JP3772948B2 - 記録装置の連続紙切断装置及び方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ミシン目を有する連続紙を該ミシン目で切断する記録装置の連続紙切断装置及び連続紙切断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、プリンタ等の記録装置で使用される連続紙には、一定の間隔で用紙幅方向にミシン目が設けられている。このような連続紙のミシン目を切断するための連続紙切断装置としては、連続紙の搬送方向に沿って上流側と下流側の2カ所にそれぞれ上流側上パッド及び下流側上パッドが設けられ、また切断装置本体のフレームには下流側上パッドに対向して下パッドが設けられている。さらに、上流側上パッドと下流側上パッドとの間には上下方向に移動自在なハンマーが設けられている。そして、上流側上パッド及び下流側上パッドを下方向へ移動させ、上流側上パッドと切断装置本体のフレームとの間及び下流側上パッドと下パッドとの間で連続紙を挟持して固定し、この状態で、ハンマーを下方向に移動させて連続紙を押圧することにより、連続紙をミシン目で切断するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の技術では、連続紙先端が下パッド部分を通過するときに該下パッドのエッジ部に引っかかる虞がある。特に、連続紙をミシン目で切断したときに、連続紙先端が垂れ下がるため、連続紙先端が下パッドのエッジ部に引っかかりやすいという問題がある。すなわち、図8に示すように、切断したときに連続紙1の先端1Aが垂れ下がり、この状態で連続紙1を搬送すると、連続紙先端1Aがフレーム2上の下パッド3のエッジ部にひっかかって紙ジャムが発生する。
【0004】
本発明の課題は、連続紙先端が下パッドのエッジ部に引っかからず、もって連続紙のミシン目での切断および搬送をスムーズに行うことのできる記録装置の連続紙切断装置および連続紙切断方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記課題を達成するために、本願請求項1に記載の発明は、連続紙の搬送方向に沿って設けられ上下方向に移動自在な一対の上パッドと、前記一対の上パッドの間に設けられ上下方向に移動自在なハンマーと、前記一対の上パッドのうち少なくとも一方の上パッドに対向して設けられた下パッドとを備え、前記一対の上パッドを下方向に移動させ、該一対の上パッドと前記下パッド及び切断装置本体との間で前記連続紙を挟持して、前記ハンマーを下方向へ移動させることにより、前記連続紙をミシン目で切断する記録装置の連続紙切断装置であって、連続紙の搬送方向を案内し連続紙先端が前記下パッドに引っかかるのを防止するパッドガイドが設けられ、該パッドガイドは、水平部と斜面部とを備え、該水平部の前記斜面部との接続部分に開口された窓部が設けられ、前記下パッドは、前記窓部内に位置すると共に、前記上パッドに対して搬送方向にずれて配設され、前記斜面部の上端は、前記下パッドの前記ずれによりできたスペースに位置するように形成され、前記パッドガイドの前記窓部を構成する前記水平部及び斜面部の上端部分は、連続紙非切断時には前記下パッドの上面より上方に位置し、連続紙切断時には前記上パッドに押圧されて前記下パッドの上面より下方に退避するように構成されていることを特徴とするものである。
【0006】
本発明によれば、例えば連続紙をミシン目で切断した後に上パッドを上方向へ移動させると、パッドガイドの先端部が下パッドの上面位置よりも上側に位置するので、連続紙の先端はパッドガイドに案内されて、下パッドのエッジ部の上方を搬送され、連続紙先端が下パッドのエッジ部に引っかかるのを回避することができる。また、連続紙切断時には、パッドガイドは、上パッドに押圧されて下パッドの上面位置より下方に退避するので、上パッドと下パッドとによる連続紙の挟持動作は確実に行われ、ミシン目の切断を問題なく行うことができる。
【0007】
また、本願請求項2に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置の連続紙切断装置において、前記パッドガイドは、前記上パッドで押圧されたときに一部が撓むことにより、前記下パッドの上面より下方に退避することを特徴とするものである。本発明によれば、上パッドで押圧されたときに、パッドガイドの一部が撓むので下パッドの上面が露出し、これによって、上パッドと下パッドで連続紙を確実に挟持することが可能となる。
【0008】
また、本願請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載された記録装置の連続紙切断装置において、前記パッドガイドは前記切断装置本体の一部を構成するフレームに取り付けられていることを特徴とするものである。本発明のように、パッドガイドがフレームに取り付けられてユニット化されていれば、連続紙切断装置の組立を容易に行うことができ、生産ラインにおける組立作業の軽減化を図ることができる。
【0009】
さらに、本願請求項4に記載の発明は、請求項1に記載された記録装置の連続紙切断装置において、前記パッドガイドは、導電性を有する材料で形成されていることを特徴とするものである。本発明によれば、切断時に連続紙に静電気が生じても、その静電気をパッドガイドを介して切断装置本体側へ逃がすことができ、切断後の連続紙が静電気によりパッドガイド等に張り付くといった不具合の発生を防止できる。
【0010】
また、本願請求項5に記載の発明は、連続紙の搬送方向に沿って設けられた一対の上パッドと、前記一対の上パッドの間に設けられ上下方向に移動自在なハンマーと、前記一対の上パッドのうち少なくとも一方の上パッドに対向して設けられた下パッドとを備え、連続紙の搬送方向を案内し連続紙先端が前記下パッドに引っかかるのを防止するパッドガイドが設けられ、該パッドガイドは、水平部と斜面部とを備え、該水平部の前記斜面部との接続部分に開口された窓部が設けられ、前記下パッドは、前記窓部内に位置すると共に、前記上パッドに対して搬送方向にずれて配設され、前記斜面部の上端は、前記下パッドの前記ずれによりできたスペースに位置するように形成され、前記一対の上パッドと、前記下パッド及び切断装置本体との間に連続紙を挟持して、前記連続紙のミシン目部分をハンマーで押圧することにより、前記連続紙をミシン目で切断する記録装置の連続紙切断方法であって、連続紙先端をパッドガイドにより前記下パッド上面より上方へ位置規制しながら連続紙を搬送し、連続紙切断の際は前記パッドガイドの前記窓部を構成する前記水平部及び斜面部の上端部分が前記下パッド上面より下方に退避して、前記上パッドと下パッド及び前記斜面部の上端との間に連続紙を挟持することを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に従って説明する。図1は本発明に係る連続紙切断装置の待機時の様子を示した縦断面図、図2は同連続紙切断装置の紙押え時の様子を示した縦断面図、図3は同連続紙切断装置の紙切断時の様子を示した縦断面図、図4は後フレームに取り付けられたパッドガイドの斜視図、図5は図4の一部を詳細に示した拡大図、図6は紙搬送時のパッドガイドの様子を示した図、図7は紙切断時のパッドガイドの様子を示した図である。
【0013】
図1に示すように、本発明に係る一実施の形態の連続紙切断装置10は、連続紙11の搬送方向Aに沿って、連続紙11の上面側に上流側上パッド12と下流側上パッド13が設けられ、上流側上パッド12は紙押えフレーム14に、下流側上パッド13は紙押えフレーム15にそれぞれ取り付けられている。なお、上流側上パッド12と下流側上パッド13はゴムで形成され、図1の紙面垂直方向に複数個設けられている。
【0014】
また、上流側上パッド12と下流側上パッド13との間にはハンマー16が設けられている。このハンマー16は先端がU字型をなしており、図1の紙面垂直方向に延設されている。そして、上流側上パッド12、下流側上パッド13、及びハンマー16等は上カバー17内に収納されている。
【0015】
上カバー17と紙押えフレーム14,15と間にはそれぞれ紙押えばね18,19が介装され、紙押えフレーム14,15はそれぞれ紙押えばね18,19によって下方向に付勢されている。
【0016】
また、紙押えフレーム14,15は、図示していないリンク機構を介して駆動軸20に連結されており、待機時(つまり連続紙を切断する以外の時)には前記リンク機構によって図1のように上方向に押し上げられているが、連続紙11の切断時には図2及び図3のように下方向に移動する。なお、紙押えフレーム14,15の上下方向への移動動作の詳細については後述する。
【0017】
上流側上パッド12及び下流側上パッド13の下方には、それぞれ前フレーム21及び後フレーム22が設けられている。これら前フレーム21及び後フレーム22に上カバー17がビス23により固定されている。後フレーム22内にはモータ24が収納されている。モータ24にはその出力軸にモータピニオン25が取り付けられ、このモータピニオン25には減速ギア26が噛み合わされ、さらに減速ギア26には駆動ギア27が噛み合わされている。そして、前述した駆動軸20は駆動ギア27に連結されており、この駆動軸20はモータ25により回転駆動される。また、前フレーム21と後フレーム22との間には、ハンマー16に対向して紙案内部材28が配置されている。この紙案内部材28は上下方向に移動自在となっている。前フレーム21と後フレーム22の下部は下カバー29で被われている。
【0018】
後フレーム22の一側(紙案内部材28側)は僅かに低く形成されて段付き部22Aが設けられている。この段付き部22Aには下流側上パッド13に対向して下パッド30が固定されている。また後フレーム22の他側には排紙ローラ31が設けられている。なお、下パッド30はゴムで形成されている。
【0019】
本実施の形態では、後フレーム22の段付き部22Aに、ポリエステル樹脂などで形成されたパッドガイド32が取り付けられている。その様子を図4及び図5に示す。図4及び図5に示すように、パッドガイド32は水平部32A、斜面部32B、及び垂直部32Cの3つに折り曲げられ、水平部32Aと垂直部32Cが後フレーム22に接着されて固定されている。水平部32Aと垂直部32Cの裏面には接着面が形成されおり、接着前は、その接着面ははくり紙を被われている。そして、パッドガイド32を後フレーム22に取り付ける際に、はくり紙を剥がして水平部32A及び垂直部32Cを後フレーム22に接着固定する。このようにすれば、生産ラインにおける作業の軽減化を図ることができる。
【0020】
下パッド30は、下流側上パッド13の個数に対応して、後フレーム22の幅方向に沿って複数個(ここでは、8個)設けられている。また、パッドガイド32の水平部32Aには下パッド30の個数に対応した数の窓部32Dが形成されている。そして、パッドガイド32を後フレーム22に接着固定したとき、各下パッド30はその上面が窓部32Dから上方に露出しないようになっている。
【0021】
パッドガイド32の窓部32Dは、図6及び図7に示すように、連続紙の搬送方向に沿って上流側及び下流側の内縁が下側に折り曲げられ、連続紙11の矢印A方向への搬送時またはその反対方向への逆送時に、連続紙11が引っ掛からないないようになっている。また、パッドガイド32は斜面部32Bが後フレーム22に接着されておらず、後フレーム22と斜面部32Bとの間には空隙32Eが形成されている。
【0022】
次に、上記構成の連続紙切断装置の動作について図1乃至図3に基づいて説明する。連続紙11のミシン目がハンマー16の真下にきたとき、連続紙11の搬送動作を停止して、図2に示すように、上流側上パッド12及び下流側上パッド13を下方向に移動させる。上流側上パッド12及び下流側上パッド13を下方向に移動させる動作は、モータ25で駆動軸20を回転駆動することによって行われる。すなわち、通常、紙押えフレーム14,15は図示していないリンク機構によって上方向に押し上げられているが、駆動軸20を回転駆動させると、前記リンク機構によって紙押えフレーム14,15の上方向への押し上げ状態が解除され、これにより、紙押えフレーム14,15は紙押えばね18,19の付勢力によって下方向に移動する。そして、この移動動作に伴って上流側上パッド12及び下流側上パッド13が下方向に移動し、上流側上パッド12と前フレーム21との間、及び下流側上パッド13と下パッド30との間に連続紙11が挟持され固定される。また、このとき、パッドガイド32の斜面部32Bは、下流側上パッド13に押圧されて空隙32E側に撓んで、パッドガイド32の先端が下パッド30の上面より退避する。これにより、下流側上パッド13と下パッド30との間に連続紙11を確実に挟持することができる。
【0023】
このように連続紙11が固定された状態で、図3に示すように、ハンマー16を下方向に移動させる。このハンマー16の下方向への移動も、駆動軸20の回転駆動によって行われる。ハンマー16の下方向への移動により、連続紙11はミシン目で確実に切断される。
【0024】
連続紙11をミシン目で切断したら、紙押えばね18,19の付勢力に抗して紙押えフレーム14,15を上方向へ押し上げ、上流側上パッド12及び下流側上パッド13を上方向への移動させる。これにより、上流側上パッド12と前フレーム21、及び下流側上パッド13と下パッド30による連続紙11の挟持が解除される。
【0025】
次に、切断された連続紙のうちミシン目よりも前方の連続紙11A(図3参照)は排紙ローラ31により外部に排出される。また、ミシン目よりも後方の連続紙11B(図3参照)は引き続き矢印A方向に搬送される。このとき、連続紙11Bの先端は、パッドガイド32の斜面部32Bにより案内され、下パッド30のエッジ部にひっかかることなくスムーズに搬送される。すなわち、この状態のときは斜面部32Bは下流側上パッド13で押圧されていないので、その先端は下パッド30の上面よりは上に位置しており、斜面部32Bで搬送方向が案内される連続紙11Bは下パッド30のエッジ部にひっかかることはない。
【0026】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、連続紙の先端は、パッドガイドで搬送方向が案内されて、連続紙先端が下パッドのエッジ部に衝突するのを回避することができる。その結果、連続紙をスムーズに搬送することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る連続紙切断装置の待機時の様子を示した縦断面図である。
【図2】同連続紙切断装置の紙押え時の様子を示した縦断面図である。
【図3】同連続紙切断装置の紙切断時の様子を示した縦断面図である。
【図4】後フレームに取り付けられたパッドガイドの斜視図である。
【図5】図4の一部を詳細に示した拡大図である。
【図6】用紙搬送時のパッドガイドの様子を示した図である。
【図7】用紙切断時のパッドガイドの様子を示した図である。
【図8】従来技術での課題を説明した図である。
【符号の説明】
10 連続紙切断装置
11 連続紙
12 上流側上パッド
13 下流側上パッド
14,15 紙押えフレーム
18,19 紙押えばね
16 ハンマー
30 下パッド
32 パッドガイド
32A 水平部
32B 斜面部
32C 垂直部
32D 窓部
Claims (5)
- 連続紙の搬送方向に沿って設けられ上下方向に移動自在な一対の上パッドと、前記一対の上パッドの間に設けられ上下方向に移動自在なハンマーと、前記一対の上パッドのうち少なくとも一方の上パッドに対向して設けられた下パッドとを備え、
前記一対の上パッドを下方向に移動させ、該一対の上パッドと前記下パッド及び切断装置本体との間で前記連続紙を挟持して、前記ハンマーを下方向へ移動させることにより、前記連続紙をミシン目で切断する記録装置の連続紙切断装置であって、
連続紙の搬送方向を案内し連続紙先端が前記下パッドに引っかかるのを防止するパッドガイドが設けられ、
該パッドガイドは、水平部と斜面部とを備え、該水平部の前記斜面部との接続部分に開口された窓部が設けられ、
前記下パッドは、前記窓部内に位置すると共に、前記上パッドに対して搬送方向にずれて配設され、
前記斜面部の上端は、前記下パッドの前記ずれによりできたスペースに位置するように形成され、
前記パッドガイドの前記窓部を構成する前記水平部及び斜面部の上端部分は、連続紙非切断時には前記下パッドの上面より上方に位置し、連続紙切断時には前記上パッドに押圧されて前記下パッドの上面より下方に退避するように構成されていることを特徴とする記録装置の連続紙切断装置。 - 請求項1において、前記パッドガイドは、前記上パッドで押圧されたときに一部が撓むことにより、前記下パッドの上面より下方に退避することを特徴とする記録装置の連続紙切断装置。
- 請求項1又は2において、前記パッドガイドは、前記切断装置本体の一部を構成するフレームに取り付けられていることを特徴とする記録装置の連続紙切断装置。
- 請求項1において、前記パッドガイドは、導電性を有する材料で形成されていることを特徴とする記録装置の連続紙切断装置。
- 連続紙の搬送方向に沿って設けられた一対の上パッドと、前記一対の上パッドの間に設けられ上下方向に移動自在なハンマーと、前記一対の上パッドのうち少なくとも一方の上パッドに対向して設けられた下パッドとを備え、
連続紙の搬送方向を案内し連続紙先端が前記下パッドに引っかかるのを防止するパッドガイドが設けられ、
該パッドガイドは、水平部と斜面部とを備え、該水平部の前記斜面部との接続部分に開口された窓部が設けられ、
前記下パッドは、前記窓部内に位置すると共に、前記上パッドに対して搬送方向にずれて配設され、
前記斜面部の上端は、前記下パッドの前記ずれによりできたスペースに位置するように形成され、
前記一対の上パッドと、前記下パッド及び切断装置本体との間に連続紙を挟持して、前記連続紙のミシン目部分をハンマーで押圧することにより、前記連続紙をミシン目で切断する記録装置の連続紙切断方法であって、
連続紙先端をパッドガイドにより前記下パッド上面より上方へ位置規制しながら連続紙を搬送し、連続紙切断の際は前記パッドガイドの前記窓部を構成する前記水平部及び斜面部の上端部分が前記下パッド上面より下方に退避して、前記上パッドと下パッド及び前記斜面部の上端との間に連続紙を挟持することを特徴とする記録装置の連続紙切断方法。
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