JP5572759B2 - ステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両 - Google Patents

ステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両 Download PDF

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Description

本発明は、車両のステアリング機構に設けられ、ステアリングの減衰力を調整するためのステアリングダンパについて、その減衰力を制御するステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両に関する。
最近では、鞍乗型車両の姿勢変化を安定させて操縦者の負担を軽減するために、ステアリングの減衰力を調節するためのステアリングダンパ制御装置を備えたものが増加している。このようなステアリングダンパ制御装置として、以下のようなものがある。
この種の第1の装置として、ステアリングと、ステアリングダンパと、調節機構と、リアストロークセンサと、制御部とを備えたものがある(例えば、特許文献1参照)。ステアリングは、車体に回動自在に支持されている。ステアリングダンパは、ステアリングの回動力に対して減衰力を与える。調節機構は、ステアリングダンパの減衰力を調節する。リアストロークセンサは、リアサスペンションのストローク量を検出する。制御部は、リアストロークセンサの出力に基づき、車両が減速中である場合には、定常走行時に比べてステアリングダンパの減衰力を大きくするように調節機構を操作する。
この第1の装置は、リアストロークセンサの出力に基づき減速中であると判断した場合には、ステアリングダンパの減衰力を増大させる。これにより、操縦者の意思に反してステアリングが路面の外乱を受ける等によって生じるキックバックを抑制することができる。その結果、減速中であっても車両の姿勢変化を抑制することができる。
また、この種の第2装置として、アクセルの操作量に応じて、減衰力を調節するステアリングダンパを備え、アクセルの開度が小さい場合には低速走行と判断して、減衰力を低く抑え、アクセルの開度が大きい場合には高速走行と判断して、減衰力を増大させるものがある(例えば、特許文献2参照)。
この第2の装置は、アクセルの操作量に基づいて走行状態を判断し、前輪が浮き上がりやすい状況で生じやすいステアリングが不安定になることを抑制することができる。その結果、加速中における車両の姿勢変化を抑制することができる。
また、この種の第3の装置として、加速度検出器と、制御部と、を備えているものがある(例えば、特許文献3参照)。加速度検出器は、車体の加速度を検知する。そして、制御部は、加速度が閾値を超えた場合にのみ、ステアリングダンパに減衰力を発生させる。
この第3の装置は、加速度が閾値以上となると前輪の荷重が低減してキックバックが生じ易くなるが、その際にステアリングダンパの減衰力を増大させてキックバックを抑制することができる。その結果、加速中における車両の姿勢変化を抑制することができる。
特開2009−126432号公報 特開2001−301682号公報 特開2002−302085号公報
しかしながら、このような構成を有する従来例の場合には、次のような問題がある。
すなわち、後輪が空転すると、前輪に対して後輪が左右に振られ、大きく車両の姿勢が変化することがある。これは特に路面の摩擦係数が低い場合、例えば、オフロード車が走行するような悪路におけるコーナリング中で生じやすく、後輪の駆動力が進行方向に対して大きくずれることになる。このような姿勢変化が生じると、後輪の駆動力が走行において無駄になり、特にレース走行などにおいては極めて大きな損失となる。
上述した従来の第1の装置は、リアサスペンションのストローク量に基づいて減速していることを判断し、ステアリングダンパの減衰力を高める。しかし、上述した状況では、リアサスペンションのストロークが縮む状況もあるので、上述したような状況には対処できない。
また、第2の装置は、アクセル開度に基づいて加速していることを判断し、ステアリングダンパの減衰力を高める。しかし、上述した状況でアクセル開度が小さい場合もあるので、やはり上述したような状況には対処できないことがある。
さらに、第3の装置は、加速度検出器の加速度が閾値を超えたことに基づいて、ステアリングダンパの減衰力を高める。しかし、上述した状況では加速度がゼロに近いこともあるので、対処することができないことがある。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、後輪の空転に起因する車両の姿勢変化を抑制することにより、後輪の駆動力を効率的に走行に利用することができるステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであって、後輪の空転に起因する車両の姿勢変化を抑制することにより、後輪の駆動力を効率的に走行に利用することができるステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両を提供することを目的とする。
本発明は、このような目的を達成するために、次のような構成をとる。
すなわち、請求項1に記載の発明は、ステアリングの減衰力を制御するステアリングダンパ制御装置において、ステアリングの減衰力を調整可能なダンパと、後輪の空転を検出する空転検出手段と、前記空転検出手段が空転を検出したときは、後輪が非空転のときにおける前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの減衰力を高く調節する減衰力調節手段と、を備えているものである。
[作用・効果]請求項1に記載の発明によれば、減衰力調節手段は、空転検出手段が後輪の空転を検出すると、減衰力調節手段により、後輪が空転していないときのダンパの減衰力よりも減衰力を高くする。したがって、ステアリングとダンパを軸にして後輪が横滑りすることを抑制することができ、車両の姿勢変化を抑制することができる。その結果、後輪の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、後輪の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
また、本発明において、前記空転検出手段は、前輪の回転数を検出する前輪回転数検出手段と、後輪の回転数を検出する後輪回転数検出手段と、前記前後輪の回転数の差分を算出する差分算出手段と、前記差分に基づいて空転が生じたことを判別する判別手段と、を備えていることが好ましい(請求項2)。前輪回転数検出手段と後輪回転数検出手段からの回転数に基づいて差分算出手段が前後輪の回転数の差分を算出する。この差分が大きい場合には、後輪が空転していることを示すので、判別手段は差分に基づいて空転を判別することができる。また、前後輪の回転数差に基づき空転を判別するので、変速機においてギア抜けが生じた場合であっても空転の誤検出を防止できる利点がある。
また、本発明において、前記判別手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記差分が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じたことを判別することが好ましい(請求項3)。予め記憶手段に第1の閾値を設定しておき、この第1の閾値と差分とに基づいて判別手段は空転が生じたことを判別することができる。第1の閾値を適宜設定することにより、ダンパの減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調整することができる。
また、本発明において、前記減衰力調節手段は、前記前後輪の回転数の差分に応じて減衰力を高めることが好ましい(請求項4)。回転数の差分に応じてダンパの減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
また、本発明において、前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、前記減衰力調節手段は、前記前後輪の回転数の差分が前記第2の閾値以上である場合には、減衰力を最大値にすることが好ましい(請求項5)。予め記憶手段に第2の閾値を設定しておき、差分が第2の閾値以上である場合には減衰力調節手段はダンパの減衰力を最大値にする。したがって、第2の閾値を適宜に設定することにより、ダンパの減衰力を最大値にするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調節することができる。
また、本発明において、前記空転検出手段は、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、前記回転数に基づいてエンジンの回転数上昇率を算出する上昇率算出手段と、前記回転数上昇率に基づいて空転が生じたことを判別する判別手段と、を備えていることが好ましい(請求項6)。エンジン回転数検出手段からのエンジンの回転数に基づいて、上昇率算出手段がエンジンの回転数上昇率を算出する。この回転数上昇率が大きい場合には、後輪が空転していることを示すので、判別手段は回転数上昇率に基づいて空転を判別することができる。
また、本発明において、前記判別手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記回転上昇率が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じたことを判別することが好ましい(請求項7)。予め記憶手段に第1の閾値を設定しておき、この第1の閾値と回転数上昇率とに基づいて判別手段は空転が生じたことを判別することができる。第1の閾値を適宜設定することにより、ダンパの減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調整することができる。
また、本発明において、前記減衰力調節手段は、前記回転数上昇率に応じて減衰力を高めることが好ましい(請求項8)。回転数上昇率に応じてダンパの減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
また、本発明において、エンジンの過回転を検出する過回転検出手段をさらに備えているとともに、前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、前記減衰力調節手段は、前記回転数上昇率が第2の閾値以上である場合、または、前記過回転検出手段が過回転を検出した場合には、減衰力を最大値にすることが好ましい(請求項9)。予め記憶手段に第2の閾値を設定しておき、回転数上昇率が第2の閾値以上である場合、または過回転数検出手段が過回転を検出した場合には減衰力調節手段はダンパの減衰力を最大値にする。したがって、第2の閾値を適宜に設定することにより、ダンパの減衰力を最大値にするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調節することができる。また、回転数上昇率が第2の閾値未満であったとしても、エンジンの回転数が過回転となった場合には、後輪の空転を伴うことがある。そこで、回転数上昇率が第2の閾値未満であったとしても、過回転検出手段が過回転を検出した場合には、ダンパの減衰力を最大値にするので、後輪の空転に起因する車両の姿勢変化を確度高く抑制することができる。
また、本発明において、前記空転検出手段は、スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサと、前記スロットル開度の変化率を求める変化率算出手段と、前記変化率に基づいて空転が生じることを推定する推定手段と、を備えていることが好ましい(請求項10)。スロットルポジションセンサからのスロットル開度に基づいて変化率算出手段が変化率を算出する。この変化率が大きい場合には、後輪が空転する確率が極めて高いので、推定手段は変化率に基づいて空転を推定することができる。したがって、実際に後輪の空転が始まる前にダンパの減衰力を高めるので、迅速に姿勢変化を抑制することができる。
また、本発明において、前記推定手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記変化率が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じることを推定することが好ましい(請求項11)。予め記憶手段に第1の閾値を設定しておき、この第1の閾値とスロットル開度の変化率とに基づいて推定手段は空転が生じることを推定することができる。第1の閾値を適宜設定することにより、ダンパの減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調整することができる。
また、本発明において、前記減衰力調節手段は、前記変化率に応じて減衰力を高めることが好ましい(請求項12)。スロットル開度の変化率に応じてダンパの減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
また、本発明において、前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、前記減衰力調節手段は、前記変化率が第2の閾値以上である場合には、減衰力を最大値にすることが好ましい(請求項13)。予め記憶手段に第2の閾値を設定しておき、スロットル開度の変化率が第2の閾値以上である場合には減衰力調節手段はダンパの減衰力を最大値にする。したがって、第2の閾値を適宜に設定することにより、ダンパの減衰力を最大値にするタイミングを調節することができる。したがって、車両の操縦性を調節することができる。
また、本発明において、前輪のサスペンションの圧力を検出する圧力検出手段と、前記圧力の下限値を予め記憶する圧力下限値記憶手段と、前記圧力検出手段で検出された圧力が前記下限値であって、所定時間の間、前記圧力が前記下限値を維持する場合には、前輪が接地状態から非接地状態へと変化したと判断する前輪非接地判断手段とをさらに備え、前記減衰力調節手段は、前記前輪非接地判断手段が非接地であると判断した場合には、前記ダンパの減衰力をゼロにすることが好ましい(請求項14)。圧力検出手段の検出圧力が下限値であって、所定時間の間、その値を維持する場合には、前輪非接地判断手段は、前輪が接地状態から非接地状態へと変化したと判断し、減衰力調節手段は、ダンパの減衰力をゼロにする。操縦者が意図的に車両をジャンプさせたりした場合には、操縦者はステアリングの舵角を大きりたいという要望がある。そこで、サスペンションの圧力に基づいて操縦者が意図的にジャンプさせたことを判断して、ステアリングが切りやすいようにできる。
また、請求項15に記載の鞍乗型車両は、請求項1から14のいずれかに記載のステアリングダンパ制御装置を備えたものである。
[作用・効果]請求項15に記載の発明によれば、後輪が空転していないときのダンパの減衰力よりも減衰力を高くするので、後輪が横滑りすることを抑制することができ、鞍乗型車両の姿勢変化を抑制できる。その結果、鞍乗型車両における後輪の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、鞍乗型車両における後輪の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
本発明に係るステアリングダンパ制御装置によれば、減衰力調節手段は、空転検出手段が後輪の空転を検出すると、減衰力調節手段により、後輪が空転していないときのダンパの減衰力よりも減衰力を高くする。したがって、ステアリングとダンパを軸にして後輪が横滑りすることを抑制することができ、車両の姿勢変化を抑制することができる。その結果、後輪の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、後輪の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
実施例1に係る自動二輪車の概略構成を示した側面図である。 ハンドルクラウン周辺の構成を示した一部破断正面図である。 MRダンパの構成を示す図であり、(a)はMRダンパの概略構成を示す縦断面図であり、(b)は分解斜視図であり、(c)は部分拡大断面図である。 実施例1に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。 サスペンション圧力変化率に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。 回転数差分の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。 ステアリングダンパ制御装置の動作を示したフローチャートである。 通常制御演算の動作を示したフローチャートである。 姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。 実施例2に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。 回転数変化率の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。 姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。 実施例3に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。 スロットル開度変化率の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。 姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施例1を説明する。
ここでは、本発明に係るステアリングダンパ制御装置を備えた鞍乗型車両として、自動二輪車を例にとって説明する。
(1)全体概略構成
図1は、実施例1に係る自動二輪車の概略構成を示した側面図であり、図2は、ハンドルクラウン周辺の構成を示した一部破断正面図である。
自動二輪車1は、前輪3と後輪5とを備えている。後輪5は、エンジン7が発生する駆動力によって回転駆動される。前輪3は、左右一対のフロントフォーク9L,9Rで回転可能に支持されている。フロントフォーク9L,9Rは、それらの上端部がハンドルクラウン11に連結されて支持されている。また、フロントフォーク9L,9Rの中間部は、アンダーブラケット13に連結されて支持されている。ハンドルクラウン11の上面には、左右一対のハンドルホルダ15L,15Rが設けられている。これらのハンドルホルダ15L,15Rによって、操縦者が操作するステアリングバー17が保持されている。ハンドルクラウン11とアンダーブラケット13とは、ステアリングシャフト19で連結されている。ステアリングシャフト19の下端は、アンダーブラケット13のステアリングシャフト受け部(不図示)によって、上方向に抜けないように係止されている。また、ステアリングシャフト19の上端は、ナット21でハンドルクラウン11に取り付けられている。
ステアリングシャフト19は、軸受23を介してヘッドパイプ25に回動自在に支持されている。ヘッドパイプ25は、車体フレーム27に連結されている。操縦者がステアリングバー17を操作すると、その操舵力がステアリングシャフト19を介して、フロントフォーク9L,9Rに伝達されて、前輪3が操舵される。
前輪3に設けられているディスクブレーキ29の近傍には、前輪3の回転数を検出する前輪車輪速センサ31が設けられている。後輪5に設けられているドリブンスプロケット33の近傍には、後輪5の回転数を検出する後輪車輪速センサ35が設けられている。また、エンジン7のクランクシャフト(不図示)付近には、エンジンの回転数を検出するエンジン回転数センサ37が設けられている。また、ステアリングバー17のアクセルグリップ(不図示)付近には、スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサ39が設けられている。フロントローク9Lには、フロントサスペンション40の圧力を検出するサスペンション圧力センサ41が設けられている。各センサの出力は、燃料タンク42の前部に設けられたコントローラ43に入力される。
(2)MRダンパの構成
ハンドルクラウン11の下側に、MRダンパ45が設けられている。このMRダンパ45は、操舵に伴うステアリングシャフト19の回転に対して減衰力を発生するものであり、磁性流体を用いたものである。ここで、図3を参照して、MRダンパ45の構成を説明する。なお、図3は、MRダンパの構成を示す図であり、(a)はMRダンパの概略構成を示す縦断面図であり、(b)は分解斜視図であり、(c)は部分拡大断面図である。
MRダンパ45は、アッパヨーク47と、ロアヨーク49と、磁性流体51と、磁場発生用コイル53とを備えている。磁性流体51は、アッパヨーク47とロアヨーク49との間に介在する。磁場発生用コイル53は、磁性流体51に対して磁場を与える。アッパヨーク47は、中心部にステアリングシャフト19が通る貫通孔55が形成されており、全体として環状になっている。このアッパヨーク47は、圧延鋼などの磁性材料で形成されている。
アッパヨーク47は、その底面に環状の凹溝57が穿たれている。この凹溝57は、磁場発生用コイル53を収容している。磁場発生用コイル53は、ステアリングの減衰力に応じた電流をコントローラ43から供給される。
ロアヨーク49は、アッパヨーク47と同様に、中心部にステアリングシャフト19が通る貫通孔59が形成されており、全体として環状になっている。ロアヨーク49も、アッパヨーク47と同様に圧延鋼などの磁性材料で形成されている。ロアヨーク49は、上面に環状の凹溝61が形成されている。この凹溝61は、アッパヨーク47が嵌め込まれる。
ロアヨーク49の凹部61は、その内側壁に、アルミニウム等の金属材料からなる円筒状のカラー63が嵌め付けられている。アッパヨーク47は、カラー63を介してロアヨーク49に対して回転可能に保持されている。なお、このカラー63に代えて、周知のころがり軸受を使用してもよいが、カラー63を用いると、MRダンパ45をより小型化することができる。
ロアヨーク49は、その凹溝61内に磁性流体51が収容されている。ロアヨーク49の凹溝61の底面と、アッパヨーク47の下面とが、磁性流体51を介在した状態で対向している。磁性流体51としては、例えば、カルボニル鉄を40%含むものが好適に用いられる。磁性流体51は、磁界を印加されると粘度が向上し、MRダンパ45の減衰力は大きくなる。なお、磁性流体51は、磁界を印加されない状態においても一定の粘度を有しており、MRダンパ45は、磁界を印加されない状態において最小の減衰力を発生する。
アッパヨーク47とロアヨーク49との間に形成される内外の環状の各隙間には、Oリング65,67が嵌め付けられている。Oリング65,67は、磁性流体51の漏れを防ぐとともに、MRダンパ45内への塵埃などの侵入を防止する。
ロアヨーク49は、ヘッドパイプ25に連結され、アッパヨーク47は、ハンドルクラウン11に連結されている。つまり、ロアヨーク49が車体側に連結され、アッパヨーク47がステアリングバー17に連結されている。その結果、ステアリングバー17が操作されると、アッパヨーク47とロアヨーク49との間に介在する磁性流体51が、その粘度に応じた抵抗力を発生し、この抵抗力がステアリングの減衰力となってステアリングバー17に作用する。
なお、上述したMRダンパ45が本発明における「ダンパ」に相当する。
(3)コントローラの構成
図4を参照して、コントローラ43について詳細に説明する。なお、図4は、実施例1に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。
コントローラ43は、通常制御部71と、姿勢変化対応制御部73と、減衰力調整部75と、ダンパ駆動部77とを備えている。
通常制御部71は、後輪5が空転を起こしていない通常状態においてMRダンパ45の制御を行うための減衰力指令値を求める。姿勢変化対応制御部73は、後輪5が空転を生じて姿勢が変化する恐れがある場合においてMRダンパ45の制御を行うための減衰力指令値を求める。減衰力調整部75は、通常制御部71と姿勢変化対応制御部73とから与えられる減衰力指令値のいずれか一方の指令値に基づいて、ダンパ駆動部77を制御する。ダンパ駆動部77は、減衰力指令値に基づく駆動電流をMRダンパ45の磁場発生用コイル53に対して出力する。なお、通常制御部69は、後述するように、MRダンパ45の減衰力を最小値にするキャンセル信号も出力する。
通常制御部71は、圧力変化率算出部79と、指令値出力部81と、非接地判断部83と、非接地関連メモリ85とを備えている。
圧力変化率算出部79は、サスペンション圧力センサ41からの圧力信号に基づいて、フロントサスペンション40の圧力変化率を算出する。算出された圧力変化率は、指令値出力部81に与えられる。指令値出力部81は、予め記憶された参照テーブル81aに基づいて、減衰力指令値を決定する。
ここで、図5を参照する。なお、図5は、サスペンション圧力変化率に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。
圧力変化率がゼロである場合には、自動二輪車1が安定して走行している場合を示す。例えば、平坦な道路を走行している場合など、フロントサスペンション40がある程度収縮した状態で、かつ、収縮も伸長もしないような安定した状態であることを示す。また、圧力変化率が負である場合は、収縮したフロントサスペンション40が伸長しつつある場合を示す。一方、圧力変化率が正である場合は、伸長したフロントサスペンション40が収縮しつつある場合を示す。
減衰力指令値算出用テーブル81aは、予め次のように設定されている。サスペンション変化率が負から0までの範囲においては、減衰力指令値を最小値に設定する。つまり、フロントサスペンション40が収縮も伸長もせず安定している場合や、収縮した状態から伸長しつつある場合には、減衰力指令値を最小値にして、ステアリングバー17を回転させ易くする。また、サスペンション変化率が0を超える正の範囲においては、減衰力指令値を一定の割合で徐々に高める。つまり、フロントサスペンション40が伸長した状態から収縮しつつある場合には、減衰力指令値を大きくして、ステアリングバー17を回転させにくくする。サスペンション変化率が一定値を超える場合には、減衰力指令値が最大値で一定にする。指令値出力部81は、圧力変化率算出部79から与えられたサスペンション変化率と、上記の減衰力指令値算出用テーブル81aとに基づいて、減衰力指令値を減衰力調整部75に出力する。
非接地判断部83は、フロントサスペンション40の圧力を示すサスペンション圧力センサ41の出力に基づいて、前輪3が地面に接地しているか否かを判断する。その際には、非接地関連メモリ75を参照する。この非接地関連メモリ75は、圧力の下限値と、非接地を判断するための所定時間とを予め記憶されている。非接地判断部83は、サスペンション圧力センサ41の圧力信号を監視し、その圧力信号が、所定時間にわたって圧力の下限値に達しているか否かで前輪3の非接地を判断する。これは、自動二輪車1の操縦者が意図的にジャンプを行っているか否かを判断するためである。意図的に自動二輪車1をジャンプさせると、通常走行時に比べて長時間にわたり前輪3が浮いた状態になる。すると、フロントサスペンション40が最大限に伸長した状態となって、サスペンション40の圧力がある値を一定時間維持する。これを圧力の下限値と、所定時間とで判断する。非接地判断部83は、非接地であると判断すると、キャンセル信号を減衰力調整部75に対して出力する。
なお、上述したサスペンション圧力センサ41が本発明における「圧力検出手段」に相当し、非接地関連メモリ85が本発明における「圧力下限値記憶手段」に相当し、非接地判断部83が本発明における「前輪非接地判断手段」に相当する。
姿勢変化対応制御部73は、回転数差分算出部87と、指令値出力部89とを備えている。
回転数差分算出部87は、前輪車輪速センサ31と後輪車輪速センサ35との出力に基づいて前輪3と後輪5の回転数の差分を算出する。算出された回転数差分は、指令値出力部89に与えられる。指令値出力部89は、その回転数差分の絶対値と、予め記憶された減衰力指令値算出用テーブル89aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。
ここで、図6を参照する。なお、図6は、回転数差分の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。
判断基準を回転数差分の「絶対値」としたのは、自動二輪車1の加速中に後輪5が空転した場合と、後輪5がロックして空転している場合の両方に対応するためである。回転数差分の絶対値がゼロである場合は、前輪3と後輪5との車輪速が同じであり、後輪5に空転が生じていないことを示す。回転数差分の絶対値がある大きさになると、前輪3と後輪5の回転数差が大きくなって、後輪5が僅かに空転を始めたことを示す。回転数差分の絶対値がさらに大きくなると、後輪5が大きく空転を始めたことを示す。
減衰力指令値算出用テーブル81aは、予め次のように設定されている。回転数差分の絶対値がある大きさまでは、後輪5が空転を始めても、後輪5がヘッドパイプ25を中心にして大きく横方向へ移動するような姿勢の変化は生じにくい。したがって、回転数差分の絶対値がある大きさになるまでは、減衰力指令値をゼロのままにする。そして、回転数差分の絶対値がさらに大きくなると、後輪5の空転が自動二輪車1の姿勢変化に大きく影響を与えることになる。具体的には、後輪5が大きく横方向へ移動してしまい、後輪5の駆動力が進行方向に対して大きくズレ始めることになる。そこで、回転数差分の絶対値が第1の閾値WD1に達すると、ここから第2の閾値WD2まで一定の割合で減衰力指令値を高くしてゆく。これにより、後輪5の空転が大きくなるにつれて、MRダンパ45の減衰力が大きくされる。その結果、後輪5が大きく横方向へずれてゆくのを抑制することができる。そして、回転数差分の絶対値が第2の閾値WD2以上になると、減衰力指令値を最大値に固定する。このようにして指令値出力部89は、回転数差分算出部87から与えられた回転数差分の絶対値と、上記の減衰力指令値算出用テーブル89aとに基づいて、減衰力指令値を減衰力調整部75に出力する。
減衰力調整部75は、通常制御部71からの減衰力指令値と、通常制御部71からのキャンセル信号と、姿勢変化対応制御部73からの減衰力指令値とを与えられる。減衰力調整部75は、後述する空転検出フラグに基づき、二つの減衰力指令値のいずれか一方をダンパ駆動部77に与える。一方、キャンセル信号を受けた場合には、現時点でダンパ駆動部77に与えている減衰力指令値をキャンセルして、最小の減衰力指令値をダンパ駆動部77に与える。ダンパ駆動部77は、MRダンパ45の磁場発生用コイル53に対して、減衰力指令値に応じた電流値を出力する。
なお、上述した前輪車輪速センサ31と、後輪車輪速センサ35と、回転数差分算出部87と、指令値出力部89とが本発明における「空転検出手段」に相当し、ダンパ駆動部77が本発明における「減衰力調節手段」に相当する。また、前輪車輪速センサ31が本発明における「前輪回転数検出手段」に相当し、後輪車輪速センサ35が本発明における「後輪回転数検出手段」に相当し、回転数差分算出部87が本発明における「差分算出手段」に相当し、指令値出力部89が本発明における「判別手段」及び「記憶手段」に相当する。また、上述した減衰力指令値算出用テーブル89aにおける第1の閾値WD1と第2の閾値WD2とが本発明における「第1の閾値」と「第2の閾値」に相当する。
(4)ステアリングダンパ制御装置の動作
図7〜図9を参照して動作について説明する。なお、図7は、ステアリングダンパ制御装置の動作を示したフローチャートである。また、図8は、通常制御演算の動作を示したフローチャートであり、図9は、姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。
ステップS1
コントローラ43の初期化を行う。具体的には、減衰力調整部75に与える減衰力指令値を最小値のゼロにする。これにより、MRダンパ45には減衰力が生じない状態とされる。
ステップS2
通常制御のための演算処理を行う。
ここで、図8を参照する。
ステップS21,S22
通常制御部71は、フロントサスペンション40の圧力をサスペンション圧力センサ41から取得する。そして、圧力変化率算出部79からの圧力変化率と、上述した減衰力指令値算出用テーブル81aとに基づいて減衰力指令値を決定する。
ステップS3
上記の通常制御と並行して、姿勢変化対応制御演算を行う。
ここで、図9を参照する。
ステップS31,S32
回転数差分算出部87は、前輪車輪速センサ31と後輪車輪速センサ35とから信号を受け取り、前輪3と後輪5の車輪速の差分を算出する。
ステップS33〜S35
指令値出力部89は、前後輪の回転数の差分の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル89aとに基づいて処理を分岐する。具体的には、回転数差分の絶対値が第1の閾値WD1を超えているか否かで処理を分岐する。第1の閾値WD1を超えていない場合には、図7のステップS4に分岐する。一方、第1の閾値WD1を超えている場合には、回転数差分の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル89aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。そして、空転を検出したことを示す空転検出フラグをONにした後、図7のステップS4に戻る。
ここで図7に戻る。
ステップS4
空転検出フラグの状態に応じて処理を分岐する。具体的には、空転検出フラグがONである場合には、ステップS7に分岐し、空転検出フラグがOFFである場合には、ステップS5に分岐する。ここでは、まず空転検出フラグがOFFである場合について説明する。
ステップS5
空転検出フラグがOFFであるので、後輪5に空転は生じていないか、生じていても姿勢に変化を与えない僅かな空転である。そこで、この場合には、通常制御部71の減衰力指令値を採用する。
ステップS6
減衰力調整部75は、この時点で採用されている減衰力指令値をダンパ駆動部77に与える。
次に、空転検出フラグがONである場合について説明する。
ステップS7,S8
空転検出フラグがONであるので、姿勢変化に影響を与える空転が後輪5に生じている。そこで、この場合には、姿勢変化対応制御部73の減衰力指令値を採用する。そして、空転検出フラグをOFFにする。
ステップS9,S10
前輪3が非接地の状態であり、非接地判断部83からキャンセル信号が出力されている場合には、減衰力指令値として最小値であるゼロを採用する。これにより、自動二輪車1の操縦者が意図的にジャンプを行っている際には、ステアリングバー17を大きく切りやすくすることができる。前輪3が接地の状態であり、非接地判断部83からキャンセル信号が出力されていない場合には、ステップS6に移行する。
本実施例に係るステアリングダンパ制御装置は、指令値出力部89が後輪5の空転を検出すると、ダンパ駆動部77により、後輪5が空転していないときのMRダンパ45の減衰力よりも減衰力を高くする。したがって、ヘッドパイプ25を軸として後輪5が横滑りすることを抑制することができ、自動二輪車1の姿勢変化を抑制することができる。その結果、後輪5の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、後輪5の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
また、前輪3と後輪5からの回転数に基づいて回転数差分算出部87が前後輪の回転数の差分を算出する。この差分が大きい場合には、後輪5が空転していることを示すので、指令値出力部89は差分に基づいて空転を判別することができる。また、前後輪の回転数差に基づき空転を判別するので、エンジン7においてギア抜けが生じた場合であっても空転の誤検出を防止できる利点がある。
また、予め減衰力指令値算出用テーブル89aに第1の閾値WD1を設定しておき、この第1の閾値WD1と差分とに基づいて指令値出力部89aは空転が生じたことを判別することができる。第1の閾値WD1を適宜設定することにより、MRダンパ45の減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、自動二輪車1の操縦性を調整することができる。
また、減衰力指令値算出用テーブル89aに示すように、第1の閾値WD1から第2の閾値WD2まで減衰力指令値を回転数差分に応じてMRダンパ45の減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
また、減衰力指令値算出用テーブル89aにおける第2の閾値WD2を適宜に設定することにより、MRダンパ45の減衰力を最大値にするタイミングを調節することができる。したがって、自動二輪車1の操縦性を調節することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例2を説明する。
図10は、実施例2に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
(1)コントローラの構成
本実施例2におけるコントローラ43Aは、通常制御部71と、姿勢変化対応制御部73Aと、減衰力調整部75と、ダンパ駆動部77とを備えている。上述した実施例1とは、姿勢変化対応制御部73Aが相違する。
姿勢変化対応制御部73Aは、回転数変化率算出部91と、指令値出力部93とを備えている。
姿勢変化対応制御部73Aの回転数変化率算出部91は、エンジン回転数センサ37の出力に基づいてエンジン7の回転数の変化率を算出する。具体的には、エンジン回転数センサ37から逐次出力されてくるエンジン回転数の移動平均値を算出し、現在のエンジン回転数との差分を算出し、これを変化率とする。このようにして算出された回転数の変化率は、指令値出力部93に与えられる。指令値出力部93は、その回転数変化率の絶対値と、予め記憶された減衰力指令値算出用テーブル93aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。
また、指令値出力部93は、エンジン7の過回転も検出可能に構成されている。例えば、指令値出力部93には、点火パルスの信号が与えられており、この点火パルスを監視することにより、エンジン7が過回転であるか否かを判断することができるようになっている。具体的には、エンジン7が過回転となった場合、点火パルスが間引かれる等の点火制御が行われる。したがって、点火パルスを監視することにより、エンジン7が過回転状態となったか否かを判断することができる。指令値出力部93は、回転数変化率がどのような状態であっても、過回転を検出した場合には、減衰力指令値を最大に設定する。
ここで、図11を参照する。なお、図11は、回転数変化率の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。
判断基準を回転数変化率の「絶対値」としたのは、自動二輪車1の加速中と減速中との両方に対応するためである。回転数変化率の絶対値がゼロである場合には、一定速度で走行していることを示す。回転数変化率の絶対値がある大きさになると、後輪5のグリップ力を超え始め、後輪5が僅かに空転を始めたことを示す。回転数変化率の絶対値がさらに大きくなると、後輪5が大きく空転を始めたことを示す。
減衰力指令値算出用テーブル93aは、予め次のように設定されている。
回転数変化率の絶対値がある大きさまでは、後輪5が空転を始めても、後輪5がヘッドパイプ25を中心にして大きく横方向へ移動するような姿勢変化が生じ難い。したがって、回転数変化率の絶対値がある大きさになるまでは、減衰力指令値をゼロのままにする。そして、回転数変化率の絶対値がさらに大きくなると、後輪5の空転が自動二輪車1の姿勢変化に大きく影響を与えることになる。具体的には、後輪5が大きく横方向へ移動して、後輪5の駆動力が進行方向から大きくズレ始めることになる。そこで、回転数変化率の絶対値が第1の閾値RD1に達すると、ここから第2の閾値WD2まで徐々に減衰力指令値を高くしてゆく。これにより、後輪5の空転が大きくなるしたがって、MRダンパ45の減衰力が大きくされる。その結果、後輪5が大きく横方向へずれてゆくのを抑制することができる。そして、回転数変化率の絶対値が第2の閾値RD2以上になると、減衰力指令値を最大値に固定する。このようにして指令値出力部93は、回転数変化率算出部91から与えられた回転数変化率の絶対値と、上記の減衰力指令値算出用テーブル93aとに基づいて、減衰力指令値を減衰力調整部75に対して出力する。
なお、上述したエンジン回転数センサ37と、回転数変化率算出部91と、指令値出力部93とが本発明における「空転検出手段」に相当する。また、エンジン回転数センサ37が本発明における「エンジン回転数検出手段」に相当し、回転数変化率算出部91が本発明における「上昇率算出手段」に相当し、指令値出力部93が本発明における「判別手段」及び「記憶手段」に相当する。また、上述した減衰力指令値算出用テーブル93aにおける第1の閾値RD1と第2の閾値RD2とが本発明における「第1の閾値」と「第2の閾値」に相当する。また、指令値出力部93が本発明における「過回転検出手段」に相当する。
(2)ステアリングダンパ制御装置の動作
図12を参照して動作について説明する。なお、図12は、姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。ステアリングダンパ制御装置の全体動作については、上述した図7のフローチャートと同じであり、通常制御演算の動作も上述した図8のフローチャートと同じであるので、ここでの詳細な説明については省略する。
ステップS41〜S43
回転数変化率算出部91は、エンジン回転数センサ37からエンジン7の回転数を受け取り、移動平均値を算出した後、移動平均値と現在の回転数との差分から回転数変化率を算出する。
ステップS44〜S46
指令値出力部93は、回転数変化率の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル93aとに基づいて処理を分岐する。具体的には、回転数変化率の絶対値が第1の閾値RD1を超えているか否かで処理を分岐する。第1の閾値RD1を超えている場合には、回転数変化率の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル93aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。そして、空転を検出したことを示す空転検出フラグをONにした後、図7のステップS4に戻る。
ステップS47,S48
一方、回転数変化率の絶対値が第1の閾値RD1を超えていない場合には、指令値出力部93は、エンジン7の過回転であるか否かを判断して処理を分岐する。具体的には、過回転であると判断した場合は、減衰力指令値を最大に設定した後、ステップS46へ移行する。一方、過回転でないと判断した場合は、図7のステップS4に戻る。
本実施例に係るステアリンダンパ制御装置によると、上述した実施例1と同様に、後輪5の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、後輪5の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
また、エンジン回転数センサ37からのエンジン7の回転数に基づいて、回転数変化率算出部91がエンジン7の回転数上昇率を算出する。この回転数上昇率が大きい場合には、後輪5が空転していることを示すので、指令値出力部93は回転数上昇率に基づいて空転を判別することができる。
また、予め減衰力指令値算出用テーブル93aに第1の閾値RD1を設定しておき、この第1の閾値RD1と回転数上昇率の絶対値とに基づいて指令値出力部93は空転が生じたことを判別することができる。第1の閾値RD1を適宜設定することにより、MRダンパ45の減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、自動二輪車1の操縦性を調整することができる。また、回転数上昇率に応じてMRダンパ45の減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
さらに、予め減衰力指令値算出用テーブル93aに第2の閾値RD2を設定しておき、回転数上昇率の絶対値が第2の閾値RD2以上である場合、または指令値出力部93がエンジン7の過回転を検出した場合にはダンパ駆動部77はMRダンパ45の減衰力を最大値にする。したがって、第2の閾値RD2を適宜に設定することにより、MRダンパ45の減衰力を最大値にするタイミングを調節することができるので、自動二輪車1の操縦性を調節することができる。また、回転数上昇率が第2の閾値RD2未満であったとしても、エンジン7の回転数が過回転となった場合には、後輪5の空転を伴うことがある。そこで、回転数上昇率が第2の閾値RD2未満であったとしても、指令値出力部91がエンジン7の過回転を検出した場合には、MRダンパ45の減衰力を最大値にするので、後輪5の空転に起因する自動二輪車1の姿勢変化を確度高く抑制することができる。
次に、図面を参照して本発明の実施例3を説明する。
図13は、実施例3に係るステアリングダンパ制御装置の概略構成を示したブロック図である。なお、上述した実施例1と同じ構成については同符号を付すことにより詳細な説明については省略する。
(1)コントローラの構成
本実施例3におけるコントローラ43Bは、通常制御部71と、姿勢変化対応制御部73Bと、減衰力調整部75と、ダンパ駆動部77とを備えている。上述した実施例1とは、姿勢変化対応制御部73Bが相違する。
姿勢変化対応制御部73Bのスロットル開度変化率算出部95は、スロットルポジションセンサ39の出力に基づいてスロットル開度の変化率を算出する。算出されたスロットル開度変化率は、指令値出力部97に出力される。指令値出力部97は、そのスロットル開度変化率の絶対値と、予め記憶された減衰力指令値算出用テーブル97aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。
ここで図14を参照する。なお、図14は、スロットル開度変化率の絶対値に応じた減衰力指令値算出用テーブルを模式的に示した図である。
判断基準をスロットル開度変化率の「絶対値」としたのは、自動二輪車1の加速中(スロットル開時)と減速中(スロットル閉時)との両方に対応するためである。スロットル開度変化率の絶対値がゼロである場合には、一定速度で走行していることを示す。スロットル開度変化率の絶対値がある大きさになると、エンジン7が急激に回転数を増すか、逆に急激に回転数を落とすので、後輪5のグリップ力を超え始め、後輪5が僅かに空転を始める恐れがあることを示す。スロットル開度変化率の絶対値がさらに大きくなると、後輪5が大きく空転を始める恐れがあることを示す。
減衰力指令値算出用テーブル97aは、予め次のように設定されている。
スロットル開度変化率がある大きさまでは、後輪5が空転を始めても、後輪5がヘッドパイプ25を中心にして大きく横方向へ移動するような姿勢変化が生じがたい。したがって、スロットル開度変化率の絶対値がある大きさになるまでは、減衰力指令値をゼロのままとする。そして、スロットル開度変化率の絶対値がさらに大きくなると、後輪5の空転が自動二輪車1の姿勢変化に大きく影響を与えることになる。具体的には、後輪5が大きく横方向へ移動して、後輪5の駆動力が進行方向から大きくズレ始める恐れがある。そこで、スロットル開度変化率の絶対値が第1の閾値SD1に達すると、ここから第2の閾値SD2まで一定の割合で減衰力指令値を高くしてゆく。これにより、後輪5が空転する恐れが大きくなるにしたがって、MRダンパ45の減衰力が大きくされる。その結果、後輪5が大きく横方向へずれてゆくのを抑制することができる。そして、スロットル開度変化率の絶対値が第2の閾値SD2以上になると、減衰力指令値を最大値に固定する。こののようにして指令値出力部97は、スロットル開度変化率算出部95から与えられたスロットル開度変化率の絶対値と、上述した減衰力指令値算出用テーブル97aとに基づいて、減衰力指令値を減衰力調整部75に対して出力する。
なお、上述したスロットルポジションセンサ39と、スロットル開度変化率算出部95と、指令値出力部97とが本発明における「空転検出手段」に相当する。また、スロットル開度変化率算出部95が本発明における「変化率算出手段」に相当し、指令値出力部97が本発明における「推定手段」及び「記憶手段」に相当する。また、上述した減衰力指令値算出用テーブル97aにおける第1の閾値SD1と第2の閾値SD2とが本発明における「第1の閾値」と「第2の閾値」に相当する。
(2)ステアリングダンパ制御装置の動作
図15を参照して動作について説明する。なお、図15は、姿勢変化対応制御演算の動作を示したフローチャートである。ステアリングダンパ制御装置の全体動作については、上述した図7のフローチャートと同じであり、通常制御演算の動作も上述した図8のフローチャートと同じであるので、ここでの詳細な説明については省略する。
ステップS51,S52
スロットル開度変化率算出部95は、スロットルポジションセンサ39からの信号を受け取り、変化率を算出する。
ステップS53〜S55
指令値出力部97は、スロットル開度変化率の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル97aとに基づいて処理を分岐する。具体的には、スロットル開度変化率の絶対値が第1の閾値SD1を超えているか否かで処理を分岐する。スロットル開度変化率の絶対値が第1の閾値SD1を超えている場合は、スロットル開度変化率の絶対値と、減衰力指令値算出用テーブル97aとに基づいて、減衰力指令値を決定する。そして、空転を検出したことを示す空転検出フラグをONにした後、図7のステップS4に戻る。また、スロットル開度変化率の絶対値が第1の閾値SD1を超えてない場合は、図7のステップS4に戻る。
本実施例に係るステアリンダンパ制御装置によると、上述した実施例1,2と同様に、後輪5の駆動力が進行方向からずれるのを抑制でき、後輪5の駆動力を効率的に走行に利用することができる。
また、スロットルポジションセンサ39からのスロットル開度に基づいてスロットル開度変化率算出部95がその変化率を算出する。このスロットル開度変化率が大きい場合には、後輪5が空転する確率が極めて高いので、指令値出力部97はスロットル開度変化率に基づいて後輪5の空転を推定することができる。したがって、実際に後輪5の空転が始まる前にMRダンパ45の減衰力を高めるので、迅速に姿勢変化を抑制することができる。
また、予め減衰力指令値算出用テーブル97aに第1の閾値SD1を設定しておき、この第1の閾値SD1とスロットル開度の変化率とに基づいて指令値出力部97は後輪5に空転が生じることを推定することができる。第1の閾値SD1を適宜設定することにより、MRダンパ45の減衰力を高くするタイミングを調節することができる。したがって、自動二輪車1の操縦性を調整することができる。また、スロットル開度の変化率に応じてMRダンパ45の減衰力を高めるので、姿勢変化を抑制しつつも、操縦者に不自然さを与えにくくすることができる。
また、予め減衰力指令値算出用テーブル97aに第2の閾値SD2を設定しておき、スロットル開度の変化率が第2の閾値SD2以上である場合には指令値出力部97はMRダンパ45の減衰力を最大値にする。したがって、第2の閾値SD2を適宜に設定することにより、MRダンパ45の減衰力を最大値にするタイミングを調節することができる。したがって、自動二輪車1の操縦性を調節することができる。
本発明は、上記実施形態に限られることはなく、下記のように変形実施することができる。
(1)上述した各実施例1〜3では、前輪3が非接地か否かの判断を行って、非接地である場合にはMRダンパ45の減衰力をゼロにするようにした。しかし、本発明はこのような構成を必ずしも備える必要はなく、省略することでコストを抑制するようにしてもよい。
(2)上述した各実施例1〜3では、前後輪の回転数の差分、回転数上昇率、スロットル開度変化率に応じて減衰力指令値を高めてゆく構成としている。しかし、本発明は、このような構成に限定されるものではない。例えば、前後輪の回転数の差分、回転数上昇率、スロットル開度変化率が閾値を超えた時点で減衰力指令値を最大値にするようにしてもよい。これにより制御を簡易化することができる。
(3)上述した各実施例1〜3では、減衰力を調整するためにMRダンパ45を用いたが、本発明はこの構成に限定されるものではない。例えば、油圧式のダンパを用いて、減衰力指令値に応じてオリフィス経を調整することにより、MRダンパ45を用いた場合と同様の効果を奏する。
(4)上述した各実施例1〜3では、MRダンパ45の減衰力を通常時に最小値であるゼロとしたが、ある程度の大きさの減衰力を与えた状態を通常時としてもよい。これにより、通常時には操舵力が必要となるが、直線走行時におけるステアリングバー17のブレを抑制することができる。
(5)上述した各実施例1〜3では、鞍乗型車両として自動二輪車1を例にとって説明した。しかし、本発明は、自動二輪車1の他に、例えば、前輪または後輪が2輪の三輪バイクなどのエンジンを搭載して人がまたがった状態で乗車可能な車両であれば適用可能である。
以上のように、本発明は、車両のステアリング機構に設けられ、ステアリングの減衰力を調整するためのステアリングダンパ制御装置及びそれを備えた鞍乗型車両に適している。
1 … 自動二輪車
3 … 前輪
5 … 後輪
7 … エンジン
9,9R … フロントフォーク
17 … ステアリングバー
25 … ヘッドパイプ
31 … 前輪車輪速センサ
35 … 後輪車輪速センサ
37 … エンジン回転数センサ
39 … スロットルポジションセンサ
40 … フロントサスペンション
41 … サスペンション圧力センサ
43 … コントローラ
45 … MRダンパ
71 … 通常制御部
73 … 姿勢変化対応制御部
75 … 減衰力調整部
77 … ダンパ駆動部
79 … 圧力変化率算出部
81 … 指令値出力部
81a … 減衰力指令値算出用テーブル
83 … 非接地判断部
85 … 非接地関連メモリ
87 … 回転数差分算出部
89 … 指令値出力部
89a … 減衰力指令値算出用テーブル
WD1 … 第1の閾値
WD2 … 第2の閾値

Claims (15)

  1. ステアリングの減衰力を制御するステアリングダンパ制御装置において、
    ステアリングの減衰力を調整可能なダンパと、
    後輪の空転を検出する空転検出手段と、
    前記空転検出手段が空転を検出したときは、後輪が非空転のときにおける前記ダンパの減衰力よりも前記ダンパの減衰力を高く調節する減衰力調節手段と、
    を備えているステアリングダンパ制御装置。
  2. 請求項1に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記空転検出手段は、
    前輪の回転数を検出する前輪回転数検出手段と、
    後輪の回転数を検出する後輪回転数検出手段と、
    前記前後輪の回転数の差分を算出する差分算出手段と、
    前記差分に基づいて空転が生じたことを判別する判別手段と、
    を備えているステアリングダンパ制御装置。
  3. 請求項2に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記判別手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記差分が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じたことを判別するステアリングダンパ制御装置。
  4. 請求項2または3に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記減衰力調節手段は、前記前後輪の回転数の差分に応じて減衰力を高めるステアリングダンパ制御装置。
  5. 請求項3に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、
    前記減衰力調節手段は、前記前後輪の回転数の差分が前記第2の閾値以上である場合には、減衰力を最大値にするステアリングダンパ制御装置。
  6. 請求項1に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記空転検出手段は、
    エンジンの回転数を検出するエンジン回転数検出手段と、
    前記回転数に基づいてエンジンの回転数上昇率を算出する上昇率算出手段と、
    前記回転数上昇率に基づいて空転が生じたことを判別する判別手段と、
    を備えているステアリングダンパ制御装置。
  7. 請求項6に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記判別手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記回転数上昇率が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じたことを判別するステアリングダンパ制御装置。
  8. 請求項6または7に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記減衰力調節手段は、前記回転数上昇率に応じて減衰力を高めるステアリングダンパ制御装置。
  9. 請求項7に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    エンジンの過回転を検出する過回転検出手段をさらに備えているとともに、
    前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、
    前記減衰力調節手段は、前記回転数上昇率が第2の閾値以上である場合、または、前記過回転検出手段が過回転を検出した場合には、減衰力を最大値にするステアリングダンパ制御装置。
  10. 請求項1に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記空転検出手段は、
    スロットル開度を検出するスロットルポジションセンサと、
    前記スロットル開度の変化率を求める変化率算出手段と、
    前記変化率に基づいて空転が生じることを推定する推定手段と、
    を備えているステアリングダンパ制御装置。
  11. 請求項10に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記推定手段は、予め設定された第1の閾値を記憶する記憶手段を備え、前記変化率が前記第1の閾値を超えたことに基づいて空転が生じることを推定するステアリングダンパ制御装置。
  12. 請求項10または11に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記減衰力調節手段は、前記変化率に応じて減衰力を高めるステアリングダンパ制御装置。
  13. 請求項11に記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前記記憶手段は、前記第1の閾値より大なる第2の閾値を予め記憶しており、
    前記減衰力調節手段は、前記変化率が第2の閾値以上である場合には、減衰力を最大値にするステアリングダンパ制御装置。
  14. 請求項1から13のいずれかに記載のステアリングダンパ制御装置において、
    前輪のサスペンションの圧力を検出する圧力検出手段と、
    前記圧力の下限値を予め記憶する圧力下限値記憶手段と、
    前記圧力検出手段で検出された圧力が前記下限値であって、所定時間の間、前記圧力が前記下限値を維持する場合には、前輪が接地状態から非接地状態へと変化したと判断する前輪非接地判断手段とをさらに備え、
    前記減衰力調節手段は、前記前輪非接地判断手段が非接地であると判断した場合には、前記ダンパの減衰力をゼロにするステアリングダンパ制御装置。
  15. 請求項1から14のいずれかに記載のステアリングダンパ制御装置を備えた鞍乗型車両。
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