JP5556844B2 - 非水電解質二次電池用正極活物質、非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法、非水電解質二次電池用正極及び非水電解質二次電池 - Google Patents
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Description
コバルト−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−マンガンのリチウム複合酸化物、アルミニウム−ニッケル−コバルトのリチウム複合酸化物などが用いられており、また負極における負極活物質として、黒鉛等の炭素材料や、SiやSn等のリチウムと合金化する材料などが用いられている。
%以上5モル%未満になるようにして、非水電解質二次電池のサイクル特性を向上させるようにしたものが提案されている。
容量低下などが生じるおそれがある。このため、正極活物質粒子の表面に付着されたランタン化合物におけるランタン元素の量を、正極活物質粒子に対して0.35質量%以下にし、また正極活物質粒子の表面に付着されたイットリウム化合物におけるイットリウム元素の量を、正極活物質粒子に対して0.35質量%以下にすることが好ましい。なお、正極活物質がLiCoO2である場合、正極活物質粒子に対して、ランタン元素の量が0.35質量%であると、ランタンが0.25モル%になり、イットリウム元素の量が0.35質量%であると、イットリウムが0.25モル%になる。
する場合において、熱処理する温度が450℃以上になると、上記の水酸化イットリウムが酸化イットリウムに変化して、水酸化イットリウムやオキシ水酸化イットリウムの場合と同様の効果を得ることができなくなると共に、イットリウムが正極活物質粒子の内部に拡散されて正極活物質の特性が低下し、充放電効率などの特性が低下するため、熱処理する温度を450℃未満にすることが好ましい。
C4F9SO2),LiC(CF3SO2)3,LiC(C2F5SO2)3,LiAsF6,Li
ClO4,Li2B10Cl10,Li2B12Cl12や、これらの混合物等を用いることができ
る。また、これらのリチウム塩に加えて、オキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩を含ませることが好ましい。そして、このようなオキサラト錯体をアニオンとするリチウム塩としては、リチウム−ビス(オキサラト)ボレートなどを用いることができる。
元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ランタンとオキシ水酸化ランタンと水酸化イットリウムとオキシ水酸化イットリウムとから選択される少なくとも一種のランタン化合物の粒子が付着されたものを用いたため、非水電解質二次電池を高容量化させるために、充電電圧を高めたり、高温で使用したりする場合においても、正極活物質と非水電解液とが反応するのが防止されるようになる。
実施例A1においては、下記のようにして作製した正極と負極と非水電解液とを用いるようにした。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムを用い、この正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、2.63gの硝酸ランタン6水和物を200mlの純水に溶解させた硝酸ランタン水溶液を添加させると共に、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ランタンを付着させる処理を行った。
負極活物質の人造黒鉛と、CMC(カルボキシメチルセルロースナトリウム)と、結着剤のSBR(スチレン−ブタジエンゴム)とを98:1:1の質量比で水溶液中において混合して負極合剤スラリーを調製した。
あった。
非水系溶媒のエチレンカーボネートとジエチルカーボネートとを3:7の体積比で混合した混合溶媒に、溶質のLiPF6を1.0モル/リットルの濃度になるように溶解させ
て、非水電解液を作製した。
電池を作製するにあたっては、図1(A),(B)に示すように、上記のようにして作製した正極11と負極12との間に、リチウムイオン透過性のポリエチレン製の微多孔膜からなるセパレータ13を介在させて巻回し、これをプレスして扁平電極体10を作製した。
実施例A2においては、上記の実施例A1における正極の作製において、水酸化ランタンが表面に分散されて付着された上記の正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲
気中において400℃の温度で5時間熱処理するようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A3においては、上記の実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ランタンを付着させるにあたり、硝酸ランタン6水和物を200mlの純水に溶解させる量を5.21gに変更し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A4においては、上記の実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ランタンを付着させるにあたり、硝酸ランタン6水和物を200mlの純水に溶解させる量を8.66gに変更し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例A5においては、上記の実施例A1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化ランタンを付着させるにあたり、硝酸ランタン6水和物を200mlの純水に溶解させる量を10.89gに変更し、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a1においては、上記の実施例A1における正極の作製において、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にランタン化合物を付着させないようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a2においては、上記の実施例A1における正極の作製において、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化ランタン試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化ランタン0.50gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に上記の酸化ランタンを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例a3においては、上記の比較例a2における一次粒子の粒子径が300nmになった酸化ランタンの量を4.95gに変更して正極活物質を作製し、このように作製した正極活物質を用いる以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a4においては、上記の実施例A1における正極の作製において、上記の水酸化ランタンが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理するようにし、それ以外は、上記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例x1においては、上記の実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硝酸アルミニウム9水和物11.7gを200mlの純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化アルミニウムを付着させた。
物は水酸化アルミニウムの状態であった。
比較例x2においては、比較例x1に示すようにして得た正極活物質に対して、さらに空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理して正極活物質を得た。
比較例x3においては、比較例x1における正極活物質の作製において、硝酸アルミニウム9水和物28.0gを200mlの純水に溶解させた硝酸アルミニウム水溶液を添加させるようにし、それ以外は、比較例x1と同様にして正極活物質を得た。
比較例y1においては、実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硫酸亜鉛7水和物7.38gを200mlの純水に溶解させた硫酸亜鉛水溶液を添加させた。このとき、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、上記の正極活物質粒子の表面に水酸化亜鉛を付着させた。
比較例z1においては、実施例A1における正極活物質の作製において、前記の正極活物質粒子1000gを3リットルの純水中に投入し、これを撹拌しながら、硝酸セリウム6水和物2.61gを200mlの純水に溶解させた硝酸セリウム水溶液を添加させた。この場合、この溶液のpHが9になるように10質量%の水酸化ナトリウム水溶液を適宜加えて、正極活物質粒子の表面に水酸化セリウムを付着させる処理を行った。
次いで、上記のように10分間休止させた後の各非水電解質二次電池を、室温状態において、それぞれ750mAの定電流で4.40Vまで充電し、さらに4.40Vの定電圧で電流値が37.5mAになるまで定電圧充電させ、10分間休止した後、750mAの定電流で2.75Vになるまで放電させて、この時の充電容量Qaと放電容量Q2とを求
めた。
ると共に、高温連続充電試験後の充放電効率(%)を求め、その結果を下記の表1に示した。
充放電効率(%)=(Q2/Qa)×100…(3)
いた。
実施例B1においては、下記のようにして作製した正極を用いるようにした。
正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたコバルト酸リチウムLiCoO2を用いた。
子が均一に分散されて付着された正極活物質を得た。
実施例B2においては、実施例B1における正極の作製において、水酸化イットリウムが表面に分散されて付着された上記の正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において400℃の温度で5時間熱処理するようにした。それ以外は、実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B3においては、上記の実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化イットリウムを付着させるにあたり、硝酸イットリウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を6.98gに変更し、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B4においては、上記の実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化イットリウムを付着させるにあたり、硝酸イットリウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を11.5gに変更し、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
実施例B5においては、上記の実施例B1における正極の作製において、正極活物質粒子の表面に水酸化イットリウムを付着させるにあたり、硝酸イットリウム5水和物を200mlの純水に溶解させる量を12.0gに変更し、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b1においては、上記の実施例B1における正極の作製において、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面にイットリウム化合物を付着させないようにし、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b2においては、上記の実施例B1における正極の作製において、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子500gと、酸化イットリウム試薬を一次粒子の粒子径が300nmになるまで粉砕した酸化イットリウム0.54gとを、混合処理機(ホソカワミクロン社製:ノビルタ)を用いて混合処理し、上記のコバルト酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に上記の酸化イットリウムを機械的に付着させて正極活物質を作製した。
比較例b3においては、上記の比較例b2における一次粒子の粒子径が300nmになった酸化イットリウムの量を5.4gに変更して正極活物質を作製し、このように作製した正極活物質を用いる以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
、正極活物質粒子の表面に適切に分散されて付着された状態ではなかった。
比較例b4においては、上記の実施例B1における正極の作製において、上記の水酸化イットリウムが表面に分散されて付着された正極活物質粒子を熱処理するにあたり、空気雰囲気中において600℃の温度で5時間熱処理するようにし、それ以外は、上記の実施例B1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例a5においては、正極を作製するにあたり、CoやNiが含まれていない正極活物質粒子として、MgとAlとがそれぞれ0.5モル%固溶されたスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
ンタン化合物の粒子が分散されて付着された正極活物質を用いる以外は、前記の実施例A1の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
比較例b5においては、正極を作製するにあたり、正極活物質粒子として、上記の比較例a5と同じスピネル型マンガン酸リチウムLiMn2O4を用いた。
比較例a6においては、スピネル型マンガン酸リチウムからなる正極活物質粒子の表面に、ランタン化合物とイットリウム化合物の何れも付着させないようにした。それ以外は、比較例a5,b5の場合と同様にして非水電解質二次電池を作製した。
10分間休止させた。
めた。
11 正極
11B 正極集電タブ
12 負極
12B 負極集電タブ
13 セパレータ
20 電池容器
Claims (11)
- ニッケルとコバルトから選択される少なくとも一種の元素を含有する正極活物質粒子の表面に、水酸化ランタンとオキシ水酸化ランタンと水酸化イットリウムとオキシ水酸化イットリウムとから選択される少なくとも一種の粒径100nm以下の化合物の粒子が付着されていることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に付着された粒子が、水酸化ランタンとオキシ水酸化ランタンとからなるランタン化合物であり、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたランタン化合物におけるランタン元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質において、上記の正極活物質粒子の表面に付着された粒子が、水酸化イットリウムとオキシ水酸化イットリウムとからなるイットリウム化合物であり、正極活物質粒子に対して、その表面に付着されたイットリウム化合物におけるイットリウム元素の量が0.35質量%以下であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にランタン塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化ランタンを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を製造するにあたり、上記の正極活物質粒子を分散させた溶液にイットリウム塩の溶液を加えて上記の正極活物質粒子の表面に水酸化イットリウムを析出させる工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項4又は請求項5に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、正極活物質粒子の表面に水酸化ランタン又は水酸化イットリウムを析出させる工程におけ
る溶液のpHを6以上にしたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。 - 請求項4〜請求項6の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、正極活物質粒子の表面に水酸化ランタン又は水酸化イットリウムを析出させる工程の後に、表面に水酸化ランタン又は水酸化イットリウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する工程を有することを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項7に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化ランタンが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が600℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項7に記載の非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法において、表面に水酸化イットリウムが析出された正極活物質粒子を熱処理する温度が450℃未満であることを特徴とする非水電解質二次電池用正極活物質の製造方法。
- 請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の非水電解質二次電池用正極活物質を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池用正極。
- 正極と、負極と、非水電解液とを備えた非水電解質二次電池において、その正極に、上記の請求項10に記載の非水電解質二次電池用正極を用いたことを特徴とする非水電解質二次電池。
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