JP5550839B2 - 美白剤 - Google Patents
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Description
上記のメラニン色素の生成を抑制する美白剤については、従来より植物由来の抽出物が、その安全性や皮膚への刺激の穏やかさを期待して種々開発されている(例えば特許文献1〜4参照)。
したがって、抗酸化剤を配合した皮膚外用剤は、光酸化ストレスによる皮膚老化(例えば、シミ、しわ、たるみなど)に予防・改善効果が期待できる。また、フリーラジカルが関連する各種皮膚疾患用皮膚外用剤としても、予防・改善効果が期待できる。
本発明の抗老化剤および抗酸化剤は、活性酸素(フリーラジカル)による皮膚老化や皮膚疾患を防止・抑制する優れたフリーラジカル捕捉能を有するものである。
本発明の美白用皮膚外用剤は、肌に塗布することで優れた美白効果を発揮し、日焼け後の色素沈着・しみ・そばかす・肝斑等の淡色化、美白に優れた効果を有し、安全性も高いものである。
本発明の抗老化用皮膚外用剤および抗酸化用皮膚外用剤は、肌に塗布することで優れたフリーラジカル捕捉能を発揮し、活性酸素(フリーラジカル)による皮膚老化や皮膚疾患を防止・抑制することができ、安全性も高いものである。
本発明で用いられる植物は、マツバラン科マツバラン属(Psilotum)に属する植物であり、シダ植物の仲間である。マツバラン属植物としては、Psilotum nudum 、Psilotum complanatum、Psilotum flabellatum、Psilotum flaccidum、Psilotum triquetrum、Psilotum truncatumなどが知られている。
抽出部位としては全草を用いる以外に、特定の部位を集めて抽出しても良い。
本発明の美白剤、抗酸化剤および抗老化剤はマツバラン属(Psilotum)植物の抽出物を含むことを特徴とするが、本発明の効果を損なわない範囲において他の種々の成分を含有することが出来る。
最初に、本実施例で用いた植物抽出物の調製方法、メラニン生成抑制効果、抗酸化効果に関する試験方法とその結果について説明する。
本実施例ではいずれも沖縄産の植物を用いたが、これに限定されるものではない。
(1) Psilotum nudumの全草7.4gにメタノール75mLを加え、室温で7日間浸漬後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物1.360gを得た。
(2) Psilotum nudumの全草1.04gに50%エタノール水溶液10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.18gを得た。
(3) Psilotum nudumの全草1.02gに70%エタノール水溶液10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.21gを得た。
(4) Psilotum nudumの全草1.03gに90%エタノール水溶液10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.21gを得た。
(5) Psilotum nudumの全草1.05gに100%エタノール10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.15gを得た。
(6) Psilotum nudumの全草1.00gにアセトン10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.072gを得た。
(7) Psilotum nudumの全草1.01gに酢酸エチルエステル10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。ろ液の溶媒を留去し、乾燥固形物0.067gを得た。
(8) Psilotum nudumの全草1.00gに1,3−ブタンジオール10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。本エキスの蒸発残分(105℃、減圧下6時間)を測定したところ、6.3mg/gであった。
(9) Psilotum nudumの全草1.00gにジプロピレングリコール10mlを加え、室温で攪拌しながら3日間抽出後、ろ過した。本エキスの蒸発残分(105℃、減圧下6時間)を測定したところ、5.3mg/gであった。
(10) (1)にて得られた抽出乾固物1.0gを水50mlに分散・溶解させた後、酢酸エチルエステル50mlで3回抽出した。酢酸エチル相を濃縮し、272mgの乾燥物を得た。本品をアセトンに溶解し活性炭処理を行った後、ろ過した。ろ液を濃縮し、脱色物201mgを得た(酢酸エチル画分)。
前述の各種の抽出方法により得られたマツバラン抽出物を試験試料として用い、次の方法でメラニン生成抑制効果を測定・評価した。
マウスB16メラノーマ細胞を6ウェルプレートに100,000細胞/ウェルで播種した。翌日、試験物質溶液(乾燥物の場合は溶媒:DMSO)を添加した。
試験物質溶液添加から3日後に培地を吸引除去した後、10%のアラマブルー溶液を含むEMEM培地を1ml添加して、37℃で反応させた。30分後に100μlを96ウェルプレートに移し、励起波長544nm、測定波長590nmで蛍光を測定した。その値を細胞数の相対値として、試験物質無添加群(溶媒のみ添加)に対する試験物質添加群の細胞数比率(%細胞数)を算出した。%細胞数が高いほど細胞毒性が低いことを意味し、80%未満は「毒性あり」と判断した。
培地を吸引除去し、バッファー(リン酸緩衝液50mM、pH6.8)を用いて洗浄した後、1M NaOHを添加して細胞を溶解し、475nmの吸光度を測定した。この値をメラニン量の相対値として、試験物質無添加群(溶媒のみ添加)に対する試験物質添加群のメラニン量比率(%)を算出した。メラニン量比率が低いほどメラニン生成抑制効果が高いことを意味する。
各植物抽出物を用いたメラニン量比率(%)の結果を表1に示した。表1はコントロールのメラニン量を基準とし、マツバラン抽出物を添加した場合(抽出乾燥物換算濃度)のメラニン量をコントロールに対する百分率で示したものである。植物抽出物を含まない溶媒のみを添加した場合をコントロールとした。
前述の各種の抽出方法により得られたマツバラン抽出物を試験試料として用い、次の方法で抗酸化効果を測定・評価した。
Dimethyl Sulfoxideで溶解した被験物質を96wellプレートに10μl/wellずつ注入した後、1mmol/lの1,1−Diphenyl−2−picrylhydrazyl溶液を90μl/well添加した。室温にて10分間放置した後、517nmにおける吸光度を測定し、吸光度のデータより、ラジカル量のコントロールに対する消去率(%)を求めた。その評価結果を表3に示す。
各処方中のマツバラン抽出物含量は抽出溶媒を除去した後の乾燥残分量として表した。
トリメチルグリシン 1.0
マツバランエタノール抽出物 0.00001
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
アルギン酸ナトリウム 0.1
エチルアルコール 5.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
マツバランアセトン抽出物1,3−ブタンジオール転溶物 5.0
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 4.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 1.0
PEG/PPG−14/7ジメチルエーテル 3.0
エリスリトール 1.0
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 0.5
ジイソステアリン酸ポリグリセリル 0.3
トリエチルヘキサノイン 0.3
EDTA3ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
精製水 残余
トラネキサム酸 1.0
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
リポ酸 0.1
ハマメリス葉エキス 0.1
ヒポタウリン 0.1
クララエキス 0.1
トウニンエキス 0.1
ブナの芽エキス 0.1
マツバラン1,3-ブタンジオール抽出物 0.0001
アスコルビン酸リン酸マグネシウム 0.1
チオタウリン 0.1
緑茶エキス 0.1
西洋ハッカエキス 0.1
イリス根エキス 1.0
トリメチルグリシン 1.0
グリセリン 1.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ヒドロキシエチルセルロース 0.05
エチルアルコール 5.0
ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンデシルテトラデシルエーテル 0.2
EDTA3ナトリウム 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
グリチルリチン酸ジカリウム 0.05
酢酸トコフェロール 0.5
マツバランジプロピレングリコール抽出物 0.001
L−グルタミン酸ナトリウム 0.05
ウイキョウエキス 0.1
酵母エキス 0.1
ジオウエキス 0.1
ヒドロキシプロピル−β−シクロデキストリン 0.1
グリセリン 6.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリオキシエチレンメチルグルコシド 3.0
ヒマワリ油 1.0
スクワラン 2.0
イソドデカン 4.0
ジメチルポリシロキサン 3.0
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.1
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.1
エチルアルコール 5.0
水酸化カリウム 適量
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
ベンガラ 適量
黄酸化鉄 適量
エチルパラベン 適量
香料 適量
精製水 残余
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
マツバランアセトン抽出物エタノール転溶物 0.00003
酢酸トコフェロール 0.1
1,3−ブチレングリコール 5.0
スクワラン 0.5
イソドデカン 10.0
イソヘキサデカン 25.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 1.5
トリメチルシロキシケイ酸 1.0
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 1.0
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 5.0
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 1.0
シリコーン被覆微粒子酸化チタン 4.0
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
球状ポリエチレン末 3.0
タルク 5.0
EDTA3ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
L−アルギニン 0.1
ローヤルゼリーエキス 0.1
酵母エキス 0.1
マツバラン90%エタノール抽出物 10.0
グリチルレチン酸ステアリル 0.05
酢酸トコフェロール 0.1
アセチル化ヒアルロン酸ナトリウム 0.1
グリセリン 5.0
ジプロピレングリコール 7.0
ポリエチレングリコール1500 2.0
流動パラフィン 7.0
ワセリン 3.0
ベヘニルアルコール 1.0
バチルアルコール 2.0
ホホバ油 1.0
ステアリン酸 0.5
イソステアリン酸 0.5
ベヘニン酸 0.5
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 3.0
2−エチルヘキサン酸セチル 3.0
モノステアリン酸グリセリン 1.0
モノステアリン酸ポリオキシエチレングリセリン 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.15
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
水酸化カリウム 適量
メチルパラベン 適量
香料 適量
精製水 残余
アスコルビン酸グルコシド 1.5
トラネキサム酸 1.0
酢酸トコフェロール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
マツバラン1,3-ブタンジオール抽出物 0.0003
パントテニルエチルエーテル 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリセリン 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール20000 0.5
ワセリン 2.0
ホホバ油 3.0
スクワラン 2.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.5
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.2
ジメチルポリシロキサン 2.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 0.1
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 3.0
4−t−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン 0.1
ジパラメトキシ桂皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル 0.1
キサンタンガム 0.1
カルボキシビニルポリマー 0.2
エタノール 5.0
水酸化カリウム 適量
ピロ亜硫酸ナトリウム 適量
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
EDTA3ナトリウム 適量
黄酸化鉄 適量
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
マツバラン90%1,3−ブタンジオール抽出物 0.05
4−メトキシサリチル酸カリウム 3.0
プロピレングリコール 5.0
グリセリン 8.0
ステアリン酸 2.0
ステアリルアルコール 7.0
水添ラノリン 2.0
スクワラン 5.0
2−オクチルドデシルアルコール 6.0
ポリオキシエチレンセチルアルコールエーテル 3.0
グリセリンモノステアリン酸エステル 2.0
水酸化カリウム 適量
エチルパラベン 適量
香料 適量
イオン交換水 残余
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
3−O−エチルアスコルビン酸 1.0
マツバラン50%エタノール抽出物 0.3
コエンザイムQ10 0.03
トラネキサム酸 2.0
酢酸トコフェロール 0.1
ヒアルロン酸ナトリウム 0.05
パントテニルエチルエーテル 0.1
グリチルレチン酸ステアリル 0.1
グリセリン 7.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール20000 0.5
ワセリン 2.0
ベヘニルアルコール 0.5
バチルアルコール 0.2
スクワラン 2.0
ヒドロキシステアリン酸フィトステリル 0.5
ホホバ油 3.0
テトラ2−エチルヘキサン酸ペンタエリスリット 1.0
ジメチルポリシロキサン 2.0
イソステアリン酸ポリオキシエチレングリセリル 1.5
ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油 1.0
カルボキシビニルポリマー 0.2
キサンタンガム 0.1
エタノール 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
黄酸化鉄 適量
EDTA3ナトリウム 適量
水酸化カリウム 適量
パラオキシ安息香酸エステル 適量
精製水 残余
トラネキサム酸 2.0
4−メトキシサリチル酸カリウム 1.0
マツバラン50%1,3−ブタンジオール抽出物 3.0
グリチルリチン酸ジカリウム 0.02
グルタチオン 1.0
チオタウリン 0.05
クララエキス 1.0
ジプロピレングリコール 5.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
イソヘキサデカン 25.0
ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体 2.0
ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト 0.5
ブチルエチルプロパンジオール 0.5
パラメトキシ桂皮酸2−エチルヘキシル 7.5
トリメチルシロキシケイ酸 5.0
球状ポリアクリル酸アルキル粉末 5.0
パルミチン酸デキストリン被覆微粒子酸化亜鉛 15.0
EDTA3ナトリウム 適量
メチルパラベン 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
4−メトキシサリチル酸カリウム 0.1
オドリコソウエキス 0.1
マツバラン酢酸エチル画分乾燥物 0.00001
グリチルリチン酸ジカリウム 0.1
アスコルビン酸グルコシド 2.0
酢酸トコフェロール 0.1
オウゴンエキス 0.1
ユキノシタエキス 0.1
グリセリン 2.0
1,3−ブチレングリコール 5.0
ポリエチレングリコール1500 3.0
ポリエチレングリコール20000 3.0
寒天末 1.5
キサンタンガム 0.3
アクリル酸・メタクリル酸アルキル共重合体 0.05
オクタン酸セチル 3.0
ジメチルポリシロキサン 5.0
ヘキサメタリン酸ナトリウム 適量
ジブチルヒドロキシトルエン 適量
黄酸化鉄 適量
クエン酸 適量
クエン酸ナトリウム 適量
水酸化ナトリウム 適量
フェノキシエタノール 適量
香料 適量
精製水 残余
Claims (3)
- マツバラン科マツバラン属(Psilotum)植物の抽出物を含むことを特徴とする美白剤。
- マツバラン科マツバラン属(Psilotum)植物がマツバラン(Psilotum nudum)であることを特徴とする請求項1に記載の美白剤。
- マツバラン科マツバラン属(Psilotum)植物の抽出物を含むことを特徴とする美白用皮膚外用剤。
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