JP5608944B2 - 高血圧感受性遺伝子群の同定 - Google Patents

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Description

本発明は、高血圧発症のリスク判定に用いることができるSNPからなる遺伝子マーカー、該遺伝子マーカーを検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができる高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、該SNPを用いた高血圧発症リスク判定方法、該SNPのタイピングに用いる高血圧発症リスク判定用マイクロアレイ、及び該高血圧発症リスク判定方法に用いるキット等に関する。
本願は、2008年2月21日に、日本に出願された特願2008−040208号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
高血圧は、例えば、冠動脈疾患、脳卒中、慢性腎疾患等の主要な発症要因であり、高血圧の予防は、社会的・公衆衛生的に重要である。高血圧は、多くの要因によって発症が誘引される多因子疾患であり、これらの高血圧を誘引する要因を危険因子(リスクファクター)という。高血圧の危険因子は、主に環境要因と遺伝要因に大別されるが、これらの相互作用が重要な役割を果たすと考えられている。
危険因子のうち、環境要因としては、例えば、加齢、肥満、ストレス、塩分過剰摂取等が挙げられる。一方、遺伝要因としては、様々な高血圧感受性遺伝子が知られている。ここで、「高血圧感受性遺伝子」とは、前記遺伝子を保有することで高血圧を発症する危険率が上昇する遺伝子を意味する。つまり、高血圧感受性遺伝子を有するヒトは、高血圧感受性遺伝子を有さないヒトよりも高血圧に罹患し易いと判断される。そして、高血圧のような多因子疾患においては、その感受性遺伝子の多くは、一塩基多型(SNP)等の多型の対立遺伝子(アレル)であると考えられている。
これまで、遺伝子多型を含む高血圧感受性遺伝子としては、アンギオテンシノーゲン、α−アデューシン、Gタンパク質β3サブユニット、β2アドレナリン受容体、グリコプロテインIa(GPIa)、ケモカイン受容体2(CCR2)、アポリポプロテインC(ApoC−III)、G−タンパク質β3サブユニット(GPβ3)、腫瘍壊死因子α(TNFα)、インスリン受容体サブストレート1(IRS−1)、グリコプロテインIbα(GPIbα)、C−タイプ・ナトリウム利尿ホルモン(CNP)、ヘム・オキシゲナーゼ1(HMOX−1)、SCNN1A等の各遺伝子が報告されている(例えば、特許文献1〜4参照。)。さらに近年、CYP17遺伝子(rs6162)多型、EXOSC3遺伝子(rs7158)多型、ACCN1遺伝子(rs28933)多型、KCNMB4遺伝子(rs710652)多型、KCNIP2遺伝子(rs755381)多型、ATP2A3遺伝子(rs887387)多型、RAC2遺伝子(rs929023)多型、CD3EAP遺伝子(rs967591)多型、CALCR遺伝子(rs1042138)多型、ATP10D遺伝子(rs1058793)多型、GNA14遺伝子(rs1801258)多型、PTHR1遺伝子(rs1869872)多型、ATP2B1遺伝子(rs2070759)多型、HLA−DMB遺伝子(rs2071556)多型、SLC13A1遺伝子(rs2140516)多型、SLC2A11遺伝子(rs2236620)多型、GNAI2遺伝子(rs2236943)多型、CACNA2D2遺伝子(rs2236957)多型、PRKWNK1遺伝子(rs2255390)多型、SLC22A7遺伝子(rs2270860)多型、KCNN1遺伝子(rs2278993)多型、SLC21A6遺伝子(rs2291075)多型、CACNA1E遺伝子(rs2293990)多型、SLC26A8遺伝子(rs2295852)多型、ERCC1遺伝子(rs2298881)多型、DLGAP2遺伝子(rs2301963)多型、COL4A1遺伝子(rs2305080)多型、GUCA1C遺伝子(rs2715709)多型、ATP10C遺伝子(rs3736186)多型、HCN4遺伝子(rs3743496)多型、PTPRT遺伝子(rs3746539)多型、FGF2遺伝子(rs3747676)多型、CHGA遺伝子(rs3759717)多型、PPP1R1B遺伝子(rs3764352)多型、ADORA1遺伝子(rs3766554)多型、RGS19IP1遺伝子(rs3815715)多型、RGS20遺伝子(rs3816772)多型が高血圧感受性遺伝子多型として有望であると報告されている(例えば、特許文献5参照。)。
高血圧の治療は、高血圧により誘発される冠動脈疾患等の発症を防止するために、血圧を下げることを目的とする。治療方法は、主に、食生活等の生活習慣の改善による高血圧の危険因子の軽減と、降圧治療剤の投薬療法に大別される。通常は、各患者のリスクを判定し、その判定結果と実際の血圧とに基づいて、降圧目標や治療方法が決定される。例えば、まず、収縮期血圧/拡張期血圧が、140〜159/90〜99mmHgを軽症高血圧、160〜179/100〜109mmHgを中等症高血圧、≧180/≧110mmHgを重症高血圧と分類した後、血圧以外の危険因子を考慮してリスクが判定される。例えば、軽症高血圧であり、他に危険因子を有さない患者は低リスク群、軽症高血圧であり、幾つかの危険因子を有する患者は中等リスク群、軽症高血圧であっても、糖尿病等の危険性の高い危険因子を有する患者は高リスク群と判断される。通常、低リスク群や中等リスク群の場合には、まず、一定期間の生活習慣の修正を行い、その後血圧が十分に低下しない場合に投薬療法がなされるが、高リスク群の患者に対しては、一定期間の生活習慣の修正と平行して投薬療法がなされる。つまり、血圧が同程度であったとしても、必ずしも同じ治療方法ではなく、各患者のリスクに応じて治療方法が適宜選択されている。このため、高血圧発症のリスクを適正に評価することが極めて重要である。
大部分の危険因子は、それぞれ単独では必ずしも高血圧発症の引き金となるわけではない。特に、遺伝要因である高血圧感受性遺伝子の場合には、保有する複数の高血圧感受性遺伝子が互いに影響しあう結果、高血圧を発症すると考えられている。したがって、高血圧発症のリスク評価においては、保有する高血圧感受性遺伝子の数が多いほど、高リスク群と判断される。このため、できるだけ多くの高血圧感受性遺伝子の有無を調べることにより、より適正に高血圧発症のリスクを評価することができると考えられるが、高血圧感受性遺伝子は数多く報告されており、これらを全て検査することは、評価の迅速性及び経済性の観点から好ましくない。また、保有の有無と高血圧発症との相関性は高血圧感受性遺伝子ごとに異なるため、相関性が比較的低い高血圧感受性遺伝子をリスク評価の判断資料とした場合には、信頼性の高い評価を得ることはできない。
特開2004−222503号公報 特開2004−113094号公報 特開2004−33051号公報 特開2004−24125号公報 特開2007−143504号公報
すなわち、適正に高血圧発症のリスクを評価するためには、高血圧感受性遺伝子高血圧発症との相関性の高い有用な高血圧感受性遺伝子を、遺伝子マーカーとして用いることが好ましく、現実的に臨床上測定可能な範囲内の数の有用な高血圧感受性遺伝子を組み合わせて遺伝子マーカーとして用いることがより好ましい。しかしながら、これまでに報告されている高血圧感受性遺伝子は、保有の有無と高血圧発症との相関性は観察されているものの、相関の程度は不十分であり、また、リスク評価の信頼性をより高めることができる高血圧感受性遺伝子の組み合わせはほとんどない。
本発明は、保有の有無と高血圧発症との相関性が十分に高く、高血圧発症のリスク判定に用いることができるSNPからなる遺伝子マーカー、該SNPを検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができる高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、該SNPを用いた高血圧発症リスク判定方法、該SNPのタイピングに用いる高血圧発症リスク判定用マイクロアレイ、及び該SNPのタイピングに用いる高血圧発症リスク判定用キット等を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、8924人から採取されたゲノムDNAを対象として、ケース(高血圧)群とコントロール(正常血圧)群におけるSNPの頻度差を調べるケースコントロール相関解析を行った結果、ATP2B1遺伝子とCYP11B2遺伝子のSNP、特にATP2B1遺伝子のSNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、CYP11B2遺伝子のSNP(rs1799998)が、高血圧の遺伝子マーカーとして非常に有用であること、さらに、これらのSNP、及びAGT遺伝子のSNP(rs699)からなる群より選択される2以上のSNPを組み合わせることにより、個々のSNP単独よりも、より適確に高血圧発症リスクを判定し得ることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明の第一の発明は、ATP2B1遺伝子のSNP(一塩基多型)を含むATP2B1遺伝子の15塩基長以上の部分塩基配列若しくは全塩基配列、又はこれらのいずれかと相補的な配列からなり、前記SNPがSNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、及びSNP(rs11105364)からなる群より選択される1以上であることを特徴とする高血圧の遺伝子マーカーを提供するものである。
また下記の(a)、(b)、(d)、(e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs11105378)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とする高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド提供し得る(以下、「第二の発明」ともいう。);(a)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号6で表される塩基配列、又は配列番号6で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
また下記の(a)、(b)、(d)、(e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs2681472)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とする高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド提供し得る(以下、「第三の発明」ともいう。);(a)配列番号12で表される塩基配列、又は配列番号12で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号13で表される塩基配列、又は配列番号13で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
また下記の(a)、(b)、(d)、(e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs1401982)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とする高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド提供し得る(以下、「第四の発明」ともいう。);(a)配列番号19で表される塩基配列、又は配列番号19で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号20で表される塩基配列、又は配列番号20で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
またCYP11B2遺伝子のSNPであるSNP(rs1799998)を含むCYP11B2遺伝子の15塩基長以上の部分塩基配列又は全塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなることを特徴とする高血圧の遺伝子マーカー提供し得る(以下、「第五の発明」ともいう。)
また下記の(a)、(b)、(d)、(e)のいずれかの塩基配列を有し、SNP(rs1799998)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とする高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド提供し得る(以下、「第六の発明」ともいう。);(a)配列番号26で表される塩基配列、又は配列番号26で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号27で表される塩基配列、又は配列番号27で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
また、本発明の第七の発明は、遺伝子マーカーを用いて、高血圧発症リスクを判定する方法であって、(a)ヒト個体から採取された核酸の、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、及びSNP(rs11105364)らなる群より選択される1以上をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の高血圧発症リスクを判定する工程と、を有することを特徴とする、高血圧発症リスク判定方法を提供するものである。
本発明の第七の発明においては、前記工程(a)が、さらにAGT遺伝子のSNPであるSNP(rs699)、及びCYP11B2遺伝子上のSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上をタイピングする工程であることが好ましい。
また固相担体上に、前記第二、第三、第四、及び第六の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドからなる群より選択される1以上が固定されていることを特徴とする高血圧発症リスク判定用マイクロアレイ提供し得る(以下、「第八の発明」ともいう。)
八の発明においては、さらに、前記固相担体上に、下記の(a)、(b)、(d)、(e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs699)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチドも固定されていることが好ましい;(a)配列番号33で表される塩基配列、又は配列番号33で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号34で表される塩基配列、又は配列番号34で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
また、本発明の第九の発明は、前記第二の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、前記第三の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、及び前記第四の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドらなる群より選ばれる1以上を含むことを特徴とする高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキットを提供するものである。
また、本発明の第十の発明は、前記第二の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、前記第三の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、前記第四の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、前記第六の発明の高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド及び、下記の(a)、(b)、(d)、(e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs699)を検出するためのプライマー及びプローブとして用いることができるポリヌクレオチドからなる群より選ばれる1以上を含むことを特徴とする高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキットを提供するものである;(a)配列番号33で表される塩基配列、又は配列番号33で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列(d)配列番号34で表される塩基配列、又は配列番号34で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列;(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列
またATP2B1遺伝子の塩基配列の全部又は一部がloxP配列で挟まれている塩基配列を含むことを特徴とする、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込みベクター提供し得る(以下、「第十一の発明」ともいう。)
また、前記第十一の発明のベクターを用いて作製されたことを特徴とする、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込み小動物提供し得る(以下、「第十二の発明」ともいう。)
またTie−2プロモーター、Tie−1プロモーター、Flk−1プロモーター、SM22プロモーター、SM−MHCプロモーター、Wt1プロモーター、P0プロモーター、Pax3プロモーター、αMHCプロモーター、Nkx2.5プロモーター、Tbx1プロモーター、tetracycline−inducibleプロモーター、及びCMV enhancer−chicken β−actinプロモーターからなる群より選択される一のプロモーターを、Cre Recombinaseの発現プロモーターとする選択的Cre発現トランスジェニック小動物に、前記第十二の発明であるATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込み小動物を掛け合わせることにより作製されたことを特徴とする、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物提供し得る(以下、「第十三の発明」ともいう。)
また、前記第十三の発明であるATP2B1遺伝子局所的欠損小動物を、カルシウム拮抗薬のスクリーニングのための試験動物として使用することを特徴とする、ATP2B1遺伝子の局所的欠損小動物の使用方法提供し得る
本発明の第一の発明及び/又は第五の発明である高血圧の遺伝子マーカーは、保有の有無と高血圧発症との相関性が十分に高いSNPからなる遺伝子マーカーである。このため、本発明の高血圧の遺伝子マーカーを用いた本発明の第七の発明である高血圧発症リスク判定方法を用いることにより、より信頼性の高い判定結果を得ることができる。
また、本発明の第二〜第四の発明、又は第六の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド、該高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドが固定されている本発明の第八の発明である高血圧発症リスク判定用マイクロアレイ、該高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド又は該高血圧発症リスク判定用マイクロアレイを有する本発明の第九の発明及び/又は第十の発明である高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキットのいずれかを用いることにより、本発明の高血圧の遺伝子マーカーであるSNPを、適確かつ簡便に検出し、高精度に効率よく高血圧発症リスクを判定することができる。
本発明において、「高血圧」とは、循環系障害等の障害を誘発するおそれのあるレベルにまで全身の動脈圧が一過性又は持続的に高くなる状態を意味する。高血圧の具体的な定義は特に限定されないが、例えば、日本高血圧学会が定めた、「高血圧治療ガイドライン2004」(JSH2004)に準拠し、収縮期血圧/拡張期血圧が140/90mmHg以上である状態を意味する。降圧薬等を服用していない状態で、収縮期血圧が140mmHg以上であり、拡張期血圧が90mmHg以上である場合に加えて、収縮期血圧が140mmHg未満であるが、拡張期血圧が90mmHg以上である場合や、拡張期血圧が90mmHg未満であるが、収縮期血圧が140mmHg以上である場合も含まれる。また、高血圧には主に、本態性高血圧と二次性高血圧に大別され、90%以上は本態性高血圧に分類されるが、本発明においては、本態性高血圧であることが好ましい。
本発明において、「高血圧の遺伝子マーカー」とは、高血圧の遺伝要因のマーカーとなる遺伝子を意味する。本発明の高血圧の遺伝子マーカーは、SNPを含み、その対立遺伝子(アレル)として、高血圧感受性遺伝子を含む。
本発明において、「高血圧発症リスク」とは、高血圧の易罹患性(高血圧への罹りやすさ)をいう。すなわち、本発明において、あるヒト個体が高リスク群であるとは、該ヒト個体が高血圧を発症する危険率が高いと予想されることを意味し、低リスク群であるとは、該ヒト個体が高血圧を発症する危険率が低いと予想されることを意味する。
本発明において、SNPは、好ましくは公共データベースに登録されたSNPであって、そのリファレンス番号から特定可能なSNPである。例えば、NCBI(National center for Biotechnology Information)のSNPデータベース(dbSNP BUILD124)のリファレンス番号であるrs番号により特定されるSNPや、東京大学医科学研究所が整備した日本人のSNPのデータベースJSNP(登録商標)(http://snp.ims.u−tokyo.ac.jp/index_ja.html)のリファレンス番号であるIMS−JST番号により特定されるSNP等がある。
本発明の第一の発明である高血圧の遺伝子マーカーは、SNPを含み、アレルとしてATP2B1(ATPase,Ca2+ transporting,plasma membrane 1)遺伝子を含むものである。具体的には、ATP2B遺伝子のSNPとして、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)からなる群より選択される1以上を含むATP2B1遺伝子の部分塩基配列又は全塩基配列と、相同的又は相補的な配列からなることを特徴とする。該遺伝子マーカーが含むATP2B遺伝子のSNPは、1種であってもよく、2種以上であってもよい。例えば、SNP(rs11105378)のみであってもよく、SNP(rs2681472)のみであってもよく、SNP(rs1401982)のみであってもよく、SNP(rs11105364)のみであってもよい。また、SNP(rs11105378)とSNP(rs2681472)を組み合わせたものであってもよく、SNP(rs11105378)とSNP(rs1401982)を組み合わせたものであってもよく、SNP(rs2681472)とSNP(rs1401982)を組み合わせたものであってもよく、SNP(rs11105378)とSNP(rs2681472)とSNP(rs1401982)とSNP(rs11105364)とを組み合わせたものであってもよい。
ATP2B1は、正常血圧群と高血圧群において発現量が有意に増大している酵素であり、ATP2B1遺伝子は公知の高血圧感受性遺伝子である。ヒトのATP2B1遺伝子(NCBIアクセッション番号:NC_000012)において、例えば、プロモーター領域に存在するSNP(rs2070759)が、各多型の高血圧発症リスクに有意差があること(例えば、特許文献5参照。)等が報告されているが、診断に用いるほど有意な結果とはなっていない。一方で、本態性高血圧患者44名(ケース群)と正常血圧者40名(コントロール群)において、ATP2B1遺伝子の22個のエキソン全てに対して、SSCP(Single Strand Conformation Polymorphism)解析とHTX(Heteroduplex)解析を行った結果、感度100%であったにも関わらず、ケース群とコントロール群において有意な差異が観察されなかったという報告がある(例えば、G. R. Monteith et al.、 Biochemical and biophysical research communications、1997年、第230巻第2号、第344〜346ページ参照。)。つまり、ATP2B1遺伝子は公知の高血圧感受性遺伝子であるが、高血圧発症リスクにはATP2B1の発現量の多寡が重要であると考えられていたものであり、プロモーター領域以外のSNP等の遺伝子多型によって高血圧発症リスクが異なることは本発明者らが初めて明らかにした知見である。
ここで、SNP(rs11105378)は、T/C多型であり、後記実施例3の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、TアレルよりもCアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。
また、SNP(rs2681472)は、G/A多型であり、後記実施例9の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、GアレルよりもAアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。
また、SNP(rs1401982)は、A/G多型であり、後記実施例15の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、AアレルよりもGアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。
さらに、SNP(rs11105364)は、G/T多型であり、後記実施例21の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、GアレルよりもTアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。
本発明の第五の発明である高血圧の遺伝子マーカーは、SNPを含み、アレルとしてCYP11B2(Cytochrome P450,subfamily XIB2)遺伝子を含むものである。具体的には、CYP11B2遺伝子のSNPであるSNP(rs1799998)を含むCYP11B2遺伝子の部分塩基配列又は全塩基配列と、相同的又は相補的な塩基配列からなることを特徴とする。SNP(rs1799998)は、C/T多型であり、後記実施例28の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、CアレルよりもTアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。なお、CYP11B2遺伝子は、特に高血圧との関連を示す知見は報告されておらず、CYP11B2遺伝子が高血圧感受性遺伝子であることは、本発明者らが初めて明らかにした知見である。
本発明の第七の発明である高血圧発症リスク判定方法は、本発明の第一の発明及び/又は第五の発明である高血圧の遺伝子マーカー(以下、「本発明の高血圧の遺伝子マーカー」ということがある。)を用いて高血圧発症のリスクを判定する方法である。具体的には、(a)ヒト個体から採取された核酸の、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、及びSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の高血圧発症リスクを判定する工程と、を有することを特徴とする。SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、SNP(rs1799998)は、いずれも多型ごとに高血圧の発症し易さが統計学上有意に異なるため、同定されたSNPの遺伝子型から、高血圧発症リスクを判定することができる。
まず、工程(a)として、ヒト個体から採取された核酸の、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、及びSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上をタイピングする。
本発明において、「SNPをタイピングする」とは、核酸の塩基配列を解析し、SNPを検出し、多型を同定することを意味する。例えば、判定対象である核酸のSNP(rs11105378)が、TT型、TC型、CC型のいずれであるのかを同定する。
SNPタイピングに供される核酸は、ヒト個体から採取されたものであれば、特に限定されるものではなく、血液や体液等の生体試料(検体)中に含有される核酸や、これらの生体試料等から抽出された核酸であってもよく、これらの核酸を鋳型として増幅された核酸であってもよい。また、生体試料中に含有されるRNAから逆転写酵素を用いて合成されたcDNAであってもよい。
SNPのタイピング方法は、通常SNPの検出に用いられている方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、Invader(商標、Third Wave Technologies社)法、TaqMan(商標、Applied Biosystems社)法、MALDI−TOF質量分析法、マイクロアレイ法、シークエンス法、PCR(Polymerase Chain Reaction)等の塩基配列増幅法を利用した検出法等が挙げられる。特に、TaqMan法、PCR法、マイクロアレイ法等のように、各多型に特異的にハイブリダイズするプライマーやプローブを用いてSNPを検出する方法であることが好ましい。例えば、PCR法では、野生型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを野生型プライマーとし、変異型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを変異型プライマーとした場合に、SNPを含む核酸を鋳型として各プライマーを用いてPCRを行い、PCR産物が得られるか否かによりSNPの遺伝子型を同定することができる。同様に、野生型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを野生型プローブとし、変異型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを変異型プローブとした場合に、SNPを含む核酸が固定されたマイクロアレイを用いて各プローブを用いた場合にハイブリダイズするか否かによりSNPの遺伝子型を同定することができる。これらの各SNPに特異的なプローブやプライマーを用いる方法は、シークエンス法等と異なり、SNPを直接識別するため、より信頼性が高く、また、SNPタイピングに要する時間が短く済み、簡便である。
なお、各SNPに特異的なプライマーを用いてPCRを行った場合に得られるPCR産物の検出は、PCR産物を検出・定量する場合に通常用いられるいずれの方法によって行っても良い。例えば、電気泳動法により検出してもよく、SYBR Green等の蛍光インターカレーターを用いたリアルタイムPCRにより検出してもよく、一分子蛍光分析法により検出してもよい。
SNPを検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができる高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドは、該SNPを含む遺伝子の該SNPを含む部分領域又はその相補鎖にハイブリダイズし得るポリヌクレオチドであれば、特に限定されるものではない。また、高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドの塩基長やTm値等は、タイピング方法や反応条件等を考慮して、適宜決定することができるが、高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドの塩基長としては、10〜60塩基長であることが好ましく、15〜50塩基長であることがより好ましい。
このような高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドの設計は、当該技術分野においてよく知られている方法のいずれを用いても行うことができる。例えば、公知のゲノム配列データと汎用されているプライマー設計ツールを用いて、簡便に設計することができる。該プライマー設計ツールとして、例えば、Web上で利用可能なPrimer3等がある。また、公知のゲノム配列データは、通常、国際的な塩基配列データベースである、NCBIや、DDBJ(DNA Data Bank of Japan)等において入手することができる。
このようにして設計した高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドは、当該技術分野においてよく知られている方法のいずれを用いても合成することができる。例えば、ポリ合成メーカーに合成をされ依頼してもよく、市販の合成機を用いて独自に合成してもよい。
ATP2B1遺伝子上のSNP(rs11105378)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有している本発明の第二の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド(以下、「SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチド」という。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、SNP(rs11105378)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号6で表される塩基配列、又は配列番号6で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、SNP(rs11105378)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs11105378)のCアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs11105378)のTアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
ATP2B1遺伝子上のSNP(rs2681472)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有している本発明の第三の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド(以下、「SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチド」という。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号12で表される塩基配列、又は配列番号12で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、SNP(rs2681472)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号13で表される塩基配列、又は配列番号13で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、SNP(rs2681472)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs2681472)のAアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs2681472)のGアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
ATP2B1遺伝子上のSNP(rs1401982)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有している本発明の第四の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド(以下、「SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチド」という。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号19で表される塩基配列、又は配列番号19で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、SNP(rs1401982)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号20で表される塩基配列、又は配列番号20で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、SNP(rs1401982)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs1401982)のGアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs1401982)のAアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
また、CYP11B2遺伝子上のSNP(rs1799998)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有している本発明の第五の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド(以下、「SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチド」という。)であることが好ましい。
(a)配列番号26で表される塩基配列、又は配列番号26で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、SNP(rs1799998)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号27で表される塩基配列、又は配列番号27で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、SNP(rs1799998)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs1799998)のTアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs1799998)のCアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
なお、本発明において、「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、5×SSC(150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム、pH7.4)+0.3%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)中で熱変性した後、65℃で4〜16時間のハイブリダイゼーションし、常温の2×SSC+0.1%SDS、及び、2×SSCでそれぞれ5分間洗浄し、0.05×SSCでリンスすること等が挙げられる。
その他、工程(a)において用いられる高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドは、検出対象の遺伝子の塩基配列と相補的又は相同的な配列以外にも、SNPタイピングを阻害しない程度において、付加的な配列を有することができる。該付加的な配列として、例えば、制限酵素認識配列や、核酸の標識に供される配列等がある。また、各高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドは、SNPタイピング結果の検出や解析を容易にするために、SNPタイピングを阻害しない程度において、標識物質を付加することができる。該標識物質は、通常ポリヌクレオチドの標識に用いられる化合物であれば特に限定されるものではない。該標識物質として、例えば、放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン等の低分子化合物等がある。
また、ヒト個体から採取された核酸、高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド等の、SNPタイピングにおいて用いられる量は、特に限定されるものではなく、通常用いられる量で用いることができる。また、ポリメラーゼ等の酵素や、ヌクレオチド、反応用バッファー等は、特に限定されるものではなく、通常SNPタイピングを行う場合に用いられるものを、通常用いられる量で用いることができる。
次に、工程(b)として、工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の高血圧発症リスクを判定する。例えば、高血圧発症リスクは、下記表2、8、14、20、25等のオッズ比を利用して判定してもよい。その他、本発明の高血圧の遺伝子マーカーについてメタアナリシスを行って得られるオッズ比を利用して判定してもよく、本発明の高血圧の遺伝子マーカーについてコホート研究を行って得られる相対危険度(リスク比)を利用して判定してもよく、他の従来公知の統計手法を用いて統計学的に処理した値を利用して判定してもよい。
具体的には、SNP(rs11105378)のタイピング結果を用いる場合には、CC型、TC型、TT型の順にリスクが高いと判定することができる。その他、SNP(rs11105378)がTT型の場合に低リスク群であり、TC型又はCC型の場合に高リスク群であると判定することもできる。
SNP(rs2681472)のタイピング結果を用いる場合には、AA型、AG型、GG型の順にリスクが高いと判定することができる。その他、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型の場合には低リスク群であり、AA型の場合に高リスク群であると判定することもできる。
SNP(rs1401982)のタイピング結果を用いる場合には、GG型、AG型、AA型の順にリスクが高いと判定することもできる。その他、SNP(rs1401982)がAA型の場合には低リスク群であり、AG型又はGG型の場合に高リスク群であると判定することもできる。
SNP(rs11105364)のタイピング結果を用いる場合には、TT型、TG型、GG型の順にリスクが高いと判定することもできる。その他、SNP(rs11105364)がGG型の場合には低リスク群であり、TT型又はTG型の場合に高リスク群であると判定することもできる。
一方、SNP(rs1799998)のタイピング結果を用いる場合には、TT型、CT型、CC型の順にリスクが高いと判定することができる。その他、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定することができる。
また、本発明の遺伝子マーカーは、単独よりも組み合わせることにより、より適確に高血圧発症リスクを判定することができる。例えば、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。また、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。SNP(rs11105364)がGG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs11105364)がTT型又はTG型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することもできる。
その他、本発明の遺伝子マーカーは、他の高血圧の遺伝子マーカーと組み合わせて使用することもできる。組み合わせる遺伝子マーカーは、特に限定されるものではなく、公知の高血圧の遺伝子マーカーを組み合わせてもよい。特に、AGT(Angiotensinogen)遺伝子のSNPであるSNP(rs699)を含むAGT遺伝子の部分塩基配列又は全塩基配列と、相同的又は相補的な配列からなることを特徴とする高血圧の遺伝子マーカーと組み合わせることが好ましい。
AGT遺伝子は、複数のSNPを有する公知の高血圧感受性遺伝子である。SNP(rs699)は、M/T多型であり、後記実施例28の結果から明らかであるように、正常血圧群と比較した場合に高血圧群において、MアレルよりもTアレルの頻度が有意に高く、高血圧の遺伝子マーカーとして有用である。このため、例えば、SNP(rs699)がMM型又はMT型の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定することができる。なお、本願明細書において、Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。ここで、塩基配列としては、MM型はTT型として、MT型はTC型として、TT型はCC型として、それぞれ表される多型である。
SNP(rs699)のタイピングは、SNP(rs11105378)やSNP(rs1799998)と同様に公知のSNPタイピング法を用いて行うことができるが、SNP(rs699)を含むAGT遺伝子の部分塩基配列又は全塩基配列と、相同的又は相補的な配列からなるポリヌクレオチドをプライマー又はプローブとして用いるSNPタイピング法によりSNPを同定することが好ましい。AGT遺伝子上のSNP(rs699)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチドとしては、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているもの(以下、「SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチド」という。)であることが好ましい。
(a)配列番号33で表される塩基配列、又は配列番号33で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、SNP(rs699)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号34で表される塩基配列、又は配列番号34で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、SNP(rs699)以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs699)のTアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs699)のMアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
例えば、SNP(rs11105378)とSNP(rs699)のタイピング結果に基づき、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。また、SNP(rs2681472)とSNP(rs699)のタイピング結果に基づき、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。また、SNP(rs1401982)とSNP(rs699)のタイピング結果に基づき、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することもできる。さらに、SNP(rs11105364)とSNP(rs699)のタイピング結果に基づき、SNP(rs11105364)がGG型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs11105364)がTT型又はTG型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することもできる。その他、SNP(rs1799998)とSNP(rs699)のタイピング結果に基づき、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。
さらに、本発明の第一の発明である高血圧の遺伝子マーカーと、本発明の第五の発明である高血圧の遺伝子マーカーと、SNP(rs699)を含むAGT遺伝子からなる高血圧の遺伝子マーカーとの、3種の遺伝子マーカーを組み合わせることにより、非常に信頼性の高いリスク評価を得ることができる。例えば、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。また、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することができる。さらに、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合に低リスク群であり;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することもできる。
また、これら3種の遺伝子マーカーを組み合わせ、高リスク多型の数、低リスク多型の数等に基づいて、より細かいリスク評価を行うこともできる。例えば、高リスク多型の数が多いほど高血圧発症リスクが高いと判定することができる。また、低リスク多型の数が少ないほど、高血圧発症リスクが高いと判定することができる。その他、高リスク多型の数が少ないほど高血圧発症リスクが低いと判定することもでき、低リスク多型の数が多いほど高血圧発症リスクが低いと判定することもできる。
具体的には、SNP(rs11105378)のCC型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型をそれぞれ高リスク多型とし、これらの高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することができる。また、SNP(rs2681472)のAA型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型をそれぞれ高リスク多型とし、これらの高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することができる。さらに、SNP(rs1401982)のGG型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型をそれぞれ高リスク多型とし、これらの高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することもできる。
また、SNP(rs11105378)のTT型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型をそれぞれ低リスク多型とし、これらの低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することができる。また、SNP(rs2681472)のGG型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型をそれぞれ低リスク多型とし、これらの低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することができる。さらに、SNP(rs1401982)のAA型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型をそれぞれ低リスク多型とし、これらの低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することもできる。
その他、例えば、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第一群とし;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又は、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし;SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし;前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することができる。
また、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第一群とし;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又はSNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし;SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし;前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することができる。
さらに、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第一群とし;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又はSNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし;SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし;前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することもできる。
その他、工程(b)における高血圧発症リスクの判定は、工程(a)により得られたタイピング結果と、遺伝子マーカー以外の1以上の高血圧の危険因子を組み合わせて行ってもよい。遺伝子マーカー以外の危険因子として、例えば、ヒト個体の性別、年齢、BMI値、脳血管疾患の有無、心疾患の有無、喫煙の有無、飲酒量、総コレステロール値、HDLコレステロール値、中性脂肪値、空腹時血糖値等がある。
工程(a)におけるSNPタイピングを、マイクロアレイ法を用いて行う場合には、固相担体上に、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドとの少なくとも1が固定されている本発明の第八の発明である高血圧発症リスク判定用マイクロアレイを用いることが好ましい。本発明の第八の発明である高血圧発症リスク判定用マイクロアレイとしては、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドの少なくとも1と、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドとが固定されているマイクロアレイであることが好ましく;SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドのいずれも固定されているマイクロアレイであることがより好ましい。
また、本発明の第八の発明である高血圧発症リスク判定用マイクロアレイとしては、さらに、固相担体上に、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドとの少なくとも1が固定されているマイクロアレイであることが好ましく;SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドの少なくとも1と、SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドが固定されているマイクロアレイであることがより好ましい。SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドの少なくとも1と、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドが固定されているマイクロアレイであることがさらに好ましく;SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドのいずれも固定されているマイクロアレイであることが特に好ましい。
なお、本発明においてマイクロアレイとは、固相担体上にプローブとなるポリヌクレオチドが、位置を特定できるように固定された検出デバイスのことを言い、プローブ(ポリヌクレオチ)が固相化された担体自体は分散性であってもよく、検出時に位置が特定できるように2次元的な固相担体上に固定化できる状態であればよい。
また、工程(a)におけるSNPタイピングに用いる高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチド等をキット化することにより、より簡便に工程(a)のSNPタイピングを行うことが可能となる。例えば、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、及びSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上のSNPのタイピングに用いられるSNPタイピングキットとして、本発明の第九の発明である高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキットのように、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドと、及び固相担体上に、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチドと、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドの少なくとも1が固定されているマイクロアレイと、からなる群より選ばれる1以上を含むものであることが好ましい。その他、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、及びSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上のSNPと、SNP(rs699)とのタイピングに用いられるSNPタイピングキットとして、本発明の第十の発明であるSNPタイピングキットのように、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチド、固相担体上に、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドが固定されているマイクロアレイ、及び固相担体上に、SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs11105364)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチド並びにSNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドが固定されているマイクロアレイからなる群より選ばれる1以上を含むものであることが好ましい。
その他、ATP2B1遺伝子の塩基配列の全部又は一部がloxP配列で挟まれている塩基配列を含むことを特徴とする、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込みベクターを用いて、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込み小動物を作製することができる。特に、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(1401982)、SNP(rs11105364)からなる群より選択される1以上のSNPを含むATP2B1遺伝子領域をloxP配列で挟まれている塩基配列を含むATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込みベクターを用いて、ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込み小動物を作製することが好ましい。
さらに、該ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物作製用loxP組み込み小動物を、適当なプロモーターをCre Recombinaseの発現プロモーターとする選択的Cre発現トランスジェニック小動物に掛け合わせることによりATP2B1遺伝子局所的欠損小動物を作製することができる。Cre Recombinaseの発現プロモーターとして、例えば、Tie−2プロモーター、Tie−1プロモーター、Flk−1プロモーター、SM22プロモーター、SM−MHCプロモーター、Wt1プロモーター、P0プロモーター、Pax3プロモーター、αMHCプロモーター、Nkx2.5プロモーター、Tbx1プロモーター、tetracycline−inducibleプロモーター、及びCMV enhancer−chicken β−actinプロモーターからなる群より選択される一のプロモーターであることが好ましい。
このようにして作製されたATP2B1遺伝子局所的欠損小動物は、高血圧症状を呈するものであることが好ましい。また、該ATP2B1遺伝子局所的欠損小動物は、カルシウム拮抗薬のスクリーニングのための試験動物として使用することができ、ATP2B1遺伝子の遺伝子多型及び発現異常を有する疾患のモデル小動物として使用することもできる。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1] SNPタイピングに供される核酸の調製
8924人の一般地域住民を対象とし、SNPの遺伝子型と高血圧との関連を調べるための後向きコホート研究を行った。これらの対象者は、横浜(1811人)、滋賀(3730人)、愛媛(3383人)で集められた。
まず、対象者から採取した末梢血中の白血球からDNA抽出キットであるQIAamp DNA Blood Kit(キアゲン社製)を用いて、それぞれのゲノムDNAを抽出した。得られたゲノムDNAを、GenomiPhi DNA Amplification Kit(GEヘルスケアバイオサイエンス社製)を用いて増幅した。増幅したDNAをbuffer AE(キアゲン社製)を用いて50倍に希釈したものを、SNPタイピングに供した。
[実施例2] ATP2B1遺伝子上のSNP(rs11105378)のタイピング
各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、ATP2B1遺伝子上のSNP(rs11105378)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、実施例1で得られたDNA溶液2.0μLに、2.5μLのTaqMan Universal Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)、0.05μLのrs11105378の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID;C__32174448_10、アプライドバイオシステムズ社製)、0.45μLの蒸留水を加えて反応溶液を調整した後、PCR法による伸長反応に供した。伸長反応は、52℃で2分間、ついで95℃で10分間の加温の後、95℃で15秒間、60℃で1分間の加温を60回繰り返した。伸長反応後に、7900HT Fast リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて蛍光強度を測定することにより、遺伝子多型をタイピングした。
[実施例3] rs11105378多型と高血圧との相関
実施例2において同定されたSNPの遺伝子型と高血圧との相関を、一般地域住民を対象に相関解析(アソシエーション法)により解析した。
表1は、解析対象とした8924人の臨床背景を示したものである。これらの対象者を、高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用)と正常血圧群(高血圧群以外)とに分類し、実施例2において同定された多型の頻度を解析した。統計学的な解析手法としてはχ二乗検定を用いた。解析結果を表2に示す。
表2の結果より、高血圧群と正常血圧群において、実施例2において同定されたrs11105378多型における各遺伝子型の頻度が統計学的に有意に異なることが示された。具体的には、オッズ比から、正常血圧群と比較した場合に、高血圧群において、TアレルよりもCアレルの頻度が有意に高いことが分かった。
該結果から、SNP(rs11105378)の遺伝子型を調べることにより、遺伝子多型高血圧を発症する相対危険度を判定出来ることが明らかである。
[実施例4] rs11105378多型と高血圧との相関のロジスティック回帰分析
実施例2において同定されたrs11105378多型と高血圧との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
表1に示した対象者を実施例3と同様に高血圧群と正常血圧群とに分類した。ここで分類された高血圧の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を、実施例2において同定されたrs11105378多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖を独立変数として実施した。解析結果を表3に示す。
表3の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖等の環境因子を調整した上でも、実施例2において同定されたrs11105378多型が高血圧の独立した危険因子であることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、当該遺伝子型がTT型である場合に比べて、TC型で1.244倍、CC型で1.404倍であった。
該結果から、rs11105378多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を、他の環境因子の影響を調整した上で判定出来ることが明らかである。さらに、SNP(rs11105378)がTT型の場合に低リスク群であり、TC型又はCC型の場合に高リスク群であると判定し得ることも、該結果から明らかである。
[実施例5] rs11105378多型ごとの粗平均血圧値の算出
実施例2において同定された多型ごとの収縮期血圧および拡張期血圧の粗平均値を求め、その差を一元配置の分散分析により統計学的に解析した。解析結果を表4に示す。
表4の結果より、rs11105378多型ごとに収縮期血圧と拡張期血圧のいずれの粗平均血圧値も、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rs11105378多型を調べることにより、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例6] rs11105378多型と血圧値との相関の重回帰分析
実施例2において同定されたrs11105378多型と血圧値との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
収縮期血圧又は拡張期血圧を従属変数とした重回帰分析を、実施例2において同定されたrs11105378多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表5に示す。
表5の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例2において同定されたrs11105378多型が収縮期血圧、拡張期血圧の独立した危険因子であることが示された。
該結果から、rs11105378多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例7] rs11105378多型ごとの調整済平均血圧値の算出
実施例6において示された、実施例2において同定されたrs11105378多型と血圧値との回帰分析から、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を調整した上でのrs11105378多型ごとの平均収縮期血圧および拡張期血圧(調整済み平均血圧値)を算出した。解析結果を表6に示す。
表6の結果より、rs11105378多型ごとに調整済平均収縮期血圧、拡張期血圧が、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rs11105378多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例8] ATP2B1遺伝子上のSNP(rs2681472)のタイピング
9452人の一般地域住民を対象とし、SNPの遺伝子型と高血圧との関連を調べるための後向きコホート研究を行った。これらの対象者は、横浜(1871人)、滋賀(4021人)、愛媛(3560人)で集められた。
まず、対象者から採取した末梢血中の白血球から、実施例1と同様にして、それぞれのゲノムDNAを抽出し、増幅することにより、SNPタイピングに供するDNA溶液を得た。
このようにして得られた各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、ATP2B1遺伝子上のSNP(rs2681472)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、rs11105378の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assayに代えて、rs2681472の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID;C__16057071_10、アプライドバイオシステムズ社製)を用いた以外は実施例2と同様にして遺伝子多型をタイピングした。
[実施例9] rs2681472多型と高血圧との相関
実施例8において同定されたSNPの遺伝子型と高血圧との相関を、一般地域住民を対象に相関解析(アソシエーション法)により解析した。
表7は、解析対象とした9452人の臨床背景を示したものである。これらの対象者を、高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用)と正常血圧群(高血圧群以外)とに分類し、実施例8において同定された多型の頻度を解析した。統計学的な解析手法としてはχ二乗検定を用いた。解析結果を表8に示す。
表8の結果より、高血圧群と正常血圧群において、実施例8において同定されたrs2681472多型における各遺伝子型の頻度が統計学的に有意に異なることが示された。具体的には、オッズ比から、正常血圧群と比較した場合に、高血圧群において、GアレルよりもAアレルの頻度が有意に高いことが分かった。
該結果から、SNP(rs2681472)の遺伝子型を調べることにより、遺伝子多型高血圧を発症する相対危険度を判定出来ることが明らかである。
[実施例10] rs2681472多型と高血圧との相関のロジスティック回帰分析
実施例8において同定されたrs2681472多型と高血圧との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
表7に示した対象者を実施例9と同様に高血圧群と正常血圧群とに分類した。ここで分類された高血圧の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を、実施例8において同定されたrs2681472多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表9に示す。
表9の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例8において同定されたrs2681472多型が高血圧の独立した危険因子であることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、当該遺伝子型がGG型である場合に比べて、AG型で1.179倍、AA型で1.348倍であった。
該結果から、rs2681472多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を、他の環境因子の影響を調整した上で判定出来ることが明らかである。さらに、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型の場合に低リスク群であり、AA型の場合に高リスク群であると判定し得ることも、該結果から明らかである。
[実施例11] rs2681472多型ごとの粗平均血圧値の算出
実施例8において同定された多型ごとの収縮期血圧および拡張期血圧の粗平均値を求め、その差を一元配置の分散分析により統計学的に解析した。解析結果を表10に示す。
表10の結果より、rs2681472多型ごとに収縮期血圧と拡張期血圧のいずれの粗平均血圧値も、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rs2681472多型を調べることにより、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例12] rs2681472多型と血圧値との相関の重回帰分析
実施例8において同定されたrs2681472多型と血圧値との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
収縮期血圧又は拡張期血圧を従属変数とした重回帰分析を、実施例8において同定されたrs2681472多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表11に示す。
表11の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例8において同定されたrs2681472多型が収縮期血圧、拡張期血圧の独立した危険因子であることが示された。
該結果から、rs2681472多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例13] rs2681472多型ごとの調整済平均血圧値の算出
実施例12において示された、実施例8において同定されたrs2681472多型と血圧値との回帰分析から、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を調整した上でのrs2681472多型ごとの平均収縮期血圧および拡張期血圧(調整済み平均血圧値)を算出した。解析結果を表12に示す。
表12の結果より、rs2681472多型ごとに調整済平均収縮期血圧、拡張期血圧が、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rsrs2681472多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例14] ATP2B1遺伝子上のSNP(rs1401982)のタイピング
9388人の一般地域住民を対象とし、SNPの遺伝子型と高血圧との関連を調べるための後向きコホート研究を行った。これらの対象者は、横浜(1869人)、滋賀(3950人)、愛媛(3569人)で集められた。
まず、対象者から採取した末梢血中の白血球から、実施例1と同様にして、それぞれのゲノムDNAを抽出し、増幅することにより、SNPタイピングに供するDNA溶液を得た。
このようにして得られた各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、ATP2B1遺伝子上のSNP(rs1401982)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、rs11105378の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assayに代えて、rs1401982の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID;C__2775503_10、アプライドバイオシステムズ社製)を用いた以外は実施例2と同様にして遺伝子多型をタイピングした。
[実施例15] rs1401982多型と高血圧との相関
実施例14において同定されたSNPの遺伝子型と高血圧との相関を、一般地域住民を対象に相関解析(アソシエーション法)により解析した。
表13は、解析対象とした9388人の臨床背景を示したものである。これらの対象者を、高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用)と正常血圧群(高血圧群以外)とに分類し、実施例14において同定された多型の頻度を解析した。統計学的な解析手法としてはχ二乗検定を用いた。解析結果を表14に示す。
表14の結果より、高血圧群と正常血圧群において、実施例14において同定されたrs1401982多型における各遺伝子型の頻度が統計学的に有意に異なることが示された。具体的には、オッズ比から、正常血圧群と比較した場合に、高血圧群において、AアレルよりもGアレルの頻度が有意に高いことが分かった。
該結果から、SNP(rs1401982)の遺伝子型を調べることにより、遺伝子多型高血圧を発症する相対危険度を判定出来ることが明らかである。
[実施例16] rs1401982多型と高血圧との相関のロジスティック回帰分析
実施例14において同定されたrs1401982多型と高血圧との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
表13に示した対象者を実施例15と同様に高血圧群と正常血圧群とに分類した。ここで分類された高血圧の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を、実施例14において同定されたrs1401982多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表15に示す。
表15の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例14において同定されたrs1401982多型が高血圧の独立した危険因子であることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、当該遺伝子型がGG型である場合に比べて、AG型で1.179倍、AA型で1.348倍であった。
該結果から、rs1401982多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を、他の環境因子の影響を調整した上で判定出来ることが明らかである。さらに、SNP(rs1401982)がGG型又はAG型の場合に低リスク群であり、AA型の場合に高リスク群であると判定し得ることも、該結果から明らかである。
[実施例17] rs1401982多型ごとの粗平均血圧値の算出
実施例14において同定された多型ごとの収縮期血圧および拡張期血圧の粗平均値を求め、その差を一元配置の分散分析により統計学的に解析した。解析結果を表16に示す。
表16の結果より、rs1401982多型ごとに収縮期血圧と拡張期血圧のいずれの粗平均血圧値も、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rs1401982多型を調べることにより、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例18] rs1401982多型と血圧値との相関の重回帰分析
実施例14において同定されたrs1401982多型と血圧値との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
収縮期血圧又は拡張期血圧を従属変数とした重回帰分析を、実施例14において同定されたrs1401982多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表17に示す。
表17の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例14において同定されたrs1401982多型が収縮期血圧、拡張期血圧の独立した危険因子であることが示された。
該結果から、rs1401982多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例19] rs1401982多型ごとの調整済平均血圧値の算出
実施例18において示された、実施例14において同定されたrs1401982多型と血圧値との回帰分析から、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を調整した上でのrs1401982多型ごとの平均収縮期血圧および拡張期血圧(調整済み平均血圧値)を算出した。解析結果を表18に示す。
表18の結果より、rs1401982多型ごとに調整済平均収縮期血圧、拡張期血圧が、統計学的に有意に異なることが示された。
該結果から、rsrs1401982多型を調べることにより、他の環境因子の影響を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定し得ることが明らかである。
[実施例20]ATP2B1遺伝子上のSNP(rs11105364)のタイピング
実施例2で得られた各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、ATP2B1遺伝子上の多型部位(rs11105364)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、実施例2で得られたDNA溶液2.0ulに、2.5ulのTaqMan Universal Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)、0.05ulのrs11105364多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID; C__32174448_10、アプライドバイオシステムズ社製)、0.45ulの蒸留水を加えて反応溶液を調整した後にpolymerase chain reaction法による伸長反応に供した。伸長反応は、52℃で2分間、ついで95℃で10分間の加温の後、95℃で15秒間、60℃で1分間の加温を60回繰り返した。伸長反応後に、蛍光強度を7900HT Fast リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ社製)で測定することにより、遺伝子多型をタイピングした。
[実施例21]rs11105364多型と高血圧との相関
実施例20で同定された多型と高血圧との相関を、一般地域住民を対象に相関解析(アソシエーション法)で解析した。解析対象とした8924人の臨床背景を表19に示す。これらのサンプルは、横浜(1860人)、滋賀(3953人)、愛媛(3539人)で集められた。
表19に示した対象者を高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用)と正常血圧群(高血圧群以外)とに分類し、実施例20で同定された多型の頻度を解析した。統計学的な解析手法としてはχ二乗検定を用いた。解析結果を表20に示す。
表20の結果より、高血圧者と正常血圧者において、実施例20で同定されたrs11105364多型における各遺伝子型の頻度が統計学的に有意に異なることが示された。このことは、当該遺伝子多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を判定出来ることを示すものである。
[実施例22]rs11105364多型と高血圧との相関のロジスティック回帰分析
実施例20で同定された多型と高血圧との相関を、一般地域住民を対象に他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
表19に示した対象者を高血圧群(収縮期血圧140mmHg以上、及び/又は拡張期血圧90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用)と正常血圧群(高血圧群以外)とに分類した。ここで分類された高血圧の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を、実施例3で同定された多型に加えて性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホートを独立変数として実施した。解析結果を表21に示す。
表21の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホートなどの環境因子を調整した上でも、実施例3で同定された遺伝子多型が高血圧の独立した危険因子であることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、当該遺伝子型がGGである場合に比し、TG型で1.189倍、TT型で1.341倍であった。このことは、当該遺伝子多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を、他の環境因子の影響を調整した上で判定出来ることを示すものである。
[実施例23]rs11105364多型ごとの粗平均血圧値の算出
実施例20で同定された多型ごとの収縮期血圧および拡張期血圧の粗平均値を求め、その差を一元配置の分散分析により統計学的に解析した。解析結果を表22に示す。
表22の結果より、当該遺伝子多型ごとに粗平均収縮期血圧、拡張期血圧が有意に異なることが示された。このことは、当該遺伝子多型を調べることにより、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定できることを示すものである。
[実施例24]rs11105364多型と血圧値との相関の重回帰分析
実施例20で同定された多型と血圧値との相関を、一般地域住民を対象に他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
収縮期血圧または拡張期血圧を従属変数とした重回帰分析を、実施例20で同定された多型に加えて性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表23に示す。
表23の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホートなどの環境因子を調整した上でも、実施例20で同定された遺伝子多型が収縮期血圧、拡張期血圧の独立した危険因子であることが示された。
このことは、当該遺伝子多型を調べることにより、表23に示した関連する環境因子を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定できることを示すものである。
[実施例25]rs11105364多型ごとの調整済平均血圧値の算出
実施例24に示した実施例20で同定された多型と血圧値との回帰分析から、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、降圧薬の有無、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホートを調整した上での遺伝子多型ごとの平均収縮期血圧および拡張期血圧(調整済み平均血圧値)を算出した。解析結果を表24に示す。
表24の結果より、当該遺伝子多型ごとに調整済平均収縮期血圧、拡張期血圧が有意に異なることが示された。
このことは、当該遺伝子多型を調べることにより、表23に示した関連する環境因子を調整した上でも、遺伝子多型ごとの血圧上昇の程度を推定できることを示すものである。
[実施例26] CYP11B2遺伝子上のSNP(rs1799998)のタイピング
各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、CYP11B2遺伝子上のSNP(rs1799998)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、実施例1で得られたDNA溶液2.0μLに、2.5μLのTaqMan Universal Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)、0.05μLのrs1799998の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID;C__8896484_10、アプライドバイオシステムズ社製)、0.45μLの蒸留水を加えて反応溶液を調整した後、PCR法による伸長反応に供した。伸長反応は、52℃で2分間、ついで95℃で10分間の加温の後、95℃で15秒間、60℃で1分間の加温を60回繰り返した。伸長反応後に、7900HT Fast リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて蛍光強度を測定することにより、遺伝子多型をタイピングした。
[実施例27] AGT遺伝子上のSNP(rs699)のタイピング
各対象者の増幅済みゲノムDNAを鋳型として、AGT遺伝子上のSNP(rs699)をTaqManプローブ法で解析した。具体的には、実施例1で得られたDNA溶液2.0μLに、2.5μLのTaqMan Universal Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)、0.05μLのrs699の各多型に特異的なTaqMan Pre−Designed SNP Genotyping Assay (Assay ID;C__1985481_20、アプライドバイオシステムズ社製)、0.45μLの蒸留水を加えて反応溶液を調整した後、PCR法による伸長反応に供した。伸長反応は、52℃で2分間、ついで95℃で10分間の加温の後、95℃で15秒間、60℃で1分間の加温を60回繰り返した。伸長反応後に、7900HT Fast リアルタイムPCRシステム(アプライドバイオシステムズ社製)を用いて蛍光強度を測定することにより、遺伝子多型をタイピングした。
[実施例28] rs11105378多型、rs1799998多型、及びrs699多型と高血圧とのロジスティック回帰分析1
実施例2において同定されたrs11105378多型と、実施例26において同定されたrs1799998多型と、実施例27において同定されたrs699多型と、高血圧との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
表1に示した対象者を実施例3と同様に高血圧群と正常血圧群とに分類した。ここで分類された高血圧の有無を従属変数としたロジスティック回帰分析を、実施例2、26、及び27において同定された各遺伝子多型に加えて、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数を独立変数として実施した。解析結果を表25に示す。
表25の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例26において同定されたrs1799998多型及び実施例27において同定されたrs699多型が、高血圧の独立した危険因子であることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、rs1799998多型のTT型がCC型に比して1.268倍であり、rs699多型のTT型がMM型に比して1.372倍であった。
該結果から、rs1799998多型又はrs699多型を調べることにより、高血圧を発症する相対危険度を、他の環境因子の影響を調整した上で判定出来ることが明らかである。さらに、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定し得ること、及びSNP(rs699)がMM型又はMT型の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定し得ることも、該結果から明らかである。
[実施例29] rs11105378多型、rs1799998多型、及びrs699多型と高血圧とのロジスティック回帰分析2
rs11105378多型のTC型を1、CC型を2、rs1799998多型のTT型を1、rs699多型のTT型を1として、各対象者におけるリスク遺伝子多型の保有数を算出し、高血圧との相関を、他の関連する環境因子を含めた回帰分析により解析した。
具体的には、実施例2、26、及び27において同定された各遺伝子多型に代えて、前記リスク遺伝子多型の保有数を従属変数として用いた以外は、実施例28と同様にしてロジスティック回帰分析を実施した。解析結果を表26に示す。
表26の結果より、性別、年齢、body mass index、循環器疾患の既往、喫煙、飲酒量、HDLコレステロール、中性脂肪、血糖、コホート変数等の環境因子を調整した上でも、実施例2、26、及び27において同定された各遺伝子多型の組み合わせが、高血圧の独立した危険因子であること、及び、遺伝子多型ごとに解析するよりも高い相対危険度(オッズ比)を示すことが分かった。
該結果から、他の環境因子の影響を調整した上での高血圧発症に対する相対危険度を、rs11105378多型、rs1799998多型、及びrs699多型の組み合わせを調べることにより、個々の遺伝子多型単独での評価より適確に評価し得ることが明らかである。
[実施例30] SNP(rs11105378)検出用ポリヌクレオチドを用いたSNPタイピング
実施例1において対象者から採取した末梢血中の白血球から抽出したゲノムDNAを増幅したものを鋳型とし、表27記載の塩基配列を有するプライマーを用いてSNPタイピングを行った。
まず、対象者から抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号1の塩基配列を有する第一段階増幅用フォワードプライマー(SNP(rs11105378)_1st_Fw Primer)と、配列番号2の塩基配列を有する第一段階増幅用リバースプライマー(SNP(rs11105378)_1st_Rv Primer)とを用いて、ゲノムDNAを増幅した。次に、得られた増幅済みゲノムDNAを鋳型とし、SNP(rs11105378)のCアレルを特異的に検出し得る配列番号5の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(C))又はSNP(rs11105378)のTアレルを特異的に検出し得る配列番号6の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(T))、及び配列番号7の塩基配列を有するリバースプライマー(SNP(rs11105378)_Rv)を用いてPCRを行い、PCR産物の有無を一分子蛍光分析法により調べた。なお、SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(C)及びSNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(T)は、プライマーの3’末端から2番目にSNP(rs11105378)を配置し、3’末端から3番目にミスマッチを導入した塩基配列を有するポリヌクレオチドである。
具体的には、10μLの2×AmpliTaq Gold Master Mix(アプライドバイオシステムズ社製)に、2.0μLのSNP(rs11105378)_1st_Fw Primer(5μM)、2.0μLのSNP(rs11105378)_1st_Rv Primer(5μM)、1μLの抽出されたゲノムDNA(5ng/μL)、5μLの滅菌水をそれぞれ添加し、20μLの一次PCR反応溶液を調製した。その後、該反応溶液を、95℃で10分間処理した後、95℃で30秒間、57.5℃で30秒間、72℃で1分間の熱サイクルを40サイクル行い、さらに72℃で10分間処理することにより、ゲノムDNAを増幅した。
その後、2μLの10×Stoffel Buffer(アプライドバイオシステムズ社製)、1.6μLのdNTP(10mM)、2.0μLの塩化マグネシウム溶液(25mM)、1.0μLの増幅済みゲノムDNA、2.0μLのTAMRA標識SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(C)(200nM)、2.0μLのCy5標識SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(T)(200nM)、2.0μLのSNP(rs11105378)_Rv(200nM)、0.1μLのStoffel fragment(10units/μL、アプライドバイオシステムズ社製)、及び適当量の滅菌水をそれぞれ添加し、20μLの二次PCR反応溶液を調製した。その後、該反応溶液を、95℃で2分間処理した後、95℃で30秒間、63.2℃で30秒間、72℃で30秒間の熱サイクルを40サイクル行い、さらに72℃で10分間処することにより、二次PCRを行った。なお、PCR装置は、旧MJ Research社(現Bio Rad Laboratories社)のGradient Thermal Cycler PTC−200を用いて行った。
二次PCR後の反応溶液を、一分子蛍光分析装置MF20(オリンパス社製)専用のガラスプレートに分注し、543nmと633nmを測定波長とし、2波長同時測定を行い、PCR産物の有無を測定し、SNPタイピングを行った。得られたSNPタイピング結果は、実施例3と同じ結果であった。
また、SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(C)に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs11105378)を配置した配列番号3の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs11105378)_SSPrimer_Fw(C))を、SNP(rs11105378)_ASPrimer_Fw(T) に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs11105378)を配置した配列番号4の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs11105378)_SSPrimer_Fw(T))を、それぞれ用いて、同様にSNPタイピングを行ったところ、やはり、実施例3と同じ結果となった。
これらの結果から、本発明の第二の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドを用いることにより、SNP(rs11105378)SNPタイピングが高精度に行い得ることが明らかである。
[実施例31] SNP(rs2681472)検出用ポリヌクレオチドを用いたSNPタイピング
実施例8において対象者から採取した末梢血中の白血球から抽出したゲノムDNAを増幅したものを鋳型とし、表28記載の塩基配列を有するプライマーを用いてSNPタイピングを行った。
まず、対象者から抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号8の塩基配列を有する第一段階増幅用フォワードプライマー(SNP(rs2681472)_1st_Fw Primer)と、配列番号9の塩基配列を有する第一段階増幅用リバースプライマー(SNP(rs2681472)_1st_Rv Primer)とを用いて、実施例30と同様にしてゲノムDNAを増幅した。次に、得られた増幅済みゲノムDNAを鋳型とし、SNP(rs2681472)のAアレルを特異的に検出し得る配列番号12の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(A))又はSNP(rs2681472)のGアレルを特異的に検出し得る配列番号13の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(G))、及び配列番号14の塩基配列を有するリバースプライマー(SNP(rs2681472)_Rv)を用いて、実施例30と同様にしてPCRを行い、PCR産物の有無を一分子蛍光分析法により調べた。得られたSNPタイピング結果は、実施例8と同じ結果であった。なお、SNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(A)及びSNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(G)は、プライマーの3’末端から2番目にSNP(rs2681472)を配置し、3’末端から3番目にミスマッチを導入した塩基配列を有するポリヌクレオチドである。
また、SNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(A)に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs2681472)を配置した配列番号10の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs2681472)_SSPrimer_Fw(A))を、SNP(rs2681472)_ASPrimer_Fw(G) に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs2681472)を配置した配列番号11の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs2681472)_SSPrimer_Fw(G))を、それぞれ用いて、同様にSNPタイピングを行ったところ、やはり、実施例8と同じ結果となった。
これらの結果から、本発明の第三の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドを用いることにより、SNP(rs2681472)SNPタイピングが高精度に行い得ることが明らかである。
[実施例32] SNP(rs1401982)検出用ポリヌクレオチドを用いたSNPタイピング
実施例14において対象者から採取した末梢血中の白血球から抽出したゲノムDNAを増幅したものを鋳型とし、表29記載の塩基配列を有するプライマーを用いてSNPタイピングを行った。
まず、対象者から抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号15の塩基配列を有する第一段階増幅用フォワードプライマー(SNP(rs1401982)_1st_Fw Primer)と、配列番号16の塩基配列を有する第一段階増幅用リバースプライマー(SNP(rs1401982)_1st_Rv Primer)とを用いて、実施例30と同様にしてゲノムDNAを増幅した。次に、得られた増幅済みゲノムDNAを鋳型とし、SNP(rs1401982)のGアレルを特異的に検出し得る配列番号19の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(G))又はSNP(rs1401982)のAアレルを特異的に検出し得る配列番号20の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(A))、及び配列番号21の塩基配列を有するリバースプライマー(SNP(rs1401982)_Rv)を用いて、実施例30と同様にしてPCRを行い、PCR産物の有無を一分子蛍光分析法により調べた。得られたSNPタイピング結果は、実施例14と同じ結果であった。なお、SNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(G)及びSNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(A)は、プライマーの3’末端から2番目にSNP(rs1401982)を配置し、3’末端から3番目にミスマッチを導入した塩基配列を有するポリヌクレオチドである。
また、SNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(G)に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs1401982)を配置した配列番号17の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1401982)_SSPrimer_Fw(G))を、SNP(rs1401982)_ASPrimer_Fw(A) に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs1401982)を配置した配列番号18の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1401982)_SSPrimer_Fw(A))を、それぞれ用いて、同様にSNPタイピングを行ったところ、やはり、実施例14と同じ結果となった。
これらの結果から、本発明の第四の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドを用いることにより、SNP(rs1401982)SNPタイピングが高精度に行い得ることが明らかである。
[実施例33] SNP(rs1799998)検出用ポリヌクレオチドを用いたSNPタイピング
実施例2において対象者から採取した末梢血中の白血球から抽出したゲノムDNAを増幅したものを鋳型とし、表30記載の塩基配列を有するプライマーを用いてSNPタイピングを行った。
まず、対象者から抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号22の塩基配列を有する第一段階増幅用フォワードプライマー(SNP(rs1799998)_1st_Fw Primer)と、配列番号23の塩基配列を有する第一段階増幅用リバースプライマー(SNP(rs1799998)_1st_Rv Primer)とを用いて、実施例30と同様にしてゲノムDNAを増幅した。次に、得られた増幅済みゲノムDNAを鋳型とし、SNP(rs1799998)のTアレルを特異的に検出し得る配列番号26の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(T))又はSNP(rs1799998)のCアレルを特異的に検出し得る配列番号27の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(C))、及び配列番号28の塩基配列を有するリバースプライマー(SNP(rs1799998)_Rv)を用いて、実施例30と同様にしてPCRを行い、PCR産物の有無を一分子蛍光分析法により調べた。得られたSNPタイピング結果は、実施例26と同じ結果であった。なお、SNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(T)及びSNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(C)は、プライマーの3’末端から2番目にSNP(rs1799998)を配置し、3’末端から3番目にミスマッチを導入した塩基配列を有するポリヌクレオチドである。
また、SNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(T)に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs1799998)を配置した配列番号24の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1799998)_SSPrimer_Fw(T))を、SNP(rs1799998)_ASPrimer_Fw(C) に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs1799998)を配置した配列番号25の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs1799998)_SSPrimer_Fw(C))を、それぞれ用いて、同様にSNPタイピングを行ったところ、やはり、実施例26と同じ結果となった。
これらの結果から、本発明の第六の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドを用いることにより、SNP(rs1799998)SNPタイピングが高精度に行い得ることが明らかである。
[実施例34] SNP(rs699)検出用ポリヌクレオチドを用いたSNPタイピング
実施例2において対象者から採取した末梢血中の白血球から抽出したゲノムDNAを増幅したものを鋳型とし、表31記載の塩基配列を有するプライマーを用いてSNPタイピングを行った。
まず、対象者から抽出されたゲノムDNAを鋳型とし、配列番号29の塩基配列を有する第一段階増幅用フォワードプライマー(SNP(rs699)_1st_Fw Primer)と、配列番号30の塩基配列を有する第一段階増幅用リバースプライマー(SNP(rs699)_1st_Rv Primer)とを用いて、実施例30と同様にしてゲノムDNAを増幅した。次に、得られた増幅済みゲノムDNAを鋳型とし、SNP(rs699)のTアレルを特異的に検出し得る配列番号33の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs699)_ASPrimer_Fw(T))又はSNP(rs699)のMアレルを特異的に検出し得る配列番号34の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs699)_ASPrimer_Fw(M))、及び配列番号35の塩基配列を有するリバースプライマー(SNP(rs699)_Rv)を用いて、実施例30と同様にしてPCRを行い、PCR産物の有無を一分子蛍光分析法により調べた。得られたSNPタイピング結果は、実施例27と同じ結果であった。なお、SNP(rs699)_ASPrimer_Fw(T)及びSNP(rs699)_ASPrimer_Fw(M)は、プライマーの3’末端から2番目にSNP(rs699)を配置し、3’末端から3番目にミスマッチを導入した塩基配列を有するポリヌクレオチドである。
また、SNP(rs699)_ASPrimer_Fw(T)に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs699)を配置した配列番号31の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs699)_SSPrimer_Fw(T))を、SNP(rs699)_ASPrimer_Fw(M) に代えて、プライマーの3’末端にSNP(rs699)を配置した配列番号32の塩基配列を有するフォワードプライマー(SNP(rs699)_SSPrimer_Fw(M))を、それぞれ用いて、同様にSNPタイピングを行ったところ、やはり、実施例27と同じ結果となった。
これらの結果から、本発明の第六の発明である高血圧発症リスク判定用ポリヌクレオチドを用いることにより、SNP(rs699)SNPタイピングが高精度に行い得ることが明らかである。
[実施例34] その他のSNPの評価方法
高血圧との相関性が高い前記ATP2B1遺伝子のSNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、SNP(rs11105364)、CYP11B2遺伝子のSNP(rs1799998)及びAGT遺伝子のSNP(rs699)の以外に、高血圧との相関性が低いSNPを複数集めてリスクをスコア化することで、高血圧とスコアの相関を解析し、高血圧のリスク判定を行うことも可能である。
その手法は、下記の通りである。
1.高血圧リスクSNPをリスクタイプを3点、ヘテロタイプを2点、非リスクタイプを1点としてスコア化する。
2.複数の高血圧リスクSNPを1.の手法でスコア化し、足し合わせてリスク値とする。
3.サンプル集団のそれぞれの人に対して、2.のリスク値を求め、頻度×リスク値のヒストグラムを作る。
4.ヒストグラムを高リスク群、中リスク群、低リスク群にわける。
5.被験者のSNPを検査して、スコアがヒストグラムのどこに当てはまるかで、被験者を高リスク群、中リスク群、低リスク群に割り当てる。
本実施例では、高血圧との相関性が低いSNPとして、上記特許文献5で挙げられている38種類のSNPのうち、ATP2B1遺伝子のSNP(rs2070759)と他の遺伝子11種類のSNPを用いて評価を行った。12種類のSNPを表32に示す。
8467人を対象に、リスクタイプ(リスク遺伝子型)を3点、ヘテロタイプを2点、非リスクタイプを1点として積算して、表33のヒストグラムに示す。
表33において、26点以上を高リスク群、20点以下を低リスク群、21〜25点を中リスク群とする。
上記対象者の8467人のうち、高血圧群(160/90mmHg以上、及び/又は降圧薬服用;1655人)と正常血圧群(120/90mmHg未満、及び/又は降圧薬服用なし;1786人)との2群で高リスク群/中リスク群/低リスク群の頻度を比較した。比較結果を表34に示す。
表34において、対象者(正常血圧群1786人、高血圧群1655人)の内、全てのSNPのタイピングが可能だったケースは、正常血圧群1497人、高血圧群1401人であった。ここで、p=0.0002であった。これは高血圧群と正常血圧群で高リスク群/中リスク群/低リスク群の頻度が同じという帰無仮説を立てて検定したときのものであり、高血圧群と正常血圧群で低リスク群/中リスク群/高リスク群の頻度が99.9998%の確率で異なることを意味する。
前記12種類のSNPと高血圧との相関を他の関連する環境因子を含めた回帰分析より解析した。対象者を高リスク群と中リスク群と低リスク群とに分類した。ここで分類されたリスクの程度を従属変数としたロジスティック回帰分析を、性別、年齢、body mass indexを独立変数として実施した。解析結果を表35に示す。
表35の結果より、性別、年齢、body mass index等の環境因子を調整した上でも、ATP2B1遺伝子のSNP(rs2070759)と他の遺伝子11種類のSNPとの重積により、高血圧のリスクを判定できることが示された。また、その相対危険度(オッズ比)は、低リスク群に比し、中リスク群で1.275、高リスク群で1.675倍であった。ATP2B1遺伝子の以外は高血圧と相関性が低いため多型の重積が重要である。高血圧群と正常血圧群での対象者のタイプを表36に示す。
表36において、AA、Aa、aaの値は表32と同様である。また、p値は、表34と同様に高血圧群/正常血圧群でAA、Aa、aaの頻度を比較したものである。
本発明の高血圧の遺伝子マーカーを用いることにより、高血圧発症のリスクをより適確に判定し得るため、医療機関等における検体の遺伝子解析等の分野において利用が可能である。

Claims (41)

  1. ATP2B1遺伝子のSNP(一塩基多型)を含むATP2B1遺伝子の15塩基長以上の部分塩基配列若しくは全塩基配列、又はこれらのいずれかと相補的な配列からなり、前記SNPがSNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、及びSNP(rs11105364)からなる群より選択される1以上であることを特徴とする高血圧の遺伝子マーカー。
  2. 前記SNPがSNP(rs11105378)及びSNP(rs2681472)からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  3. 前記SNPがSNP(rs11105378)及びSNP(rs1401982)からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  4. 前記SNPがSNP(rs2681472)及びSNP(rs1401982)からなる群より選択される1以上であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  5. 前記SNPがSNP(rs11105378)であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  6. 前記SNPがSNP(rs2681472)であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  7. 前記SNPがSNP(rs1401982)であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  8. 前記SNPがSNP(rs11105364)であることを特徴とする請求項1記載の高血圧の遺伝子マーカー。
  9. 遺伝子マーカーを用いて、高血圧発症リスクを判定する方法であって、
    (a)ヒト個体から採取された核酸の、SNP(rs11105378)、SNP(rs2681472)、SNP(rs1401982)、及びSNP(rs11105364)からなる群より選択される1以上をタイピングする工程と、
    (b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の高血圧発症リスクを判定する工程と、を有することを特徴とする、高血圧発症リスク判定方法。
  10. 前記工程(a)が、さらにAGT遺伝子のSNPであるSNP(rs699)及びCYP11B2遺伝子上のSNP(rs1799998)からなる群より選択される1以上をタイピングする工程であることを特徴とする、請求項記載の高血圧発症リスク判定方法。
  11. 前記工程(b)において、SNP(rs11105378)がCC型、TC型、TT型の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  12. 前記工程(b)において、SNP(rs2681472)がAA型、AG型、GG型の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  13. 前記工程(b)において、SNP(rs1401982)がGG型、AG型、AA型の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  14. 前記工程(b)において、SNP(rs11105364)がTT型、TG型、GG型の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  15. 前記工程(b)において、SNP(rs11105378)がTT型の場合に低リスク群であり、TC型又はCC型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  16. 前記工程(b)において、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型の場合には低リスク群であり、AA型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  17. 前記工程(b)において、SNP(rs1401982)がAA型の場合には低リスク群であり、AG型又はGG型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  18. 前記工程(b)において、SNP(rs11105364)がGG型の場合には低リスク群であり、TT型又はTG型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  19. 前記工程(b)において、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  20. 前記工程(b)において、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)の場合に低リスク群であり、TT型の場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  21. 前記工程(b)において、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり、SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  22. 前記工程(b)において、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり、SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  23. 前記工程(b)において、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型である場合に低リスク群であり、SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  24. 前記工程(b)において、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  25. 前記工程(b)において、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  26. 前記工程(b)において、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  27. 前記工程(b)において、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  28. 前記工程(b)において、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  29. 前記工程(b)において、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合に低リスク群であり、SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合に高リスク群であると判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  30. SNP(rs11105378)のCC型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型(Tはトレオニン(Thr)を示す。)をそれぞれ高リスク多型とし、前記工程(b)において、前記高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  31. SNP(rs2681472)のAA型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型(Tはトレオニン(Thr)を示す。)をそれぞれ高リスク多型とし、前記工程(b)において、前記高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  32. SNP(rs1401982)のGG型、SNP(rs1799998)のTT型、SNP(rs699)のTT型(Tはトレオニン(Thr)を示す。)をそれぞれ高リスク多型とし、前記工程(b)において、前記高リスク多型の数が3個、2個、1個、0個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  33. SNP(rs11105378)のTT型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型(Mはメチオニン(Met)を示す。)をそれぞれ低リスク多型とし、前記工程(b)において、前記低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  34. SNP(rs2681472)のGG型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型(Mはメチオニン(Met)を示す。)をそれぞれ低リスク多型とし、前記工程(b)において、前記低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  35. SNP(rs1401982)のAA型、SNP(rs1799998)のCC型、SNP(rs699)のMM型(Mはメチオニン(Met)を示す。)をそれぞれ低リスク多型とし、前記工程(b)において、前記低リスク多型の数が0個、1個、2個、3個の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  36. SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合を第一群とし、
    SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又は、SNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし、
    SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs11105378)がTT型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし、
    SNP(rs11105378)がTC型又はCC型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし、
    前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  37. SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合を第一群とし、
    SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又はSNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし、
    SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs2681472)がGG型又はAG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし、
    SNP(rs2681472)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし、
    前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  38. SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型(Mはメチオニン(Met)であり、Tはトレオニン(Thr)を示す。)である場合を第一群とし、
    SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、SNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、又はSNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合を第二群とし、
    SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がCC型又はCT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合、SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がMM型又はMT型である場合、又はSNP(rs1401982)がAA型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第三群とし、
    SNP(rs1401982)がAG型又はGG型であり、SNP(rs1799998)がTT型であり、SNP(rs699)がTT型である場合を第四群とし、
    前記工程(b)において、前記第四群、前記第三群、前記第二群、前記第一群の順にリスクが高いと判定することを特徴とする、請求項10に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  39. 前記ヒト個体の性別、年齢、BMI値、脳血管疾患の有無、心疾患の有無、喫煙の有無、飲酒量、総コレステロール値、HDLコレステロール値、中性脂肪値、空腹時血糖値からなる群より選ばれる1つ以上の環境因子と、前記工程(a)により得られたタイピング結果を組み合わせて行うことを特徴とする、請求項に記載の高血圧発症リスク判定方法。
  40. 下記の(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs11105378)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、下記の(2a)、(2b)、(2d)、又は(2e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs2681472)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、及び下記の(3a)、(3b)、(3d)、又は(3e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs1401982)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチドらなる群より選ばれる1以上を含むことを特徴とする高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキット。
    (1a)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (1b)前記(1a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (1d)配列番号6で表される塩基配列、又は配列番号6で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (1e)前記(1d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (2a)配列番号12で表される塩基配列、又は配列番号12で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (2b)前記(2a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (2d)配列番号13で表される塩基配列、又は配列番号13で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (2e)前記(2d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (3a)配列番号19で表される塩基配列、又は配列番号19で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (3b)前記(3a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (3d)配列番号20で表される塩基配列、又は配列番号20で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (3e)前記(3d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
  41. 下記の(1a)、(1b)、(1d)、又は(1e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs11105378)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、下記の(2a)、(2b)、(2d)、又は(2e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs2681472)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、下記の(3a)、(3b)、(3d)、又は(3e)の何れかの塩基配列を有し、SNP(rs1401982)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、下記の(4a)、(4b)、(4d)、又は(4e)のいずれかの塩基配列を有し、SNP(rs1799998)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、及び下記の(5a)、(5b)、(5d)、又は(5e)のいずれかの塩基配列を有し、SNP(rs699)を検出するためのプライマー及びプローブとして用いることができるポリヌクレオチドからなる群より選ばれる1以上を含むことを特徴とする高血圧発症リスク判定用SNPタイピングキット。
    (1a)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (1b)前記(1a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (1d)配列番号6で表される塩基配列、又は配列番号6で表される塩基配列のSNP(rs11105378)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (1e)前記(1d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (2a)配列番号12で表される塩基配列、又は配列番号12で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (2b)前記(2a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (2d)配列番号13で表される塩基配列、又は配列番号13で表される塩基配列のSNP(rs2681472)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (2e)前記(2d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (3a)配列番号19で表される塩基配列、又は配列番号19で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (3b)前記(3a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (3d)配列番号20で表される塩基配列、又は配列番号20で表される塩基配列のSNP(rs1401982)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (3e)前記(3d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (4a)配列番号26で表される塩基配列、又は配列番号26で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (4b)前記(4a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (4d)配列番号27で表される塩基配列、又は配列番号27で表される塩基配列のSNP(rs1799998)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    (4e)前記(4d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    a)配列番号33で表される塩基配列、又は配列番号33で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    d)配列番号34で表される塩基配列、又は配列番号34で表される塩基配列のSNP(rs699)を含む15塩基長以上の部分配列である塩基配列。
    e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
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