JP6038737B2 - 半導体装置及びそれを用いた電力変換装置 - Google Patents

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Description

本発明は、電力用半導体装置とそれを用いた電力変換装置に係り、特に電力用半導体装置の安定動作に好適な半導体素子構造に関する。
絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(IGBT)は、ゲート電極に加える電圧でコレクタ電極とエミッタ電極の間に流す電流を制御する半導体スイッチング素子である。制御できる電力は数十ワットから数十万ワットに及び、スイッチング周波数も数十ヘルツから百キロヘルツ超と幅広い。このため、IGBTは、エアコンや電子レンジなどの家庭用の省電力機器から、電気自動車や鉄道、製鉄所用のインバータまで広く使われている。
図10は、特許文献1に記載されている従来のIGBT断面構造を示す。コレクタ電極COLに接してホールエミッタ層PEが形成され、さらにn型バッファ層NBとn型ドリフト層NDが順次形成されている。n型ドリフト層ND内に一対のトレンチゲートTGが形成されており、一対のトレンチゲートTGに隣接する第1領域(W1/2)と第2領域(W2)が形成されている。第1領域と第2領域とでは、隣接するトレンチゲートの間隔が異なり、第1領域よりも第2領域の方が広い。第1領域では、エミッタ電極EMTと接してp型ベース層PBおよびn型ソース層NSが形成されている。また第2領域では、トレンチゲートと離間した状態でp型ウェル層PWが形成されている。このようなIGBTでは、トレンチゲートTGとp型ウェル層PWとの間にn型ドリフト層NDが形成されているため、ターンオン時におけるp型ウェル層PWの電位変動がゲート電極に与える影響を小さくでき、スイッチングノイズを低減できる。
特開2010−45144号公報
図11に、図10中のA−A’断面の不純物濃度分布を示す。n型ドリフト層NDよりもp型ウェル層PWの方が高濃度である。また、図12に示すように、p型ウェル層PWには、層間絶縁膜INTとp型ウェル層PWの界面において、主に製造過程で生じる欠陥準位DFTが残存している。この欠陥準位がオン電圧に不具合を生じさせる。
IGBTのターンオン動作は以下の通りである。ゲート電圧がしきい値を超えると、エミッタ電極からコレクタ電極に向けて電子が注入される。電子がホールエミッタ層PEに到達すると、コレクタ電極からエミッタ電極に向けてホールが注入され、一部のホールはp型ウェル層PWを通ってエミッタ電極に流れ込む。このホール電流が電子の注入を促進し、増大した電子がさらにホールの注入を促進する。これらの動作を繰り返すことによりn型ドリフト層内のキャリア濃度が増大し、低いオン電圧が得られる。しかしながら、p型ウェル層PWに流れ込んだホールはp型ウェル層PWと層間絶縁膜INTの界面を流れるため、図12に示した欠陥準位DFTによってホールが再結合してしまい、ホール電流が減少するため十分に低いオン電圧が得られない。この問題を解決する方法として、p型ウェル層の幅を狭くすることが考えられるが、p型ウェル層PWとトレンチゲートTGの間隔が大きくなると、トレンチ底部において電界集中が起こりやすくなり、ホットキャリアの発生など信頼性に不具合が生じてしまう。
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、オン電圧を増加させることなくホットキャリアの発生を抑制し、高い信頼性を有する半導体装置を提供することである。
本発明の半導体装置は、第1導電型の第1半導体層と、前記第1半導体層に接する第2導電型の第2半導体層と、前記第2半導体層における複数の溝内に設けられる複数の絶縁ゲートと、互いに隣接する前記絶縁ゲートの間隔が異なる、第1領域および第2領域と、を備え、前記第2領域における前記絶縁ゲートの間隔は、前記第1領域における前記絶縁ゲートの間隔よりも広く、前記第1領域においては、前記第2半導体層に接する前記第1導電型の第3半導体層と、前記第3半導体層内に位置する前記第2導電型の第4半導体層と、が設けられ、前記第2領域においては、前記第2半導体に接する前記第1導電型の複数の第5半導体層が設けられ、前記第1半導体に電気的に接続される第1電極と、前記第3半導体層および前記第4半導体層に電気的に接続される第2電極と、を備え、前記絶縁ゲートと前記第5半導体層との間に介在する前記第2半導体層によって、前記絶縁ゲートと前記第5半導体層は互いに離れ、前記複数の第5半導体層は前記溝よりも深く、前記複数の第5半導体層は互いに連結し、前記第2領域において、前記複数の第5半導体層は、絶縁膜によって前記第2電極と絶縁され、互いに連結する前記複数の第5半導体層は、前記絶縁膜と前記複数の第5半導体層の界面に沿って、不純物濃度に複数のピークを有することを特徴とする。
また、本発明の電力変換装置は、一対の直流端子と、交流の総数に等しい個数の複数の交流端子と、前記一対の直流端子と前記複数の交流端子の間に接続されるスイッチング素子と、を備える電力変換装置であって、前記スイッチング素子が上記の半導体装置であることを特徴とする。
本発明によれば、オン電圧を損ねることなくホットキャリアの発生を抑制し、高い信頼性を有する半導体装置およびそれを用いた電力変換装置を提供することが可能となる。
上記した以外の課題、構成および効果については、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
本発明の実施例1であるIGBTの単位構成を示す断面図である。 実施例1の製造方法を示す。 実施例1の製造方法を示す。 実施例1の製造方法を示す。 実施例1の製造方法を示す。 実施例1の製造方法を示す。 実施例1における不純物濃度分布を示す。 実施例1における欠陥準位を示す。 本発明の実施例2であるIGBTの単位構成を示す断面図である。 実施例2の製造方法を示す。 実施例2の製造方法を示す。 実施例2の製造方法を示す。 実施例2の製造方法を示す。 実施例2の製造方法を示す。 本発明の実施例3であるIGBTの単位構成を示す断面図である。 実施例3の製造方法を示す。 実施例3の製造方法を示す。 実施例3の製造方法を示す。 実施例3の製造方法を示す。 本発明の実施例4である電力変換装置の回路構成図である。 従来のIGBTの単位構成を示す断面図である。 従来のIGBTにおける不純物濃度分布を示す。 従来のIGBTにおける欠陥準位を示す。
本発明による半導体装置は、上記課題を解決するために、ゲート間隔が広い第2領域において、ウェル層となる半導体層を複数設ける。
このような本発明による半導体装置の一態様は、第1導電型の第1半導体層と、第1半導体層に接する第2導電型の第2半導体層と、第2半導体層における複数の溝内に設けられる複数の絶縁ゲートと、互いに隣接する前記絶縁ゲートの間隔が異なる第1領域および第2領域とを備える。ここで、第2領域における絶縁ゲートの間隔は、第1領域における絶縁ゲートの間隔よりも広い。さらに、本一態様においては、第1領域においては、第2半導体層に接する第1導電型の第3半導体層と、第3半導体層内に位置する第2導電型の第4半導体層とが設けられ、第2領域においては、第2半導体に接する第1導電型の複数の第5半導体層が設けられる。この第5半導体層が、ウェル層に対応する。なお、本一態様においては、第1電極が第1半導体層に電気的に接続され、第2電極が第3半導体層および第4半導体層に電気的に接続される。
ここで、第1および第2導電型は互いに反対導電型であり、それぞれp型あるいはn型である。また、第1,2,3,4半導体層は、例えば、それぞれ、エミッタ層,ドリフト層からなるか、あるいはバッファ層およびドリフト層からなる半導体層,ベース層,ソース層である。また、第1電極および第2電極は、例えば、それぞれコレクタ電極およびエミッタ電極である。
以下、本発明の実施例を、図面を用いて説明する。なお、各図および各実施例において、同一の構成要素または対応する構成要素には同じ符号を付している。
図1は本発明の実施例1である半導体装置の断面図を示す。本半導体装置は、縦型の絶縁ゲートバイポーラトランジスタ(以下IGBTと記す)である。本図は、本実施例のIGBTにおける単位の構成を示し、実際には電流容量に応じて、本構成が横方向に複数個、連続して配置される。
本図が示すように、p型ホールエミッタ層PEはn型バッファ層NBと縦方向で接し、両層はpn接合を形成する。n型バッファ層NBは、この層よりも不純物濃度が低いn型ドリフト層NDと縦方向で接する。n型バッファ層NBおよびn型ドリフト層NDは一つのn型半導体層を構成するが、n型バッファ層NBを設けずに、p型ホールエミッタ層PEとn型ドリフト層NDが接するようにしても良い。
n型ドリフト層ND内には複数のトレンチゲートTGが設けられる。各トレンチゲートTGは、n型ドリフト層NDにおけるトレンチ溝内にゲート酸化膜OXを介して設けられる絶縁ゲート電極である。
本実施例のIGBTは、図1に示す単位構成において、互いに隣接する一対のトレンチゲートTGの横方向で外側に位置する第1領域(W1/2)と、この一対のトレンチゲートTGの間に位置する第2領域(W2)を備える。なお、本図において、第1領域については、全領域の1/2を示している。従って、第1領域においては、この領域の横方向両側に、図示された一対のトレンチゲートTGの一方と図示されない他のトレンチゲートTGが位置し、かつこれらトレンチゲートTGの間隔はW1となる。なお、第2領域におけるトレンチゲートTGの間隔W2は、第1領域におけるトレンチゲートTGの間隔W1よりも広い。
本実施例においては、n型ドリフト層ND内に、図示された一対のトレンチゲートTGを含む複数のトレンチゲートが設けられる。そして、本実施例は、互い隣接する二つのトレンチゲートの間隔が異なる第1領域および第2領域を備え、第2領域におけるトレンチゲートの間隔が、第2領域におけるトレンチゲートの間隔よりも広くなっている。
第1領域では、n型ドリフト層NDに縦方向で接するp型ベース層PBが設けられ、p型ベース層PB内にはn型ソース層NSが設けられる。なお、トレンチゲートTGは、トレンチ溝内において、第1領域におけるn型ドリフト層ND,p型ベース層PBおよびn型ソース層NSの各表面上に跨って設けられている。
第2領域では、n型ドリフト層NDと接する複数のp型ウェル層PWが設けられる。各p型ウェル層PWの深さは、トレンチゲートTGが設けられるトレンチ溝よりも深い。本実施例においては、二つのp型ウェル層PWが互いに連結している。また、p型ウェル層PWとこれに隣接するトレンチゲートTGは、両者間にn型ドリフト層NDが介在することにより互いに離れている。
コレクタ電極COLは、p型ホールエミッタ層PEと、オーミック接触によって電気的に接続される。また、エミッタ電極EMTは、第1領域において、p型ベース層PBおよびn型ソース層NSと、オーミック接触によって電気的に接続される。第2領域において、p型ウェル層PWおよびn型ドリフト層NDは、層間絶縁膜INTによってエミッタ電極EMTと電気的に絶縁されている。なお、急峻に電圧が変化するとき、すなわちdv/dtが大のときに、IGBTの誤動作を防止するために、p型ウェル層PWの一部をエミッタ電極EMTと電気的に接続しても良い。
本実施例のIGBTのターンオンおよびターンオフ動作は、従来のIGBTと同様である。すなわち、電圧阻止状態において、トレンチゲートTGにエミッタ電極EMTに対し正のゲート電圧が印加されると、IGBTはターンオンして、コレクタ電極COLとエミッタ電極EMTの間に主電流が流れる。また、オン状態において、トレンチゲートTGをエミッタ電極EMTと同電位とするか、トレンチゲートTGにエミッタ電極EMTに対し負のゲート電圧が印加されると、IGBTはターンオフして電圧阻止状態となる。
本実施例によれば、第2領域において複数のp型ウェル層PWが設けられるため、すなわち図10に示した従来IGBTにおけるp型ウェル層を、幅を狭めた複数個のp型ウェル層に分けたことにより、層間絶縁膜INTとp型ウェル層PWの界面に、製造過程などにおいて欠陥準位が生じる領域を低減することができる。このため、再結合によるホール電流の減少を抑制でき、オン電圧を低減できる。また、本実施例によれば、p型ウェル層PWがトレンチゲートTGよりも深く、しかもトレンチゲートTGとこれに隣接するp型ウェル層PWの間隔を低減することができるので、トレンチ溝底部における電界が緩和される。これにより、ホットキャリアの発生を抑制できるので、IGBTの信頼性を向上することができる。
また、本実施例によれば、第2領域に設けられる複数のp型ウェル層PWが互いに連結されるので、第2領域における複数のp型ウェル層PWは、実質、各p型ウェル層PWよりも幅の広い一つのp型ウェル層として機能する。このため、n型ドリフト層内のキャリア濃度を増大する機能によりオン電圧が低減されるとともに、トレンチゲートの間隔が動作領域となる第1領域よりも広い第2領域を設けたことに伴う耐圧の低下を防止できる。
図2a〜eを用いて、図1に示したIGBTの製造方法を説明する。
図2aが示すように、まず、公知のイオン打ち込みにより、Si基板(例えば、厚さ約350μm)の一方の表面にリンイオンを打ち込み深さ約20μmのn型バッファ層NBを形成し、次に、Si基板の他方の表面にイオン打ち込みのマスクとなるレジストRESを形成する。レジストRESは、第2領域に設けるp型ウェル層PWの個数に応じた個数、本実施例では2個の開口を有する。この時のレジストの開口幅は0.3μm〜1.0μmであることが望ましい。なお、主に本イオン打ち込みにより、前述の欠陥準位が生じる。
次に、図2bが示すように、ボロンのイオン打ち込みにより深さ約10μmのp型ウェル層PWを形成する。この時、p型ウェル層PWによる、オン電圧低減効果,電界緩和効果,耐圧向上効果という観点からすると、p型ウェル層の不純物濃度の最大値は1016〜1018/cmの範囲内であることが好ましい。
次に、図2cが示すように、公知のドライエッチング法により深さ約5μmのトレンチ溝を形成し、公知の熱アニールによりゲート酸化膜OX(膜厚約100nm)を形成する。その後、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりポリシリコン膜を埋め込み、複数のトレンチゲートTGを形成する。ここで、p型ウェル層PWによるトレンチ溝底部における電界緩和効果をより高めるためには、トレンチゲートTGとこれに隣接するp型ウェル層PWの距離、すなわちトレンチゲートTGが設けられる溝内の側壁部とp型ウェル層PWの横方向端部との距離(図2c中のd)は2μm〜8μmの範囲内であることが好ましい。
次に、図2dが示すように、公知のイオン打ち込みにより、p型ベース層PB(層厚約3μm)を形成し、その後、ヒ素イオンを打ち込み深さ約1μmのn型ソース層NSを形成する。
次に、図2eが示すように、酸化シリコン膜からなる層間絶縁膜INT(膜厚約1μm)を形成した後、公知のホトエッチング法によりコンタクトホールCNTを形成する。
さらに、公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成した後、エミッタ電極EMT及びコレクタ電極COLを形成して、図1に示す構造のIGBTが製造される。
図1中、B−B’断面の不純物濃度分布を図3に示す。第2領域に2個のp型ウェル層PWを設けたので、図11に示した従来例と異なり、不純物濃度のピークが2ヶ所存在する。これは図2aに示したように、イオン打ち込み時のレジストマスクの開口を2ヶ所設けたためである。さらに、p型ウェル層PWを複数個形成するため、かつ本実施例ではp型ウェル層PW形成用のレジストマスクの開口幅が0.3μm〜1.0μmと狭いため、図4に示すように、層間絶縁膜INTとp型ウェル層PWの界面において欠陥準位DFTが生じる領域はp型ウェル層PWの一部となる。このため、第2領域全体において、欠陥準位DFTが生じる領域を低減することができる。
図5は本発明の実施例2である半導体装置の断面図を示す。実施例1と同様に、本半導体装置は縦型のIGBTである。また、図5は、図1と同様に、実施例2のIGBTにおける単位の構成を示し、電流容量に応じて本構成が横方向に複数個、連続して配置される。
本実施例のIGBTは、実施例1と同様に、第2領域において、互いに連結された複数のp型ウェル層PWが設けられる。また、本実施例においては、実施例1と異なり、幅広の溝内において、溝側壁部の表面上にゲート酸化膜OXを介して、サイドゲートSGおよびダミーゲートDGがそれぞれ第1領域および第2領域に設けられる。すなわち、サイドゲートSGは、第1領域において、溝内の側壁部および底部に位置し、ダミーゲートDGは、第2領域において、溝内の側壁部および底部に位置する。
このため、サイドゲートSGで挟まれた第1領域に、p型ベース層PBおよびn型ソース層NSが設けられ、ダミーゲートDGで挟まれた第2領域に、実施例1と同様に複数のp型ウェル層PWが設けられる。なお、サイドゲートSGおよびダミーゲートDGは、IGBTにおいては互いに分離され、それぞれ独立した絶縁ゲート電極である。サイドゲートSDはゲート制御回路に電気的に接続され、ダミーゲートDGはエミッタ電極EMTと電気的に接続される。
本実施例によれば、実施例1と同様に、第2領域において複数のp型ウェル層PWが設けられるため、欠陥準位が生じる領域が低減されて、オン電圧を低減できる。
さらに本実施例によれば、サイドゲートSDを適用しているため、ゲート電極とn型ドリフト層NDとの重なり面積が低減されるので、ゲート−コレクタ間の帰還容量を小さくできる。これによりスイッチングが高速になり、スイッチング損失を低減することができる。また、本実施例によれば、エミッタ電極EMTに接続されたダミーゲートDGを有するため、サイドゲートSG近傍の電位が変動しにくくなり、スイッチング時のノイズの発生を抑制することができる。
図6a〜eを用いて図5のIGBTの製造方法を説明する。
図6aに示すように、まず、図2aと同様に、n型バッファ層NBおよびレジストRESを形成する。
次に、図6bに示すように、図2bと同様に、p型ウェル層PWを形成する。
次に、図6cが示すように、公知のドライエッチング法により深さ約5μmの幅広の溝を形成し、公知の熱アニールによりゲート酸化膜OX(膜厚約100nm)を形成する。その後、公知のCVD(Chemical Vapor Deposition)法によりポリシリコン膜を形成し、サイドゲートSGおよびダミーゲートDGを形成する。
次に、図6dが示すように、図2dと同様に、p型ベース層PBおよびn型ソース層NSを形成する。
次に、図6eが示すように、図2eと同様に、層間絶縁膜INTを形成した後、コンタクトホールCNTを形成する。
さらに、公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成した後、エミッタ電極EMT及びコレクタ電極COLを形成し、図5に示す構造のIGBTが製造される。
上記のような製造方法によれば、図2a〜eに示した製造方法と同様に、p型ウェル層PWを複数個形成するため、かつp型ウェル層PW形成用のレジストマスクの開口幅が0.3μm〜1.0μmと狭いため、第2領域全体において、欠陥準位DFTが生じる領域を低減することができる。
図7は本発明の実施例3である半導体装置の断面図を示す。実施例1,2と同様に、本半導体装置は縦型のIGBTである。また、図7は、図1,5と同様に、実施例3のIGBTにおける単位の構成を示し、電流容量に応じて本構成が横方向に複数個、連続して配置される。
本実施例のIGBTは、実施例2と同様に、幅広の溝内において、サイドゲートSGおよびダミーゲートDGが設けられる。また、本実施例においては、第2領域においてp型ウェル層PWが複数設けられるが、実施例2とは異なり、各p型ウェル層PWは、ダミーゲートDGがゲート酸化膜OXを介して接する溝内側壁部に接する。なお、各p型ウェル層PWの深さは、p型ベース層PBの深さと実質同等であり、溝の深さよりも浅い。また、第2領域において、複数のp型ウェル層PWは、これらの間にn型ドリフト層NDが介在することにより、互いに連結されることなく、分離されている。
本実施例によれば、実施例1,2と同様に、第2領域において複数のp型ウェル層PWが設けられるため、欠陥準位が生じる領域が低減されて、オン電圧を低減できる。
また、本実施例によれば、実施例2と同様に、サイドゲートSDを適用しているため、ゲート−コレクタ間の帰還容量を小さくでき、かつエミッタ電極EMTに接続されたダミーゲートDGを有するため、サイドゲートSG近傍の電位が変動しにくくなる。
さらに、本実施例によれば、p型ウェル層PWが、ダミーゲートDGが接するトレンチ溝側壁に接するため、ダミーゲートDGの底部における電界を緩和でき、ホットキャリアの発生を抑制できる。
図8a〜dを用いて、図7のIGBTの製造方法を説明する。
まず、図8aが示すように、図2a,図6aと同様に、n型バッファ層NBを形成する。
次に、図8bが示すように、図6bと同様に、サイドゲートSGおよびダミーゲートDGを形成する。
次に、図8cが示すように、公知のイオン打ち込みにより、p型ベース層PBおよびp型ウェル層PW(共に層厚約3μm)を形成し、その後、ヒ素イオンを打ち込み深さ約1μmのn型ソース層NSを形成する。なお、p型ウェル層PW形成時のレジストマスクの開口幅は0.3μm〜1.0μmであることが望ましい。
次に、図8dが示すように、図6eと同様に、層間絶縁膜INTおよびコンタクトホールCNTを形成する。
さらに、公知のイオン打ち込みによりホールエミッタ層PEを形成した後、エミッタ電極EMT及びコレクタ電極COLを形成し、図7に示す構造のIGBTが製造される。
上記のような製造方法によれば、p型ウェル層PWを複数個形成するため、かつp型ウェル層PW形成用のレジストマスクの開口幅が0.3μm〜1.0μmと狭いため、第2領域全体において、欠陥準位DFTが生じる領域を低減することができる。さらに、図8dに示すように、p型ウェル層PWとp型ベース層PBを同じ工程で形成するので、製造工程を短縮することができる。
図9は本発明の実施例4である電力変換装置を示す。
本実施例の電力変換装置は、一対の直流端子であるP端子200,N端子201と、交流の相数と同数の交流端子であるU端子210,V端子211,W端子212を備える。直流端子間には直流電源Vccが接続され、交流端子には交流負荷としてモータ300が接続される。さらに、P端子200,N端子201のいずれかと、U端子210,V端子211,W端子212のいずれかとの間には、6個のIGBT101〜106のいずれかが接続される。IGBT101〜106には、それぞれダイオード111〜116が逆並列に接続される。ここで、IGBTとして、前述した実施例1〜3のいずれかが用いられる。
IGBT101〜106のゲートには、それぞれゲート回路121〜126が接続される。ゲート回路121〜126によってIGBT101〜106をオン・オフスイッチングすることにより、直流電源Vccの直流電力が交流電力に変換されて、交流端子から出力される。出力された交流電力により、モータ300が回転駆動される。
本実施例の電力変換装置においては、半導体スイッチング素子として、本発明による半導体装置である実施例1〜3のIGBTを用いることにより、故障や異常動作が起こり難くなる。すなわち、電力変換装置の信頼性が向上する。
本発明の実施形態は、上述した実施例に限らず、本発明の技術的思想の範囲内で、種々の実施形態や変形例が可能である。
例えば、各半導体層の導電型を反対導電型にして、pチャネル型のIGBTとしても良い。また、Si基板の厚さは約350μmに限るものではなく、要求される耐圧に応じて任意の厚さを選ぶことができる。また、トレンチ溝の深さも、約5μmに限るものではなく、IGBTの性能に応じて任意の深さを選ぶことができる。さらに、p型ウェル層PWの個数は2個に限らず、3個以上であってもよい。
また、n型バッファ層NBは20μmより深くしてもよいし、浅くしてもよい。20μmより深くした場合、n型ドリフト層NDの厚さを低減して、オン電圧を低減できる。また、n型バッファ層NBを20μmより浅くした場合、n型ドリフト層NDを厚くして耐圧を向上することができる。
また、ゲート絶縁膜OXの膜厚は約100nmとしたがこれに限るものではない。膜厚を薄くすれば、IGBTのチャネル抵抗が低減され、オン電圧を低減できる。また膜厚を厚くすれば、ゲート酸化膜の耐圧が向上し、半導体装置の信頼性が向上する。なお、オン電圧の低減と信頼性の向上はトレードオフの関係にあり、低オン電圧と高信頼性を両立させるためには、ゲート酸化膜の膜厚は50nm以上150nm以下であることが好ましい。
本発明の上記各実施例およびその変形例に係る実施形態によれば、ウェル層となる半導体層を複数設けることにより、製造過程などにおいて欠陥準位が生じる領域を低減することができる。このため、オン電圧を低減できる。また、ゲートとウェル層となる半導体層との間隔を低減することができるので、トレンチ溝底部における電界が緩和される。これにより、ホットキャリアの発生を抑制できるので、半導体装置の信頼性を向上することができる。
ND…n型ドリフト層
NB…n型バッファ層
NS…n型ソース層
PE…p型ホールエミッタ層
PB…p型ベース層
PW…p型ウェル層
TG…トレンチゲート
SG…サイドゲート
DG…ダミーゲート
OX…ゲート酸化膜、
INT…層間絶縁膜
DFT…欠陥準位
EMT…エミッタ電極
COL…コレクタ電極
101〜106…IGBT
111〜116…ダイオード
121〜126…ゲート回路
200…P端子
201…N端子
210…U端子
211…V端子
212…W端子
300…モータ

Claims (4)

  1. 第1導電型の第1半導体層と、
    前記第1半導体層に接する第2導電型の第2半導体層と、
    前記第2半導体層における複数の溝内に設けられる複数の絶縁ゲートと、
    互いに隣接する前記絶縁ゲートの間隔が異なる、第1領域および第2領域と、
    を備え、
    前記第2領域における前記絶縁ゲートの間隔は、前記第1領域における前記絶縁ゲートの間隔よりも広く、
    前記第1領域においては、前記第2半導体層に接する前記第1導電型の第3半導体層と、前記第3半導体層内に位置する前記第2導電型の第4半導体層と、が設けられ、
    前記第2領域においては、前記第2半導体に接する前記第1導電型の複数の第5半導体層が設けられ、
    前記第1半導体に電気的に接続される第1電極と、
    前記第3半導体層および前記第4半導体層に電気的に接続される第2電極と、
    を備え
    前記絶縁ゲートと前記第5半導体層との間に介在する前記第2半導体層によって、前記絶縁ゲートと前記第5半導体層は互いに離れ、
    前記複数の第5半導体層は前記溝よりも深く、
    前記複数の第5半導体層は互いに連結し、
    前記第2領域において、前記複数の第5半導体層は、絶縁膜によって前記第2電極と絶縁され、
    互いに連結する前記複数の第5半導体層は、前記絶縁膜と前記複数の第5半導体層の界面に沿って、不純物濃度に複数のピークを有することを特徴とする半導体装置。
  2. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記絶縁ゲートと、前記絶縁ゲートに隣接する前記第5半導体層との間の距離は2μm〜8μmの範囲内であることを特徴とする半導体装置。
  3. 請求項1に記載の半導体装置において、
    前記第5半導体層の不純物濃度の最大値は10 16 〜10 18 /cm の範囲内であることを特徴とする半導体装置。
  4. 一対の直流端子と、
    交流の相数に等しい個数の複数の交流端子と、
    前記一対の直流端子と前記複数の交流端子の間に接続されるスイッチング素子と、
    を備え、
    前記スイッチング素子は請求項1に記載の半導体装置であることを特徴とする電力変換装置。
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