JP2010228621A - ステアリングダンパ装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】車体のロール方向やヨー方向等の動きに応じて減衰力を可変させるようにしたステアリングダンパ装置を提供する。
【解決手段】自動二輪車1の前輪WFを操舵するステアリング機構25と車体フレーム2との間に配置され、ステアリング機構25の回動操作に減衰力を発生させるステアリングダンパ装置50において、ロール、ピッチ、ヨー方向の動きを検知するジャイロセンサ30と、ステアリングダンパ装置50の減衰力を制御するECU70とを具備する。ECU70は、ロール方向の動きに基づいて算出されるロール角θAが、所定角度θA1より大きい場合は減衰力を低減させる。ECU70は、ヨー方向の動きに基づいて算出されるヨー方向の角度変化率ΔYが所定値ΔY1より大きい場合は、ロール角θAに関わらず減衰力を基準値に戻す。ウィリー状態が検知された時点のピッチ角からの増大量に応じて減衰力を増大させる。
【選択図】図4

Description

本発明は、ステアリングダンパ装置に係り、特に、各種センサの出力信号に応じて減衰力を可変させるようにしたステアリングダンパ装置に関する。
従来から、自動二輪車の前輪を操舵するステアリング機構が路面の凹凸等の外力によって回動される際の回動動作に対して、任意の減衰力を発生させるステアリングダンパ装置が知られている。
特許文献1には、ステアリング機構の回動速度および車速に応じて減衰力を可変させるようにしたステアリングダンパ装置が開示されている。
特開2003−170883号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたステアリングダンパ装置では、ステアリング機構の回動速度および車速に応じて減衰力を可変させるものの、車体のロール方向やヨー方向等の動きに応じて減衰力を可変させることは考慮されていなかった。したがって、特に車体をバンクさせて走行することが多い自動二輪車において当該ステアリングダンパ装置を採用した場合、車体ロール方向やヨー方向等の動きに関わらず同じ減衰力制御が実行されることとなり、減衰力制御の最適化に関しては、依然として改善の余地があった。
本発明の目的は、上記従来技術の課題を解決し、車体のロール方向やヨー方向等の動きに応じて減衰力を可変させるようにしたステアリングダンパ装置を提供することにある。
前記目的を達成するために、本発明は、車両(1)の前輪(WF)を操舵するステアリング機構(25)と車体フレーム(2)との間に配置され、ステアリング機構(25)の回動操作に減衰力を発生させるステアリングダンパ装置(50)において、少なくとも車両のロール方向の動きを検知するジャイロセンサ(30)と、前記ステアリングダンパ装置の減衰力を制御する制御装置(70)を具備し、前記制御装置(70)は、前記ロール方向の動きに基づいて算出されるロール角に応じて、前記減衰力を可変させる点に第1の特徴がある。
また、前記制御装置(70)は、前記ロール角が所定角度より大きい場合は前記減衰力を低減させる点に第2の特徴がある。
また、前記ジャイロセンサ(30)は、前記ロール方向の動きに加えてヨー方向の動きを検知し、前記制御装置(70)は、前記ヨー方向の動きに基づいて算出されるヨー方向の角度変化率が所定値より大きい場合は、前記ロール角の大きさに関わらず、前記減衰力を予め設定した基準値に戻す点に第3の特徴がある。
また、前記車両(1)のフロントフォーク(4)のストローク量を検知するストロークセンサ(40)を備え、前記ジャイロセンサ(30)は、さらにピッチ方向の動きを検知し、前記制御装置(70)は、ピッチ方向の動きに基づいて算出されるピッチ角と、前記フロントフォークのストローク量とから車両のウィリー状態を検知し、該ウィリー状態が検知された時点のピッチ角からの増大量に応じて前記減衰力を増大させる点に第4の特徴がある。
さらに、前記ステアリングダンパ装置(50)は、ダンパオイルが環流通路(58)を通過する際の流路抵抗によって減衰力を発生するように構成されており、前記減衰力は、モータ(51)で往復運動されるニードル(60)によって前記環流通路(58)の断面積を変化させることで可変される点に第5の特徴がある。
第1の特徴によれば、少なくとも車両のロール方向の動きを検知するジャイロセンサと、ステアリングダンパ装置の減衰力を制御する制御装置を具備し、制御装置は、ロール方向の動きに基づいて算出されるロール角に応じて減衰力を可変させるので、例えば、車体が直立している状態とコーナーを旋回中に車体がバンクしている状態とで減衰力を異ならせることにより、より適切な減衰力制御が可能となる。
第2の特徴によれば、制御装置は、ロール角が所定角度より大きい場合は減衰力を低減させるので、例えば、車体が直立している場合には高い減衰力によって直進安定性を向上させると共に、コーナリング中にバンク角が深くなった場合には減衰力を弱めて旋回性を向上させることが可能となる。
第3の特徴によれば、ジャイロセンサは、ロール方向の動きに加えてヨー方向の動きを検知し、制御装置は、ヨー方向の動きに基づいて算出されるヨー方向の角度変化率が所定値より大きい場合は、ロール角の大きさに関わらず減衰力を予め設定した基準値に戻すので、ヨー方向の角度変化率によってコーナリング中の車体の横滑り状態を検知し、これに応じて、ステアリングダンパ装置の減衰力を、乗員による車体挙動のコントロールのための操舵が最も容易となる前記基準値に戻すことが可能となる。これにより、ステアリングダンパ装置の減衰力が、ロール角に応じて制御されることで前記基準値より高いまたは低い状態であっても、これを横滑りの検知に伴って減衰力を基準値に戻すことで、乗員が逆操舵をあてる等、横滑り状態からの復帰操作を優先した減衰力制御が可能となる。
第4の特徴によれば、車両のフロントフォークのストローク量を検知するストロークセンサを備え、ジャイロセンサは、さらにピッチ方向の動きを検知し、制御装置は、ピッチ方向の動きに基づいて算出されるピッチ角と、フロントフォークのストローク量とから車両のウィリー状態を検知し、該ウィリー状態が検知された時点のピッチ角からの増大量に応じて減衰力を増大させるので、ウィリー状態が発生した際に、前輪が路面から離れることで生じるステアリング機構の回動抵抗の減少分を、ステアリングダンパ装置の減衰力で補うことが可能となる。これにより、ウィリー状態が発生した際にも、乗員によるハンドル操作に適した回動抵抗力を維持することができる。
第5の特徴によれば、ステアリングダンパ装置は、ダンパオイルが環流通路を通過する際の流路抵抗によって減衰力を発生するように構成されており、減衰力は、モータで往復運動されるニードルによって環流通路の断面積を変化させることで可変されるので、簡単な構成によって減衰力の調整が可能になると共に、減衰力の調整精度が高められる。
本発明の一実施形態に係るステアリングダンパ装置を適用した自動二輪車の側面図である。 自動二輪車の正面図である。 自動二輪車の上面図である。 ステアリングダンパ装置および周辺機器の全体構成を示すブロック図である。 ステアリングダンパ装置の拡大図である。 ステアリング角速度と減衰力との関係を示すグラフである。 ニードルストロークの導出に用いられる三次元マップである。 ロール角とニードルストロークとの関係を示したグラフである ヨーレイト変化率とニードルストロークとの関係を示したグラフである。 ピッチ角と補正係数との関係を示す補正係数マップである。 本実施形態に係るニードル駆動制御の流れを示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るエンジン出力制御装置を適用した自動二輪車1の側面図である。メインフレーム2の前端部に設けられたヘッドパイプ3には、ステアリングステム21が回動自在に軸支されている。該ステアリングステム21には、前輪WFを回転可能に軸支する左右一対のフロントフォーク4が取り付けられており、前輪WFは、フロントフォーク4の上端部に取り付けられた左右一対のハンドルバー5によって操舵可能とされている。また、フロントフォーク4の下部には、そのストローク量を検知するフロントフォークストロークセンサ40が取り付けられている。
左右一対のフロントフォーク4は、ステアリングステム21の上下に固定されたトップブリッジ18(図2参照)およびボトムブリッジにクランプ固定されている。以下では、車体フレーム2に対して前輪WFを操舵可能に回動する機構全体をステアリング機構25と呼称する。また、車幅方向左側のフロントフォーク4と、車体フレーム2との間には、ステアリング機構25の回動動作に減衰力(回動抵抗力)を発生させるステアリングダンパ装置50が配設されている。車幅方向中央でステアリングヘッド3の前端面には、車体のロール方向、ピッチ方向、ヨー方向の動きをそれぞれ検知可能な角速度センサとしてのジャイロセンサ30が取り付けられている。
メインフレーム2の後方下部には、駆動輪としての後輪WRを回転可能に軸支するスイングアーム12が、ピボット軸10によって揺動自在に軸支されている。スイングアーム12とメインフレーム2との間には、リンク機構を介して互いを連結するリヤクッション11が配設されている。
ピボット軸10の前方かつメインフレーム2の下方には、エンジン14が配設されている。エンジン14の上部には、燃料噴射装置およびスロットルボディを含む吸気管26が取り付けられており、その上部には、エアクリーナボックス13が接続されている。エンジン14の前方側には、該エンジン14の燃焼ガスを車体後端部に配設されたマフラ16に導く排気管15が取り付けられている。
ヘッドパイプ3の前方側には、フロントカウル6が配設されており、前輪WFの上方には、フロントフェンダ20が配設されている。メインフレーム2の上部には、燃料タンク7が配設されている。メインフレーム2から後方上方に延出するシートフレーム17には、シート8およびシートカウル9が取り付けられている。シート8の下方には、バッテリ19および制御装置としてのECU70が配設されている。
図1において、実線Gは略水平な路面、二点鎖線Hは路面Gと平行な線、一点鎖線Jは前輪WFが路面に接地した状態での車体水平線をそれぞれ示している。この図では、スロットルグリップやクラッチ等の急操作等により、駆動輪に伝達される回転駆動力が過大になることで生じるウィリー状態を示しており、自動二輪車1は、路面Gに対してピッチ角θAでのウィリー状態にある。
図2は、自動二輪車1の正面図である。また、図3は、自動二輪車の上面図である。前記と同一符号は、同一または同等部分を示す。図2を参照して、実線Gは略水平な路面、二点鎖線C1は路面Gと垂直な線、一点鎖線C1aは自動二輪車1が直立した状態での車体中心線を示す。この図では、コーナリング時に車体がバンクした状態を示しており、自動二輪車1は、路面Gに対してロール角θBでのバンク状態にある。
図3を参照して、二点鎖線C2は車体進行方向、一点鎖線C2aは自動二輪車1の車幅方向中央に位置する車体中心線である。この図では、車体進行方向C2に向かって走行中に、後輪WRのタイヤが滑った等の状態を示しており、自動二輪車1は、車体進行方向C2に対してヨー角θCだけ回転した状態にある。
図4は、本実施形態に係るステアリングダンパ装置50および周辺機器の全体構成を示すブロック図である。また、図3は、ステアリングダンパ装置50の拡大図である。以下では、周辺機器を含む装置全体の構成をステアリングダンパ装置と呼称することもある。ステアリング機構25は、乗員の視点から見た状態を示している。ステアリングステム21の上部に配設されるトップブリッジ18は、ステムナット22によってステアリングステム21に固定されている。左右のフロントフォーク4は、トップブリッジ18および不図示のボトムブリッジに固定されている。
ステアリングダンパ装置50は、主に、車体フレーム2に取り付けられる本体部55、本体部55内のシリンダーを摺動動作するピストン57、該ピストン57に連結されるシャフト53から構成される。本実施形態に係るステアリングダンパ装置50は、このシャフト53の一端部が、玉継手(スフェリカルジョイント)54を介して、車幅方向左側のフロントフォーク4に連結されることにより、ステアリング機構25の回動動作に対して抵抗力を発生するように構成されている。ステアリングダンパ装置50は、主に、ステアリング機構25に外部から力が加えられて発生する回動動作を、油圧式減衰機構によって減衰させ、これを短時間で収束させる機能を有する。
図5を参照して、ステアリングダンパ装置50の本体部55には、油圧ピストン57が摺動するシリンダ56と、油圧ピストン57によって流動されるダンパオイルの環流通路58とが形成されている。また、本体部55には、環流通路58内に突出するニードル60の突出量を変更するニードルモータ51が取り付けられている。
ニードル60は、環流通路58を全閉にする位置と全開にする位置との間での往復動作が可能とされている。ニードル60の先端部は略円錐状とされ、凹部59に対する突出量の増大に伴って環流通路58の断面積が減少するように構成されている。本実施形態では、油圧ピストン57にもダンパオイルの貫通孔が形成されており、ステアリングダンパ装置50が発生する減衰力は、環流通路58の全開時に最も小さく、環流通路58の全閉時に最も大きくなるように構成されている。
図4に戻って、ECU70には、ニードルモータ駆動手段71と、ニードルストローク導出手段72とが含まれる。ニードルストローク導出手段72には、ジャイロセンサ30のほか、スロットル開度センサ43、エンジン回転数センサ42、車速センサ41、フロントフォークストロークセンサ40、ステアリングダンパ装置50の本体部55に取り付けられてシャフト53の摺動量に基づいてステアリング機構25の回動角度を検知するステアリング機構回動角度センサ52からの出力信号がそれぞれ入力される。
ニードルストローク導出手段72は、各種センサの出力信号および三次元マップ72aおよび補正係数マップ72bを使用して、ニードル60のストローク量、換言すれば、減衰力の大きさを導出する。ニードルモータ駆動手段71は、ニードルストローク導出手段72によって導出されたストローク量に基づいて、ニードルモータ51を駆動させる。三次元マップ72aおよび補正係数マップ72bに関しての詳細は後述する。
ジャイロセンサ30は、セラミックケースの中に中空状態で保持された圧電素子に対して慣性力が加えられた際に、圧電素子が微妙に歪んで発生する電荷を電気信号として取り出す角速度センサである。これにより、ロール方向、ピッチ方向、ヨー方向からなる三次元方向の角速度を検知することが可能であり、ニードルストローク導出手段72は、この角速度に基づいて、車体の三次元角度および角速度変化率を算出する。以下、ジャイロセンサ30で検知された角速度に基づいて車体の絶対角度を算出する手順を説明する。
三次元方向の角度は、角速度を積分することによって算出されるが、この算出された角度は相対角度である。したがって、水平面に対する絶対角度を算出するため、加速度センサによって検知される重力加速度が基準値として用いられる。このとき、加速度センサの出力値は、コーナリング中に発生する横方向の加速度等、車両の走行状態に影響を受けるため、例えば、車速センサの出力値に基づいて横方向の加速度等を算出し、この算出値を加速度センサの出力値から減算することによって、車両が走行中であっても、常に角度算出の基準方向、すなわち、重力加速度の作用方向を求めることが可能となる。
また、ジャイロセンサ30の出力信号に基づいて車体の絶対角度を算出する際には、上記した加速度センサおよび車速センサの出力値に基づいた補正に加えて、外気温や各種機器が生じるノイズ、さらには、地球の回転角度によって生じるドリフト誤差に対するバイアス補正も行われる。なお、このバイアス補正は、加速度センサの出力値に対しても実行される。上記したようなセンサ出力に対する補正は、例えば、車両の主電源をオンにする毎に実行したり、所定期間が経過する毎に自動的に実行することが可能である。
図6は、ステアリング角速度ωと、ステアリングダンパ装置50の発生する減衰力Fとの関係を示すグラフである。ステアリング角速度ωは、前記ステアリング機構回動角度センサ52(図2参照)の出力信号に基づいて算出される。減衰力Fは、ステアリング角速度ωが高いほど大きくなるように設定されている。また、ニードルストロークLが100%、すなわち、環流通路58が全閉状態にあるときは、減衰力Fは、油圧ピストン57によってのみ発生されるため、ステアリング角速度ωの増加に対して直線的に増加する特性を有する。これに対し、ニードルストロークLが100%未満の場合では、環流通路75を通過する流体抵抗により、ステアリング角速度ωの増加に伴って二次曲線的に立ち上がる特性を有する。この図では、ニードルストロークLが、75%,50%,25%,0%の場合をそれぞれ示している。
図7は、ニードルストロークLの導出に用いられる三次元マップ72aであり、後述する図8及び図9を基本マップとして本車両に好適に採用すべくセッティングを加えたものである。本実施形態に係るステアリングダンパ装置50は、ニードルストロークLの算出を、車速センサ等の出力信号に応じた算出値に加えて、ジャイロセンサ30の出力信号に基づいて算出されるロール角θAおよびヨーレイト変化率(ヨー方向の角度変化率)ΔYに基づいて補正する点に特徴がある。
この三次元マップ72aでは、全般的にロール角θAが小さいほどニードルストロークLが大きくなる傾向とされ、また、ロール角θAが大きくかつヨーレイト変化率ΔYが大きいときには、ニードルストロークLが大きくなる傾向に設定されている。以下、図6および7を参照して、ロール角θAとニードルストロークLとの関係およびヨーレイト変化率ΔYとニードルストロークLとの関係をそれぞれ説明する。
図8は、ロール角θAとニードルストロークLとの関係を示したグラフである。本実施形態では、ロール角θAがθA1(例えば、直立状態からのバンク角が5度)までは、ニードルストロークLを100%とし、以降、ロール角θAの増加に伴ってニードルストロークLを減少させるように設定されている。これにより、例えば、車体が直立している場合には減衰力を高めて直進安定性を向上させると共に、コーナリング中にバンク角が深くなった場合には減衰力を弱めて旋回性を向上させることが可能となる。さらに、コーナリング中に減衰力を弱めることで、コーナリング終了時に素早く車体を起き上がらせることができる。なお、この図では、ロール角θAが、最大バンク角(例えば、60度)θA3の手前にあるθA2のときに、ニードルストロークLが50%となるように設定されている。
ロール角θAに基づく減衰力制御は、スロットル開度センサ43によって検知されるスロットル開度が所定値(例えば、30度)以上の場合や、車速が所定値(例えば、50km/h)以上の場合等に実行したり、車速の上昇に伴って減衰力を増大させる制御と組み合わせて実行することができる。
図9は、ヨーレイト変化率ΔYとニードルストロークLとの関係を示したグラフである。本実施形態では、前記ロール角θAに応じて導出されたニードルストロークLの値にかかわらず、ヨーレイト変化率ΔYが予め設定されたΔY1に達した時点で、ニードルストロークLを予め設定された基準値としての50%まで緩やかに戻すように設定されている。これにより、ロール角に応じて制御されることでニードルストロークLが50%より高いまたは低い状態であっても、横滑りを検知した際には、乗員による車体挙動のコントロールのための操舵が最も容易となる基準値に戻すことで、逆操舵をあてる等の復帰操作を優先した減衰力制御が可能となる。
図10は、ピッチ角θBと補正係数Kとの関係を示す補正係数マップ72b(図4参照)である。前記ニードルストローク導出手段72は、ピッチ角θBに応じて車両の前輪WFが路面から離れるウィリー状態を検知し、かつこのピッチ角θBの増加に応じた前記ニードルストロークLの補正を行うように構成されている。
ニードルストローク導出手段72は、フロントフォークストロークセンサ40によって検知されるストロークSが所定値以下となる、すなわち、前輪WFにかかる荷重が抜けはじめてストロークSが減少した状態において、ピッチ角θBがθB1に到達することにより、車両がウィリー状態になったと判定する。補正係数Kの値は、1.0(補正なし)から、ピッチ角θB2に対応するK1(例えば、1.5)までの範囲に設定され、ピッチ角θB2の増加に応じてニードルストロークLを増加させることが可能とされる。これにより、ウィリー状態が発生した際に、前輪WFが路面から離れることで減少するステアリング機構25の回動抵抗を、ステアリングダンパ装置50の減衰力によって補うことが可能となる。これにより、ウィリー状態が発生した際にも、乗員のハンドル操作に適した回動抵抗力を維持することができる。
図11は、本実施形態に係るニードル駆動制御の流れを示すフローチャートである。ステップS1では、ロール角θAが所定角度θA1以上であるか否かが判定され、肯定判定されるとステップS2に進んで、三次元マップ72aよりニードルストロークLを導出する。ステップS3では、ヨーレイト変化率ΔYが所定値ΔY1以上であるか否かが判定され、肯定判定されると、ステップSに進む。なお、ステップS1で否定判定されると、ステップS3の判定に進む。
ステップS4では、三次元マップ72aより、ヨーレイト変化率ΔYを考慮したニードルストロークLが導出される。続くステップS5では、フロントフォークストロークセンサ40によって検知されるストロークSが所定値以下で、かつピッチ角θBが所定角度θB1以上であるか否かが判定される。ステップS5で肯定判定されると、ステップS6に進んで、補正係数マップ72bにより補正係数Kを導出し、この補正係数KをニードルストロークLに乗じることによって補正ニードルストロークLHが算出される。
そして、ステップS7では、導出されたニードルストロークLが得られるようにニードルモータ51を駆動して、一連の制御を終了する。なお、ステップS5で否定判定されると、補正係数Kを考慮せずにステップS7に進んで、ニードルモータ51が駆動される。
上記したように、本発明に係るステアリングダンパ装置によれば、ジャイロセンサによって検知されるロール方向、ピッチ方向、ヨー方向の動きに応じて、ステアリングダンパ装置の減衰力を変更することができるので、四輪車等に比して三次元方向の動きの大きい自動二輪車に適した減衰力制御が実行可能となり、また、ステアリングダンパ装置による減衰力制御の精度をさらに高めることが可能となる。
なお、ジャイロセンサ、ステアリングダンパ装置、減衰力調整機構の形状や構造、ECUの内部構成、横滑り状態を検知するヨーレイト変化率、横滑り状態を検知した際に移行される基準減衰力の大きさ、補正係数の設定値等は、上記実施形態に限られず、種々の変更が可能である。なお、ステアリングダンパ装置の減衰力制御は、ジャイロセンサのほか、スロットル開度センサ、エンジン回転数センサ、車速センサ、フロントフォークセンサ、ステアリング機構回動角度センサの出力信号と組み合わせて実行するほか、ジャイロセンサの出力信号のみに基づいて実行することも可能である。また、図9におけるステップ1及びステップ3について、その検出順序を入れ替えてもよい。
1…自動二輪車(車両)、2…車体フレーム、4…フロントフォーク、25…ステアリング機構、30…ジャイロセンサ、40…フロントフォークストロークセンサ、41…車速センサ、42…エンジン回転数センサ、43…スロットル開度センサ、50…ステアリングダンパ装置、51…ニードルモータ、52…ステアリング機構回動角度センサ、53…シャフト、55…本体部、60…ニードル、70…ECU(制御装置)、72…ニードルストローク導出手段、72a…三次元マップ、72b…補正係数マップ、WF…前輪

Claims (5)

  1. 車両(1)の前輪(WF)を操舵するステアリング機構(25)と車体フレーム(2)との間に配置され、ステアリング機構(25)の回動操作に減衰力を発生させるステアリングダンパ装置(50)において、
    少なくとも車両のロール方向の動きを検知するジャイロセンサ(30)と、
    前記ステアリングダンパ装置(50)の減衰力を制御する制御装置(70)を具備し、
    前記制御装置(70)は、前記ロール方向の動きに基づいて算出されるロール角に応じて、前記減衰力を可変させることを特徴とするステアリングダンパ装置。
  2. 前記制御装置(70)は、前記ロール角が所定角度より大きい場合は前記減衰力を低減させることを特徴とする請求項1に記載のステアリングダンパ装置。
  3. 前記ジャイロセンサ(30)は、前記ロール方向の動きに加えてヨー方向の動きを検知し、
    前記制御装置(70)は、前記ヨー方向の動きに基づいて算出されるヨー方向の角度変化率が所定値より大きい場合は、前記ロール角の大きさに関わらず、前記減衰力を予め設定した基準値に戻すことを特徴とする請求項1または2に記載のステアリングダンパ装置。
  4. 前記車両のフロントフォーク(4)のストローク量を検知するストロークセンサ(40)を備え、
    前記ジャイロセンサ(30)は、さらにピッチ方向の動きを検知し、
    前記制御装置(70)は、ピッチ方向の動きに基づいて算出されるピッチ角と、前記フロントフォークのストローク量とから車両のウィリー状態を検知し、該ウィリー状態が検知された時点のピッチ角からの増大量に応じて前記減衰力を増大させることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のステアリングダンパ装置。
  5. 前記ステアリングダンパ装置(50)は、ダンパオイルが環流通路(58)を通過する際の流路抵抗によって減衰力を発生するように構成されており、
    前記減衰力は、モータ(51)で往復運動されるニードル(60)によって前記環流通路(58)の断面積を変化させることで可変されることを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のステアリングダンパ装置。
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