JP5546483B2 - エレベータのレール支持装置 - Google Patents

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Description

この発明は、昇降体としてのかご又は釣合おもりの昇降を案内するガイドレールを、昇降路の建築材から支持するエレベータのレール支持装置に関する。
一般的なエレベータ装置では、昇降路内に複数本のガイドレールが設置され、これらのガイドレールによって、昇降体としてのかご又は釣合おもりの昇降が案内される。また、各ガイドレールは、昇降路壁に設置された複数のブラケットに、複数のレールクリップを用いて固定されている。さらに、かご及び釣合おもりには、ガイドレールに沿って摺動可能なガイド装置(ガイドシュー)が設けられている。
ここで、かごや釣合おもりの偏芯荷重や、地震による水平振動によって、ガイドレールがかごや釣合おもりから水平荷重を受けると、支持点であるレールクリップ周りに回転モーメントが発生し、ガイドレール全体に撓みが生じる。この撓みが大きくなると、走行性能が低下したり、ガイド装置がガイドレールから外れて、かごの走行に支障を来たしたりする可能性がある。
これに対して、従来のエレベータのレール支持装置では、ガイドレールを保持するレールクリップが、ブラケット間隔に比べて鉛直方向に近接して配置されている。これにより、レールクリップを中心に発生するガイドレールの回転運動が拘束され、ガイドレール全体の撓みが抑制される(例えば、特許文献1参照)。
特開2002−37566号公報(2〜4頁,図2)
上記のような従来装置では、ブラケットが板材を連続L字状に折り曲げた構成であるため、特にガイドレールの前後方向荷重によって生じるねじりに対して剛性が低く、クリップを鉛直方向に複数配置しただけではブラケットのねじり変形量が大きくなり、この結果、レール撓み低減の効果が比較的低くなっていた。
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、壁側ブラケット及びレール側ブラケットの全体のねじり剛性を向上させることができ、荷重方向によらずガイドレールの撓みを低減させることができるエレベータのレール支持装置を得ることを目的とする。
この発明のエレベータのレール支持装置は、昇降体の昇降を案内するためのレール案内面部とレール背面部とを有するガイドレールを昇降路の建築材から支持するエレベータのレール支持装置であって、前記建築材に取り付けられる建築材側ブラケット取付面部、及び前記建築材側ブラケット取付面部との直交方向へ向けて前記建築材側ブラケット取付面部から突出する建築材側ブラケット側突出面部を有する建築材側ブラケットと、前記レール背面部に取り付けられるレール側ブラケット取付面部、及び前記レール側ブラケット取付面部との直交方向へ向けて前記レール側ブラケット取付面部から突出し前記建築材側ブラケット突出面部に接続されるレール側ブラケット突出面部を有するレール側ブラケットと、前記建築材側ブラケット突出面部及び前記レール側ブラケット突出面部から鉛直方向に間隔をおいて水平方向に沿って配置され、かつ前記レール側ブラケット取付面部に接続され、前記レール側ブラケット取付面部を前記建築材から支持する補強部とを備える。
この発明のエレベータのレール支持装置によれば、レール側ブラケット取付面部が、建築材側ブラケット突出面部及びレール側ブラケット突出面部から鉛直方向に間隔をおいて、水平方向に沿って配置される補強部によって建築材から支持されるので、ガイドレールの前後方向荷重によって生じるレール側ブラケットのねじりに対して、建築材側ブラケット及びレール側ブラケットの全体のねじり剛性を向上させることができ、荷重方向によらずガイドレールの撓みを低減させることができる。
この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。 図1のレール支持装置を拡大して示す側面図である。 図1のレール支持装置を拡大して示す正面図である。 図1のレール支持装置を拡大して示す斜視図である。 実施の形態1のレール支持装置の変形例を示す側面図である。 この発明の実施の形態2によるエレベータのレール支持装置を示す側面図である。 この発明の実施の形態3によるエレベータのレール支持装置を示す側面図である。 この発明の実施の形態4によるエレベータのレール支持装置を示す側面図である。 図8の壁側ブラケットを拡大して示す斜視図である。 この発明の実施の形態5によるエレベータのレール支持装置の一部を示す斜視図である。 図10のレール側ブラケット突出面部及び補強部材の縦断面を示す断面図である。 この発明の実施の形態6によるエレベータのレール支持装置の一部を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6の補強部材の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態6の補強部材の変形例を示す斜視図である。 この発明の実施の形態7によるエレベータのレール支持装置の一部を示す斜視図である。 図15のレール側ブラケットを展開して示す展開図である。
以下、この発明を実施するための形態について、図面を参照して説明する。
実施の形態1.
図1は、この発明の実施の形態1によるエレベータを示す構成図である。
図1において、昇降路1の上部には、巻上機2が設置されている。巻上機2は、駆動シーブ3と、駆動シーブ3を回転させる巻上機モータと、駆動シーブ3の回転を制動する巻上機ブレーキとを有している。駆動シーブ3には、懸架手段4が巻き掛けられている。懸架手段4としては、複数本のロープ又は複数本のベルトが用いられている。
懸架手段4の一端部には、昇降体であるかご5が吊り下げられている。懸架手段4の他端部には、他の昇降体である釣合おもり6が吊り下げられている。かご5及び釣合おもり6は、巻上機2の駆動力によって、昇降路1内を昇降される。
また、昇降路1内には、2対のガイドレール7X,7Y,8X,8Y(以下、総称として「ガイドレール7」「ガイドレール8」ともいう)が立てて設けられている。ガイドレール7X,7Yは、水平方向に互いに間隔をおいて対向配置されている。また、ガイドレール7X,7Yは、鉛直方向に間隔をおいて配置された複数のレール支持装置10を介して、昇降路1の昇降路壁(建築材)1aから支持されている。ガイドレール8X,8Yの構成も、ガイドレール7X,7Yの構成と同様である。
ここで、かご5は、ガイドレール7X,7Yの間に配置されている。また、釣合おもり6は、ガイドレール8X,8Yの間に配置されている。かご3のかご枠、及び釣合おもり6のおもり枠には、それぞれ複数のガイドシュー9が取り付けられている。ガイドシュー9は、ガイドレール7,8に沿って摺動可能であり、かご5及び釣合おもり6の昇降は、ガイドレール7,8によって案内される。
図2は、図1のレール支持装置10を拡大して示す側面図である。図3は、図1のレール支持装置10を拡大して示す正面図である。図4は、図1のレール支持装置10を拡大して示す斜視図である。なお、図4では、ガイドレール7の一部と、レールクリップ15及びボルト17を省略して示す。図2〜4において、ガイドレール7の水平断面形状は、T字状である。また、ガイドレール7は、ガイドシュー9と係合可能なレール案内面部7aと、レール案内面部7aと直角をなすように配置されたレール背面部7bとを有している。
レール支持装置10は、壁側ブラケット(建築材側ブラケット)11、レール側ブラケット12、補強部材取付板13、一対の補強部材14、2対のレールクリップ15、複数のアンカーボルト(取付部材)16、複数のボルト17、及び複数のナット18を有している。
壁側ブラケット11の下端部には、先端部が昇降路壁1aに挿入されたアンカーボルト16が挿通され、このアンカーボルト16によって、壁側ブラケット11が昇降路壁1aに取り付けられている。また、壁側ブラケット11の形状は、L字状である。さらに、壁側ブラケット11は、昇降路壁1aの壁面と対向し昇降路壁1aに取り付けられた壁側ブラケット取付面部11aと、壁側ブラケット取付面部11aと直角をなすように水平方向へ向けて突出する壁側ブラケット突出面部11bとを有している。
レール側ブラケット12の形状は、壁側ブラケット11と同様に、L字状である。さらに、レール側ブラケット12は、レール側ブラケット取付面部12aと、レール側ブラケット取付面部12aと直角をなすように水平方向へ向けて突出するレール側ブラケット突出面部12bとを有している。
レール側ブラケット取付面部12aは、2対のレールクリップ15と、複数のボルト17と、複数のナット18とによって、レール背面部7bに取り付けられている。2対のレールクリップ15は、鉛直方向に間隔をおいて配置されている。
壁側ブラケット突出面部11b及びレール側ブラケット突出面部12bは、壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12の側面視の全体形状が連続L字状となるように、互いに接続されている。また、壁側ブラケット突出面部11b及びレール側ブラケット突出面部12bは、連結部10aを構成している。ここで、壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12の幅寸法は、レールクリップ15を支点としたガイドレール7の水平方向への撓み変形を抑制するために、レール背面部7bの幅寸法よりも大きい。
補強部材取付板13は、壁側ブラケット取付面部11aと水平方向で重なるように配置されている。また、補強部材取付板13は、壁側ブラケット取付面部11aと昇降路壁1aとの間に介在されている。さらに、補強部材取付板13の一方の主面(図2の左側の面)の全面は、昇降路壁1aの壁面と接している。また、補強部材取付板13の下端部には、アンカーボルト16が挿通されている。即ち、補強部材取付板13は、アンカーボルト16の挿通によって、壁側ブラケット11とともに、昇降路壁1aに取り付けられている。
補強部材14の形状は、断面四角形状でかつ棒状(角棒状)である。補強部材14の一端は、補強部材取付板13の下端部に固定されている。補強部材14の他端は、レール側ブラケット12のレール側ブラケット取付面部12aの上端の角部近傍に固定されている。即ち、補強部材14は、連結部10aから上方に間隔をおいて、水平方向に沿って配置され、補強部材取付板13及びレール側ブラケット12を連結している。ここで、補強部材取付板13及び補強部材14は、補強部10bを構成している。このように、レール支持装置10は、連結部10aと補強部10bとの上下2箇所の支点で、ガイドレール7を昇降路壁1aから支持している。
上記のような実施の形態1によれば、レール側ブラケット取付面部12aが、壁側ブラケット突出面部11b及びレール側ブラケット突出面部12bから鉛直方向に間隔をおいて、水平方向に沿って配置された補強部10bによって昇降路壁1aから支持されている。この構成により、ガイドレール7の前後方向荷重によって生じるレール側ブラケット12のねじりに対して、壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12の全体のねじり剛性を向上させることができ、荷重方向によらずガイドレール7の撓みを低減させることができる。
ここで、実施の形態1では、補強部材取付板13が、同一のアンカーボルト16で、壁側ブラケット11とともに昇降路壁1aに固定されていた。しかしながら、別々のアンカーボルト16で、壁側ブラケット11と別けて補強部材取付板13を昇降路壁1aに固定してもよい。但し、昇降路1に新たに支点を設けるにはアンカーボルト16を昇降路壁1aに追加する必要があり、据付の手間が大幅に増加する。これに加えて、建物側の制限により、必ずしもアンカーボルト16を増設できるとは限らない。
このように、据付容易性の観点から、同一のアンカーボルト16で壁側ブラケット11とともに昇降路壁1aに固定する方が好ましい。従って、実施の形態1では、アンカーボルト16の数を従来と同数としながらも、レール支持装置10の構成を従来のものから変更することによって、ねじり剛性の向上を実現することができる。
また、壁側ブラケット取付面部11aに補強部材取付板13を取り付ける際に、もともと壁側ブラケット11を昇降路壁1aに固定するアンカーボルト16であわせて締結することにより、従来の壁側ブラケット11をそのまま流用することができる。また、補強部材取付板13及び補強部材14の形状も比較的簡素であるため、補強部材取付板13及び補強部材14の加工コストを抑えることができる。
ここで、ガイドレール7の前後軸回りの回転に対しては、図2や図3に示すように、2対のレールクリップ15を鉛直方向に近接して配置することによって、ガイドレール7の撓み変形を抑制している。これに対して、ガイドレール7の左右軸回りの回転に対しては、従来からレールクリップ15によってガイドレール7を挟み込んで固定しているため、図5に示すように、鉛直方向にレールクリップ15が1対だけあっても、ガイドレール7の全体の撓みを抑制することができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、鉛直方向に3対以上のレールクリップ15でガイドレール7を固定する場合であっても、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1では、角棒状の補強部材14によって、レール側ブラケット12と、補強部材取付板13とが連結された。しかしながら、補強部材14は、角棒状の部材に限定するものではなく、パイプや板材でも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。また、補強部材14の断面形状も四角形状に限定するものではなく、円形状やL字状であってもよい。さらに、補強部材14の数も2つに限定するものではなく、1つ又は3つ以上であってもよく、この場合でも、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
また、実施の形態1では、図4に示すように、補強部材取付板13に四角形状の開口を設けることで軽量化を実現している。しかしながら、この開口の有無や開口の形状は、レール支持装置10の撓み変形抑制の効果に影響を与えるものではない。
実施の形態2.
実施の形態1では、壁側ブラケット取付面部11aと昇降路壁1aとの間に補強部材取付板13が介在されていた。これに対して、実施の形態2では、図7に示すように、壁側ブラケット取付面部11aにおけるガイドレール7側に補強部材取付板23が配置されている。なお、図7に示す実施の形態2のレール支持装置10の構成は、概略として、実施の形態1のレール側ブラケット12を上下反転させた構成であり、他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、実施の形態2では、壁側ブラケット取付面部11aにおけるガイドレール7側に補強部材取付板23を配置した場合であっても、壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12の全体のねじり剛性を向上させることができ、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
なお、実施の形態1,2では、壁側ブラケット11及び補強部材取付板13,23がアンカーボルト16によって締結されて固定された。しかしながら、壁側ブラケット11及び補強部材取付板13,23の固定方法は、ボルトの締結に限定するものではない。例えば、嵌め込みや溶接によって、壁側ブラケット11及び補強部材取付板13,23を固定しても、壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12の全体のねじり剛性を向上させることができる。
実施の形態3.
実施の形態1,2のレール支持装置10は、壁側ブラケット11とは別に補強部材取付板13,23を追加した構成であった。これに対して、実施の形態3では、図7に示すように、壁側ブラケット31の少なくとも一部を折り曲げられて(折り曲げ部31cを設けて)、補強部材取付面部31dが形成されている。その補強部材取付面部31dには、補強部材14の一端が固定されている。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、実施の形態3では、補強部材取付板13,23に代えて、壁側ブラケット31の補強部材取付面部31dを用いた場合であっても、壁側ブラケット31及びレール側ブラケット12の全体のねじり剛性を向上させつつ、実施の形態1,2における補強部材取付板13が不要になるため、部品点数を削減できるとともに、エレベータの据付時の作業性を向上させることができる。
実施の形態4.
実施の形態3では、壁側ブラケット31がその全幅に渡って折り曲げられた構成であった。これに対して、実施の形態4では、壁側ブラケット31の幅の一部のみが折り曲げられた構成である。図8は、この発明の実施の形態4によるエレベータのレール支持装置を示す側面図である。図9は、図8の壁側ブラケット41を拡大して示す斜視図である。
図8,9において、実施の形態4の壁側ブラケット41における壁側ブラケット取付面部41aの面の中央部には、コ字状の切り込みが設けられて、ガイドレール7側へ向けて曲げられて、補強部材取付面部41dが形成されている。補強部材取付面部31dは、補強部材14を介して、レール側ブラケット12に連結されている。なお、図9の符号41bは、壁側ブラケット突出面部であり、符号41cは、アンカーボルト16の挿入用の取付孔である。他の構成は、実施の形態2と同様である。
このように、実施の形態4では、実施の形態3と同様に、壁側ブラケット41及びレール側ブラケット12の全体のねじり剛性を向上させつつ、部品点数を削減できるとともに、エレベータの据付時の作業性を向上させることができる。
実施の形態5.
実施の形態1では、補強部材14が壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12を連結する構成であった。これに対して、実施の形態5では、補強部材54が壁側ブラケット11及びレール側ブラケット12を連結せずに、レール側ブラケット52におけるレール側ブラケット突出面部52bに固定され、レール側ブラケット突出面部52bの強度を向上させる構成である。
図10は、この発明の実施の形態5によるエレベータのレール支持装置の一部を示す斜視図である。なお、図10では、説明の簡略化のため、壁側ブラケットを省略して示す。図10において、実施の形態5のレール側ブラケット52のレール側ブラケット突出面部52bの長さは、壁側ブラケットの壁側ブラケット突出面部の長さと同一である。レール側ブラケット突出面部52bの下面は、壁側ブラケット突出面部の上面と全面で接合されて固定されている。
レール側ブラケット突出面部52bの上面には、その上面全体を覆うようにコ字状(角パイプ状)の補強部材54が固定されている。補強部材54の長さは、レール側ブラケット突出面部52bの長さと同一である。また、補強部材54の長さ方向の一端は、レール側ブラケット取付面部52aに固定されている。さらに、補強部材54の長さ方向の他端は、昇降路壁1aの壁面に接している。
ここで、レール側ブラケット突出面部52b及び補強部材54を合わせた部分の、レール側ブラケット突出面部52bの突出方向での投影面での断面形状は、レール側ブラケット突出面部52bの長さ方向(図10の左右方向)であれば、図11に示すように、常に閉じた形状(ロ字状)である。他の構成は、実施の形態1と同様である。
このように、実施の形態5によれば、レール側ブラケット52のレール側ブラケット突出面部52bの長さが、壁側ブラケットの壁側ブラケット突出面部の長さ同一の長さとされ、レール側ブラケット突出面部52bの上面(主面)を覆うように補強部材54が固定されている。この構成により、レール側ブラケット52の強度を向上させることができ、ねじりに対する壁側ブラケット及びレール側ブラケット52の全体の変形量を低減させることができる。
なお、実施の形態5において、レール側ブラケット取付面部52a及びレール側ブラケット突出面部52bの両方で補強部材54が固定されていれば、その固定方法や固定箇所の数によらずに、壁側ブラケット及びレール側ブラケット52の全体のねじり剛性向上の効果が得られる。
ここで、レール側ブラケット52に固定される補強部材54は、レール側ブラケット52とは別に用意し、エレベータの据付現場で据え付けの際に組み立てても、予め工場等で組み立てても、ねじり剛性向上の効果は同じである。但し、予めレール側ブラケット52及び補強部材54を工場等で組み立てておくことにより、エレベータの据え付け時における部品点数が削減され、据付作業性を向上させることができる。
また、実施の形態5では、一例としてレール側ブラケット52のサイズとほぼ同じ、角パイプ状の補強部材54を用いた。しかしながら、補強部材54の寸法や形状・数は、図10に示した構成に限定されるものではない。
実施の形態6.
実施の形態5の構成では、レール側ブラケット52において、レール側ブラケット突出面部52bの長さ方向のどの位置で切り出しても、断面は閉じた形状である。しかしながら、レール側ブラケット突出面部52bの上面全体をコ字状の板材で覆っている構成のため、補強部材54を追加する以前に比べ、レール支持装置の重量が増加する。
そこで、実施の形態6では、図12に示すように、補強部材54の一部を切り欠いた形状とする。図12に示す構成では、位置によっては断面が開いた形状となるが、レール側ブラケット52及び補強部材54を合わせた断面を、レール側ブラケット突出面部52bの突出方向(長さ方向)へ投影すると、その投影形状は閉じている。これにより、レール支持装置の全体としてのねじり剛性を向上させることができる。また、実施の形態6の補強部材54の体積は、図10に示す実施の形態5の補強部材54に比べて少なくなるため、重量低減や材料コスト削減の効果を得ることができる。
なお、図13,14に示す構成のように、レール側ブラケット突出面部52bの長さ方向の任意の位置で切り出した断面形状が開いていても、レール側ブラケット突出面部52bの長さ方向へ投影した断面形状が最終的に閉じた状態となれば、図12に示す構成と同様に、レール支持装置10のねじり剛性向上と重量削減との効果を得ることができる。
また、実施の形態5,6では、レール側ブラケット52について補強を施し、壁側ブラケット及びレール側ブラケット52の全体のねじり剛性の向上を実現した。しかしながら、壁側ブラケットに対して同様の補強を施すことにより、実施の形態5,6と同等の効果を得ることができる。また、レール側ブラケット及び壁側ブラケットのいずれか一方だけでなく、レール側ブラケット及び壁側ブラケットの両方に補強部材による補強を施しても、実施の形態5,6と同等の効果を得ることができる。なお、壁側ブラケットの形状も、レール側ブラケット52と同様のL字状であるため、ここでは壁側ブラケットに補強部材を追加した構成の図は省略する。
実施の形態7.
実施の形態5,6では、レール側ブラケット52及び補強部材54が別部材で構成されていた。これに対して、実施の形態7では、実施の形態5,6のレール側ブラケット52及び補強部材54に相当する構成が同一の部材で形成される。
図15は、この発明の実施の形態7によるエレベータのレール支持装置の一部を示す斜視図である。図16は、図15のレール側ブラケット72を展開して示す展開図である。図15,16において、のレール側ブラケット72をなす板材は、折り曲げ加工され、板材の端面が重なる部分を溶接や締結などにより接合することによって、実施の形態5,6の補強部材54に相当する構成を有するレール側ブラケット72が形成される。即ち、レール側ブラケット72は、レール側ブラケット取付面部72aと、補強部を兼ねるレール側ブラケット突出面部72bとを有している。他の構成は、実施の形態5と同様である。なお、図15の符号71cは、アンカーボルト16の挿入用の取付孔である。
このように、実施の形態7では、このレール側ブラケット72が壁側ブラケット71と組み合わせることで、壁側ブラケット71及びレール側ブラケット72の全体のねじり剛性を向上させることができる。ここで、実施の形態5,6では、補強部材54の数だけ部品点数が増加する。これに対して、実施の形態7では、実施の形態5,6のレール側ブラケット52及び補強部材54に相当する構成が同一の部材で形成されるため、部品点数や加工工数の削減、さらには据付性の向上といった利点がある。
なお、図15,16では、実施の形態5,6のレール側ブラケット52及び補強部材54に相当する構成が同一の部材で形成する一例として、板材を曲げ加工する例を説明したが、切削加工などの他の加工方法であっても得られる効果は等しい。
また、図15,16では、レール側ブラケット72を対象にした。しかしながら、壁側ブラケット71を対象にしても、レール側ブラケット72及び壁側ブラケット71の両方を対象としても、実施の形態7と同様の効果を得ることができる。
ここで、以上の実施の形態1〜7では、主に壁側ブラケット及びレール側ブラケットの全体のねじり剛性向上の効果について述べてきた。しかしながら、ガイドレールの幅方向(左右方向)の荷重に対しても、この発明を適用することにより、特許文献1に示すような従来装置の構成に比べて、ガイドレールの幅方向へのねじりに対する剛性を向上させることができる。
1 昇降路、1a 昇降路壁(建築材)、7,7X,7Y,8X,8Y ガイドレール、7a レール案内面部、7b レール背面部、10 レール支持装置、10a 連結部、10b 補強部、11,31,41,71 壁側ブラケット(建築材側ブラケット)、11a,31a,41a,71a 壁側ブラケット取付面部(建築材側ブラケット取付面部)、11b,31b,41b,71b 壁側ブラケット突出面部(建築材側ブラケット突出面部)、12,52,72 レール側ブラケット、12a,52a,72a レール側ブラケット取付面部、12b,52b,72b レール側ブラケット突出面部、13,23 補強部材取付板、14 補強部材、16 アンカーボルト(取付部材)、31d,41d 補強部材取付面部。

Claims (3)

  1. 昇降体の昇降を案内するためのレール案内面部とレール背面部とを有するガイドレールを昇降路の建築材から支持するエレベータのレール支持装置であって、
    前記建築材に取り付けられる建築材側ブラケット取付面部、及び前記建築材側ブラケット取付面部との直交方向へ向けて前記建築材側ブラケット取付面部の端部から突出する建築材側ブラケット突出面部を有する建築材側ブラケットと、
    前記レール背面部に取り付けられるレール側ブラケット取付面部、及び前記レール側ブラケット取付面部との直交方向へ向けて前記レール側ブラケット取付面部の端部から突出し前記建築材側ブラケット突出面部に接続されるレール側ブラケット突出面部を有するレール側ブラケットと、
    前記建築材側ブラケット突出面部及び前記レール側ブラケット突出面部の少なくともいずれか一方に設けられ、前記建築材側ブラケット突出面部及び前記レール側ブラケット突出面部の突出方向へ投影した投影面での形状が前記建築材側ブラケット突出面部あるいは前記レール側ブラケット突出面部の主面を閉じて覆うような形状の補強部と
    を備えることを特徴とするエレベータのレール支持装置。
  2. 前記建築材側ブラケット突出面部及び前記レール側ブラケット突出面部のそれぞれの突出方向の長さが同一である
    ことを特徴とする請求項1記載のエレベータのレール支持装置。
  3. 前記建築材側ブラケット及び前記レール側ブラケットの少なくともいずれか一方には、前記補強部が一体的に形成されている
    ことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のエレベータのレール支持装置。
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