JP5604206B2 - 窓枠及びこれを用いた窓枠納め構造 - Google Patents
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Description
下記特許文献1には、窓枠をアルミニューム製の屋外側窓枠体と同じくアルミニューム製の屋内側窓枠体とに分割し、屋内側窓枠体の屋内側面に木質材を取着した窓枠が開示されている。
屋外側窓枠体と屋内側窓枠体とは、これらの間に断熱材を介して取り付けられるので、屋内側の木質材部分に結露が発生することを防止することができる。
しかしながら、上記特許文献1に記載のものは窓枠の奥行き寸法を壁厚の見込み寸法(奥行き寸法)に合わせて変えることができるものではない。
また従来より、窓枠と屋内側の壁面との間の隙間を隠し、納まりをよくするために用いられる額縁部材が知られているが、この額縁部材も予め、所定の隙間寸法に合わせて形成されるものであるので、様々な壁厚に対応して調整できるものではない。
また本発明に係る窓枠納め構造は、上述の構成としているので、屋内側の壁面と内側窓枠部材の屋内側端面との間に段差がほとんどない状態にすっきりと窓枠を壁の開口部内に納めることができる。
まずは、図1〜図3を参照しながら、一実施形態に係る窓枠及びこれを用いた窓枠納め構造の一例を説明する。
本実施形態に係る窓枠1は、屋内外を仕切る壁10の開口部20に設けられ、内側窓枠部材2と、サッシ4が取り付けられる外側窓枠部材3とに分割して形成されている。内側窓枠部材2の表面は内装化粧面とされるとともに、外側窓枠部材3の表面はサッシ4にあわせた色調とされている。
なお、以下では略方形状に開口された開口部20に納められる四方枠で構成された窓枠1のうち、屋内側からみて開口部20の左側部に納められる縦枠1Aの例を主に説明するが、開口部20の右側部も同様の構成とされることはいうまでもない。また下枠1B(図1参照)、上枠(不図示)も同様の構成としてもよい。
さらに図1は説明のため縦枠1A、間柱70、内壁30を途中で切断した斜視図を示している。
壁10は柱と柱の間に間柱70を設け、内壁30と外壁50とで間柱70を被覆して納めるいわゆる大壁で構成されている。間柱70と縦枠1Aとの間の隙間部分には、図2(a)に示すように飼木60を介在させ隙間を埋めるようにしてもよい。
図例のサッシ4は、サッシ枠材40と扉体41とで構成されており、図2(a)に示すように半外付けされている。サッシ枠材40は、アルミニューム製などからなり、断面略L字型に形成された保持部40aを備えている。
ここでは、内側窓枠部材2と外側窓枠部材3の嵌め合わせの一例として、凹溝部5と凸条部6とが内外方向に嵌め合わされている例を示しており、内側窓枠部材2の屋外側端面2bに凹溝部5、外側窓枠部材3の屋内側端面3aの凸条部6が形成された例を説明する。
この場合は、外側窓枠部材3より内側窓枠部材2の方が巾広に形成されていることにより、内装化粧面とされた箇所が広がり、サッシ4、具体的にはサッシ枠材40とあわせた色調とされた箇所が狭くなるので、窓枠1周辺の意匠性を高めることができる。
例えば図1のX部拡大断面図に示すように、内側窓枠部材2及び外側窓枠部材3は、合板などの木質材料を芯材7,11とし、その外層にMDF(中密度繊維板)を積層して貼着したものとしてもよい。
そしてその最外層となる内側窓枠部材2の表面は内装化粧面とされ、例えば木目調などの合成樹脂化粧シート9が貼着されたものとしてもよい。このとき、合成樹脂化粧シート9は、内壁30の表面30aにあわせた色調としてもよい。このようにあわせた色調とした場合は、内壁30と内側窓枠部材2との統一感をかもし出すことができ、窓枠1周辺の意匠性が向上する。また合成樹脂化粧シート9とすることで様々な色調、柄の内側窓枠部材2を構成することができる。
この場合は、凹溝部5が屋内側端面3aに、凸条部6が屋外側端面2bに形成されたものと比べて合成樹脂シート9が凸条部6との嵌め合わせ部分にまで至り、内装化粧面とされた箇所を若干広げることができる。
従って、この場合も窓枠1周辺の意匠性を高めることができる。
なお、図示していないが、凹溝部5が外側窓枠部材3の屋内側端面3aに形成され、凸条部6が内側窓枠部材2の屋外側端面2bに形成されたものとしてもよい。
内側窓枠部材2の屋外側端面2bの中央(図例のものは短手方向中央)には、断面視して凹条に加工された凹溝部5が長手方向に沿って形成されている。
外側窓枠部材3の屋内側端面3aの中央(図例のものは短手方向中央)には、内側窓枠部材2側に突出した凸条部6が形成されており、この凸条部6は、凹溝部5と嵌め合わされるようにいわゆる本実状に形成されている。
凸条部6の突出寸法は、凹溝部5の溝の深さ寸法と略同一或いは凹溝部5の溝深さより小さく形成され、壁10の厚みに応じて凹溝部5と凸条部6の嵌め合い度合いが内外方向に調整自在とされている。
図2(a)に示す内壁30の壁厚T1は、図3(a)に示す内壁30の壁厚T2より薄肉とされており、その他の内側窓枠部材2、外側窓枠部材3、間柱70の寸法や外壁50の厚み寸法は図2に示す例、図3に示す例ともにいずれも同じとされている。
図2(a)に示すように比較的薄肉の内壁30が用いられる場合は、壁10の厚み方向に沿った寸法(奥行き寸法)、すなわち見込み寸法D1が図3(a)に示す例と比べて小さくなるので、図3(a)に示す例よりも内側窓枠部材2の凹溝部5に外側窓枠部材3の凸条部6を深く嵌め合わせた状態とする。
凹溝部5と凸条部6の嵌め合わせ度合いは、外側窓枠部材3の屋外側端面3bが固着されるサッシ枠材40の保持部40aの屋内側端面から内壁30の表面30aまでの奥行き寸法d1を計測して、その奥行き寸法d1にあわせて調整される。具体的には、奥行き寸法d1に応じて凹溝部5と凸条部6の両者を嵌め合わせた状態で内側窓枠部材2或いは外側窓枠部材3のいずれかを内外方向に移動させる。そして、内側窓枠部材2の屋内側端面2aから外側窓枠部材3の屋外側端面3bまでの長さが奥行き寸法d1と一致するように凹溝部5と凸条部6との嵌め合わせ状態を調整すればよい。
他方の縦枠1A、上枠、下枠1Bも同じ要領で奥行き寸法d1に応じてそれぞれの枠の奥行き寸法を調整し、四方枠を形成すると、これが窓枠1となる。そしてこの窓枠1を壁10の開口部20に組み付ければよい。
以上によれば、窓枠1を内壁30と内側窓枠部材2の屋内側端面2aとの間に段差がほとんどない状態にすっきりと窓枠1を納めることができる。またさらに額縁部材を設けることなく、窓枠1を開口部20に隙間なく納めることができるので、窓枠1の取付施工を簡略化することができる。
上述のように図2(a)に示す内壁30の壁厚T1は、図3(a)に示す内壁30の壁厚T2より薄肉(すなわち、壁厚T1とT2の関係はT1<T2)とされているため、見込み寸法D1とD2の関係はD1<D2となる。従って奥行き寸法d1とd2の関係はd1<d2、隙間d10とd20の関係もd10<d20となる。
調整の要領は上述の例と同様であるので、詳しい説明は省略するが、図3(a)に示すように図2(a)に示す例より厚肉の内壁30が用いられる場合は、内側窓枠部材2の凹溝部5に外側窓枠部材3の凸条部6が図2(a)の場合より浅く嵌め合わされた状態となる。
また外側窓枠部材3がサッシ4を構成するサッシ枠材40にあわせた色調とされているので、縦枠1Aで色調が変わる境が隙間d10のみとすることができる。
従って、このように縦枠1Aを分割するものであっても従来の縦枠と同様の外観を備えたものとすることができる。
さらに様々な壁10の見込み寸法に合わせて内側窓枠部材2及び外側窓枠部材3を予め形成し用意しておく必要がなく共通サイズの部材で様々な壁10の厚みに対応することができる。
上述の実施形態と共通する部分には共通の符号を付し、その説明は省略する。
本実施形態に係る窓枠1は、内側窓枠部材2の屋外側端面2bと外側窓枠部材3の屋内側端面3aとの嵌め合わせ構造が上述の実施形態と異なる。
ここでは、縦枠1Aが、内側窓枠部材2の屋外側端面2bにおける裏側(飼木70側)の角部に切欠いて形成された切欠段部14を有し、外側窓枠部材3屋内側端面3aにおける裏側の角部は切欠段部14に嵌め合わされるように形成された突条片部15を有している例について説明する。
なお、図示していないが、切欠段部14が外側窓枠部材3の屋内側端面3aにおける裏側の角部に形成され、突条片部15が内側窓枠部材2の屋外側端面2bにおける裏側の角部に形成されたものとしてもよい。
内側窓枠部材2の屋外側端面2bの角部には、断面視して段差状に切りかかれた切欠段部14が長手方向に沿って形成されている。
外側窓枠部材3の屋内側端面3aの角部には、内側窓枠部材2側に突出した突条片部15が長手方向に沿って形成されており、この突条片部15は、切欠段部14と嵌め合わされるようにいわゆるあいじゃくり状に形成されている。
突条片部15の突出寸法は、切欠段部14の切欠き寸法と略同一に形成され、壁10の厚みに応じて内外方向に調整自在とされている。
切欠段部14と突条片部15の嵌め合い度合いは、外側窓枠部材3の屋外側端面3bが固着されるサッシ枠材40の保持部40aの屋内側端面から内壁30の表面30aまでの奥行き寸法d3を計測して、その奥行き寸法d3にあわせて調整される。
具体的には、奥行き寸法d3に応じて切欠段部14と突条片部15の両者を嵌め合わせた状態で内側窓枠部材2或いは外側窓枠部材3のいずれかを内外方向に移動させる。そして、内側窓枠部材2の屋内側端面2aから外側窓枠部材3の屋外側端面3bまでの長さが奥行き寸法d3と一致するように切欠段部14と突条片部15との嵌め合い状態を調整すればよい。
他方の縦枠1A、上枠、下枠も同じ要領で奥行き寸法d3に応じてそれぞれの枠の奥行き寸法を調整し、四方枠を形成すると、これが窓枠1となる点は上述の実施形態と同様である。
なお、ここでは図示していないが、例えば内壁30の板厚が図4に示す例よりも薄い場合は、切欠段部14と突条片部15の突き合わせ状態を図4に示す例より近づける方向(内方向)に移動させ調整すればよい。一方、内壁30の板厚が図4に示す例よりも厚い場合は、切欠段部14と突条片部15の突き合わせ状態を図4に示す例よりも遠ざける方向(外方向)に移動させ調整すればよい。
そして窓枠1を構成する縦枠1Aが内側窓枠部材2と外側窓枠部材3とに分割されているので、従来壁厚調整のために用いられた額縁材を使用しなくても、様々な厚みの壁10の見込み寸法D3、取付位置の奥行き寸法d30に対応して縦枠1Aの寸法を調整することができる。
また外側窓枠部材3がサッシ4を構成するサッシ枠材40にあわせた色調とされているので、縦枠1Aで色調が変わる境が隙間d30のみとすることができる。
従って、このように縦枠1Aを分割するものであっても従来の縦枠と同様の外観を備えたものとすることができる。
さらに様々な壁10の見込み寸法に合わせて内側窓枠部材2及び外側窓枠部材3を予め形成し用意しておく必要がなく共通サイズの部材で様々な壁10の厚みに対応することができる。
この場合は、切欠段部14が外側窓枠部材3の屋内側端面3aにおける裏面側の角部に形成され、突条片部15が内側窓枠部材2の屋外側端面2bにおける裏面側の角部に形成されたものと比べて合成化粧シート9が突条片部15との嵌め合わせ部分にまでいたる。
従って、内装化粧面とされた箇所を若干ではあるが広げることができ、窓枠1周辺の意匠性を高めることができる。
また上述では、内側窓枠部材2の屋内側端面2aから外側窓枠部材3の屋外側端面3bまでの長さが、サッシ枠材40の保持部40aの屋内側端面から内壁30の表面30aまでの奥行き寸法と一致するように内側窓枠部材2と外側窓枠部材3とを嵌め合わせる例を説明した。
これによれば、内側窓枠部材2の屋内側端面2aが内壁30と略同一面にすることができるが、これに限定されず、内側窓枠部材2の屋内側端面2aから外側窓枠部材3の屋外側端面3bまでの長さを上述の奥行き寸法より大となるように設定してもよい。
さらに上述では窓枠1の上下枠も分割して寸法を調整する例を説明したが、上下枠は一枚板からなるものとしてもよい。
そして、図例の窓枠1は、縦枠1Aが上下枠(横枠)を挟み込む縦勝ちの例を示しているが、これに限定されず、上下枠が縦枠1Aを挟み込み横勝ちのものにも適用することができる。また外側窓枠部材3にアングル加工を施したものとしてもよい。
2 内側窓枠部材
3 外側窓枠部材
2a,3a 屋内側端面
2b,3b 屋外側端面
4 サッシ
5 凹溝部
6 凸条部
9,13 合成樹脂シート
10 壁
14 切欠段部
15 突条片部
20 開口部
Claims (5)
- 屋内外を仕切る壁の開口部に設けられる窓枠であって、
内側窓枠部材とサッシ枠材が取り付けられる外側窓枠部材とに分割され、かつ前記内側窓枠部材の屋外側端面と前記外側窓枠部材の屋内側端面とが前記壁の厚みに応じて内外方向に調整自在に嵌め合わされる構成とされており、
前記内側窓枠部材及び前記外側窓枠部材は、いずれも木質基材を含んだ構成とされ、かつ前記内側窓枠部材の表面は内装化粧面とされ、前記外側窓枠部材の表面は前記サッシ枠材にあわせた色調とされていることを特徴とする窓枠。 - 請求項1において、
前記内側窓枠部材の屋外側端面は、凹条に形成された凹溝部を有し、前記外側窓枠部材の屋内側端面は、前記凹溝部と嵌め合わされるように形成された凸条部を有しており、前記凹溝部と前記凸条部とが内外方向に嵌め合わされるものであることを特徴とする窓枠。 - 請求項1において、
前記内側窓枠部材の屋外側端面と前記外側窓枠部材の屋内側端面とのいずれか一方の角部は、切欠いて形成された切欠段部を有し、他方の角部は前記切欠段部に嵌め合わされるように形成された突条片部を有しており、前記切欠段部と前記突条片部とが内外方向に嵌め合わされるものであることを特徴とする窓枠。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項において、
前記内側窓枠部材及び前記外側窓枠部材は、いずれも前記木質基材の表面に合成樹脂シートが貼着されて形成されたものであることを特徴とする窓枠。 - 請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の窓枠の内側窓枠部材の屋内側端面が屋内外を仕切る壁の屋内側の壁面と略同一面となることを特徴とする窓枠納め構造。
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