まず、第1の実施の形態について説明する。
ここでは、メタルゲート電極を備えたトランジスタを有する半導体装置を例にして説明する。
図1〜図9は、第1の実施の形態に係る半導体装置形成フローの一例を示す図である。以下、形成フローを順に説明していく。
まず、図1に示す工程について述べる。図1(A)はゲート絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図1(B)は仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図、図1(C)は犠牲層及びハードマスクの形成工程の要部断面模式図である。
はじめに、図1(A)に示すように、素子分離領域1aを形成した半導体基板1上に、ゲート絶縁膜2を形成する。ここでは一例として、半導体基板1として、シリコン(Si)基板を用い、素子分離領域1aとして、STI(Shallow Trench Isolation)を形成する。
ゲート絶縁膜2には、例えば、高誘電率(High−k)材料を用いる。ここではまず、半導体基板1上にHigh−k膜2aを形成する。High−k膜2aには、例えば、酸化ハフニウム(HfO)膜を用いることができる。その場合、HfO膜には、ジルコニウム(Zr)、チタン(Ti)、アルミニウム(Al)、シリコン(Si)、タンタル(Ta)、ランタン(La)、イットリウム(Y)、マグネシウム(Mg)のうち1種又は2種以上の元素が含まれていてもよい。これらの各元素は、後述のようにして形成されるトランジスタにおける閾値Vthの制御に利用され得る。
このようなHigh−k膜2aを、半導体基板1上に、膜厚0.5nm〜3nm、例えば膜厚2nmで形成する。High−k膜2aの形成には、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、ALD(Atomic Layer Deposition)法、PVD(Physical Vapor Deposition)法等を用いることができる。
尚、High−k膜2aには、HfO膜のほか、酸化ジルコニウム(ZrO)膜を用いることもできる。
High−k膜2aの形成後には、酸化雰囲気中、500℃〜1050℃の温度条件で熱処理を行い、High−k膜2aの膜質を調整するようにしてもよい。例えば、High−k膜2aの形成後に、850℃、5秒間の熱処理を行う。図1(A)には、このような熱処理を行った場合の状態を例示しており、熱処理により、半導体基板1とHigh−k膜2aとの界面領域には、酸化膜2b(ここでは酸化シリコン(SiO2)膜)が形成される。また、High−k膜2aの形成後には、750℃〜1100℃の温度条件で窒素(N2)プラズマ処理を行い、High−k膜2aを窒化するようにしてもよい。更にまた、このような窒化処理と、上記のような熱処理とを、共に行うことも可能である。
ゲート絶縁膜2の形成後は、図1(B)に示すように、仕事関数制御層3を形成する。仕事関数制御層3には、例えば、窒化チタン(TiN)を用いることができる。仕事関数制御層3の膜厚は、例えば、3nm〜10nmとする。仕事関数制御層3は、PVD法、MO(Metal Organic)−CVD法、熱CVD法、ALD法等を用いて形成することができる。
例えば、仕事関数制御層3として、膜厚5nmのTiN膜を、PVD法を用いて形成する。PVD法を用いてTiN膜を形成する場合には、Tiターゲット並びに、アルゴン(Ar)ガス及びN2ガスを用いたリアクティブスパッタにより、TiN膜を形成する。尚、TiターゲットとN2ガスを用いたリアクティブスパッタにより、TiN膜を形成することもできる。また、形成するトランジスタのチャネル導電型に応じて仕事関数を調整する観点から、チタンアルミニウム(TiAl)合金のターゲットを用い、膜中にAlを混入させてもよい。
仕事関数制御層3の形成後は、図1(C)に示すように、犠牲層4を形成する。犠牲層4には、ポリシリコンやアモルファスシリコン等のSi系材料を用いることができる。例えば、犠牲層4として、膜厚10nm〜100nmのポリシリコンを、CVD法を用いて形成する。
そして、このような犠牲層4上に、図1(C)に示すように、ハードマスク5を形成する。ハードマスク5として、例えば、膜厚5nm〜20nmの窒化シリコン(SiN)膜を形成する。ハードマスク5は、後述するダミーゲート加工時のマスクや、CMP(Chemical Mechanical Polishing)時の犠牲層4の保護膜(ストッパ膜)としての役割を果たす。
続いて、図2に示す工程について述べる。図2(A)はダミーゲート加工工程の要部断面模式図、図2(B)はエクステンション領域形成工程の要部断面模式図、図2(C)はソース領域及びドレイン領域等の形成工程の要部断面模式図である。
上記のようにしてハードマスク5の形成まで行った後は、そのハードマスク5を用い、ダミーゲート加工を行い、図2(A)に示すように、素子分離領域1aで画定された素子領域に、ダミーゲート電極110を形成する。この例では、犠牲層4とハードマスク5の積層構造部をダミーゲート電極110と言う。このようなダミーゲート電極110を形成するためのダミーゲート加工は、エッチングにより行うことができる。
その際は、まず、ハードマスク5を所定形状にパターニングするエッチングを行う。ハードマスク5をSiNで形成している場合には、ハードマスク5を、例えば、テトラフルオロメタン(CF4)、フルオロメタン(CH3F)、Ar及び酸素(O2)を用いてエッチングする。
ハードマスク5をパターニングした後は、それをマスクにして犠牲層4のエッチングを行う。犠牲層4をポリシリコンで形成している場合には、犠牲層4を、例えば、CF4、塩素(Cl2)及びN2を用いてエッチングする。これにより、ダミーゲート電極110が形成される。ダミーゲート電極110の幅(ゲート長方向の長さ)は、例えば、20nm〜50nmとする。
ダミーゲート電極110の形成後は、同様にハードマスク5をマスクにして、更に下の仕事関数制御層3及びゲート絶縁膜2を順にエッチングする。仕事関数制御層3をTiNで形成している場合には、仕事関数制御層3を、例えば、Cl2、CF4及びN2を用いてエッチングする。また、ゲート絶縁膜2にハフニウム(Hf)を含むHigh−k膜2aを用いている場合には、High−k膜2aを、トリクロロボロン(BCl3)及びArを用いてエッチングする。High−k膜2aの下に形成されている酸化膜2bは、High−k膜2aのエッチングに続けて、同じくBCl3及びArを用いてエッチングする。
上記のような加工を行った後は、図2(B)に示すように、ダミーゲート電極110の両側の半導体基板1内に、エクステンション領域となる不純物拡散領域6を形成する。この不純物拡散領域6は、所定導電型の不純物を、比較的浅い領域に比較的低濃度でイオン注入することによって、形成する。
不純物拡散領域6の形成後は、まず、図2(C)に示すように、ダミーゲート電極110、仕事関数制御層3及びゲート絶縁膜2の側面に、スペーサ7を形成する。スペーサ7は、例えば、SiNを用いて形成する。スペーサ7を形成する際には、上記加工後に得られるダミーゲート電極110等を被覆するように、不純物拡散領域6形成後の半導体基板1の上に、SiN膜を所定膜厚(例えば1000Å未満)で形成し、それをエッチバックする。これにより、ダミーゲート電極110等の側面に、図2(C)に示すようなスペーサ7が形成される。
尚、スペーサ7の形成時には、このようなSiN膜の形成前に、SiO2膜を形成しておいてもよく、その場合、エッチバック後には、SiO2膜とSiN膜の2層構造のスペーサ7が形成される。勿論、同様にして3層以上の積層構造を有するスペーサ7を形成してもよい。
スペーサ7の形成後は、図2(C)に示すように、ソース領域及びドレイン領域となる不純物拡散領域8を形成する。この不純物拡散領域8は、所定導電型の不純物を、比較的深い領域に比較的高濃度でイオン注入することによって、形成する。
このようにして不純物拡散領域8の形成まで行った後は、所定の熱処理を行い、不純物拡散領域8、及び先に形成した不純物拡散領域6に注入された不純物の活性化を行う。例えば、1000℃を超える温度(例えば1050℃)でRTA(Rapid Thermal Annealing)を行うことで、不純物拡散領域6,8内の不純物を活性化させる。
不純物拡散領域8の表層部には、図2(C)に示すように、シリサイド層9を形成してもよい。例えば、ニッケル(Ni)、コバルト(Co)等の金属を堆積し、熱処理を行って半導体基板1(不純物拡散領域8の表層部)と反応させ、その後、未反応金属を除去することにより、シリサイド層9を形成する。
以上のようにして、ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trが形成される。
続いて、図3に示す工程について述べる。図3(A)は誘電体層形成工程の要部断面模式図、図3(B)はレジストパターン形成工程の要部断面模式図、図3(C)はビアホール形成工程の要部断面模式図である。
ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trを形成した後は、まず、図3(A)に示すように、トランジスタ構造Tr全体を被覆するように、半導体基板1上に誘電体層10(絶縁膜)を形成する。誘電体層10は、SiO2、低誘電率(Low−k)材料、USG(Undoped Silicate Glass)、PSG(Phospho Silicate Glass)、BSG(Boron Silicate Glass)、BPSG(Boron Phospho Silicate Glass)等の材料を用いて形成することができる。誘電体層10には、無機系材料のほか、有機系材料を用いることもできる。誘電体層10は、その材料に応じて、CVD等の堆積法や、塗布法を用いて形成される。誘電体層10の膜厚は、例えば、600nmとする。
誘電体層10の形成後は、レジスト形成とその露光及び現像を行い、誘電体層10上に、最終的に半導体基板1を貫通するビアを形成する領域に開口部11aを設けたレジストパターン11を形成する。開口部11aの直径は、50nm〜3μmの範囲とすることができる。例えば、直径1μmの開口部11aを設けたレジストパターン11を形成する。
レジストパターン11の形成後は、それをマスクにしたエッチングを行い、図3(C)に示すように、誘電体層10を貫通し、更に半導体基板1の内部に達する、ビアホール12(開口部)を形成する。例えば、まず、レジストパターン11をマスクにして、半導体基板1の表面に達するまで誘電体層10をエッチングし、次いで、半導体基板1を、その表面から30μmの深さまでエッチングする。これにより、所定の直径と深さを有するビアホール12が形成される。
ビアホール12の形成後、レジストパターン11は除去する。
尚、ビアホール12の形成に用いるレジストパターン11は、誘電体層10が有機系材料である場合等、誘電体層10の材質によっては、誘電体層10上に、ハードマスクや犠牲層等、マスクとなり得る別の層を介して、形成してもよい。その場合は、レジストパターン11を用いてそのような別の層をパターニングし、そのパターニング後の層をマスクにして、ビアホール12を形成する。これにより、ビアホール12の寸法精度を向上させることが可能になる。
続いて、図4に示す工程について述べる。図4(A)は絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図4(B)はダミーゲート電極露出工程の要部断面模式図、図4(C)はダミーゲート電極除去工程の要部断面模式図である。
ビアホール12の形成後は、図4(A)に示すように、ビアホール12の内面、及び誘電体層10の上面に、絶縁膜13を形成する。絶縁膜13には、SiO2膜を用いることができる。SiO2膜は、例えば、テトラエトキシシラン(TEOS)を用いたCVD法により形成することができる。絶縁膜13の膜厚は、ビアホール12の直径にもよるが、例えば、5nm〜500nmの範囲に設定することができる。直径1μmのビアホール12の場合、絶縁膜13の膜厚は、例えば、100nmとする。
絶縁膜13は、例えば、後述のようにビアホール12に金属材料が埋め込まれた場合に、そのような金属材料の半導体基板1への拡散や、半導体基板1表面のシリサイド化を抑え、半導体基板1へのリーク電流が発生するのを抑える役割を果たす。
絶縁膜13の形成後は、図4(B)に示すように、ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させるための処理を行う。ここでは、CMPを行い、ダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)が露出するまで、絶縁膜13及び誘電体層10を研磨する。CMP後、ビアホール12の内面には、絶縁膜13が残る。尚、CMP後は、例えば、純水や薬液等を用いた洗浄を行い、残渣等を除去する。
ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させた後は、その露出させたダミーゲート電極110を除去し、図4(C)に示すような構造を得る。ダミーゲート電極110を除去する際には、例えば、まずハードマスク5を選択的にエッチングし、続いて、犠牲層4を選択的にエッチングする。この例では、上記のように、ハードマスク5をSiNで、誘電体層10及び絶縁膜13をSiO2で、犠牲層4をSi系材料で、それぞれ形成することができる。このような場合には、まず、SiO2に対してSiNを選択的にエッチングする条件でハードマスク5をエッチングし、続いて、SiO2に対してSiを選択的にエッチングする条件で犠牲層4をエッチングする。
このようにしてダミーゲート電極110を除去することにより、それによって形成されるダミーゲート電極110の除去部120と、絶縁膜13が内面に形成されたビアホール12との、2種類の開口部が、半導体基板1の一方の面側に存在する構造が得られる。
続いて、図5に示す工程について述べる。図5(A)はバリアメタル膜形成工程の要部断面模式図、図5(B)は導電材料形成工程の要部断面模式図、図5(C)はゲート電極及びビアの形成工程の要部断面模式図である。
上記のようにして半導体基板1の一方の面側にダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12を設けた後は、まず、図5(A)に示すように、除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上面に、バリアメタル膜14を形成する。
バリアメタル膜14は、例えば、Ta、窒化タンタル(TaN)、Ti、TiNのうち1種又は2種以上を用いて形成する。このようなバリアメタル膜14は、スパッタ法、CVD法、ALD法等を用いて形成することができる。バリアメタル膜14の膜厚は、例えば、3nm〜50nmとする。例えば、バリアメタル膜14として、ALD法を用い、膜厚7nmのTiN膜を形成する。バリアメタル膜14の形成は、パターンに応じて膜厚が変動する等の、膜厚のパターン依存が生じないような条件を用いて行うことが望ましい。
尚、以上の説明では省略しているが、半導体基板1にチャネル導電型の異なる複数のトランジスタ構造Trを形成することも可能である。その場合には、それらについて形成されるダミーゲート電極110の除去部120のうち、いずれかのチャネル導電型のトランジスタ構造Tr側にのみ、バリアメタル膜14を形成するようにしてもよい。バリアメタル膜14の有無により、形成するトランジスタのゲート電極の仕事関数を調整することができる。
また、ここではビアホール12の内面に絶縁膜13を形成しているため、バリアメタル膜14が直接半導体基板1に接触しない。上記のようなTiやTa等の金属を含むバリアメタル膜14が、直接半導体基板1に接触する場合には、半導体基板1の表面がシリサイド化し、リーク電流が発生する可能性がある。絶縁膜13を形成していることで、このようなリーク電流の発生を抑えることが可能になる。
バリアメタル膜14の形成後は、図5(B)に示すように、バリアメタル膜14形成後の除去部120及びビアホール12を、導電材料15で埋め込む。ここでは、まず、比較的微細な除去部120が埋め込まれるように第1導電材料15aを形成し、次いで、比較的大体積のビアホール12が埋め込まれるように第2導電材料15bを形成する。ここでは導電材料15(第1導電材料15a及び第2導電材料15b)として、Al等の金属材料を用いる。
例えば、第1導電材料15aとして、膜厚5nm〜200nmのAl膜を、CVD法を用いて形成する。その際、第1導電材料15aは、パターン依存による膜厚変動が生じないような条件を用いて形成することが望ましい。例えば、原料ガスにジメチルアルミニウムハイドライド(DMAH)を用い、反応ガスに水素(H2)を用い、基体表面を150℃〜275℃に保持して熱CVDを実施することにより、膜厚5nm〜50nmのAl膜を形成する。ここでは一例として、DMAHとH2を用い、基体表面を250℃に保持して熱CVDを実施し、膜厚20nmのAl膜を形成する。
第1導電材料15aは、除去部120に、少なくとも大きな空隙を生じさせることなく埋め込まれ、また同時に、ビアホール12にも所定の膜厚で形成される。
第1導電材料15aに続いて形成する第2導電材料15bとしては、例えば、第1導電材料15aと同様、Al膜を形成する。第2導電材料15bとして形成するAl膜は、例えば、200℃〜400℃の比較的高温の条件で行われるPVD法を用いた堆積プロセスと、400℃の条件のリフロープロセスにより、形成することができる(ホットアルミリフロー処理)。
尚、このようにしてAl膜を形成してビアホール12を埋め込んだ後、後述のCMP工程での研磨レートを考慮し、Al粒度を一定にするため、再度400℃の条件で熱処理を行ってもよい。この熱処理により、先に第1導電材料15aとして形成したAl膜と、後に第2導電材料15bとして形成したAl膜との境界は、より曖昧になる。但し、ここでは便宜上、第1導電材料15aと第2導電材料15bを別々に図示している。
このようにして導電材料15を形成した後は、CMPにより、誘電体層10上に形成されている導電材料15及びバリアメタル膜14を除去する。このCMPにより、図5(C)に示すように、除去部120に埋め込まれた導電材料15(第1導電材料15a)と、ビアホール12に埋め込まれた導電材料15(第1導電材料15a及び第2導電材料15b)とが分離される。それにより、除去部120にはゲート電極120aが形成され、ビアホール12にはビア12aが形成される。即ち、ゲート電極120aとビア12aが、この段階で同時に形成されるようになる。
尚、ここではメタルゲート電極を形成する場合を例にして説明するが、ゲート電極120aとなる導電材料15には、Al等の金属材料に限らず、形成するトランジスタの形態に応じた様々な材料を用いることが可能である。
続いて、図6に示す工程について述べる。図6は配線層形成工程の要部断面模式図である。
上記のようにしてゲート電極120a及びビア12aを形成した後は、ゲート電極120aを含むトランジスタ構造Tr、及びビア12aにそれぞれ電気的に接続された配線等の導電部を含む、配線層20を形成していく。ここでは配線層20として、多層配線を形成する場合を例示している。
配線層20の形成では、まずゲート電極120a及びビア12aを形成した基体表面に、ハードマスク又はエッチングストッパとして機能する絶縁膜21を形成し、更にその上に、層間絶縁膜22を形成する。そして、絶縁膜21及び層間絶縁膜22を貫通し、ゲート電極120a及びビア12aにそれぞれ電気的に接続されたプラグ23を形成する。更に、層間絶縁膜22、絶縁膜21、及び誘電体層10を貫通し、シリサイド層9(不純物拡散領域6,8)に電気的に接続されたプラグ23を併せて形成する。プラグ23には、タングステン(W)のほか、Al、銅(Cu)等が用いられる。プラグ23は、バリアメタル膜24を介して形成され、バリアメタル膜24には、Ti、TiN、Ta、TaNのうちの1種又は2種以上が用いられる。
次いで、プラグ23を形成した層間絶縁膜22上に、更に層間絶縁膜25を形成し、プラグ23に電気的に接続された、Cu或いはCu合金を主体とする配線26を形成する。配線26は、例えば、ダマシンプロセスにより形成することができる。配線26は、Ti、TiN、Ta、TaNのうちの1種又は2種以上を含むバリアメタル膜27を介して、形成される。
次いで、配線26を形成した層間絶縁膜25上に、ハードマスク又はエッチングストッパとして機能する絶縁膜28を形成し、更にその上に、層間絶縁膜29を形成する。そして、配線26に電気的に接続された、Cu或いはCu合金を主体とするビア30及び配線31を形成する。ビア30及び配線31は、例えば、デュアルダマシンプロセスにより形成することができる。ビア30及び配線31は、Ti、TiN、Ta、TaNのうちの1種又は2種以上を含むバリアメタル膜32を介して、形成される。
次いで、配線31を形成した層間絶縁膜29上に、ハードマスク又はエッチングストッパとして機能する絶縁膜33を形成し、更にその上に、層間絶縁膜34を形成する。そして、これら絶縁膜33及び層間絶縁膜34を貫通し、配線31に達する、Al等のパッド35を形成する。Alのパッド35は、例えば、ホットアルミリフロー処理を用いて形成することができる。パッド35は、Ti、TiN、Ta、TaNのうちの1種又は2種以上を含むバリアメタル膜36を介して、形成される。
このようにして形成したパッド35の少なくとも一部が露出するように、カバー膜37を形成することで、配線層20が形成される。カバー膜37は、感光性ポリイミド樹脂や感光性エポキシ樹脂等の樹脂材料のほか、SiN、炭化シリコン(SiC)、SiO2等のSiを含有する材料を用いて、形成することができる。
尚、ここに示した配線層20の層数、各層の導電部の配置は、単なる例であって、この例に限定されるものではない。
続いて、図7に示す工程について述べる。図7はサポート基板貼り付け工程の要部断面模式図である。
上記のようにして配線層20を形成した後は、その配線層20の表面(パッド35及びカバー膜37の配設面)に、接着剤40を用いてサポート基板41を貼り付ける。サポート基板41は、後述する半導体基板1のバックグラインド時に、配線層20の形成まで行った基体を支持するために、貼り付けられる。
サポート基板41には、ガラス基板、Si基板等を用いることができるが、半導体基板1のバックグラインド時に基体を支持できる程度の機械的強度を有するものであれば、その材質は特に限定されない。また、接着剤40は、バックグラインドが終了するまでの間、そのようなサポート基板41と基体とを接着しておけるものであれば、その材質は特に限定されない。
続いて、図8に示す工程について述べる。図8はバックグラインド工程の要部断面模式図である。
上記のようにしてサポート基板41を貼り付けた後は、半導体基板1の裏面側(サポート基板41を貼り付けた面側と反対の面側)からバックグラインドを行う。このバックグラインドは、ビア12aが露出するまで行う。これにより、半導体基板1を貫通する、貫通シリコンビア(Through Silicon Via;TSV)が形成される。
続いて、図9に示す工程について述べる。図9はバンプ形成工程の要部断面模式図である。
上記のようにして半導体基板1の裏面にビア12aが露出するTSVを形成した後は、絶縁膜50を形成し、更に、その絶縁膜50を貫通してビア12aに電気的に接続された、マイクロバンプ51及び密着導電層52を形成する。
絶縁膜50には、例えば、SiN、SiC、SiO2等、Siを含有した膜を用いることができる。この場合、絶縁膜50は、CVD法等を用いて形成することができる。絶縁膜50の膜厚は、例えば、0.5μmとする。このような絶縁膜50を形成した後、レジスト形成とその露光及び現像を行って、ビア12aに対応する位置に開口部を設けたレジストパターン(図示せず)を形成し、それをマスクにして絶縁膜50のエッチングを行う。それにより、絶縁膜50に、ビア12aに連通する開口部50aを形成する。
その後、密着導電層52を形成し、密着導電層52を介して、マイクロバンプ51を形成する。密着導電層52には、クロム(Cr)、Ti、TiN、Ta、TaN、Cuのうち1種又は2種以上を用いることができる。また、マイクロバンプ51には、金(Au)を用いることができる。
例えば、開口部50aの形成後、まず全面に、膜厚80nmのCr膜と、膜厚500nmのCu膜をPVD法で全面に形成した後、レジスト形成並びに露光及び現像を行い、開口部50aの領域とその周囲を被覆するレジストパターン(図示せず)を形成する。そして、それをマスクにしてエッチングを行い、図9のように、開口部50a内からその周囲の絶縁膜50表面に延びる、密着導電層52を形成する。その後、無電解めっきを行い、密着導電層52上に、マイクロバンプ51となる膜厚5μmのAu膜を形成する。
尚、絶縁膜50には、上記のようなSiを含有した膜のほか、感光性ポリイミド樹脂や感光性エポキシ樹脂等の感光性樹脂を用いることもできる。その場合は、例えば、まずバックグラインド後の半導体基板1上(ビア12aの露出面側)に、そのような感光性樹脂を塗布し、その後、プリベークを行うことで、絶縁膜50を形成する。例えば、回転数2000rpm、60秒でスピンコーティングして感光性樹脂を塗布し、それを80℃でプリベークすることで、絶縁膜50を形成する。絶縁膜50の膜厚は、例えば、0.5μmとする。このようにして感光性樹脂で絶縁膜50を形成した後は、その絶縁膜50の露光及び現像を行って開口部50aを形成し、ポストベークを行った後、上記の例に従って密着導電層52及びマイクロバンプ51を形成すればよい。
マイクロバンプ51の形成後は、半導体基板1の表面側(配線層20の形成面側)に貼り付けられたサポート基板41及び接着剤40を除去する。これにより、TSVを備えた半導体装置が得られる。
以上説明したように、第1の実施の形態に係る半導体装置形成フローでは、図4に示したように、ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trを覆う誘電体層10の形成後、ビアホール12及び絶縁膜13を形成する。そして、ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させた後、ダミーゲート電極110を除去する。ダミーゲート電極110の除去後は、図5に示したように、その除去部120と、ビアホール12とを、導電材料15で埋め込み、除去部120にゲート電極120aを形成すると共に、ビアホール12にビア12aを形成する。このように、ゲート電極120aとビア12aが同時に出来上がるようにするため、例えば、ゲート電極を備えるトランジスタ構造と半導体基板内部に達するビアとをそれぞれ別々に形成する場合に比べ、工程数を抑えることが可能になる。
また、ゲート電極120aとビア12aを同時に形成した後は、その上に配線層20を形成していくことができ、配線層の形成途中で半導体基板1内部に達するビアを形成することを要しない。
上記の例では、ビアホール12を形成するために、誘電体層10と半導体基板1をエッチングする。しかし、配線層の形成途中、即ち、誘電体層10上に更にエッチングストッパや層間絶縁膜を積層した後、それらを貫通し半導体基板1の内部に達するようなビアホールを形成する場合には、材質の異なる膜をそれぞれエッチングしていくことを要する。そのため、エッチングプロセスが複雑になる。また、配線層内には、その形成過程で行われるCMPで各層の平坦性を確保するためにダミー配線がしばしば設けられる。しかし、配線層の形成途中で半導体基板1の内部に達するビアを形成する場合には、当該ビアの形成位置が、そのようなダミー配線の配置に影響されてしまう。或いは、当該ビアの形成位置を避けてダミー配線を形成することで、配線層内の各層の平坦性を確保できなくなるといったことも起こり得る。
一方、上記のような第1の実施の形態に係る半導体装置形成フローによれば、トランジスタ構造Trを被覆する誘電体層10から半導体基板1の内部に達するビアホール12を形成するため、エッチングプロセスが複雑になるのを抑えることができる。また、ビア12aの形成後に配線層20を形成していくことができるため、配線層20内にダミー配線を配置する場合でも、その配置の自由度を高め、平坦性の良好な配線層20を形成することが可能になる。
尚、半導体基板1に形成するトランジスタ構造Trは、そのソース領域及びドレイン領域を、半導体基板1と格子定数の異なる半導体層を用いて形成してもよい。このような半導体層としては、例えば、半導体基板1がSi基板の場合には、シリコンゲルマニウム(SiGe)やSiC等を用いることができる。このような半導体層を形成する場合には、例えば、ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trの形成段階において、ダミーゲート電極110両側の半導体基板1にリセスを形成し、そのリセスに所定の半導体層をエピタキシャル成長させる。その際、不純物を導入しながら半導体層を成長したり、半導体層の成長後に不純物を導入したりすることが可能である。このようにして半導体層を形成した後、誘電体層10の形成を行えばよい。
また、誘電体層10は、単層のほか、複数層を積層した構造としてもよい。例えば、半導体基板1上に、ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Tr全体を被覆するように、トランジスタ構造Trのチャネル領域に圧縮応力又は引っ張り応力を生じさせることのできる、SiN等の応力膜を形成する。その上に、上記のようなSiO2等の絶縁膜を形成し、誘電体層10とする。このような応力膜を形成することで、トランジスタのキャリア移動度の向上が図られるようになる。
次に、第2の実施の形態について説明する。
図10〜図13は、第2の実施の形態に係る半導体装置形成フローの一例を示す図である。尚、この第2の実施の形態に係る形成フローでは、上記第1の実施の形態で述べた図1及び図2の工程までは同じとすることができる。ここでは、それ以降の工程について順に説明していく。
まず、図10に示す工程について述べる。図10(A)は誘電体層形成工程の要部断面模式図、図10(B)はダミーゲート電極露出工程の要部断面模式図、図10(C)はビアホール形成工程の要部断面模式図である。
ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trを形成した後(図1及び図2)、図10(A)に示すように、トランジスタ構造Tr全体を被覆するように、半導体基板1上に誘電体層10を形成する。
第2の実施の形態では、この誘電体層10の形成後、図10(B)に示すように、ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させるための処理を行う。ここでは、CMPを行い、ダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)が露出するまで、誘電体層10を研磨する。
このようにダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させた後、誘電体層10上に、最終的にTSVを形成する領域に開口部11aを設けたレジストパターン11を形成する。レジストパターン11の形成後は、それをマスクにしたエッチングを行い、図10(C)に示すように、誘電体層10を貫通し、半導体基板1の内部に達する、ビアホール12を形成する。ビアホール12の形成後、レジストパターン11は除去する。
続いて、図11に示す工程について述べる。図11(A)は絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図11(B)は絶縁膜除去工程の要部断面模式図、図11(C)はダミーゲート電極除去工程の要部断面模式図である。
ビアホール12の形成、及びレジストパターン11の除去後は、図11(A)に示すように、ビアホール12の内面、及びCMP後の誘電体層10の上面に、SiO2等の絶縁膜13を形成する。このとき、ダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)は、絶縁膜13で被覆される。
絶縁膜13の形成後は、図11(B)に示すように、誘電体層10の上面に形成された絶縁膜13の除去を行う。このときの絶縁膜13の除去は、異方性ドライエッチングにより行うことができる。この異方性ドライエッチングの際には、誘電体層10の上面の絶縁膜13と共に、ビアホール12の底の絶縁膜13もエッチングされ得るが、ビアホール12の側壁には絶縁膜13が残る。図11(B)には、誘電体層10の上面と、ビアホール12の底の絶縁膜13が除去され、ビアホール12の側壁に絶縁膜13が残っている場合を例示している。
このように誘電体層10の上面の絶縁膜13を除去することにより、絶縁膜13で被覆されていたダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)が再び誘電体層10から露出する。
誘電体層10の上面の絶縁膜13を除去し、ダミーゲート電極110を露出させた後は、その露出させたダミーゲート電極110を除去し、図11(C)に示すような構造を得る。ダミーゲート電極110を除去する際には、例えば、まずハードマスク5を選択的にエッチングし、続いて、犠牲層4を選択的にエッチングする。この例では、上記のように、ハードマスク5をSiNで、誘電体層10をSiO2で、犠牲層4をSi系材料で、それぞれ形成することができる。このような場合には、まず、SiO2に対してSiNを選択的にエッチングする条件でハードマスク5をエッチングし、続いて、SiO2に対してSiを選択的にエッチングする条件で犠牲層4をエッチングする。
尚、このダミーゲート電極110の除去に先立ち、ビアホール12の底の絶縁膜13が除去され、Siの半導体基板1が露出している場合には(図11(B))、犠牲層4のエッチング時に、ビアホール12の底の半導体基板1も一部除去され得る。図11(C)には、ダミーゲート電極110が除去されると共に、ビアホール12の底の半導体基板1が一部除去されている場合を例示している。
このようにしてダミーゲート電極110を除去することにより、それによって形成されるダミーゲート電極110の除去部120と、絶縁膜13が内面に形成されたビアホール12との、2種類の開口部が、半導体基板1の一方の面側に存在する構造が得られる。
続いて、図12に示す工程について述べる。図12(A)はバリアメタル膜形成工程の要部断面模式図、図12(B)は導電材料形成工程の要部断面模式図、図12(C)はゲート電極及びビアの形成工程の要部断面模式図である。
半導体基板1の一方の面側にダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12を設けた後は、上記第1の実施の形態と同様、図12(A)に示すように、除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上面に、バリアメタル膜14を形成する。
バリアメタル膜14の形成後は、上記第1の実施の形態と同様、図12(B)に示すように、バリアメタル膜14の形成まで行った除去部120及びビアホール12を、導電材料15(第1導電材料15a及び第2導電材料15b)で埋め込む。
導電材料15を形成した後は、上記第1の実施の形態と同様、図12(C)に示すように、CMPにより、誘電体層10上に形成されている導電材料15及びバリアメタル膜14を除去する。このCMPにより、除去部120にはゲート電極120aが形成され、ビアホール12にはビア12aが形成される。
以降も上記第1の実施の形態と同様に、ゲート電極120aを含むトランジスタ構造Tr、及びビア12aにそれぞれ電気的に接続された導電部を含む、配線層20を形成していく(図6)。配線層20の形成後、その表面に接着剤40を用いてサポート基板41を貼り付け(図7)、半導体基板1の裏面をビア12aが露出するまでバックグラインドする(図8)。尚、この第2の実施の形態において、バックグラインド後に残るビア12aの側壁が絶縁膜13で被覆されるようにするためには、バックグラインドを、ビア12aの側壁の絶縁膜13が露出するまで行うようにすればよい。バックグラインド後は、そのバックグラインドした面側に絶縁膜50、密着導電層52、及びマイクロバンプ51を形成する。最後に、サポート基板41及び接着剤40を除去し、図13に示すようなTSVを備えた半導体装置を得る。
以上説明したように、第2の実施の形態に係る半導体装置形成フローでは、図10に示したように、誘電体層10の形成後、まずダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させ、それからビアホール12を形成する。次いで、図11に示したように、ビアホール12内を含む表面に絶縁膜13を形成し、誘電体層10の上面から絶縁膜13を除去して再びダミーゲート電極110を露出させた後、ダミーゲート電極110を除去する。そして、図12に示したように、その除去部120とビアホール12に、ゲート電極120aとビア12aを形成する。
この第2の実施の形態に係る半導体装置形成フローによっても、工程数を抑えてゲート電極120a及びビア12aを形成することができる。また、ゲート電極120a及びビア12aを形成した後に、配線層20を形成することができる。
次に、第3の実施の形態について説明する。
図14〜図20は、第3の実施の形態に係る半導体装置形成フローの一例を示す図である。以下、形成フローを順に説明していく。
まず、図14に示す工程について述べる。図14(A)はカバー膜形成工程の要部断面模式図、図14(B)は犠牲層形成工程の要部断面模式図、図1(C)はハードマスク形成工程の要部断面模式図である。
第3の実施の形態では、まず、図14(A)に示すように、素子分離領域1aを形成した半導体基板1上に、カバー膜60を形成する。ここではカバー膜60として、膜厚0.5nm〜5nmのSiO2膜を、熱CVD法を用いて形成する。例えば、カバー膜60として、一酸化窒素(NO)を用いた熱CVD法により、膜厚2nmのSiO2膜を形成する。
カバー膜60の形成後は、その上に、図14(B)に示すように、ポリシリコン又はアモルファスシリコン等のSi系材料の犠牲層4を、CVD法等を用いて形成する。
犠牲層4の形成後は、その上に、図14(C)に示すように、ダミーゲート加工等に用いるSiN等のハードマスク5を形成する。
続いて、図15に示す工程について述べる。図15(A)はダミーゲート加工工程の要部断面模式図、図15(B)はエクステンション領域形成工程の要部断面模式図、図15(C)はソース領域及びドレイン領域等の形成工程の要部断面模式図である。
ハードマスク5の形成後は、ハードマスク5を用いたダミーゲート加工を行い、図15(A)に示すように、ダミーゲート電極110(犠牲層4及びハードマスク5)を形成する。ダミーゲート電極110の形成後、更にカバー膜60を加工する。
上記のような加工後は、図15(B)に示すように、ダミーゲート電極110両側の半導体基板1内に、エクステンション領域となる不純物拡散領域6を形成する。
不純物拡散領域6の形成後は、図15(C)に示すように、ダミーゲート電極110及びカバー膜60の側面に、スペーサ7を形成する。スペーサ7の形成後、ソース領域及びドレイン領域となる不純物拡散領域8を形成し、不純物活性化のための熱処理を行う。
不純物拡散領域8の表層部には、図15(C)に示すように、シリサイド層9を形成してもよい。
以上のようにして、ダミーゲート電極110を備え、ゲート絶縁膜部分にカバー膜60が形成されたトランジスタ構造Trが形成される。
続いて、図16に示す工程について述べる。図16(A)は誘電体層形成工程の要部断面模式図、図16(B)はビアホール形成工程の要部断面模式図、図16(C)は絶縁膜形成工程の要部断面模式図である。
ダミーゲート電極110を備えるトランジスタ構造Trの形成後は、図16(A)に示すように、トランジスタ構造Tr全体を被覆する、SiO2等の誘電体層10を半導体基板1上に形成する。
誘電体層10の形成後は、レジスト形成とその露光及び現像を行い、誘電体層10上に、最終的にTSVを形成する領域に開口部を設けたレジストパターン(図示せず)を形成し、それをマスクにしたエッチングを行う。それにより、図16(B)に示すように、誘電体層10を貫通し、半導体基板1の内部に達する、ビアホール12を形成する。ビアホール12の形成後、レジストパターンは除去する。
ビアホール12の形成後は、図16(C)に示すように、ビアホール12の内面、及び誘電体層10の上面に、絶縁膜13を形成する。ここでは絶縁膜13として、例えば、膜厚120nmのSiO2膜を形成する。
続いて、図17に示す工程について述べる。図17(A)はダミーゲート電極露出工程の要部断面模式図、図17(B)はダミーゲート電極除去工程の要部断面模式図、図17(C)はカバー膜除去工程の要部断面模式図である。
絶縁膜13の形成後、図17(A)に示すように、ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させるための処理を行う。ここでは、CMPを行い、ダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)が露出するまで、絶縁膜13及び誘電体層10を研磨する。
ダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させた後、その露出させたダミーゲート電極110を除去し、図17(B)に示すような構造を得る。この例では、上記のように、ハードマスク5をSiNで、誘電体層10及び絶縁膜13をSiO2で、犠牲層4をSi系材料で、それぞれ形成することができる。このような場合には、まず、SiO2に対してSiNを選択的にエッチングする条件でハードマスク5をエッチングし、続いて、SiO2に対してSiを選択的にエッチングする条件で犠牲層4をエッチングする。尚、このようにしてダミーゲート電極110をエッチングにより除去する際、カバー膜60は、半導体基板1にエッチングダメージが加わるのを抑える役割を果たす。
ダミーゲート電極110の除去後は、図17(C)に示すように、ダミーゲート電極110の除去部120の底部に残るカバー膜60を除去する。カバー膜60の除去は、例えば、カバー膜60を、濃度1%のフッ酸(HF)溶液と15秒〜30秒程接触させる(浸漬、スプレー等)ことで、行うことができる。
尚、このようにHF溶液を用いてカバー膜60を除去する際には、ビアホール12に形成されている絶縁膜13もHF溶液と接触する。そのため、カバー膜60及び絶縁膜13が、いずれもSiO2で形成されている場合には、カバー膜60と共に、絶縁膜13も除去され得る。このように絶縁膜13が除去される可能性を考慮し、図16(C)で述べた絶縁膜13の形成段階においては、カバー膜60の除去後もビアホール12に絶縁膜13が残るような膜厚で、予め絶縁膜13を形成しておくことが好ましい。
続いて、図18に示す工程について述べる。図18(A)は絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図18(B)はゲート絶縁膜形成工程の要部断面模式図、図18(C)は仕事関数制御層形成工程の要部断面模式図である。
カバー膜60の除去後は、図18(A)に示すように、ダミーゲート電極110の除去部120に露出する半導体基板1の表面に、改めて酸化膜61bを形成する。ここでは酸化膜61bとして、SiO2膜を形成する。この場合、SiO2膜は、400℃で半導体基板1の表面を酸化することにより、形成することができる。また、SiO2膜は、このような半導体基板1の熱酸化により形成するほか、CVD法等を用いて形成してもよい。
酸化膜61bの形成後は、図18(B)に示すように、ダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上面に、High−k膜61aを形成する。
High−k膜61aには、HfO膜を用いることがきできる。その場合、HfO膜の膜厚は、例えば、0.5nm〜3nmとする。HfO膜中には、トランジスタのVth制御のため、Zr、Ti、Al、Si、Ta、La、Y、Mgのうち1種又は2種以上の元素が含まれていてもよい。
High−k膜61aの形成には、熱CVD法、ALD法、PVD法等を用いることができる。また、High−k膜61aの形成後に、その膜質調整のための熱処理を行ったり、窒化のためのN2プラズマ処理を行ったりしてもよい。
例えば、ALD法を用いて膜厚1.5nmのHfO膜を形成し、その後、0.1%の酸素を含む雰囲気中、1Pa、400℃の条件で熱処理を行って、High−k膜61aを形成する。
このようにダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上面にHigh−k膜61aを形成すると、後述するCMPの際のプロセスマージンを向上させることが可能になる。この点の詳細については後述する。
トランジスタ構造Tr部分では、High−k膜61aと、それに先立って形成した酸化膜61bとが、そのゲート絶縁膜61となる。
尚、ここでは、図17(C)に示したように、カバー膜60を一旦除去し、その後、図18(A)に示したように、酸化膜61bを改めて形成し、その上に、図18(B)に示したように、High−k膜61aを形成して、ゲート絶縁膜61を形成するようにした。このほか、カバー膜60をそのままゲート絶縁膜61の一部として利用可能であれば、図17(B)に示したダミーゲート電極110の除去工程後、図18(B)に示したようなHigh−k膜61aの形成工程に進むようにしてもよい。この場合、図17(C)に示したカバー膜60の除去工程、及び図18(A)に示した酸化膜61bの形成工程を省略することができる。
High−k膜61aの形成後は、図18(C)に示すように、ダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上方に、上記第1の実施の形態と同様にして、仕事関数制御層3を形成する。
続いて、図19に示す工程について述べる。図19(A)はバリアメタル膜形成工程の要部断面模式図、図19(B)は導電材料形成工程の要部断面模式図、図19(C)はゲート電極及びビアの形成工程の要部断面模式図である。
仕事関数制御層3の形成後は、上記第1の実施の形態と同様、図19(A)に示すように、除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上方に、バリアメタル膜14を形成する。
バリアメタル膜14の形成後は、上記第1の実施の形態と同様、図19(B)に示すように、バリアメタル膜14の形成まで行った除去部120及びビアホール12を、導電材料15(第1導電材料15a及び第2導電材料15b)で埋め込む。
導電材料15を形成した後は、図19(C)に示すように、CMPにより、誘電体層10の上方に形成されている導電材料15、バリアメタル膜14、仕事関数制御層3、及びHigh−k膜61aを除去する。このCMPにより、除去部120にはゲート電極120aが形成され、ビアホール12にはビア12aが形成される。
このゲート電極120a及びビア12aを形成する際のCMPについて、更に述べる。
上記のように、ビアホール12の内側、及び誘電体層10の上方には、High−k膜61a、仕事関数制御層3、バリアメタル膜14、導電材料15が、この順で、積層されている。
ここで、ビアホール12に形成された絶縁膜13、及びトランジスタ構造Trを覆っている誘電体層10は、SiO2等の半金属元素の酸化物とすることができる。High−k膜61aは、HfO等の金属酸化物膜とすることができる。仕事関数制御層3及びバリアメタル膜14は、TaNやTiN等の金属窒化物とすることができる。導電材料15は、Al等の金属とすることができる。
このような場合、半金属元素の酸化物、金属酸化物、金属窒化物、金属が順に積層された構造になるため、積層方向に金属元素(金属結合)の割合が段階的に増加する構造になる。これは、ビアホール12の内側及び誘電体層10の上方に積層されるHigh−k膜61a、仕事関数制御層3、バリアメタル膜14、導電材料15の密着力向上に寄与する。その結果、上記図19(C)に示したCMPの際、High−k膜61a、仕事関数制御層3、バリアメタル膜14、導電材料15の剥がれが効果的に抑えられるようになる。それにより、CMPによる研磨を精度良く行ったり、研磨速度を高めてプロセスの効率化を図ったりすることが可能になる。
図19(C)のようにゲート電極120a及びビア12aを形成した後は、上記第1の実施の形態と同様に、ゲート電極120aを含むトランジスタ構造Tr及びビア12aにそれぞれ電気的に接続された導電部を含む、配線層20を形成していく(図6)。配線層20の形成後、その表面に接着剤40を用いてサポート基板41を貼り付け(図7)、半導体基板1の裏面をビア12aが露出するまでバックグラインドする(図8)。バックグラインド後は、そのバックグラインドした面側に絶縁膜50、密着導電層52、及びマイクロバンプ51を形成する。最後に、サポート基板41及び接着剤40を除去し、図20に示すようなTSVを備えた半導体装置を得る。
以上説明したように、第3の実施の形態に係る半導体装置形成フローでは、図18に示したように、ビアホール12を形成し、ダミーゲート電極110を除去した後に、High−k膜61aを含むゲート絶縁膜61を形成する。その後、図19に示したように、ダミーゲート電極110の除去部120とビアホール12に、ゲート電極120aとビア12aを形成する。
この第3の実施の形態に係る半導体装置形成フローによっても、工程数を抑えてゲート電極120a及びビア12aを形成することが可能になる。また、ゲート電極120a及びビア12aを形成した後に、配線層20を形成することができる。
尚、この第3の実施の形態では、図16に示したように、ダミーゲート電極110及びカバー膜60を備えるトランジスタ構造Trを形成し、それを被覆する誘電体層10を形成した後、ビアホール12を形成し、絶縁膜13を形成するようにした。
このほか、第2の実施の形態で述べた図10及び図11の例に従った処理を行うこともできる。即ち、第3の実施の形態において、トランジスタ構造Trを被覆する誘電体層10の形成後、まずCMPによりダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させ、次いでビアホール12を形成し、それから絶縁膜13を形成するようにしてもよい。この場合は、その後、絶縁膜13をエッチング等で除去してダミーゲート電極110を露出させ、図17(B)以降のフローに従って処理を行っていけばよい。
次に、第4の実施の形態について説明する。
この第4の実施の形態では、半導体基板に複数のトランジスタ構造を形成する場合であって、それらのトランジスタ構造を作り分ける場合について説明する。ここでは、pチャネル型とnチャネル型のトランジスタ構造を作り分ける場合を例にして説明する。
図21〜図28は、第4の実施の形態に係る半導体装置形成フローの一例を示す図である。
まず、図21に示す工程について説明する。図21(A)はダミーゲート電極を備えるトランジスタ構造及び誘電体層の形成工程の要部断面模式図、図21(B)はビアホール及び絶縁膜の形成工程の要部断面模式図である。
はじめに、図21(A)に示すように、半導体基板1に、ダミーゲート電極110を備えるpチャネル型及びnチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する。これらの各トランジスタ構造Trは、上記第1の実施の形態で述べた図1及び図2の例に従って、形成することができる。
即ち、素子分離領域1aを形成した半導体基板1上に、ゲート絶縁膜2(High−k膜2a及び酸化膜2b)、仕事関数制御層3、及びダミーゲート電極110(犠牲層4及びハードマスク5)を形成する。そして、pチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する領域A、及びnチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する領域Bにそれぞれ、p型及びn型の不純物拡散領域6を形成する。次いで、領域A及び領域Bの双方に、スペーサ7を形成した後、領域A及び領域Bにそれぞれ、p型及びn型の不純物拡散領域8を形成する。不純物拡散領域8の表層部には、例えば、シリサイド層9を形成する。
このようにして、領域A及び領域Bにそれぞれ、ダミーゲート電極110を備えるpチャネル型及びnチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する。各トランジスタ構造Trの形成後は、図21(A)に示すように、それらを被覆する誘電体層10を、半導体基板1上に形成する。
誘電体層10の形成後は、レジスト形成とその露光及び現像を行い、誘電体層10上に、最終的にTSVを形成する領域に開口部を設けたレジストパターン(図示せず)を形成し、それをマスクにしたエッチングを行う。それにより、図21(B)に示すように、誘電体層10を貫通し、半導体基板1の内部に達する、ビアホール12を形成する。ビアホール12の形成後、レジストパターンは除去する。ビアホール12の形成後は、図21(B)に示すように、ビアホール12の内面、及び誘電体層10の上面に、絶縁膜13を形成する。
続いて、図22に示す工程について述べる。図22(A)はダミーゲート電極露出工程の要部断面模式図、図22(B)はダミーゲート電極除去工程の要部断面模式図である。
絶縁膜13の形成後は、図22(A)に示すように、領域A及び領域Bのダミーゲート電極110を共に誘電体層10から露出させるための処理を行う。ここでは、CMPを行い、両ダミーゲート電極110の上面(ハードマスク5)が露出するまで、絶縁膜13及び誘電体層10を研磨する。
領域A及び領域Bのダミーゲート電極110を露出させた後は、それらのダミーゲート電極110を共に除去し、図22(B)に示すような構造を得る。ダミーゲート電極110を除去する際には、例えば、まずハードマスク5を選択的にエッチングし、続いて、犠牲層4を選択的にエッチングする。
続いて、図23に示す工程について述べる。図23(A)は第1バリアメタル膜及びレジストパターンの形成工程の要部断面模式図、図23(B)は第1バリアメタル膜及びレジストパターンの除去工程の要部断面模式図である。
領域A及び領域Bのダミーゲート電極110を除去した後は、図23(A)に示すように、ダミーゲート電極110の除去部120及びビアホール12の内側、及び誘電体層10の上面に、第1バリアメタル膜70を形成する。例えば、第1バリアメタル膜70として、膜厚3nmのTaN膜を、ALD法を用いて形成する。第1バリアメタル膜70の形成後は、領域A及びビアホール12を覆うレジストパターン71を形成する。
尚、図23(A)には、レジストパターン71の形態の一例を示しているが、レジストパターン71は、この図23(A)に示すような形態に限らず、例えば、ビアホール12内や、領域Aの除去部120内に入り込んでいても構わない。
次いで、形成したレジストパターン71をマスクにして、領域Bに形成されている第1バリアメタル膜70を、エッチング等により除去する。領域Bの第1バリアメタル膜70の除去後、レジストパターン71は除去する。これにより、図23(B)に示すような構造が得られる。即ち、pチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する領域Aには第1バリアメタル膜70を形成し、nチャネル型のトランジスタ構造Trを形成する領域Bには第1バリアメタル膜70を形成しない構造を得る。
続いて、図24に示す工程について述べる。図24(A)は第2バリアメタル膜及び導電材料の形成工程の要部断面模式図、図24(B)はゲート電極及びビアの形成工程の要部断面模式図である。
領域Bの第1バリアメタル膜70の除去後は、図24(A)に示すように、除去部120及びビアホール12の内側、並びに誘電体層10の上面に、第2バリアメタル膜72を形成する。例えば、第2バリアメタル膜72として、膜厚7nmのTiN膜を、ALD法を用いて形成する。領域Aには第1バリアメタル膜70及び第2バリアメタル膜72が積層して形成され、領域Bには第2バリアメタル膜72が形成される。第2バリアメタル膜72の形成後は、除去部120及びビアホール12を、Al等の導電材料15(第1導電材料15a及び第2導電材料15b)で埋め込む。
導電材料15の形成後は、CMPにより、図24(B)に示すように、誘電体層10上に形成されている導電材料15、第2バリアメタル膜72、及び第1バリアメタル膜70を除去する。このCMPにより、領域A及び領域Bの除去部120にゲート電極120aが形成され、ビアホール12にはビア12aが形成される。
領域Aのpチャネル型のトランジスタ構造Trでは、第1バリアメタル膜70及び第2バリアメタル膜72を介して、ゲート電極120aが形成される。一方、領域Bのnチャネル型のトランジスタ構造Trでは、第2バリアメタル膜72を介して、ゲート電極120aが形成される。このように、第1バリアメタル膜70を、pチャネル型のトランジスタ構造Tr側に残し、nチャネル型のトランジスタ構造Tr側に残さないのは、それによってゲート電極120aの仕事関数を制御するためである。
例えば、上記のように、第1バリアメタル膜70にTaNを用い、第2バリアメタル膜72にTiNを用い、ゲート電極120aにAlを用いる場合を想定する。この場合、TaNの第1バリアメタル膜70が存在するpチャネル型のトランジスタ構造Trでは、ゲート電極120aのAlの、仕事関数制御層3への拡散が抑えられ、仕事関数の変動が抑えられる。一方、TiNの第2バリアメタル膜72のみが存在するnチャネル型のトランジスタ構造Trでは、ゲート電極120aのAlの、仕事関数制御層3への拡散がより起こり易く、そのようなAlの拡散によって仕事関数が低下する。このような性質を利用し、pチャネル型のトランジスタ構造Tr側は仕事関数を維持させ、nチャネル型のトランジスタ構造Tr側はより低い仕事関数に変化させて、結果的に、p,n双方のトランジスタ構造Trのそれぞれに適した仕事関数を得る。
このように、第1バリアメタル膜70と第2バリアメタル膜72の作り分けを行うことにより、pチャネル型とnチャネル型のトランジスタ構造Trの作り分けを行うことができる。
図24(B)のようにゲート電極120a及びビア12aを形成した後は、上記第1の実施の形態と同様、次の図25〜図28に示すような工程を経て、TSVを備えた半導体装置を得る。
図25は配線層形成工程の要部断面模式図、図26はサポート基板貼り付け工程の要部断面模式図、図27はバックグラインド工程の要部断面模式図、図28はバンプ形成工程の要部断面模式図である。
まず、図25に示すように、ゲート電極120aを含むpチャネル型及びnチャネル型のトランジスタ構造Tr、並びにビア12aにそれぞれ電気的に接続された導電部を含む、配線層20を形成していく。配線層20の形成後は、図26に示すように、接着剤40を用いてサポート基板41を貼り付ける。その後、図27に示すように、半導体基板1の裏面をビア12aが露出するまでバックグラインドする。バックグラインド後は、図28に示すように、半導体基板1の、バックグラインドした面側に、絶縁膜50、密着導電層52、及びマイクロバンプ51を形成する。最後に、サポート基板41及び接着剤40を除去する。これにより、図28に示すようなTSVを備えた半導体装置が得られる。
尚、第4の実施の形態では、図21に示したように、ダミーゲート電極110を備える2種類のトランジスタ構造Trを形成し、それを被覆する誘電体層10を形成した後、ビアホール12を形成し、絶縁膜13を形成するようにした。
このほか、第2の実施の形態で述べた図10及び図11の例に従った処理を行うこともできる。即ち、第4の実施の形態において、トランジスタ構造Trを被覆する誘電体層10の形成後、まずCMPによりダミーゲート電極110を誘電体層10から露出させ、次いでビアホール12を形成し、それから絶縁膜13を形成するようにしてもよい。この場合は、その後、絶縁膜13をエッチング等で除去してダミーゲート電極110を露出させ、図22(B)以降のフローに従って処理を行っていけばよい。
また、トランジスタ構造Trの形成にあたり、第3の実施の形態で述べた図14及び図15の例に従った処理を行うこともできる。即ち、第4の実施の形態において、領域A及び領域Bにそれぞれ、ダミーゲート電極110及びカバー膜60を備える、pチャネル型及びnチャネル型のトランジスタ構造Trを形成するようにしてもよい。この場合は、そのようなトランジスタ構造Trの形成後、例えば、図21及び図22と同様の工程を実施する。そして、第3の実施の形態で述べた図17及び図18の例に従い、ダミーゲート電極110及びカバー膜60の除去を行い、ゲート絶縁膜61を形成し、更に、仕事関数制御層3を形成する。その後は、図23以降の工程を実施する。尚、ダミーゲート電極110及びカバー膜60を備えるpチャネル型及びnチャネル型のトランジスタ構造Trの形成後、第2の実施の形態で述べた図10及び図11の例に従う処理を行うこともできる。
以上説明した実施の形態に関し、更に以下の付記を開示する。
(付記1) 半導体基板の一方の面に、第1絶縁膜及びダミーゲート電極を形成する工程と、
前記一方の面に、前記ダミーゲート電極を被覆する第2絶縁膜を形成する工程と、
前記第2絶縁膜を貫通し、前記半導体基板の内部に達する第1開口部を形成する工程と、
前記一方の面及び前記第1開口部の内壁に、第3絶縁膜を形成する工程と、
前記ダミーゲート電極を露出させる工程と、
露出させた前記ダミーゲート電極を除去して第2開口部を形成する工程と、
前記第1開口部及び前記第2開口部に導電材料を形成し、前記第1開口部にビアを形成すると共に、前記第2開口部にゲート電極を形成する工程と、
を含むことを特徴とする半導体装置の製造方法。
(付記2) 前記ダミーゲート電極を露出させる工程では、前記ダミーゲート電極上に形成された前記第2絶縁膜及び前記第3絶縁膜を除去し、前記ダミーゲート電極を露出させることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記3) 前記第2絶縁膜を形成する工程後に、前記ダミーゲート電極上に形成された前記第2絶縁膜を除去する工程を含み、
前記ダミーゲート電極を露出させる工程では、前記ダミーゲート電極上に形成された前記第3絶縁膜を除去し、前記ダミーゲート電極を露出させることを特徴とする付記1に記載の半導体装置の製造方法。
(付記4) 前記ダミーゲート電極を形成する前に、前記第1絶縁膜上に前記ゲート電極の仕事関数を制御する層を形成する工程を更に含むことを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記5) 前記第2開口部を形成する工程後に、前記第1開口部及び前記第2開口部に第4絶縁膜を形成する工程を含み、
前記第4絶縁膜が形成された前記第1開口部及び前記第2開口部に前記導電材料を形成することを特徴とする付記1乃至3のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記6) 前記導電材料の形成前に、前記第1開口部及び前記第2開口部に、金属を含む膜を形成する工程を含み、
前記金属を含む膜が形成された前記第1開口部及び前記第2開口部に前記導電材料を形成することを特徴とする付記1乃至5のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記7) 前記ダミーゲート電極を形成する際に、複数のダミーゲート電極を形成し、複数の前記ダミーゲート電極についてそれぞれ前記第2開口部が形成され、
前記導電材料の形成前には、
前記第1開口部、及び複数の前記第2開口部に、金属を含む第1膜を形成する工程と、
複数の前記第2開口部の少なくとも1つに形成された前記第1膜を除去する工程と、
前記第1開口部、前記第1膜が形成された前記第2開口部、及び前記第1膜が除去された前記第2開口部に、金属を含む第2膜を形成する工程と、
を含み、
前記第2膜が形成された前記第1開口部及び複数の前記第2開口部を、前記導電材料で埋め込むことを特徴とする付記1乃至6のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記8) 前記一方の面に、前記ビア及び前記ゲート電極にそれぞれ電気的に接続された導電部を備える配線層を形成する工程を含むことを特徴とする付記1乃至7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
(付記9) 前記半導体基板を、前記一方の面と反対の他方の面から研削し、前記他方の面に前記ビアを露出させる工程を含むことを特徴とする付記1乃至8のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。