活物質が脱落し、脱落した活物質の一部が異物として電池内に含まれてしまうことがある。
このような異物は、粒径が5〜50μm程度であり、セパレータの厚みと同程度であるため、組み立てられた電池内でセパレータを貫通し、短絡を引き起こすという問題を誘発する。また、電池の作動時には、発熱を伴う。この結果、延伸ポリエチレン樹脂などからなるセパレータも加熱される。延伸樹脂からなるセパレータは、概して150℃以下の温度でも収縮しやすく、電池の短絡を導きやすい。また、釘のような鋭利な形状の突起物が電池を貫いた時(例えば釘刺し試験時)、瞬時に短絡し、反応熱が発生し、短絡部が拡大する。
そこで、このような課題を解決するため、セパレータ上またはセパレータ中に無機フィラーを含有させることが提案されている。無機フィラーを含有することでセパレータの強度が上がり、安全性が向上する。
また、セパレータ上に無機フィラーをコートするよりも電極上に無機フィラーからなる多孔膜をコートすることで、多孔膜層は熱による収縮が全く起こらないことから短絡の危険性ははるかに減少し、大幅な安全性向上が見込まれる。更に、多孔膜を設けることで、電池の作成過程における活物質の脱落を防止もしている。さらに多孔膜であるため、保護膜中に電解液が浸透し、電池反応を阻害することもない。
たとえば、特許文献1では、電極上にアルミナやシリカ、ポリエチレン樹脂などの微粒子とを含む微粒子スラリーを用いて形成されてなる多孔性保護膜が開示されている。また、特許文献2では、平均粒径が0.2〜1.5μmのうちの各種粒子径の無機フィラーを多孔膜層の表面側と電極側の粒子径を変えることにより、細孔径状態を制御し、リチウムの移動を制御する検討もされている。
しかし、上記粒子サイズの無機フィラーを用いた場合には、多孔膜塗工電極の巻取り工程時等において巻き取りロールに多孔膜が付着し、ロールの洗浄工程を設ける必要がある。また、巻取り工程時に多孔膜が剥離することで目標とする保護膜としての性能が劣化する傾向にある。
特開平7−220759号公報 特許2005−294139号公報
本発明は、上記のような従来技術に鑑みてなされたものであって、リチウムイオン二次電池に用いられる電極において、膜平滑性や強度の改善に寄与しうる多孔膜を有するリチウムイオン二次電池用電極を提供することを目的としている。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討の結果、前記多孔膜が特定の粒子径範囲の酸化物粒子を含有することにより、多孔膜と電極間との接合強度があがり、それにより巻取り時の粉落ちを低減でき、多孔膜用スラリー塗工時のスラリー粘度の制御が容易にできることによって、平滑性の高い多孔膜が得られることを見いだし、本発明を完成するに至った。
上記課題を解決する本発明は、下記事項を要旨として含む。
(1)電極活物質層上に、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子とを含む多孔膜が積層されてなるリチウムイオン二次電池用電極。
(2)前記多孔膜が、結着剤をさらに含むものである上記(1)に記載のリチウムイオン二次電極。
(3)前記結着剤が、ガラス転移温度が15℃以下の重合体を含むものである上記(2)に記載のリチウムイオン二次電池用電極。
(4)粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜用スラリー。
(5)上記(4)に記載の多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
(6)正極、負極、及び電解液を有するリチウムイオン二次電池であって、正極及び負極の少なくとも一方が、上記(1)に記載の電極である、リチウムイオン二次電池。
本発明によれば、ロール巻取り時の粉落ち抑制に寄与しうる多孔膜が提供される。かかる多孔膜は、二次電池電極の表面に形成され、電極の保護膜として機能し、多孔膜表層部において高い無機フィラー保持性を有しロール巻取り時のロールへの付着防止に寄与する。
以下に本発明を詳述する。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極は、電極活物質層上に、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子を含む多孔膜が積層されてなる。
(粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子)
本発明では、多孔膜に粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子を含む。
上記酸化物粒子の粒子径は、好ましくは7nm以上50nm以下、更に好ましくは10nm以上40nm以下である。上記粒子径範囲の酸化物粒子を用いることにより、後述する多孔膜用スラリーの粘性を発現しやすく、膜平滑性をより良好にすることができる。
粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子を構成する酸化物としては、アルミナ(Al)、酸化チタン(TiO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化ジルコニウムなどが挙げられる。これらは単独で用いても良く、2種以上を組み合わせて用いても良い。粒子径5nm以上100nm以下の一次粒子サイズを有する粒子としては、例えばDegussa社のAerosile(商品名)、Cabot社のCAB−O−SIL(商品名)、Degussa社のAluminiumoxid C、又は他の酸化物、例えばフュームドシリカ、およびフュームドアルミナ、チタニアやシリカ、アルミナ、酸化ジルコニウムが使用される。
本発明では、多孔膜が電極(電極活物質層)表面に積層されるが、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子を多孔膜中に含有させることにより、塗工時に上記粒子が電極中の表面細孔部に一部染み込み、その結果、電極活物質層と多孔膜との間の接合強度が著しく向上する。
また、上記粒子が多孔膜中に存在することにより、多孔膜自体の強度も向上し、その結果として、ロール巻き取り時の多孔膜の一部剥離による粉落ちが大幅に向上する。
さらに、後述する多孔膜用スラリーを電極活物質層表面に塗布し、乾燥して多孔膜を形成する場合において、上記酸化物粒子を含有することにより、前記多孔膜スラリーの粘度を容易に制御することができる。特に、多孔膜スラリーに構造粘性(チキソトロピー)を与えることで、乾燥中の多孔膜スラリーの対流によるマイグレーションを抑制することができ、均一な膜厚を有する多孔膜を得ることができる。
そのために、上記酸化物粒子の多孔膜中における割合は、体積基準の含有量として好ましくは1〜50体積%、更に好ましくは2〜30体積%、最も好ましくは5〜15体積%であり、重量基準の含有量として好ましくは2〜50質量%、更に好ましくは2〜30質量%、最も好ましくは5〜15質量%である。上記酸化物粒子が、前記範囲にて含有されるようにすることにより、多孔膜用スラリーには構造粘性が付与され塗工性が向上し、さらに多孔膜強度が増加するという効果も発現させることができる。
多孔膜中の粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子の含有量および粒子径は、電極断面をEPMAによる元素マッピング及び、FE−SEMまたはFE−TEMを用いた画像解析を行うことにより測定が可能である。
(結着剤)
本発明においては、多孔膜中に、上記酸化物粒子の他に、結着剤を含むことが好ましい。結着剤を含むことにより、多孔膜の機械的強度を維持することができる。
結着剤としては、各種樹脂成分や軟質重合体を使用することができる。
例えば、樹脂成分としてはポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
軟質重合体としてはポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。
これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
これらの中でも、特にガラス転移温度が15℃以下の重合体が好ましい。結着剤のガラス転移温度が15℃以下であることにより、室温において多孔膜に柔軟性を与えることができ、ロール巻き取り時や電極捲回時にヒビ、電極の欠け等を抑制することができる。なお、重合体のガラス転移温度は、様々な単量体を組み合わせることによって調製可能である。
これらの観点から、上記軟質重合体の中でもアクリル系軟質重合体、イソブチレン系軟質重合体、ジエン系軟質重合体が好ましい。特に、酸化還元に安定で、かつ高寿命の電池を得やすい観点より、アクリル系軟質重合体が好ましい。
更に、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子の表面が親水性を有する場合には、該粒子の高い分散安定性及び結着強度を実現させるために、親水性の官能基を有する重合体が好ましい。
親水性の官能基としては、カルボン酸基、水酸基、及びスルホン酸基が挙げられる。親水性の官能基は、重合体製造時に、親水性の官能基を含有する単量体と共重合したり、前記親水性の官能基を含有する重合開始剤を用いて重合することにより、導入することができる。
カルボン酸基を含有する単量体としては、モノカルボン酸及びその誘導体やジカルボン酸、その酸無水物、及びこれらの誘導体などが挙げられる。
モノカルボン酸としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸などが挙げられる。
モノカルボン酸誘導体としては、2−エチルアクリル酸、2−エチルアクリル酸、イソクロトン酸、α―アセトキシアクリル酸、β-trans-アリールオキシアクリル酸、α−クロロ−β-E-メトキシアクリル酸、β-ジアミノアクリル酸などが挙げられる。
ジカルボン酸としては、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸の酸無水物としては、無水マレイン酸、アクリル酸無水物、メチル無水マレイン酸、ジメチル無水マレイン酸などが挙げられる。
ジカルボン酸誘導体としては、メチルマレイン酸、ジメチルマレイン酸、フェニルマレイン酸、クロロマレイン酸、ジクロロマレイン酸、フルオロマレイン酸などマレイン酸メチルアリル、マレイン酸ジフェニル、マレイン酸ノニル、マレイン酸デシル、マレイン酸ドデシル、マレイン酸オクタデシル、マレイン酸フルオロアルキルなどのマレイン酸エステル;が挙げられる。
水酸基を含有する単量体としては、(メタ)アリルアルコール、3−ブテン−1−オール、5−ヘキセン−1−オールなどのエチレン性不飽和アルコール;アクリル酸−2−ヒドロキシエチル、アクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸−2−ヒドロキシプロピル、マレイン酸−ジ−2−ヒドロキシエチル、マレイン酸ジ−4−ヒドロキシブチル、イタコン酸ジ−2−ヒドロキシプロピルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のアルカノールエステル類;一般式CH=CR−COO−(C2nO)−H(mは2ないし9の整数、nは2ないし4の整数、Rは水素またはメチル基を表す)で表されるポリアルキレングリコールと(メタ)アクリル酸とのエステル類;
2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシフタレート、2−ヒドロキシエチル−2’−(メタ)アクリロイルオキシサクシネートなどのジカルボン酸のジヒドロキシエステルのモノ(メタ)アクリル酸エステル類;2−ヒドロキシエチルビニルエーテル、2−ヒドロキシプロピルビニルエーテルなどのビニルエーテル類;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−3−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−4−ヒドロキシブチルエーテル、(メタ)アリル−6−ヒドロキシヘキシルエーテルなどのアルキレングリコールのモノ(メタ)アリルエーテル類;ジエチレングリコールモノ(メタ)アリルエーテル、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキレングリコール(メタ)モノアリルエーテル類;グリセリンモノ(メタ)アリルエーテル、(メタ)アリル−2−クロロ−3−ヒドロキシプロピルエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシ−3−クロロプロピルエーテルなどの、(ポリ)アルキレングリコールのハロゲン及びヒドロキシ置換体のモノ(メタ)アリルエーテル;オイゲノール、イソオイゲノールなどの多価フェノールのモノ(メタ)アリルエーテル及びそのハロゲン置換体;(メタ)アリル−2−ヒドロキシエチルチオエーテル、(メタ)アリル−2−ヒドロキシプロピルチオエーテルなどのアルキレングリコールの(メタ)アリルチオエーテル類;などが挙げられる。
スルホン酸基を含有する単量体としては、ビニルスルホン酸、メチルビニルスルホン酸、(メタ)アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸、(メタ)アクリル酸−2−スルホン酸エチル、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、3−アリロキシ−2−ヒドロキシプロパンスルホン酸などが挙げられる。
重合体中の親水性の官能基の含有量は、重合時の親水性の官能基を含有する単量体量として単量体全量100質量%に対して好ましくは0.3〜40質量%、更に好ましくは3〜20質量%の範囲である。前記重合体中の親水性の官能基の含有量は、重合体製造時の単量体仕込み比により制御できる。重合体中の親水性の官能基の含有量が、前記範囲であると、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子や必要に応じて加える無機フィラーへの重合体の吸着量と後述する多孔膜用スラリー中に遊離した重合体量とのバランスがとれ、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子や必要に応じて加える無機フィラーの分散性及び粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子や必要に応じて加える無機フィラー間の結着性に優れる。
多孔膜中の結着剤の含有量は、好ましくは0.1〜10質量%、更に好ましくは0.5〜5質量%である。多孔膜中の結着剤の含有量が、前記範囲にあることで、上記酸化物粒子や他の無機フィラー同士及び電極への結着性と、柔軟性を維持しながらも、Liの移動が阻害されず、抵抗が増大することを抑制することができる。
(無機フィラー)
本発明においては、無機フィラーとして、上記粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子の他に、粒子径100nmを超える無機フィラーを併用してもよい。
前記無機フィラーの粒子径は、好ましくは100nmを超え5μm以下、より好ましくは200nm以上2μm以下である。粒子径が大きくなると均一な多孔膜を形成させる為には多孔膜の厚みが厚くなり、電池中の容量が減少する場合がある。
前記無機フィラーのBET比表面積は、例えば0.9m/g以上、さらには1.5m/g以上であることが好ましい。特に、無機フィラーの凝集を抑制し、後述する多孔膜用スラリーの流動性を好適化する観点から、BET比表面積は大き過ぎず、例えば150m/g以下であることが好ましい。
前記無機フィラーとしては、酸化アルミニウム、酸化珪素、酸化マグネシウム、酸化チタン、BaTiO、ZrO、アルミナ−シリカ複合酸化物等の酸化物粒子;窒化アルミニウム、窒化硼素等の窒化物粒子;シリコン、ダイヤモンド等の共有結合性結晶粒子;硫酸バリウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウム等の難溶性イオン結晶粒子;タルク、モンモリロナイトなどの粘土微粒子等が用いられる。これらの粒子は必要に応じて元素置換、表面処理、固溶体化等されていてもよく、また単独でも2種以上の組合せからなるものでもよい。これらの中でも電解液中での安定性と電位安定性の観点から酸化物粒子であることが好ましい。
多孔膜中における無機フィラーの含有量は、上記粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子に対して、好ましくは2〜50倍(質量基準)、更に好ましくは5〜20倍(質量基準)である。前記範囲の無機フィラーを多孔膜中に含有させることにより、多孔膜中の細孔サイズが大きくなり、電解液保持性及びレート特性が高い多孔膜を得ることができる。
多孔膜には、上記成分のほかに、さらに分散剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
分散剤としてはアニオン性化合物、カチオン性化合物、非イオン性化合物、高分子化合物が例示される。分散剤は用いるフィラーに応じて選択される。
その他には、アルキル系界面活性剤、シリコン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、金属系界面活性剤などの界面活性剤が挙げられる。前記界面活性剤を混合することにより、塗工時に発生するはじきを防止したり、電極の平滑性を向上させることができる。多孔膜中の界面活性剤の含有量としては、電池特性に影響が及ばない範囲が好ましく、10質量%以下が好ましい。
(電極活物質)
本発明で用いられる電極活物質層は、電極活物質を必須成分として含む。
リチウムイオン二次電池用電極に用いられる電極活物質は、電解質中で電位をかける事により可逆的にリチウムイオンを挿入放出できるものであればよく、無機化合物でも有機化合物でも用いることができる。
リチウムイオン二次電池正極用の電極活物質(正極活物質)は、無機化合物からなるものと有機化合物からなるものとに大別される。無機化合物からなる正極活物質としては、遷移金属酸化物、リチウムと遷移金属との複合酸化物、遷移金属硫化物などが挙げられる。上記の遷移金属としては、Fe、Co、Ni、Mn等が使用される。正極活物質に使用される無機化合物の具体例としては、LiCoO、LiNiO、LiMnO、LiMn、LiFePO、LiFeVOなどのリチウム含有複合金属酸化物;TiS、TiS、非晶質MoS等の遷移金属硫化物;Cu、非晶質VO−P、MoO、V、V13などの遷移金属酸化物が挙げられる。これら
の化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。有機化合物からなる正極活物質としては、例えば、ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子を用いることもできる。電気伝導性に乏しい、鉄系酸化物は、還元焼成時に炭素源物質を存在させることで、炭素材料で覆われた電極活物質として用いてもよい。また、これら化合物は、部分的に元素置換したものであってもよい。
リチウムイオン二次電池用の正極活物質は、上記の無機化合物と有機化合物の混合物であってもよい。正極活物質の粒子径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常0.1〜50μm、好ましくは1〜20μmである。50%体積累積径がこの範囲であると、充放電容量が大きい二次電池を得ることができ、かつ電極用スラリーおよび電極を製造する際の取扱いが容易である。50%体積累積径は、レーザー回折で粒度分布を測定することにより求めることができる。
リチウムイオン二次電池負極用の電極活物質(負極活物質)としては、たとえば、アモルファスカーボン、グラファイト、天然黒鉛、メゾカーボンマイクロビーズ、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセン等の導電性高分子などがあげられる。また、負極活物質としては、ケイ素、錫、亜鉛、マンガン、鉄、ニッケル等の金属やこれらの合金、前記金属又は合金の酸化物や硫酸塩が用いられる。加えて、金属リチウム、Li−Al、Li−Bi−Cd、Li−Sn−Cd等のリチウム合金、リチウム遷移金属窒化物、シリコン等を使用できる。電極活物質は、機械的改質法により表面に導電付与材を付着させたものも使用できる。負極活物質の粒径は、電池の他の構成要件との兼ね合いで適宜選択されるが、初期効率、負荷特性、サイクル特性などの電池特性の向上の観点から、50%体積累積径が、通常1〜50μm、好ましくは15〜30μmである。
本発明において、電極活物質層は、電極活物質の他に、結着剤を含むことが好ましい。結着剤を含むことにより電極中の活物質層の結着性が向上し、電極の撒回時等の工程上においてかかる機械的な力に対する強度が上がり、また電極中の活物質層が脱離しにくくなることから、脱離物による短絡等の危険性が小さくなる。
結着剤としては様々な樹脂成分を用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、ポリアクリル酸誘導体、ポリアクリロニトリル誘導体などを用いることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、下に例示する軟質重合体も結着剤として使用することができる。
ポリブチルアクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリヒドロキシエチルメタクリレート、ポリアクリルアミド、ポリアクリロニトリル、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、ブチルアクリレート・アクリロニトリル・グリシジルメタクリレート共重合体などの、アクリル酸またはメタクリル酸誘導体の単独重合体またはそれと共重合可能な単量体との共重合体である、アクリル系軟質重合体;
ポリイソブチレン、イソブチレン・イソプレンゴム、イソブチレン・スチレン共重合体などのイソブチレン系軟質重合体;
ポリブタジエン、ポリイソプレン、ブタジエン・スチレンランダム共重合体、イソプレン・スチレンランダム共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体、ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・ブタジエン・スチレン・ブロック共重合体、イソプレン・スチレン・ブロック共重合体、スチレン・イソプレン・スチレン・ブロック共重合体などジエン系軟質重合体;
ジメチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、ジヒドロキシポリシロキサンなどのケイ素含有軟質重合体;
液状ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ−1−ブテン、エチレン・α−オレフィン共重合体、プロピレン・α−オレフィン共重合体、エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(EPDM)、エチレン・プロピレン・スチレン共重合体などのオレフィン系軟質重合体;
ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリステアリン酸ビニル、酢酸ビニル・スチレン共重合体などビニル系軟質重合体;
ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、エピクロルヒドリンゴムなどのエポキシ系軟質重合体;
フッ化ビニリデン系ゴム、四フッ化エチレン−プロピレンゴムなどのフッ素含有軟質重合体;
天然ゴム、ポリペプチド、蛋白質、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー、ポリアミド系熱可塑性エラストマーなどのその他の軟質重合体などが挙げられる。これらの軟質重合体は、架橋構造を有したものであってもよく、また、変性により官能基を導入したものであってもよい。
電極活物質層における結着剤の量は、電極活物質100質量部に対して、好ましくは0.1〜5質量部、より好ましくは0.2〜4質量部、特に好ましくは0.5〜3質量部である。結着剤量が前記範囲であることにより、電池反応を阻害せずに、電極から活物質が脱落するのを防ぐことができる。
結着剤は、電極を作製するために溶液もしくは分散液として調製される。その時の粘度は、通常1mPa・S〜300,000mPa・Sの範囲、好ましくは50mPa・S〜10,000mPa・Sである。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明において、電極活物質層には、導電性付与材を含有していてもよい。導電付与材としては、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、カーボンブラック、グラファイト、気相成長カーボン繊維、カーボンナノチューブ等の導電性カーボンを使用することができる。黒鉛などの炭素粉末、各種金属のファイバーや箔などが挙げられる。補強材としては、各種の無機および有機の球状、板状、棒状または繊維状のフィラーが使用できる。導電性付与材を用いることにより電極活物質同士の電気的接触を向上させることができ、リチウムイオン二次電池に用いる場合に放電レート特性を改善したり、することができる。導電性付与材の使用量は、電極活物質100質量部に対して通常0〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。
電極活物質層は、これ単独で存在していてもよいが、集電体に付着した形で存在している。
電極活物質層は、電極活物質及び溶媒を含むスラリー(以下、「合剤スラリー」と呼ぶことがある。)を集電体に付着させて形成することができる。
溶媒としては、電極活物質層に結着剤を含有する場合は、これを溶解または粒子状に分散するものであればよいが、溶解するものが好ましい。結着剤を溶解する溶媒を用いると、結着剤が表面に吸着することにより電極活物質などの分散が安定化する。
合剤スラリーは、溶媒を含有し、電極活物質、結着剤及び導電性付与材を分散させる。
溶媒としては、前記結着剤を溶解し得るものを用いると、電極活物質や導電性付与材の分散性に優れるので好ましい。結着剤が溶媒に溶解した状態で用いることにより、結着剤が電極活物質などの表面に吸着してその体積効果により分散を安定化させていると推測される。
合剤スラリーに用いる溶媒としては、水および有機溶媒のいずれも使用できる。有機溶媒としては、シクロペンタン、シクロヘキサンなどの環状脂肪族炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類;エチルメチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチル、γ−ブチロラクトン、ε−カプロラクトンなどのエステル類;アセトニトリル、プロピオニトリルなどのアシロニトリル類;テトラヒドロフラン、エチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類:メタノール、エタノール、イソプロパノール、エチレングリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなどのアルコール類;N−メチルピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミドなどのアミド類があげられる。これらの溶媒は、単独または2種以上を混合して、乾燥速度や環境上の観点から適宜選択して用いることができる。中でも、本発明においては水への電極膨張特性の観点から、非水性溶媒を用いることが好ましい。
合剤スラリーには、さらに増粘剤、導電材、補強材などの各種の機能を発現する添加剤を含有させることができる。増粘剤としては、合剤スラリーに用いる有機溶媒に可溶な重合体が用いられる。具体的には、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体水素化物などが用いられる。
さらに、合剤スラリーには、電池の安定性や寿命を高めるため、トリフルオロプロピレンカーボネート、ビニレンカーボネート、カテコールカーボネート、1,6−ジオキサスピロ[4,4]ノナン−2,7−ジオン、12−クラウン−4−エーテル等が使用できる。また、これらは後述する電解液に含有せしめて用いてもよい。
合剤スラリーにおける有機溶媒の量は、電極活物質や結着剤などの種類に応じ、塗工に好適な粘度になるように調整して用いる。具体的には、電極活物質、結着剤および他の添加剤を合わせた固形分の濃度が、好ましくは30〜90質量%、より好ましくは40〜80質量%となる量に調整して用いられる。
合剤スラリーは、電極活物質、必要に応じ添加される結着剤、導電性付与材、その他の添加剤、および有機溶媒を、混合機を用いて混合して得られる。混合は、上記の各成分を一括して混合機に供給し、混合してもよい。合剤スラリーの構成成分として、電極活物質、結着剤、導電性付与材及び増粘剤を用いる場合には、導電性付与材および増粘剤を有機溶媒中で混合して導電材を微粒子状に分散させ、次いで結着剤、電極活物質を添加してさらに混合することがスラリーの分散性が向上するので好ましい。混合機としては、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサー、ホバートミキサーなどを用いることができるが、ボールミルを用いると導電性付与材、電極活物質の凝集を抑制できるので好ましい。
合剤スラリーの粒度は、好ましくは35μm以下であり、さらに好ましくは25μm以下である。スラリーの粒度が上記範囲にあると、導電材の分散性が高く、均質な電極が得られる。
(集電体)
集電体は、電気導電性を有しかつ電気化学的に耐久性のある材料であれば特に制限されないが、耐熱性を有するとの観点から、例えば、鉄、銅、アルミニウム、ニッケル、ステンレス鋼、チタン、タンタル、金、白金などの金属材料が好ましい。中でも、非水電解質二次電池の正極用としてはアルミニウムが特に好ましく、負極用としては銅が特に好ましい。集電体の形状は特に制限されないが、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものが好ましい。集電体は、合剤の接着強度を高めるため、予め粗面化処理して使用するのが好ましい。粗面化方法としては、機械的研磨法、電解研磨法、化学研磨法などが挙げられる。機械的研磨法においては、研磨剤粒子を固着した研磨布紙、砥石、エメリバフ、鋼線などを備えたワイヤーブラシ等が使用される。また、電極合剤層の接着強度や導電性を高めるために、集電体表面に中間層を形成してもよい。
(電極活物質層の製造方法)
電極活物質層の製造方法は、前記集電体の少なくとも片面、好ましくは両面に電極活物質層を層状に結着させる方法であればよい。例えば、前記合剤スラリーを集電体に塗布、乾燥し、次いで、120℃以上で1時間以上加熱処理して電極活物質層を形成する。合剤スラリーを集電体へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。
次いで、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極の電極活物質層の空隙率を低くすることが好ましい。空隙率の好ましい範囲は5%〜15%、より好ましくは7%〜13%である。空隙率が高すぎると充電効率や放電効率が悪化する。空隙率が低すぎる場合は、高い体積容量が得難かったり、電極活物質層が剥がれ易く不良を発生し易いといった問題を生じる。さらに、硬化性の重合体を用いる場合は、硬化させることが好ましい。
電極活物質層の厚みは、正極、負極とも、通常5〜300μmであり、好ましくは10〜250μmである。
(多孔膜用スラリー)
本発明の多孔膜用スラリーは、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒(分散媒)を含む。
多孔膜用スラリーの固形分濃度は、後述する塗布、浸漬が可能な程度でかつ、流動性を有する粘度になる限り特に限定はされないが、一般的には20〜50質量%程度である。
また、多孔膜用スラリーの分散媒としては、上記固形分を均一に分散しうるものであれば特に制限されない。一般的には、水、アセトン、テトラヒドロフラン、メチレンクロライド、クロロホルム、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、シクロヘキサン、キシレン、シクロヘキサノンまたはこれらの混合溶媒が用いられる。
これらの中でも特に、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子や必要に応じて加えられる無機フィラーの分散性を高くできることから、アセトン、シクロヘキサノン、テトラヒドロフラン、シクロヘキサン、キシレン、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が好ましい。更に、揮発性が低くスラリー塗工時の作業性に優れる点から、シクロヘキサノン、キシレン、若しくはN−メチルピロリドン、またはこれらの混合溶媒が特に好ましい。
また、多孔膜用スラリーには、上記酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒のほかに、さらに無機フィラー、分散剤や電解液分解抑制等の機能を有する電解液添加剤等の他の成分が含まれていてもよい。これらは電池反応に影響を及ぼさないものであれば特に限られない。
粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体、無機フィラー及び分散剤等は、前記した本発明の多孔膜で説明したものを用いる。
多孔膜用スラリーの製法は、特に限定はされず、上記粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度15℃以下の重合体、必要に応じ添加される他の成分、及び溶媒を混合して得られる。混合方法や混合順序によらず、上記成分を用いることで、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子や必要に応じ添加される無機フィラーが高度に分散された多孔膜用スラリーを得ることができる。
混合装置は、上記成分を均一に混合できる装置であれば特に限定はされず、ボールミル、サンドミル、顔料分散機、擂潰機、超音波分散機、ホモジナイザー、プラネタリーミキサーなどを使用することができるが、高い分散シェアを加えることができる、ビーズミル、ロールミル、フィルミックス等の高分散装置を使用することが特に好ましい。多孔膜スラリー状態でのスラリー粘度は50mPa・S〜10,000mPa・Sが好ましい。前記粘度は、B型粘度計を用いて25℃、回転数60rpmで測定した時の値である。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極を製造する方法としては、1)粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥する方法;2)粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜用スラリーに電極活物質層を浸漬後、これを乾燥する方法;3)粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜用スラリーを、剥離フィルム上に塗布、乾燥して成膜し、得られた多孔膜を電極活物質層上に転写する方法;が挙げられる。この中でも、1)粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥する方法が、多孔膜の膜厚制御をしやすいことから最も好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池用電極の製造方法は、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含む多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを特徴とする。
多孔膜用スラリーを電極活物質層上へ塗布する方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、ハケ塗り法などの方法が挙げられる。中でも、均一な多孔膜が得られる点でディップ法やグラビア法が好ましい。乾燥方法としては例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥法が挙げられる。乾燥温度は、使用する溶媒の種類によってかわる。溶媒を完全に除去するために、例えば溶媒にNMP等の揮発性の低い溶媒を用いる場合には送風式の乾燥機で120℃以上の高温で乾燥させることが好ましい。逆に揮発性の高い溶剤を用いる場合には100℃以下の低温において乾燥させることもできる。
次いで、必要に応じ、金型プレスやロールプレスなどを用い、加圧処理により電極活物質層と多孔膜との密着性を向上させることもできる。ただし、この際、過度に加圧処理を行うと、多孔膜の空隙率が損なわれることがあるため、圧力および加圧時間を適宜に制御する。
得られる多孔膜の膜厚は、特に限定はされず、膜の用途あるいは適用分野に応じて適宜に設定できるが、薄すぎると均一な膜を形成できず、又厚すぎると電池内での体積(重量)あたりの容量(capacity)が減ることから、好ましくは1〜50μm、更に電極表面に保護膜として形成する際は1〜20μmが好ましい。
多孔膜は、電極活物質層の表面に成膜され、電極活物質層の保護膜あるいはセパレータとして特に好ましく用いられる。多孔膜が成膜される二次電池電極は特に限定はされず、各種の構成の電極に対して、前記多孔膜は成膜されうる。また、多孔膜は、リチウムイオン二次電池の正極、負極の何れの表面に成膜されてもよく、正極、負極の両者に成膜されてもよい。
(リチウムイオン二次電池)
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極、負極、及び電解液を有し、正極及び負極の少なくとも一方が、前記リチウムイオン二次電池用電極である。
正極及び負極に、前記リチウムイオン二次電池用電極を用いた例について説明する。リチウムイオン二次電池の具体的な製造方法としては、例えば、多孔膜が積層された正極と多孔膜が積層された負極とをセパレータを介して重ね合わせ、これを電池形状に応じて巻く、折るなどして電池容器に入れ、電池容器に電解液を注入して封口する方法が挙げられる。また必要に応じてエキスパンドメタルや、ヒューズ、PTC素子などの過電流防止素子、リード板などを入れ、電池内部の圧力上昇、過充放電の防止をする事もできる。電池の形状は、コイン型、ボタン型、シート型、円筒型、角形、扁平型など何れであってもよい。
電解液としては、有機溶媒に支持電解質を溶解した有機電解液が用いられる。支持電解質としては、リチウム塩が用いられる。リチウム塩としては、特に制限はないが、LiPF、LiAsF、LiBF、LiSbF、LiAlCl、LiClO、CFSOLi、CSOLi、CFCOOLi、(CFCO)NLi、(CFSONLi、(CSO)NLiなどが挙げられる。中でも、溶媒に溶けやすく高い解離度を示すLiPF、LiClO、CFSOLiが好ましい。これらは、二種以上を併用してもよい。解離度の高い支持電解質を用いるほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、支持電解質の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液に使用する有機溶媒としては、支持電解質を溶解できるものであれば特に限定されないが、ジメチルカーボネート(DMC)、エチレンカーボネート(EC)、ジエチルカーボネート(DEC)、プロピレンカーボネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、メチルエチルカーボネート(MEC)などのカーボネート類;γ−ブチロラクトン、ギ酸メチルなどのエステル類;1,2−ジメトキシエタン、テトラヒドロフランなどのエーテル類;スルホラン、ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物類;が好適に用いられる。またこれらの溶媒の混合液を用いてもよい。中でも、誘電率が高く、安定な電位領域が広いのでカーボネート類が好ましい。用いる溶媒の粘度が低いほどリチウムイオン伝導度が高くなるので、溶媒の種類によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
電解液中における支持電解質の濃度は、通常1〜30質量%、好ましくは5質量%〜20質量%である。また、支持電解質の種類に応じて、通常0.5〜2.5モル/Lの濃度で用いられる。支持電解質の濃度が低すぎても高すぎてもイオン導電度は低下する傾向にある。用いる電解液の濃度が低いほど重合体粒子の膨潤度が大きくなるので、電解液の濃度によりリチウムイオン伝導度を調節することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、更にセパレーターを含んでいてもよい。セパレータとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂や芳香族ポリアミド樹脂を含んでなる微孔膜または不織布からなるセパレータなどの公知のものが用いられる。なお、本発明で用いる多孔膜は、セパレータとしての機能も有するため、セパレータの使用を省略することもできる。
(実施例)
以下に、実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、本実施例における部および%は、特記しない限り質量基準である。
実施例および比較例において、各種物性は以下のように評価する。
(評価方法)
<1.多孔膜電極特性:粉落ち性>
多孔膜付電極を5cm角で切り出して、500mlのガラス瓶に入れ、しんとう機で200rpmにて2時間しんとうさせる。
落ちた粉の質量をa、しんとう前の電極の質量をb、多孔膜を塗布前の電極の質量をc、多孔膜を塗布していない電極のみをしんとうさせた際の落ちた粉の質量をdと置いた際、落ちた粉の比率Xは下記のように計算され、以下の基準で評価する。
X=(a−d)/(b−c−a)×100 (質量%)
(評価基準)
A:1%未満
B:1%以上3%未満
C:3%以上5%未満
D:5%以上10%未満
E:10%以上20%未満
F:20%以上
<2.多孔膜電極特性:柔軟性>
電極を幅1cm×長さ5cmの矩形に切って試験片とする。試験片の集電体側の面を下にして机上に置き、長さ方向の中央(端部から4.5cmの位置)、集電体側の面に直径1mm のステンレス棒を短手方向に横たえて設置する。このステンレス棒を中心にして試験片を活物質層が外側になるように180度折り曲げた。10枚の試験片について試験し、各試験片の活物質層の折り曲げた部分について、ひび割れまたは剥がれの有無を観察し、下記の基準により判定する。ひび割れまたは剥がれが少ないほど、電極が柔軟性に優れることを示す。
(評価基準)
A:10枚中全てにひび割れまたは剥がれがみられない。
B:10枚中1〜3枚にひび割れまたは剥がれがみられる。
C:10枚中4〜9枚にひび割れまたは剥がれがみられる。
D:10枚中全てにひび割れまたは剥がれがみられる。
<3.多孔膜電極特性:平滑性>
電極を3cm×3cmに切って試験片とする。試験片を集電体側の面を下にしてレーザー顕微鏡にセットする。そして、50倍のレンズを用いて100μm×100μmの範囲において、多孔膜表面の任意の5箇所の面粗さRa値を、JIS B0601:2001(ISO4287:1997)に準拠して測定する。10枚の試験片について測定し、測定値の平均値を平滑性として求め、以下の基準により判定する。
A:Ra値が0.5μm未満
B:Ra値が0.5μm以上0.8μm未満
C:Ra値が0.8μm以上1.0μm未満
D:Ra値が1.0μm以上1.5μm未満
E:Ra値が1.5μm以上
(実施例1)
<重合体の作製>
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、n−ブチルアクリレート81.5部、アクリロニトリル15部、グリシジルメタクリレート3.0部、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸0.5部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子水分散液100部にN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という。)320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、ブチルアクリレート・アクリロニトリル系共重合体(以下、「重合体A」という。)のNMP溶液を得た。重合体Aのガラス転移温度は−5℃であった。また、重合体A中の親水性の官能基(スルホン酸基)の含有量は、0.5質量%であった。
<多孔膜用スラリーの作成>
無機フィラー(アルミナ、平均粒子径300nm、粒子径は200nmを超える)、平均粒子径30nm(粒子径は10nm〜40nmの範囲にある)の酸化物粒子(Aerosil MOX80(商品名))、及び結着剤として重合体Aを、表1記載の混合比(固形分比)で混合し、更にNMPを固形分濃度が20質量%になるように混合し、ビーズミルを用いて分散させ、多孔膜用スラリー1を調製した。
<負極用電極組成物および負極の製造>
負極活物質として粒子径20μm、比表面積4.2m/gのグラファイト98部と、結着剤としてPVDF(ポリフッ化ビニリデン)を固形分相当で5部とを混合し、更にNMPを加えてプラネタリーミキサーで混合してスラリー状の負極用電極組成物を調製した。この負極用組成物を厚さ0.1mmの銅箔の片面に塗布し、110℃で3時間乾燥した後、ロールプレスして厚さが100μmの負極を得た。
<多孔膜付電極の作成>
前記多孔膜用スラリー1を、負極に負極活物質層が完全に覆われるように、厚さ3μmで塗工し、次いで110℃で20分間乾燥することにより、多孔膜を形成し多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。
作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例2)
攪拌機付き5MPa耐圧オートクレーブに、スチレンを77部、1,3−ブタジエンを19部、メタクリル酸3部、アクリル酸1部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム5部、イオン交換水150部、重合開始剤として過硫酸カリウム1部を入れ、十分に攪拌した後、45℃に加温して重合を開始した。モノマー消費量が96.0%になった時点で冷却し反応を止め、固形分濃度42%の重合体粒子の水分散液を得た。この重合体粒子の水分散液100部にN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という。)320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、重合体BのNMP溶液を得た。重合体Bのガラス転移温度は−10℃であった。重合体B中の親水性の官能基(カルボン酸)の含有量は、4質量%であった。
実施例1において、結着剤として重合体Aのかわりに重合体Bを用い、無機フィラー(アルミナ)、平均粒子径30nmの酸化物粒子、結着剤(重合体B)の固形分質量比を表1のようにした他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例3、4)
実施例1において、無機フィラー(アルミナ)、平均粒子径30nmの酸化物粒子、結着剤(重合体A)の固形分質量比を表1のように変更した他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(実施例5〜7)
実施例4において、平均粒子径30nmの酸化物粒子の代わりに、実施例5では平均粒子径7nm(粒子径は5nm以上15nm以下の範囲にある)の酸化物粒子(Aerosil 300(商品名))、実施例6では平均粒子径40nm(粒子径は10nm以上90nm以下の範囲にある)の酸化物粒子(Aerosil OX50(商品名))、実施例7では平均粒子径90nm(粒子径は80nm以上100nm以下の範囲にある)のアルミナ粒子をそれぞれ用いた他は、実施例4と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
参考例1
実施例1において、無機フィラー(アルミナ)、平均粒子径30nmの酸化物粒子、結着剤(重合体A)の固形分質量比を表1のように変更した他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
参考例2
撹拌機付きのオートクレーブに、イオン交換水300部、n−ブチルアクリレート61.5部、アクリロニトリル35部、グリシジルメタクリレート3.0部、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸0.5部および分子量調整剤としてt−ドデシルメルカプタン0.05部、重合開始剤として過硫酸カリウム0.3部を入れ、十分に撹拌した後、70℃に加温して重合し、重合体粒子の水分散液を得た。固形分濃度から求めた重合転化率はほぼ99%であった。この重合体粒子の水分散液100部にN−メチルピロリドン(以下、「NMP」という。)320部を加え、減圧下に水を蒸発させて、ブチルアクリレート・アクリロニトリル系共重合体(以下、「重合体C」という。)のNMP溶液を得た。重合体Cのガラス転移温度は40℃であった。また、重合体C中の親水性の官能基(スルホン酸基)の含有量は、0.5質量%であった。
実施例1において、結着剤として重合体Aのかわりに重合体Cを用い、無機フィラー(アルミナ)、平均粒子径30nmの酸化物粒子、結着剤(重合体B)の固形分質量比を表1のようにした他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例1)
実施例1において、平均粒子径30nmの酸化物粒子を用いず、無機フィラー(アルミナ)及び結着剤(重合体A)の固形分質量比を表1のように変更した他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例2において、スチレン及び1,3−ブタジエンの量を、スチレンを87部、1,3−ブタジエンを9部にそれぞれ変えた以外は実施例2と同様に重合を行って、固形分40%の重合体Dの水分散液を得、さらに実施例2と同様に、NMPを加えて水を蒸発させて、重合体DのNMP溶液を得た。重合体Dのガラス転移温度は60℃であった。
比較例1において、結着剤として、重合体Aのかわりに重合体Dを用い、無機フィラー(アルミナ)及び結着剤(重合体D)の固形分質量比を表1のように変更した他は、比較例1と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
(比較例3)
実施例1において、平均粒子径30nmの酸化物粒子の代わりに平均粒子径200nm(粒子径は100nmを超える)のアルミナを用いた他は、実施例1と同様に多孔膜スラリー、及び多孔膜付電極(リチウムイオン二次電池用電極)を作製した。そして、作製した多孔膜付電極の、粉落ち性、柔軟性及び平滑性を評価した。結果を表1に示す。
Figure 0005617634

表1の結果より、多孔膜に粒子径5〜100nmの酸化物粒子を含有することにより、多孔膜表層での結着性や多孔膜の膜平滑性が向上し、粉落ちが低減することがわかる。実施例の中でも、結着剤としてガラス転移温度15℃以下の軟質重合体を用い、更に粒子径10〜40nmの範囲にある酸化物粒子を5〜15質量部含有している実施例3では、粉落ち性、柔軟性、平滑性が最も優れる。
一方、比較例1〜3では、多孔膜中に粒子径5〜100nmの酸化物粒子を含有していないため、特に粉落ち性、平滑性が非常に劣っている。

Claims (4)

  1. 電極活物質層上に、粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子と粒子径200nm以上5μm以下の無機フィラーとを含む多孔膜が積層されてなるリチウムイオン二次電池用電極であって、
    前記多孔膜中における前記粒子径200nm以上5μm以下の無機フィラーの含有量は、前記粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子に対して、2〜50倍(質量基準)であり、
    前記多孔膜が、結着剤をさらに含み、
    前記結着剤が、ガラス転移温度が15℃以下の重合体を含むことを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極。
  2. 粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子、粒子径200nm以上5μm以下の無機フィラー、ガラス転移温度が15℃以下の重合体及び溶媒を含み、
    前記粒子径200nm以上5μm以下の無機フィラーの含有量は、前記粒子径5nm以上100nm以下の酸化物粒子に対して、2〜50倍(質量基準)であることを特徴とするリチウムイオン二次電池用電極用の多孔膜用スラリー。
  3. 請求項に記載の多孔膜用スラリーを電極活物質層上に塗布し、次いで乾燥することを含むリチウムイオン二次電池用電極の製造方法。
  4. 正極、負極及び電解液を有するリチウムイオン二次電池であって、
    正極及び負極の少なくとも一方が、請求項1に記載の電極である、
    リチウムイオン二次電池。
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