JP5543741B2 - クレーンの転倒防止装置 - Google Patents

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Description

本発明は、アウトリガの反力を検出してクレーンの転倒を防止するクレーンの転倒防止装置に関する。
トラック等の車両に搭載されるクレーンは、一般にアウトリガを備えており、クレーン作業時には、複数個の(通常は車両を前後左右で支持する)アウトリガを張り出して接地させ安定を確保するようになっている。
しかし、吊荷や作業半径が過大になると、バランスが崩れてクレーンが転倒するおそれがある。ここで、クレーンが転倒しようとするときには、転倒する側とは反対側のアウトリガの接地反力が小さくなる。
そこで、例えば特許文献1に記載の技術では、クレーンの転倒事故を防止するために、ロードセル(アウトリガ反力検出器)を用いて、作業時に各アウトリガの接地負荷を検出し、各アウトリガの何れかに作用するアウトリガの接地負荷の検出値が要警戒基準値の範囲内に入ったときには予告警報信号を出力し、また、各アウトリガの何れかに作用するアウトリガの接地負荷の検出値が危険基準値より小さくなったときには転倒警報信号を出力することにより、これらの警報信号をクレーン制御用のコントローラで受けて、減速(予告警報)と停止(転倒警報)の2段階でそれぞれ速度制御をするクレーンの転倒防止装置が提案されている。
特開2003−171087号公報
しかしながら、特許文献1に記載の技術のような2段階速度制御では、予告警報と転倒警報の出力判定基準値が固定値なので、実際のクレーン作業においては、予告警報で十分に減速して転倒警報で停止するという速度制御では、オペレータが速度を上げないようにクレーン操作を行った場合にはクレーンの動作速度が遅くなる。つまり、十分に減速してから停止することはできるものの、予告警報段階に至ってから転倒警報段階に至るまでの時間が長くなる。一方、オペレータが速度を上げようとして操作を行った場合には、クレーンの動作速度が速くなるため、予告警報段階に至ってから転倒警報段階に至るまでの時間が短くなってしまい、十分に減速することができずに転倒を引き起こすおそれがあるという問題がある。
よって、オペレータが速度を上げようとしてクレーンの操作を行った場合でも転倒しないようにするために、予告警報および転倒警報の出力判定基準値を、クレーン速度が速い場合にあわせて設定するしかない。しかし、このような設定であると、クレーン速度が遅い場合はどうしてもクレーンが早めに停止してしまい、クレーンの作業範囲領域が狭められてしまうという問題が発生するため、対策として不十分である。
そこで、本発明は、このような問題点に着目してなされたものであって、オペレータによるクレーンの操作に対し、常に同じ動作でクレーンを減速、停止させつつも、クレーンの転倒を確実に防止することのできるクレーンの転倒防止装置を提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本発明は、トラック等の車両に搭載されてアウトリガを備えるクレーンの転倒を防止するための転倒防止装置であって、前記アウトリガに付設されてその反力値を出力可能な反力検出器と、前記クレーンのコントロールバルブを制御するコントローラとを備え、前記コントローラは、前記反力検出器からの反力値を読み込み、その反力値の大きさに応じた反力率を算出し前記反力検出器からの反力値の大きさに基づいて、前記アウトリガが接地されているかどうかを判断し、前記算出された反力率が予め設定された接地基準値に応答する割合以下であれば、前記アウトリガが接地されていないと判断して、クレーン操作ができないようにするブームインターロックを実行し、
前記算出された反力率が接地基準値に応答する割合を越えていれば、前記コントロールバルブの各スプールのストローク量に前記算出された反力率を乗算して出力値を求め、求められた出力値によって前記コントロールバルブをフィードバック制御して、反力値が小さいときには大きいときに比べて前記コントロールバルブのスプール移動量を少なくしてクレーン速度を無段階で減速させることを特徴としている。
但し、「反力率」とは、アウトリガからの反力値に最大値を設け、その最大値を100%とするときに、アウトリガから入力された反力値を、0〜100%の割合で表したものである。
本発明に係るクレーンの転倒防止装置によれば、コントローラが、反力検出器からの反力値を読み込み、その反力値の大きさに応じた反力率を算出し算出された反力率が接地基準値に応答する割合を越えていれば、コントロールバルブの各スプールのストローク量に算出された反力率を乗算して出力値を求め、求められた出力値によってコントロールバルブをフィードバック制御して、反力値が小さいときには大きいときに比べてコントロールバルブのスプール移動量を少なくしてクレーン速度を無段階で減速させるので、クレーン速度が、アウトリガ反力が小さくなるにつれて減速していく。そのため、オペレータによるクレーンの操作状態に影響を受けることなく、オペレータが急激にクレーン速度を上げようと操作しても(又は誤作動で急激に操作したとしても)、転倒限界の十分手前からアウトリガの反力の大きさに応じてクレーンの動作速度が自動で無段階に減速してクレーンをなめらかに停止させることができる。そのため、オペレータによるクレーンの操作に依存せず、反力値に応じてクレーンを減速、停止させつつも、荷振れやオーバーランをすることなく、目的とする場所で停止させることができ、クレーンの転倒を確実に防止することができる。
また、本発明に係るクレーンの転倒防止装置によれば、前記コントローラが、前記反力検出器の反力値の大きさに基づいて、前記アウトリガが接地されているかどうかを判断し、前記算出された反力率が、予め設定された接地基準値に応答する割合以下であれば、前記アウトリガが接地されていないと判断、クレーン操作ができないようにするブームインターロックを実行するので、アウトリガからの反力値により、アウトリガが接地しているかいないかの判別をすることができるため、この検出信号(反力値)を利用してアウトリガが接地しているとき(算出された反力率が接地基準値に応答する割合を越えているとき)は、クレーン操作を可能とし、アウトリガが接地していないとき(算出された反力率が予め設定された接地基準値に応答する割合以下のとき)は、クレーン操作をできないようにすることで、新たに外部センサを設けることなくブームインターロック機能を持たせることができる。そのため、ブームインターロック機能を持たせたクレーンの転倒防止装置の構造をシンプルにすることができ、コストを抑える上で好適である。
ここで、本発明に係るクレーンの転倒防止装置において、例えば、前記コントローラが、前記反力検出器の反力値の大きさに基づいて、前記アウトリガの張出又は格納操作中に、その反力値の大きさが予め設定された調整基準値以内で一定時間に変化がないときには、そのときの反力値を0点としてリセットするキャリブレーション(0点調整)手段を有することは好ましい。
このような構成であれば、アウトリガからの検出信号(反力値)を利用して、アウトリガが接地して所定のときの反力値を0点としてリセットすることで、新たに外部センサを設けることなくキャリブレーション(0点調整)機能を持たせることができる。そのため、キャリブレーション機能を持たせたクレーンの転倒防止装置の構造をシンプルにすることができ、コストを抑える上で好適である。
上述のように、本発明に係るクレーンの転倒防止装置によれば、オペレータの操作に依存せず、反力値に応じてクレーンを減速、停止させつつも、クレーンの転倒を確実に防止することができる。
本発明に係るクレーンの一実施形態としての車両搭載型クレーンを説明する構成図である。 本発明に係るクレーンの制御装置を説明する構成図である。 切換弁の軸線を含む縦断面図である。 アクセルシリンダの軸線を含む縦断面図である。 図2に示すコントローラで実行される反力感応型速度制御処理のフローチャートである。 反力感応型速度制御処理の演算において参照される関数を説明する図である。 図2に示すコントローラで実行されるキャリブレーション(0点調整)処理のフローチャートである。 本発明に係るクレーンの動作を説明する図であり、同図(a)はアウトリガの反力が小さいときのイメージを示し、同図(b)はアウトリガの反力が大きいときのイメージを示している。
以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。図1は本発明に係るクレーンの一実施形態としての車両搭載型クレーンを説明する構成図であり、また、図2はその車両搭載型クレーンの制御装置を説明する構成図である。
図1に示すように、この車両搭載型クレーン(以下、単に「クレーン」ともいう)1は、アウトリガ2を備えたベース4上にコラム6が旋回自在に設けられ、このコラム6の上端部に伸縮するブーム7が起伏自在に枢支されている。コラム6にはウインチ11が設けられており、このウインチ11からワイヤロープ12をブーム7の先端部7sに導いて、ブーム7の先端部7sの滑車(図示略)を介して吊荷用のフック13に掛回すことにより、フック13をブーム7の先端部7sから吊下している。
ここで、このクレーン1には、コラム6の旋回、ブーム7の起伏と伸縮、及びウインチ11の巻上巻下の作動を行うための複数のアクチュエータとして、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、ウインチ用油圧モータ10、及びアウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rを備えている。
そして、これらの旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、ウインチ用油圧モータ10、及びアウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rは、図2に示すように、何れも車両のエンジン15のPTO16に連結して駆動される油圧ポンプ17からコントロールバルブ20を介して圧油を供給することにより作動するようになっている。
なお、ポンプポートとタンクポートとの間には、メインリリーフ弁38と、アンロードが必要なときメインリリーフ弁38を開き、ポンプポートとタンクポートとを連通させるアンロード弁39とが設けられている。
また、上記アウトリガ2には、左右の各アウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rに、アウトリガの反力を検出可能な反力検出器66がそれぞれ付設されている。そして、各反力検出器66によって検出されたアウトリガの反力は、コントローラ30に反力値として入力されるようになっている。
ここで、上記コントロールバルブ20は、上記各アクチュエータをそれぞれ制御する複数の切換弁を連結して構成した多連結弁装置であり、図2に示すように、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10の、各アクチュエータにそれぞれ対応する複数の切換弁31、32、33、34と、アウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rの、各アクチュエータにそれぞれ対応する複数の切換弁28、29と、各アクチュエータを所望の速度で作動させるためのアクセルシリンダ50とを備えて構成されている。
詳しくは、図3に拡大図示するように、コントロールバルブ20の各切換弁31、32、33、34には、メインスプール36が内蔵されている。このメインスプール36は、左右のスプリング36sで通常は中立位置に保持されている。また、このメインスプール36の一端はリンク18rを介して操作レバー18に連結され、さらに、他端にはパイロットピストン37が連設されており、ピストンロッド22の先端には鉄芯23が設けられている。この鉄芯23は、中空円筒形の差動トランスを備えた位置検出器40内に挿入されている。そして、この位置検出器40は、各メインスプール36の変位を検出してその検出した変位の信号をコントローラ30にフィードバックするようになっている。
また、各切換弁31、32、33、34それぞれには、一対のソレノイド42L、42Rを有する比例ソレノイド(比例電磁式パイロット弁)41が設けられている。各比例ソレノイド41は、油圧ポンプ17から減圧弁35を介してパイロット圧油が供給されるポートEが常時閉、タンク14へ作動油を戻すポートFが常時開となっており、コントローラ30からソレノイド42L、42Rに制御電流が入力されるとパイロットスプール42sが摺動し、入力電流値によってポートEの開口量が制御される。これにより、パイロットピストン37の左右の油室37L、37Rへのパイロット圧油の供給が制御される。
そして、各切換弁31、32、33、34は、パイロットピストン37の油室37R、37Lのいずれか一方にパイロット圧油が供給されると、メインスプール36が左又は右に移動して、サービスポートA、BとポンプポートPとを連通させる。これにより、各切換弁31、32、33、34は、上述した、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、ウインチ用油圧モータ10の各アクチュエータを作動させるようになっている。なお、旋回用油圧モータ5、ブーム起伏用油圧シリンダ9、ブーム伸縮用油圧シリンダ8、及びウインチ用油圧モータ10の各アクチュエータは、クレーン1の作業の内容に応じて互いに連動するようにコントローラ30で制御される。例えば、ブーム7の先端部7sとフック13との間の距離を常に一定に保ちながらブーム7を伸長させる場合には、ブーム7の伸長作動に伴ってウインチ11の巻下作動も必要なので、ブーム伸縮用油圧シリンダ8と、ウインチ用油圧モータ10とが連動するようになっている。
なお、上記のアウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rを駆動するための切換弁28、29についても位置検出器40を有し、各スプールの変位を検出してその検出した変位の信号をコントローラ30にフィードバックするようになっている。
一方、図4に拡大図示するように、アクセルシリンダ50にも比例ソレノイド(比例電磁式パイロット弁)51が設けられている。この比例ソレノイド51についても、パイロット圧油が供給されるポートEが常時閉、タンク14へ作動油を戻すポートFが常時開となっており、コントローラ30から制御電流が入力されるとパイロットスプール51sが摺動し、入力電流値によってポートEの開口量が制御される。これにより、メインスプール52の油室52sへのパイロット圧油の供給が制御される。
さらに、このアクセルシリンダ50にもそのメインスプール52の変位を検出して制御装置のコントローラ30にフィードバックするため位置検出器53が設けられている。そして、コントローラ30は、上記操作レバー18ないし、図2に示す遠隔操作器19によるアクチュエータの選択と操作量等に基づいてアクセル操作量を求め、必要なアクセル制御信号をアクセルシリンダ50の比例ソレノイド51に出力し、アクセルシリンダ50を作動させるようになっている。また、アクセルシリンダ50の位置検出器53は、その検出値をコントローラ30にフィードバックし、コントローラ30は過不足が有れば必要な補正を行う。なお、油圧ポンプ17からの圧油の吐出量は、アクセル操作によってエンジン15の回転速度を上げるほど多くなる。
次に、上記コントローラ30についてより詳しく説明する。
このコントローラ30は、以下いずれも図示しない、所定の制御プログラムに基づいて、演算およびこの車両搭載型クレーン1のシステム全体を制御するCPUと、所定領域に予めCPUの制御プログラム等を格納しているROMと、ROM等から読み出したデータやCPUの演算過程で必要な演算結果を格納するためのRAMと、クレーン1の遠隔操作器19等を含めた外部装置に対してデータの入出力を媒介するI/F(インターフェイス)とを有して構成されている。これらは、データを転送するための信号線であるバスで相互にかつデータ授受可能に接続されている。そして、遠隔操作器19またはクレーン1本体の手動レバー18からは、上述したクレーン1の各アクチュエータを作動させる実行指令となる所定の操作信号が、オペレータによるスイッチ操作またはレバー操作により入力されるようになっている。
次に、このコントローラ30で実行される反力感応型速度制御処理について図5を参照しつつ説明する。
この反力感応型速度制御処理は、コントローラ30で実行されると、図5に示すように、まず、ステップS11に移行してクレーンが操作中(操作レバー18ないし遠隔操作器19が操作中)か否かを判定し、操作中であれば(Yes)ステップS12に移行し、そうでなければ(No)処理を戻す。ステップS12では、各アウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rに付設されている反力検出器66から各アウトリガの反力を読み込み、続くステップS13では、反力率を算出してステップS14に移行する。ここで、この「反力率」とは、アウトリガからの反力値に最大値を設けており、その最大値を100%とするときに、アウトリガから入力された反力値を、0〜100%の割合で表したものである。
ステップS14では、算出された反力率が、予め設定された接地基準値(例えば300N)応答する割合以下か否かを判定する。つまり、反力率が接地基準値応答する割合以下であれば(Yes)ステップS21に移行する。ステップS21では、アンロード用ソレノイドバルブ39(図2参照)に信号を出力して、操作レバー18ないし遠隔操作器19を操作した場合でも、クレーン操作ができないようにアンロード状態にして処理を戻す(アウトリガ反力を利用したブームインターロック機能(ブームインターロック手段))。
一方、反力率が接地基準値に応答する割合を越えていれば(No)ステップS15に移行する。ステップS15では、各スプールのストローク量に上記反力率を乗算して出力値を求め、続くステップS16では、クレーン操作状態において、求められた出力値によってコントロールバルブをフィードバック制御して処理を戻す。
このように、このコントローラ30は、遠隔操作器19等からの操作信号に対し、コントロールバルブ20の各スプールとアクセルシリンダ50のストローク量を、フィードバックをとりながら演算して制御しているため、遠隔操作器19の操作に対してクレーンの速度を変化させることが可能であり、さらに、この反力感応型速度制御処理は、遠隔操作器19からの操作信号に対して、そのときの求められたアウトリガ2の反力値に対する反力率を各スプールストローク量に乗算することで、図6の関数F1に示すように、アウトリガの反力値に対応させつつ各スプールストローク量を無段階で変化させることができるようになっている。つまり、アウトリガ2の反力値の変動に対してクレーン速度を無段階で対応させるように変化させることができる。
なお、図6は、横軸の反力率(%)と縦軸のスプールストロークに乗算する割合(%)との関係を示すグラフである。同図中の二点鎖線は、従来技術としての特許文献1に記載の、二段階速度制御の場合を示しており、反力率が高い第一段階では予告警報を、反力率の低い第二段階では、転倒警報の状態のときのスプールストローク量を示している。本発明は、従来技術と比較して、反力率に対して無段階にスプール量が変化しているのがわかる。
ここで、上述の例では、スプールストローク量に乗算する値として、「反力率」をそのまま適用した例で説明したが、これに限らず、例えば、図6に示すように、スプールストローク量に乗算する値を、アウトリガの反力に対し比例的に変化させることもできれば、任意の関数で変化させることも可能である。
例えば、同図に例示する関数F1は、上記反力率に対して一律比例の関係で減速させているが、同図に例示する関数F2のように、反力率が100%付近のときは急激に減速し、0%付近のときはゆるやかに減速するような関数を用いたり、あるいは、関数F3に示すように、反力率が100%付近のときはゆるやかに減速し、0%付近のときは急激に減速するような関数を用いたり、といったさまざまな減速特性を設定することが可能である。つまり、いずれの例においても、反力検出器66から得られた反力値の大きさに応じて、反力値が小さいときには大きいときに比べてコントロールバルブ20のスプール移動量を少なくしてクレーン速度を無段階で減速させるものである。
次に、コントローラ30で実行されるキャリブレーション(0点調整)処理について図7を参照しつつ説明する。
このキャリブレーション処理は、例えばクレーン1の起動時等における、アウトリガが張出し又は格納操作がされるときに自動実行され、コントローラ30で実行されると、図7に示すように、まず、ステップS31に移行して、各アウトリガ2のアウトリガ用油圧シリンダ3L、3Rに付設されている反力検出器66から各アウトリガの反力を読み込み、その反力値がいずれも調整基準値(例えば300N)未満か否かを判定する。つまり、調整基準値未満であれば(Yes)ステップS32に移行し、そうでなければ(No)キャリブレーションを行うことなく処理を戻す。
ステップS32では、操作レバー18ないし遠隔操作器19からの操作信号の監視により、アウトリガが張出し又は格納操作中か否かが判定され、いずれかの操作が行われていれば(Yes)ステップS33に移行し、そうでなければ(No)キャリブレーションを行うことなく処理を戻す。
ステップS33では、タイマTをリセットし、続くステップS34では、反力検出器66から随時に読み込まれる反力値の変動の程度が、予め設定された基準値(幅)以内か否かを監視する。つまり、反力値の変動の程度が基準値以内に納まっていれば(Yes)ステップS35に移行し、そうでなければ(No)キャリブレーションを行うことなく処理を戻す。
ステップS35では、タイマがタイムアップ(T=T?)したか否かを判定し、タイムアップしていればステップS36に移行し、そうでなければステップS34に処理を戻す。これにより、所定時間に渡って反力値の変動の程度が基準値以内に納まっていればステップS36に移行されることになる。そして、ステップS36では、そのときのアウトリガの反力値を「0」としてリセットを実行して(キャリブレーションを行って)処理を戻す。なお、このキャリブレーション処理(ステップS31〜S36)が上記課題を解決する手段に記載の「キャリブレーション(0点調整)手段」に対応する。
次に、このクレーンの転倒防止装置の作用・効果について説明する。
このクレーンの転倒防止装置は、コントローラ30が、上述した反力感応型速度制御処理を実行することによって、反力検出器66からの反力値を読み込み、その反力値の大きさに応じて、図6にも例示したように、反力値が小さいときには大きいときに比べてコントロールバルブ20のスプール移動量を少なくしてクレーン速度を無段階で減速させるので、クレーン速度が、アウトリガ反力が小さくなるにつれて減速していく。そのため、
例えば図8(a)に示すように、吊荷Wによるモーメント荷重が小さいときは、同図左右のアウトリガ2における反力Pが十分に大きくなっており、クレーン速度を遅くすることなく、クレーン操作を行うことができる。そして、例えば同図(b)に示すように、ブームを伸長して吊荷Wによるモーメント荷重が大きくなったときには、これにより、いずれかのアウトリガ2の反力が小さくなるが、その小さくなるにつれてクレーン速度を遅くすることができるため、オペレータによるクレーンの操作状態に影響を受けることなく、オペレータが急激にクレーン速度を上げようと操作しても(又は誤作動で急激に操作したとしても)、転倒限界の十分手前からアウトリガの反力の大きさに応じてクレーンの動作速度を自動で無段階に減速してクレーンをなめらかに停止させることができる。したがって、オペレータによるクレーンの操作に対し、常に同じ動作でクレーンを減速、停止させつつも、荷振れやオーバーランをすることなく、目的とする場所で停止させることができ、クレーンの転倒を確実に防止することができる。
また、このクレーンの転倒防止装置は、コントローラ30が、反力検出器66からの反力値の大きさに基づいて、アウトリガ2が接地されているか否かを判断し、アウトリガ2が接地されていないと判断したときには、クレーン操作ができないようにしているので、反力値という検出信号を利用して、アウトリガが接地しているとき(反力値が基準値以上)は、クレーン操作を可能とし、アウトリガが接地していないとき(反力値が基準値未満)は、クレーン操作をできないようにすることで、新たに外部センサを設けることなくブームインターロック機能を持たせることを可能とした。これにより、ブームインターロック機能を持たせたクレーンの転倒防止装置の構造をシンプルにすることができ、コストを抑えることができる。
また、このクレーンの転倒防止装置によれば、コントローラ30が、反力検出器66からの反力値の大きさに基づいて、アウトリガ2の張出又は格納操作中に、その反力値の大きさが予め設定された基準値以内で且つ一定時間Tに変化がないときには、そのときの反力値を0点としてリセットするキャリブレーション(0点調整)機能をもっているので、アウトリガ2からの検出信号を利用して、アウトリガが接地して所定のときの反力値を0点としてリセットすることで、新たに外部センサを設けることなくキャリブレーションを行うことができる。そのため、キャリブレーション機能を持たせたクレーンの転倒防止装置の構造をシンプルにすることができ、コストを抑えることができる。
ここで、従来の製品化されている転倒防止装置では、0点調整を行うに際し、オペレータはアウトリガが未接地であることを目視で確認した後に、手動で0点調整スイッチを操作して0点調整を行っており、自動キャリブレーション(0点調整)機能が望まれる。そこで、従来から、自動キャリブレーションの技術が提案されている(例えば特開2003−171087号公報の段落0013)。この従来例においては、まず、アウトリガが接地する前に、自動的に各アウトリガのロードセルの0点調整を行う。即ち、クレーンの電源がonになったときに、アウトリガの接地負荷の検出値が何れも調整基準値未満なら、所定時間以内にそのときの負荷状態を0N(零ニュートン)に設定している。しかし、この従来例の場合、調整基準値未満であれば0点調整を実行するため、例えば、アウトリガが接地されている状態でも調整基準値未満の場合は0点調整をしてしまうことになる。そのため、この従来技術では正確な0点調整としては不十分である。
これに対し、上述したこのクレーンの転倒防止装置によれば、アウトリガの張出又は格納操作はクレーン作業の開始と終了時に必ず行う必要があるため、クレーン作業をするたびに自動的に0点調整が実行されることになり、オペレータは、手動スイッチによる0点調整の手間を省くことができる。
そして、上述のように、このクレーンの転倒防止装置によれば、0点調整の条件を、アウトリガが張出し又は格納操作され且つ一定時間Tが継続中に、予め設定しておいた基準値以内で反力値に変動がない場合(微少の値変動は考慮する)に、そのときの負荷状態を0N(零ニュートン)と設定しているので、より正確な0点調整を行うことが可能となっている。
つまり、アウトリガ2がわずかにでも接地されていればアウトリガ2の操作を行ったときに、反力検出器66の反力値の大きさは変動することになる。したがって、これを監視して、アウトリガ2の操作を行ったときに、一定時間の間に反力値に変動がなければアウトリガ2は接地されていないと判断することができる。ここで、アウトリガの張出し操作において、反力検出器66の反力値が最大反力にまで達したときは反力値に変動がなくなるが、この場合はそもそも基準値を超えているのは明らかであるから0点のリセットを行わないようにすればよい。
なお、本発明に係るクレーンの転倒防止装置は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しなければ種々の変形が可能なことは勿論である。
1 車両搭載型クレーン(クレーン)
2 アウトリガ
3L、3R アウトリガ用油圧シリンダ
4 ベース
5 旋回用油圧モータ(アクチュエータ)
6 コラム
7 ブーム
8 ブーム伸縮用油圧シリンダ(アクチュエータ)
9 ブーム起伏用油圧シリンダ(アクチュエータ)
10 ウインチ用油圧モータ(アクチュエータ)
11 ウインチ
12 ワイヤロープ
13 フック
14 タンク
15 エンジン
16 PTO
17 油圧ポンプ
18 操作レバー
19 遠隔操作器
20 コントロールバルブ
22 ピストンロッド
23 鉄芯
28、29 (アウトリガ用)切換弁
30 コントローラ
31、32、33、34 切換弁
35 減圧弁
36 メインスプール
37 パイロットピストン
37L、37R 油室
38 メインリリーフ弁
39 アンロード弁
40 位置検出器
41 比例ソレノイド
42L、42R ソレノイド
50 アクセルシリンダ
51 比例ソレノイド
52 メインスプール
66 反力検出器(反力検出手段)

Claims (2)

  1. トラック等の車両に搭載されてアウトリガを備えるクレーンの転倒を防止するための転倒防止装置であって、
    前記アウトリガに付設されてその反力値を出力可能な反力検出器と、前記クレーンのコントロールバルブを制御するコントローラとを備え、
    前記コントローラは、前記反力検出器からの反力値を読み込み、その反力値の大きさに応じた反力率を算出し
    前記反力検出器からの反力値の大きさに基づいて、前記アウトリガが接地されているかどうかを判断し、前記算出された反力率が予め設定された接地基準値に応答する割合以下であれば、前記アウトリガが接地されていないと判断して、クレーン操作ができないようにするブームインターロックを実行し、
    前記算出された反力率が接地基準値に応答する割合を越えていれば、前記コントロールバルブの各スプールのストローク量に前記算出された反力率を乗算して出力値を求め、求められた出力値によって前記コントロールバルブをフィードバック制御して、反力値が小さいときには大きいときに比べて前記コントロールバルブのスプール移動量を少なくしてクレーン速度を無段階で減速させることを特徴とするクレーンの転倒防止装置。
    但し、「反力率」とは、アウトリガからの反力値に最大値を設け、その最大値を100%とするときに、アウトリガから入力された反力値を、0〜100%の割合で表したものである。
  2. 前記コントローラは、前記反力検出器からの反力値の大きさに基づいて、前記アウトリガの張出又は格納操作中に、その反力値の大きさが予め設定された調整基準値以内で且つ一定時間に変化がないときには、そのときの反力値を0点としてリセットするキャリブレーション手段を有することを特徴とする請求項1に記載のクレーンの転倒防止装置。
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