JP5569804B2 - 光源装置、光走査装置および画像形成装置 - Google Patents

光源装置、光走査装置および画像形成装置 Download PDF

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本発明は、デジタル複写機、レーザープリンタ、レーザファクシミリなどの画像形成装置に使用される光源装置、これを用いた光走査装置および画像形成装置に関するものである。
デジタル複写機、レーザープリンタ等に広く用いられている光走査装置は、一般に、光源装置から射出される光束をポリゴンミラーなどからなる光偏向器により偏向させ、この偏向光束をfθレンズ等の走査結像光学系により被走査面に向けて集光して被走査面上に光スポットを形成し、この光スポットを被走査面上で光走査するように構成されている。この光走査を主走査といい、主走査に直交する方向の走査を副走査という。被走査面の実体をなすものは光導電性の感光体表面の感光面である。上記の主走査に際して光束を画像信号に対応してオン、オフし、かつ主走査方向に直交する方向すなわち副走査方向に感光体を移動させながら主走査を繰り返すことにより、上記感光面に画像を書き込むことができる。
感光体表面は予め均一に帯電させられていて、この帯電している面を上記のように光束で走査することにより感光体表面が露光され、感光体表面に静電潜像が形成される。露光された感光体表面にはトナーが供給され、静電潜像がトナー像として現像される。トナー像は転写紙に転写されかつ加熱されて定着され、排紙される。感光体表面の残留トナーはクリーニングされて次の画像形成に供される。このように、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングという一連の電子写真プロセスが実行されて画像が形成される。
近年の画像形成装置の多くはフルカラー対応になっていて、その一例として、タンデム方式の画像形成装置がある。これは、例えば4つの感光体を記録紙の搬送方向に配列し、各感光体に対応した複数の光源装置から放射された光束によってそれぞれの感光体を露光し、各感光体で形成される画像を重ね合わせるものである。より具体的には、上記複数の光束を例えば1つの偏向手段により偏向走査し、それぞれの偏向光束を、各感光体に対応する複数の走査結像光学系を経て各感光体表面で同時に光走査して潜像を形成する。各感光体に形成される潜像は、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色成分の画像情報によって変調された光束を光走査することによって形成され、これらの潜像はそれぞれの色成分に対応する色のトナーで現像され可視化される。各感光体表面のトナー像は、同一の記録紙に順次重ね合わせながら転写されてフルカラーのトナー像が形成され、さらに上記記録紙にトナー像が定着されて排紙される。
このように、光走査装置と感光体の組み合わせを2組以上用いて、2色画像や多色画像あるいはフルカラー画像等を得るようにした画像形成装置を「タンデム式画像形成装置」という。
このようなタンデム式画像形成装置では、構成を簡単化するために、複数の感光体表面を光走査するための光偏向器を、単一の光偏向器で共用する方式のものが広く採用されている。例えば、光偏向器を挟んで両側に光源部及び走査結像光学系を振り分け、両側の光源部はそれぞれ副走査方向に重ねられて略平行でかつ副走査方向に離れた複数の光束を光偏向器に入射し、偏向された光束は、それぞれの光束に対応して副走査方向に並べて配置された走査結像光学素子を透過しかつ各光束に対応して配置された感光体表面である被走査面を走査するように構成された光走査装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
また、一つの光偏向器の片側より4つの光束を入射し、各偏向光束を3枚構成の走査結像光学系を経て被走査面に導くように構成した光走査装置も知られている(例えば、特許文献2参照)。特許文献2記載の光走査装置では、走査結像光学系を構成する第1、第2の光学素子L1、L2を、異なる被走査面に向かう複数の光束に共通の光学素子として上記複数の光束が通過するように配置し、第3の光学素子L3を光束毎に対応させて配置している。
特許文献1、2に記載されているように、複数の被走査面に対応する光束で光偏向器を共用する構成にすると、光偏向器の数を減らすことができるため、光走査装置および画像形成装置をコンパクト化することが可能になる。したがって、例えば、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4つの異なる被走査面すなわち感光体を持つフルカラー対応の画像形成装置に用いる光走査装置の構成として、特許文献1、2に記載されているような構成を採用することにより、光偏向器の数を減らすことができる利点がある。
しかし、特許文献1、2に記載されているような光走査装置においても、改良すべき技術課題がある。すなわち、副走査方向に並べて配置した複数の光源から射出される複数の光束をそれぞれ光偏向器の偏向反射面で偏向する必要があるため、光偏向器を構成する例えばポリゴンミラーが副走査方向に大型化するという技術課題である。一般的に、光走査装置を構成する光学素子のうちポリゴンミラー部分のコストは高く、光走査装置および画像形成装置の低コスト化および小型化の弊害となっている。
また、従来の光走査装置における光源部分の構成も複雑で、光走査装置および画像形成装置の低コスト化および小型化の弊害要因となっている。従来の光走査装置および画像形成装置に用いられる光源装置の例として特許文献3に記載されている光源装置の例がある。
特許文献3に記載されている光源装置は、光源と、光源保持部材と、この光源保持部材を固定する基台と、ステーを備え、基台に対して光源保持部材がネジによって締結される構成になっている。また、基台にネジ孔を設け、このネジ孔にねじ込んだネジによってステーを基台に固定し、ステーによって光源保持部材を基台に押圧して固定する構成になっている。そのため、構成が複雑で、コンパクト化を図ることも困難であり、ネジの締結力のばらつきによって光源の取り付け位置がばらつく難点もある。また、構成部品が多く、コスト高の要因となっている。光源装置の構成が複雑になると、あるいは、構成部品が多くなると、光源が放射する熱の放散効果が低下する難点もある。
本発明は、上記従来技術の問題点を解消すること、すなわち、構成を単純化することができるように工夫して、組み立ての容易化、組み立て精度の向上を図り、さらに、放熱性に優れた光源装置を提供することを目的とする。
本発明はまた、良好で安定した品質の画像を得ることができる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明に係る光源装置は、光束を射出する光源部と、この光源部を保持する光源保持部材と、この光源保持部材が取り付けられるハウジングと、を備え、上記光源部は、金属ベースと、この金属ベースに搭載されてこの搭載平面と平行に光束を射出する発光源と、上記金属ベースに一体成形された樹脂部を備え、上記樹脂部は、上記金属ベースを、発光源が搭載される発光部搭載領域と上記金属ベースを上記光源保持部材で支持する支持領域に区分し、上記光源保持部材は、円筒状の圧入部を有するとともに上記金属ベースの上記支持領域が嵌る割り溝を上記円筒状の圧入部の軸線方向に有し、上記ハウジングは、上記光源保持部材の円筒状の圧入部がその軸線の回りに回転可能に嵌合される嵌合孔を有し、上記光源保持部材はまた、その円筒状の圧入部が上記ハウジングの嵌合孔に嵌合することによって上記割り溝が狭まり上記光源部の上記支持領域を挟み込んで保持していることを最も主要な特徴とする。
ハウジングは、発光源から発する光束を略平行にする光学素子を保持し、上記ハウジングの嵌合孔は光源保持部材の円筒状の圧入部を上記光学素子の光軸の周りに回転可能に嵌合している構成にするとよい。
光源保持部材は、光源部を挿入する挿入空間を有するとともに、上記光源保持部材の円筒状の圧入部がハウジングの嵌合孔に嵌合することによって上記光源保持部材の割り溝が狭まったとき上記光源部の樹脂部に当接し上記光源保持部材に対して上記光源部を位置決めする位置決め押圧部を有する構成にするとよい。
発光源はフレームパッケージ型の光源にするとよい。
光源保持部材は金属で構成するとよい。
光源部の支持領域は発光部搭載領域の両側に対をなして形成され、これらの支持領域を光源保持部材の両側に対をなして形成されている割り溝で挟み込んでいる構成にするとよい。
本発明に係る光走査装置は、光源装置から射出される光束を偏向し、被走査面上で光束を走査する光走査装置であって、上記光源装置として本発明に係る光源装置を用いていることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置は、電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する光走査装置として本発明に係る光走査装置を用いていることを特徴とする。
本発明に係る画像形成装置はまた、電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成ステーションを複数備えることによりカラー画像を形成することができる画像形成装置であって、各画像形成ステーションにおいて露光プロセスを実行する光走査装置として本発明に係る光走査装置を用いていることを特徴とする。
本発明に係る光源装置によれば、光源部が、光源保持部材の割り溝に挟持されることによって簡便に保持されるため、低コストで、組立性に優れるとともに、光源部の保持態様が安定に保持され、かつ、良好な放熱性を確保することができるため、経時的な変化の少ない安定した光束を射出することができる。
本発明に係る光走査装置および画像形成装置によれば、本発明に係る光源装置を用いることによって、組み付け誤差、加工誤差などの影響による光束品質の低下を低減し、コンパクト化、低コスト化、低消費電力化を図ることができる。
また、発光源を、例えば、複数の発光点を有する半導体レーザアレイや、単数の発光点もしくは複数の発光点を有する光源を複数用いたマルチビーム発光源とし、複数の光束を感光体表面に同時に走査するように構成することにより、高速化、高密度化を図った光走査装置および画像形成装置を構成することができる。
本発明に係る光源装置の実施例における光源部を前上方から俯瞰した斜視図である。 上記光源部を前下方から仰視した斜視図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態を前上方から俯瞰した斜視図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態を後上方から俯瞰した斜視図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態の正面図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態の側面図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態の縦断面図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態の横断面図である。 上記光源部を光源保持部材で保持した状態の背面図である。 本発明に係る光源装置の実施例を前上方から俯瞰しかつ一部を分解して示す斜視図である。 上記実施例を後上方から俯瞰しかつ一部を分解して示す斜視図である。 上記実施例の一部を分解して示す平面図である。 本発明に係る画像形成装置の実施例を模式的に示す正面図である。
以下、本発明に係る光源装置、光走査装置および画像形成装置の実施例を、図面を参照しながら説明する。
[光源装置]
図1乃至図12は、本発明に係る光源装置の実施例を示している。まず、光源装置の一部を構成する光源部の具体的な構成例について図1、図2を参照しながら説明する。図1、図2において、光源部は、大きく分けて、板状の金属フレーム101、光束を照射する発光源102、樹脂部103からなる。樹脂部103は金属フレーム101に例えばインサート成形などによって一体に形成されている。金属フレーム101は、樹脂部103によって、発光源102が搭載される発光部搭載領域101aと支持領域101bに区分されている。発光部搭載領域101aは金属フレーム101のほぼ中央から前部が開放された形に形成され、支持領域101bは金属フレーム101の左右両側が開放された形に形成されている。発光部搭載領域101aと支持領域101bは、樹脂部103で覆われることなく、金属フレーム101がむき出しになっている領域である。樹脂部103からは複数の金属端子板が後方に延び出ているが、これらの端子板は本発明に関係がないので、説明は省略する。
発光源102は、例えば半導体レーザからなり、金属フレーム101の上面と平行な方向にかつ前方に向かって光束を射出するように、適宜の支持台を介して金属フレーム101の発光部搭載領域101aに固着されている。発光源102は1つまたは複数の発光部を有している。
図2に示すように、金属フレーム101の、発光源102が搭載された面とは反対側(裏側)の面104において、上記発光部搭載領域101aの反対側の領域を発光部搭載裏面領域104a、支持領域101bの反対側の領域を支持裏面領域104bとする。金属フレーム101の左右の支持領域101bには、その前端側が直角に切除された切除端部101cとなっている。この切除端部101cを、次に説明する光源保持部材201の所定位置に押し当てて固定することにより、発光源102の発光点の位置が規制されるように構成されている。上記金属フレーム101と発光源102と樹脂部103とで構成される光源部の形式を、フレームパッケージ型レーザーダイオードアレイ(FP型LDA)と呼んでいる。
図1、図2に示すように構成された光源部は、図3乃至図9に示すように光源保持部材201によって保持される。図3乃至図9において、光源保持部材201は、外形の多くを占める円筒状の圧入部201eと、この円筒状の圧入部201eの前側に連続しかつ円錐面をなす導入部201fによって外形のほとんどが形成されている。光源保持部材201の素材は金属で、上記光源部を受け入れる挿入空間201cを有するとともに、受け入れた光源部の発光源102から射出される光束を外部に導くための窓孔201aを有している。光源保持部材201の左右両側には、光源部の前記金属フレーム101の左右の側縁部101bを受け入れる割り溝201bが、光源保持部材201の後端から円筒状の圧入部201eの光軸方向全域にまたがり、かつ導入部201fの一部にかかる範囲で、円筒状の圧入部201eの軸線方向に形成されている。
上記光源部は、その金属フレーム101の両側の側縁部101bを光源保持部材201の割り溝201bに挿入することによって、光源保持部材201の挿入空間201c内に保持される。上記割り溝201bの底面に金属フレーム101の側縁部101bの裏面側である前記支持裏面領域104b(図2参照)を摺接させることにより、光源保持部材201に対して光源部が上下方向に位置決めされる。また、上記金属フレーム101の両側の側縁部101bの前端部に形成されている切除端部101cが上記割り溝201bの前端に突き当てられることにより、光源保持部材201に対して上記光源部が前後方向に位置決めされる。このようにして、光源保持部材201に対し光源部が位置精度よくかつ姿勢を安定に保って保持される。
光源保持部材201の上記挿入空間201cの後端部には、図4、図8、図9に示すように、位置決め押圧部201dが形成されている。上記挿入空間201cは、縦断面形状が左右方向に長いほぼ長方形状の空間で、上記位置決め押圧部201dは、挿入空間201cの上側一方の角隅部に形成されている。また、上記位置決め押圧部201dは、光源部側の樹脂部103の上側一方の角に対向するように形成されている。光源部が光源保持部材201に位置決めして挿入されているだけの状態では、上記位置決め押圧部201dと、これに対向する光源部側の樹脂部103の上側一方の角との間には適宜の間隔が生じるように各部の寸法が設定されている。
次に、図10乃至図12を参照しながら、上記光源保持部材201のハウジングへの取り付け構造について説明する。図10乃至図12において、符号301は光源装置のハウジングを示している。ハウジング301は、長方形状の底板と、この底板の長辺方向の一辺と短辺方向の一辺から直角に立ち上がった側壁を有し、長辺方向の一辺から立ち上がった側壁に光源保持部材201を嵌合すべき円形の嵌合孔301aが形成されている。図示の例では、4個の光源保持部材201を嵌合することができるように4個の嵌合孔301aが形成されている。これらの嵌合孔301aには、前述のように光源部を位置決めして保持した光源保持部材201がその円錐形状の導入部201fをガイドとして挿入され、さらに続けて円筒形状の圧入部201eが嵌合される。
上記嵌合孔301aの径は光源保持部材201の圧入部201eの外径よりも小さい。したがって、嵌合孔301aへの嵌合位置が導入部201fから圧入部201eに移行するにしたがい、光源保持部材201は割り溝201bを境にして嵌合孔301aの周面で上下から圧迫され、両側の割り溝201bの間隔が狭められる。その結果、図9などに示す前記位置決め押圧部201dが光源装置の樹脂部103の角に接触してこれを押圧し、光源保持部材201に対して光源装置を位置決めする。また、上記嵌合孔301aに光源保持部材201の回転位置を調整して嵌合することによってハウジング301に対する光源部の回転位置を調整することができる。嵌合孔301aに対する光源保持部材201の嵌合位置を前後方向に調節することにより、前後方向の所定位置に光源部を位置決めすることができる。図示の例では、嵌合孔301aが形成されているハウジング301の側壁の厚さ範囲内で光源保持部材201が保持されるようになっているため、上記側壁はある程度以上の厚さで形成されている。
このようにして、光源保持部材201をハウジング301に取り付けることによって光源部も同時に光源保持部材201を介してハウジング301に取り付けられることになる。
ハウジング301の底板には、上記各嵌合孔301aに対応して光学素子401を取り付けるべく光学素子の取り付け溝301cが形成されている。この実施例における光学素子401はコリメータレンズないしはカップリングレンズで、前記発光源102から射出される発散光を平行光あるいは僅かな収束光または発散光に変換して後続の光学系につなぐ役目をしている。各光学素子401の外周は円筒形で、上記取り付け溝301cは光学素子401の円筒形の外周面を前後方向にガイドして位置決めすることができるように、光学素子401の外周形に合わせた部分円筒面の溝になっている。光学素子401は接着等の適宜の手段で取り付け溝301cに取り付けられる。各取り付け溝301cに取り付けられた光学素子401の光軸と、各嵌合孔301aに嵌合された光源保持部材201で保持されている光源部から射出される光束の中心軸とが一致するように、各部の寸法が設計されている。
各嵌合孔301aに光源保持部材201を嵌合させて取り付けるに当たり、光源保持部材201の圧入部201eを、嵌合孔301aの周壁に対しこの周壁をガイドとして回転させながら回転位置を調整する。これにより、前記複数の発光源102から射出される複数の光束相互のピッチ調整が可能となり、良好で安定した光束品質を得ることができる。
ここまで説明してきた光源装置の実施例に関して作用効果をまとめると以下のとおりである。
フレームパッケージ型半導体レーザアレイ(FP型LDA)からなる光源部は、光源保持部材201に保持され、この光源保持部材201をハウジング301の嵌合孔301aに圧入する固定構造をとることにより、光源部の固定のための締結部品等を削減することができ、低コスト化に適している。
光源保持部材の素材として金属を採用することにより、光源部の発光源102から発する熱の良好な放熱効果が見込まれ、安定した光束品質を得ることができる。
光源保持部材201が光源部の挿入空間201cを有し、この挿入空間201cの片側に、光源部に形成されている樹脂部103と当接する位置に位置決め押圧部201dを有している。また、光源保持部材201は、光源部の金属ベース101の左右両側の側縁部101bを挟持する割り溝201bを有している。そして、光源保持部材201をハウジング301の嵌合孔301aに圧入することにより、上記金属ベース101の側縁部101bが光源保持部材201に挟持されて光源部が保持され、位置決め押圧部201dが光源部の樹脂部103に当接して光源部が位置決めされる。これと同時に光源保持部材201がハウジング301に位置決めされて固定される。このように、光源部、光源保持部材201、ハウジング301は、固定ねじなどを使用することなく、互いに所定位置に位置決めして嵌合ないしは圧入することにより、簡易な構成でありかつ簡易な組み立て手順ながら、部品相互の位置精度よく安定に組み立てることができる。
上記のように、光源保持部材201の割り溝201bおよび挿入空間201cは、光源保持部材201をハウジング301の嵌合孔301aに嵌合ないしは圧入したときの押圧力により狭まる構成になっている。上記挿入空間201cが狭まることによって、挿入空間201cの片側に設けられている位置決め押圧部201fが、光源部に形成されている樹脂部103の角を押圧し、金属フレーム101の切除端部101cが光源保持部201の内壁に突き当てられて、金属フレーム101を備える光源部が位置決めされ、発光源102の発光点の位置が精度よく規制される構成になっている。これにより、発光源102の姿勢が安定して保たれることになり、安定した光束品質を得ることができる。
以上説明した光源装置の実施例は、光源部と光源保持部材201とを組み立てた形態が、従来から使用されているCAN型光源装置、すなわち円筒形状のケースに発光源を内蔵した形式の光源装置と略同じ形状であることから、CAN型光源装置を本発明に係る光源装置に容易に代替することができる。
[光走査装置]
以上説明した本発明に係る光源装置は、これを光走査装置の光源装置として使用することができる。光走査装置は、光源装置から射出される光束をポリゴンミラーなどの光偏向器で偏向し、この偏向光束を走査結像光学系で被走査面上に収束させるとともにこの収束光を被走査面上で等速度的に走査させるものである。光走査装置の光源装置として本発明に係る上記光源装置を採用することにより、構成および組み立てが簡易で品質の良好な光束を得ることができ、もって、高精度の光走査を行うことができる。
[画像形成装置]
本発明に係る光走査装置は、これを画像形成装置の光走査装置として使用することができる。ここでいう画像形成装置は、帯電、露光、現像、転写、定着、クリーニングという電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する装置であって、上記露光プロセスを実行する装置として本発明に係る光走査装置を用いる。
図13は、本発明に係る光走査装置を用いた画像形成装置の実施例であって、フルカラー対応のいわゆるタンデム方式のカラーレーザプリンタの例を示している。図13において、装置内の下部には水平方向に給紙カセット13が配設され、給紙カセット13から転写紙Sを1枚ずつ分離する分離ローラ14、分離した転写紙を引き出すローラ対15、転写紙を搬送ベルト17に送り出すレジストローラ対16が設けられている。搬送ベルト17は一対のローラ18,19間に水平方向に向いた姿勢で左右方向に長く張られていて、このローラ18,19間において、転写紙を図において右から左に向かい搬送するように構成されている。搬送ベルト17による転写紙搬送の先方すなわち転写紙搬送方向下流側には定着装置24が設けられ、さらに、排紙トレイ26に向けて排紙ローラ対25で結ばれている。
搬送ベルト17上には、イエローY用の感光体7Y、マゼンタM用の感光体7M、シアンC用の感光体7CおよびブラックK用の感光体7Kが、転写紙の搬送方向上流側から下流側に向かって順に等間隔で配設されている。なお、以下、符号に対する添字Y,M,C,Kをそれぞれの色に対応して付することにより区別するものとする。各感光体7Y,7M,7C,7Kは全て同一径に形成されていて、これらの感光体の周囲には、電子写真プロセスにしたがって各プロセスを実行するプロセス部材が順に配設されている。感光体7Yを例に採れば、帯電チャージャ8Y、光走査光学系6Y、現像装置10Y、転写チャージ11Y、クリーニング装置12Y等が感光体7Yの回転方向に順に配設されている。他の感光体7M,7C,7Kに対しても同様のプロセス部材が同様に配置されている。本実施例では、感光体7Y,7M,7C,7Kの表面を、各色に設定された被走査面ないしは被照射面とするものであり、各感光体に対して光走査光学系6Y,6M,6C,6Kが1対1の対応関係で設けられている。但し、走査レンズL1は、M,Y,K,Cで共通に使用している。
上記光走査光学系6Y,6M,6C,6K、走査レンズL1を含む構成部分が光走査装置9で、この光走査装置9の光源装置として前記本発明に係る光源装置を採用している。図13に光源装置は示されていないが、図10乃至図12に示すような4個の光源部が光源保持部材201を介してハウジング301に保持されて配置されている。各光源部から射出される光束は共通の光偏向器5で偏向反射され、各偏向光束は共通の第1結像光学系L1を透過するように構成されている。各偏向光束はさらにそれぞれの光束に対応して配置された適宜数のミラーおよび第1結像光学系L2を透過し、それぞれ対応する感光体7Y,7M,7C,7Kに導かれるように構成されている。
搬送ベルト17の周囲には、転写紙の搬入側にレジストローラ16と、ベルト帯電チャージャ20が設けられ、転写紙の搬出側にベルト分離チャージャ21が、また、ローラ18で折り返された位置に除電チャージャ22が、さらにクリーニング装置23が、搬送ベルト17の移動方向にこの順で配置されている。
このような画像形成装置の構成において、例えば、フルカラーモード(複数色モード)時であれば、予め帯電チャージャで均一に帯電された各感光体7Y,7M,7C,7Kの表面が、各感光体7Y,7M,7C,7Kに対応した光走査光学系6Y,6M,6C,6Kにより光走査される。各光走査光学系による走査光束は、Y,M,C,K用の各色の画像信号によって変調されていて、各感光体の表面に各色信号に対応した静電潜像が形成される。これらの静電潜像はそれぞれの色に対応する現像装置で色トナーが供給されることによりトナー像となって可視化される。各感光体のトナー像は、搬送ベルト17上に静電的に吸着されて搬送される転写紙上に順次転写されることにより重ね合わせられ、転写紙上にフルカラー画像が形成される。このフルカラー像は定着装置24で定着された後、排紙ローラ25により排紙トレイ26に排紙される。
上記画像形成装置の光走査光学系6Y,6M,6C,6Kを、前述の実施例に係る光源装置を具備した前述の実施例に係る光走査装置とすることで、低コスト化、低消費電力、小型化に適した斜め入射方式の光走査装置を、組み付け誤差、加工誤差の少ない光走査装置とすることができる。この光走査装置を、画像形成装置の露光プロセスを実行する装置として採用することにより、光束の副走査方向の角度変化を低減し、走査線曲がりと波面収差の劣化を低減し、良好で安定した品質の画像を形成することができる画像形成装置を得ることができる。
以上、本発明に係る光源装置、光走査装置および画像形成装置の実施例として最も望ましい実施例について説明したが、本発明は、説明した実施例の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した技術思想を逸脱しない範囲で任意に設計変更することができる。
101 金属ベース
101a 光源搭載領域
101b 側縁部
101c 切除端部
102 発光源としての半導体レーザ
103 樹脂部
201 光源保持部材
201a 窓孔
201b 割り溝
201c 挿入空間
201d 位置決め押圧部
201e 圧入部
201f 導入部
301 ハウジング
301a 嵌合孔
401 光学素子
特開平9−54263公報 特開2001−4948公報 特開2009−38051号公報

Claims (9)

  1. 光走査装置に用いられる光源装置であって、
    光束を射出する光源部と、この光源部を保持する光源保持部材と、この光源保持部材が取り付けられるハウジングと、を備え、
    上記光源部は、金属ベースと、この金属ベースに搭載されてこの搭載平面と平行に光束を射出する発光源と、上記金属ベースに一体成形された樹脂部を備え、
    上記樹脂部は、上記金属ベースを、発光源が搭載される発光部搭載領域と上記金属ベースを上記光源保持部材で支持する支持領域に区分し、
    上記光源保持部材は、円筒状の圧入部を有するとともに上記金属ベースの上記支持領域が嵌る割り溝を上記円筒状の圧入部の軸線方向に有し、
    上記ハウジングは、上記光源保持部材の円筒状の圧入部がその軸線の回りに回転可能に嵌合される嵌合孔を有し、
    上記光源保持部材はまた、その円筒状の圧入部が上記ハウジングの嵌合孔に嵌合することによって上記割り溝が狭まり上記光源部の上記支持領域を挟み込んで保持していることを特徴とする光源装置。
  2. ハウジングは、発光源から発する光束を略平行にする光学素子を保持し、上記ハウジングの嵌合孔は光源保持部材の円筒状の圧入部を上記光学素子の光軸の周りに回転可能に嵌合している請求項1記載の光源装置。
  3. 光源保持部材は、光源部を挿入する挿入空間を有するとともに、上記光源保持部材の円筒状の圧入部がハウジングの嵌合孔に嵌合することによって上記光源保持部材の割り溝が狭まったとき上記光源部の樹脂部に当接し上記光源保持部材に対して上記光源部を位置決めする位置決め押圧部を有する請求項1または2記載の光源装置。
  4. 発光源はフレームパッケージ型の光源からなる請求項1、2または3記載の光源装置。
  5. 光源保持部材は金属からなる請求項1乃至4のいずれかに記載の光源装置。
  6. 光源部の支持領域は発光部搭載領域の両側に対をなして形成され、これらの支持領域を光源保持部材の両側に対をなして形成されている割り溝で挟み込んでいる請求項1乃至5のいずれかに記載の光源装置。
  7. 光源装置から射出される光束を偏向し、被走査面上で光束を走査する光走査装置であって、上記光源装置は請求項1至6のいずれかに記載の光源装置である光走査装置。
  8. 電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成装置であって、電子写真プロセスの露光プロセスを実行する光走査装置として請求項7記載の光走査装置を用いた画像形成装置。
  9. 電子写真プロセスを実行することによって画像を形成する画像形成ステーションを複数備えることによりカラー画像を形成することができる画像形成装置であって、各画像形成ステーションにおいて露光プロセスを実行する光走査装置として請求項7記載の光走査装置を用いた画像形成装置。
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