JP2015040150A - 略球状シリコン粉の製造方法および略球状シリコン粉 - Google Patents

略球状シリコン粉の製造方法および略球状シリコン粉 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、亜鉛還元法によるシリコンの製造方法において、再現性よく、略球状に制御されたシリコン粉を製造することを目的とする。【解決手段】本発明の略球状シリコン粉の製造方法は、亜鉛ガスと四塩化珪素ガスとを、酸素源ガスの存在下で反応させてシリコンを製造する工程を含み、前記酸素源ガスが、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2?10-5〜2?10-3モルとなる量で供給されることを特徴とする。【選択図】なし

Description

本発明は、亜鉛還元法により略球状シリコン粉を製造する方法に関する。
高純度多結晶シリコンの製造方法としてシーメンス法および亜鉛還元法が知られている。
シーメンス法は、三塩化珪素を水素で還元する水素還元法であるため、水素に関連する設備を必要とするとともに、工程数が多く、反応速度も遅い。また、反応で副次的に生成する四塩化珪素の処理も必要なため、コストが高くなることは避けられない。
一方、亜鉛還元法は、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元して高純度多結晶シリコンを製造する方法である。亜鉛還元法は、シーメンス法に比べて反応速度が格段に速い上に、副次的に生成する塩化亜鉛から亜鉛と塩素を回収し、工程内でリサイクルして再利用することができるので、生産効率が高く、製造コストを大幅に引き下げることが可能である。そのため、シリコンの製造方法として亜鉛還元法が注目されている。
亜鉛還元法の一つとして、シリコン塩化物ガス供給ノズルおよび還元剤ガス供給ノズルを備えた縦型の反応器を用いてシリコンを製造する亜鉛還元法が知られている(たとえば特許文献1参照)。前記亜鉛還元法では、針状もしくは樹枝状のシリコンが、シリコン塩化物ガス供給ノズルの先端から下方に向かって互いに付着、凝集および集合して管状の集合体を形成する。前記方法では、生成したシリコンは、反応器の温度を下げて管状集合シリコンの温度を冷却した後、管状集合シリコンをノズルから切り離すことにより回収されるため、シリコンの製造をバッチ式で行わざるを得なかった。そのため、連続的なシリコンの製造ができないことにより時間を要する上に、反応器の温度の上げ下げにエネルギーを多く必要とした。また、用途によっては、一次粒子が球状に制御されたシリコンが要求されることがあるが、前記方法で得られた管状集合シリコンの一次粒子は、針状もしくは樹枝状であり、球状に制御することができなかった。
球状のシリコン粉を得る方法として、流動層式反応炉を用いて亜鉛還元法によりシリコンを製造する方法が提案されている(たとえば特許文献2参照)。前記製造方法によれば、直径が数十〜数百μmの比較的均一な球状のシリコンが得られる。しかしながら、流動層式反応炉を用いる方法は、流動層を形成するため反応炉の構造が複雑となり、また生成物が反応炉の多数の孔に詰まりやすいため反応炉の運転制御に厳密な管理が要求される。したがって、この方法は未だ実用化には至っていない。
また、別の方法として、粒径が1〜50μmのイガグリ状又は花弁状のシリコン粒子を製造する方法が提案されている(たとえば特許文献3参照)。この製造方法は、ハロゲン化珪素と亜鉛蒸気を反応させる亜鉛還元法において、反応炉内に石英板を設置することにより、反応炉内の場所に依存して形状が異なって生成するシリコンを、石英板上で球状に制御して生成している。このようにして石英板上に得られたシリコンを回収し、酸でエッチングすることにより、粒子の内側から放射状に伸びた多数の突起を有するイガグリ状または花弁状の形状を有するシリコン粒子を得ている。この製造方法においても、シリコンを回収するために石英板を反応炉の外へ取り出す必要があることから、連続的な製造はできないと考えられ、エネルギーおよび時間を多く必要とする問題点は改善されていない。また、イガグリ状または花弁状の形状を得るためには、エッチングの操作を必要とする。さらに、特許文献3および同じ発明者らの論文(非特許文献1)によれば、亜鉛還元反応器内の場所に依存して、針状、球状およびナノワイヤ状など種々の形状のシリコンが生成するため、シリコンを特定の形状に制御するためには反応条件の制御が難しく、再現性に難がある。
特開2007−145663号公報 国際公開2008/153181号 特開2012−116729号公報
Kinetic Study on gas phase zinc reduction of silicon tetrachloride , N.Uesawa,et.al. Chemical Engineering Journal 168(2011)889-895
本発明は、亜鉛還元法によるシリコンの製造方法において、再現性よく、略球状に制御されたシリコン粉を製造することを目的とする。そして、連続式として実施することも可能であるシリコンの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、略球状シリコン粉を再現性よく得る製造方法を検討した結果、略球状シリコン粉を得るためには、四塩化珪素ガスおよび亜鉛ガスを特定量の酸素源ガスの存在下反応させることが効果的であることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、たとえば以下の[1]〜[19]である。
[1]亜鉛ガスと四塩化珪素ガスとを、酸素源ガスの存在下で反応させてシリコンを製造する工程を含み、前記酸素源ガスが、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルとなる量で供給されることを特徴とする略球状シリコン粉の製造方法。
[2]亜鉛ガスと、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルの酸素源ガスとを混合して混合ガスを得る工程(2)、および
前記工程(2)で得られた混合ガスと四塩化珪素ガスとを接触させ、前記混合ガス中の亜鉛ガスと前記四塩化珪素ガスとを反応させてシリコンを製造する工程(3)
を含むことを特徴とする、[1]に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[3]前記工程(3)で製造されたシリコンと、前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を含む排ガスとの混合物を反応系の外に排出した後、前記混合物から前記排ガスを分離して前記シリコンを回収する工程(4)をさらに含むことを特徴とする、[1]または[2]に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[4]前記工程(4)で分離された排ガス中の塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(5)をさらに含み、
前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)で用いられる亜鉛の少なくとも一部として使用し、かつ前記工程(5)で分離回収された塩素ガスを、前記工程(3)で用いられる四塩化珪素ガスを製造するための塩化剤の少なくとも一部として使用することを特徴とする[3]に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[5]前記混合ガスが、ミスト状亜鉛含有ガスであることを特徴とする[2]〜[4]のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[6]亜鉛を蒸発させて亜鉛ガスを製造する工程(1)、
前記工程(1)で得られた亜鉛ガスと、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルの酸素源ガスとを混合して混合ガスを得る工程(2)、
前記工程(2)で得られた混合ガスと四塩化珪素ガスとを接触させ、前記混合ガス中の亜鉛ガスと前記四塩化珪素ガスとを反応させてシリコンを製造する工程(3)、
前記工程(3)で製造されたシリコンと、前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を含む排ガスとの混合物を反応系の外に排出した後、前記混合物から前記排ガスを分離して前記シリコンを回収する工程(4)、および
前記工程(4)で分離された排ガス中の塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(5)を含み、
前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)で用いられる亜鉛の少なくとも一部として使用し、かつ前記工程(5)で分離回収された塩素ガスを、前記工程(3)で用いられる四塩化珪素ガスを製造するための塩化剤の少なくとも一部として使用することを特徴とする略球状シリコン粉の製造方法。
[7]連続式で行うことを特徴とする[1]〜[6]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[8]前記反応が縦型反応器を用いて行われることを特徴とする[1]〜[7]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[9]前記酸素源ガスが、酸素ガスおよび水蒸気からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする[1]〜[8]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[10]前記略球状シリコン粉の一次粒子の平均粒子径が1〜100μmであることを特徴とする[1]〜[9]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[11]前記略球状シリコン粉の一次粒子の中心部が空洞であることを特徴とする[1]〜[10]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[12]前記略球状シリコン粉の一次粒子が、その中心部から放射状に伸びた針状結晶の集合体であり、多孔性であることを特徴とする[1]〜[11]のいずれかに記載の略球状シリコン粉の製造方法。
[13]一次粒子の中心部が空洞であることを特徴とする、[1]〜[12]のいずれか1項に記載の製造方法により製造される略球状シリコン粉。
[14]一次粒子が多孔性であることを特徴とする[13]に記載の略球状シリコン粉。
[15]一次粒子が、その中心部から放射状に伸びた針状結晶の集合体であることを特徴とする[13]または[14]に記載の略球状シリコン粉。
[16]一次粒子の平均粒子径が1〜100μmであることを特徴とする[13]〜[15]のいずれかに記載の略球状シリコン粉。
[17]前記空洞の最大直径が、一次粒子の最大直径の10〜40%であることを特徴とする[13]〜[16]のいずれかに記載の略球状シリコン粉。
[18][13]〜[17]のいずれかに記載の略球状シリコン粉を用いたことを特徴とするリチウム電池の負極。
[19][13]〜[17]のいずれかに記載の略球状シリコン粉を用いたことを特徴とする太陽電池。
本発明によれば、微細な粉体状のシリコンを、反応器のノズル上に集合体を形成することなく製造することができるため、排ガスとともに反応器から排出させて回収することができる。したがって、シリコン回収のために反応器の温度を下げる必要がなく、反応が中止されないため、連続式でシリコンの製造をすることができる。その結果、シリコン製造に要する時間およびエネルギーを、従来の亜鉛還元法を用いた製造方法よりも低減することができる。
そして、本発明によれば、得られるシリコン結晶の形状を再現性よく略球状に制御することができる。
図1は、本発明で用いられるシリコン製造装置の一例の模式図である。 図2は、本発明の製造方法で得られたシリコンを示す写真である。 図3は、本発明の製造方法で得られたシリコンを示す写真である。 図4は、本発明の製造方法で得られたシリコンの断面を示す写真である。
本発明の略球状シリコン粉の製造方法は、亜鉛ガスと四塩化珪素ガスとを、酸素源ガスの存在下で反応させてシリコンを製造する工程を含み、前記酸素源ガスが、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルとなる量で供給されることを特徴とする。本発明の略球状シリコン粉の製造方法は、亜鉛還元法に分類されるものである。
本発明の略球状シリコン粉の製造方法は、亜鉛ガスと、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルの酸素源ガスとを混合して混合ガスを得る工程(2)、および前記工程(2)で得られた混合ガスと四塩化珪素ガスとを接触させ、前記混合ガス中の亜鉛ガスと前記四塩化珪素ガスとを反応させてシリコンを製造する工程(3)を含むことが好ましい。さらに、前記工程(3)で製造されたシリコンと塩化亜鉛を含む排ガスとの混合物を反応系の外に排出した後、前記混合物から前記排ガスを分離してシリコンを回収する工程(4)を含むことが好ましい。さらに、前記工程(4)で分離された排ガス中の塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(5)を含みことが好ましい。そして、前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)で用いられる亜鉛の少なくとも一部として使用し、かつ前記工程(5)で分離回収された塩素ガスを、前記工程(3)で用いられる四塩化珪素ガスを製造するための塩化剤の少なくとも一部として使用することが好ましい。さらに、亜鉛ガスは、亜鉛を蒸発させて亜鉛ガスを製造する工程(1)により得られたものを使用することが好ましい。以下、図1を用いて本発明にかかる略球状シリコン粉の製造方法の好ましい態様について詳細に説明する。
<工程(1)>
本発明は、亜鉛蒸発器4において、溶融亜鉛を蒸発させて亜鉛ガスを製造することが好ましい。亜鉛の蒸発は、不活性ガスの存在下、溶融亜鉛の液温を亜鉛の沸騰する温度付近である907〜1200℃に加熱することにより行う。上記温度範囲では、亜鉛の融点は907℃であることから、亜鉛蒸気が発生する。亜鉛の加熱手段として、容器外部に設置された高周波電源を用いると効率的である。このように亜鉛ガスを製造する工程を含むと、亜鉛還元法において、シリコン製造後、液体または固体として回収された亜鉛を再利用することができるため好ましい。
<工程(2)>
亜鉛蒸発器4と還元反応器1とをつなぐ配管の一部に、酸素源ガスの導入口が設けられている。この導入口から酸素源ガスを導入し、工程(1)で製造された亜鉛ガスに混合して混合ガスを得る。
酸素源ガスとしては、酸素ガスおよび水蒸気が挙げられる。これらは1種単独で用いても、組み合わせて用いてもよい。
このとき、酸素源ガスは、還元反応器に供給する亜鉛ガス1モルに対して、酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モル、好ましくは3×10-5〜2×10-3モル、より好ましくは3.5×10-5〜1×10-3モルとなる量で導入する。酸素源ガスの量が前記範囲あると、針状シリコンの生成に優先して略球状シリコン粉が生成され、またシリカが生成することもない。ここで、酸素原子換算の酸素源ガスの量とは、酸素源ガスを構成する酸素含有化合物1分子中に含まれる酸素原子の数を酸素源ガスのモル数に乗じた量である。たとえば酸素源として酸素を1モル導入した場合、酸素1分子には酸素原子が2個存在するから、酸素原子換算の量にすると、2モル導入したことになる。
亜鉛ガスに酸素源ガスを導入する際、酸素源ガスの流速は30mm/s〜7000mm/sであることが好ましく、60mm/s〜5000mm/sであることがより好ましく、150mm/s〜3500mm/sであることがさらに好ましい。
ここで、酸素源ガスは、温度が低いと、酸素源ガス配管が亜鉛の液化により詰まるため、予熱した上で導入するのが望ましい。酸素源ガスの亜鉛ガスへの導入時の温度は、910〜1100℃であることが好ましく、950〜1050℃であることがより好ましく、970〜1020℃であることがさらに好ましい。
なお、酸素源ガスは、濃度の調節を容易とするために、窒素ガスおよびアルゴンガス等の不活性ガスを用いて、好ましくは10〜200倍、より好ましくは20〜150倍、さらに好ましくは30〜100倍に希釈して導入してもよい。希釈した場合においても、酸素源ガスの温度は上記範囲にあると好ましい。
<工程(3)>
還元反応器1の上部天板に備えられた亜鉛ガス供給ノズル2から、工程(2)で得られた混合ガスを還元反応器1内に導入する。還元反応器1に導入される際の、混合ガスの温度は、亜鉛供給配管内で亜鉛が液化することを防ぐという操業上の観点および配管に用いられる石英の失透を防ぐ等の装置上の観点から、950〜1100℃が好ましく、950〜1080℃がより好ましく、1000〜1070℃がさらに好ましい。還元反応器1への混合ガスの供給速度は特に限定されないが、四塩化珪素ガスの流れを乱さないようにする観点から、亜鉛ガス供給ノズル2出口の流速が15000mm/s以下であることが好ましく、5000〜12000mm/sであることがより好ましく、5000〜10000mm/sであることがさらに好ましい。
前記還元反応器1への混合ガスの供給と併行して、還元反応器1の上部天板に備えられた四塩化珪素ガス供給ノズル3から、四塩化珪素ガスを還元反応器1に導入する。還元反応器1に導入される際の、四塩化珪素ガスの温度は、還元反応器1内の温度の変動を少なくする観点から、900〜1150℃が好ましく、950〜1150℃がより好ましく、1000〜1150℃がさらに好ましい。四塩化珪素ガスは、四塩化珪素蒸発器5で製造されたものを用いてもよい。還元反応器1への四塩化珪素ガスの供給速度は、ガス流が乱流とならない速度であれば特に限定されないが、シリコンの生成を安定的に持続させる観点から、四塩化珪素ガス供給ノズル3出口の流速が2400mm/s以下であることが好ましく、700〜2000mm/sであることがより好ましく、900〜1600mm/sであることがさらに好ましい。
還元反応器1に供給される四塩化珪素ガスと亜鉛ガスとの供給量の割合は、特に制限はないが、前記反応を効率よく進行させる観点から、モル比で、四塩化珪素ガス:亜鉛ガス=1:1〜1:2が好ましく、1:1.4〜1:1.9がより好ましい。
このように混合ガスと四塩化珪素ガスとを還元反応器内に導入して接触させることにより、混合ガス中の亜鉛ガスおよび四塩化珪素ガスが下記式(I)で表される還元反応(以下「反応(I)」という。)を行い、シリコンが製造される。混合ガスに含まれる酸素源ガスの役割については後述する。
SiCl4 + 2Zn → Si + 2ZnCl2 ・・・・ (I)
ここで、還元反応器1の種類は特に制限されないが、縦型還元反応器であることが好ましい。縦型反応器であると、四塩化珪素ノズル先端周辺で生成した微細な粉体状のシリコンが、混合ガスおよび四塩化珪素ガスの流れの下流に運ばれるため、還元反応器の底部からシリコン粉を連続的に回収することが容易となる。
還元反応器1の温度は、通常850〜1,200℃、好ましくは900〜1,200℃である。反応温度が前記範囲内であれば、反応(I)の効率がよく、反応器の損傷も起こりにくい。また、反応器内の圧力としては、たとえば0〜500kPaGである。
本発明の方法で得られたシリコンは、微細な粉体の状態である。また、前記シリコンの一次粒子の形状は、略球状である。好ましくは中心部に空洞を有する略球状である。より好ましくは多孔性であり、かつ中心部が空洞の略球状である。さらに好ましくは一次粒子の中心部から放射状に伸びた針状結晶が集合し、一部分で針状結晶が欠損しているため、孔が直線的に、すなわち放射状にあいており、それにより多孔性となり、中心部に空洞を有する略球状である。得られたシリコンの一次粒子のほとんど全てが中心部が空洞の略球状シリコンとして得られる。そして得られたシリコン粉の一次粒子の90%以上、好ましくは90〜100%が多孔性であり、かつ中心部が空洞の略球状である。得られたシリコン粉の一次粒子の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは90%以上100%以下が、一次粒子の中心部から放射状に伸びた針状結晶が集合し、多孔性で、かつ中心部が空洞の略球状である。
形状が略球状であるとは、完全な球状以外にも、だ円の形状、表面に凹凸のある球状、および球状の一部に平面を有する形状等の球状に近い形状を含む。一次粒子の中心部が空洞であるとは、一次粒子の中心部に略球状の空間が存在することをいい、実施例に記載の方法で測定した空洞の最大直径は、一次粒子の最大直径の好ましくは10〜40%、より好ましくは10〜35%、さらに好ましくは10〜30%の大きさである。
また、前記シリコンの一次粒子の実施例に記載の方法で測定した平均粒子径は、好ましくは1〜100μmであり、より好ましくは3〜30μm、さらに好ましくは5〜20μmである。得られたシリコン粉の一次粒子の50%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは90%以上、さらに好ましくは90%以上100%以下は、平均粒子径が好ましくは3〜30μmである。
以上のとおり、本発明によれば、針状または樹脂状のシリコン成長が抑制され、優先的に略球状シリコン粉が形成される。
<工程(4)>
本発明は、工程(3)で得られた、前記反応(I)の生成物であるシリコンと、前記反応(I)の副生成物である塩化亜鉛ならびに未反応の亜鉛および四塩化珪素を含む排ガスとの混合物が、前記還元反応器1の下部側面または底面に設けられた排ガス出口6から還元反応器1の外へ排出されることが好ましい。このようにシリコンが排ガスとともに還元反応器1から排出されるのは、シリコンが微細な粉体状であり、かつ従来のように反応器1の四塩化珪素ガス供給ノズル3に付着して集合体を形成しないからである。
さらに、このように排出された前記混合物を、排ガス出口と連結されているサイクロン等のガス分離機7で、シリコンと排ガスとに分離することが好ましい。このように分離したシリコンを、ガス分離機7の底部から連続的または回分的に抜き出して回収することが好ましい。
前記混合物の還元反応器1からの排出は、前記還元反応が行われている間も行うことができる。したがって、本発明によれば、シリコンを回収するために、反応器1の温度を下げて反応を中止する必要がなく、シリコンの製造を連続式で行うことができる。また、製造されたシリコンをこのように還元反応器1内に溜めないことで、または亜鉛ガスおよび四塩化珪素ガスの還元反応器への導入開始から30分以内、好ましくは15分以内で、より好ましくは10分以内で排出することで、製造された粉体状のシリコンが一体化したり、一体化したのちにさらに成長するといった事態を避けることができ、シリコンの形状をより好適に制御することができる。
<工程(5)>
本発明は、工程(4)において、前記混合物からシリコンを分離して除いた排ガスから再利用可能な成分を回収することが好ましい。
具体的には、排ガスは、ガス分離機7でシリコンを分離した後、塩化亜鉛の沸点以下、好ましくは500℃以下、より好ましくは450℃以下の温度に冷却され、排ガス中の塩化亜鉛が凝縮または固化して液体または固体状態で回収される。回収された塩化亜鉛は溶融塩電解により亜鉛と塩素ガスに分離回収される。
<その他の工程>
回収された成分は、亜鉛還元法の原料として再利用されることが好ましい。
具体的には、回収された亜鉛は、亜鉛還元法の還元剤の少なくとも一部として再利用される。また、回収された塩素ガスは、金属シリコンと反応させることにより四塩化珪素を製造するための塩化剤の少なくとも一部として再利用される。塩化剤を用いて製造された四塩化珪素は、蒸留精製して高純度化した後、亜鉛還元法の原料の少なくとも一部とする。
排ガス中に含まれていた未反応の亜鉛は粉体または液体亜鉛として回収され、亜鉛還元法の還元剤の少なくとも一部として再利用される。未反応の四塩化珪素は、本工程(3)に供給される四塩化珪素ガスの一部として再利用される。これら未反応成分の分離方法としては、排気ガスを冷却し未反応成分を凝縮させ分離させる方法、未反応成分を選択的に吸着分離させる方法および膜分離方法が挙げられ、これらは単独でまたは組み合わせて用いられる。
このように亜鉛還元法では、未反応成分および副生された塩化亜鉛から分離した亜鉛および塩素を再利用することにより、プロセスをクローズド化できるので、生産性を高めることができ、大幅なコスト削減が可能である。
本発明において、針状もしくは樹枝状のシリコン成長が抑制され、優先的に略球状シリコン粉が形成される機構は明らかではないが、以下のように推測される。従来の針状シリコンに関する本発明者らの研究によれば、針状シリコンのなかで初期成長段階にあるものは、針の先端に亜鉛が付着していることが観察され、針は数分で数10mmに成長することが判明した。この観察結果から、この成長過程は、VLSモード(Vapor-Liquid-Solid Mode)による成長の特徴と同様であることがわかり、本発明者らは針状シリコンがVLSモードで成長すると推察した。
VLSモードは、半導体ナノワイヤの結晶成長を説明するために使われる成長メカニズム(The Vapor-Liquid-Solid Mechanism of Crystal Growth and Its Application to silicon, R.S.Wagner and W.C.Ellis, Transaction of the Metallurgical Society of AIME,Vol.233,June, 1965,1053-1064参照)であり、以下にシリコンナノワイヤを例にしてVLSモードのメカニズムを簡単に説明する。
シリコン基板の上に金(Au)などの金属の微粒子を置き、原料シリコンガスを供給すると、金を触媒としてシリコンナノワイヤが成長する。そのメカニズムは次の通りである。基板表面に置かれたナノサイズの金属粒子は、原料シリコンガスの供給により、シリコンと合金を形成して溶融状態になる。さらに原料シリコンガスが供給されると、合金中のシリコンは過飽和状態となって析出し、基板との間にシリコンが核として形成される。さらに原料シリコンガスの供給が続くと、前記状態が繰り返され、シリコンが連続的に析出してナノワイヤが成長する。
本発明の場合は、前記金(Au)の代わりにミスト状亜鉛が触媒粒子として作用すると考えられる。工程(2)で得られる亜鉛ガスおよび酸素源ガスの混合ガス中には、ミスト状の亜鉛が含まれている。本発明では混合ガス中の酸素源ガスにおける酸素原子が、混合ガス中のミスト状の亜鉛の液滴表面を酸化することにより、VLSモードによるシリコンの針状成長を阻害するものと推察される。
具体的には、本発明では、亜鉛蒸発器から還元反応器に至る経路において亜鉛ガスに混合した酸素源ガスは、亜鉛ガスが還元反応器に導入される前に、混合ガス中のミスト状亜鉛の表面を酸化しているものと考えられる。ここで、ミスト状亜鉛は、略球状で最大直径が1〜10μm程度の液滴である。表面が酸化されたミスト状亜鉛が還元反応器における反応系内に供給されると、その略球状のミスト状亜鉛がシリコン成長の生成核となることによりVLSモードによる針状シリコンの成長が抑えられ、略球状のシリコンの一次粒子が生成されると考えられる。そして、核となったミスト状亜鉛は還元反応に使われることにより消失する、または略球状シリコン生成後蒸発して消失すると考えられる。なぜなら、略球状のシリコンの一次粒子の中心部は空洞であり、この空洞は略球状シリコン生成後に成長の基となった核が消失した痕跡と考えられるからである。
また、従来、還元反応器に導入された亜鉛ガスは四塩化珪素ガス供給ノズルに付着しやすかったが、ミスト状亜鉛は表面が酸素原子で酸化されているために、該ノズルに付着しにくくなっていると考えられる。その結果、ミスト状亜鉛を生成核として成長するシリコンは、従来のように四塩化珪素ガス供給ノズルに付着することがなく、集合体も形成しなくなったものと考えられる。従って、本発明は、流動層のような特別な反応器を用いなくても、シリコンを微細粉体の状態で回収することができるものと考えられる。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
以下の実施例および比較例では、図1に模式的に示すような縦型亜鉛還元反応器を用いた。還元反応器は、内径900mm、高さ4000mmの石英製円筒容器であり、その外側に加熱器(図示せず)を配して反応器を加熱する構造となっている。反応器の上部天板には内径128mmの亜鉛ガス供給ノズル1本が設置されるとともに、その周囲に内径36mmの四塩化珪素ガス供給ノズル30本が均等間隔になるように設置されている。還元反応器は、反応器外部にある亜鉛蒸発器と配管により結合されており、該配管には酸素源ガス導入口が設けられている。還元反応器の側面の下部には、内径400mmの排ガス出口が設置されている。還元反応器の外には、排ガス出口と配管により結合されているサイクロンが備えられている。
シリコンの平均粒子径は、SEM(日立ハイテク社製走査型電子顕微鏡(S3400))を使用し、1枚あたり50〜200個の粒子が撮影されるように倍率を調整し(1000倍)で、試料観察像について無作為に3枚撮影し、1枚あたり100個(全撮影で300個)の粒子の最大直径を測定し、測定したすべての粒子(300個)の最大直径の平均を平均粒子径とした。
空洞の直径は、SEM(日立ハイテク社製走査型電子顕微鏡(S3400))を使用し、1枚あたり20〜40個の空洞を確認できる粒子が撮影されるように倍率を調整し(1000倍)で、試料観察像について無作為に3枚撮影し、1枚あたり30個(全撮影で90個)の空洞の最大直径を測定し、測定したすべての粒子(90個)の最大直径の平均を平均粒子径とした。
尚、観察する粒子は、乳鉢に入れ、乳棒ですり潰す等の機械的な手段で潰しておくか、SEM装置に付属するミクロノーム(微細なナイフ)により切断することにより得られる。
ミスト状亜鉛の確認は、SEM(日立ハイテク社製走査型電子顕微鏡(S3400))を使用した。
[実施例1]
950℃の縦型亜鉛還元反応器において、四塩化珪素ガス供給ノズルには1100℃に過熱した四塩化珪素ガスを170kg/hの量および1000mm/sの速度で供給した。また、亜鉛蒸発器から1050℃に過熱されて110kg/hの量および1200mm/sの速度で亜鉛蒸発器と還元反応器をつなぐ配管に供給された亜鉛ガスに、酸素源ガス導入口から、還元反応器に供給する亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で4×10-5モルの量であって、窒素ガスで100倍に希釈した酸素ガス(希釈後の温度1000℃)を、500mm/sの速度で導入して、亜鉛ガスと酸素ガスとの混合ガス(1050℃)にした。前記混合ガスを亜鉛ガス供給ノズルから、8000mm/sの速度で、また110kg/hの量で還元反応器内に供給した。還元反応器内の圧力は、0.05kPaGであった。サイクロンは稼働させていた。
還元反応器にガスの供給を開始して7時間経過後、上記反応操作を止めることなく、サイクロンの底部から、堆積しているシリコン粉の一部100gを回収した。
回収されたシリコン粉のほとんどが、図2および図3に示すように一次粒子が略球状のシリコンであった。得られたシリコン粉の90%以上は、一次粒子の平均粒子径が3〜30μmの範囲にあり、80%以上は、一次粒子の平均粒子径が5〜20μmの範囲にある微細粉体であった。シリコン粉の90%以上は、図4に示すように中心部から放射状に針状結晶が成長して集合しており、多孔性で、中心部に一次粒子の最大直径の10〜30%である最大直径を有する略球状の空洞が存在していた。
また、亜鉛蒸発器と還元反応器をつなぐ配管中には、最大直径が1〜10μmの範囲にある略球形のミスト状の亜鉛が、SEMにより観察された。
サイクロンでシリコンを分離した排ガスを500℃に冷却して回収した塩化亜鉛は、溶融塩電解にかけて亜鉛および塩素ガスを回収した。回収された亜鉛は亜鉛ガスの原料として、回収された塩素ガスは四塩化珪素ガス製造のための塩化剤として再利用した。
[実施例2]
酸素ガスの代わりに、酸素源ガス導入口から還元反応器に供給する亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で5×10-5モルの量であって、アルゴンガスで50倍に希釈した水蒸気(希釈後の温度1000℃)を、1000mm/sの速度で導入して、亜鉛ガスと水蒸気との混合ガス(1050℃)として反応器内に導入したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。そして、還元反応器にガスの供給を開始して7時間経過後、上記反応操作を止めることなく、サイクロンの底部から、堆積しているシリコン粉の一部50gを回収した。
回収されたシリコン粉は、実施例1と同様にそのほとんどの一次粒子が略球状のシリコンであった。得られたシリコン粉の90%以上は、一次粒子の平均粒子径が3〜30μmの範囲にあり、80%以上は、一次粒子の平均粒子径が5〜20μmの範囲にある微細粉体であった。シリコン粉の90%以上は、中心部から放射状に針状結晶が成長して集合しており、多孔性で、中心部に一次粒子の最大直径の10〜25%である最大直径を有する略球状の空洞が存在していた。
また、亜鉛蒸発器と還元反応器をつなぐ配管中には、最大直径が1〜10μmの範囲にある略球形のミスト状の亜鉛が、SEMにより観察された。
[比較例1]
酸素源ガス導入口から還元反応器に供給する亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で4×10-6モルの量であって、窒素ガスで100倍希釈した酸素ガス(希釈後の温度1000℃)を導入して、亜鉛ガスとともに還元反応器内に供給したこと以外は実施例1と同様の操作を行った。
還元反応器にガスの供給を開始して7時間経過後、サイクロンの底部にはシリコン粉が堆積していなかったため、還元反応器への四塩化珪素ガスと亜鉛ガスの供給を停止し、反応器の温度を下げ500℃まで冷却した。そして、反応器の下部を開放して、反応器内を観察した結果、四塩化珪素ガス供給ノズル先端にシリコンの管状体が付着していることかわかった。このシリコン管状体をノズルから切り離し反応器から取り出してハンマーで機械的に粉砕した。得られたシリコンの一次粒子は、そのほとんどが針状または樹枝状の形状をしていた。
また、亜鉛蒸発器と還元反応器をつなぐ配管中には、ミスト状の亜鉛が、SEMにより観察されなかった。
本発明で得られた略球状シリコン粉は、従来の針状シリコンと同様に、太陽電池用シリコン単結晶または太陽電池用シリコン多結晶の原料として、適用できるものである。
また、本発明のシリコン粉の一次粒子は、略球状で、好ましくは中心部からサブミクロンの針状シリコンが放射状に形成されて集合した、多孔性で、中心部には空洞が存在する特徴的な形状を有することから、工業的にさまざまな用途が期待される。
たとえば、リチウムイオン電池用の負極材がその応用例として考えられる。シリコンを電池の負極材として使用する場合、シーメンス法で得られる通常のバルクシリコンの破砕物では、充放電を繰り返したときの体積の膨張収縮に耐えきれず、サイクル特性が悪いという問題があった。その解決策として、シリコンナノファイバー等を用いることが提案されているが、ナノファイバーは製造コストが非常に高いため、実用的ではない。それに対して本発明のように粒径の細かい多孔性の略球状シリコン粉は、この膨張収縮応力を緩和するため、リチウムイオン電池用の負極材として好適であると考えられる。
1:還元反応器
2:亜鉛ガス供給ノズル
3:四塩化珪素ガス供給ノズル
4:亜鉛蒸発器
5:四塩化珪素蒸発器
6:排ガス出口
7:ガス分離機
A:亜鉛
B: 酸素源ガス
C:四塩化珪素
D:排ガス
E:略球状シリコン粉

Claims (19)

  1. 亜鉛ガスと四塩化珪素ガスとを、酸素源ガスの存在下で反応させてシリコンを製造する工程を含み、前記酸素源ガスが、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルとなる量で供給されることを特徴とする略球状シリコン粉の製造方法。
  2. 亜鉛ガスと、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルの酸素源ガスとを混合して混合ガスを得る工程(2)、および
    前記工程(2)で得られた混合ガスと四塩化珪素ガスとを接触させ、前記混合ガス中の亜鉛ガスと前記四塩化珪素ガスとを反応させてシリコンを製造する工程(3)
    を含むことを特徴とする、請求項1に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  3. 前記工程(3)で製造されたシリコンと、前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を含む排ガスとの混合物を反応系の外に排出した後、前記混合物から前記排ガスを分離して前記シリコンを回収する工程(4)をさらに含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  4. 前記工程(4)で分離された排ガス中の塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(5)をさらに含み、
    前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)で用いられる亜鉛の少なくとも一部として使用し、かつ前記工程(5)で分離回収された塩素ガスを、前記工程(3)で用いられる四塩化珪素ガスを製造するための塩化剤の少なくとも一部として使用することを特徴とする請求項3に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  5. 前記混合ガスが、ミスト状亜鉛含有ガスであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  6. 亜鉛を蒸発させて亜鉛ガスを製造する工程(1)、
    前記工程(1)で得られた亜鉛ガスと、前記亜鉛ガス1モルに対して酸素原子換算で2×10-5〜2×10-3モルの酸素源ガスとを混合して混合ガスを得る工程(2)、
    前記工程(2)で得られた混合ガスと四塩化珪素ガスとを接触させ、前記混合ガス中の亜鉛ガスと前記四塩化珪素ガスとを反応させてシリコンを製造する工程(3)、
    前記工程(3)で製造されたシリコンと、前記工程(3)で副生された塩化亜鉛を含む排ガスとの混合物を反応系の外に排出した後、前記混合物から前記排ガスを分離して前記シリコンを回収する工程(4)、および
    前記工程(4)で分離された排ガス中の塩化亜鉛から亜鉛と塩素ガスとを分離回収する工程(5)を含み、
    前記工程(5)で分離回収された亜鉛を、前記工程(3)で用いられる亜鉛の少なくとも一部として使用し、かつ前記工程(5)で分離回収された塩素ガスを、前記工程(3)で用いられる四塩化珪素ガスを製造するための塩化剤の少なくとも一部として使用することを特徴とする略球状シリコン粉の製造方法。
  7. 連続式で行うことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  8. 前記反応が縦型反応器を用いて行われることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  9. 前記酸素源ガスが、酸素ガスおよび水蒸気からなる群より選ばれる少なくとも1種であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  10. 前記略球状シリコン粉の一次粒子の平均粒子径が1〜100μmであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  11. 前記略球状シリコン粉の一次粒子の中心部が空洞であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  12. 前記略球状シリコン粉の一次粒子が、その中心部から放射状に伸びた針状結晶の集合体であり、多孔性であることを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉の製造方法。
  13. 一次粒子の中心部が空洞であることを特徴とする、請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法により製造される略球状シリコン粉。
  14. 一次粒子が多孔性であることを特徴とする請求項13に記載の略球状シリコン粉。
  15. 一次粒子が、その中心部から放射状に伸びた針状結晶の集合体であることを特徴とする請求項13または14に記載の略球状シリコン粉。
  16. 一次粒子の平均粒子径が1〜100μmであることを特徴とする請求項13〜15のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉。
  17. 前記空洞の最大直径が、一次粒子の最大直径の10〜40%であることを特徴とする請求項13〜16のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉。
  18. 請求項13〜17のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉を用いたことを特徴とするリチウム電池の負極。
  19. 請求項13〜17のいずれか1項に記載の略球状シリコン粉を用いたことを特徴とする太陽電池。
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