JP2020007088A - 旋回駆動装置およびこれを備えた作業機械 - Google Patents

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Abstract

【課題】中立フリー仕様のもとで旋回体を旋回させる構成において風などの影響で旋回体が自然旋回する際の作業者の負担を低減することが可能な旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械を提供する。【解決手段】旋回駆動装置3は、旋回体10を旋回させる旋回モータ33と、油圧ポンプ31と、操作レバー42Aと、コントロールバルブ32と、ブレーキシリンダ36と、制御部50と、を備える。制御部50は、自動ブレーキ実行部503と判定部504とを含む。自動ブレーキ実行部503は、制御部50の判定部504によって風力が旋回体10を自然旋回させると判定され、かつ、自然旋回に対するカウンタ操作が操作レバー42Aに入力されていると判定された場合に、ブレーキシリンダ36をブレーキ状態に切換え、旋回モータ33に機械的なブレーキ力を付与する。【選択図】図2

Description

本発明は、旋回駆動装置およびこれを備えた作業機械に関する。
クレーンなどの作業機械は、一般に、下部走行体と、当該下部走行体の上方に配置される上部旋回体と、下部旋回体に対して上部旋回体を旋回駆動する旋回駆動装置と、を備える。
旋回駆動装置は、油圧式の旋回モータと、油圧ポンプと、コントロールバルブと、操作レバーと、を備える。旋回モータは、下部走行体と上部旋回体との間に介在するように配置され、作動油の供給を受けて上部旋回体を旋回させるように作動する。旋回モータは、作動油の吸排のための第1ポートおよび第2ポートを備える。油圧ポンプは、旋回モータに作動油を供給する。コントロールバルブは、旋回モータと油圧ポンプとの間に介在し、旋回モータへの作動油の供給流量を調整するとともに、作動油の供給路を切り替える。コントロールバルブは、たとえばパイロット操作式の方向切換弁によって構成される。コントロールバルブは、操作レバーに与えられる操作に応じて、中立位置と、正回転駆動位置と、逆回転駆動位置との間で切り替わることが可能とされている。コントロールバルブが正回転駆動位置に設定されると、油圧ポンプから吐出された作動油は、第1ポートから旋回モータに流入するとともに、第2ポートから吐出される。この結果、旋回モータが正方向に回転され、上部旋回体が右方向に旋回駆動される。一方、コントロールバルブが逆回転駆動位置に設定されると、油圧ポンプから吐出された作動油は、第2ポートから旋回モータに流入するとともに、第1ポートから吐出される。この結果、旋回モータが逆方向に回転され、上部旋回体が左方向に旋回駆動される。
作業機械には、コントロールバルブの中立位置において旋回モータに負荷トルクがかからない、いわゆる中立フリー仕様の油圧回路が採用されることがある。具体的には、コントロールバルブが中立位置に設定されると、旋回モータから吐出された作動油がコントロールバルブを介して旋回モータに戻されるため、上部旋回体は慣性によって回転し続ける。この際、一部の作動油は、排出用油路(ブリードオフ回路)を介して、タンクに排出される。このような中立フリー仕様の油圧回路では、旋回モータに対して、以下のように油圧ブレーキ力が付与される。コントロールバルブが正回転駆動位置に設定され旋回モータが右旋回した状態において、操作レバーのブレーキ操作に応じてコントロールバルブが中立位置を経由して逆回転駆動位置に切り換えられる。この結果、旋回モータから吐出される作動油と、油圧ポンプから供給される作動油とが合流する。この際に生じる圧力がブレーキ力として旋回モータに作用し、旋回モータの旋回速度が低下していく。
上記のような中立フリー仕様の旋回駆動装置では、作業者が操作レバーを中立位置に配置しても、上部旋回体の旋回動作に油圧ブレーキがかからない。このため、作業機械の周囲に強風が吹いた場合や作業機械が傾斜地に配置された場合には、上部旋回体が風力や重力の影響をうけて作業者の意に反して自然旋回することがある。このような自然旋回を抑制するために、旋回モータの出力軸などに機械的にブレーキ力を付与する技術が知られている。
特許文献1には、中立フリー仕様が採用された旋回駆動装置において、機械式ブレーキが作動する際の衝撃を低減する技術が開示されている。当該技術では、操作レバーが中立位置に配置されるとともに、回転センサによって旋回モータの回転停止が検出され、更に、作業者が旋回モータの停止指令を入力する停止指令スイッチがオンされることを条件として、機械式ブレーキが作動し上部旋回体の自然旋回が防止される。このため、作業者の意に反して機械式ブレーキが付与され、作業機械に大きな衝撃が発生することが防止される。
特開2001−171979号公報
特許文献1に記載された技術では、風などの影響によって上部旋回体に自然旋回が生じた場合、当該自然旋回に抗して上部旋回体の旋回を停止させるために作業者の負担が大きくなるという問題があった。具体的に、特許文献1に記載された技術では、操作レバーが中立位置に配置され、旋回モータの回転が停止し、更に、停止指令スイッチがオンされた場合に、機械式ブレーキが付与される。しかしながら、中立フリー仕様の作業機械の作業中に強風が吹き上部旋回体が自然旋回を始めると、作業者は、操作レバーを中立位置に設定することなく、カウンタ操作を行うことが多い。すなわち、強風によって作業機械の上部旋回体に対して右旋回するような外力が掛かっている場合、作業者は操作レバーを左旋回側に操作することで前記外力との間でバランスを保つような油圧旋回力を発生させる。このような場合、操作レバーが中立位置に配置されることがなく、また、旋回モータの回転が停止することもないため、特許文献1に記載された技術では機械式ブレーキが作動しない。このため、作業者は、上部旋回体の旋回停止状態を維持するために、カウンタ操作を継続しなければならないという問題があった。
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、中立フリー仕様のもとで旋回体を旋回させる構成において風などの影響で旋回体が自然旋回する際の作業者の負担を低減することが可能な旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械を提供することを目的とする。
本発明の一の局面に係る旋回駆動装置は、機体と、前記機体の上方に配置される旋回体とを備える作業機械に設けられ、前記機体に対して前記旋回体を相対的に旋回駆動する旋回駆動装置であって、前記機体と前記旋回体との間に介在し、前記旋回体を旋回駆動する油圧式の旋回モータであって、当該旋回モータは第1ポートおよび第2ポートを有しており、前記第1ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向に旋回させるとともに前記第2ポートを通じて作動油を排出する一方、前記第2ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向とは反対の第2方向に旋回させるとともに前記第1ポートを通じて作動油を排出する、旋回モータと、前記旋回モータに供給されるための作動油を吐出する油圧ポンプと、前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第1ポートとを連通する第1油路と、前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第2ポートとを連通する第2油路と、前記第1油路および前記第2油路に連通可能とされ、作動油をタンクに導く排出用油路と、前記旋回体の旋回動作のために操作される被操作部であって、前記旋回体を前記第1方向に旋回させる第1操作領域と、前記旋回体を前記第2方向に旋回させる第2操作領域と、前記第1操作領域と前記第2操作領域との間の中立操作領域とに選択的に操作されることが可能であり、前記第1操作領域および前記第2操作領域における当該被操作部の操作量がそれぞれ可変とされている、被操作部と、前記油圧ポンプと前記旋回モータとの間に介在するコントロールバルブであって、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油路を通じて前記第1ポートに供給するとともに前記第2ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する状態と、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第2油路を通じて前記第2ポートに供給するとともに前記第1ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く油路を形成する状態と、前記第1油路と前記第2油路とを互いに連通することで前記第1ポートと前記第2ポートとの間で作動油が循環することを許容する状態とに切換わることが可能であり、更に前記被操作部が受ける操作量に応じて前記旋回モータに供給する作動油の流量を調整可能な、コントロールバルブと、前記コントロールバルブの状態に関わらず前記旋回モータの回転を強制的に阻止するブレーキ状態と、前記旋回モータの回転を許容する非ブレーキ状態との間で切換え可能な機械式ブレーキと、前記作業機械の周囲の風向および風速を検出可能な風向風速検出部と、前記風向風速検出部によって検出される前記風向および前記風速を備えた風の風力が前記旋回体を自然旋回させるか否かを判定する自然旋回判定部と、前記自然旋回に抗して前記旋回体の旋回を停止させるためのカウンタ操作が前記被操作部に入力されているか否かを判定する操作状態判定部と、前記機械式ブレーキを前記ブレーキ状態と前記非ブレーキ状態との間で切換えるブレーキ切換部であって、当該ブレーキ切換部は、前記風力が前記旋回体を自然旋回させると前記自然旋回判定部が判定し、かつ、前記被操作部に前記カウンタ操作が入力されていると前記操作状態判定部が判定した場合に、前記機械式ブレーキを前記ブレーキ状態に切換える、ブレーキ切換部と、を備える。
本構成によれば、旋回体が第1方向に旋回している状態で被操作部が第1操作領域から中立操作領域を経由して第2操作領域に至る操作を受けた場合、または、旋回体が第2方向に旋回している状態で被操作部が第2操作領域から中立操作領域を経由して第1操作領域に至る操作を受けた場合に、コントロールバルブの状態変更によって旋回モータに油圧的なブレーキが付与される。一方、被操作部が中立操作領域に設定されている場合、旋回モータには油圧的なブレーキ力が付与されない(中立フリー仕様)。したがって、被操作部が中立操作領域に設定されている状態で、作業機械の周囲に強い風が吹くと、旋回体が自然旋回する可能性がある。上記の構成では、自然旋回判定部が、前記風向風速検出部によって検出される前記風向および前記風速に対応する風力が前記旋回体を自然旋回させるか否かを判定する。また、操作状態判定部は、前記自然旋回に抗して前記旋回体の旋回を停止させるためのカウンタ操作が前記被操作部に入力されているか否かを判定する。そして、ブレーキ切換部は、前記自然旋回判定部によって前記風力が前記旋回体を自然旋回させると判定され、かつ、前記操作状態判定部によって前記被操作部に前記カウンタ操作が入力されていると判定された場合に、前記機械式ブレーキを前記ブレーキ状態に切換える。このように作業者が自然旋回に抗してカウンタ操作を行っている場合に機械式ブレーキがブレーキ状態に切換えられるため、作業者の意に沿って旋回体を強制的に停止させることができる。このため、作業者がカウンタ操作から解放され、その他の作業に集中することが可能となり、作業機械の作業効率を向上することができる。また、作業機械の通常の作業中において、作業者が旋回体の姿勢を調整するためのカウンタ操作を行っている場合に、誤って機械的ブレーキがかかることが抑止される。以上のように、中立フリー仕様のもとで旋回体を旋回させる構成において、風などの影響で旋回体が自然旋回する際の作業者の負担を低減することが可能とされる。
上記の構成において、前記旋回体の旋回速度に対応する情報である速度情報を取得する速度情報取得部と、前記風力が前記旋回体を自然旋回させる方向である自然旋回方向を前記第1方向と前記第2方向との間で判定する旋回方向判定部と、を更に備え、前記操作状態判定部は、前記機械式ブレーキが前記非ブレーキ状態に設定された状態で前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が前記被操作部に入力され、かつ、前記速度情報取得部によって取得される前記速度情報が予め設定された閾値速度よりも小さい状態が所定時間継続した場合に、前記被操作部に前記カウンタ操作が入力されていると判定することが望ましい。
本構成によれば、自然旋回方向とは逆方向に被操作部が操作されることに加え、旋回体の旋回速度が閾値速度よりも小さい状態が維持されていることによって、自然旋回に対して旋回体のバランスを保つような操作が入力されているとみなし作業者がカウンタ操作を行っていることを精度良く判定することができる。
上記の構成において、前記旋回モータによって前記旋回体に付与される油圧旋回力および前記風力によって前記旋回体に付与される自然旋回力をそれぞれ演算する旋回力演算部を更に備え、前記操作状態判定部は、前記機械式ブレーキが前記非ブレーキ状態に設定された状態で前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が前記被操作部に入力され、かつ、前記旋回力演算部によって演算される前記油圧旋回力と前記自然旋回力とが互いに同等の大きさになると、前記カウンタ操作が前記被操作部に入力されていると判定することが望ましい。
本構成によれば、旋回力演算部によって演算される自然旋回力と油圧旋回力とが同等の大きさになった場合に作業者がカウンタ操作を行っていると判定することができる。更に、自然旋回力と油圧旋回力とのバランスが保たれている状態で旋回モータにブレーキが掛かるため、ブレーキが掛かる際の旋回体の挙動を安定させることができる。
上記の構成において、前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が入力されると、前記旋回力演算部によって演算される前記油圧旋回力が前記自然旋回力よりも大きくなった場合に、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換えることが望ましい。
本構成によれば、ブレーキが掛かっている際に自然旋回方向とは逆方向の旋回操作が入力されると、油圧旋回力が自然旋回力よりも大きくなった場合に、機械式ブレーキのブレーキが解除される。このため、操作量が小さい状態で機械式ブレーキのブレーキが解除され、旋回体が自然旋回方向に旋回することを抑止することができる。
上記の構成において、前記旋回モータは、出力軸を有し、前記旋回モータの前記出力軸に装着され、前記出力軸にかかる外力に応じた特性値を検出可能な特性値検出部を更に備え、前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が入力されると、前記特性値検出部によって検出される前記特性値が予め設定された閾値よりも大きくなった場合に、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換えるものでもよい。この場合、前記特性値検出部は、ひずみゲージであり、前記特性値として前記出力軸のひずみ量を検出することが望ましい。
本構成によれば、自然旋回方向とは逆方向の旋回操作が入力されると、前記特性値検出部によって検出される前記特性値が予め設定された閾値よりも大きくなった場合に、機械式ブレーキのブレーキが解除される。このため、操作量が小さい状態で機械式ブレーキのブレーキが解除され、旋回体が自然旋回方向に旋回することを抑止することができる。
上記の構成において、前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向と同じ旋回方向に対応する操作が入力されると、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換えることが望ましい。
本構成によれば、自然旋回方向と同じ方向の旋回操作が入力されると、機械式ブレーキのブレーキが解除される。このため、旋回体の旋回動作を速やかに再開することができる。
本発明の他の局面に係る作業機械は、機体と、前記機体の上方に配置される旋回体と、上記の何れかに記載の旋回駆動装置と、を備える。
本構成によれば、作業機械において作業者が自然旋回に抗してカウンタ操作を行っている場合に、機械式ブレーキがブレーキ状態に切換えられるため、作業者の意に沿って旋回体を強制的に停止させることができる。このため、作業者がカウンタ操作から解放され、その他の作業に集中することが可能となる。また、前記自然旋回判定部によって前記旋回体が風力によって自然旋回すると判定されるとともにカウンタ操作が入力されている場合に限って、機械式ブレーキがブレーキ状態に設定されるため、作業機械の通常の作業中において旋回体の姿勢を調整するためのカウンタ操作が入力された場合に、誤って機械的ブレーキがかかることが抑止される。
本発明によれば、中立フリー仕様のもとで旋回体を旋回させるとともに風などの影響で旋回体が自然旋回する際の作業者の負担を低減することが可能な旋回駆動装置、およびこれを備えた作業機械が提供される。
本発明の一実施形態に係る作業機械の側面図である。 本発明の一実施形態に係る作業機械の旋回駆動装置の油圧回路図である。である。 本発明の一実施形態に係る旋回駆動装置の制御部の電気的なブロック図である。 本発明の一実施形態に係る作業機械の旋回体がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。 本発明の一実施形態に係る作業機械の旋回体の自然旋回方向と操作部が受けるカウンタ操作方向との関係を示す模式図である。 本発明の変形実施形態に係る作業機械の旋回モータの周辺の構造を示す模式的な断面図である。
以下、図面を参照しつつ、本発明の一実施形態について説明する。図1は、本発明の第1実施形態に係るクレーン1(作業機械)の側面図である。なお、図1には、「上」、「下」、「前」および「後」の方向が示されているが、当該方向は、本実施形態に係るクレーン1の構造を説明するために便宜上示すものであり、本発明に係る作業機械の使用態様などを限定するものではない。
クレーン1は、地面上で走行可能な走行体11(機体)と、走行体11の上方に配置される旋回体10と、起伏部材としてのブーム13と、を備える。また、旋回体10の前端部には、キャブ12が備えられている。キャブ12は、クレーン1の運転席に相当する。キャブ12には、後記の操作ユニット51が備えられている。
図1に示されるブーム13は、いわゆるラチス型であり、下部ブーム13Aと、一または複数(図例では1個)の中間ブーム13Bと、上部ブーム13Cとから構成される。ブーム13は、下端部に備えられたブームフット13Sを支点として旋回体10に回動可能に軸支(支持)されている。また、ブーム13の先端部には、シーブ132が備えられている。
クレーン1は、上部スプレッダ131と、下部スプレッダ133と、ガントリを構成するコンプレッションメンバ14およびテンションメンバ15と、ブーム起伏用ウインチ16と、ブーム起伏用ロープ17と、を更に備える。上部スプレッダ131および下部スプレッダ133は、それぞれ複数のシーブからなる。また、上部スプレッダ131は、ブームガイライン13G(ガイリンク)によってブーム13の先端部に接続されている。コンプレッションメンバ14は、旋回体10の略中央部から上方かつ後方に向かって立設された支柱である。同様に、テンションメンバ15は、旋回体10の後端部から鉛直上方に立設された支柱であって、コンプレッションメンバ14の上端部に接続されている。ガントリの先端部には、ガントリシーブ141が備えられている。ブーム起伏用ロープ17は、ブーム起伏用ウインチ16から引き出され、ガントリのガントリシーブ141に掛けられた後、下部スプレッダ133および上部スプレッダ131の各シーブ間で複数回掛け回される。ブーム起伏用ウインチ16は、旋回体10に配置される。なお、図1では、説明のためにブーム起伏用ウインチ16がコンプレッションメンバ14とテンションメンバ15との間に配置されているが、実際には、ブーム起伏用ウインチ16はキャブ12よりも旋回中心側の不図示のセンターセクション(旋回フレーム)上に配置されている。ブーム起伏用ウインチ16は、ブーム起伏用ロープ17の巻き取りおよび繰り出しを行うことで、ブーム13をガントリに対して相対的に回動させながらブーム13を起伏させる。
クレーン1は、更に、吊り荷の巻き上げ及び巻き下げを行うための主巻用ウインチ18を備えている。本実施形態に係るクレーン1では、主巻用ウインチ18は、旋回体10に備え付けられている。主巻用ウインチ18から引き出された主巻用ロープ19の先端部19Aには、吊荷用の主フック19Fが備え付けられる。そして、主巻ロープ19は、ブーム13の先端部のシーブ132と、主フックに設けられた不図示のシーブブロックのシーブとの間に掛け渡される。従って、主巻用ウインチ18が主巻ロープ19の巻き取りや繰り出しを行うと、シーブ132と主フック19Fのシーブとの間の距離が変わって、ブーム13の先端部から垂下されたロープ先端部19Aに連結された主フック19Fの巻き上げ及び巻き下げが行われる。なお、本発明の作業機械の構造は上記のクレーン1に限定されるものではない。
クレーン1は、更に旋回駆動装置3を備える。図2は、本実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置3の油圧回路図である。旋回駆動装置3は、走行体11に対して旋回体10を相対的に旋回駆動する。
旋回駆動装置3は、エンジン30と、油圧ポンプ31と、コントロールバルブ32と、旋回モータ33と、ポンプ吐出ライン3Aと、第1油路3Bと、第2油路3Cと、排出用油路3Dと、第1チェック弁34と、第2チェック弁35と、ブレーキシリンダ36と、リリーフ弁37と、第1旋回圧センサ38と、第2旋回圧センサ39と、第1パイロット圧センサ40と、第2パイロット圧センサ41と、操作部42と、回転速度センサ43(速度情報取得部)と、を備える。
旋回モータ33は、図1の走行体11と旋回体10との間に介在するように配置されている。旋回モータ33は、旋回体10を旋回駆動する油圧式の旋回モータである。
旋回モータ33は、第1ポート33Aおよび第2ポート33Bを有する(図2)。旋回モータ33は、第1ポート33Aを通じて作動油の供給を受けることにより旋回体10を第1方向(右方向)に旋回させるとともに、第2ポート33Bを通じて作動油を排出する。一方、旋回モータ33は、第2ポート33Bを通じて作動油の供給を受けることにより旋回体10を第1方向とは反対の第2方向(左方向)に旋回させるとともに第1ポート33Aを通じて作動油を排出する。
回転速度センサ43は、旋回体10(旋回モータ33)の旋回速度(回転速度)に対応する情報である速度情報を検出する。また、回転速度センサ43は、旋回モータ33の旋回方向(第1方向、第2方向)を検出する。
エンジン30は、クレーン1の旋回体10に搭載されている。エンジン30の駆動に伴って油圧ポンプ31が回転される。
油圧ポンプ31は、エンジン30の駆動力をうけ、旋回モータ33に供給されるべき作動油をタンクから吸い込んで吐出する。この実施形態に係る油圧ポンプ31は、可変容量型油圧ポンプからなり、当該油圧ポンプ31に含まれる図示されないレギュレータへのポンプ指令信号の入力により油圧ポンプ31の容量(押しのけ容積)が変化し、これにより油圧ポンプ31から吐出される作動油の流量が変化する。なお、上記のポンプ指令信号は、後記の油圧ポンプ制御部501(図3)から出力される。
ポンプ吐出ライン3Aは、油圧ポンプ31から吐出される作動油をコントロールバルブ32に導く。第1油路3Bおよび第2油路3Cは、それぞれ図2に示すように、コントロールバルブ32と旋回モータ33の第1ポート33Aおよび第2ポート33Bとを連通する油路である。排出用油路3Dは、コントロールバルブ32のバルブ位置に応じて第1油路3Bおよび第2油路3Cに連通可能とされ、作動油をタンクに導く油路である。また、排出用油路3Dの一部は分岐して図2に示すように第1チェック弁34と第2チェック弁35との間の油路に連通している。
コントロールバルブ32は、油圧ポンプ31と旋回モータ33との間に介在するように、作動油の油路に配置されている。コントロールバルブ32は、油圧ポンプ31から旋回モータ33への作動油の供給の方向を切換えるとともに、作動油の流量を調整するように作動する。コントロールバルブ32は、第1油路3Bを介して旋回モータ33の第1ポート33Aに接続され、かつ、第2油路3Cを介して旋回モータ33の第2ポート33Bに接続される。
コントロールバルブ32は、本実施形態では油圧切換式の方向切換弁により構成され、当該コントロールバルブ32に入力されるパイロット圧に応じて右旋回用位置32A(第1旋回用位置)、中立位置32B(中立旋回用位置)および左旋回用位置32C(第2旋回用位置)の間で切換わるように作動する。コントロールバルブ32は、一対のパイロットポート、すなわち左旋回用パイロットポート32Jおよび右旋回用パイロットポート32Kを有する。コントロールバルブ32は、左旋回用パイロットポート32Jおよび右旋回パイロットポートBのいずれにもパイロット圧が入力されない場合には中立位置32Bに保たれる。コントロールバルブ32は、右旋回用パイロットポート32Kにパイロット圧が入力されると右旋回用位置32Aに切換えられ、左旋回用パイロットポート32Jにパイロット圧が入力されると左旋回用位置32Cに切換えられる。そして、コントロールバルブ32は、操作部42が受ける操作量(パイロット圧)に応じた開口面積で開弁し、旋回モータ33に供給する作動油の流量を変化させる(調整する)。
右旋回用位置32Aでは、コントロールバルブ32は、油圧ポンプ31から吐出される作動油を第1油路3Bを通じて第1ポート33Aに供給するとともに、第2ポート33Bから排出される作動油を排出用油路3Dを通じてタンクに導く油路を形成する。左旋回用位置32Cでは、コントロールバルブ32は、油圧ポンプ31から吐出される作動油を第2油路3Cを通じて第2ポート33Bに供給するとともに、第1ポート33Aから排出される作動油を排出用油路3Dを通じてタンクに導く油路を形成する。また、中立位置32Bでは、コントロールバルブ32は、第1油路3Bと第2油路3Cとを互いに連通することで第1ポート33Aと第2ポート33Bとの間で作動油が循環することを許容する。なお、コントロールバルブ32は、上記のような3ポジション方式のバルブに限定されるものではなく、各ポジションにおける作動油の流れ(状態)を形成する他の態様でもよい。また、コントロールバルブ32は、電磁切換式の方向制御弁でもよい。
操作部42は、クレーン1のキャブ12内に配置されている。操作部42は、操作レバー42Aと、リモコン弁42Bと、を有する。操作部42の操作レバー42Aは、旋回体10の旋回動作のために作業者によって操作される。なお、図2では左右方向の旋回操作を説明するために2つの操作部42が描かれているが、これらの操作部42は同じものを示している。操作レバー42A(図5参照)は、旋回体10を前記第1方向に旋回させる第1操作領域RPと、旋回体10を前記第2方向に旋回させる第2操作領域LPと、第1操作領域RPと第2操作領域LPとの間の中立操作領域NPとに選択的に操作されることが可能である。また、第1操作領域RPおよび第2操作領域LPにおける当該操作レバー42Aの操作量は可変とされている。リモコン弁42B(図2)は、不図示のパイロット油源と左旋回用パイロットライン42Jおよび右旋回用パイロットライン42Kとの間に配設されている。リモコン弁42Bは、操作レバー42Aが受ける操作量に応じて、左旋回用パイロットライン42Jおよび右旋回用パイロットライン42Kに供給するパイロット圧を調整するように開弁する。
操作レバー42Aが作業者によって第1操作領域RPに操作されると(第1旋回操作)、操作レバー42Aがうける操作量に応じて図2の右旋回用パイロットライン42Kを通じてコントロールバルブ32の右旋回用パイロットポート32Kへのパイロット圧が変化(減圧)される。また、操作レバー42Aが作業者によって第2操作領域LPに操作されると(第2旋回操作)、操作レバー42Aがうける操作量に応じて図2の左旋回用パイロットライン42Jを通じて、コントロールバルブ32の左旋回用パイロットポート32Jへのパイロット圧が変化(減圧)される。なお、操作レバー42Aがうける操作情報(操作領域、操作量)は、後記の制御部50にも送信される。
第1チェック弁34および第2チェック弁35は、コントロールバルブ32と旋回モータ33との間において、それぞれ第1油路3Bおよび第2油路3Cに連通する位置に配置されている。旋回モータ33の旋回動作において、第1油路3Bが負圧になると、タンクの作動油が排出用油路3Dおよび第1チェック弁34を通じて第1油路3Bに供給される。同様に、第2油路3Cが負圧になると、タンクの作動油が排出用油路3Dおよび第2チェック弁35を通じて第2油路3Cに供給される。この結果、第1油路3Bおよび第2油路3Cにおけるキャビテーションの発生が抑止される。
ブレーキシリンダ36(機械式ブレーキ)は、後記の旋回ブレーキバルブ53から作動油の供給を受けることで収縮する一方、内部の作動油を排出することで予め設定されたばね部材の付勢力を受けて伸長する。ブレーキシリンダ36のピストンロッドにはブレーキ押圧部36Aが固定されている。ブレーキシリンダ36は、コントロールバルブ32の切換位置に関わらず旋回モータ33の回転を強制的に阻止するブレーキ状態と、旋回モータ33の回転を許容する非ブレーキ状態との間で切換え可能なように作動する。ブレーキシリンダ36のピストンが伸長すると、ブレーキ押圧部36Aが旋回モータ33の出力軸と摺接し、旋回モータ33の回転を強制的に停止させる。一方、ブレーキシリンダ36のピストンが収縮すると、ブレーキ押圧部36Aが旋回モータ33の出力軸から離間し、旋回モータ33の回転を許容する。
リリーフ弁37は、ポンプ吐出ライン3Aの圧力が所定の圧力(リリーフ圧)を超えないように作動する。換言すれば、ポンプ吐出ライン3Aの圧力がリリーフ圧を超えると、ポンプ吐出ライン3Aの最大圧力が前記リリーフ圧以下になるように、リリーフ弁37が開弁し作動油を排出用油路3Dからタンクに排出する。
第1旋回圧センサ38は、第1油路3Bの第1ポート33A側の圧力を検出する。同様に、第2旋回圧センサ39は、第2油路3Cの第2ポート33B側の圧力を検出する。
第1パイロット圧センサ40は、左旋回用パイロットライン42Jの左旋回用パイロット圧Paを検出し、第2パイロット圧センサ41は、右旋回用パイロットライン42Kの右旋回用パイロット圧Pbを検出する。
図3は、本実施形態に係る旋回駆動装置3の制御部50(制御部)の電気的なブロック図である。旋回駆動装置3は、制御部50と、操作ユニット51と、風向風速センサ52(風向風速検出部)(図1)と、旋回ブレーキバルブ53と、を備える。
操作ユニット51(図3)は、旋回体10のキャブ12に備えられており、前述の操作部42を含む。操作ユニット51は、操作部42以外に不図示のタッチパネル、入力ボタンなどを含む。作業者は、操作ユニット51を通じて、各種の操作指令情報を入力することができる。一例として、作業者は操作ユニット51に備えられた不図示のブレーキボタンを押圧することで、旋回モータ33に対してブレーキシリンダ36のブレーキ押圧部36Aによる機械的なブレーキ力を付与することができる。
風向風速センサ52(図1)(風向風速検出部)は、クレーン1の周囲の風向および風速を検出するとともに、これらの検出値に応じた信号を制御部50に出力する。本実施形態では、風向風速センサ52は、ブーム13の先端側に固定されている(図1)。
旋回ブレーキバルブ53(図3)は、後記のブレーキバルブ制御部502および自動ブレーキ実行部503から受ける指令信号に応じて開弁し、ブレーキシリンダ36に対して給排する作動油の流量を調整する。この結果、旋回モータ33に対する機械的ブレーキのオン、オフが切り換えられる。
制御部50は、クレーン1の動作を統括的に制御するもので、制御信号の送受先として、操作ユニット51、第1旋回圧センサ38、第2旋回圧センサ39、第1パイロット圧センサ40、第2パイロット圧センサ41、回転速度センサ43、油圧ポンプ31、風向風速センサ52、旋回ブレーキバルブ53などに接続されている。なお、制御部50は、クレーン1に備えられたその他のユニットにも電気的に接続されている。
制御部50は、CPU(Central Processing Unit)、制御プログラムを記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの作業領域として使用されるRAM(Random Access Memory)等から構成され、CPUが前記制御プログラムを実行することにより、油圧ポンプ制御部501、ブレーキバルブ制御部502、自動ブレーキ実行部503(ブレーキ切換部)、判定部504(自然旋回判定部、操作状態判定部、旋回方向判定部)、演算部505(旋回力演算部)、記憶部506を機能的に有するよう動作する。
油圧ポンプ制御部501は、可変容量型の油圧ポンプ31のレギュレータにポンプ指令信号を出力することで、油圧ポンプ31の容量(押しのけ容積)を変化させる。これにより、油圧ポンプ31から吐出される作動油の流量であるポンプ吐出流量が変化する。
ブレーキバルブ制御部502は、操作ユニット51に入力されるブレーキ作動指令に応じて旋回ブレーキバルブ53を開弁させる。この結果、作業者の意思に沿ってブレーキシリンダ36のブレーキ押圧部36Aによって旋回モータ33に機械的なブレーキ力が付与される。
自動ブレーキ実行部503は、後記のとおり所定の条件が満たされた場合に、操作ユニット51に入力されるブレーキ作動指令に関わらず、旋回ブレーキバルブ53を開弁させ、旋回モータ33にブレーキ力を付与する。特に、自動ブレーキ実行部503は、ブレーキシリンダ36をブレーキ状態と非ブレーキ状態との間で切換えることが可能であって、判定部504によって旋回体10が風力によって自然旋回すると判定され、かつ、判定部504によって操作部42の操作レバー42Aにカウンタ操作が入力されていると判定された場合に、ブレーキシリンダ36をブレーキ状態に切換える。
判定部504は、旋回駆動装置3が実行するブレーキ処理における各種の判定処理を実行する。判定部504は、風向風速センサ52によって検出される風向および風速を備えた風の風力が旋回体10を自然旋回させるか否かを判定する。また、判定部504は、前記自然旋回に抗して旋回体10の旋回を停止させるためのカウンタ操作が作業者によって操作部42の操作レバー42Aに入力されているか否かを判定する。更に、判定部504は、前記風力が旋回体10を自然旋回させる方向である自然旋回方向を前記第1方向と前記第2方向との間で判定する。
演算部505は、旋回駆動装置3が実行するブレーキ処理における各種の演算処理を実行する。演算部505は、旋回モータ33によって旋回体10に付与される油圧旋回力Fおよび風力によって旋回体10に付与される自然旋回力Wをそれぞれ演算する。
記憶部506は、油圧ポンプ制御部501、ブレーキバルブ制御部502、自動ブレーキ実行部503、判定部504および演算部505によって参照される各種の閾値、パラメータなどを予め記憶している。
図4は、本実施形態に係るクレーン1の旋回体10がブレーキ動作をうける場合のフローチャートである。図5は、本実施形態に係る旋回体10の自然旋回方向と操作部42が受けるカウンタ操作方向との関係を示す模式図である。
前述のとおり、本実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置3では、ブレーキシリンダ36によって旋回モータ33に対して機械的かつ強制的なブレーキをかけることができる。作業者が自らの意志によって旋回モータ33にブレーキを掛ける場合は、作業者が操作ユニット51を操作することでブレーキバルブ制御部502が旋回ブレーキバルブ53を開弁しブレーキシリンダ36が伸長する。この結果、ブレーキ押圧部36Aが旋回モータ33にブレーキ力を付与する。更に、本実施形態では、所定の条件が満たされると、自動ブレーキ実行部503が自動的に旋回モータ33に対してブレーキを掛けることができる。
図4を参照して、クレーン1の作業中に上記の自動的なブレーキ力が付与される処理について説明する。クレーン1の作業中(エンジンの動作中)に判定部504は、旋回ブレーキバルブ53の開弁状態を確認することで、旋回モータ33に対してブレーキシリンダ36のブレーキがかかっているか否かを判定する(ステップS1)。ここで、ブレーキがかかっている(ブレーキON、ステップS1でNO)の場合は、自動的なブレーキ処理を行う必要がないため、フローは終了し、所定の時間後にステップS1以下が再開される(RETURN処理)。一方、ステップS1で旋回モータ33に対してブレーキがかかっていない場合(ブレーキOFF、ステップS1でYES)、風向風速センサ52がクレーン1の周囲の風向および風速を検出する(ステップS2)。次に、判定部504は、検出された風速VAmと予め記憶部506に格納されている風速閾値VAsとの大小関係を比較する(ステップS3)。なお、風速閾値VAsは、クレーン1に自然旋回が発生する可能性のある風速として予め実験などで導出された風速である。
ステップS3において、VAs≦VAm、すなわち、検出された風速VAmが大きい場合(ステップS3でYES)には、演算部505が、クレーン1が受ける風荷重W(自然旋回力)を算出する。風荷重Wは、下記の式1によって算出可能である。
W=q×C×A ・・・(式1)
式1において、qは風向風速センサ52によって検出された速度圧であり、Cは予め設定された風力係数、Aはクレーン1が受ける受圧面積である。CおよびAは予め記憶部506に格納されている。風向風速センサ52によって検出される風向と、式1で算出された風荷重Wとから、判定部504は、旋回体10が自然旋回する自然旋回方向を第1方向(右方向)と第2方向(左方向)との間で判定する(ステップS4)。
次に、判定部504は、旋回カウンタ操作の有無を判定する(ステップS5)。当該判定は、旋回体10に発生している自然旋回力に抗して、作業者が旋回体10の旋回を停止させるような操作を行っているか否かを自動的に判定するものである。判定部504は、まず第1パイロット圧センサ40および第2パイロット圧センサ41の検出圧力から、操作部42の操作レバー42Aに対して入力されている旋回操作の方向を判定する。当該判定方法は、一つの方法に限定されるものではないが、一例として、第1パイロット圧センサ40の検出圧と第2パイロット圧センサ41の検出圧の大小関係に応じて、旋回操作の方向を判定することができる。次に、判定部504は、ステップS4において判定された自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力されている場合、カウンタ操作が入力されている可能性があると判定する。更に、判定部504は、回転速度センサ43によって取得される旋回体10の旋回速度VBm(速度情報)が記憶部506に格納されている閾値速度VBsよりも小さい状態が所定時間継続しているか否かを判定する。閾値速度VBsは、旋回体10の旋回速度VBmがほぼゼロ(停止している)か否かを判定するために予め設定されている。
そして、判定部504は、ステップS4において判定した自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力され、かつ、回転速度センサ43によって取得される旋回速度VBmが閾値速度VBsよりも小さい状態が所定時間継続した場合に、操作レバー42Aにカウンタ操作が入力されていると判定する(ステップS5でYES)。このように、操作レバー42Aに入力される旋回操作の方向と自然旋回方向との一致、不一致に加え、旋回体10の旋回速度がほぼゼロであるかを確認することによって、作業者が自然旋回を抑制するようなカウンタ操作を意図的に行っていることを判定することができる。
図5を参照して、上記のカウンタ操作について更に説明する。図5では、旋回体10と操作レバー42Aとを仮想的に重ねて示している。旋回体10は、旋回軸心CL回りに旋回可能である。操作レバー42Aが第1操作領域RPに操作されると、旋回体10が第1方向(右方向DR)に旋回し、操作レバー42Aが第2操作領域LPに操作されると旋回体10が第2方向(左方向DL)に旋回する。また、前述のように、操作レバー42Aが中立操作領域NPに配置されると、旋回体10が慣性で旋回することが可能である。クレーン1の周囲で矢印DF方向に強い風が吹いているとすると、旋回体10には右旋回方向の自然旋回力Wが付与される。当該自然旋回力Wと同等の油圧旋回力Fによって旋回体10が右旋回されるとすると、その際の操作レバー42Aの操作位置が図5の仮想位置FPに相当する。作業者が自然旋回力Wに抗して旋回体10の旋回を停止させたい場合、操作レバー42Aを第2操作領域LPのカウンタ操作位置CPに操作する。この結果、図2のコントロールバルブ32が左旋回用位置32Cに設定され、エンジン30に油圧的なブレーキ力が付与される。図4のステップS5では、このようなカウンタ操作が作業者によって実行されているか否かが判定部504によって判定される。
図4に戻って、自動ブレーキ実行部503は、ステップS5においてカウンタ操作がありと判定されると(ステップS5でYES)、旋回ブレーキバルブ53を開弁させ、ブレーキシリンダ36による機械的なブレーキ動作を実行する。なお、ステップS3においてVAs>VAmの場合(ステップS3でNO)、ステップS5において判定部504がカウンタ操作が入力されていないと判定した場合(ステップS5でNO)には、自動ブレーキ実行部503は自動的なブレーキ動作を実行することなく処理を終了する(RETURN処理)。
以上のように本実施形態によれば、旋回体10が第1方向に旋回している状態で操作レバー42Aが第1操作領域RPから中立操作領域NPを経由して第2操作領域LPに至る操作を受けた場合、または、旋回体10が第2方向に旋回している状態で操作レバー42Aが第2操作領域LPから中立操作領域NPを経由して第1操作領域RPに至る操作を受けた場合に、コントロールバルブ32の位置変更によって旋回モータ33に油圧的なブレーキが付与される。一方、操作レバー42Aが中立操作領域NPに設定されている場合、旋回モータ33には油圧的なブレーキ力が付与されない(中立フリー仕様)。したがって、操作レバー42Aが中立操作領域NPに設定されている状態で、クレーン1の周囲に強い風が吹くと、旋回体10が自然旋回する可能性がある。上記の構成では、判定部504が、風向風速センサ52によって検出される風向および風速を備えた風の風力が旋回体10を自然旋回させるか否かを判定する。また、判定部504は、前記自然旋回に抗して前記旋回体10の旋回を停止させるためのカウンタ操作が操作レバー42Aに入力されているか否かを判定する。そして、自動ブレーキ実行部503は、判定部504によって風力が旋回体10を自然旋回させると判定され、かつ、判定部504によって操作レバー42Aに前記カウンタ操作が入力されていると判定された場合に、ブレーキシリンダ36をブレーキ状態に切換える。この際、作業者が自然旋回に抗してカウンタ操作を行っている場合に、ブレーキシリンダ36がブレーキ状態に切換えられるため、作業者の意に沿って旋回体10を強制的に停止させることができる。このため、作業者がカウンタ操作から解放され、その他の作業に集中することが可能となり、クレーン1の作業効率を向上することができる。また、判定部504によって風力が旋回体10を自然旋回させると判定されるとともにカウンタ操作が入力されている場合に限って、ブレーキシリンダ36がブレーキ状態に設定されるため、クレーン1の通常の作業中において旋回体10の姿勢を調整するためのカウンタ操作が入力された場合に、誤って機械的ブレーキがかかることが抑止される。以上のように、本実施形態では、中立フリー仕様のもとで旋回体10を旋回させるとともに、風などの影響で旋回体10が自然旋回する際の作業者の負担を低減することが可能とされる。
また、本実施形態では、ブレーキシリンダ36が非ブレーキ状態に設定された状態で、自然旋回方向とは逆方向に操作レバー42Aが操作されることに加え、旋回体10の旋回速度VBmが所定の閾値速度VBsよりも小さい状態が維持されていることに着目して、自然旋回に対して旋回体10のバランスを保つような操作が入力されていると認定し、作業者がカウンタ操作を行っていることを精度良く判定することができる。
なお、クレーン1の油圧ポンプ31が動作している間、演算部505は旋回モータ33に係る油圧旋回力Fを所定の間隔(たとえば1秒)で演算する。油圧旋回力Fは油圧ポンプ31から旋回モータ33に供給される作動油の流量、換言すれば、旋回モータ33の差圧によって旋回モータ33に発生する旋回力である。油圧旋回力Fは、下記の式2によって算出される。
F=P×D×G×η/2π ・・・(式2)
式2において、Pはモータ差圧(第1旋回圧センサ38が検出する圧力P1と第2旋回圧センサ39が検出する圧力P2の差)であり、Dは旋回モータ33の押しのけ容積であり、Gは旋回モータ33に備えられた減速機の減速比であり、ηは旋回モータ33のモータ効率である。D、Gおよびηは予め記憶部506に格納されている。
図4のステップS6において機械的なブレーキ力がエンジン30に付与されると、操作ユニット51の表示部に表示されるブレーキ付与情報またはブレーキシリンダ36のブレーキ押圧部36Aが旋回モータ33の出力軸を押圧する際の作動音によって、作業者はブレーキが付与されたことを認識する。このため、作業者は他の操作を行うために操作レバー42Aを中立操作領域NP(図5)に戻すことができる。その後、作業者が旋回体10の旋回動作を再開したい場合には、自動ブレーキ実行部503が自動的にブレーキシリンダ36のブレーキ動作を解除することができる。
具体的に、自動ブレーキ実行部503は、ブレーキシリンダ36が前記ブレーキ状態に設定され操作レバー42Aが中立操作領域NPに設定されている状態で、判定部504によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力されると、上記の式2に基づいて演算部505によって演算される油圧旋回力Fが前記自然旋回力Wよりも大きくなった場合に、ブレーキシリンダ36を前記非ブレーキ状態に切換える。
このような構成によれば、操作レバー42Aに自然旋回方向とは逆方向の旋回操作が入力されると、油圧旋回力Fが自然旋回力Wよりも大きくなった場合に、ブレーキシリンダ36のブレーキが解除される。このため、操作量が小さい状態でブレーキが解除され、旋回体10が作業者の意に反して自然旋回方向に旋回することを抑止することができる。更に、ブレーキが解除される際の旋回体の挙動を安定させることができる。
一方、自動ブレーキ実行部503は、ブレーキシリンダ36が前記ブレーキ状態に設定された状態で、中立操作領域NPに設定された操作レバー42Aに対して判定部504によって判定される前記自然旋回方向と同じ旋回方向に対応する操作が入力されると、そのままブレーキシリンダ36を前記非ブレーキ状態に切換える。
このような構成によれば、操作レバー42Aに自然旋回方向と同じ方向の旋回操作が入力されると、ブレーキシリンダ36のブレーキが解除される。このため、旋回体10の旋回動作を速やかに再開することができる。
以上、本発明の一実施形態に係る旋回駆動装置3を備えたクレーン1(作業機械)について説明した。なお、本発明はこれらの形態に限定されるものではない。本発明では、以下のような変形実施形態が可能である。
(1)上記の実施形態では、クレーン1の旋回駆動装置3が中立フリー仕様のみからなる態様にて説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。旋回駆動装置3は、中立フリー仕様と中立ブレーキ仕様とを兼ね備えており、作業者の指令に応じて両者を切換え可能な態様でもよい。なお、中立ブレーキ仕様は、操作レバー42Aが第1操作領域RPと第2操作領域LPとの間の中立操作領域NP(図5)に設定されると、旋回モータ33に油圧的なブレーキ力が付与される公知の仕様である。このような2つの仕様を兼ね備える旋回駆動装置3においても、中立フリー仕様が選択された状態で、本発明が適用されればよい。
(2)また、上記の実施形態では、判定部504は、ブレーキシリンダ36が非ブレーキ状態に設定された状態で、図4のステップS4において判定した自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力され、かつ、回転速度センサ43によって取得される旋回速度VBmが閾値速度VBsよりも小さい状態が所定時間継続した場合に、操作レバー42Aにカウンタ操作が入力されていると判定する(図4のステップS5でYES)。本発明は、当該判定に限定されるものではない。判定部504は、前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力され、更に、演算部505によって演算される前記油圧旋回力Fと前記自然旋回力Wとが互いに同等の大きさになると、前記カウンタ操作が操作レバー42Aに入力されていると判定してもよい。なお、互いに同等とは、所定の誤差を許容しつつ両者が同じ値になることをいう。
このような構成によれば、演算部505によって演算される自然旋回力Wと油圧旋回力Fとのバランスが維持されていることに着目して、作業者がカウンタ操作を行っていることを精度良く判定することができる。更に、上記のバランスが成立した状態でブレーキシリンダ36によって旋回モータ33にブレーキが付与されるため、ブレーキ付与時の旋回体10の挙動を安定させることができる。
(3)また、図6は、本発明の変形実施形態に係る作業機械の旋回モータ33の周辺の構造を示す模式的な断面図である。本変形実施形態では、クレーン1の旋回駆動装置3は、旋回ベアリング21を備える。
旋回ベアリング21は、円形の第1リング部21Aと、円形の第2リング部21Bと、を有する。第1リング部21Aは、旋回体10の旋回フレームの底壁221に形成された上面視でリング状のベアリング装着部21Sに固定される。第2リング部21Bは、第1リング部21Aの径方向内側に配置され、走行体11の上面部110に形成された上面視でリング状のベアリング装着部110Sに固定される。第1リング部21Aは、第2リング部21Bに対して前記旋回軸心CL回りに相対回転可能とされる。具体的に、第2リング部21Bの内周面には、周方向に沿って複数のギア歯21Cが形成されている。また、旋回体10に固定された旋回モータ33は、先端にピニオンギアが備えられた出力軸33Pを有する。旋回モータ33のピニオンギアが第2リング部21Bのギア歯21Cと係合する。そして、旋回モータ33のピニオンギアが回転すると、旋回モータ33とともに旋回フレームが走行体10に対して回転することで、旋回体10が旋回中心CL回りに旋回する。なお、上記の旋回ベアリング21は、先の実施形態に係るクレーン1の旋回駆動装置3にも同様に備えられている。
更に、旋回駆動装置3はひずみゲージ33S(特性値検出部)を有する(図6)。ひずみゲージ33Sは、旋回モータ33の出力軸33Pに装着され、出力軸33Pにかかる外力に応じた特性値を検出可能とされている。特に、ひずみゲージ33Sは前記特性値として出力軸33Pのひずみ量を検出する。
そして、本変形実施形態では、ひずみゲージ33Pが検出するひずみ量に応じて、自動ブレーキ実行部503がブレーキシリンダ36のブレーキ力を解除する。具体的に、自動ブレーキ実行部503は、ブレーキシリンダ36が前記ブレーキ状態に設定された状態で、中立操作領域NPに設定された操作レバー42Aに対して判定部504によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が入力されると、ひずみゲージ33Pによって検出されるひずみ量が予め設定された閾値よりも大きくなった場合に、ブレーキシリンダ36を前記非ブレーキ状態に切換える。
したがって、作業者が旋回体10の旋回動作を再開させる際に、操作部42が受ける操作量が小さい状態でブレーキシリンダ36のブレーキが解除され旋回体10が作業者の意に反して自然旋回方向に旋回することを抑止することができる。更に、ブレーキが解除される際の旋回体10の挙動を安定させることができる。なお、本変形実施形態でも、先の実施形態と同様に、ブレーキシリンダ36が前記ブレーキ状態に設定されている状態で、判定部504によって判定される前記自然旋回方向と同じ旋回方向に対応する操作が操作レバー42Aに入力されると、自動ブレーキ実行部503は、そのままブレーキシリンダ36を前記非ブレーキ状態に切換えればよい。
1 クレーン(作業機械)
10 旋回体(機体)
11 走行体
12 キャブ
13 ブーム
3 旋回駆動装置
3A ポンプ吐出ライン(第1油路、第2油路)
3B 第1油路
3C 第2油路
3D 排出用油路
30 エンジン
31 油圧ポンプ31
32 コントロールバルブ
32A 右旋回用位置
32B 中立位置
32C 左旋回用位置
33 旋回モータ
33A 第1ポート
33B 第2ポート
33S ひずみゲージ(特性値検出部)
36 ブレーキシリンダ(機械式ブレーキ)
36A ブレーキ押圧部
42 操作部
42A 操作レバー(被操作部)
42B リモコン弁
43 回転速度センサ(速度情報取得部)
50 制御部
501 油圧ポンプ制御部
502 ブレーキバルブ制御部
503 自動ブレーキ実行部(ブレーキ切換部)
504 判定部(自然旋回判定部、操作状態判定部、旋回方向判定部)
505 演算部(旋回力演算部)
506 記憶部
51 操作ユニット
52 風向風速センサ(風向風速検出部)
53 旋回ブレーキバルブ

Claims (8)

  1. 機体と、前記機体の上方に配置される旋回体とを備える作業機械に設けられ、前記機体に対して前記旋回体を相対的に旋回駆動する旋回駆動装置であって、
    前記機体と前記旋回体との間に介在し、前記旋回体を旋回駆動する油圧式の旋回モータであって、当該旋回モータは第1ポートおよび第2ポートを有しており、前記第1ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向に旋回させるとともに前記第2ポートを通じて作動油を排出する一方、前記第2ポートを通じて作動油の供給を受けることにより前記旋回体を第1方向とは反対の第2方向に旋回させるとともに前記第1ポートを通じて作動油を排出する、旋回モータと、
    前記旋回モータに供給されるための作動油を吐出する油圧ポンプと、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第1ポートとを連通する第1油路と、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータの前記第2ポートとを連通する第2油路と、
    前記第1油路および前記第2油路に連通可能とされ、作動油をタンクに導く排出用油路と、
    前記旋回体の旋回動作のために操作される被操作部であって、前記旋回体を前記第1方向に旋回させる第1操作領域と、前記旋回体を前記第2方向に旋回させる第2操作領域と、前記第1操作領域と前記第2操作領域との間の中立操作領域とに選択的に操作されることが可能であり、前記第1操作領域および前記第2操作領域における当該被操作部の操作量がそれぞれ可変とされている、被操作部と、
    前記油圧ポンプと前記旋回モータとの間に介在するコントロールバルブであって、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第1油路を通じて前記第1ポートに供給するとともに前記第2ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く状態と、前記油圧ポンプから吐出される作動油を前記第2油路を通じて前記第2ポートに供給するとともに前記第1ポートから排出される作動油を前記排出用油路を通じてタンクに導く状態と、前記第1油路と前記第2油路とを互いに連通することで前記第1ポートと前記第2ポートとの間で作動油が循環することを許容する状態とに切換わることが可能であり、更に前記被操作部が受ける操作量に応じて前記旋回モータに供給する作動油の流量を調整可能なコントロールバルブと、
    前記コントロールバルブの状態に関わらず前記旋回モータの回転を強制的に阻止するブレーキ状態と、前記旋回モータの回転を許容する非ブレーキ状態との間で切換え可能な機械式ブレーキと、
    前記作業機械の周囲の風向および風速を検出可能な風向風速検出部と、
    前記風向風速検出部によって検出される前記風向および前記風速を備えた風の風力が前記旋回体を自然旋回させるか否かを判定する自然旋回判定部と、
    前記自然旋回に抗して前記旋回体の旋回を停止させるためのカウンタ操作が前記被操作部に入力されているか否かを判定する操作状態判定部と、
    前記機械式ブレーキを前記ブレーキ状態と前記非ブレーキ状態との間で切換えるブレーキ切換部であって、当該ブレーキ切換部は、前記風力が前記旋回体を自然旋回させると前記自然旋回判定部が判定し、かつ、前記被操作部に前記カウンタ操作が入力されていると前記操作状態判定部が判定した場合に、前記機械式ブレーキを前記ブレーキ状態に切換える、ブレーキ切換部と、
    を備える、旋回駆動装置。
  2. 前記旋回体の旋回速度に対応する情報である速度情報を取得する速度情報取得部と、
    前記風力が前記旋回体を自然旋回させる方向である自然旋回方向を前記第1方向と前記第2方向との間で判定する旋回方向判定部と、
    を更に備え、
    前記操作状態判定部は、前記機械式ブレーキが前記非ブレーキ状態に設定された状態で、前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が前記被操作部に入力され、かつ、前記速度情報取得部によって取得される前記速度情報が予め設定された閾値速度よりも小さい状態が所定時間継続した場合に、前記被操作部に前記カウンタ操作が入力されていると判定する、請求項1に記載の旋回駆動装置。
  3. 前記旋回モータによって前記旋回体に付与される油圧旋回力および前記風力によって前記旋回体に付与される自然旋回力をそれぞれ演算する旋回力演算部を更に備え、
    前記操作状態判定部は、前記機械式ブレーキが前記非ブレーキ状態に設定された状態で、前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が前記被操作部に入力され、かつ、前記旋回力演算部によって演算される前記油圧旋回力と前記自然旋回力とが互いに同等の大きさになると、前記カウンタ操作が前記被操作部に入力されていると判定する、請求項1に記載の旋回駆動装置。
  4. 前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が入力されると、前記旋回力演算部によって演算される前記油圧旋回力が前記自然旋回力よりも大きくなった場合に、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換える、請求項3に記載の旋回駆動装置。
  5. 前記旋回モータは、出力軸を有し、
    前記旋回モータの前記出力軸に装着され、前記出力軸にかかる外力に応じた特性値を検出可能な特性値検出部を更に備え、
    前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向とは逆の旋回方向に対応する操作が入力されると、前記特性値検出部によって検出される前記特性値が予め設定された閾値よりも大きくなった場合に、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換える、請求項3に記載の旋回駆動装置。
  6. 前記特性値検出部は、ひずみゲージであり、前記特性値として前記出力軸のひずみ量を検出する、請求項5に記載の旋回駆動装置。
  7. 前記ブレーキ切換部は、前記機械式ブレーキが前記ブレーキ状態に設定された状態で、前記中立操作領域に設定された前記被操作部に対して前記旋回方向判定部によって判定される前記自然旋回方向と同じ旋回方向に対応する操作が入力されると、前記機械式ブレーキを前記非ブレーキ状態に切換える、請求項4乃至6の何れか1項に記載の旋回駆動装置。
  8. 機体と、
    前記機体の上方に配置される旋回体と、
    請求項1乃至6の何れか1項に記載の旋回駆動装置と、
    を備える、作業機械。
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