JP5596278B2 - トレンチ型絶縁ゲートmos半導体装置 - Google Patents

トレンチ型絶縁ゲートmos半導体装置 Download PDF

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Description

この発明は、大電流密度で使用されるパワー半導体デバイス、特には、トレンチ型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以降IGBTと略す)などのMOS半導体装置に関する。さらに詳しくは、半導体基板の表面に形成された複数の直線状のトレンチと、このトレンチの内表面に形成されるゲート絶縁膜と、このトレンチ内にゲート絶縁膜を介して埋め込まれる制御電極とを有し、複数の直線状トレンチ間の半導体基板表面の長手方向に一導電型領域と他導電型領域が交互に配置されるトレンチMOSゲートパターンを有するトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置に関する。
近年のパワーエレクトロニクス分野における電源機器の小型化、高性能化への要求を受けて、電力用半導体装置では、高耐圧化、大電流化と共に、低損失化、高破壊耐量化、高速化などの性能改善に注力されている。そのような大電流化、低損失化が可能な電力用半導体装置として、最近では縦型/トレンチゲート型IGBTが好んで用いられている。
縦型/トレンチゲート型IGBTは、MOS(金属/酸化膜/半導体)ゲートにより駆動されるものである。一般にMOSゲート構造については、半導体基板の表面に平板状にMOSゲートを設け、チャネル電流が表面に平行な方向に流れるプレーナゲート構造およびMOSゲートをトレンチ内に埋め込み、チャネル電流が半導体基板の表面に垂直な方向に流れるトレンチゲート構造の2種類が広く知られている。最近は、構造的にチャネル密度を高くでき、低オン抵抗特性が得やすいことから、トレンチ内にゲート電極を埋め込んだトレンチゲート型IGBTが注目されている。
さらに、このようなトレンチゲート構造を有する縦型/トレンチゲート型IGBTにも2種類の構造がある。その一方の構造(この構造を従来例1の構造とする)は、図14の断面図に開示されているように、表面にエミッタ電極19が導電接触することができ、MOSゲート機能を奏することができるトレンチ13間のn+型エミッタ領域16、p+型ボディ領域17と、エミッタ電極19が絶縁膜18を介して接触するトレンチ間表面領域であるフローティングp領域12bとが交互に配置される構成である。この交互配置は活性部全体(主電流の流れる領域)を上からみると、平行なトレンチを挟んで、ストライプ状の配置と言える。このフローティングp領域12bでは、正孔がエミッタ電極19に吐き出され難いためにフローティングp領域12bに蓄積するようになり、n型のドリフト層11のキャリア濃度分布がダイオードのそれに近くなる。また、このフローティングp領域12bは前述のように絶縁膜18で覆われてトレンチゲート構造部分を持たないので、その分、ゲート電極15とエミッタ電極19間の容量が低減されて充放電の時間が短縮され、スイッチング損失の低減が図られるメリットがある(特許文献1)。または、図14のようにトレンチ13で分離されると共に、表面を絶縁膜18で覆われたフローティングp領域12bの一部の絶縁膜に図示しないコンタクトホールを設けてエミッタ電極19を小面積で接触させることにより、エミッタ電極との間にフローティングp領域12b内の基板水平方向の抵抗成分を介在させて前記と同様のメリットをもたらす構造(特許文献1、2)などもある。
他方の構造(この構造を従来例2の構造とする)は、ゲート絶縁膜を介してゲート電極が埋め込まれたトレンチの複数の直線状表面パターンの長手方向のトレンチ間の半導体基板表面に、pベース領域とn型半導体基板領域が交互に配置される構成を有する。言い換えると、図15の斜視断面図に示すように、活性部全体を上からみると、平行なトレンチ13に対して直角方向にpベース領域12の列とn型半導体基板領域の列が順に交差する構成と言える。この構成では、トレンチゲート構造でありながら、チャネル電流が半導体基板の表面に垂直な方向だけでなく、基板に水平な方向にも流れるようになるので、縦型/トレンチ型IGBTが低オン抵抗と高耐圧を同時に実現可能なものとなる(特許文献3)。また、pベース領域の周囲を半導体基板よりも高濃度(密度)のn+型領域によって囲うことで、nベース層(ドリフト層)内の表面近傍のホール濃度(密度)を上昇させる構造(特許文献4)等もある。
さらには、前述のようにドリフト層の表面側のキャリア濃度(密度)を上げるという観点ではなく、ドリフト層を薄層化することによってトレードオフ特性を改善する方法も知られている。たとえば、所定の耐圧を保持しながらデバイスのnベース層(ドリフト層)を薄層化するために、高濃度(密度)半導体基板上に可能な限り不純物濃度(密度)を低くしたエピタキシャル層の薄層と高濃度(密度)のバッファ層とを形成して耐圧を保持するパンチスルー型デバイスがある。さらには、半導体基板の他主面に形成される不純物量を制御されたp型コレクタ層と半導体基板からなるドリフト層の間に厚さと不純物濃度(密度)を制御されたフィールドストップ層(またはバッファ層)を設けるフィールドストップ型デバイスなどがある。
前記特許文献3に記載のような従来例2の縦型/トレンチ型IGBTの構造と動作について、前記図15と図16−1〜図16−3を参照しながら説明する。以降の説明では、トレンチ型IGBTという場合は、前述のようにチャネル電流が基板に垂直な方向と水平な方向とに流れる構造を有するIGBTを言うこととする。半導体基板(n-型ドレイン層)11の一方の主面(以下、表面と称す)に選択的に形成されたpベース領域12を有し、その他方の主面(以下、裏面と称す)に、n型FS(Field Stop)層50、p型コレクタ層51とを有し、多数のトレンチ13が基板表面からpベース領域12の深さを超えてn-型ドレイン層11に達する深さに形成されている。そのトレンチ13の内表面にはゲート酸化膜14が形成され、さらにその内部は導電性多結晶シリコン等からなるゲート電極15が埋設されている。そしてpベース領域12の表面には隣接するトレンチ13の略中間にp+型ボディ領域17が配設されている。そしてp+型ボディ領域17とトレンチ13の側壁とにそれぞれ隣接してn型エミッタ領域16が設けられている。ゲート電極15上には絶縁膜18が配設され、セルの活性領域(主電流が流れる領域)の全面にアルミニウム等からなる金属電極(エミッタ電極)19が設けられる。この絶縁膜18が前記ゲート電極15と前記金属電極19とを絶縁分離している。そして、金属電極19がn+型エミッタ領域16とp+型ボディ領域17の表面に共通にオーミック接触するように、絶縁膜18に開口が設けられる。
係る構造の縦型/トレンチ型IGBTにおいては、ゲート電極15に所定の閾値以上の電圧を与えることでpベース領域12内のトレンチ13側壁に沿ってn型の反転層(nチャネル)が形成され、基板に垂直な方向と水平な方向とに電流路が形成される。これにより縦型/トレンチ型IGBTのエミッタ・コレクタ間がオン状態となる。ゲート電極15の電圧を閾値以下とすることで、pベース領域12内のn型の反転層がなくなり、縦型/トレンチ型IGBTのエミッタ・コレクタ間がオフ状態となる。係る縦型/トレンチ型IGBTによれば、トレンチ13側壁に沿って縦型(縦型とは図16−1に示すように半導体基板表面に垂直な方向)並びに横型(横型とは図16−2に示すように半導体基板表面に平行な方向)の両方に電流路が形成されることから、従来のプレーナゲート型やトレンチゲート型のIGBTと比較して、電流路の面積が格段に拡大される。さらに、トレンチ13間においてn型半導体基板層11が露出している領域に少数キャリアの蓄積が生じ、そのオン抵抗を小さくすることもできるという利点が生じる。
このような、従来例1、2の縦型/トレンチ型IGBTの適用電圧と電流密度には、概略ながら相関があり、現状での600V級デバイスでは200A/cm2〜250A/cm2,1200V級デバイスでは100A/cm2〜150A/cm2,2500V級デバイスでは40A/cm2〜60A/cm2と、概ね、V×I ≒ 150k VA 程度である。
特開2001−308327号公報(図1) 特開2004−39838号公報 特開2000−228519号公報(図6、図7) 特開平8−316479号公報
しかしながら、前述の図15に示す縦型のトレンチ型IGBTの構成ではターンオフ耐量が小さいという問題がある。この問題は以下のような原因で発生することが判明した。このことについて、再度、図15、図16−1〜図16−3を用いて説明する。前記背景技術において説明したように、図15に示す縦型/トレンチ型IGBTの構成では、図15のA−A線断面を示す図16−1のように、いわゆる、トレンチ型IGBTのトレンチ側壁を縦方向(基板主面に垂直な方向)に流れる電流経路(矢印)と、図15のB−B線断面を示す図16−2のように、トレンチ側壁を横方向(基板主面に平行な方向)に流れる電流経路(矢印)が形成される。これら二つの電流経路のうち、トレンチ側壁を横方向に流れる電子電流経路(実線矢印)は、むしろ、プレーナゲート型IGBTの電子電流経路と類似している。しかし、プレーナゲート型IGBTでは、正孔電流経路と電子電流経路とが同一平面内にあるのに対して、図16−2に示すトレンチ型絶縁ゲートIGBTの構成では電子電流経路と同一平面内に正孔電流経路が存在しない点で異なる。正孔電流は、前記図15に示されるB−B線断面からC−C線断面の方向に相当する図11−3の方向に流れることになる。言い換えると、この正孔電流はトレンチ側壁からエミッタ電極と半導体層との接触面に沿って流れ込むような電流経路となると言える。従って、正孔電流はn+型エミッタ領域16の下部に集中して通ることになる。この正孔電流はn+型エミッタ領域/pベース領域/n型半導体基板層からなるNPNトランジスタのベース電流に相当しており、正孔電流の集中はNPNトランジスタの動作を容易なものとし、結果として、n+型エミッタ領域/pベース領域/n型半導体基板層/p型コレクタ層からなるIGBTの寄生サイリスタの動作を容易なものとし、このIGBTをターンオフ制御不能にしてしまい、ターンオフ耐量を低下せしめていることがわかった。
さらに、市場では、1200V級の高耐圧であって、電流密度300A/cm2〜500A/cm2という、概ね360kVA〜600kVA程度の、従来よりもさらに高耐圧、大電流密度の縦型/トレンチ型IGBTの開発が望まれている。
前述した従来例1、2の縦型/トレンチ型IGBTが、このような高耐圧、大電流密度で適用される場合、図14(従来例1)、図15、図16−1〜図16−3(従来例2)の断面図にそれぞれ示される構成では、比較的小さなゲート抵抗(ゲート電圧がしきい値以下に低下した後に電流が減少し始める)を使用した場合、大電流ターンオフ時にアバランシェ降伏が発生し、信頼性等に問題を生じることがあるので、比較的大きなゲート抵抗(ゲート電圧が電流の減少を決定する)を使用する場合(この場合を後者とする)が多い。
後者のようなターンオフ条件下でのゲート電圧の挙動を図17に示す一般的なIGBTとそのゲート回路の等価回路図で説明する。図17に示すように、3種のコンデンサ、ゲート−コレクタ間コンデンサCGC、コレクタ−エミッタ間コンデンサCCE、ゲート−エミッタ間コンデンサCGEによって、IGBTのターンオフ条件下でのゲート電圧の挙動が説明される。以下、ゲートをG、コレクタをC、エミッタをEと略記する。すなわち、コレクタ−エミッタ間電圧が上昇することで、ゲート−コレクタ間容量に変位電流(iGC)が流れ、ゲート電流ig=iGCの場合にiGE=0となりゲート電圧が変化しない期間(一般にはミラー期間と称する)が発生する。
このような状況では、次の2種のターンオフ状態が考えられる。
1)ゲート電流igがiGCを決定している(=igがdVCE/dtを決定している)状態。
2)iGCがigを決定している(=dVCE/dtがigを決定している)状態。
すなわち、比較的GC間容量が小さい場合には、前記1)の状態が、逆に比較的GC間容量が大きい場合には、前記2)の状態が現れる。
発明者が鋭意調査したところによれば、前記2)の状態下におけるターンオフのほうが、前記1)の状態下におけるターンオフよりも跳ね上がり電圧が小さくなることが見出された。
要するに、ターンオフ時に、コレクタ電圧がバス電圧に到達した後の挙動に関して、前記1)の状態では、ゲート電圧の低下の仕方で、コレクタ電流の電流減少率(di/dt)が決定され、跳ね上がり電圧(L・di/dt)が決まる。他方、前記2)の状態では、依然としてコレクタ電圧の上昇率がゲート電流に影響を及ぼし続け、ゲート電圧の低下の仕方が1)に対して緩やかであり、結果として、コレクタ電流の電流減少率(di/dt)が緩やかなものとなり、跳ね上がり電圧も小さくなると言うものである。
前記2)の状態のような効果を、簡便な方法により得られる層構成として、トレンチ内にゲート絶縁膜を介して形成されたゲート電極に接する領域をフローティング状態にするという構成が有効であるが、このような構成をとった場合、静的なアバランシェ降伏時に素子が破壊すると言う問題がある。
加えて、上述のような大電流密度条件で適用される場合、図15に示すフローティングp領域12bを有する縦型/トレンチ型IGBTの構成では、大電流密度での使用と低オン電圧化の両立に問題があった。発明者らが鋭意調査したところによれば、この問題は以下のような原因で発生することが判明した。
図面16−1〜図16−3を用いて説明する。一般的に制限電流は次式(1)
但し Isat:制限電流,αPNP:電流増幅率,μns:反転層の移動度,Cox:ゲート酸化膜の容量,Z:総エミッタ幅(または長さ),Lch:チャネル長,VGE:ゲートバイアス,VGE(th):しきい値で示される。
設計の自由度を確保するためや、他の特性(特に耐圧特性)を犠牲にしないために、Z:総エミッタ幅(または長さ)で調整することが望ましい。すなわち、総エミッタ幅(または長さ)を調整することで制限電流を調整することが望ましい。ここで、総エミッタ幅(または長さ)Zとは、トレンチ13間にある単位セルにおけるエミッタ領域16がトレンチ13と接触する部分の幅(長さ)について単位面積当たりの全セル数を合計した幅(長さ)である。以下、エミッタ幅をエミッタ長さということもあるが、同じことである。
一方、従来技術において示したように、前記図15に示す縦型/トレンチ型IGBTの構成では、図16−1に示す、いわゆる、トレンチ型IGBTのトレンチ13の側壁に沿ったpベース領域12内を基板の厚さ方向に流れる電流経路と、図16−2に示すトレンチ側壁に沿ったpベース領域12内を基板の主面に平行な横方向に流れる電流経路が形成される。低いオン電圧を達成するためには、このトレンチの側壁に沿って主面に平行な横方向に流れる電流経路を確保する必要がある。
しかしながら、前記図15に示す縦型/トレンチ型IGBTの構成を保ちながら、制限電流を大きくするために、前記式(1)に従い、総エミッタ幅(または長さ)だけを広くすると、トレンチ長手方向でエミッタ領域16が必然的にpベース領域12の端に近づいてしまい、十分にトレンチ側壁を横方向に流れる電流経路が形成できないために、高電流密度で低オン電圧化が困難であることが判明した。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたもので、本発明の目的は、低オン抵抗、大電流密度、アバランシェ降伏時の破壊耐量が大きく、ターンオフ時の跳ね上がり電圧を抑制するトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置を提供することである。
特許請求の範囲の請求項1記載の発明によれば、一導電型半導体基板の一方の主表面に選択的に形成される他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域の表面に選択的に形成される一導電型エミッタ領域と、前記他導電型ベース領域の表面に、該ベース領域の濃度より高濃度であって前記一導電型エミッタ領域に接して形成される他導電型ボディ領域と、前記一導電型エミッタ領域表面から前記他導電型ベース領域を貫き前記一導電型半導体基板に達する深さと直線状で平行な表面パターンを有するトレンチと、該トレンチ内にゲート絶縁膜を介して埋設されるゲート電極と、前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ボディ領域の両表面に共通に導電接触するエミッタ電極を有するトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置において、前記直線状で平行な表面パターンを有するトレンチの複数のトレンチ間に、前記他導電型ベース領域表面と前記一導電型半導体基板表面が前記トレンチの長手方向に沿って交互に繰返し表面配置され、前記他導電型ベース領域表面内の前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ボディ領域の両表面に共通に前記エミッタ電極が導電接触する第一トレンチ間表面領域と、前記トレンチの長手方向に沿った表面に前記他導電型ベース領域表面と前記一導電型半導体基板表面とのいずれかが占有する第二トレンチ間表面領域とが含まれ、前記第二トレンチ間表面領域に形成されている前記他導電型ベース領域表面が抵抗を介してエミッタ電極に導電接続され、前記抵抗が100mΩcm 2 よりも小さいトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置とする。
特許請求の範囲の請求項記載の発明によれば、前記第一トレンチ間表面領域と前記第二トレンチ間表面領域とがトレンチを挟んで交互に繰返し表面配置されている特許請求の範囲の請求項に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
特許請求の範囲の請求項記載の発明によれば、前記第一トレンチ間表面領域と前記第二トレンチ間表面領域との短手方向の繰り返し配置間隔が等間隔である特許請求の範囲の請求項1または請求項2に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
特許請求の範囲の請求項記載の発明によれば、前記短手方向の繰返し配置間隔が5μm以下である特許請求の範囲の請求項に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
本発明によれば、低オン抵抗、大電流密度、アバランシェ降伏時の破壊耐量が大きく、ターンオフ時の跳ね上がり電圧を抑制するトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置を提供することができる。
以下、本発明の縦型/トレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置について、図面を参照して詳細に説明する。本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例の記載に限定されるものではない。
図1〜図9は、それぞれ、本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図である。図10は本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの斜視断面図である。図11−1〜図11−3は図10のA−A線、B−B線、C−C線におけるそれぞれ断面図である。図12と図13は本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTのトレンチおよびトレンチ間パターンの要部平面図である。図18はIGBTのターンオフ時の過渡的な時間を横軸にとった場合のターンオフ波形の実施例1と従来例1、2との比較図である。図19は実施例1と従来例1、2とのIGBTのターンオフ時の跳ね上がりピーク電圧とターンオフ損失の関係比較図である。図20はIGBTの実施例1と従来例1、2のI−V特性比較図である。
以下、本発明の実施例1について、図1〜図9を参照して説明する。なお、本実施例1では、特に、耐圧1200Vのトレンチ型IGBTについて説明する。
まず、従来の技術と同様に、n-ベース領域11となる、面方位100で比抵抗が約50Ωcmのn-型のシリコン半導体基板11を用意する(図1)。その基板11の表面に、図示しないガードリング形成のためのレジストマスクパターンを形成し、p型不純物をイオン注入し、レジスト除去後に熱処理を行うことで、チップの周辺部にガードリング層を形成する。この熱処理の際に酸化膜30を形成し、ホトリソグラフィにより前記酸化膜30にトレンチ形成用の開口を形成し、図2に示すようにトレンチ13を所定の深さまで半導体基板11を異方性のガスエッチングすることにより形成する。
本実施例1では4μm間隔(トレンチ間の間隔)で、直線状平面パターンを有する0.8μm幅の開口部を設け、基板11の表面から垂直に異方性のRIEエッチング(Reactive Ion Etching)をすることでトレンチ13を形成した。そして、シリコン基板11へのトレンチ13形成の際に形成されるエッチング表面の欠陥層を除去するために、まず犠牲酸化によりトレンチ13内部に酸化膜を形成する。そして、その酸化膜を除去することによりトレンチ形成に伴う欠陥層を除去する。セル領域の酸化膜を一旦全て除去し、その後、図3に示すように、ゲート酸化を行うことで、トレンチ13の内部に膜厚140nm〜170nmのゲート酸化膜14を形成する。
次に、膜厚が0.5μm〜1.0μmの、たとえば、不純物(リンやボロン)を高濃度にドープされた多結晶シリコン膜15を減圧CVD法により全面に被着することで、トレンチ13の内部を導電体化された多結晶シリコン(ドープド多結晶シリコン)15で埋め込む(図3)。次に、たとえば、異方性または等方性のガスエッチングにより、前記ドープド多結晶シリコン15をエッチバックする。そしてシリコン基板11の表面の酸化膜14が露出した段階で多結晶シリコン15のエッチングを停止すると、図3に示すようにトレンチ13内に埋め込まれたゲート電極15が適正な高さに制御される。堆積した多結晶シリコンの膜厚と同程度の量がエッチバックにより減厚されるので、ゲート電極15はトレンチ13の頂部から100nm〜150nm程度深くエッチングされる。
次に、図4に示すようにシリコン基板11の表面の酸化膜14をシリコン面が露出するように除去する。このとき、酸化膜14の除去に異方性エッチングを用いることで、トレンチ側壁部の酸化膜がエッチングされることなく厚いまま残すことができるので、好適である。その結果、この後に形成されるpベース領域12(およびp+ボディ領域17)、n+エミッタ領域16のイオン注入面が同一面となるほか、pベース領域12の形成がトレンチ形成後に行われることとなり、pベース領域12の拡散深さを浅くすることが可能となる。さらには、ボロンが熱酸化膜形成中に酸化膜に取り込まれることも防ぐことができるため都合がよい。
次に、ボロンイオンあるいは砒素イオンが十分に透過しうる厚さ、たとえば、20nm〜50nmの熱酸化膜14aを形成し、図5(a)、(b)に示すようにセル領域部分の一部にpベース領域12aとなるp型の拡散領域およびフローティングp領域12bとなるp型の拡散領域を、たとえば、加速電圧50keV程度、ドーズ量1×1013cm-2〜5×1014cm-2程度のイオン注入、および1100℃程度の熱拡散処理により形成する。ドーズ量を調整することにより、MOS型半導体装置のゲート電圧の室温でのしきい値を約6V程度に調整可能である。
また、本実施例1では、pベース領域12aの表面と半導体基板11の表面領域とが交互に表面配置される第一トレンチ間表面領域内の長手方向において、ボロンイオン注入されるpベース領域12aの長さとボロンイオン注入されない表面領域長さ(すなわち、半導体基板11の表面領域)とを合わせた繰り返しピッチ(ZUnit)を100μmとする。この繰り返しピッチに対する、ボロンイオン注入されるpベース領域12a中のエミッタ領域(後出の図7、8、9、12)長さの比率REmitter(エミッタ領域がトレンチと接する面の長さ/前記繰返しピッチ)を60%、すなわち、60μmの長さとする。かつ、全面にボロンイオン注入される第二トレンチ間表面領域12bと前記第一トレンチ間表面領域12aとが、平行なトレンチの平面パターン間に交互に繰返し表面配置されるようにした。
次に、pベース領域12aの表面層にp+型ボディ領域17を図6(b)の平面図に示すような平面パターンで形成する。これはp+型ボディ領域17となる部分にホトリソグラフィによりレジストマスクの開口を形成し、たとえば、加速電圧は100keV程度、ドーズ量は1×1015cm-2〜5×1015cm-2程度のボロンイオン注入、および、1000℃程度の熱拡散処理することで形成する。本実施例1では、ボディ領域17としてボロンイオン注入されるトレンチ間の長手方向の長さを前記繰返しピッチの長さ約100μm(ZUnit)×60%(REmitter)+5μm=65μm、およびトレンチ間の短手方向の最小幅を1μmとし、トレンチとトレンチの間の中央部に最小幅部分が配置されるように形成した。
次に図7(a)、(b)に示すようにホトリソグラフィにより、レジストマスク23の開口を形成し、たとえば、砒素(As)のイオン注入および熱処理をすることでn型のエミッタ領域16を形成する。このエミッタ領域16のトレンチ長手方向の長さの繰り返しピッチ(長さ)に対する比率はREmitter(60%)とした。このイオン注入は、たとえば、加速電圧は100keV〜200keV程度、ドーズ量は1×1015cm-2〜5×1015cm-2程度で行われる。
次に、図8(a)、(b)に示すようにBPSG(Boro Phospho Silicate Glass)等の絶縁膜18を基板11の全面に被着し、ホトリソグラフィにより基板11の表面のエミッタ領域16およびpボディ領域17を露出させるエミッタコンタクトホール40を形成するために、その絶縁膜18をパターンエッチングし、開口を設ける。その結果、トレンチ13内のゲート電極15の上には、さらにその上に被着されるエミッタ電極19に対して絶縁を保持する絶縁膜18が形成される。このとき、エミッタコンタクトホール40のトレンチ13長手方向の開口長さが、エミッタ領域16のトレンチ13長手方向の長さよりも長くなるようする。たとえば、本実施例1では、図12に示すようにエミッタコンタクトホール40の、トレンチ13長手方向の開口長さは繰返しピッチ(100μm)の60%とエミッタ領域より4μm長くする、すなわち約100μm(ZUnit)×60%(REmitter)+4μm=64μmであり、同じくトレンチ13短手方向の開口幅は1μmとなるようにした。
そして、基板11の表面に、アルミニウム等の金属材料をスパッタリングにより被着し、ホトリソグラフィによりパターニングし、熱処理することで、セル領域部分の全面にエミッタ電極となる金属電極層19(図8(a))を形成する。さらに、エミッタ電極19の上にはチップ全面にポリイミド膜などのパッシベーション膜(図示せず)を被着する。
次に、半導体基板11の他方の主面から所定の厚さ(120μm〜140μm程度)まで半導体基板を研磨して薄くする。図9に示すように、研磨した他方の主面にn型バッファ層(あるいは、n型フィールドストップ層)50およびp型コレクタ層51をイオン注入ならびに熱処理によって形成した後にコレクタ電極22を形成することで、ウエハ段階の縦型トレンチ型IGBTが完成する。ここで、IGBTの形態によっては、n型バッファ層(あるいは、n型フィールドストップ層)50の形成がなされない場合もある。また、製造工程に投入する際の半導体基板として、n-/n++/p++基板を用いれば、n型バッファ層50およびp型コレクタ層51をイオン注入ならびに熱処理によって形成しない製造方法とすることもできる。
前述のような製造方法の場合には、ゲート電極15とエミッタ領域16とが従来のように離れることが考えられるため、エミッタ領域の熱処理時間は比較的長くする必要がある。このような場合にはエミッタ領域の濃度が低下し、金属電極とエミッタ領域のオーミック接触が困難な場合がある。このような場合は、エミッタ領域を2回に分けて形成することでエミッタ領域の表面濃度が高くオーミック接触の容易なものとすることができる。すなわち、第1のn型のエミッタ領域16をpベース領域12を形成後に形成した後、p型ボディ領域17を形成し第2のn型エミッタ領域となる部分を覆ってレジストマスクを設ける。さらに、第2のn型エミッタ領域16となる部分にホトリソグラフィによりレジストマスクの開口を形成し、たとえば、砒素をイオン注入および熱処理することによりn型エミッタ領域16を形成する。これにより、エミッタ領域と金属電極のオーミック接触が容易な構造となる。
本実施例1のREmitter=60%の場合のセル形状の表面パターンは図12の平面図に示されるような寸法となる。図13は図12における、第二トレンチ間表面領域のフローティングp領域12bの代わりに、フローティングp領域を形成しないで半導体基板11をそのまま表面領域として絶縁膜18で覆った構造である。どちらも特許請求の範囲の請求項1の記載の発明にかかるIGBTの要部平面パターンである。
図12に示す平面パターンを有する実施例1の縦型トレンチゲートMOSパワー半導体デバイスの電流密度が333A/cm2の場合のターンオフ波形と、図14(従来例1)に示す平面パターンを有する従来構成(従来例2)のIGBTのI−V出力特性とを図18に示す。図18中の横軸の4.0E−06などの一連の記載は4.0×10-6などのようにE以降の数字は10のべき乗数を表す。他の同様の記載も同じである。
図18より明らかなように、従来構成のIGBTでは、跳ね上がり電圧が、300V(前記従来例1の構造)、450V(前記従来例2の構造)であるのに対して、実施例1のIGBTでは、跳ね上がり電圧が200V以下に抑制されていることが示されている。跳ね上がり電圧を調整する上で、ゲート抵抗を変化させる手法が一般的である。
しかしながら、ゲート抵抗を大きくした場合、ターンオフ損失が大きくなるというトレードオフの相関があるため、ゲート抵抗を変化させてスイッチング速度を変えた場合の、跳ね上がりピーク電圧とターンオフ損失の相関を調査した結果を図19に示す。ゲート抵抗を変化させた場合においても、実施例1は他の従来例1、2と同一かそれより優れた特性を示していることがわかる。
加えて、I−V出力特性を比較したものを図20に示す。この図20によれば、実施例1のI−V出力特性は他の従来例1、2とほぼ同等かそれ以上の低オン電圧を実現可能としている。
以上に説明した実施例1によれば、工程数を増やすことなく、極めて簡便な方法で、大電流密度と低オン電圧、ターンオフ時の跳ね上がり電圧の抑制を同時に実現せしめることを可能としている。
次に、本発明の実施例2、3、4にかかるトレンチ型絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)の場合について、図面を参照して詳細に説明する。また、以下の説明において、単に濃度(密度)という場合は、不純物濃度(密度)を表す。
図21〜図23は、それぞれ、耐圧クラスごとのIGBTにおける基板抵抗率/基板厚さとアバランシェ降伏突入時の破壊の関係図である。図24はIGBTの半導体基板の厚さ方向を横軸に採った不純物濃度(密度)分布図である。図25は、耐圧クラスごとのIGBTにおける基板抵抗率/基板厚さとアバランシェ降伏突入時の破壊の関係を調べる測定装置の回路図である。図26は図25に示される測定装置を用いて得られた、1200V級デバイスのアバランシェ降伏突入時の破壊に関する測定の際の電圧VCEと電流ICの各波形図である。図27、図28は図26に対応するアバランシェ降伏突入直前と直後の内部電子濃度(密度)分布図である。図29は本発明にかかるIGBTの要部断面図とアバランシェ降伏時の電圧電流波形図である。図30〜図32は本発明にかかるIGBTの、それぞれ異なる実施例の要部の平面図と断面図である。図33は本発明にかかるIGBTのアバランシェ降伏突入時のホール濃度(密度)分布図(a)と電界強度分布図(b)である。
フィールドストップ層(以降FS層と略す)を設けてドリフト層を薄層化した構造とトレンチゲート構造とを組み合わせた構造とを有するIGBTは、アバランシェ降伏時に破壊し易いという問題点について調べたところ、トレンチゲート構造を有するIGBTでは、アバランシェ降伏突入時に負性抵抗が現れ、この負性抵抗によって短時間で数A程度の電流が流れた場合にIGBTが破壊する現象が現れることが分かった。この現象は、アバランシェ降伏によって発生した電子・ホールペアによって、IGBTの内部の寄生トランジスタが動作し、p型コレクタ層から注入されたキャリアによって、特に、トレンチ近傍の高電界領域における局部的なアバランシェ降伏が強く発生し、おそらくは、さらにデバイスの不均一動作も要因の一部となり、IGBTの寄生サイリスタが動作することによって破壊するものと考えられる。従って、高電界領域におけるアバランシェ降伏突入時に発生する負性抵抗に起因する電流を効果的に小さくすることで破壊を回避することができるのではないかという考えに基づいて、以下説明する実施例2、3、4にかかる本発明がなされた。
破壊時の電流について調べたところ、電流増加は下記2点の要因に分類可能であることが分かった。すなわち、
1)半導体基板の仕様とフィールドストップ層(FS層)に起因するアバランシェ降伏突入時の電流増加
2)IGBTの表面構造に起因するアバランシェ降伏突入時の電流増加、である。
前記1)の半導体基板の仕様とn型FS層とに起因するアバランシェ降伏突入時の電流増加による破壊に関して説明するために、耐圧クラス600V級、1200V級、3300V級のIGBTに対して、基板抵抗率と基板厚さをパラメータとして前記アバランシェ破壊について調べた結果を図21〜図23にそれぞれ示す。この時の前記3種の耐圧クラスに共通するIGBTのn型FS層およびp型コレクタ層を含む不純物ドーピングプロファイルの概略を図24に示す。図中、縦軸にある1.0E+13などの記載はいずれも1.0×1013などのようにE以降の数字は10のべき乗数を表す(他の図面の同様な記載についても同じ)。特にn型FS層のピーク濃度(密度)はキャリアの移動度が減少し始める1×1016cm-3以下の濃度(密度)となるように、かつ、拡散深さが10μm以上になるように注意深く形成した。その理由については後で述べる。
これら3種の耐圧クラスのIGBTのアバランシェ破壊を調べた測定装置の回路を図25に示す。並列に接続したオフ状態のIGBTの試験素子252とスイッチング用の高耐圧デバイス253に、電源250とインダクタンス251とを直列接続したものである。スイッチング用の高耐圧デバイス253をオンオフさせると、スイッチング用のデバイス253がオフした際に跳ね上り電圧が発生し、IGBT試験素子252の耐圧を超える電圧にすることが可能となる。この時、インダクタンス251を変化させることで、アバランシェ突入時の電流を変えることができるようになっている。
図25に示す回路で測定した結果を示す前記図21〜図23からは、いずれの耐圧クラスのIGBTにおいても、共通して、基板抵抗率が高いほど、かつ、基板厚さが薄いほどアバランシェ降伏突入時に破壊しやすくなることを示している。前記図21〜図23からアバランシェ破壊しない領域は、IGBTのρ:基板抵抗率、tn-:基板厚さとすれば、600V級デバイスでは、概ねtn->5ρ−90の範囲1200V級デバイスでは、概ねtn->4ρ−110の範囲3300V級デバイスでは、概ねtn->3ρ−180の範囲であるので、それらの範囲を満たす基板抵抗率ρと基板厚さtn-を選択してIGBTを作製すれば、アバランシェ降伏突入時の破壊を回避可能であることが分かる。換言すれば、IGBTの耐圧クラスをVmax(V)とし、基板濃度(密度)をND(cm-3)、基板厚さをtn-(μm)とすると、
[数6]
D×(tn-+0.033Vmax+70)>1.54×1018Vmax-0.299で示される範囲で基板濃度(密度)NDと基板厚さtn-を選択すればよい。ここで、抵抗率と濃度(密度)の相関はρ×ND≒4.59×1016cm-3を適用して換算した。
ここで、n型FS層に関して、1×1016cm-3以下の不純物濃度(密度)にすると共に、拡散深さを10μm以上になるように注意深く形成したと前述した理由について、以下説明する。
図32の(a)、(b)は、本発明にかかる1200V級IGBTにおいてアバランシェ降伏が発生した直後、および、負性抵抗が出ている場合のホール濃度(密度)分布と電界強度分布をデバイスシミュレーションした結果を示す半導体基板の厚さ方向の状態図である。
図32(a)では、アバランシェ降伏の発生直後にp型コレクタ層から約10μmの厚さに渡って少数キャリア(ホール)が注入されていることがわかる。しかしながら、n型FS層の拡散深さが10μm以上に形成されているために、図32(b)の電界強度分布図に示すように、本発明にかかるデバイスの電界強度は少数キャリア(ホール)が注入されている深さ(10μm)よりも浅い部分で0になっているので、このIGBTでは1200Vの耐圧を保持可能なものとしていることがわかる。
n型FS層の拡散深さが10μm以下であった場合には、n型FS層による空乏層の伸びを抑制する機能が不充分になり、pベース領域とp型コレクタ層が実質的にリーチスルー状態になってしまい、耐圧が大きく低下し、大きな負性抵抗を示すこととなり、これに伴って過大な電流が流れアバランシェ破壊を生じるのである。
次に、前記2)のIGBTの表面構造に起因して発生するアバランシェ降伏突入時の電流増加による破壊に関して説明する。前記2)のアバランシェ降伏突入時の破壊に関し、1200V級のIGBTにおいて調べた結果を図26(a)、(b)に示す。このうち、図26(a)は、ダミートレンチ61によって分離されたpベース領域152の表面のほぼ全てがエミッタ電極71に接触する表面構造を有する1200V級のIGBTを測定した結果である。さらに詳しくは、IGBTの基板抵抗率/基板厚さとして、それぞれ55Ωcm/130μmを選択した場合のVCE電圧波形とIC電流波形図である。図26(a)では、アバランシェ降伏突入時の破壊は見られない(前記図22で、破壊されないような範囲の基板抵抗率/基板厚さをそれぞれ選択しているため)。
これに対して、図26(b)は、エミッタ電極71とは絶縁膜62で分離されると共にトレンチ61によってトレンチゲート構造80とは分離されるフローティングp領域152をpベース領域52内に部分的に分離して設けることでnベース層(ドリフト層)51内のデバイスの表面近傍のホール濃度(密度)を上昇させるタイプの表面構造を有する1200V級のIGBTを測定した結果である。さらに詳しくは、基板抵抗率/基板厚さは、55Ωcm/130μmを選択した場合のVCE電圧波形とIC電流波形図である。図26(b)では、アバランシェ降伏突入時に耐圧劣化し、破壊に至る現象が観察されている。
図26(a)、(b)の試験デバイスのIGBTは、前述のように、基板抵抗率/基板厚さは、55Ωcm/130μmで共通であり、相違点はデバイスの表面構造のみであるため、アバランシェ降伏時の破壊の原因は、図26(b)の試験に用いたIGBTの表面構造にあると考えられる。
図27(a)、(b)、(c)および図28(a)、(b)、(c)に、それぞれ前記図26の(a)、(b)に対応する表面構造を有するIGBTのアバランシェ降伏直前およびアバランシェ降伏直後の状態をデバイスシミュレーションによって、解析した結果を示す。すなわち、図27の表面構造は、図26(a)と同様のトレンチによって分離されたpベース領域52のほぼ全てがエミッタ電極71に接触しているタイプの表面構造を模擬したものであり、図28の表面構造は、図26(b)と同様にトレンチ61によって分離されると共に、エミッタ電極71と絶縁されたフローティングp領域152を設けるタイプの表面構造を模擬したものである。
図27、図28の比較から分かるように、図28に示され、トレンチ61によって分離されると共にエミッタ電極71と絶縁されたフローティングp領域152を有するIGBTの方が、図27に示すIGBTの符号82の位置よりもアバランシェ降伏突入時に発生するキャリア(電子)が符号81の位置に示すように不均一に分布し、かつ、発生量も多い。加えて、図28のIGBTは、電流の経路もエミッタ電極71とコンタクトしている領域に限られるために、図27の、ほぼ全てがエミッタ電極71に接触しているタイプの表面構造を有するIGBTと比較して、次のように言える。すなわち、図28のIGBTは、
アバランシェ突入時の発生電流が多い、かつ、電流経路が狭く、電流密度が高いという状態となっているので、アバランシェ降伏突入時に破壊しやすい。従って、アバランシェ降伏時の破壊を回避するためには、アバランシェ降伏突入時の電流経路を図27のデバイスのように均一にする必要がある。この結果、1)全てのトレンチ61間に電流経路を設け、等電位面を均一にし、電界強度分布を均一に近づける構造。2)電流経路をできるだけ均一にして、電流集中を緩和する構造とすることが重要であることが分かる。
図29および表1に、エミッタ電極71と絶縁するように、間に絶縁膜62を介在させる構造のフローティングp領域152を有するIGBTであっても、アバランシェ降伏突入時に破壊しない本発明にかかるIGBTの構造とするために、調べた結果を示す。
すなわち、フローティングp領域152を、前記絶縁膜62に局部的な開口部63を設けることにより、フローティングp領域152を横方向に電流が流れることにより発生する抵抗成分を介してエミッタ電極71に接続するような構造にして、アバランシェ降伏電流が小さい電流の場合にはフローティングp領域152を低い電位に固定することを可能としたものである。従って、前記抵抗成分には許容可能な最大値が存在する。
表1は、フローティングp領域152とエミッタ電極71間に挿入されることになる前記横方向抵抗の大きさ(デバイスの活性領域の単位面積に対する)とアバランシェ降伏突入時の破壊状況についての調査結果である。
表1より、デバイスの活性領域の単位面積当たり100mΩ/cm2以下、望ましくは10mΩ/cm2以下の小さい抵抗を、フローティングp領域152とエミッタ電極71間に接続した場合、トレンチ61によって分離されると共に、エミッタ電極71との間に絶縁膜を挟んだフローティングp領域152を有するIGBTであっても、アバランシェ降伏突入時に破壊しない表面構造とすることができることが分かる。
図30、図31に本発明にかかる実施例2、実施例3のIGBTの要部平面図および要部断面図をそれぞれ示す。
実施例2にかかる図30(a)の要部平面図では、ストライプ状の平面パターンを有するトレンチ61に囲まれた領域がフローティングp領域152であり、図30(c)に示すように、このフローティングp領域152の表面に形成されている絶縁膜62に一定の間隔でコンタクトホール63が設けられ、エミッタ電極71がコンタクトホール63を介してフローティングp領域152に導電接続される。図30(a)、(b)に示すように、隣接するフローティングp領域152の間にはトレンチ61を挟んで、pベース領域52とその表面層に形成されるエミッタ領域53と高濃度p+型ボディ領域54の表面に、エミッタ電極71のエミッタコンタクトホール64が形成される。
図30(a)のA−A断面が図30(b)であり、同じくB−B断面が図30(c)である。コレクタ電極73からの主電流の一部は前記絶縁膜62に一定間隔で形成されているコンタクトホール63を介して、エミッタ電極にも流れる。この時、フローティングp領域152内を前記コンタクトホール63に向かって横方向(主面に平行な方向)に流れることによって発生する電圧降下値がエミッタ電極との間に接続される抵抗(Rs(Ω))となる。抵抗Rs(Ω)は前記単位面積あたりの抵抗値(Ω/cm)すなわち、シート抵抗に距離を乗じることにより得られる。従って、この単位面積あたりの抵抗値(Ω/cm の大きさはフローティングp領域152の仕様を一定とすれば、コンタクトホール間隔によって調整することができる。
図30(a)のA−A断面図である図30(b)の断面図に示すように、半導体基板(ドリフト層)100の他面には10μm以上の厚さのn型FS層55を介してp型コレクタ層56が設けられ、p型コレクタ層56の表面にはコレクタ電極73が形成されている。IGBTの一方の主面側には前記トレンチ61によってpベース領域52(第一領域)とフローティングp領域152(第二領域)が分離され、フローティングp領域152の表面には、エミッタ電極71と絶縁するための絶縁膜62が設けられている。
一方、pベース領域52の表面から内部に向かってエミッタ領域53と高濃度p+型ボディ領域54が形成され、このエミッタ領域53と高濃度p+型ボディ領域54の表面には前記エミッタ電極71が共通に接触する。トレンチ61の内部にはゲート絶縁膜60を介してゲート電極72が埋設される。ゲート電極72の表面は絶縁膜62によりエミッタ電極71と絶縁されている。
図30(a)のB−B断面図である図30(c)では、フローティングp領域152の表面を覆う絶縁膜62に一定の間隔でコンタクトホール63が形成され、このコンタクトホール63においてエッミッタ電極71と接触している。コレクタ電極73からエミッタ電極71へ向かう主電流は、フローティングp領域152の下部に対応する領域ではコンタクトホール63を通ってエミッタ電極71に流れるので、図30(c)に示すようにコンタクトホール63間の絶縁膜62直下を主面方向に流れる電流成分が発生し、その結果、フローティングp領域152の不純物濃度分布とコンタクトホール間の距離で決まる抵抗成分が発生する。
従って、この抵抗成分を、デバイスの活性領域の単位面積当たり100mΩ/cm2以下、望ましくは10mΩ/cm2以下の抵抗値となるように、フローティングp領域152の不純物濃度分布とコンタクトホール間の距離を決めることにより、フローティングp領域152上に絶縁膜が覆う構成の場合でも、IGBTのアバランシェ降伏突入時の破壊を回避することが可能となる
図31に示すIGBTの平面図(a)と(a)のA−A断面図である同図(b)では、フローティングp領域の濃度(密度)(またはシート抵抗(Ω/cm2))と、トレンチ長手方向のエミッタランナー65間の距離を調節することで、チップの活性領域外周部に設けられたエミッタランナー65を、前述したフローティングp領域上のコンタクトホール63と同様の機能を持たせた場合である。
このように、フローティングp領域152上の絶縁膜12にコンタクトホール63を形成しない構成であっても、フローティングp領域152の内部を横方向に流れて電流がエミッタ電極に到達する構成であれば、図30と同様に、フローティングp領域152直下のドリフト層1の表面側のホール密度を高くし易いので、オン電圧を小さくすることができる。
以上説明した実施例によれば、不純物濃度(密度)と厚さを制御されたn型FS構造を有し、ライフタイムが1μsより長いIGBTにおいて、適切な半導体基板抵抗率/基板厚さを選択するだけで、アバランシェ降伏突入時の破壊を回避することが可能となる。
さらに、トレンチによってトレンチゲート構造から分離されると共に、エミッタ電極に対して絶縁膜を挟んで下層に位置するフローティングp領域を有する構造を備えることで、表面側のホール濃度(密度)を高くしてオン抵抗(オン電圧)を下げることができるようにしたIGBTにおいても、フローティングp領域とエミッタ電極とを一定値以下の抵抗で接続することも好ましい。すなわち、デバイスの活性領域の単位面積当たり100mΩ/cm2以下、望ましくは10mΩ/cm2以下の小さい抵抗で接続することでアバランシェ降伏突入時の破壊を回避することが可能となる。
本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その1)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その2)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その3)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その4)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その5)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その6)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その7)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その8)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの製造方法を説明するための主要な製造工程ごとの要部断面図(その9)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTの斜視断面図である。 図10のA−A線におけるそれぞれ断面図である。 図10のB−B線におけるそれぞれ断面図である。 図10のC−C線におけるそれぞれ断面図である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTのトレンチおよびトレンチ間パターンの要部平面図(その1)である。 本発明の実施例1にかかるトレンチ型IGBTのトレンチおよびトレンチ間パターンの要部平面図(その2)である。 従来例1のトレンチ型IGBTの断面図である。 従来例2のトレンチ型IGBTの斜視断面図である。 図15のA−A線におけるそれぞれ断面図である。 図15のB−B線におけるそれぞれ断面図である。 図15のC−C線におけるそれぞれ断面図である。 一般的なIGBTとそのゲート回路の等価回路図である。 IGBTの過渡的な時間を横軸にとった場合のターンオフ波形の実施例1と従来例1、2との比較図である。 実施例1と従来例1、2とのIGBTのターンオフ時の跳ね上がりピーク電圧とターンオフ損失の関係比較図である。 IGBTの実施例1と従来例1、2のI−V特性比較図である。 600V級IGBTにおける基板抵抗率/基板厚さとアバランシェ降伏突入時の破壊の関係図である。 1200V級IGBTにおける基板抵抗率/基板厚さとアバランシェ降伏突入時の破壊の関係図である。 3300V級IGBTにおける基板抵抗率/基板厚さとアバランシェ降伏突入時の破壊の関係図である。 アバランシェ降伏突入時の破壊の相関を得るために適用した半導体装置の不純物分布図である。 アバランシェ降伏突入時の破壊に関する測定装置の回路図である。 図5に示される装置を用いて、1200V級デバイスのアバランシェ降伏突入時の、破壊する場合と非破壊の場合の電圧VCEと電流IC波形(非破壊の場合)である。 アバランシェ降伏突入直前と直後のデバイス構造とその電子分布図である。 アバランシェ降伏突入直前と直後のデバイス構造とその電子分布図である。 本発明にかかるIGBTの断面図である。 本発明のIGBTの実施例2にかかる要部平面図と要部断面図である。 本発明のIGBTの実施例3にかかる要部平面図と要部断面図である。 本発明のIGBTの不純物濃度(密度)分布とアバランシェ降伏突入時のホール密度分布図と電界強度分布図である。
符号の説明
11、100 n型半導体基板、基板、シリコン基板、シリコン半導体基板
12、12a、52 pベース領域
12b、152 フローティングp領域、第二トレンチ間表面領域
13、61 トレンチ
14 ゲート酸化膜、
15、72 ゲート電極
16、53 n+型エミッタ領域、
17、54 p+型ボディ領域
18、62 絶縁膜、BPSG
19、71 エミッタ電極
22、73 コレクタ電極
23 レジストマスク
40、64 エミッタコンタクトホール
50、55 n型バッファ層、n型FS層
5156 p型コレクタ層
63 コンタクトホール
65 エミッタランナー
80 トレンチゲート構造。

Claims (4)

  1. 一導電型半導体基板の一方の主表面に選択的に形成される他導電型ベース領域と、該他導電型ベース領域の表面に選択的に形成される一導電型エミッタ領域と、前記他導電型ベース領域の表面に、該ベース領域の濃度より高濃度であって前記一導電型エミッタ領域に接して形成される他導電型ボディ領域と、前記一導電型エミッタ領域表面から前記他導電型ベース領域を貫き前記一導電型半導体基板に達する深さと複数の直線状で平行な表面パターンを有するトレンチと、該トレンチ内にゲート絶縁膜を介して埋設されるゲート電極と、前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ボディ領域の両表面に共通に導電接触するエミッタ電極を有する縦型トレンチMOS半導体装置において、前記複数の直線状で平行な表面パターンを有するトレンチの複数のトレンチ間に、前記他導電型ベース領域表面と前記一導電型半導体基板表面が前記トレンチの長手方向に沿って交互に繰返し表面配置され、前記他導電型ベース領域表面内の前記一導電型エミッタ領域と前記他導電型ボディ領域の両表面に共通に前記エミッタ電極が導電接触する第一トレンチ間表面領域と、前記トレンチの長手方向に沿った表面に前記他導電型ベース領域表面が占有する第二トレンチ間表面領域が含まれ、前記第二トレンチ間表面領域に形成されている前記他導電型ベース領域表面が、絶縁膜のコンタクトホールを介してエミッタ電極に導電接続され、かつ前記コンタクトホールの形成間隔によって調整され単位面積当たり100mΩ/cm2よりも小さい抵抗成分であることを特徴とするトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
  2. 前記第一トレンチ間表面領域と前記第二トレンチ間表面領域とがトレンチを挟んで交互に繰返し表面配置されていることを特徴とする請求項1に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
  3. 前記第一トレンチ間表面領域と前記第二トレンチ間表面領域との短手方向の繰り返し配置間隔が等間隔であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
  4. 前記短手方向の繰返し配置間隔が5μm以下であることを特徴とする請求項4に記載のトレンチ型絶縁ゲートMOS半導体装置。
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