JP5603153B2 - 鉄道車両の空調システム - Google Patents

鉄道車両の空調システム Download PDF

Info

Publication number
JP5603153B2
JP5603153B2 JP2010145777A JP2010145777A JP5603153B2 JP 5603153 B2 JP5603153 B2 JP 5603153B2 JP 2010145777 A JP2010145777 A JP 2010145777A JP 2010145777 A JP2010145777 A JP 2010145777A JP 5603153 B2 JP5603153 B2 JP 5603153B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
air
vehicle
duct
outlet
air conditioning
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010145777A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2012006529A (ja
JP2012006529A5 (ja
Inventor
千裕 岡山
隆司 東
優 新田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kawasaki Motors Ltd
Original Assignee
Kawasaki Jukogyo KK
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kawasaki Jukogyo KK filed Critical Kawasaki Jukogyo KK
Priority to JP2010145777A priority Critical patent/JP5603153B2/ja
Publication of JP2012006529A publication Critical patent/JP2012006529A/ja
Publication of JP2012006529A5 publication Critical patent/JP2012006529A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5603153B2 publication Critical patent/JP5603153B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Air-Conditioning For Vehicles (AREA)

Description

本発明は、例えば通勤近郊形車両などの鉄道車両の空調システムに関するものである。
例えば通勤近郊形車両などの鉄道車両の空調システムにおいては、屋根上に4台程度の空調装置を分散配置した例もあるが、近年では通常空調装置を車体中央付近に一台設置する中央集中式、または車体中央付近に二台程度搭載する集中分散式が多い。そして、例えば、車体中央部の空調装置から客室の天井部内に設けた空調ダクトに配風し、空調ダクトに併設する吹き出し口部材から客室全長にわたって空調風を吹き出す一方、室内の空気は空調装置下部に設けたリターン口から前記空調装置に戻すという流れ(循環流)となっている(例えば特許文献1,2,3参照)。
ところで、そのような通勤近郊型車両の場合、通常、空調を必要とする空間は、長さが約18〜20mで、高さが約2.2m〜2.4mで、幅は約2.6m〜3.0mで、長さと高さの比がほぼ9:1、長さと幅の比がほぼ7:1となる細長い直方体形状の客室空間である。そのような空間に、満員状態では、一定値以上の身長を有する乗客が客室空間全体に亘って存在するため、乗客の身長と天井高さの差が小さく(実質的に乗客の頭上に0.5m〜0.8m程度しか高さ方向にスペースの余裕がない)、客室空間内の天井側には空調風が均一に拡散される空間的な余裕は少ない。また、駅間の近い地下鉄では2分〜3分間隔で車両が停車し、1分〜1分30秒程度乗客の乗降のためにドアが開かれるという特殊な環境下で、乗客全員に満遍なく空調風が行き渡ることが求められる。
例えば、図5(a)に示すように、空調装置101は、車両前後方向に延びる屋根構体102の上側に設けられるのが一般的であるが、空調装置101が設けられている部位から車両端部までの間には十分な距離があり、吹き出し口部材から吹き出す風速(風量)にバラツキを生ずる。つまり、空調装置101が設けられる部分付近では、空調装置101から空調ダクト103内に空調風が吹き込むので、風速が速くなるが、端部に向かうに従って徐々に風速が低下する。そして、端部付近では空調風の流れが端部によって遮断されるので、空調ダクト103(風洞)内の圧力が高まり、吹き出し口部材からの風速が再び速くなるという傾向になると考えられる(図5(b)のラインL1参照)。
そこで、従来、車両全長にわたってほぼ均一な風速分布(図5(b)のラインL2参照)を得るように、図6(a)(b)に示すように、屋根構体102内に配置される空調ダクト103を、車両中央側寄りのメインダクト103Aと、車両外側寄りで空気溜り部となるサブダクト103Bとに仕切り壁部104によって分割する、いわゆるプレナムチャンバー方式の構造とし、空調風の流れを、メインダクト103Aにおける車両前後方向から、仕切り壁部104によって横向きの流れに変更し、サブダクト103Bにおいて下向きに変えて、最終的に吹き出し口部材105(上側吹き出し穴部105A、下側吹出部105B)を通じて客室内に吹き出すようにしている。これにより、車両前後方向に流れようとする傾向の強い空調風の流れを、車両上下方向(床方向)や車両左右方向(枕木方向)への風の流れに変化させるようになっている。そのため、例えば特許文献1に記載されるように、サブダクト103B内に車両左右方向に風量調整板を設置したり、図6(c)に示すようにメインダクト103Aとサブダクト103Bとの間に設ける仕切り壁部104の高さを、空調装置101に対応する車体中央部の位置で最も高く、車両端部に向かって直線的に徐々に低くなるようにして、空調風の風速(風量)を調整するようにしている。なお、図6(c)において、104aは仕切り壁部104の上端部である。
空調ダクト103は、客室内の空気を撹拌するための横流ファン111の左右両側に設けられ、この横流ファン111の送風は、吹き出し窓部113から、天井板の一部である整風板112を通じて客室内に供給されるようになっている。空調ダクト103の外側に蛍光灯114が設けられ、その外側が側天井板115となっている。
そして、前記目的を達成するためには、空調装置101の定格風量に対するメインダクト103Aとサブダクト103Bの断面積・容積比率、さらにメインダクト103Aからサブダクト103Bヘの開口部の隙間寸法の大きさなどが重要な要素となっている。
特開昭62−96169号公報 特開2002−37061号公報 特開2008−213580号公報
ところが、それらの最適な容積比率、隙間寸法などを決定するための関係式は数式的には未だ確立されておらず、実物大の試験ダクトを作成し、その試験ダクトにより事前確認してから、設計製作し、実際に車両に搭載した状態での通風試験によって、車両前後方向における風速分布を最終確認しているのが現状である。そして、風速分布が予測通りとならない場合には、天井風洞内の風量調整板の追加やメインダクトとサブダクトとの間の仕切り壁部の形状を修正するなど大変困難な作業となっている。
また、空調装置101直下のメインダクト103A内からサブダクト103B内への空調風の流れは、その流れ方向が垂直方向から水平方向に方向転換するため、乱流状態で、風速も高いことから、サブダクト103Bの下部に設けた吹き出し口部材105から逆に客室内の空気を吸い込むという逆流現象が生ずることもある。総じて、空調装置101の直下では、風速分布は不安定で、風量が過大になったり、過小になったりする傾向がある。
そこで、発明者は、そのような車両の空調システムにおいて、空調ダクトの構造を見直すべく、まず、メインダクトとサブダクトとの間の仕切り壁部の必要性を検討するために、メインダクトとサブダクトとの間の仕切り壁部を取り除き、各吹き出し口部材での風速について、車両端部から車両中央部までの間に43箇所の測定ポイント#1〜#43を設け、この各測定ポイントでの空調風の風速を測定した。その測定結果を、図7に白色の棒で示している。つまり、メインダクトとサブダクトとの間の仕切り壁部を取り除いた矩形筒状の空調ダクトを製作し、風量調整部材などを全く使用していない場合の風速(風量)を、風速計を用いて測定した結果を、図7に白色の棒で示している。
この結果から、空調装置から空調風が空調ダクト内に吹き込む車両中央部付近の部位(測定ポイント#43・#42)では吹き出し口部材105からの風速がかなり速くなるが、そのすぐ近傍の車両端部側の部位(測定ポイント#41〜#39)では反対に吹き出し口部材105からの風速がかなり遅くなり、中央付近の部位からこの部位までダクト内で乱流が発生していることが窺がわせられる。その後吹き出し口部材105の風速は安定するが車両端部に向かうに従って徐々に低下する。そして、空調ダクトの端部は塞がれているので、端部付近で空調ダクト内の気圧が高くなり、吹き出し口部材105からの風速が再び速くなるという傾向があることが確認された。
そこで、発明者は、車両端部から車両中央部までの間における風速の変動が予想されていたほど大きくないことから、空調装置直下の空調ダクト内が乱流状態であると想定される範囲を超えた段階で、吹き出し口部材からの風速が最も低下している部位(測定ポイント#36)の近傍の下流側の測定ポイント#34と測定ポイント#35の間に車両の略断面方向(車両左右方向)に沿って車両前後方向に略垂直になるように開口率の高い風量調整部材を配置すれば、空調ダクト内での空調風の円滑な流れを妨げることなく、風量調整部材が抵抗となって、風量調整部材の車体中央側のダクト内の圧力が高まり車体中央側のダクト内の乱流が安定し、吹き出し口部からの風速が平準化するとともに、風量調整部材の下流側でも風量調整部材が抵抗となり下流側へ風量が減少するため、吹き出し口部からの風速の上昇を抑えることができることに着想し、本発明をなしたものである。
実際に車両左右方向で略垂直の開口率の高い風量調整部材を空調風吹き出し部からの風速が最も低下する部分の近傍の下流側(#34と#35との間)に車両左右方向で略垂直の開口率の高い風量調整部材(具体的には、開口率83%)を配置して風速を測定したところ、図7に黒色の棒で示すように、吹き出し部材から吹き出される空調風の風速の変動を改善できることが確認された。
本発明は、空調装置が設けられている車両中央部から車両端部に亘って空調風の吹き出し口部材からの均一な風速分布を得ることができる鉄道車両の空調システムを提供することを目的とする。
請求項1の発明は、車室内に空調風を供給するための鉄道車両の空調システムにおいて、車両長手方向に延在する通風路と、前記通風路と前記車室とを連通し、前記鉄道車両の車幅方向両端よりに設けられる複数の吹き出し口を含む吹き出し口部材とを有する空調ダクトと、前記空調ダクトの通風路に空調風を供給する空調装置と、前記鉄道車両の車幅方向中間部分に設けられた横流ファンと、前記通風路において前記空調装置より下流側に設けられ、前記空調風の前記車両長手方向の流れを阻害して流速を調整する風量調整部材と、を備え、前記吹き出し口部材は、前記吹き出し口から前記横流ファンの下方位置まで車幅方向に延在し、かつ上下方向に延在する縦板部を有する、ことを特徴とする。ここで、風量調整部材は、通風路の途中に設けることで、吹き出し口部材を通じて吹き出される空調風の風量(風速)を調整する機能を発揮するものである。
このようにすれば、メインダクトとサブダクト間の仕切り壁部を廃止し、空調ダクトを、ダクト壁面にて囲まれる断面矩形状の、単一の通風路を有する簡単な構造とすることができる。また、それと同時にメインダクトとサブダクト間の仕切り壁部を廃止するので、ダクト面積を有効に拡大することができ、その通風路の途中に、風量調整部材を設け、空調ダクトから空調風を直接吹き出させることで、車両中央部から車両端部に亘って吹き出し口部材からの均一な風速分布(風量分布)を得ることができる。
また、図6の(c)で示される車体の略全長の長さが必要でかつ前後に台形形状となるメインダクトとサブダクト間の仕切り壁部(プレナムチャンバー)を廃止することで、空調ダクトの構造が単純化されるので、製造が容易で、コストが低く、重量的にも軽量化が可能で、同時にメンテナンス時のダクト内の点検、清掃作業の容易化も図れる。
特に、従来の、車両前後方向に長いメインダクトとサブダクト間の仕切り壁部に代えて、風量調整部材を、車両の略断面方向(車両左右方向)で車両の略垂直方向に、通風路の途中に車両中央部を挟んで、車両の前後に各1箇所設けて、吹き出し口部材から吹き出される空調風の速度を調整するようにしているので、構造の簡素化(単純化)・軽量化を図る上で有利である。
請求項2に記載のように、前記風量調整部材は、板状の網部材であり、車両長手方向に直交するように設けられている、ことが望ましい。
このようにすれば、風量調整部材をパンチングプレートで構成した場合には開口率の高いパンチングプレートを採用しても開口率は50%であるし、ルーバー状の整風板の場合には開口率はパンチングプレートより高いものがあるが、網状部材ほど開口率は高くなく構造は複雑で重量が重いものとなる。網状部材であれば、それらのものと比較して開口率は高く80%を超えるし、重量は軽く、空調ダクト内を流れる空調風に若干の抵抗を与えるのみの目的を持った風量調整部材として相応しい。また、網状部材の網部分を構成する線材の密度や線材の太さを変えることによって、風量調整部材としての抵抗の相応しいものを比較的に容易に選択できる点も利点である。
この場合、請求項3に記載のように、前記吹き出し口部材は、車両長手方向に延在し、かつ前記吹き出し口より車幅方向の開口幅が小さいスリット状の上側吹き出し穴を有し、前記縦板部は、前記上側吹き出し穴を横切るように延在し、前記上側吹き出し穴は、前記吹き出し口を介して前記車室に繋がっている、構成とすることができる。
請求項に記載のように、前記空調ダクトは、点検口と、前記点検口に開閉可能な点検蓋とをさらに有し、前記点検口は、前記風量調整部材に対応する位置に設けられる、ことが望ましい。
このようにすれば、点検口を通じて、風量調整部材を取り付けたり取り外したりすることができ、点検口の大きさを調整することで、ダクト内の点検や、清掃作業も容易な作業となる。
請求項に記載のように、前記吹き出し口部材は、軽合金形材またはFRPにより構成される、ことが望ましい
このようにすれば、軽合金形材により構成する場合には、吹き出し口部材を製造できるため、構造が簡単になる。
また、FRPによって構成する場合には、別体である第1および第2の部材をFRPによって構成するので、それぞれに色彩等の変更が可能となる。
本発明は、上記のように、メインダクトとサブダクト間の仕切り壁部を廃止し、空調ダクトを、ダクト壁面にて囲まれる断面矩形状の、単一の通風路を有する空調ダクトから空調風を直接吹き出す簡単な構造とすることができる。また、通風路の途中に風量調整部材を設けているので、空調ダクト内で空調風の流れを車両前後方向から横向きや下向きに変え吹き出し風量を調整する役割のあるサブダクトを用いることなく、車両中央部から亘って車両端部に吹き出し口部からの均一な風速分布を得ることができる。特に、メインダクトとサブダクト間の仕切り壁部に代えて、風速調整用の車両の前後各1箇所に開口率の高い風量調整部材を設けるだけであるので、構造の簡素化(単純化)・軽量化を図ることもできる。
本発明に係る鉄道車両の空調システムの概略構成(右側半分)を示し、(a)は断面図、(b)は図1(a)のA方向矢視図、(c)(d)は吹き出し口部材の斜視図である。 本発明に係る鉄道車両の空調システムについての他の実施の形態を示し、(a)は断面図、(b)は図2(a)のB方向矢視図、(c)は天井中央グリルの斜視図である。 空調ダクト内に板状の風量調整部材を取り付けた部位を示し、(a)は断面図、(b)は図3(a)のC方向矢視図である。 本発明に係る鉄道車両の空調システムについての別の実施の形態を示し、(a)は断面図、(b)は図4(a)のD方向矢視図、(c)は吹き出し口部材を上側から見た図、(d)は吹き出し口部材を下側から見た図である。 (a)従来の鉄道車両の空調システムの概略構成を示す図、(b)は同システムにおける仕切り壁と風速分布との関係を示す説明図である。 従来の鉄道車両の空調システムの概略構成(右側半分)を示し、(a)は断面図、(b)は図6(a)のE方向矢視図、(c)は仕切り壁部の説明図である。 図1(a)(b)に示す実施の形態について測定した風速分布を示す図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に沿って説明する。
図1に示すように、この発明の一実施の形態である鉄道車両の空調システムは、鉄道車両1の屋根構体2の上に空調装置(図示せず)が設けられ、その空調装置からの空調風が、車両前後方向に配置される矩形筒状の空調ダクト3を通じて車両前後方向に送られ、空調ダクト3に連通する吹き出し口部材4を通じて車室6内に空調風が供給される。
この空調ダクト3は、ダクト壁面にて囲まれる断面矩形状の(四角筒形状の)、単一の通風路3aを有し、その通風路3aの途中に、空調風の流れを遮るように、板状の風量調整部材5が車両中央部を挟んで前後各1箇所に設けられている。
この風量調整部材5は、通風路3aの長手方向(車両前後方向)に直交するように配置され、通風の妨げにならないように、整風効果がある、例えば網状部材で構成されている。つまり、通風の妨げにならず、ある程度の抵抗になることで、吹き出し口部材4を通じて吹き出す空調風の風速(風量)を調整するようになっている。このような風量調整部材5を設けるのは、空調装置直下付近は空調風が出過ぎて、その領域に隣接する領域では空調風が逆に出にくくなるので(図7の白色の棒参照),その部分からも空調風を出すようにするためである。その空調風が出にくくなる理由は次のように考えられる。空調装置から出た空調風はダクト下板に当たって一旦跳ね返り、上側に向きながら車両端部に向って進むため、空調装置に隣接する領域では空調風の向きが上向きになるためであると考えられる。
風量調整部材5を設ける位置は、各吹き出し口部材4から吹き出される空調風の風速を複数の測定ポイントで測定し、その風速が低下している傾向にある測定ポイントに対応する位置の吹き出し口部材4の下流側に設けている。具体的には、風速が低下している傾向にある測定ポイントに対応する位置の吹き出し口部材4の下流側に設けた後に、風速を計測しながら、設ける位置についての微調整が行われる。
これにより風量調整部材5によって、空調風の円滑な流れを妨げることなく、風量調整部材5が抵抗となって、吹き出し口部材4からの風速が低下している部位の風速が高まるので、空調装置が設けられている車両中央部から車両端部に亘って均一な風速分布(従って風量分布)が得られる(図7の黒色の棒参照)。
また、この風速が低下している部分は、空調装置近傍の乱流域であるとも考えられ、風量調整部材5を設けることにより、空調装置近傍の風速の過不足調整を容易に行うことができる。
吹き出し口部材4は、空調ダクト3の車両外方側の下面側にスポンジ7を介して設けられ、車両前後方向に延び風量を制限するスリット状の上側吹き出し穴8aを形成する上側部材8(第1の部材)と、この上側部材8の下側に設けられ上側吹き出し穴8aよりも車両左右方向に広い下側吹き出し穴9aを形成するルーバー状の下側部材9(第2の部材)とが上下に配置される二層構造となっている。
上側部材8は、上側吹き出し穴8aが形成される水平板部8Aと、この水平板部8Aの両側縁より鉛直下方に延びる1対の鉛直板部8B,8Bと、鉛直板部8B,8Bの下縁より互いに反対方向に延びるフランジ部8C,8Cとを有する。一方、下側部材9は、水平板部8Aの下面に接合される水平板部9Aと、この水平板部9Aの下面に一定間隔でもって設けられ車両左右方向に平行でかつ鉛直方向に延びる複数の縦板部9Bとを有し、水平板部9Aに車両前後方向において所定の間隔でもって、上側吹き出し穴8aの幅に対応する幅が切り欠かれ、その切り欠き部分を通じて、空調ダクト3の内部に連通する上側吹き出し穴8aに縦板部9B間の空間(2つの縦板部9Bと鉛直板部8B,8Bとによって囲まれる空間)が連通している。つまり、切り欠きが形成された部分にだけ、縦板部9Bの間を通じて空調風を吹き出す吹き出し口部となっている。これにより、プレナムチャンバー構造と同等の機能を持たせることができる。
この吹き出し口部材4の隣には、車両前後方向に延びるように蛍光灯11が設けられ、その外側に側天井12が配置されている。また、車両の中央部には、横流ファン21が設けられ、横流ファン21よりの風は、上側吹き出し穴8aに対応する吹き出し窓部22を通じて吹き出す際に、下側部材9と同様な形状である整風部材23によって整流されるようになっている。
上記の構成によれば、板状の風量調整部材5は、風速が低下している部位の下流側に配置することで、空調風の流れを妨げることなく、風量調整部材5が抵抗となって、風速が低下している部位の風速を高めることができ、車両中央部から車両端部にかけて風速の変化を少なくできる(図7の黒色の棒参照)。その結果、吹き出し口部材4を用いて、空調風の流れを、通風路3aの長手方向から鉛直方向に変化させれば、車両前後方向において、空調吹き出し口から吹き出される空調風の風量は、車両前後方向に亘ってほぼ一定となる。
前記実施の形態では、吹き出し口部材4の下側部材9と横流ファン21の整風板23とを別に構成しているが、図2に示すように、それらを一体化した天井中央グリル31として、上側部材8を省略した構造とすることもできる。この場合は、天井中央グリル31は、水平板部31Aと、この水平板部31Aの下面に一定間隔でもって設けられ鉛直方向の縦板部31Bとを有し、水平板部31Aに車両前後方向において所定の間隔でもって、吹き出し窓部22や空調ダクト3のスリット状の上側吹き出し穴3bの幅に対応する幅の切り欠き31aが設けられ、天井中央グリル31のうち切り欠き31aが形成された部分にだけ、縦板部31Bの間を通じて空調風を吹き出す吹き出し口部となっている。
前記実施の形態(図1参照)では、点検口が客室の見付面となるので自由にその位置と大きさを決められないが、この構造によれば、空調ダクト3の下面は天井中央グリル31の水平板部31Aによって完全に隠蔽部とすることが可能で、ダクト内の清掃などのための点検口41を設ける部位を、適宜自由に選ぶことができる。したがって、清掃性の向上に寄与できる。また、この場合、図3に示すように、板状の風量調整部材5が設けられる位置に対応して、空調ダクト3の下面部に、点検蓋42によって開閉可能に閉塞される点検口41を設けることもできる。
また、図4(a)〜(d)に示すように、吹き出し口部材51を構成する上側部材52(第2の部材)と下側部材53(第1の部材)とは、軽合金形材で構成され、下側部材53に切削加工することによって車両前後方向に延びるスリット状の吹き出し穴53aが形成されている構造とすることも可能である。上側部材52は、上端が空調ダクト3に接触し車両前後方向に平行に延びる側板部52A,52Aと、それらの間に一定間隔でもって設けられ鉛直方向に延びる縦板部52B,52B・・とを有し、側板部52A,52Aと縦板部52B,52Bとによって囲まれる空間が空調風吹き出し口53aとして機能するルーバー状の部材である。このようにすれば、軽合金形材を切削加工するだけで製造できるため、構造が簡単になる。
前記軽合金形材に代えて、吹き出し口部材をFRPによって構成し、上側部材52と下側部材53とが接着またはネジによる締結によって結合されるように構成することも可能である。このように構成することで、上側部材52と下側部材53とが別のパーツでFRPであるため、それぞれに色彩等の変更を簡単にできるようになり、接着材を用いた接触やネジによる締結で両部材を結合することができる。よって、設計の自由度を高めることができる。
1 鉄道車両
2 屋根構体
3 空調ダクト
3a 通風路
4 吹き出し口部材
5 風量調整部材
6 車室
7 スポンジ
8 上側部材(第1の部材)
8a 上側吹き出し穴
9 下側部材(第2の部材)
9a 下側吹き出し穴
9B 縦板部
11 蛍光灯
12 側天井
21 横流ファン
22 吹き出し窓部
23 整風板
31 天井中央グリル
31B 縦板部
42 点検蓋
52 上側部材
52A 側板部
52B 縦板部
53 下側部材
53a スリット状の吹き出し穴

Claims (5)

  1. 車室内に空調風を供給するための鉄道車両の空調システムにおいて、
    車両長手方向に延在する通風路と、前記通風路と前記車室とを連通し、前記鉄道車両の車幅方向両端よりに設けられる複数の吹き出し口を含む吹き出し口部材とを有する空調ダクトと、
    前記空調ダクトの通風路に空調風を供給する空調装置と、
    前記鉄道車両の車幅方向中間部分に設けられた横流ファンと、
    前記通風路において前記空調装置より下流側に設けられ、前記空調風の前記車両長手方向の流れを阻害して流速を調整する風量調整部材と、を備え、
    前記吹き出し口部材は、前記吹き出し口から前記横流ファンの下方位置まで車幅方向に延在し、かつ上下方向に延在する縦板部を有する、鉄道車両の空調システム。
  2. 前記風量調整部材は、板状の網部材であり、車両長手方向に直交するように設けられている、請求項1に記載の鉄道車両の空調システム。
  3. 前記吹き出し口部材は、車両長手方向に延在し、かつ前記吹き出し口より車幅方向の開口幅が小さいスリット状の上側吹き出し穴を有し、
    前記縦板部は、前記上側吹き出し穴を横切るように延在し、
    前記上側吹き出し穴は、前記吹き出し口を介して前記車室に繋がっている、請求項1または2に記載の鉄道車両の空調システム。
  4. 前記空調ダクトは、点検口と、前記点検口に開閉可能な点検蓋とをさらに有し、
    前記点検口は、前記風量調整部材に対応する位置に設けられる、請求項1〜3のいずれか1つに記載の鉄道車両の空調システム。
  5. 前記吹き出し口部材は、軽合金形材またはFRPにより構成される、請求項1〜4のいずれか1つに記載の鉄道車両の空調システム。
JP2010145777A 2010-06-28 2010-06-28 鉄道車両の空調システム Expired - Fee Related JP5603153B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010145777A JP5603153B2 (ja) 2010-06-28 2010-06-28 鉄道車両の空調システム

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010145777A JP5603153B2 (ja) 2010-06-28 2010-06-28 鉄道車両の空調システム

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2012006529A JP2012006529A (ja) 2012-01-12
JP2012006529A5 JP2012006529A5 (ja) 2013-08-08
JP5603153B2 true JP5603153B2 (ja) 2014-10-08

Family

ID=45537592

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010145777A Expired - Fee Related JP5603153B2 (ja) 2010-06-28 2010-06-28 鉄道車両の空調システム

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5603153B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020045624A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 川崎重工業株式会社 鉄道車両用空調ダクト

Families Citing this family (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6012970B2 (ja) 2012-01-25 2016-10-25 川崎重工業株式会社 車両空調ダクト及び鉄道車両
JP6134807B2 (ja) 2013-10-18 2017-05-24 株式会社日立製作所 移動車両
JP6938134B2 (ja) 2016-11-14 2021-09-22 川崎重工業株式会社 整風部材及び整風部材の製造方法
JP6851879B2 (ja) * 2017-03-30 2021-03-31 川崎重工業株式会社 空調用シャッタ装置及び鉄道車両
CN108284846B (zh) * 2018-01-25 2023-05-23 中铁第六勘察设计院集团有限公司 一种轨道交通可调通风型站台门结构
CN113815662A (zh) * 2021-09-29 2021-12-21 中车长春轨道客车股份有限公司 一种可调式司机室送风口
CN114580124B (zh) * 2022-03-04 2024-04-26 上海海洋大学 一种轨道交通车辆变截面均匀送风管道设计方法

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5926191Y2 (ja) * 1980-01-14 1984-07-30 東急車輌製造株式会社 車両用空気調整装置
JPS6296169A (ja) * 1985-10-23 1987-05-02 株式会社日立製作所 車両の調和空気用ダクト
JPS632032U (ja) * 1986-06-23 1988-01-08
JPS63227459A (ja) * 1987-03-16 1988-09-21 株式会社日立製作所 車両用空調装置の調和空気吐出構造
JPH02149370U (ja) * 1989-05-24 1990-12-19
JPH055554A (ja) * 1991-06-28 1993-01-14 Taikisha Ltd ダクト装置
JP2599494Y2 (ja) * 1993-02-02 1999-09-06 日立化成工業株式会社 鉄道車両用天井空調ダクトの構造
JP3053324U (ja) * 1998-04-17 1998-10-27 エフシーエンジニアリング株式会社 鉄道車両用天井空調ダクトユニット
JP3503058B2 (ja) * 2000-07-27 2004-03-02 日本車輌製造株式会社 鉄道車両の天井構造
JP2005138638A (ja) * 2003-11-04 2005-06-02 Uni Tesuko:Kk 鉄道車両の空調装置
JP4071270B1 (ja) * 2007-03-01 2008-04-02 株式会社日立ハウステック 鉄道車両用の天井ユニット

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2020045624A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 川崎重工業株式会社 鉄道車両用空調ダクト
WO2020044536A1 (ja) * 2018-08-31 2020-03-05 川崎重工業株式会社 鉄道車両用空調ダクト
JPWO2020045624A1 (ja) * 2018-08-31 2021-08-12 川崎重工業株式会社 鉄道車両用空調ダクト
JP7089036B2 (ja) 2018-08-31 2022-06-21 川崎車両株式会社 鉄道車両用空調ダクト
US11884309B2 (en) 2018-08-31 2024-01-30 Kawasaki Railcar Manufacturing Co., Ltd. Railcar air conditioning duct

Also Published As

Publication number Publication date
JP2012006529A (ja) 2012-01-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5603153B2 (ja) 鉄道車両の空調システム
CN109311490B (zh) 铁路车辆用空调管道
JP4531598B2 (ja) 鉄道車両
JP2013151224A (ja) 車両空調ダクト及び鉄道車両
JP2012006529A5 (ja)
JP2007203794A (ja) 車両用空調装置
CN106369791A (zh) 导风板及具有其的壁挂式空调室内机
JP4729209B2 (ja) 鉄道車両用空調システム
JP6121161B2 (ja) 車両空調システム、及びこれを備えた鉄道車両
WO2013098878A1 (ja) 空調システム、及びそれを備える鉄道列車
JP5420829B2 (ja) 車両用空調装置
CN106184251B (zh) 一种送风装置
JP6845622B2 (ja) 車両用空調ダクト及び鉄道車両
JP5049746B2 (ja) 鉄道車両
JP2011162085A (ja) 空調システム及び空調システムを搭載する車両
JP2007331743A (ja) デフロスタ用送風ダクト
JP3820182B2 (ja) 空調装置のルーバー及び空調装置の気流制御構造、並びに空調装置
TW201325961A (zh) 空調系統、及具備其之鐵道列車
JP6960311B2 (ja) 鉄道車両
JP7089036B2 (ja) 鉄道車両用空調ダクト
JP4525248B2 (ja) 自動車の空気調和システム
JP7132709B2 (ja) 鉄道車両
JP3747816B2 (ja) 車両用空調ダクト
JP2013075662A (ja) 車両用空調装置
JP6536802B2 (ja) 車両用空調吹出し口部構造

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20130620

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130620

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140304

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140318

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140401

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140805

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140821

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5603153

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees