JP5880324B2 - 後処理装置及び画像形成システム - Google Patents

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本発明は、後処理装置及び画像形成システムに関する。
例えば特許文献1には、シートサイズ(A4,B5等)毎にシートの綴じ位置が均等になるようにシートを整合し、シートサイズにかかわることなく綴じ終了後のシートの見栄えを良くするため、シート整合の基準となる基準ガイドの整合基準位置がシートサイズに応じて変化する構成とすることが開示されている。具体的には、基準ガイドは、シート排出方向と略平行な方向に摺動する摺動ガイドと、摺動ガイドを中心にして揺動する揺動ガイドとを有し、揺動ガイドがシートサイズに応じて揺動することにより整合基準位置が変化する構成とすることにより、所定の綴じ位置(2ヶ所綴じ)にステイプラによる綴じを行った時に、各綴じ位置からシート両側端までの距離がシートサイズ毎に均等となることが開示されている。
特開平08−099761号公報
本発明は、舌部を形成しながら綴じ処理を施された複数の用紙束の積載高さを抑制することを目的とする。
請求項1記載の発明は、用紙束の一部に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることで根元が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該用紙束に開口部を形成しながら当該舌部の先端を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ手段と、前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を積載する積載手段と、前記積載手段に積載された際に、第1の用紙束に形成された前記舌部の先端が第2の用紙束に形成された前記開口部と対峙するように、当該第1の用紙束および当該第2の用紙束をずらして配置しまたは前記綴じ手段による綴じ位置を変更する配置手段とを備えることを特徴とする後処理装置である。
請求項2記載の発明は、前記舌部の幅は、当該舌部の前記根元側から当該舌部の前記先端側へ向けて狭くなることを特徴とする請求項1記載の後処理装置である。
請求項3記載の発明は、前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を前記積載手段へ搬送する搬送手段を有し、前記綴じ手段は、前記搬送手段が前記用紙束を搬送する方向と交差する方向に前記舌部の長手方向が沿うよう当該舌部を形成し、前記配置手段は、前記舌部の長手方向に前記第1の用紙束および前記第2の用紙束をずらして配置し、または当該舌部の長手方向に前記綴じ手段による綴じ位置を変更することを特徴とする請求項1または2記載の後処理装置である。
請求項4記載の発明は、前記配置手段は、前記第2の用紙束に形成された前記舌部の先端を、当該第2の用紙束に対して前記第1の用紙束とは反対側に積載される第3の用紙束よりも外側で当該第3の用紙束と接触しない位置に配置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の後処理装置である。
請求項5記載の発明は、前記綴じ手段により前記用紙束に形成される前記開口部とは異なる他の開口部を当該用紙束に形成する開口部形成手段を有し、前記配置手段は、前記第2の用紙束に形成された前記舌部の先端を、当該第2の用紙束に対して前記第1の用紙束とは反対側に積載される第3の用紙束に形成された前記他の開口部内に配置させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の後処理装置である。
請求項6記載の発明は、用紙に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された複数の前記用紙を集積し用紙束を形成する用紙束形成手段と、前記用紙束形成手段により形成された前記用紙束の一部に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることで根元が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該用紙束に開口部を形成しながら当該舌部の先端を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ手段と、前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を積載する積載手段と、前記積載手段に積載された際に、第1の用紙束に形成された前記舌部の先端が第2の用紙束に形成された前記開口部と対峙するように、当該第1の用紙束および当該第2の用紙束をずらして配置しまたは前記綴じ手段による綴じ位置を変更する配置手段とを備えることを特徴とする画像形成システムである。
請求項1記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、舌部を形成しながら綴じ処理を施された複数の用紙束の積載高さを抑制することができる。
請求項2記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、舌部が開口部内で移動することを抑制できる。
請求項3記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、配置手段の構成を簡略化することができる。
請求項4記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、舌部を形成しながら綴じ処理を施された複数の用紙束の積載高さをさらに抑制することができる。
請求項5記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、綴じ手段が用紙束に綴じ処理を施す位置の自由度を増すことができる。
請求項6記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比較して、舌部を形成しながら綴じ処理を施された複数の用紙束の積載高さを抑制することができる。
本発明の実施の形態が適用される画像形成システムを示す概略構成図である。 コンパイル用積載部周辺を示す概略構成図である。 図2の矢印III方向から見たコンパイル用積載部周辺を示す概略構成図である。 針無綴じ機構及びその周辺部材を示す概略構成図である。 針無綴じ機構によって綴じられた部分を示す説明図である。 用紙束において綴じられた部分を示す説明図である。 制御部のハードウェア構成を示した説明図である。 用紙束をオフセットする動作を示す説明図である。 積載部に積載された用紙束の側面図である。 第1の変形例において用紙束をオフセットする動作を示す説明図である。 第2の変形例において用紙束をオフセットする動作を示す説明図である。 第3の変形例において用紙束を積載する動作を示す説明図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成システム1>
図1は、本実施の形態が適用される画像形成システム1を示す概略構成図である。図1に示す画像形成システム1は、例えば、電子写真方式によって画像を形成するプリンタや複写機等の画像形成装置2と、画像形成装置2によって例えばトナー像が形成された用紙Sに後処理を施す用紙処理装置3とを備えている。
<画像形成装置2>
画像形成装置2は、画像が形成される用紙Sを供給する用紙供給部5と、用紙供給部5から供給された用紙Sに画像を形成する画像形成部(画像形成手段)6とを備える。また、画像形成装置2は、この画像形成部6で画像が形成された用紙Sの面を反転させる用紙反転装置7と、画像が形成された用紙Sを排出する排出ロール9とを備える。さらに、画像形成装置2は、ユーザから綴じ処理に関する情報を受け付けるユーザ・インターフェイス90を備えている。
<用紙処理装置3>
用紙処理装置3は、画像形成装置2から出力された用紙Sを更に下流側に搬送する搬送装置10と、例えば用紙Sを集めて束ねるコンパイル用積載部(用紙束形成機構)35や用紙Sの端部を綴じる針無綴じ機構150などを含む後処理装置30とを備えている。また、図示の例においては、用紙処理装置3が画像形成システム1全体を制御する制御部80を備えている。
用紙処理装置3の搬送装置10は、画像形成装置2の排出ロール9を介して出力される用紙Sを受け取る一対のロールである入口ロール11と、この入口ロール11にて受け取られた用紙Sに必要に応じて穴あけを施すパンチャ12とを備えている。また、搬送装置10は、パンチャ12のさらに下流側に、用紙Sを下流側へと搬送する一対のロールである第1搬送ロール13と、後処理装置30に向けて用紙Sを搬送する一対のロールである第2搬送ロール14とを有する。
用紙処理装置3の後処理装置30は、搬送装置10から用紙Sを受け取る一対のロールである受け取りロール31を備えている。また、後処理装置30は、受け取りロール31の下流側に設けられ用紙Sを複数枚集めて収容するコンパイル用積載部35と、コンパイル用積載部35に向けて用紙Sを排出する一対のロールであるエグジットロール34とを備えている。
また、後処理装置30は、用紙Sをコンパイル用積載部35のエンドガイド35b(後述)に向けて押し込むよう回転するパドル37と、用紙Sの端部を揃えるためのタンパ38、コンパイル用積載部35にて集積された用紙Sを押さえかつ回転することで綴じられた用紙束Bを搬送するイジェクト(eject)ロール(用紙束搬送部)39を備えている。さらにまた、後処理装置30は、コンパイル用積載部35に集積された用紙束Bの端部を綴じる針無綴じ機構150を有する。さらに、後処理装置30は、コンパイル用積載部35のエンドガイド35b(後述)に沿って設けられ、針無綴じ機構150を搭載するレール44を備えている。
また、後処理装置30は、上記各構成部材を内部に収容する筺体30Aを有する。この筺体30Aは、針無綴じ機構150によって綴じられた用紙束Bをイジェクトロール39によって後処理装置30の外側へ排出するための開口部69を備える。
また、後処理装置30は、筺体30Aの開口部69から排出された用紙束Bをユーザが取りやすいようにして積み重ねる積載部(積載手段)70を備える。
<コンパイル用積載部35周辺の構造>
次に、図2及び3を用いて、コンパイル用積載部35およびその周辺の構造を説明する。ここで、図2は、コンパイル用積載部35周辺を示す概略構成図であり、図3は、図2の矢印III方向から見たコンパイル用積載部35周辺の概略構成図である。
なお、図3においては、パドル37およびイジェクトロール39等の一部の構成部材は省略している。また、図3における下側は、画像形成システム1のユーザ側を示し、図1および図2における紙面手前側を示す。
まず、用紙束形成手段の一例であるコンパイル用積載部35は、用紙Sを積載する上面を有する底部35aを備える。この底部35aは、上面に沿って用紙Sが落下するよう傾斜して設けられる。
また、コンパイル用積載部35は、底部35aに沿って落下する用紙Sの進行方向先端側の端部を揃えるよう配置されるエンドガイド35bを有する。
なお、詳しくは後述するが、コンパイル用積載部35周辺における用紙Sの動きは、まずコンパイル用積載部35に向けて供給され(図2の第1の進行方向S1参照)、次に進行方向を反転させてコンパイル用積載部35の底部35aに沿って落下する(図2の第2の進行方向S2参照)。その後、各用紙Sの端部が揃えられ、用紙束Bが形成される。そして、この用紙束Bは、進行方向を反転させてコンパイル用積載部35の底部35aに沿って上昇する(図2の第3の進行方向S3参照)。
ここで、図3に示すように、本実施の形態においてはコンパイル用積載部35の底部35aの各端部を次のように定義する。まず、用紙Sがコンパイル用積載部35の底部35aの上面に沿って落下する方向を示す第2の進行方向S2の先端側の端部を先端側端部Taと呼ぶ。この先端側端部Taは、エンドガイド35bと接触する端部である。また、第2の進行方向S2の方向に沿う端部であって画像形成システム1のユーザ側(図3における下側)の端部を、側方端部Tbと呼ぶ。
次に、パドル37は、コンパイル用積載部35の上方であって、かつエグジットロール34に対して、用紙Sの第1の進行方向S1の下流側に設けられる。また、パドル37は、図示しないモータ等の駆動を受けてコンパイル用積載部35の底部35aとの距離が変化するように備えられている。具体的には、パドル37は、図2の矢印U1およびU2の方向に移動可能に備えられており、矢印U1方向に移動してコンパイル用積載部35の底部35aに接近し(実線で描かれた位置Pb)、矢印U2方向に移動することでコンパイル用積載部35の底部35aから離間する(破線で描かれた位置Pa)。そして、パドル37は、図2の矢印R1方向に回転することで、図2の第1の進行方向S1方向に沿って搬送された用紙Sを、コンパイル用積載部35上にて第2の進行方向S2に押し込むよう構成されている。
図3に示すように、配置手段の一例であるタンパ38は、コンパイル用積載部35を挟んで対向する第1タンパ38a及び第2タンパ38bを有する。具体的には、第1タンパ38a及び第2タンパ38bは、第2の進行方向S2と交差する方向(図3における上下方向)で互いに対向するよう配置される。そして、第1タンパ38a及び第2タンパ38bは、図示しないモータ等の駆動を受けて第1タンパ38a及び第2タンパ38bの互いの距離が変化するように備えられている。
ここで、このタンパ38は、底部35aに沿って落下する用紙Sの進行方向に沿う端部を揃えるよう構成される。具体的には、第1タンパ38aは、コンパイル用積載部35に接近する位置(実線で描かれた位置Pax)とコンパイル用積載部35から離間する位置(破線で描かれた位置Pay)との間を移動する(矢印C1及びC2)よう配置されている。一方、第2タンパ38bは、コンパイル用積載部35に接近する位置(実線で描かれた位置Pbx)とコンパイル用積載部35から離間する位置(破線で描かれた位置Pby)との間を移動する(矢印C3及びC4)よう配置されている。
なお、本実施の形態における第1タンパ38a及び第2タンパ38bのそれぞれの位置Pax、Pay、Pbx、Pbyは、コンパイル用積載部35に供給される用紙Sの用紙サイズや向きおよび後述するオフセット量に応じて、それぞれの位置を変化させることができる。なお、タンパ38および制御部80を配置手段として捉えることができる。
搬送手段の一例であるイジェクトロール39は、第1イジェクトロール39aと第2イジェクトロール39bとからなり、第1イジェクトロール39aと第2イジェクトロール39bとがコンパイル用積載部35の底部35aを挟んでこの底部35aの上側と下側とで対向するように配置されている。
そして、第1イジェクトロール39aは、コンパイル用積載部35の底部35aであって、用紙Sが積載される面側に設けられている。さらに、第1イジェクトロール39aは、図示しないモータ等の駆動を受けて第2イジェクトロール39bに対して進退可能に備えられている。つまり、第1イジェクトロール39aとコンパイル用積載部35の底部35aに積載される用紙Sとの距離が変化するように構成されている。一方、第2イジェクトロール39bはコンパイル用積載部35の底部35aであって、用紙Sが積載される面の裏面側に配置されており、その位置は固定され、回転運動のみを行うよう備えられている。
具体的には、第1イジェクトロール39aが矢印Q1方向に移動し、第1イジェクトロール39aがコンパイル用積載部35の底部35aに接近する(破線で描かれた位置P2)。一方、第1イジェクトロール39aが矢印Q2方向に移動し、第1イジェクトロール39aがコンパイル用積載部35の底部35aから離間する(実線で描かれた位置P1)。
そして、第1イジェクトロール39aは、用紙Sに接触した状態で図示しないモータ等の駆動を受けて、R2方向に回転することで用紙束Bを上昇(第3の進行方向S3方向)させて搬送するように構成されている。
なお、第1イジェクトロール39aの位置P1、P2は、コンパイル用積載部35に供給される用紙Sの枚数や厚みに応じて変化させることができる。
レール44には、上述のように針無綴じ機構150が搭載される。また、このレール44は、搭載された針無綴じ機構150がエンドガイド35bに沿って移動可能(図3の矢印A方向)となるように設けられる。
<針無綴じ機構150>
次に、図4を参照しながら針無綴じ機構150の構造について説明する。ここで、図4は、針無綴じ機構150及びその周辺部材を示す概略構成図である。
針無綴じ機構(綴じ手段)150は、ステープラ用つづり針(所謂ステープル針)を用いることなく、用紙束Bを構成する用紙Sの一部を変形させることにより、用紙束Bの端部を綴じるよう構成されている。
図4に示すように、針無綴じ機構150は、対向して配置された基台501と基部503とを有する。また、針無綴じ機構150は、制御部80に制御され針無綴じ機構150を駆動させる針無綴じモータM1と、針無綴じモータM1より駆動を受けて回転するカム82と、このカム82により伝達される駆動力とは反対向きの力を付与するスプリング84とを有する。さらに、針無綴じ機構150は、例えば針無綴じモータM1より駆動を受けて回転するギア等を含む駆動機構151を有する。
なお、詳細は後述するが、針無綴じ機構150は、基台501に用紙束Bを挟んだ状態で、針無綴じモータM1の駆動を受けた基部503が基台501に接離する(図中矢印F1,F3方向)ことにより、用紙束Bを綴じるよう構成されている。
次に、基台501について詳細に説明をする。
図4に示すように、基台501には、基台501と略平行となるよう配置されている抑え部材502が設けられている。基台501と抑え部材502とは、コンパイル用積載部35の底部35a(図2参照)を挟んで設けられており、コンパイル用積載部35に積載された用紙束Bは、基台501と抑え部材502とに挟まれて保持される。また、図4に示すように、基台501は、基部503に向けて延伸し基台501と一体的に形成された突出部506を有する。
次に、基部503について詳細に説明をする。
図4に示すように、基部503は、用紙束Bに切り込みを入れるブレード504と、用紙束Bに舌部522(後述)を形成し折り曲げ、かつブレード504によって形成されたスリット521(後述)に舌部522を挿入する打ち抜き部材505とを有する。
ここで、ブレード504は、基台501と抑え部材502との間に挟まれた用紙束Bに向けて延伸する略長方形の板状部材からなる。具体的には、ブレード504は、略長方形状の面に目穴504aを有し、さらに用紙束Bに接近するに従いその幅が減少する先端部504bを有する。
打ち抜き部材505は、屈曲部を有するL字状の部材である。打ち抜き部材505の一方の端部は主部505aであり、他方の端部が副部505bである。また、打ち抜き部材505は、屈曲部に設けられた主部回転軸505rを有する。この打ち抜き部材505は、主部回転軸505rを中心に回転可能である。より詳細には、主部505aがブレード504側に傾斜可能である。なお、副部505bと基部503との間には、打ち抜き部材505が回転できるよう間隙を有する。
ここで、主部505aは基台501に向けて延伸する。さらに、主部505aは、主部回転軸505rが設けられた側とは反対側、すなわち基台501に対向する側に刃部505cを有する。この刃部505cは、舌部522の形状を打ち抜く刃からなる。なお、刃部505cのうちブレード504と対向する側には刃が形成されておらず、後述する根元522aによって舌部522と用紙Sとが連続するように構成されている。さらに、主部505aは、主部505aの側部、具体的にはブレード504と対向する側に、ブレード504へ向けて延伸する突起505dを有する。
次に、駆動機構151について説明をする。
駆動機構151は、上述のように例えば針無綴じモータM1より駆動を受けて回転するギア等により構成される。この駆動機構151が駆動することにより、針無綴じ機構150がレール44上を移動し(図3の矢印A参照)、用紙束Bにおいて綴じ処理が施される位置が変化する。
<針無綴じ機構150の動作>
ここで、図1乃至図5を参照しながら、針無綴じ機構150が、コンパイル用積載部35に積載された用紙束Bの端部を綴じる動作について具体的に説明をする。
ここで、図5は、針無綴じ機構150によって綴じられた部分を示す説明図である。より詳細には、図5(a)はスリット521及び舌部522の位置関係を示す説明図であり、図5(b)は針無綴じ機構150により綴じられる際のスリット521及び舌部522の関係を示す説明図であり、図5(c)は綴じ部分51を示す説明図である。
まず、コンパイル用積載部35に綴じ処理を施す用紙束Bが積載されると、制御部80からの信号を受けて針無綴じモータM1が駆動し、駆動機構151が用紙束Bにおける綴じ処理を施す位置に針無綴じ機構150を移動させる。
そして、針無綴じモータM1の駆動を受けカム82が回転する。このことにより基部503が基台501に接近し(矢印F1方向)、ブレード504の先端部504bと、打ち抜き部材505の刃部505cとが用紙束Bを貫通する。そして、用紙束Bを構成する用紙Sに、スリット(切り込み)521と、根元522aを残して用紙Sが打ち抜かれた舌部522とが形成される(図5(a)参照)。
そして、図4に示すように、カム82が回転して基部503を更に押下すると、打ち抜き部材505の副部505bが、基台501に一体に形成された突出部506に突き当たり、打ち抜き部材505が、主部回転軸505rを中心として図4において時計周りに回転する。これにより、主部505aがブレード504側に傾斜し、打ち抜き部材505の突起505dがブレード504に接近する。そして、打ち抜き部材505の突起505dが、図5(b)に示すように、舌部522を折り曲げ、舌部522の先端522bをブレード504の目穴504aに向けて押し込む(図中矢印F2方向)。尚、図5(b)では打ち抜き部材505を図示していない。
そして、図4に示すように、カム82がさらに回転し下死点を通過した後は、スプリング84による力を受けながら基部503が基台501から離れる方向に移動する(矢印F3参照)。基部503が図中矢印F3方向に移動すると、舌部522がブレード504の目穴504aに引っ掛かった状態で移動する。そして図5(c)に示すように、スリット521に舌部522が挿入(織り込み)されることにより、用紙束Bが綴じられる。このとき用紙束Bには、舌部522が打ち抜かれた箇所に綴じ穴(開口部)523が形成されている。
なお、以下の説明では、スリット521、舌部522、及び綴じ穴523が配置されている用紙束Bの一部分であり、用紙束Bにおいて綴じ処理が施された部分を、綴じ部分51とする。
また、図5(c)に示すように、スリット521に挿入された舌部522のうち、根元522aとスリット521との間の部分(用紙束Bの下側面Bt側に配置されている部分)を下側面部522cとする。また、スリット521に挿入された舌部522のうち、先端522bとスリット521との間の部分(用紙束Bの上側面Bh側に配置されている部分)を上側面部522dとする。
<綴じ部分51>
ここで、図5および図6を参照しながら、綴じ部分51について説明をする。
なお、図6は、用紙束Bにおいて綴じられた部分を示す説明図である。より詳細には、図6(a)は図5(c)のVIa方向からみた綴じ部分51の断面図であり、図6(b)は図5(c)のVIb方向からみた綴じ部分51の平面図である。
まず、図5(c)に示すように、用紙束Bに形成された綴じ部分51においては、舌部522自身の厚みにより、下側面部522cは用紙束Bの下側面Btから突出し、上側面部522dは用紙束Bの上側面Bhから突出して配置される。さらに、舌部522の先端522bは、舌部522の剛性等の影響により用紙束Bの上側面Bhから離間しており、いわば用紙束Bの上側面Bhから跳ね上がっている状態である。
このことにより、図6(a)に示すように、綴じ部分51は用紙束Bの表裏において膨らみを形成する。さらに説明をすると、綴じ部分51の高さH3は、少なくとも用紙束Bの高さH1の3倍となる。
また、図6(b)に示すように、舌部522の根元522aにおける幅Waは、上側面部522dにおける幅Wbより広くなるように形成されている。付言すると、舌部522を形成することにより開口される綴じ穴523の根元522a側の幅Waは、舌部522の上側面部522dにおける幅Wbよりも広い。
ここで、図示の例においては、舌部522の根元522a側で、舌部522の根元522aから舌部522の先端522bに向けて舌部522の幅が徐々にせまくなる。また、舌部522の先端522b側で、舌部522の先端522bから舌部522の根元522aに向かう方向の予め定めた長さの領域は、舌部522の幅が変化しない(幅Wb)。
また、図6(b)に示すように、綴じ部分51の長手方向、より具体的には、舌部522の長手方向および綴じ穴523の長手方向が、それぞれ用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差(直交)する方向となるように、綴じ部分51は形成されている。
さらに、綴じ部分51における舌部522の先端522bは、舌部522の根元522aよりも、用紙Sの外側に配置されている。ここで、例えばユーザによって用紙束Bが開かれる場合、用紙束Bを構成する用紙Sが摘まれた状態で徐々に捲られる。このとき、通常は、用紙Sの摘ままれる部分は用紙束Bの綴じ部分51が形成されている角部以外の用紙束Bの端部である。そのため、この摘ままれる部分から用紙Sが捲られることにともない、綴じ部分51は用紙Sの中央部側から徐徐に開かれる。このとき、図示のように舌部522の先端522bが用紙Sの外側を向いて配置されていると、舌部522はスリット521に入り込む方向に力を受け、綴じ部分51の綴じが外れることが抑制される。さらにまた、舌部522の先端522b側を予め定めた値よりも広い幅Wbとすることにより、外部から力を受けた際に舌部522がスリット521から抜けにくくなる。
<制御部80>
次に、図7を参照しながら、画像形成システム1(図1参照)全体を制御する制御部80について説明する。なお、図7は、制御部80のハードウェア構成を示した説明図である。
図7に示すように、制御部80は、処理プログラムを実行する処理部801と、各種プログラム、各種テーブル、およびパラメータ等を記憶する記憶部802とを有する。処理部801は例えばCPU(Central Processing Unit)であり、記憶部802は例えばROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)およびHDD(Hard Disk Drive)である。
<画像形成システム1の動作>
次に、図1〜図3を参照して画像形成システム1の動作について説明する。
まず、本実施の形態においては、パーソナルコンピュータ(図示せず)あるいはユーザ・インターフェイス90等を介して、用紙Sに形成する画像及び綴じ処理に関する情報を受け付ける。制御部80が、これらの情報を受け、画像形成動作情報(所謂ジョブ情報)を生成する。そして、制御部80による指示により、画像形成システム1の動作が開始される。
なお、画像形成装置2の画像形成部6によって1番目の用紙Sにトナー像が形成される前の状態は、次のように各部材が配置される。すなわち、第1イジェクトロール39aは位置P1に、パドル37は位置Paに配置され、第1タンパ38aは位置Payに配置され、そして第2タンパ38bは位置Pbxに配置される。また、針無綴じ機構150は図3に示すように、レール44における側方端部Tb側に配置される。
そして、画像形成装置2の画像形成部6によって1番目の用紙Sにトナー像が形成される。図1に示すように、トナー像が形成された1番目の用紙Sは、必要に応じて用紙反転装置7によって反転された後、排出ロール9を介して、1枚ごとに用紙処理装置3に供給される。
1番目の用紙Sが供給された用紙処理装置3の搬送装置10では、入口ロール11にて1番目の用紙Sを受け取り、この1番目の用紙Sに対して必要に応じてパンチャ12により穴あけ処理が施される。その後、第1搬送ロール13および第2搬送ロール14を介して、1番目の用紙Sが下流側の後処理装置30に向けて搬送される。
後処理装置30では、受け取りロール31により1番目の用紙Sを受け取る。受け取りロール31を経た1番目の用紙Sは、エグジットロール34によって第1の進行方向S1に搬送される。このとき、1番目の用紙Sはコンパイル用積載部35と第1イジェクトロール39aとの間を通過し、さらにコンパイル用積載部35とパドル37との間を通過する。
1番目の用紙Sの第1の進行方向S1の先端が、コンパイル用積載部35とパドル37との間を通過した後、パドル37が位置Paから下降し(図2の矢印U1方向に移動)位置Pbに配置される。このことにより、パドル37は1番目の用紙Sと接触する。そして、1番目の用紙Sは、図2に示すパドル37の矢印R1方向の回転により、図2の第2の進行方向S2方向に押し込まれ、その1番目の用紙Sのエンドガイド35b側の端部がエンドガイド35bと接触する。その後、パドル37は上昇(図2の矢印U2方向に移動)し1番目の用紙Sから離れ、位置Paに再び配置される。
さらに、1番目の用紙Sがコンパイル用積載部35に受け入れられ、エンドガイド35b側の端部がエンドガイド35bに到達した後に、第1タンパ38aが図3の矢印C2方向に移動することで、1番目の用紙Sを位置Pbxに配置された第2タンパ38bに接触させる。その後、第1タンパ38aが1番目の用紙Sから離間し(図3の矢印C1方向に移動)、位置Payに再び配置される。
この1番目の用紙Sに続く、画像形成部6によってトナー像が形成された2番目以降の用紙Sが、それぞれ順に後処理装置30に供給された際も、上述の動作と同様に、パドル37およびタンパ38によって、用紙Sの端部が揃えられる。すなわち、1枚目の用紙Sが揃えられた状態で2枚目の用紙Sが供給され、1枚目の用紙Sに対して2枚目の用紙Sが揃えられる。このことは、3枚目以降に用紙Sが供給される場合についても同様である。このようにすることで、予め設定された枚数の用紙Sをコンパイル用積載部35に収容し、各用紙Sの端部を揃え用紙束Bを形成する。
そして、第1イジェクトロール39aは位置P1から下降(図2の矢印Q1方向に移動)し、位置P2に配置される。このことにより、揃えられた状態の用紙束Bは、第1イジェクトロール39aと第2イジェクトロール39bとによって挟まれて固定される。
次に、駆動機構151による駆動力を受け、針無綴じ機構150が綴じ処理を施す部分に移動し(矢印A参照)、コンパイル用積載部35に積載された用紙束Bに綴じ処理を施す。
そして、針無綴じ機構150によって綴じられた用紙束Bは、必要に応じてオフセット処理を施される(後述)。
次に、綴じ処理が施された用紙束Bは、第1イジェクトロール39aが回転する(図2の矢印R2)ことにともない、コンパイル用積載部35の底部35aに沿って上昇し(図2の第3の進行方向S3参照)、コンパイル用積載部35から排出される。そして、用紙束Bは開口部69を通って、積載部70へと排出される。
<オフセット動作>
さて、図2、図3、図7、および図8を参照しながら、針無綴じ機構150によって綴じられた用紙束Bをオフセットする動作について説明をする。なお、図8は、用紙束Bをオフセットする動作を示す説明図である。より詳細には、図8(a)は、積載部70に連続して順に供給される第1の用紙束B1〜第4の用紙束B4をオフセットする動作を示した説明図であり、図8(b)は、用紙束Bの積載部70上に配置された第1の用紙束B1〜第4の用紙束B4を上面からみた説明図である。
また、オフセットとは、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における位置をずらして用紙束Bを積載部70上に配置することをいう。
まず、ユーザ・インターフェイス90等を介して綴じ処理に関する情報を受け付ける。この綴じ処理に関する情報を受けた制御部80は、制御部80の処理部801が、記憶部802に格納されたテーブル等を参照することで、オフセット量を決定する。
そして、処理部801による指示を受けて、コンパイル用積載部35に形成された用紙束Bに対して針無綴じ機構150が綴じ処理を施した後に、第1イジェクトロール39aは位置P2から上昇する(図2の矢印Q2方向)。そして、第1タンパ38aおよび第2タンパ38bが、制御部80の処理部801によって決定されたオフセット量に応じた位置までそれぞれ移動する。このことにより、方向Aにおける用紙束Bの位置がずれる。
そして、用紙束Bの位置がずれた後に、第1イジェクトロール39aが位置P1から再び下降し(図2の矢印Q1方向)、用紙束Bを第2イジェクトロール39bとともに挟み込む。この状態において、第1イジェクトロール39aおよび第2イジェクトロール39bが回転することで、用紙束Bが積載部70へと排出される。
ここで、図8(a)に示すように、本実施の形態においては、用紙束Bに形成された舌部522が、他の用紙束Bに形成された綴じ穴523内に配置されるようにオフセット量(距離L参照)が定められる。すなわち、針無綴じ機構150により綴じ処理が順に施された2つの用紙束Bの凹凸を、重ね合わせるようオフセット量が定められる。
以下で、このオフセットについて詳細に説明をする。
まず、第1の用紙束B1が、開口部69を通って積載部70へと排出される。そして、次に排出されてくる第2の用紙束B2は、第2の用紙束B2の綴じ穴523内に第1の用紙束B1に形成された舌部522の上側面部522dが配置される位置にオフセットされる。
また、次に排出されてくる第3の用紙束B3は、第2の用紙束B2に形成された舌部522の上側面部522dと第3の用紙束B3とが接触しない位置に配置されるよう、オフセットされる。図示の例においては、第3の用紙束B3は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第1の用紙束B1と対応する位置(図示の例においては同じ位置)に配置される。
さらに、次に排出されてくる第4の用紙束B4は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第2の用紙束B2と同じ位置に配置され、第4の用紙束B4の綴じ穴523内に、第3の用紙束B3に形成された舌部522の上側面部522dが配置されるよう、オフセットされる。
図示は省略するが、第5の用紙束B5以降の用紙束Bが形成される場合は、上記の動作が繰り返される。
<オフセットされた綴じ部分51>
次に、オフセットされた用紙束Bにおける綴じ部分51の状態についてさらに説明をする。
図8(b)に示すように、第3の用紙束B3に形成された舌部522の先端522bが第4の用紙束B4に形成された綴じ穴523に対峙する。さらに説明をすると、第4の用紙束B4に形成された綴じ穴523内に、第3の用紙束B3に形成された舌部522の上側面部522dが入り込む状態となる。図示の例においては、綴じ穴523内の寸法は、舌部522の上側面部522dが収まる程度の幅と長さである。このことにより、綴じ穴523と舌部522の上側面部522dとが、いわば噛み合う状態となる。
ここで、第4の用紙束B4の綴じ穴523内に第3の用紙束B3の上側面部522dが入り込むことで、第4の用紙束B4と第3の用紙束B3とがずれることが抑制される。さらに説明をすると、例えば図4の第4の用紙束B4が、図8(b)の紙面に沿った方向で移動しようとすると、第4の用紙束B4の綴じ穴523が第3の用紙束B3に形成された上側面部522dに引っ掛かり、移動が制限される。したがって、積載された用紙束Bの安定性が向上する。
また、上述のように綴じ穴523の根元522a側の幅Wa(図6(b)参照)は、舌部522の上側面部522dにおける幅Wb(図6(b)参照)よりも広い。このことにより、綴じ穴523内の根元522a側に舌部522の上側面部522dを配置し得る。
次に、図9を参照しながらオフセットされながら積載部70に積載された用紙束Bの高さ方向の状態について説明をする。なお、図9は、積載部70に積載された用紙束Bの側面図である。
図9に示すように、用紙束Bに形成された舌部522の上側面部522dが、その用紙束Bの上方に積載された用紙束Bに形成された綴じ穴523内に配置されている。いわば、跳ね上がっている舌部522の先端522bを綴じ穴523内に格納するように配置されている。
そして、舌部522の上側面部522dが綴じ穴523内に配置されることにより、積載された用紙束Bにおいて綴じ部分51が膨らむことが抑制される。さらに説明をすると、本実施の形態とは異なりオフセットをしない場合と比較して、積載された用紙束B全体の高さを抑制することができる。したがって、積載された用紙束B全体の安定性が向上する。
さて、上述のように舌部522の上側面部522dが綴じ穴523内に配置するようオフセットすることで、積載部70に積載された用紙束Bどうしにずれが生じることが抑制される。また、積載部70に積載された用紙束B全体の高さが抑制される。したがって、積載部70に積載可能な用紙束Bの束数が増え、所謂スタック性が向上する。
<第1の変形例>
次に、図10を参照しながら、本実施の形態の第1の変形例について説明をする。なお、図10は、第1の変形例において用紙束Bをオフセットする動作を示す説明図である。
上述の説明においては、用紙束Bごとに綴じ部分51が1つ形成されることを説明したが、針無綴じ機構150がレール44上を移動しながら(図3の矢印A参照)、用紙束Bに複数の綴じ部分51を形成してもよい。
図10に示す変形例においては、1つの用紙束Bにおいて、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差する方向に2つの綴じ部分が同じ向きに形成される。具体的には、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差する方向における用紙束Bの中央側に配置される中央側綴じ部51aと、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)に沿う用紙束Bの端部側に配置される端部側綴じ部51bとが同じ向きに形成される。
この変形例におけるオフセット動作は、次のように行われる。
まず、図10(a)に示すように、第1の用紙束B1が、開口部69を通って積載部70へと排出される。そして、次に排出されてくる第2の用紙束B2は、第2の用紙束B2に形成された中央側綴じ部51aの綴じ穴523内に第1の用紙束B1に形成された中央側綴じ部51aの上側面部522dが配置され、かつ第2の用紙束B2に形成された端部側綴じ部51bの綴じ穴523内に第1の用紙束B1に形成された端部側綴じ部51bの上側面部522dが配置される位置に、オフセットされる。
また、次に排出されてくる第3の用紙束B3は、第3の用紙束B3に形成された端部側綴じ部51bの綴じ穴523内に第2の用紙束B2に形成された中央側綴じ部51aの上側面部522dが配置され、かつ第2の用紙束B2に形成された端部側綴じ部51bの上側面部522dと第3の用紙束B3とが接触しない位置に配置されるよう、オフセットされる。図示の例においては、第3の用紙束B3は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第1の用紙束B1と同じ位置に配置される。付言すると、第2の用紙束B2に形成された端部側綴じ部51bの上側面部522dは、第3の用紙束B3の外側に配置される。
さらに、次に排出されてくる第4の用紙束B4は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第2の用紙束B2と同じ位置に配置され、第4の用紙束B4に形成された中央側綴じ部51aの綴じ穴523内に第3の用紙束B3に形成された中央側綴じ部51aの上側面部522dが配置され、かつ第4の用紙束B4に形成された端部側綴じ部51bの綴じ穴523内に第3の用紙束B3に形成された端部側綴じ部51bの上側面部522dが配置される位置に、オフセットされる。
図示は省略するが、第5の用紙束B5以降の用紙束Bが形成される場合は、上記の動作が繰り返される。
このようにBの積載部70上に配置された第1の用紙束B1〜第4の用紙束B4を上面からみると、図10(b)のようになる。図10(b)に示すように、用紙束Bに形成された綴じ穴523内に他の用紙束Bに形成された上側面部522dが配置される箇所の数が、2箇所となることから所謂スタック性がより向上する。
なお、図示の例においては、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差する方向における中央側綴じ部51aの先端522bから端部側綴じ部51bの根元522aまでの距離Lpは、オフセット量(図8(a)の距離L参照)と一致する。このことにより、第2の用紙束B2と第3の用紙束B3とにおいて説明をしたように、オフセットをした際、第3の用紙束B3に形成された端部側綴じ部51bの綴じ穴523内に、第2の用紙束B2に形成された中央側綴じ部51aの上側面部522dが配置されるように設定される。
<第2の変形例>
次に、図11を参照しながら、本実施の形態の第2の変形例について説明をする。なお、図11は、第2の変形例において用紙束Bをオフセットする動作を示す説明図である。
図10においては、用紙束Bに2つの綴じ部分が同じ向きに形成されることを説明したが、図11に示す変形例においては、用紙束Bに2つの綴じ部分が異なる向き(逆向き)に形成される。具体的には、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差する方向における一端側に配置される第1綴じ部51cと、他端側に配置される第2綴じ部51dとが形成される。
また、第1綴じ部51cおよび第2綴じ部51dのそれぞれは、オフセットした際に他の用紙束Bに形成された舌部522の上側面部522dを内部に配置するためのオフセット用孔524を有する。他の開口部の一例であるオフセット用孔524は、第1綴じ部51cおよび第2綴じ部51dのそれぞれにおいて、用紙束Bが搬送される方向(第3の進行方向S3)と交差する方向で、上側面部522dを基準として綴じ穴523とは反対側に配置される。
なお、このオフセット用孔524内の寸法は、舌部522の上側面部522dが収まる程度の幅と長さである。また、このオフセット用孔524は、例えば、針無綴じ機構150の基部503(図4参照)が、オフセット用孔524を打ち抜く他の打ち抜き部材(開口部形成手段、図示せず)を有し、この針無綴じ機構150が用紙束Bに綴じ処理を施すことにともない用紙束Bにオフセット用孔524が形成される。
この変形例におけるオフセット動作は、次のように行われる。
まず、図11(a)に示すように、第1の用紙束B1が、開口部69を通って積載部70へと排出される。そして、次に排出されてくる第2の用紙束B2は、第2の用紙束B2に形成された第1綴じ部51cのオフセット用孔524内に第1の用紙束B1に形成された第1綴じ部51cの上側面部522dが配置され、かつ第2の用紙束B2に形成された第2綴じ部51dの綴じ穴523内に第1の用紙束B1に形成された第2綴じ部51dの上側面部522dが配置される位置に、オフセットされる。
また、次に排出されてくる第3の用紙束B3は、第3の用紙束B3に形成された第1綴じ部51cの綴じ穴523内に第2の用紙束B2に形成された第1綴じ部51cの上側面部522dが配置され、かつ第3の用紙束B3に形成された第2綴じ部51dのオフセット用孔524内に第2の用紙束B2に形成された第2綴じ部51dの上側面部522dが配置されるよう、オフセットされる。図示の例においては、第3の用紙束B3は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第1の用紙束B1と同じ位置に配置される。
さらに、次に排出されてくる第4の用紙束B4は、用紙束Bの搬送方向(第3の進行方向S3参照)と交差する方向における第2の用紙束B2と同じ位置に配置され、第4の用紙束B4に形成された第1綴じ部51cのオフセット用孔524内に第3の用紙束B3に形成された第1綴じ部51cの上側面部522dが配置され、かつ第4の用紙束B4に形成された第2綴じ部51dの綴じ穴523内に第3の用紙束B3に形成された第2綴じ部51dの上側面部522dが配置される位置に、オフセットされる。
図示は省略するが、第5の用紙束B5以降の用紙束Bが形成される場合は、上記の動作が繰り返される。
このようにBの積載部70上に配置された第1の用紙束B1〜第4の用紙束B4を上面からみると、図11(b)のようになる。そして、第1綴じ部51cおよび第2綴じ部51dがそれぞれオフセット用孔524を有することにより、第1綴じ部51cおよび第2綴じ部51dのレイアウト上の自由度が増す。例えば、図示の例においては、用紙束Bが搬送される方向において第1綴じ部51cおよび第2綴じ部51dを同じ位置に配置したが、互いにずれた位置に配置されてもよい。
<第3の変形例>
次に、図12を参照しながら、本実施の形態の第3の変形例について説明をする。なお、図12は、第3の変形例において用紙束Bを積載する動作を示す説明図である。
上述の説明では、綴じ処理を施した用紙束Bをタンパ38(図3参照)によってオフセットする構成を説明した。しかしながら、用紙束Bに形成された舌部522が、他の用紙束Bに形成された綴じ穴523内に配置される構成であればよい。
したがって、例えば、図12(a)および(b)に示すように、用紙束Bごとに、針無綴じ機構150の駆動機構151(図3参照)が駆動することにより、用紙束Bに対して針無綴じ機構150が綴じ部分51を形成する位置をずらす構成であってもよい。針無綴じ機構150が用紙束Bごとに綴じ位置をずらすことにより、用紙束Bに形成された舌部522が、他の用紙束Bに形成された綴じ穴523内に配置される。そして、図12に示す例においては、用紙束Bをオフセットさせることが不要となり、タンパ38(図3参照)の制御が簡略化される。なお、図12に示す例においては、針無綴じ機構150の駆動機構151(図3参照)を、配置手段として捉えることができる。
1…画像形成システム、2…画像形成装置、3…用紙処理装置、30…後処理装置、35…コンパイル用積載部、38…タンパ、39…イジェクトロール、51…綴じ部分、69…開口部、70…積載部、80…制御部、150…針無綴じ機構、521…スリット、522…舌部、523…綴じ穴、524…オフセット用孔

Claims (6)

  1. 用紙束の一部に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることで根元が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該用紙束に開口部を形成しながら当該舌部の先端を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ手段と、
    前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を積載する積載手段と、
    前記積載手段に積載された際に、第1の用紙束に形成された前記舌部の先端が第2の用紙束に形成された前記開口部と対峙するように、当該第1の用紙束および当該第2の用紙束をずらして配置しまたは前記綴じ手段による綴じ位置を変更する配置手段と
    を備えることを特徴とする後処理装置。
  2. 前記舌部の幅は、当該舌部の前記根元側から当該舌部の前記先端側へ向けて狭くなることを特徴とする請求項1記載の後処理装置。
  3. 前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を前記積載手段へ搬送する搬送手段を有し、
    前記綴じ手段は、前記搬送手段が前記用紙束を搬送する方向と交差する方向に前記舌部の長手方向が沿うよう当該舌部を形成し、
    前記配置手段は、前記舌部の長手方向に前記第1の用紙束および前記第2の用紙束をずらして配置し、または当該舌部の長手方向に前記綴じ手段による綴じ位置を変更することを特徴とする請求項1または2記載の後処理装置。
  4. 前記配置手段は、前記第2の用紙束に形成された前記舌部の先端を、当該第2の用紙束に対して前記第1の用紙束とは反対側に積載される第3の用紙束よりも外側で当該第3の用紙束と接触しない位置に配置することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の後処理装置。
  5. 前記綴じ手段により前記用紙束に形成される前記開口部とは異なる他の開口部を当該用紙束に形成する開口部形成手段を有し、
    前記配置手段は、前記第2の用紙束に形成された前記舌部の先端を、当該第2の用紙束に対して前記第1の用紙束とは反対側に積載される第3の用紙束に形成された前記他の開口部内に配置させることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の後処理装置。
  6. 用紙に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された複数の前記用紙を集積し用紙束を形成する用紙束形成手段と、
    前記用紙束形成手段により形成された前記用紙束の一部に切り込みを形成し、かつ当該用紙束の一部を予め定めた形状に切ることで根元が当該用紙束と連続する部分を残す舌部を当該用紙束に形成するとともに、当該舌部を折り当該用紙束に開口部を形成しながら当該舌部の先端を当該切り込みに挿入し当該用紙束を綴じる綴じ手段と、
    前記綴じ手段により綴じられた前記用紙束を積載する積載手段と、
    前記積載手段に積載された際に、第1の用紙束に形成された前記舌部の先端が第2の用紙束に形成された前記開口部と対峙するように、当該第1の用紙束および当該第2の用紙束をずらして配置しまたは前記綴じ手段による綴じ位置を変更する配置手段と
    を備えることを特徴とする画像形成システム。
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