JP5605080B2 - 記録材後処理装置および画像形成システム - Google Patents
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Description
例えば特許文献1には、記録材搬送方向に沿って、記録材にパンチ孔を開けるためのパンチユニット、記録材に折り目をつけるために折りユニット、記録材の折り目にステープルを打ち込んで綴じ処理を行うためのステープラ等が配置された記録材後処理装置が記載されている。
請求項2の発明によれば、記録材の側部での記録材相互間の位置ずれを低減することができる。
請求項4の発明によれば、記録材の側部での記録材相互間の位置ずれを低減することができる。
<画像形成システムの説明>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1を示す概略構成図である。この画像形成システム1は、例えば、電子写真方式によって画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置の一例としての画像形成装置2と、画像形成装置2によって例えばトナー像が形成された用紙(記録材)Sに対し予め定められた後処理を施す記録材後処理装置の一例としての用紙処理装置3とを備えている。
画像形成装置2は、用紙Sを供給する用紙供給部6と、用紙供給部6から供給された用紙Sに対し電子写真方式により画像を形成する画像形成部5とを備えている。なお、画像形成部5として、インクジェット方式などにより画像を形成する構成を用いてもよい。また画像形成装置2は、画像形成部5で画像が形成された用紙Sの面を反転させる用紙反転装置7と、画像が形成された用紙Sを搬出する搬出ロール9とを備えている。さらに画像形成装置2は、ユーザからの情報を受け付けるユーザ・インターフェイス90を備えている。ここで、用紙供給部6は、用紙Sが積載される第1用紙積載部61および第2用紙積載部62を備えている。また用紙供給部6は、第1用紙積載部61に積載された用紙Sを画像形成部5に向けて搬送する搬送ロール65と、第2用紙積載部62に積載された用紙Sを画像形成部5に向けて搬送する搬送ロール66とを備えている。
用紙処理装置3は、画像形成装置2から搬出された用紙Sを搬送する搬送装置10と、搬送装置10により搬送された用紙Sが積載される用紙集積部35や用紙Sの端部を綴じるステープラ40などが設けられた本体部30とを備えている。また用紙処理装置3は、画像形成システム1の全体を制御する制御部80を備えている。制御部80は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、およびHDD(Hard Disk Drive)(何れも不図示)により構成されている。CPUでは、画像形成システム1を制御するための処理プログラムが実行される。ROMには、各種プログラム、各種テーブル、パラメータ等が記憶されている。RAMは、CPUによる処理プログラムの実行時におけるワークエリア等として用いられる。
また本体部30は、用紙集積部35上の用紙束Tの端部(用紙束Tの搬送方向における後端部)をステープル針を用いて綴じるステープラ40を有している。
さらに本体部30は、イジェクトロール39により搬送されてきた用紙束Tの先端部(用紙束Tの搬送方向における先端部)に対して綴じ処理を行う綴じ手段の一例としての綴じ装置500を備えている。この綴じ装置500は、ステープル針を用いて綴じる上記のステープラ40とは異なり、ステープル針を用いず、用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせることで用紙S各々を相互に結合させる方式による綴じ処理を行う。なお、この綴じ装置500は、本体フレーム36とは別体で構成され、本体フレーム36から取り外し可能に設定されている。
次に、上記した用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせて綴じ処理を行う綴じ装置500について詳細に説明する。
図2および図3は、綴じ装置500を説明するための図である。ここで、図2は、画像形成システム1のフロント側(前面側)から綴じ装置500を眺めた場合の図であり、図3は、画像形成システム1の上方から綴じ装置500を眺めた場合の図である。ただし、図3では、装置フレーム530(後述)や上部フレーム511(後述)の図示を省略している。
続いて、綴じ装置500に備えられた第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の構成について説明する。なお、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520は共に同様の構成を有しており、ここでは第1綴じユニット510を例にとって説明する。
まず、上記図2に示すように、第1綴じユニット510は、上部フレーム511と、この上部フレーム511の鉛直下方に間隙KGを持って配置された下部フレーム512とを備えている。また第1綴じユニット510の下部フレーム512には、予め定められた軸(後述)を中心として回転移動する回転板513が設けられている。
本実施形態の用紙処理装置3では、ユーザの選択に応じ、ステープラ40によるステープル針による綴じ処理、および、綴じ装置500による用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせることによる綴じ処理の何れか一方、又は双方が行われる。以下では、図4〜図12を用いて、ステープラ40による綴じ処理、および綴じ装置500による綴じ処理について説明する。なお、図4は、上方から眺めた場合における第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の状態を示した図である。また、図5〜図7、図12は、第1綴じユニット510などの斜視図である。また、図8〜図11は、画像形成システム1のフロント側から第1綴じユニット510を眺めた図である。
始めに、ステープラ40により行われる綴じ処理について説明する。
ステープラ40により綴じ処理が行われる場合には、まず、用紙束積載部70(図1参照)が上昇する。そして、エグジットロール34(図1参照)により用紙Sが用紙集積部35に向けて搬出され、用紙集積部35に複数枚の用紙Sが積載される。ここで、用紙Sが用紙集積部35に向けて搬出される際に、図4(A)に示すように、搬出された用紙Sの先端部は用紙集積部35の端部35C(図1参照)、さらには本体フレーム36の開口69を越えて本体フレーム36から突出する。また、用紙Sの後端部が用紙集積部35上に載り、用紙Sの後端部がエンドガイド35B(図1参照)に突き当たるまで用紙Sが用紙集積部35上をスライド移動した後も、用紙Sの先端部は本体フレーム36(の開口69)から突出した状態で用紙集積部35に積載されることとなる。
次に、綴じ装置500による用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせることによる綴じ処理について説明する。
綴じ装置500による綴じ処理が行われる場合には、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520と用紙束積載部70との干渉が起こらない位置まで、用紙束積載部70を下降させておく。その後、図4(B)の矢印Aに示すように、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520が、用紙束Tの集積領域内に向けて、互いに近接する方向、すなわち用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向に沿って相互に近づく方向に移動する。その際に、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の移動に伴って、第1規制部401による回転板513の規制(図5(A)参照)は解除される。それにより、第1コイルスプリングKS1によって回転板513が回転し、図5(B)に示すように、回転板513が下部フレーム512から突出した状態が設定される。この回転板513の突出によって、本体フレーム36から突出した用紙Sの先端部(図5(B)参照)は、回転板513により支持されることとなる。すなわち、綴じ装置500による綴じ処理を行う場合には、エグジットロール34により順次搬送されてくる用紙Sを、用紙集積部35および回転板513の両者に跨った状態で支持する。それにより、用紙集積部35および回転板513は、用紙Sが用紙束Tとして集積される記録材集積部材を構成する。
また、用紙集積部35上に用紙Sが既に集積されている場合には、用紙集積部35に向けて新たに搬送される用紙Sは、用紙集積部35および回転板513上に既に積載されている用紙Sの上面をスライドしたうえで綴じ装置500の間隙KGに侵入することとなる。このように既に集積されている用紙Sの上を新たな用紙Sがスライドしていく場合にも、間隙KG内にて用紙Sが上部フレーム511の下面に接触しやすい。また、この場合もエンドガイド35Bに向かう用紙Sの搬送が規制されやすくなる。
そして、予め定められた枚数の用紙Sが用紙束Tとして用紙集積部35および回転板513の両者に跨った状態で支持されるとともに、用紙束Tに対する幅方向端部および搬送方向端部の揃え処理が完了した段階で、用紙集積部35を綴じ装置500側にスライド移動させる。それにより、用紙集積部35上の用紙束Tの先端部を第1綴じユニット510および第2綴じユニット520が綴じ処理を行う位置まで移動させる。そしてその後、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520を用紙Sの搬送経路Dと直交する方向A(用紙束Tの幅方向)に沿って移動させ、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520を用紙Sの搬送経路Dと直交する方向Aにおける予め定められた綴じ位置に設定する。
そこで、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々には、下部フレーム512の上面から間隙KG内に突出する突出部材512Cを設けている(図2も参照)。それにより、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の移動により各下部フレーム512の間隙KG内に用紙束Tが侵入する際に、突出部材512Cが用紙束Tを持ち上げ、用紙束Tが各下部フレーム512の上面から浮き上がるように設定している。これによって、各下部フレーム512の穴部512Aに用紙束Tの引っ掛かりが発生することが抑制される。なお、間隙KG内への用紙束Tの侵入をより円滑にするため、下部フレーム512の上板512Eの端部512Jなどには面取りが施されている。また、後段で詳細に説明するが(後段図16参照)、突出部材512Cは、用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A側が方向Aに向かって下部フレーム512側に傾斜する傾斜面で構成されている。
次に、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々が用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A(図4(B)参照)に移動して各々の間隙KG内に用紙束Tが設定され、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々が予め定められた綴じ位置に到達した場合において、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520が綴じ処理を行う際の一連の動作について説明する。
図8〜図11は、一例として、第1綴じユニット510が用紙束Tに対する綴じ処理を行う際の一連の動作を説明する図である。なお、図8〜図11は、上記したように画像形成システム1のフロント側から第1綴じユニット510を眺めたものである。
まず、図8(A)は、第1綴じユニット510が、間隙KG内に用紙束Tを侵入させながら、予め定められた綴じ位置に到達するまで用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向Aに移動している状態を示している。この図8(A)に示すように、第1綴じユニット510が予め定められた綴じ位置に到達するまでの移動中は、移動フレーム511Aは、間隙KG内の用紙束Tから間隙を維持するように、間隙KGから退避した位置に設定されている。また、突出部材512Cが用紙束Tを持ち上げる位置に設定され、用紙束Tを下部フレーム512の上面から浮き上がるように(離間させるように)維持している。それにより、下部フレーム512の穴部512Aに用紙束Tが引っ掛かることを抑制している。
次の図8(B)および図9(C)は、第1綴じユニット510における用紙束Tの先端部を揃えるための動作を説明するものである。図8(B)に示すように、上部フレーム511内に設けられた移動フレーム511Aが予め定められた移動量だけ下部フレーム512側に(F1方向に)向けて移動する。それにより、第1綴じユニット510の間隙KG内にて、用紙基準部材511Bの先端が下部フレーム512の上面と接触するように突出する。そしてこの状態で、回転を停止させていたイジェクトロール39(図1参照)を再び回転させる。それによって、図9(C)に示すように、用紙束Tの先端部が用紙基準部材511Bの方向(F4方向)に移動して用紙基準部材511Bの側面に突き当たる。イジェクトロール39におけるこのような動作が1回、または複数回繰り返されることで、用紙束Tの先端部側が揃えられる。
その場合、移動フレーム511Aの下部フレーム512側(F1方向)への移動に伴って、突出部材512Cは移動フレーム511Aの下面に押されることで下部フレーム512の内部(F5方向側)に収納される。すなわち、突出部材512Cは不図示のバネ部材によって上部フレーム511側に付勢されるように構成されている。そのため、移動フレーム511Aの下面が下部フレーム512から離間した位置に設定されている状態では、下部フレーム512の上面から突出した位置に設定される。それによって、用紙束Tを下部フレーム512の上面から浮き上がるように維持する。
さらには、移動フレーム511Aの下面が下部フレーム512の上面に接触する位置まで移動すると、突出部材512Cは不図示のバネ部材からの押圧力に抗して下部フレーム512の内部に収納される。それにより、突出部材512Cが用紙束Tの押さえ込みを阻害するのを抑制し、移動フレーム511Aの下面と下部フレーム512の上面との間において用紙束Tを安定して固定する。
その後、第1綴じユニット510は、用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A(図4(B)参照)に沿って用紙束Tの中央部側から端部側に移動し、図12に示す状態となる。すなわち、第1綴じユニット510は、用紙束Tの一方の端部の対向位置に配置されることとなる。
ここでは、第1綴じユニット510が綴じ処理を行う際の一連の動作を例として説明したが、第2綴じユニット520も同様の動作を行う。
イジェクトロール39により回転板513へ用紙束Tが搬送された後、本実施形態の綴じ装置500では、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520を、互いに離れる方向にさらに移動させる。そして、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520がさらに移動することで、回転板513による用紙束Tの支持が解除される。それにより、イジェクトロール39が用紙束Tを搬送経路D下流側に向けて搬送することで、装置フレーム530(上記図2参照)の下部に設けた開放部分から用紙束Tが落下し、下方に配置された用紙束積載部70上に用紙束Tが積載される。
次に、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々の上部フレーム511に設けられた綴じ部511C(図2参照)について説明する。図14および図15は、上部フレーム511に設けられた綴じ部511Cを説明する図である。なお、図14および図15では、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々の下部フレーム512側の一部も表示している。
また、上部フレーム511の基台501は、下部フレーム512における上部フレーム511側の枠体を構成する底部材502と並行して配置されている。そして、この基台501には、下部フレーム512の底部材502に形成された穴部512A(図2参照)に対応させた位置に、可動部503に向けて突出するように形成された突出部506と、可動部503のブレード504が通過する開口部507と、可動部503の打ち抜き部材505が通過する開口部508とが形成されている。
図14(A)に示すように、打ち抜き部材505は、屈曲部を有する略L字形状の部材であって、回転軸505Rを中心として揺動するように構成されている。すなわち、この略L字形状からなる打ち抜き部材505の一方の側には主部505Aが形成され、他方の側には副部505Bが構成されている。そして、可動部503が基台501側に向けて移動すると、図14(B)に示すように、基台501に配置された突出部506が副部505Bを押し上げ、それに対応して主部505Aが回転軸505Rを中心としてブレード504側に傾斜するように揺動する。
さらに、主部505Aには、主部505Aの回転軸505Rとは反対側、すなわち基台501側の先端部の縁部に、鋭利な刃部505Cが構成されている。それにより、図14(B)に示すように、主部505Aがブレード504側に傾斜するように揺動して、基台501側先端部が用紙束Tの厚さ方向に押し込まれることで、用紙束Tに舌状の切り込みである舌部522が形成される。ただし、主部505Aの基台501側先端部の縁部であっても、ブレード504側に位置する縁部には刃部505Cは形成されていない。そのため、図15(C)に示すように、舌部522のブレード504側の端部522Bには用紙束Tに切り込みが形成されず、舌部522はブレード504側に位置する端部522Bにおいて用紙束Tと繋がった状態の切り込みとして形成される。
なお、副部505Bが突出部506によって押し上げられていない状態では、主部505Aは、下部フレーム512に対してほぼ垂直に屹立するように設定されている。また、主部505Aは、主部505Aの側部、具体的にはブレード504と対向する側の側部に、ブレード504に向かって突出する突起505Dが形成されている。
それにより、図15(E)に示すように、ブレード504がスリット開口521から引き上げられることにより、スリット開口521に舌部522が挿入される。
引き続き、綴じ部511Cの動作について詳細に説明する。
第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々にて綴じ処理が開始されると、綴じ部511Cでは、用紙束Tが移動フレーム511Aの下面と底部材502の上面(下部フレーム512の上面)とによって押さえ込まれた状態にて、図示しないモータにより駆動されるカムによって可動部503が基台501側に向けて移動する。そして、可動部503の基台501側(下部フレーム512側)に設けられたブレード504が用紙束Tに到達し、ブレード504が用紙束Tを押圧することで、ブレード504の先端部504Bが用紙束Tを貫通する。それにより、綴じ部511Cは、用紙束Tに図15(C)に示すようなスリット状の切り込みであるスリット開口521を形成する。
また、可動部503が基台501に近接するように移動することにより、基台501に形成された突出部506が打ち抜き部材505の副部505Bを押し上げる。それに対応して、打ち抜き部材505の主部505Aが回転軸505Rを中心としてブレード504側に傾斜するように揺動する。それにより、主部505Aの刃部505Cが用紙束Tを押圧することとなり、刃部505Cが用紙束Tを貫通する。それによって、綴じ部511Cは、図15(C)に示すような、ブレード504側に位置する端部522Bが用紙束Tに連結された舌部522を用紙束Tに形成する。
この場合に、移動フレーム511Aの下面と下部フレーム512の上面とが用紙束Tを押さえ込む領域は、綴じ部511Cに設けられたブレード504および打ち抜き部材505が動作する領域を囲むように設定される。それにより、用紙束Tの浮きがより確実に抑えられる。
その後、用紙束Tが移動フレーム511Aの下面と底部材502の上面(下部フレーム512の上面)とによって押さえ込まれた状態にて、可動部503を下部フレーム512から離れる方向、すなわち可動部503を図14(A)の矢印F3方向に上昇させる。そうすると、舌部522がブレード504の目穴504Aに引っ掛かったまま上昇する。それにより、図15(E)に示すように、スリット開口521に舌部522が挿入される。このようにして、スリット開口521に挿入された舌部522が用紙束T全体に巻き付けられる。それによって、用紙束Tが舌部522を介して綴じられる。
また、綴じ処理が終了した後の用紙束Tには、舌部522が打ち抜かれた箇所に綴じ穴523が形成される(図15(E)参照)。この綴じ穴523は、ファイル、バインダーなどに設けられた綴じ具が挿入される開口としても利用できるものとなる。
ところで、本実施形態では、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520を、用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A(図4(B)参照)における記録材集積部材(用紙集積部35および回転板513)の両側部にそれぞれ配置し、綴じ処理を行う際に、それぞれを方向Aに沿って記録材集積部材の中央部側に移動させる構成を採用している。それにより、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の移動距離(ストローク)を短くして綴じ位置までの到達時間や綴じ位置からの退避時間を短縮し、綴じ処理に要する時間の低減を図っている。特に、用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせることで綴じ処理を行う第1綴じユニット510および第2綴じユニット520では、打ち抜き部材505などが上記したように複雑に動作するため、ステープラ40によるステープル針による綴じ処理に比べて、綴じ処理に要する時間が長くなる。そのため、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520のストロークを短くして綴じ位置までの到達時間や綴じ位置からの退避時間を短縮することで、綴じ処理に要する時間を低減している。それにより、用紙処理装置3での後処理に要する時間が短縮化される。
このように、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520それぞれは、まず、用紙束Tの中央部側を移動フレーム511Aの下面と底部材502の上面(下部フレーム512の上面)とによって押さえ込んだ状態で綴じる。そしてその後、用紙束Tの端部側(両端部側)を同様に押さえ込んだ状態で綴じる。それにより、用紙束Tの幅方向(用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A(図4(B)参照)の全体に亘って、用紙S相互間に隙間(浮き)が形成され難くなるので、特に、用紙束Tの幅方向の全体における弛みが低減する。それによって、用紙束Tの幅方向端部(用紙束Tの側部)での用紙S相互のずれ(揃えの乱れ)の発生がさらに低減される。
次に、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の移動時に用紙束Tを持ち上げる突出部材512Cの形状について説明する。
上記したように、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520が間隙KG内に用紙束Tを侵入させながら、予め定められた綴じ位置まで用紙束Tの搬送経路Dと直交する方向A(用紙束Tの中央部(Center)側)に移動する際には(図5,6参照)、突出部材512Cが用紙束Tを持ち上げる位置に設定され、用紙束Tを下部フレーム512の上面から浮き上がるように維持している。それにより、下部フレーム512の穴部512Aに用紙束Tが引っ掛かることを抑制している。
なお、図16の破線で示した突出部材512Cは、突出部材512Cが移動フレーム511Aの下面に押されることで下部フレーム512の内部(F5方向側)に収納された際の位置を示すものである(図9(D)も参照)。
なお、上記した第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々に設けられた綴じ部511Cでは、舌部522をスリット開口521に挿入することで綴じ処理を行う構成とした。このような構成の他に、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520各々に用いる用紙束Tに厚さ方向の変形を生じさせる綴じ機構として、用紙束Tを構成する各用紙Sを互いに圧着させる方式を用いてもよい。
このような構成において、上側圧着フレーム611と下側圧着フレーム612とにより用紙束Tが圧着されると、上面圧着歯部613および下面圧着歯部614各々が相互に噛み合うことにより、図17(B)に示すように、用紙束Tに変形部の一例としての厚さ方向の凹凸状の変形部Qが形成される。このような用紙束Tにおける厚さ方向の凹凸状の変形部Qでは、互いに隣接する用紙S間で、用紙Sを構成する繊維が絡み合う。それにより、複数枚の用紙Sからなる用紙束Tが綴じられることとなる。
また、上記にて説明した第1綴じユニット510および第2綴じユニット520は、次のように構成することもできる。
図18は、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520の他の一形態を説明するための図である。なお上記と同様、第1綴じユニット510および第2綴じユニット520は同様に構成されているため、第1綴じユニット510を中心に説明する。また、図18では、上部フレーム511の図示を省略している。また図18では、上方から第1綴じユニット510を眺めた場合の状態を表示している。また、上記と同様の機能については、同様の符号を用いここではその説明を省略する。
Claims (4)
- 記録材が順に搬入されて複数の当該記録材が集積される記録材集積部材と、
前記記録材集積部材に集積された前記記録材の集積領域内に移動した後に、当該記録材に向かって進出して当該記録材を打ち抜くとともに打ち抜いた当該記録材から退避する方向へ移動する最中に当該記録材と非接触となることで当該記録材に対する綴じ処理が完了した後に、当該記録材の集積領域外に退避する綴じ部材と、
前記綴じ部材が前記記録材に対する前記綴じ処理を行う際に当該記録材を支持する支持部材と、
前記綴じ部材が前記記録材に対する前記綴じ処理を行うのに先立って当該記録材を当該支持部材との間で押さえ込むとともに、当該綴じ部材が退避して当該記録材と非接触となることで当該綴じ処理が完了するまでの間、押さえ込む力を維持して当該記録材を押さえ込み続ける押さえ部材と
を備え、
前記綴じ部材は、前記記録材に向かって進出して当該記録材に舌状の切り込みからなる変形部を形成する舌状切込部と、当該記録材に向かって進出して当該記録材に線状の切り込みからなる開口を形成した後に当該舌状切込部が形成した当該変形部に接触し、当該記録材から退避する際に、当該変形部を当該開口に挿入してから当該変形部と非接触となることで当該記録材に対する綴じ処理を完了させる線状切込部とを備え、
前記押さえ部材は、前記綴じ部材が前記記録材に厚さ方向の変形を形成する際に動作する領域を覆い囲むように当該記録材を前記支持部材との間で押さえ込むことを特徴とする記録材後処理装置。 - 前記綴じ部材は、前記記録材集積部材に搬入される記録材の搬入方向に直交する方向における前記記録材の側部に配置され、当該綴じ部材が当該記録材の搬入方向に直交する方向に沿って集積領域の中央部方向に移動し、当該記録材を綴じた後に中央部から当該記録材の当該側部に向かって退避するとともに、当該集積領域の当該中央部から順に当該側部に向かって当該記録材の予め定められた1または複数の位置を綴じることを特徴とする請求項1記載の記録材後処理装置。
- 記録材に画像を形成する画像形成装置と、
前記画像形成装置にて画像が形成された前記記録材が順に搬入され、当該記録材を綴じる記録材後処理装置とを有し、
前記記録材後処理装置は、
前記画像形成装置から搬入される複数の記録材が順に集積される記録材集積部材と、
前記記録材集積部材に集積された前記記録材の集積領域内に移動した後に、当該記録材に向かって進出して当該記録材を打ち抜くとともに打ち抜いた当該記録材から退避する方向へ移動する最中に当該記録材と非接触となることで当該記録材に対する綴じ処理が完了した後に、当該記録材の集積領域外に退避する綴じ部材と、
前記綴じ部材が前記記録材に対する前記綴じ処理を行う際に当該記録材を支持する支持部材と、
前記綴じ部材が前記記録材に対する前記綴じ処理を行うのに先立って当該記録材を当該支持部材との間で押さえ込むとともに、当該綴じ部材が退避して当該記録材と非接触となることで当該綴じ処理が完了するまでの間、押さえ込む力を維持して当該記録材を押さえ込み続ける押さえ部材とを備え、
前記綴じ部材は、前記記録材に向かって進出して当該記録材に舌状の切り込みからなる変形部を形成する舌状切込部と、当該記録材に向かって進出して当該記録材に線状の切り込みからなる開口を形成した後に当該舌状切込部が形成した当該変形部に接触し、当該記録材から退避する際に、当該変形部を当該開口に挿入してから当該変形部と非接触となることで当該記録材に対する綴じ処理を完了させる線状切込部とを備え、
前記記録材後処理装置の前記押さえ部材は、前記綴じ部材が前記記録材に厚さ方向の変形を形成する際に動作する領域を覆い囲むように当該記録材を前記支持部材との間で押さえ込むことを特徴とする画像形成システム。 - 前記記録材後処理装置の前記綴じ部材は、前記記録材集積部材に搬入される記録材の搬入方向に直交する方向における前記記録材の側部に配置され、当該綴じ部材が当該記録材の搬入方向に直交する方向に沿って集積領域の中央部方向に移動し、当該記録材を綴じた後に中央部から当該記録材の当該側部に向かって退避するとともに、当該集積領域の当該中央部から順に当該側部に向かって当該記録材の予め定められた1または複数の位置を綴じることを特徴とする請求項3記載の画像形成システム。
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