JP5533601B2 - 高純度シリコン微粉末の製造装置 - Google Patents

高純度シリコン微粉末の製造装置 Download PDF

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Description

本発明は主としてリチウムイオン電池用の負極材や高純度窒化ケイ素用の原料として使用する、高純度で微細な結晶を有するシリコン微粉末を製造する製造装置に関する。又このシリコンの微細な結晶は、ソーラセル用、或いはその他のシリコン化合物用原料としても使用できる。
高純度シリコンは、電子デバイス用では単結晶シリコンウエハーなど11ナイン程度の超高純度シリコンが知られており、又最近急速に広がっているソーラセル用であっても不純物元素の種類によるが、少なくとも6ナイン程度の高純度が必要とされる。そのためにシリコンの製造では生成するシリコンの結晶を出来るだけ成長させて不純物が含まれない様な工夫が行われている。つまり典型的なシリコンの製造プロセスとして、トリクロロシランを水素で還元し、生成するシリコンを基材上に時間をかけて成長させるいわゆるジーメンス法が知られている。ただこの技術は超高純度シリコンを得るには極めて良い方法であるが、消費エネルギーが極めて大きく、しかも生成の速度が遅いために必然的に大きな設備が必要となり、製造コストが極めて大きくなるとされる。
一方原料を変え、或いは条件を変えた多くのシリコン製造方法が提案されている。(非特許文献1)。しかしながらこれらについては原料が特殊であるとか、原料であるシリコン化合物が不安定で爆発性である等という問題点があり、広く実用化されているプロセスは極めて限られるのが現状である。
また冶金法と称して、4−ナイン程度の高純度シリコンを原料としてプラズマ溶解を行う、或いは電子ビーム溶解を行うことによって不純物を揮散させて高純度化する方法が知られている。又、更にこれに凝固プロセスで一方向凝固技術を加え、不純物のみを端部に移動させて高純度シリコンを得る方法が提案されている。この方法は超高純度シリコンを得ることは出来るが、原料シリコンが高純度であり高価なこと、また適当なシリコン源がすくないことから、実用化の拡大は進んでいない。
言うまでも無いが上記シリコンは、ブロック状で、緻密質な高純度なシリコンを得るために行われているので、本願の発明の目的には必ずしも合致するものではなかった。
最近では、省エネルギーの観点から四塩化ケイ素を亜鉛で還元する方法が多く検討されている。つまり、この四塩化ケイ素の亜鉛還元法によるシリコンの製造は1950年頃から知られており、多くの技術提案がなされ、一部では商品化されたと言われる。しかしながら、その一方で高温プロセスでありその運転条件の保持が困難であること、また副生する塩化亜鉛の処理が困難であるという問題などがあるとされていた。
このために種々の工夫がなされており、たとえば特許文献1及び特許文献2では液状亜鉛表面に四塩化ケイ素を吹き込んでシリコンを得る方法が提案されている。この方法では比較的低い温度でシリコンの製造が出来るという特徴があるものの、現実には固相であるシリコンと液層亜鉛並びに気相の反応生成物である塩化亜鉛との分離が容易でないこと、どうしても液層亜鉛中の不純物がシリコン中に混入してしまいその分離が極めて困難であるという問題を有していた。
また四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元し、生成したシリコンを反応炉の炉壁に生成させる方法が幾つか提案されている。特許文献3ではガスの混合比を特定して析出を制御し結晶の成長を促している。更に、炉壁へのシリコンの析出と取り出しを容易にする方法として、特許文献4では反応槽内の壁に離型材を施す事を提案している。しかしながらバッチプロセスとなるために生成シリコン中への不純物の混入機会が多くなること、反応ガスである四塩化ケイ素の除去、分離が困難であるという問題を有している。なおこれらは、いずれも生成するシリコンの結晶を出来るだけ成長させることを主眼としている。
更に、生成シリコン結晶をより大きく成長させるために特許文献5では四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとの反応を不活性キャリアーガス雰囲気中で条件を特定して行うことを示している。さらに特許文献6では反応炉内にシリコン種結晶板を置き、あるいはそのような壁を作って、そこにデンドリックなシリコンを成長させるようにしている。しかしながらこれらもバッチプロセスから抜け出すことが出来ず、改良されているとしても、不純物の混入を防ぐことは極めて困難であった。これらはいずれも高純度化の達成のためにシリコン結晶粒子を大きくすることを主眼としている。
特許文献7では、原料である四塩化ケイ素ガスをノズルから下部にある亜鉛ガス雰囲気中に吹き出すことによって、四塩化ケイ素ガスノズルの回りにシリコンを筒状に形成することが示されている。実質的にはガスの流速を規定しているが、実施例では希薄なガスを送ることによって反応を制御しながら製造することが示されている。相対的に大型の設備を使い大きな結晶を作ること、またノズルの回りに結晶を成長させることで、生成結晶を反応塔の内面にふれないで成長させることが出来るとしている。これによって不純物の入らない高純度の結晶が出来るとしているが、微細な結晶を短時間に多量に合成するのではなく、同じ亜鉛還元法であってもむしろ反対に結晶成長を進める様にしている。
これらに対して本発明者らは、反応炉の炉壁にはシリコンを生成させずに連続的にシリコンを生成させる方法として、旋回溶融法による高温プロセスの検討を進めてきた。これらについては特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11、特許文献12などの発明を行ってきた。これらにより反応炉の炉壁の影響を受けずしかも連続運転が可能となり良質な製品シリコンを得ることが可能となった。但し、1200℃以上、通常ではシリコンの融点である1410℃付近の高温を必要とするために生成シリコン中には系内に存在する不純物が僅かであるが混入しやすく、6−ナイン程度の純度が限界であった。さらに反応装置自身がサイクロンを形成するために大型化してしまうという問題点があった。また反応温度が極めて高いために、反応炉を構成する材料の耐久性に問題が出やすく、短時間では問題は少ないが、長期にわたっての安定な装置材料が見つかりにくいという問題があった。
これらの解決のために本発明者らは、特許文献13で同じように気相反応法を行うが条件を規定することで、シリコンを単結晶繊維として取り出す事に成功した。さらにこれによって高純度化をはかりながらそれを融体で取り出す事を行ってより効率化をはかった。しかしながら、このような繊維状単結晶を形成するためには高温度で高濃度の亜鉛と四塩化ケイ素を反応させる必要があり反応場の圧力変化が比較的大きいために実用化に向けては、条件の制御がきびしくなるという問題点が新たに見出されてきた。更に高温反応であるが故に時としては不純物のレベルが高くなりやすいという問題点も見出されている。
更にこれらはいずれも結晶成長を優先するために微粉末の形成を起こさない様な条件であり、またそれらからシリコンの微粉末を取り出すことは出来なかった。
また、このようにして反応装置内にシリコン結晶を生成させた後に融体化することによって連続運転が可能となったが、一方結晶を生成させるには、温度、雰囲気などの条件が厳しく、装置の耐久性に問題を有する可能性があった。更に、生成する結晶にばらつきが発生しやすく、ガスとの分離工程で時として成長の不十分な結晶が排ガスに混入してしまう事が散見された。なお、生成する結晶をほぼ一定の状態で成長させる方法としては特許文献6に示されるように内部に種結晶をおくことが考えられるが、連続運転が困難になると共に、微細結晶を得ると言う本目的には合致しない。
本発明者の一人はこれらを更に推し進める技術として、亜鉛による四塩化ケイ素の還元反応が極めて早いことを見出して、より小型の装置を使用しながら製造能力を大幅に拡大する製造条件や装置の検討を行っている。つまり、高濃度のガス状亜鉛中に液状の四塩化ケイ素を供給して極めて高い会合を行うシリコン製造条件を実現した。(特許文献15,特許文献16,特許文献17)。これらでは反応部は小型となり、反応生成物であるシリコンは完全なシリコンになる前の中間体から、シリコン結晶に変化しながら成長すること見出した(非特許文献2)。
これらのプロセスでは、結晶成長部、サイクロンなどによる反応ガスとシリコンの分離により、更に必要によっては融体化プロセスを経てシリコン結晶を得ることが可能となった。このようなプロセスの中では、気相と固相シリコンの分離プロセスを物理的に行う結果、この間に少なくともある程度の結晶成長を促す必要があり、それによって、生成するシリコンはたとえ溶解を行わなくてもある程度の結晶の成長を伴ってしまうと言う問題点があった。但しソーラセル用としては純度を問題とするので粒子が大きくなることはかえって望ましいことであった。
また、連続的に種結晶上にシリコンを生成する方法としていわゆる流動層を使う方法がある。(非特許文献1)しかしながら反応ガスとして塩化亜鉛が系にある場合、反応ガスの分離回収が困難となり流動層そのものの形成が困難という問題点があった。
なお上記はいずれも高純度/超高純度のシリコンを得ること目的としたものであり高純度を保持しながらも微細な結晶を得る条件の検討は行われていない。
特開平11−060228公報 特開平11−092130公報 特開2003−095633公報 特開2003−095632公報 特開2004−196643公報 特開2003−095634公報 特開2003−095634公報 特開2004−210594公報 特開2003−342016公報 特開2004−010472公報 特開2004−035382公報 特開2004−099421公報 特開2006−290645公報 特開2006−298740公報 特開2008−81387公報 特開2008−115066公報 特開2008−115455公報 特開2009−13042公報 シリコン24(1994)培風館 名古屋工業大学・セラミックス基盤工学研究センター年報、vol7 17(2007)
本発明は叙上の問題点を解決して高純度を有しながら微細で粒状がそろったシリコンを最小のエネルギーで高効率に、更に、多量に得ることの出来るシリコン製造装置を提供することを課題とした。
高純度シリコン微細粒子の製造装置において(1)金属亜鉛を亜鉛の沸点以上で加熱蒸発すると共に生成ガスを加熱して1000℃以上の亜鉛ガスを供給する機構と(2)該亜鉛ガス中に液状の四塩化ケイ素を供給する機構と、(3)前記亜鉛ガスと前記四塩化ケイ素を混合攪拌して反応させシリコン粒子を含む反応ガスを生成する機構と、(4)前記反応ガスの温度を1000℃以下に下げてガス中に生成したシリコン粒を凝集し成長させる機構と(5)前記成長したシリコン粒を反応ガス中に含むガス物質を塩化亜鉛水溶液と接触させ水溶液中にシリコンを沈殿・回収する沈殿回収機構を含んでなることを特徴とする高純度シリコン微細粒子の製造装置であって、四塩化ケイ素を亜鉛に依って還元して、シリコンを製造するにあたり、実質的に気相の不均化反応にもかかわらず四塩化ケイ素のガスとしての気相への影響を無くし、しかも高濃度での反応を可能として、シリコン結晶の核を選択的に生成させるようにし、結果として微粉末シリコンを多量に生成すると共に、該シリコン微粒子を凝集し、粒度を調整して、これを塩化亜鉛水溶液中に捕捉するようにして高い効率で微細なシリコン粒子を得ることが可能となった。
本願発明のような原料は気・液で供給するが実質的には気相反応となる反応では一般に、原料ガス濃度を大きくすることによって反応生成物の核生成が促進されるので、生成する結晶粒が小さくなることが知られている。また本発明者らが実用化した、亜鉛ガス中に液状の四塩化ケイ素を供給して反応させる方法は常圧下で行う反応としては最も高濃度であり、微細結晶を得るためには最も望ましい形態である。この条件を生かし、更に高純度シリコンの微細な粒子結晶を粒子をある程度制御しながら、高効率・高収率で得ることを目的として種々検討して本発明に至った。
つまり、亜鉛ガスは直接金属亜鉛を加熱し、沸騰・蒸発させることによりほぼ亜鉛ガスのみからなる沸騰温度の亜鉛ガスを得ることが出来る。更にこれを必要とする反応温度である、1050℃〜1300℃に加熱する。なお雰囲気ガスは無くても良いが、系内のガスの流れをよりスムースにし、また途中の閉塞を防ぐために、アルゴンガスを加える事も出来、それによってわずかに加圧することが出来る。ただ、通常はこのように、ほとんど加圧のためにのみ行うのでアルゴンガスの量は僅かで良く、例えば圧力は最大でも10000Pa程度(水柱1m程度)で十分である。これは、反応管太さが25mm程度ではアルゴン量として50ml/分〜1000ml/分位に相当する。
このようにして1050〜1300℃に加熱した亜鉛ガスの流れを作り、その中に沸点が約56.4℃とされる四塩化ケイ素を液体のまま供給する。供給は重力で上部から滴下することが行われるが、ガスとの接触部を工夫することによって、噴霧状態にすることも出来る。供給部分の温度は1050℃〜1300℃とするが、より望ましくは1100℃〜1200℃である。なおこの部分の温度が、1050℃より低いと反応により生成するシリコン、又はシリコン前駆体の凝集が起こって析出しやすくなり、亜鉛と四塩化ケイ素の会合部分に析出してしまい、連続運転に支障を来す可能性がある。従って会合部分の温度は高いことが望ましいが、1300℃以上では通常使用する反応装置材質である石英ガラスやSiC燒結体の耐久性に問題が出ること、消費エネルギーが大きくなりすぎるので、可能ではあるが実用上からは推奨されない。
ここで亜鉛と四塩化ケイ素が気−液、又は気−気で会合し、少なくとも部分的に反応し、一部生成したシリコン又はシリコン前駆体を含むガスはガス流れに沿って反応が進む。なおこの時に反応の進行を加速するために、このガスを強制的に攪拌することが望ましい。このための攪拌機構は、十分に攪拌されることはもちろんであるが、反応管内での圧力損失を最小限に押さえると共に、生成したシリコン並びにシリコン前駆体からなる固体がその部分に析出することによって閉塞を起こさないものであればどのような機構でも良い。たとえば、ランダムに置かれた邪魔板や、商品名、スクエアミキサーと呼ばれるパイプ内を流れるガスを二分して半分は縦波的に折れ曲がりながら流れ、残りの半分は横波で流れて1周期で会合し、これを繰り返す事によって攪拌混合する様な機構を使用することが出来る。これらによって、圧力損失を最小として、シリコンやシリコンの前駆体粒子を含むガスの十分な混合を得ることが出来る。
このようにしてシリコン前駆体・シリコンを含む反応ガスは反応管を通過しながら反応が更に進み反応ガスは微細なシリコンを含み反応生成物である塩化亜鉛ガスを主体とするガスとなる。これらによる反応ガスは次いで垂直管又は傾斜管からなり、温度を1000℃以下、望ましくは500〜800℃に保持した筒状のシリコン粒を凝集し成長させる機構に送られ、シリコン粒の相互凝縮と成長させることによる調整を行い、シリコン粒子径が1から100μmに成長する。ここで塩化亜鉛の沸点は740℃であり、亜鉛の沸点は910℃であると言われており、前記シリコン粒を凝集し成長させる機構である垂直管、或いは傾斜管内ではこれらの一部が液化し、或いはシリコンとともに沈殿となる可能性が有るので、この管体の径は反応ガスを生成する機構のそれより大きいことが望ましい。なお傾斜管の場合は傾斜管中を液、又は半固体で重力により容易にしかもゆっくり落下できるように傾斜管の角度は水平に対して90度(垂直)〜30度であることが望ましい。
なお上記で傾斜管を使用するのは、温度の低下によるシリコン結晶粒の凝縮並びに成長の時間を長くして粒の調整を行うためである。又、垂直管では短時間でこの部分を通過してしまう可能性があり、条件によっては合目的なシリコン粒子径が得られない場合があることによる。 傾斜管にすることにより傾斜部にシリコンが析出し、或いは塩化亜鉛液とともに析出した後、傾斜部分を滑るように落下するのでこの温度域で保持時間を調整できることになり、粒径のより大幅な調整が出来るようになる。
このようにして垂直或いは傾斜管から成るシリコン粒を凝集し成長させる機構でシリコン粒子を凝集し成長させて調整したシリコン粒子を含有するガスは更に、塩化亜鉛水溶液を循環させたシリコンを沈殿・回収する機構に送られ、該回収する機構中の塩化亜鉛水溶液と接触させ、シリコンを沈殿させると共に他のガス成分を液中に溶解させる。水ではなくて、塩化亜鉛水溶液に接触させる理由は、わずかでも塩化亜鉛を含む水溶液は沸点の上昇が大きく、蒸気圧が小さいために高温のガスと接触させても突沸の危険が少なく、又水蒸気による高温部分の影響がほとんど無くなる事による。但し、塩化亜鉛の水溶液濃度は特に指定しないが、30モル%を越えると液粘度が大きくなり循環に支障を来すことがあるので、粘性の増加が目立たない30モル%以下が望ましい。なお塩化亜鉛の濃度が5モル%以下では沸点の上昇が不十分になることがあるので5モル%以上であることが望ましい。
このシリコンを沈殿・回収する機構の部分の形態は特には指定されないが、底部に吸収液である塩化亜鉛液が循環され、上部からシリコン粒子を含む反応ガスを供給する。反応ガス供給口になる部分は液面から500mm以上離れていることが望ましい。これは生成した塩化亜鉛液蒸気特に水分が排ガス管に入らないようにするためである。これにより液中に褐色の高純度シリコンが懸濁していく。この液は処理機構の外部に循環して濾過装置によって連続的にシリコンを採取しながら、又必要に応じて温度を下げること、又電解槽を通して亜鉛、並びに塩素を採取・回収すると共に液濃度を調整して再循環することも出来る。
又シリコンを沈殿・回収する機構では反応ガスの入り口には液滴がかからないように、又ガス入り口の温度は下がらないようにする必要があるが、入り口部分を邪魔板や隔壁で隔離して液自体をシャワー的に上部から降らせて、ガスとの接触をよりよくする事も出来る。これは理論的にシリコンに対して約5倍(質量で)の塩化亜鉛ガスが生成氏その量が非常に大きいために通常液−ガスの接触では接触が不十分となり液への吸収が不十分に成る可能性があるためである。
このようにして生成したシリコンを塩化亜鉛水溶液中に集め濾過により分別、収集するのは、本発明に於けるシリコンの粒径が1から100ミクロンの非常に微細であり、気相中でのサイクロンによる採取などが困難であり、又他の方法では高収率での採取が困難であった事による。又、塩化亜鉛水溶液中に入れた場合に問題となる共沈物としての未反応四塩化ケイ素と水との反応より生成する二酸化ケイ素との分離が、濾過によって容易に出来る事を見出したからである。更に、通常このような高温ガスから直接水溶液中へのトラップは非常に危険であるが、塩化亜鉛水溶液を使うことによって水溶液の蒸気圧が大きく低められることを見いだすと共に、液中で集められたシリコンは、表面が酸化物になることなく液中に安定にシリコンとして保持できる事を見出したことによる。
高温高濃度の亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液状で供給し1050℃以上の高温状態で反応させる事によって、四塩化ケイ素を還元して微細なシリコンを生成させ、それを1000℃以下、特に500〜800℃にて結晶成長並びに凝集させることによって生成シリコン粒子の粒度を調整し、塩化亜鉛水溶液中に集めることにより微細な高純度シリコン粒子を、高収率で得ることが出来るようになった。またこのようにして凝集させたシリコンは液流通により、外部で濾別することによって、連続運転が容易となり、又可能となった。
本発明を図によって説明する。つまり図1はシリコンを含む反応ガスの温度を下げてシリコン粒を凝集し成長させる機構を垂直管とした場合であり、図2は図1における亜鉛ガスと四塩化ケイ素を混合攪拌してシリコン粒子を含む反応ガスを生成する機構に於ける混合攪拌を邪魔板ではなく管内に設けたスクエアミキサーで行うようにした場合である。図3はシリコンを含む反応ガスの温度を下げてシリコン粒子を凝集し成長させる機構を傾斜管とした場合であり、本発明には含まれないが、シリコンを含む液の処理機構の1態様を加えて示した。
図1において亜鉛供給部0から亜鉛ワイヤー又は融体亜鉛を供給する。ここでは亜鉛を定量供給出来れば亜鉛溶融槽から、定量の亜鉛をポンプなどで送るようにすればよいが、亜鉛ワイヤーを供給する方式は、取扱いが容易であること、定量送りが容易であることから特に小型の装置では望ましい。またこの送りに合わせて装置内を僅かに正圧にして亜鉛の送り機構からの空気巻き込みを防ぐためにガス供給管01を通して僅かな加圧と雰囲気調整のためにアルゴンなどの雰囲気ガスを供給することが出来る。
このようにして送られてきた亜鉛ワイヤー又は亜鉛融体は亜鉛蒸発機構1で加熱・蒸発させて亜鉛蒸気を発生させる。ここでは直接ヒータにより亜鉛の沸点以上で亜鉛を蒸発する。これにより僅かに雰囲気ガスを含むが実質的には亜鉛ガスのみのガス流となる。この亜鉛ガス流を加熱部11で所要温度まで加熱する。通常、1050℃〜1300℃が適当であり特に1100〜1200℃が適当である。このようにして加温され制御された亜鉛ガスは四塩化ケイ素供給機構2に送られる。
四塩化ケイ素の沸点は57.6Cとされるが、ここでは液状の四塩化ケイ素をそのまま供給口21から滴下して供給する。供給の方法は特に指定されずチューブポンプやダイアフラムポンプによって定量供給することが望ましく、多量の場合は四塩化ケイ素保持部に圧力をかけて流量計を通して流し、バルブによって流量調整することが行われる。なお供給機構の亜鉛ガスとの接触部の口を調整して四塩化ケイ素は亜鉛ガス中にシャワー状にして入れること、又ガス流を使って噴霧することも出来るが単に液滴を上から重力により落下させるだけでも良い。
このようにして供給された四塩化ケイ素はこの部分からすぐに亜鉛ガスと反応を開始し、シリコンやシリコン前駆体が生成開始すると共に、反応ガスを生成する反応機構3でその中にある邪魔板31によって攪拌が加速され、十分に攪拌されながら反応を続けると共に亜鉛ガスと四塩化ケイ素の反応が更に進み、反応ガス中のシリコン粒が増大しながら次機構に移動する。
このようにしてシリコン粒を含む反応ガスは、温度を調整してシリコン粒を凝集し成長させる機構(垂直部)4に運ばれ温度を下げられてシリコン粒子が成長して所望のサイズにまで成長する。ここでは結晶成長と凝集効果が合わせて発揮されるようであり、温度と可能であれば保持時間を調整する。なお、ここではヒータ加熱のみではなく、外部空気の導入など冷却機構を設けることによって温度を保持することもある。ここの温度は高いほど粒成長がしにくくなり、又910℃以下では亜鉛が液状で出てくることがあり、又740℃以下では亜鉛に加えて塩化亜鉛が液状になることがある。これらを考慮して温度を選択することが必要である。
これによって必要なシリコン粒サイズに調整する。例えばリチウムイオン電池の負極用であれば、粒径が1から100ミクロン程度が望ましく、その為には条件によるが500〜800℃に保持する。なお所謂サブミクロンとされる1ミクロンより微細な粒子であればより活性であり望ましく思われるが、現実には酸化しやすいこと、又濾過などでの分離が極めて困難となることがある。それ故それに合わせての条件の調整が必要である。ここの条件によっては、シリコン粒子が上記のように塩化亜鉛や亜鉛の融体と混合することが有るが、問題ない。
この部分を通過したシリコン微粒子等を含むガスは沈殿回収機構5に運ばれる。ここでは塩化亜鉛水溶液と上記シリコン等を含むガスを接触させる。沈殿回収機構5は上部からシリコン微粒子を含む反応ガス入り口を有し底部に塩化亜鉛水溶液を循環している。シリコンを含む反応ガスは落下しながら塩化亜鉛水溶液と接触溶解し、シリコンは塩化亜鉛水溶液中に懸濁する。なお、塩化亜鉛水溶液は通常のスクラバーのようにシャワー状に降らせることも出来るが、反応ガスの口部分の温度を保持するために水溶液が直接口部分には接触しないようにする。
塩化亜鉛水溶液の循環に当たっては接触回収機構6として示したように、沈殿回収機構5の外部に濾過により先ず未反応の四塩化ケイ素が水と反応することにより生成する酸化ケイ素と凝縮した亜鉛粒を除去するための大きな目開きの濾過膜を通したあと、シリコンを分離するための目開きの小さな濾過膜によってシリコンを捕集する(61)。このようにして固体成分を除去した後の塩化亜鉛水溶液は必要に応じて温度調整・濃度調整をした後(63)再び接触機構6に戻され、接触に使用される。
図2は、図1と同じであるが、まず亜鉛をワイヤーではなくて亜鉛液として供給するために亜鉛溶解部02を設けた。また、反応ガスを生成する反応機構3の反応ガスの攪拌をスクエアミキサー31とした場合である。特別な攪拌機構が無くても良いが、このような攪拌機構を設けることによって、未反応で残る原材料がより少なくなると共に、生成するシリコンの粒状がより均一になることが期待できる。又ここでは、シリコン粒を含む気相物質を塩化亜鉛水溶液と接触させ、溶液中にシリコンを沈殿・回収させる沈殿回収機構5の接触部に液供給をポンプ52で駆動されるシャワーを設けた場合を示した。ここではシャワー液が直接気相物質の導入部と接触しないように隔壁を設けた。
図3では図1と原則同じで有るが、シリコン粒の凝集し成長させる機構4を図1、図2のような垂直ではなく、傾斜管40とした場合である。傾斜させることによって生成したシリコンが傾斜管の抵抗により傾斜管部分に沈殿し、その落下速度が減速され、それによってシリコンの粒をより大きくできる。又反応時のガス濃度をより高くすることによって、生成シリコン粒をより小さく、又より多くしておき、それを傾斜管により大きく成長させることによって、結果としてより高速で、しかも安定にシリコンを作ることが出来る様になる。特に生成するシリコン粒子を塩化亜鉛や亜鉛融体と共に部分的に析出せしめ,その析出物が傾斜に沿って連続的に移動しながらシリコン粒の成長を行うときに特に有効である。
更に、図3では参考として、排ガス処理部に塩化亜鉛水溶液供給するようにした場合の塩化亜鉛水溶液の循環機構6の一態様を示した。つまり沈殿回収機構5にある塩化亜鉛水溶液を循環させることによって、上部から入ってくるシリコン粒子を含有し、又未反応四塩化ケイ素と亜鉛並びに反応生成物である塩化亜鉛を含有するガスがこの溶液を上から降らせることによって、塩化亜鉛は溶解し、四塩化ケイ素はここの水分と反応して塩酸と二酸化ケイ素となる。亜鉛は塩酸を含み酸性である液中を落下して溶解する。この液をポンプ62で引き出しフィルター61で濾過した後、温度などを63で調整し、保持部64に運ぶ。保持部にたまった液をフィルター61を通した後電解槽65で電解をし、ZnCl2→Zn+Cl2として塩化亜鉛を亜鉛と塩素ガスとして取り除き、塩化亜鉛濃度を調整して保持槽64内に戻す。これにより保持槽64内の液一定に保持されそれが循環液51としてリサイクル出来る。なお電解で生成した亜鉛は亜鉛供給に送り循環使用する。こ以下実験的に組み立てた試験装置による実施例を示す。
図1に示す装置を試作した。つまり亜鉛ガス供給機構の亜鉛ガス生成部は直径150mm,高さ35mmで上下を塞いだ円筒形の一端に内径4mmで円筒に対して高さ方向45度の向きに付けられた亜鉛供給パイプとその円筒の対抗側に円筒と水平に設けた外径30mmのガス流路を有する石英ガラス製とした。これに亜鉛ガスの加熱とガス流路を兼ねた外径30mmで長さ600mmの石英ガラス製の管を亜鉛ガス温度調整部としてフランジ接続で取りつけた。なおこの石英ガラス製の管の亜鉛ガス生成部の反対側、端部から50mmのところに内径10mmの石英ガラス製の垂直管を取りつけて四塩化ケイ素供給管とした。なおこの管の亜鉛ガス生成部側からこの四塩化ケイ素供給管までが亜鉛ガスの加熱用として使われる。更にこの四塩化ケイ素供給管の延長方向に、外径30mm、長さ1000mmの石英ガラス製の管を反応ガス生成機構として設けた。反応ガス生成機構中には石英ガラス製直径23mmの半円形の邪魔板を複数、ランダムな間隔で邪魔板をその半割れ部分がランダムに並べられた長さ500mmの邪魔板群をガス乱流化手段として入れた。更にこの水平管の四塩化ケイ素供給管とは反対側に、直角に落下する外径40mm、高さ800mmの石英ガラス製の垂直管を取りつけ、下側にはフランジ継ぎ手により外径50mm長さ300mmのムライト管を介して、下部に15%塩化亜鉛水溶液を循環した沈殿回収機構としての化学用耐食性の200lのドラム缶に接続した。なおムライト管はこのドラム缶の上蓋部分に取りつけた。塩化亜鉛水溶液の液高さが150mmであり、液面から、ガス出口までが約550mmであった。
亜鉛ガス生成部はこの石英ガラス円筒の上下に密着するように鉄クロム線発熱体からなる発熱板を置いた。又各反応部分については各部に応じて商品名カンタルα線を発熱体とする電気炉により温度を制御するようにした。
供給する亜鉛は直径2mmの純亜鉛(亜鉛分99.995質量%)のワイヤーを使用し10mm/秒で連続的に送るようにした。また四塩化ケイ素は上部よりチューブポンプにより0.3g/秒で連続的に供給した。また運転は亜鉛と四塩化ケイ素の供給を同時にすることによった。なお亜鉛ワイヤー部分の枝管からアルゴンガスを300ml/分の速度で供給した。運転温度は以下である。
各部の温度は亜鉛ガス生成部:1100℃、亜鉛ガス温度調整部:1100℃、四塩化ケイ素を供給する機構の亜鉛ガス通過部:1200℃、反応ガスを生成する機構内、邪魔板挿入部:1100℃、後半部:1050℃、垂直部:700〜750℃とし、垂直部下のムライト管には小型のヒータを入れて、温度を350℃に保持するようにした。この部分は運転の経過に伴って400℃程度まで温度上昇が見られた。四塩化ケイ素供給量は計算上、亜鉛供給量とほぼバランスしていた。20分間の連続運転を行ったところドラム缶内の塩化亜鉛液が褐色に濁り、部分的に沈殿の起こっていることがわかった。又白色の鱗片状の析出物が見られたがそれは酸化ケイ素であり、未反応の四塩化ケイ素が塩化亜鉛水溶液中の水と反応した事によって生成したものと推定された。この白色部分を目開き100ミクロンのメッシュを通して分離・除去し褐色となっている部分について、目開き1ミクロンの濾紙を使って濾過し、洗浄した後に乾燥した。このもののX線回折図からは純粋なシリコンであることがわかった。このシリコンの粒度分布を計測したところ、粒度5ミクロンと15ミクロンのところにピークを有し最大径が約100ミクロン、平均粒径30ミクロン以下のシリコン微粒子からなることがわかった。またシリコンの収量は理論値に対して82%であった。排ガス部分では反応中はわずかに塩酸臭がした。
図2に示すシリコン製造装置を組んだ。装置の大きさは実施例1とほぼ同じであり、反応ガス生成機構内の邪魔板に替わって、炭化ケイ素製の長さ125mm直径23mmのスクエアミキサー4台を四塩化ケイ素供給機構側に組み込んだ。又排ガスの処理部分については副生物である塩化亜鉛の塩化亜鉛水溶液への吸収をより完全に、早くするために上部よりシャワーで落とす機構を設けた。但し図2に示すようにシャワーは処理部全体ではなく、隔壁を設けて反応部分からのシリコンを含有するガス部分を隔離し、そこでの温度低下を防ぐよう、又水蒸気によるガス圧の上昇を防いで、装置内のガス圧力分布に変化が起こらないようにした。なおここで使用した装置材質は反応部分は上記スクエアミキサーを除いては実施例1と同じく石英ガラス製であり、接続も実施例1と同じくフランジによった。
装置温度は亜鉛ガス生成部:1050℃(但し蒸発部外側部)であり、亜鉛ガス温度調整部は1200℃とした、更に四塩化ケイ素供給機構の亜鉛ガス通過部の温度も1200℃とし、反応ガス生成機構のスクエアミキサーを含むガス乱流化手段部は1050℃、垂直管部は600℃とした。又垂直部ムライト管部分は450℃として排ガス処理部分のシャワー効果による温度低下による反応ガスの固化・閉塞の可能性を排除するようにした。
亜鉛の供給は亜鉛融体によっている。つまり実施例1の亜鉛供給部分に外径20mmの斜め管をとりつけその先端にトラップ付きの亜鉛溶解部を取りつけた。ここでの亜鉛供給は液トラップを通して亜鉛溶解部からのオーバーフローによって供給されるようになっている。亜鉛溶解部の温度は600℃に保持しており、そこに実施例1と同じ亜鉛ワイヤー供給装置から15mm/秒の早さで亜鉛ワイヤーを供給して溶解し、それを重力法によって亜鉛ガス生成部に送るようにした。また四塩化ケイ素の供給は0.4g/秒であった。運転は亜鉛の供給を20秒先行して開始し、その後四塩化ケイ素を供給するようにした。四塩化ケイ素を30分間供給し続け反応を行った。なお四塩化ケイ素供給の停止と同時に亜鉛の供給を停止した。また四塩化ケイ素・亜鉛の供給を停止してから30分間そのままの温度で保持した後に温度を下げた。これによってシリコンはシリコン保持部から106g得られた。これは理論量に対して89.2%であった。なおここでは亜鉛供給量が四塩化ケイ素に対して約9%過剰であった。なお実施例1と同じく未反応四塩化ケイ素によると思われる白色の沈殿がわずかに見られた。但し容易に分離出来た。つまり、目開き200ミクロンの濾紙で白色のシリカ部分を濾過分離し、又残りの褐色のシリコンは目開き3μm濾過器により容易に濾過分離する事が出来た。
対比として垂直管部の温度を反応管部と同じ1050℃とした以外、上記とおなじ条件でシリコン製造を行ったところ、塩化亜鉛水溶液中にシリコンが生成したが、褐色の粒子はほとんど沈殿せず、目開き1μmの濾紙で吸引濾過をしたとこ部分的に濾紙を通ってしまい、またすぐ目詰まりを起こした。シリコンは生成しているが十分に粒成長、或いは凝集を起こしていない事が分かった。
図3に示す配置を有する反応装置を作成した。つまり亜鉛ガス供給機構、四塩化ケイ素供給機構は実施例1と同じ大きさである。但し実施例1で直角に落下する外径40mm、高さ800mmの垂直管に換えて、外径40mmで長さ1000mm、傾斜角を水平に対して45度とし材質はSiC焼結体とした傾斜管を使用した。この傾斜管の下側は内径45mmで垂直にシリコンの沈殿回収機構に落とすように45度の角度を有するSiC製のL形管を介して接続した。又反応ガス生成機構の長さは700mmとして中に実施例2と同じではあるが数を5台として長さを増したスクエアミキサーを入れた。ここでシリコンの沈殿回収機構内の回収液である塩化亜鉛水溶液は濃度20質量%として、底部に循環した。なお循環液は外部の目開き0.5mmのフィルターを通って目開き2ミクロンの不織布から成る連続フィルターを通して液の再循環を行うようにした。
運転条件として亜鉛は2mmφ亜鉛を亜鉛ガス生成部に直接送るようにし、その供給速度は20mm/秒とした。四塩化ケイ素の供給は0.53g/秒(32g/分)としてチューブポンプで行った。運転温度は亜鉛ガス生成部1300℃とした。ここでは実質的には沸騰温度の亜鉛ガスとなるが、十分な量の亜鉛ガスを発生させるためにまた瞬間的に亜鉛ガスとするためにこの温度とした。亜鉛ガス温度調整部は1200℃とした、更に四塩化ケイ素供給機構の亜鉛ガス通過部の温度は1150℃とし、邪魔板を有する反応ガス生成機構は、1100℃、傾斜管部分は800℃とした。又排ガス処理部分への接続管温度は350℃とした。
この条件で1時間の運転を行った。四塩化ケイ素の全供給量は1900gで有り、亜鉛が1650gであった。計算値より亜鉛が12%ほど過剰であった。生成したシリコンは目開き2−3μmの濾布でほぼ完全に濾別できた。また、採取したシリコン量は268gほどであり、計算値の85%程度であった。亜鉛過剰でも四塩化ケイ素に未反応部分がある程度生じることが見られた。
ソーラセル用としてはもちろんであるが、特にリチウムイオン電池負極用や高純度窒化ケイ素原料としての微粉末高純度シリコンを、現在のシリコン製造に必要とする電力の数分の一で、しかも従来報告されたことのない微粉末の状態で製造する製造装置であり、今後のエネルギー問題、COによる地球温暖化問題などを解消できる重要な切り札となる技術である。特に現行のリチウムイオン二次電池の特性を大幅に向上できる可能性を有するので今後大きく拡大すると考えられるハイブリッド、並びに電気自動車用二次電池原料製造用として極めて広く使用される。
本発明の製造装置の概念図である。 本発明の製造装置の概念図であり、図1の反応管内の邪魔板をスクエアミキサーにすると共に、反応ガスと塩化亜鉛水溶液の接触を該塩化亜鉛水溶液をシャワー状に降らせるようにしたものである。 本発明の製造装置の概念図であり、図1,図2の垂直管部を傾斜管とするとともに、参考として電解による塩化亜鉛を亜鉛と塩素に戻して連続運転する手段を併せて示したものである。
0 亜鉛供給機構
01 アルゴンガス供給口
02 亜鉛溶解部
1 亜鉛ガス供給機構
10 亜鉛ガス生成部
11 亜鉛ガス温度調整部
2 四塩化ケイ素供給機構
21 四塩化ケイ素供給管
22 亜鉛ガス通過部
3 反応ガス生成機構
30 ガス乱流化手段(邪魔板)
31 ガス乱流化手段(スクエアミキサー)
4 シリコン粒を成長させ・調整する機構(垂直管)
40 シリコン粒を成長させ・調整する機構(傾斜管)
5 沈殿回収機構
50 排ガス管
51 塩化亜鉛水溶液
52 塩化亜鉛水溶液シャワー用ポンプ
6 接触液処理機構
61 濾過器
62 塩化亜鉛水溶液循環ポンプ
63 塩化亜鉛水溶液調整部
64 塩化亜鉛水溶液保持部
65 塩化亜鉛分解用電解槽
66 循環ポンプ

Claims (16)

  1. 高純度シリコン微細粒子の製造装置において(1)金属亜鉛を亜鉛の沸点以上で加熱蒸発すると共に生成ガスを加熱して1000℃以上の亜鉛ガスを供給する機構と(2)該亜鉛ガス中に液状の四塩化ケイ素を供給する機構と、(3)前記亜鉛ガスと前記四塩化ケイ素を混合攪拌して反応させシリコン粒子を含む反応ガスを生成する機構と、(4)前記反応ガスの温度を1000℃以下に下げてガス中に生成したシリコン粒を凝集し成長させる機構と(5)前記成長したシリコン粒を反応ガス中に含むガス物質を塩化亜鉛水溶液と接触させ水溶液中にシリコンを沈殿・回収する沈殿回収機構を含んでなることを特徴とする高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  2. 前記金属亜鉛が固体の亜鉛ワイヤーであり、該亜鉛ワイヤーを前記(1)の亜鉛ガスを供給する機構へ定量的に送る手段を有することを特徴とする、請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  3. 前記金属亜鉛が融体亜鉛であり、亜鉛融体を定量的に前記(1)の亜鉛ガスを供給する機構へ送る手段を有する事を特徴とする、請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  4. 前記(1)の亜鉛ガスを供給する機構がSiC(炭化ケイ素)又は石英ガラスの容器から成り該容器にほぼ密着してヒータが設けられた亜鉛ガス生成部を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかの高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  5. 前記(1)の亜鉛ガスの温度が1000℃〜1300℃であり、亜鉛ガス通路に設けた亜鉛ガス温度調整部により調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれかの高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  6. 前記(2)の四塩化ケイ素を供給する機構が、前記亜鉛ガスを供給する機構から供給された亜鉛ガスを流通するようにした亜鉛ガス通過部を有し、該通過部内に液状の四塩化ケイ素を定量的に噴霧ないし滴下する四塩化ケイ素供給管を有することを特徴とする請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  7. 前記(3)の亜鉛ガスと四塩化ケイ素を混合攪拌して反応させシリコン粒子を含む反応ガスを生成する機構が、温度1050℃〜1250℃に保持された管状体であり、該管状体内部に前記亜鉛ガス、四塩化ケイ素ガス並びに反応ガスからなる混合ガスを乱流化する手段を含むことを特徴とする請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  8. 前記混合ガスを乱流化する手段がガス流路中に不等間隔に置かれた邪魔板であることを特徴とする請求項7の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  9. 前記混合ガスを乱流化する手段がガス流路中に置かれたスクエアミキサーであることを特徴とする請求項7の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  10. 前記(4)の生成したシリコン粒を凝集し成長させる機構が垂直管状体であり、加熱手段と冷却手段を有することを特徴とする請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  11. 前記(4)の生成したシリコン粒を凝集し成長させる機構が水平に対して傾斜角90〜30度に傾斜した管状体であり、加熱手段と冷却手段を有することを特徴とする請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  12. 前記(5)の沈殿回収機構において上部に前記シリコン粒を気相中に含む気相物質を投入する手段を有し、底部に塩化亜鉛水溶液を循環する手段を有する事を特徴とする請求項1の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  13. 前記(5)の沈殿回収機構において循環してなる塩化亜鉛水溶液を気相物質を投入する手段から隔離するようにしてシャワー状に降らせるようにしたことを特徴とする請求項1又は12の高純度シリコン微細粒子の製造装置。
  14. 前記塩化亜鉛水溶液を循環する手段が系外に接続されたシリコン回収手段並びに塩化亜鉛水溶液調整手段を含む、連続的にシリコン微細粒子を分離・回収しながら、液循環を行うようにしたことを特徴とする請求項1のシリコン微細粒子の製造装置。
  15. 前記塩化亜鉛水溶液の濃度が5〜30モル%であることを特徴とする請求項1、13または14のいずれかのシリコン微細粒子の製造装置。
  16. シリコン微細粒子の見かけ粒径が1から100ミクロンであることを特徴とする請求項1〜15のいずれかのシリコン微細粒子の製造装置。
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