JP2011024457A - インスリン抵抗性のリスク評価方法、空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法、及びインスリン抵抗性リスク評価用遺伝子多型タイピングキット - Google Patents

インスリン抵抗性のリスク評価方法、空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法、及びインスリン抵抗性リスク評価用遺伝子多型タイピングキット Download PDF

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充弘 横田
Masahiro Nakatochi
昌弘 中杤
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Abstract

【課題】保有の有無と空腹時血中インスリン濃度との相関性が十分に高く、空腹時血中インスリン濃度評価、引いてはインスリン抵抗性のリスク評価に用いることができる遺伝子多型からなる遺伝子マーカー、空腹時血中インスリン濃度の評価方法及びインスリン抵抗性のリスク評価方法、並びに該遺伝子多型のタイピングに用いるキットの提供。
【解決手段】遺伝子マーカーを用いて、インスリン抵抗性のリスクを評価する方法であって、(a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体のインスリン抵抗性のリスクを評価する工程と、を有し、前記遺伝子多型が、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする、インスリン抵抗性のリスク評価方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、空腹時血中インスリン濃度と相関性が高く、インスリン抵抗性評価や空腹時血中インスリン濃度評価に用いることができる遺伝子多型からなる遺伝子マーカー、該遺伝子マーカーを検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、当該遺伝子マーカーを用いた空腹時血中インスリン濃度の評価方法及びインスリン抵抗性のリスク評価方法、並びに該遺伝子多型のタイピングに用いるキットに関する。
糖尿病は、主に、インスリン分泌が著しく低下したことによって発症するインスリン依存型糖尿病(IDDM)と、インスリン分泌はある程度保たれているものの、血糖値が高くなるインスリン非依存型糖尿病(NIDDM)とに分類される。NIDDMの特徴的な病態として、インスリン分泌不全とインスリン抵抗性(血中にインスリンが存在していても、標的組織である肝、筋肉、脂肪組織等において十分な作用が発現できない状態)が挙げられる。NIDDMは生活習慣病の1種と考えられているが、これは、遺伝的原因のほかにも、運動不足、肥満等の生活習慣によってインスリン抵抗性が引き起こされるためである。このように、インスリン抵抗性は、NIDDMの発症と深い関係がある。このため、インスリン抵抗性を評価することが非常に重要である。
インスリン抵抗性を正確に評価する方法としては、例えば、グルコースクランプ法、SSPG(steady state plasma glucose)法等が挙げられるが、これらの方法は被験者への負担が大きく、操作も複雑である。そこで、一般的には、HOMA−IR(Homeostasis model assessment−Insulin Resistance)をインスリン抵抗性指数として用いている。HOMA−IRは、下記の計算式で求めることができ、より簡便にインスリン抵抗性を評価することができる。HOMA−IR値は、空腹時血糖値と空腹時インスリン値のいずれもが正常である場合に、1となるように規定されている。
HOMA−IR=〔空腹時血糖値(mg/dl)〕×〔空腹時インスリン値(μU/ml)〕/ 405
一方で、最近、NIDDMの遺伝的リスクに関する研究も報告されている。例えば、特許文献1によれば、Coagulation factor III(F3)遺伝子のSNP(一塩基多型)(rs1361600)、Angiotensin 1-converting enzyme(ACE)遺伝子のSNP(rs4291)、Paraoxonase 1(PON1)遺伝子のSNP(rs13306698)、Monocyte differentiation antigen CD14(CD14)遺伝子のSNP(rs2569190)、Adipocyte, CIQ, and collagen domain containing(ADIPOQ)遺伝子のSNP(rs1501299)、ATP-binding cassette, subfamily A, member 1(ABCA1)遺伝子のSNP(rs4149313)、Chemokine, CX3C motif, receptor 1(CX3CR1)遺伝子のSNP(rs3732378)、Insulin promoter factor 1(IPF1)遺伝子のSNP(−108位の3つのGが4つのGへの挿入多型)、Thrombospondin II(THBS2)遺伝子のSNP(rs8089)、Factor VII(F7)遺伝子のSNP(rs6046)、Protein phosphatase 1, regulatory subunit 3A(PPP1R3A)遺伝子のSNP(rs1799999)、Platelet-endothelial cell adhesion molecule 1(PECAM1)遺伝子のSNP(rs1131012)、及びpolycystic kidney disease 1-like(PKD1−like)遺伝子のSNP(rs1635712)が、NIDDMの発症と強い相関が観察されたことが報告されている。
特開2007−267728号公報
このように、NIDDMの発症と相関性の高い遺伝子多型については幾つか報告があるものの、インスリン抵抗性自体に対する遺伝的リスクについては、十分な研究がなされていない。
本発明は、保有の有無と空腹時血中インスリン濃度との相関性が十分に高く、空腹時血中インスリン濃度評価、引いてはインスリン抵抗性のリスク評価に用いることができる遺伝子多型からなる遺伝子マーカー、該遺伝子多型を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチド、該遺伝子マーカーを用いた空腹時血中インスリン濃度の評価方法及びインスリン抵抗性のリスク評価方法、並びに該遺伝子多型のタイピングに用いるキットを提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意研究した結果、原則として50歳以上の450人以上から採取されたゲノムDNAを対象として、インスリン抵抗性の指標として汎用されているHOMA−IR値及び空腹時血中インスリン濃度と、遺伝子多型との関連性を解析したところ、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)、及び同じくアディポネクチン遺伝子の−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)の3種類の遺伝子多型が、HOMA−IR値及び空腹時血中インスリン濃度と強い相関があり、インスリン抵抗性評価や空腹時血中インスリン濃度評価のための遺伝子マーカーとして非常に有用であることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明は、
(1) 遺伝子マーカーを用いて、インスリン抵抗性のリスクを評価する方法であって、(a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体のインスリン抵抗性のリスクを評価する工程と、を有し、前記遺伝子多型が、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする、インスリン抵抗性のリスク評価方法、
(2) 前記工程(a)が、さらに、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)をタイピングする工程であることを特徴とする前記(1)記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法、
(3) 前記工程(b)において、アポリポプロテインE遺伝子の一塩基多型(−219G/T、rs405509)がTT型、GT型、GG型の順にインスリン抵抗性となるリスクが高いと評価することを特徴とする、前記(1)記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法、
(4) 前記工程(b)において、アディポネクチン遺伝子の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)がGG型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、AG型又はAA型の場合にリスクが低いと評価することを特徴とする、前記(2)記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法、
(5) 前記工程(b)において、アディポネクチン遺伝子の多型(−11156insCA、rs60806105)が、両アレルにCAが挿入されているホモ型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、ヘテロ型又は両アレルでCAが欠損しているホモ型の場合に低いと評価することを特徴とする、前記(2)記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法、
(6) 遺伝子マーカーを用いて、空腹時血中インスリン濃度のリスクを評価する方法であって、(a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の空腹時血中インスリン濃度のリスクを評価する工程と、を有し、前記遺伝子多型が、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする、空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法、
(7) 前記工程(a)が、さらに、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)をタイピングする工程であることを特徴とする、前記(6)記載の空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法、
(8) アポリポプロテインE遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、前記遺伝子多型が−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とするインスリン抵抗性の遺伝子マーカー、
(9) アポリポプロテインE遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、前記遺伝子多型が−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする空腹時血中インスリン濃度の遺伝子マーカー、
(10) アディポネクチン遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、前記遺伝子多型が、−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)であることを特徴とするインスリン抵抗性の遺伝子マーカー、
(11) アディポネクチン遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、前記遺伝子多型が、−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)であることを特徴とする空腹時血中インスリン濃度の遺伝子マーカー、
(12) 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド;
(a)配列番号1で表される塩基配列、又は配列番号1で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列;
(d)配列番号2で表される塩基配列、又は配列番号2で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列、
(13) 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド;
(a)配列番号4で表される塩基配列、又は配列番号4で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列;
(d)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列、
(14) 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アディポネクチン遺伝子の−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド;
(a)配列番号7で表される塩基配列、又は配列番号7で表される塩基配列の第81番目及び第82番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目及び第82の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列;
(d)配列番号8で表される塩基配列、又は配列番号8で表される塩基配列のうち第80番目及び第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列;
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列;
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第80番目及び第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列、
(15) 前記(12)記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド、前記(13)記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド、及び前記(14)記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチドからなる群より選択される1以上を含むことを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用遺伝子多型タイピングキット、
を提供するものである。
本発明の遺伝子マーカーは、空腹時血中インスリン濃度との相関性が十分に高い遺伝子多型からなるマーカーである。このため、これらの遺伝子マーカーを用いることを特徴とする、本発明の空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法及びインスリン抵抗性のリスク評価方法により、インスリン抵抗性の遺伝的リスクについて、より信頼性の高い評価をすることができる。
APOE遺伝子のSNP(rs405509)の各遺伝子型におけるHOMA−IR値を示した図である。 ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194){図2(A)}及び−11156位の塩基の多型{図2(B)}の各遺伝子型におけるHOMA−IR値を示した図である。 APOE遺伝子のSNP(rs405509)の各遺伝子型における空腹時血中インスリン濃度を示した図である。
本発明及び本願明細書において、「rsXXXXXX(Xは任意の数字)」は、NCBI(National Center for Biotechnology Information)のSNPデータベース(dbSNP BUILD124)のリファレンス番号であるrs番号を示す。
本発明において、「インスリン抵抗性のリスク」とは、インスリン抵抗性へのなり易さ、すなわち、血中にインスリンが存在していても、標的組織である肝、筋肉、脂肪組織等において十分な作用が発現できない状態へのなり易さをいう。すなわち、本発明において、あるヒト個体が「インスリン抵抗性の高リスク群である」とは、該ヒト個体がインスリン抵抗性となる危険率が高いと予想されることを意味し、「インスリン抵抗性の低リスク群である」とは、該ヒト個体がインスリン抵抗性となる危険率が低いと予想されることを意味する。
同様に、本発明において、「空腹時血中インスリン濃度のリスク」とは、空腹時血中インスリン濃度の高くなり易さをいう。すなわち、本発明において、あるヒト個体が「空腹時血中インスリン濃度の高リスク群である」とは、該ヒト個体が、空腹時血中インスリン濃度が高くなる危険率が高いと予想されることを意味し、「空腹時血中インスリン濃度の低リスク群である」とは、該ヒト個体が、空腹時血中インスリン濃度が高くなる危険率が低いと予想されることを意味する。なお、本発明において、「空腹時血中インスリン濃度が高い」とは、健常者(HOMA−IR値が1近傍の値であるヒト)の平均的な空腹時血中インスリン濃度よりも明らかに高いことを意味する。例えば、空腹時血中インスリン濃度が15μU/ml以上の場合に、空腹時血中インスリン濃度が高い、ということができる。
本発明のインスリン抵抗性の遺伝子マーカーは、アポリポプロテインE(Apolipoprotein E、以下、「APOE」)遺伝子の全塩基配列又は−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)を含む部分塩基配列と、相同的又は相補的な配列からなることを特徴とする。
APOEは、HDL(High Density Lipoprotein)、カイロミクロン、VLDL(Very Low Density Lipoprotein)等のリポタンパク質を構成している主要なアポリポタンパク質の1つである。ヒトの第19番染色体上に遺伝子がコードされており、317アミノ酸からなるタンパク質をコードしている。この317アミノ酸からなるタンパク質は、翻訳後修飾によりN末端が切断され、299アミノ酸からなる成熟タンパク質として、細胞外に分泌される。APOE遺伝子には、3つの対立遺伝子があり、それぞれに対応するアイソフォーム(APOE2、APOE3、APOE4)がある。これらのアイソフォームには、112位のアミノ酸(Cys112Arg)と158位のアミノ酸(Arg158Cys)に違いがある。
APOE遺伝子の−219位の塩基は、プロモーター領域の塩基であり、当該塩基の遺伝子多型であるSNP(rs405509)は、G/T多型である。配列番号3の塩基配列において、201番目の塩基がAPOE遺伝子の−219位の塩基に相当する。すなわち、Gアレルの場合は、配列番号3の塩基配列の201番目の塩基がCであり、Tアレルの場合は、配列番号3の塩基配列の201番目の塩基がAである。後記実施例1の結果から明らかであるように、本発明者らによって、APOE遺伝子の−219位の塩基の遺伝子型がGG型、GT型、TT型の順に、HOMA−IR値が高くなることが確認された。空腹時血中インスリン濃度も、同様に、GG型、GT型、TT型の順に高くなることが確認された。つまり、APOE遺伝子のSNP(rs405509)において、Gアレルを保有しているヒトよりも、Tアレルを保有しているヒトのほうが、HOMA−IR値及び空腹時血中インスリン濃度が高く、よって、インスリン抵抗性のリスクと空腹時血中インスリン濃度のリスクのいずれも高い。
なお、糖尿病の有病率は、SNP(rs405509)がGG型、GT型、TT型の順に高くなることが確認された。これに対して、高血圧の有病率は、SNP(rs405509)の遺伝子型との相関は観察されなかった。
本発明においては、アディポネクチン(Adiponectine、以下、「ADIPOQ」)遺伝子の全塩基配列、又は−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)若しくは−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)を含む部分塩基配列と、相同的又は相補的な配列からなるものを、インスリン抵抗性の遺伝子マーカーとしてもよい。
ADIPOQ遺伝子の−11426位の塩基のSNP(rs16861194)は、A/G多型である。配列番号6の塩基配列において、201番目の塩基がADIPOQ遺伝子の−11426位の塩基に相当する。すなわち、Aアレルの場合は、配列番号6の塩基配列の201番目の塩基がAであり、Gアレルの場合は、配列番号6の塩基配列の201番目の塩基がGである。後記実施例1の結果から明らかであるように、本発明者らによって、ADIPOQ遺伝子の−11426位の塩基の遺伝子型がAA型及びAG型の場合には、HOMA−IR値が1程度であり、ほぼ正常値であるが、GG型の場合には、HOMA−IR値が高くなることが確認された。空腹時血中インスリン濃度も、同様に、AA型及びAG型の場合には、比較的低いものの、GG型の場合には高くなることが確認された。
ADIPOQ遺伝子の−11156位の塩基の多型(rs60806105)は、−11156位に2塩基(CA)が挿入されている挿入多型(Iアレル)と、2塩基(CA)が欠損している欠損型(Dアレル)とからなる。配列番号9の塩基配列は、ADIPOQ遺伝子のIアレルの−11156位の塩基の近傍の塩基配列を示したものであり、201番目の塩基Cと202番目の塩基Aが、Dアレルでは欠損している2塩基に相当する。すなわち、この2塩基(CA)を欠損した配列がDアレルの塩基配列となる。後記実施例1の結果から明らかであるように、遺伝子型がDD型(Dアレルのホモ型)及びDI型(ヘテロ型)の場合には、HOMA−IR値が1程度であり、ほぼ正常値であるが、II型の場合には、HOMA−IR値が高くなることが確認された。空腹時血中インスリン濃度も、同様に、DD型及びDI型の場合には、比較的低いものの、II型の場合には高くなることが確認された。
なお、SNP(rs16861194)と多型(rs60806105)は、互いに完全な連鎖不平衡(r=1.00)にある。よって、本発明においては、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)と多型(rs60806105)とのいずれを遺伝子マーカーとして用いてもよく、両方を遺伝子マーカーとして用いてもよい。
本発明のインスリン抵抗性のリスク評価方法は、遺伝子マーカーとして、APOE遺伝子のSNP(rs405509)を用いることを特徴とする。前述したように、APOE遺伝子のSNP(rs405509)は、多型ごとにインスリン抵抗性が統計学上有意に異なるため、同定されたSNPの遺伝子型から、インスリン抵抗性のリスクを評価することができる。SNP(rs405509)がTT型、GT型、GG型の順にインスリン抵抗性となるリスクが高いと評価することができる。
本発明のインスリン抵抗性のリスク評価方法は、遺伝子マーカーとして、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)又は多型(rs60806105)を用いてもよい。具体的には、SNP(rs16861194)がGG型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、AG型又はAA型の場合にリスクが低いと評価することができる。一方、多型(rs60806105)がII型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、DD型又はDI型の場合にリスクが低いと評価することができる。本発明においては、特に、APOE遺伝子のSNP(rs405509)と併用することにより、より信頼性の高い評価をすることが可能となる。
具体的には、(a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、(b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体のインスリン抵抗性のリスクを評価する工程とを行う。
また、APOE遺伝子のSNP(rs405509)、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)及びADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)は、空腹時血中インスリン濃度とも高い相関がある。このため、これらの遺伝子多型を遺伝子マーカーとすることにより、インスリン抵抗性のリスク評価と同様にして、空腹時血中インスリン濃度のリスクを評価することができる。
具体的には、SNP(rs405509)がTT型、GT型、GG型の順に空腹時血中インスリン濃度が高くなり易いと評価することができる。同様に、SNP(rs16861194)がGG型の場合に空腹時血中インスリン濃度が高くなり易く、AG型又はAA型の場合に高くなり難いと評価することができる。また、多型(rs60806105)がII型の場合に空腹時血中インスリン濃度が高くなり易く、DD型又はDI型の場合に高くなり難いと評価することができる。本発明においては、特に、APOE遺伝子のSNP(rs405509)、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)、ADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)からなる群より選択される2以上を併用することにより、より信頼性の高い評価をすることが可能となる。
本発明において、遺伝子多型をタイピングするとは、核酸の塩基配列を解析し、遺伝子多型を同定することを意味する。例えば、判定対象である核酸のSNP(rs405509)が、GG型、GT型、TT型のいずれであるのかを同定する。
遺伝子多型タイピングに供される核酸は、ヒト個体から採取されたものであれば、特に限定されるものではなく、血液や体液等の生体試料(検体)中に含有される核酸や、これらの生体試料等から抽出された核酸であってもよく、これらの核酸を鋳型として増幅された核酸であってもよい。また、生体試料中に含有されるRNAから逆転写酵素を用いて合成されたcDNAであってもよい。
遺伝子多型のタイピング方法は、通常SNP等の遺伝子多型の検出に用いられている方法であれば、特に限定されるものではない。例えば、Invader(商標、Third Wave Technologies社)法、TaqMan(商標、Applied Biosystems社)法、MALDI−TOF質量分析法、マイクロアレイ法、シークエンス法、PCR(Polymerase Chain Reaction)等の塩基配列増幅法を利用した検出法等が挙げられる。特に、TaqMan法、PCR法、マイクロアレイ法等のように、各多型に特異的にハイブリダイズするプライマーやプローブを用いてSNPを検出する方法であることが好ましい。例えば、PCR法では、野生型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを野生型プライマーとし、変異型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを変異型プライマーとした場合に、遺伝子多型を含む核酸を鋳型として各プライマーを用いてPCRを行い、PCR産物が得られるか否かにより遺伝子多型の遺伝子型を同定することができる。同様に、野生型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを野生型プローブとし、変異型アレルにのみ完全に相補的なポリヌクレオチドを変異型プローブとした場合に、遺伝子多型を含む核酸が固定されたマイクロアレイを用いて各プローブを用いた場合にハイブリダイズするか否かにより遺伝子多型の遺伝子型を同定することができる。これらの各遺伝子多型に特異的なプローブやプライマーを用いる方法は、シークエンス法等と異なり、遺伝子多型を直接識別するため、より信頼性が高く、また、遺伝子多型タイピングに要する時間が短く済み、簡便である。
なお、各遺伝子多型に特異的なプライマーを用いてPCRを行った場合に得られるPCR産物の検出は、PCR産物を検出・定量する場合に通常用いられるいずれの方法によって行っても良い。例えば、電気泳動法により検出してもよく、SYBR Green等の蛍光インターカレーターを用いたリアルタイムPCRにより検出してもよく、一分子蛍光分析法により検出してもよい。
遺伝子多型を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができるポリヌクレオチドは、該SNPを含む遺伝子の該SNPを含む部分領域又はその相補鎖にハイブリダイズし得るポリヌクレオチドであれば、特に限定されるものではない。また、ポリヌクレオチドの塩基長やTm値等は、タイピング方法や反応条件等を考慮して、適宜決定することができるが、遺伝子多型検出用のポリヌクレオチドの塩基長としては、10〜60塩基長であることが好ましく、15〜50塩基長であることがより好ましい。
このような遺伝子多型検出用のポリヌクレオチドの設計は、当該技術分野においてよく知られている方法のいずれを用いても行うことができる。例えば、公知のゲノム配列データと汎用されているプライマー設計ツールを用いて、簡便に設計することができる。該プライマー設計ツールとして、例えば、Web上で利用可能なPrimer3等がある。また、公知のゲノム配列データは、通常、国際的な塩基配列データベースである、NCBIや、DDBJ(DNA Data Bank of Japan)等において入手することができる。
このようにして設計した遺伝子多型検出用のポリヌクレオチドは、当該技術分野においてよく知られている方法のいずれを用いても合成することができる。例えば、合成メーカーに合成を依頼してもよく、市販の合成機を用いて独自に合成してもよい。
APOE遺伝子のSNP(rs405509)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているポリヌクレオチド(以下、SNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチドという。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号1で表される塩基配列、又は配列番号1で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号2で表される塩基配列、又は配列番号2で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs405509)のGアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs405509)のTアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
SSP−PCRにおいて各アレル特異的なプライマー(SSPプライマー)として使用されるSNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチドの一例を表1に示す。表中、下線を付した塩基が、APOE遺伝子の−219位の塩基とハイブリダイズする。また、「Fw:C」及び「Rev:G」がGアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーであり、「Fw:A」及び「Rev:T」がTアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーである。なお、言うまでもなく、SNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチドの塩基配列は、表1記載の塩基配列に限定されるものではない。
Figure 2011024457
ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているポリヌクレオチド(以下、SNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチドという。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号4で表される塩基配列、又は配列番号4で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs16861194)のAアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているSNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチドは、SNP(rs16861194)のGアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
SSPプライマーとして使用されるSNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチドの一例を表2に示す。表中、下線を付した塩基が、ADIPOQ遺伝子の−11426位の塩基とハイブリダイズする。また、「Fw:A」及び「Rev:T」がGアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーであり、「Fw:G」及び「Rev:C」がTアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーである。なお、言うまでもなく、SNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチドの塩基配列は、表2記載の塩基配列に限定されるものではない。
Figure 2011024457
ADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)を検出するためのプライマー又はプローブとしては、特に、下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有しているポリヌクレオチド(以下、多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドという。)を用いることが好ましい。
(a)配列番号7で表される塩基配列、又は配列番号7で表される塩基配列の第81番目及び第82番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目及び第82の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
(d)配列番号8で表される塩基配列、又は配列番号8で表される塩基配列のうち第80番目及び第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
(e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
(f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第80番目及び第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
なお、上記(a)〜(c)の何れかの塩基配列を有している多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドは、多型(rs60806105)のIアレルを検出し得るポリヌクレオチドであり、上記(d)〜(f)の何れかの塩基配列を有している多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドは、多型(rs60806105)のDアレルを検出し得るポリヌクレオチドである。
SSPプライマーとして使用されるSNP(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドの一例を表3に示す。「Fw:IN」がIアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーであり、「Fw:DEL」がDアレルを特異的に検出し得るSSPプライマーである。表中、下線を付した2塩基が、プライマー又はプローブとして用いた場合に、ADIPOQ遺伝子のIアレルにおいて挿入されている2塩基〔CA〕とハイブリダイズする。なお、言うまでもなく、SNP(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドの塩基配列は、表3記載の塩基配列に限定されるものではない。
Figure 2011024457
本発明において、「ストリンジェントな条件下」とは、例えば、5×SSC(150mM塩化ナトリウム、15mMクエン酸ナトリウム、pH7.4)+0.3%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)中で熱変性した後、65℃で4〜16時間のハイブリダイゼーションし、常温の2×SSC+0.1%SDS、及び、2×SSCでそれぞれ5分間洗浄し、0.05×SSCでリンスすること等が挙げられる。
SNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチド、及び多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドは、本発明のインスリン抵抗性のリスク評価方法や、空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法において、各遺伝子多型をタイピングする際に用いるインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチドや空腹時血中インスリン濃度リスク評価用ポリヌクレオチドとして用いることができる。
その他、SNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチド、多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチド等の遺伝子多型検出用のポリヌクレオチドは、検出対象の遺伝子の塩基配列と相補的又は相同的な配列以外にも、遺伝子多型タイピングを阻害しない程度において、付加的な配列を有することができる。該付加的な配列として、例えば、制限酵素認識配列や、核酸の標識に供される配列等がある。また、各遺伝子多型検出用のポリヌクレオチドは、遺伝子多型タイピング結果の検出や解析を容易にするために、遺伝子多型タイピングを阻害しない程度において、標識物質を付加することができる。該標識物質は、通常ポリヌクレオチドの標識に用いられる化合物であれば特に限定されるものではない。該標識物質として、例えば、放射性同位体、蛍光物質、化学発光物質、ビオチン等の低分子化合物等がある。
また、ヒト個体から採取された核酸、遺伝子多型検出用のポリヌクレオチド等の、遺伝子多型タイピングにおいて用いられる量は、特に限定されるものではなく、通常用いられる量で用いることができる。また、ポリメラーゼ等の酵素や、ヌクレオチド、反応用バッファー等は、特に限定されるものではなく、通常遺伝子多型タイピングを行う場合に用いられるものを、通常用いられる量で用いることができる。
その他、本発明の遺伝子マーカーは、他の遺伝子マーカーと組み合わせて使用することもできる。組み合わせる遺伝子マーカーは、特に限定されるものではなく、公知の遺伝子マーカーを組み合わせてもよい。
また、工程(a)における遺伝子多型タイピングに用いる遺伝子多型検出用のポリヌクレオチド等をキット化することにより、より簡便に工程(a)の遺伝子多型タイピングを行うことが可能となる。例えば、SNP(rs405509)検出用ポリヌクレオチド、SNP(rs16861194)検出用ポリヌクレオチド、及び多型(rs60806105)検出用ポリヌクレオチドからなる群より選択される1以上を含むキットとすることが好ましい。
次に実施例を示して本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
2005年5月から2007年12月の間に北名古屋市の自治体健康診断を受けた450名以上を対象とし、遺伝子型とインスリン抵抗性及び空腹時血中インスリン濃度との相関を調べた。この研究の参加者は50歳から80歳であり、すべてが日本人であった。検査及びDNA抽出のための血液検体は、一晩絶食の後、対象から採血したものを用いた。BMI、腹囲、血圧、空腹時血糖(FPG)、空腹時血清免疫学的インスリン濃度(IRI)、HbA1c、血清脂質値、及び尿酸値を、すべての対象に対して測定した。HOMA−IRは、次の式〔FPG×IRI/405〕に基づいて算出した。
測定された各種データに基づき、糖尿病、高血圧、及び高尿酸血症の有病率を算出した。本実施例においては、FPG≧126mg/dlであり、かつHbA1c≧6.5%である場合、又は糖尿病治療薬を使用している場合に、糖尿病に罹患しているとした。また、収縮期圧≧140mmHgであり、かつ拡張期圧≧90mmHgである場合、又は降圧薬を使用している場合に、高血圧に罹患しているとした。また、尿酸値≧7.0mg/dlである場合、又は高尿酸血症の治療を受けている場合に、高尿酸血症に罹患しているとした。本研究は名古屋大学医学部倫理委員会により承認され、全対象から文書によるインフォームドコンセントを得た上で行った。
<多型選択>
PubMed(http://www.pubmedcentral.nih.gov/)とOMIM(Online Mendelian Inheritance in Man;http://www.ncbi.nlm.nih.gov/omim/)を含む公共データベースを用いて、HOMA−IR値及び空腹時血中インスリン濃度との関連が予想される80の遺伝子多型を解析した(総ジェノタイピング数73272個)。
<各遺伝子多型のタイピング>
各対象から、7mlの静脈血を、EDTA 50mmol/lとなるように調節した採血管に採取し、キット(Qiagen社製)を用いてDNAを分離した。
遺伝子多型のうち、SNPは、融解曲線法(IFP法)を用いて解析した(東洋紡ジーンアナリシス社に依頼)。まず、遺伝子の多型を含む領域をPCR法により増幅した。反応混合物は、20ngのゲノムDNA、20pmolのフォワードプライマー、2pmolのリバースプライマー、20pmolのTxR label Probe、2000倍希釈SyberGreenI(Molecularprobes社)2.5μl、0.2mmol/lの各々のデオキシヌクレオシド三リン酸、2.5mmol/lのMgCl及び1.25UのDNAポリメラーゼ(rTaq又はKODplus、Toyobo社製)を含む。増幅プロトコールは以下の通りである。すなわち、まず、95℃で5分間の最初の変性を行い、その後、95℃で30秒間の変性、65又は70℃で30秒間のアニーリング、72℃で30秒間の伸長反応からなるサイクルを、35又は45サイクル行い、そして最後に72℃で2分間の伸長反応を行った。なお、APOE遺伝子のSNP(rs405509)を含む領域をPCR増幅する場合には、アニーリング温度を70℃とし、1サイクルの繰り返し回数は35とした。一方、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)を含む領域をPCR増幅する場合には、アニーリング温度を65℃とし、1サイクルの繰り返し回数は45とした。
IFP法による多型解析は以下のようにして行った。すなわち、増幅反応液25μlをABI PRIZM7900にセットし、95℃ で30秒間、40℃で1分間、40℃から80℃へ10分間で昇温し、STEPで蛍光強度を測定することにより、融解曲線を作成した。
一方、rs16861194等の繰り返し回数の多型は、フラグメント解析により決定した。具体的には、まず、ゲノムDNA(20ng)を鋳型とし、5’末端を6−カルボキシ−フルオレセインでラベルしたフォワードプライマーとリバースプライマーとを用いて、1.2mmol/lのMgClを含有する反応混合物(最終容量は25μl)とし、その反応混合物を、以下の増幅プロトコールによりPCRを行った。すなわち、まず、95℃で5分間の最初の変性を行い、その後、95℃で30秒間の変性、60℃で30秒間のアニーリング、72℃で30秒間の伸長反応からなるサイクルを35サイクル行い、そして最後に72℃で2分間の伸長反応を行った。
その後、増幅反応液の1μlを、9μlのホルムアミドと0.2μlのROX−500 size markers(Applied Biosystems社製)と混和した後に94℃で2分間加熱し、ABI3100システムを用いたキャピラリー電気泳動により分画した。
なお、表4に、APOE遺伝子のSNP(rs405509)、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)、及びADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)を含む各領域をPCR増幅する際に用いた各プライマー及びプローブの配列を示す。
Figure 2011024457
<統計解析>
アレル頻度は、gene−counting methodで評価し、さらに、Hardy−Weinberg平衡からの逸脱をχ二乗検定により確認した。遺伝子型ごとのHOMA−IR及び空腹時インスリン値は、一元配置分散分析(ANOVA)で比較した。解析にはSPSSバージョン14.0Jソフトウェア(SPSS、シカゴ、イリノイ)を用い、P値0.05未満を統計学的に有意と判断した。
<各遺伝子多型とHOMA−IR値との相関>
同定された各遺伝子多型の遺伝子型とHOMA−IR値との関連を、分散分析により確認した。この結果、80の遺伝子多型のうち、APOE遺伝子のSNP(rs405509)、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194)、及びADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)の3多型が、遺伝子型ごとに統計的に有意な差があることが確認された。
図1は、APOE遺伝子のSNP(rs405509)の各遺伝子型におけるHOMA−IR値を示した図である。図中、括弧内の数値は測定者数を示し、エラーバーはSE(標準誤差)を示す。この結果、GG型は、HOMA−IR値が約1とほぼ正常値であったのに対して、GT型、TT型の順に、HOMA−IR値は有意に大きかった。
図2は、ADIPOQ遺伝子のSNP(rs16861194){図2(A)}及び多型(rs60806105){図2(B)}の各遺伝子型におけるHOMA−IR値を示した図である。図中、括弧内の数値は測定者数を示し、エラーバーはSE(標準誤差)を示す。この結果、両遺伝子多型は、互いに完全な連鎖不平衡にあることが確認された。また、SNP(rs16861194)のAA型及びAG型、並びに多型(rs60806105)のDD型及びDI型では、HOMA−IR値が約1とほぼ正常値であったのに対して、SNP(rs16861194)のGG型及び多型(rs60806105)のII型は、HOMA−IR値は有意に大きかった。
図3は、APOE遺伝子のSNP(rs405509)の各遺伝子型における空腹時血中インスリン濃度を示した図である。図中、括弧内の数値は測定者数を示し、エラーバーはSE(標準誤差)を示す。この結果、HOMA−IR値と同様に、GG型、GT型、TT型の順に、空腹時血中インスリン濃度は高くなる傾向が確認された。この結果から、HOMA−IR値で観察された相関は、SNP(rs405509)が空腹時血中インスリン濃度と関連するためであることが強く示唆された。
なお、糖尿病の治療歴がない集団、すなわち、血中インスリン値に影響を与える薬剤投与およびインスリン投与を受けたことのない集団(379例)を対象とした場合であっても、GG型、GT型、TT型の順に、空腹時血中インスリン濃度は高くなる傾向が確認された。つまり、インスリン投与の有無とは関係なく、APOE遺伝子のSNP(rs405509)と空腹時血中インスリン濃度は相関することが明らかである。
表5は、APOE遺伝子のSNP(rs405509)の遺伝子型別に、臨床検査情報の調査を行った結果を示したものである。これにより、HOMA−IR値及び空腹時血中インスリン濃度以外にも、GG型、GT型、TT型の順に、TG(中性脂肪)値が増加し、HDL値が低下する傾向が観察された。
Figure 2011024457
一方、表6は、APOE遺伝子のSNP(rs405509)の遺伝子型別に、疾患有病率の調査を行った結果を示したものである。なお、表中、「性別(male)」は、男性被験者の比率を示している。これにより、GG型、GT型、TT型の順に、糖尿病の有病率が顕著に高いことがわかった(Cochran−Armitage検定でp<0.05)。一方、高血圧の有病率は遺伝子型による違いは観察されなかった。その他、インスリン抵抗性との関連が報告されている高尿酸血症の有病率は、糖尿病と同様に、GG型、GT型、TT型の順に高いことがわかった。
これらの結果から、本発明のンスリン抵抗性のリスク評価方法や空腹時血中インスリン濃度の評価方法を用いることにより、インスリン抵抗性と関連する疾患の発症リスクを評価することもできることが示唆された。
Figure 2011024457
表7は、ADIPOQ遺伝子の多型(rs60806105)の遺伝子型別に、臨床検査情報の調査を行った結果を示したものであり、表8は、疾患有病率の調査を行った結果を示したものである。表中、「性別(male)」は、男性被験者の比率を示している。この結果、DD型及びDI型に比べて、II型において、糖尿病の有病率が高くなる傾向が確認された。
Figure 2011024457
Figure 2011024457
本発明のインスリン抵抗性のリスク評価方法や空腹時血中インスリン濃度の評価方法を用いることにより、インスリン抵抗性のリスクをより適確に判定し得るため、医療機関等における検体の遺伝子解析等の分野において利用が可能である。

Claims (15)

  1. 遺伝子マーカーを用いて、インスリン抵抗性のリスクを評価する方法であって、
    (a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、
    (b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体のインスリン抵抗性のリスクを評価する工程と、
    を有し、
    前記遺伝子多型が、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする、インスリン抵抗性のリスク評価方法。
  2. 前記工程(a)が、さらに、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)をタイピングする工程であることを特徴とする請求項1記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法。
  3. 前記工程(b)において、アポリポプロテインE遺伝子の一塩基多型(−219G/T、rs405509)がTT型、GT型、GG型の順にインスリン抵抗性となるリスクが高いと評価することを特徴とする、請求項1記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法。
  4. 前記工程(b)において、アディポネクチン遺伝子の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)がGG型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、AG型又はAA型の場合にリスクが低いと評価することを特徴とする、請求項2記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法。
  5. 前記工程(b)において、アディポネクチン遺伝子の多型(−11156insCA、rs60806105)が、両アレルにCAが挿入されているホモ型の場合にインスリン抵抗性となるリスクが高く、ヘテロ型又は両アレルでCAが欠損しているホモ型の場合に低いと評価することを特徴とする、請求項2記載のインスリン抵抗性のリスク評価方法。
  6. 遺伝子マーカーを用いて、空腹時血中インスリン濃度のリスクを評価する方法であって、
    (a)ヒト個体から採取された核酸の遺伝子多型をタイピングする工程と、
    (b)前記工程(a)により得られたタイピング結果に基づき、前記ヒト個体の空腹時血中インスリン濃度のリスクを評価する工程と、
    を有し、
    前記遺伝子多型が、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする、空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法。
  7. 前記工程(a)が、さらに、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)をタイピングする工程であることを特徴とする、請求項6記載の空腹時血中インスリン濃度のリスク評価方法。
  8. アポリポプロテインE遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、
    前記遺伝子多型が−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とするインスリン抵抗性の遺伝子マーカー。
  9. アポリポプロテインE遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、
    前記遺伝子多型が−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)であることを特徴とする空腹時血中インスリン濃度の遺伝子マーカー。
  10. アディポネクチン遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、
    前記遺伝子多型が、−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)であることを特徴とするインスリン抵抗性の遺伝子マーカー。
  11. アディポネクチン遺伝子の遺伝子多型を含む部分塩基配列又は全塩基配列と相同的又は相補的な配列からなり、前記遺伝子多型が、−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)又は−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)であることを特徴とする空腹時血中インスリン濃度の遺伝子マーカー。
  12. 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アポリポプロテインE遺伝子の−219位の塩基の一塩基多型(−219G/T、rs405509)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド。
    (a)配列番号1で表される塩基配列、又は配列番号1で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
    (d)配列番号2で表される塩基配列、又は配列番号2で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
  13. 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アディポネクチン遺伝子の−11426位の塩基の一塩基多型(−11426A/G、rs16861194)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド。
    (a)配列番号4で表される塩基配列、又は配列番号4で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
    (d)配列番号5で表される塩基配列、又は配列番号5で表される塩基配列の第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
  14. 下記の(a)〜(f)の何れかの塩基配列を有し、アディポネクチン遺伝子の−11156位の塩基の多型(−11156insCA、rs60806105)を検出するためのプライマー又はプローブとして用いることができることを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド。
    (a)配列番号7で表される塩基配列、又は配列番号7で表される塩基配列の第81番目及び第82番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (b)前記(a)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (c)前記(a)又は(b)の塩基配列において、第81番目及び第82の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(a)又は(b)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
    (d)配列番号8で表される塩基配列、又は配列番号8で表される塩基配列のうち第80番目及び第81番目の塩基を含む部分配列である塩基配列。
    (e)前記(d)の塩基配列と相補的な塩基配列。
    (f)前記(d)又は(e)の塩基配列において、第80番目及び第81番目の塩基以外の1〜数個の塩基が欠失、置換又は付加されている塩基配列であって、当該塩基配列からなるポリヌクレオチドが、前記(d)又は(e)の塩基配列からなるポリヌクレオチドとストリンジェントな条件下でハイブリダイズすることができる塩基配列。
  15. 請求項12記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド、請求項13記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチド、及び請求項14記載のインスリン抵抗性リスク評価用ポリヌクレオチドからなる群より選択される1以上を含むことを特徴とするインスリン抵抗性リスク評価用遺伝子多型タイピングキット。
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CN112966918A (zh) * 2021-03-01 2021-06-15 北京明略软件系统有限公司 用于确定风险影响范围的方法及装置、设备

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