JP6300096B2 - シリコン微細粒子 - Google Patents

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Description

本発明は、主にリチウムイオン二次電池用の負極活物質の主成分として用いられるシリコン材料に関するものである。
携帯用電子機器、カメラなどの電源としてリチウムイオン二次電池が広く使用され、今や二次電池の主体を占めるようになっている。又最近では電気自動車、あるいはハイブリッド自動車など、更に電力バックアップ用としても、完全な固体であること、充放電時にガスなどの発生が無いこと、大容量化が比較的容易なこと、それらに加えて、同じ容量であれば、他の電池システムに比較して遙かに小型・コンパクトであることから、新しい分野は言うに及ばず、従来鉛電池が使用されているような大型、大容量二次電池用などとしても広く使用される様になっている。さらには最近ではバックアップ用として、従来レドックスフローが検討されてきた様な超大型の電力貯蔵用としても注目を集めるようになっている。
このように広い用途を有するリチウムイオン二次電池は、使用条件の変化に応じて、大型化、大容量化と共に、充放電を短時間に行えること、充放電回数の増加が望まれ、そのために正極の改良は言うに及ばず、従来は炭素が主体であった、負極についても、より大きな容量が可能な新たな材料が望まれるようになった。
それらの材料の中でも、シリコンは負極として容易にリチウムと金属間化合物を作ると共に、該金属間化合物からのリチウムの脱離も容易であることから、注目を浴びており、多くの技術が提案されている。ただ理論的にはリチウムを吸蔵することで最大4.8倍まで体積が増加してしまうと言う問題が残されており、それがシリコンの活用のネックになっているとされる。つまり、シリコンを単味で用いると、この体積増加が原因となって、初期容量は大きいが、充放電繰り返しによる容量低下の速度が極めて大きくなるという問題があるとされる。
これに対する対策として以下が提案されている。
特開2004−87996公報ではスズ−シリコン合金を作り、それをアトマイズ法により微細化して用いることが示されている。もちろんこれに種々の金属などを加えることが行われ、又粒子サイズ、結晶子サイズなどの制限を設けている。ただ基本はこの方法では活物質としてシリコン単味ではうまくいかないとしている。なお、各種の手法での微細粉末製造法が示されているが実施例から見るとアトマイズ法が主体であり、その手法では微細粒子と言っても主に球形になってしまい、しかもある程度粒サイズに分布が存在しやすいことを考えると結果として、コンクトで密になりやすいのでは無いかという懸念が残る。又それによって、かえって充放電における体積変動が大きくなるのでは?という問題点を有している。
特開2008−016198公報では、活性物質としてシリコンを含みリチウムイオンを吸蔵できる結晶子の平均粒径が0.01〜1μmでありその表面にリチウム化合物の形成能の低い物質を被覆することが示されている。これによってリチウムイオン吸蔵における体積増大を減らすようにしているが、なおかつ粒子それぞれの表面を被覆するという複雑な作業が必要なこと、又その厚みをある程度大きくとる必要がある(0.5〜2μm)としていることから、時としては被覆の方が大きくなる可能性もあり、単位体積あたりに入れられるシリコン活性物質量が限られるという問題を残している。
特開2009−164104公報では、負極活物質をシリコン又はスズの微粒子としてその微粒子の周囲を安定な酸化物薄膜で覆うことを特徴とすることが示されている。これによって、表面を安定な酸化物で覆うことで、内部の体積膨張を押さえることができるようにすると共に、これらの表層をフィラメント状にすることによって、全体をネットワーク化することが示されている。これによって確かに安定化するかもしれないが、プロセスが極めて複雑になり、又複雑な表面層とそのマトリックスのために入れられるシリコン、リチウム吸蔵量が減るなどの問題が残されている。
特開2011−249173号公報にはシリコン又はスズのいずれかとリチウムと反応しない金属からなり一次粒子の内核部と外周部に空孔を有する負極が示されている。これを通常の作り方ではなく、ここでは単ロール急冷法と言う特殊な方法が開示されている。ただ表面と内核に空孔を設けるとしているが、ここの空孔で、体積膨張を完全に抑えることができるとも思えず、さらに製造が非常に複雑になるという問題を有している。
特開2012−94364号公報にはシリコンないしスズのいずれかと、リチウムと反応しない元素から選ばれた少なくとも1種の元素とからなり、かつ、1次粒子内部の内核部と外周部のいずれにも空孔を設け、かつ、前記空孔内部に導電性材料が導入した負極活物質が示されており、そこでは負極活物質のリチウム吸蔵による体積膨張を内核並びに外周部にある、空孔で補い見かけの体積膨張をなくすと共に、そこの部分でも十分な導電性を保持できるように導電材をこれらに加えている。技術的には可能であっても、複雑になること、おそらくこれを達成するためには単一ロール急冷などの複雑な操作を必要とするという問題点を有している。又空孔の点からシリコンやスズなどの活性物質の量が限定されてしまうという問題点を有する。
特開2004−87996公報 特開2008−016198公報 特開2009−164104公報 特開2011−249173号公報 特開2012−94364号公報
本発明では複雑な操作なしで、主としてリチウムイオン電池用負極活物質として使用できる微細で多孔質、しかもリチウムを吸蔵したときにもそのままで見かけ体積の膨張が最小であり、実質的にほとんど体積膨張が起こらないシリコン微粉末を得ることを課題とした。
本発明は主としてリチウムイオン二次電池用の負極活物質として使用するシリコンであって、粉末エックス線回折による結晶子サイズが1〜200nmであり、レーザー法による平均粒径が0.1〜5μmであり、さらに、BET法による比表面積が10m2/g〜200m2/gである、シリコン微細粒子とその製造方法であり、この様な粒状のシリコンを意外にも容易に複雑な操作なしに得られることを見いだして本発明に至った。
以下詳細に説明する。
本発明におけるシリコン粒子はエックス線回折における結晶子サイズが1〜200nmであり、極めて微細であることを示している。但し、結晶子は、決して粒径を直接意味するものではないが、非常に活性であり、回折線の拡大が起こっていると言うことは、結晶構造自身に程度の差はあれ、ある程度のゆらぎをも意味する様な状態にあるので、リチウムを吸蔵した時に略当方性に拡大する。そのために、もしリチウムの吸蔵によってシリコン体積の拡大が起こったとしても比較的等方的に拡大するために各方向の拡大は最小になる。
さらに、本シリコンはレーザー法による粒径が0.1〜5μmであることから現実の粒子としても微細であり、しかもコロイド状態に近く、粒子同士の相互の反発により、プレスによる成形でも密にはならないという特徴を有する。 このような、シリコンは、TAP密度が1より低くなるのであるが、特にここでは、TAP密度が0.5〜0.05g/cm3が望ましい。これにより、負極として担持できるシリコン重量は若干減ることになるが、その分、十分に リチウムを含浸しても体積の増加を最小減に抑えることが出来るようになる。またこのような状態であっても、炭素負極に比較すると元々の負極としての理論容量が遙かに大きいため、その容量は十分に大きくなる。
ただこのようなシリコンは上述したように、プレス成形が困難になるケースがある。ここでは特には指定されないが、特に圧粉体を作成した場合の密度が1.0〜2.2g/cm3を有する様な状態が特に望ましい。つまり十分に微細でありながら、成形性のよいことが望まれる。
またこのような状態を保持するには、その粒子の形状にある程度の特徴を必要とする。つまり、比表面積が大きいことはこれらによる同じ粒サイズである場合には球状からさらに離れていると言うこと、又表面に凹凸があると言うことを意味している。特に、ここではシリコン微細粒子の形状が、板状、線状、球形体などの他に塊状体が含有することが望ましく、特にその割合は指定されるものではないが、経験上、それらの粒子の組み合わせは、板状体、線状体がそれぞれ20%未満、残部が球状及び/または塊状であることが望ましい。
これらの粒子条件を満足するシリコン粒子であれば特には指定されないが、このような粒子は、次の様な方法により得ることができる。つまり、その一つとしてはシリコンインゴット、あるいは塊状のシリコンを微細なダイアモンド粉末を担持した、ワイヤー径が0.1〜0.2mmの極めて細いワイヤーソーにより切断した時の切断切り粉から得られる。本質的には元のシリコンは単結晶であることが多く、構造的な欠陥がないものであるが、微細なダイアモンドによる切断における切断時の発熱、物理的な力などが働くことによって構造的な欠陥と微細化が合わせて起こり、さらにはこうし揺らぎの原因ともなって、本願発明のような効果が得られると考える。
ワイヤーソーにより切断したシリコンには切断時にワイヤーソーや固定台座に起因する不純物として、炭素や炭素化合物が含まれることがあるが、シリコンのそれ自身の卓越した性能の故か、ある程度の不純物の含有があっても実質的な特性の劣化は見られない。つまりダイアモンドソーから出るダイアモンド微粉や台座に使用するグラファイト質或いはガラス状炭素の微粉が10%程度であれば含まれても特に目立つ性能の劣化は見られない。おそらく元々の炭素とシリコンのリチウムの吸蔵効果に大きな差があるためと考えられる。
また、高温中で四塩化ケイ素(SiCl4)液を亜鉛ガスにより還元することによって得ることのできるシリコン微細粒子は若干球形粒子が多いものの、本願発明のシリコンに適合したものが得られる。但しこのシリコンについては非常に微細である故に、反応時の副生成物である塩化亜鉛や未反応亜鉛を含むこともあるがこれらも上記理由により2%程度であれば特性的にはほとんど影響しないことが見られている。おそらく亜鉛を主とする亜鉛化合物もリチウムの吸蔵効果が優れている事によるものと考えられる。さらにこれらのシリコン微細粒子を適宜混合して使用する事も出来る。
つまりこのような状態のシリコンであれば、リチウムを吸蔵する、つまりこのシリコンとリチウムの間で合金を作った場合にも本質的に起こる体積膨張に対応して周囲に存在するこのような隙間を縮めるように働く様であり、外形的な寸法の拡大を最小限におさえることができる。(たとえばリチウムイオン二次電池用の負極としてこの様なシリコンを用いた負極を作った場合に、リチウムの出入りがあっても、外形的な変化が最小限となるので、構造体の破壊がほとんど起こらず、従って、充放電を繰り返しても見かけ容量の劣化がほとんど起こらないことが認められている。
このようにして得たシリコンはバインダーとしてポリイミド樹脂を使用し、それに若干量の導電材としての炭素粉末を加えてペースト化することによって極めて合目的なリチウムイオン二次電池用の負極を作ることができる。つまり、従来はリチウムの吸蔵によるシリコンの体積増加の故に負極としてシリコンを使う場合も炭素と組み合わせ、炭素量を主体としてしか使用出来なかったものが40%以上通常では50%以上をさらには導電部材としての炭素並びにバインダー以外をすべてシリコンとしても体積増加がほとんど無く、それ故大容量でしかも劣化の非常に少ないシリコン負極を得ることが出来るようになった。
つまり、本願発明のシリコンの結晶子は1〜200nmである。但しこれは粉末エックス線回折計により銅Kα線によって、2θが80°より内側に現れた回折線、(111)、(220)、(311)、(400),(331)の各線についてのラインブロードニングからシェラ‐の式により計算した数値の平均値であり本来の結晶子とは若干異なり温度因子で示される構造的なゆらぎを含むものである。この結晶子径において、200nmより大きいと結晶単位が大きくなる故に又構造的なゆらぎがほとんど無くなるために、リチウムを多量に吸着したときの各方向に対する格子の増大が不均衡になりやすく、リチウムの吸着によって、構造が壊れやすくなるという問題がおこるし、結晶子が1nm以下であればラインブロードニングというより非晶質に近づいてしまい、圧力をかけても十分な密度が得られなくなり、同じ体積での容量が小さくなる可能性があり、又導電性に大きな問題が出てくる。
レーザー‐法による粒サイズの計測は、シリコン微粉末における、一次粒子及び二次粒子の外形サイズを示すものであり、平均粒径で5μm以上では物理的に詰め込んだ場合に、部分的に隙間が大きくなり、均一でコンパクトなパッキングができにくくなるという問題がある。またこれが、一次粒子であればリチウムを吸蔵した時にやはり粒体積が大きく膨張すること、それによる繰り返し充放電に対する容量低下が激しくなる可能性がある。又粒径が0.1μmよりちいさいと安定した粉末にはなりにくく、嵩密度が大きくならず、成形ができにくくなるという問題と共に、体積密度が十分に大きくならないという問題がある。さらに、0.1μm以下では取り扱いそれ自身が困難になるという問題を有する。
なお比表面積が大きいことは上記に示した様に、ある程度粒子の形状に関連しており、球形粒子では、粒サイズに対して比表面積が小さくなること、又そのような状態ではリチウムの吸着などにより体積膨張が起こったときにその増加分がそのままシリコン部の膨張につながってしまう恐れがある。
これに対して、比表面積が大きいことは、たとえば、球状粒子の他に板状やワイヤー状、あるいは塊状など種々の不定形の粒子これは、主として2次粒子よりなると考えられるが、が含まれることになり、シリコン物質のリチウム吸着による体積膨張も比例的に外形が大きくなるのではなく、そのユニット中に押さえられることにより、相対的に外形の膨張が少なくなる。又このような二次粒子がふくれても不定形であるので実質的に存在する隙間をふさぐのみであり、外形的な膨張がさらに起こりにくくなる。このようなことによってシリコンを主体とする活物質を使うリチウムイオン二次電池負極は充放電の繰り返しにも安定に、しかも大容量を保持できるようになる
しかも本発明者等は、この様なシリコンの状態は、意外にも特定条件でシリコンの切断を微細なダイアモンドワイヤー(ダイアモンドをコーティングした切断用のワイヤー)によって行ったときに、その切断粉(スラッジ)が満足することを見いだしたのである。
つまり通常のシリコンの切断ではこのような微細な切断粉は得られないのであるが、ダイアモンドワイヤーによる切断の場合、使用するワイヤー自身の直径が0.1mm〜0.2mmと極めて細く、又これらへの外径10〜20μmのダイアモンド粉末を付着させたものであり、該微細なダイアモンドによってシリコンが切断されるが、これらダイアモンド粉末のエッジ部分あるいは角部分がシリコンに当たって切断されることになる。この時、シリコンは比較的脆性が高いので、ダイアモンドのエッジや角部分と当たってそれと同等のサイズの各種の形状をしたシリコン微粉になると考えられる。
またこのようにして得られたシリコン微粒子は、シリコンの脆性の故か、生成するシリコン粉末については微細部分への力の集中からシリコンの構造自身への影響、これが結果としてシリコンに欠陥を与えエックス線回折におけるラインブロードニング,ひいては見かけ上の結晶子サイズの微細化につながっているものと考えられる。
これによって製造されたシリコン微粉末について目開き10μmの篩いにより湿式で分級し、透過したシリコン粉末を活性物質とし、バインダーとしてポリイミド樹脂と少量の導電補助剤を加えてペーストを作成し、これを銅箔上に被覆し、処理したものをリチウムイオン電池負極としたものは250回以上の充放電サイクルに対して、1000A/kg以上の容量を保持し安定的に運転できることを確認している。
一方、本発明者らの一部が行っている、いわゆる亜鉛還元法によるシリコン製造、つまり四塩化ケイ素をシリコン原料として、亜鉛ガスを還元剤として還元し、シリコンを得る方法であるが、ここで特定の条件、つまり、高温、高濃度亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液体のまま滴下することによって、極めて高濃度の状態でのCVD反応を行わせると共に、生成物を急冷することによって極めて微細なシリコン粒子を得ることができる。このシリコンの場合は一次粒子90%以上がサブミクロンの粒子であり、一部は一次粒子のまま、一部は二次粒子として存在していることが認められている。このシリコンでは若干球形粒子の割合は多いが、篩いによる分級もなしに、そのままで上記条件を満足するシリコンが生成することを見いだしている。
これを、前記と同等の条件でのシリコン負極を作成したところ、やはり初期3000Ah/kg以上の性能を示した後、繰り返し充放電による、特性の低下は若干見られるものの、それでも100回の充放電サイクル後でもなおかつ1500Ah/kg以上の容量を保持していた。
以下に実施例により詳細に説明する。
シリコンウエハーを得るための単結晶シリコンインゴットを直径0.12mmのワイヤー表面にダイアモンド微粉末をニッケルをバインダーとして担持したワイヤーソーにより切断した時の切断スラッジを集めた。なお切断に当たっては冷却用として脱イオン水を用いて行い、油分は使用しなかった。ここで集めた切断スラッジをさらに脱イオン水で洗浄した後、試薬特級のアセトンにて脱イオン水と置き換え、室温で保持してアセトンを揮散させた。さらに、このものを110℃の乾燥器に入れて付着水分、残留アセトンなどを完全に除去、乾燥してシリコンの微粒原料とした。これについて目開き10μmの篩いを用いて、同じくアセトン媒体中にて分級し、10μmアンダー品を集めた。このシリコン微粉末についてレーザー法による粒度分布、(特別な解砕は行っておらず出発シリコンがシリコンインゴットであったことからほぼ二次粒子ではなく、ほぼすべてが一次粒子からなるものと考えられた。)SEMによるシリコン粒子の観察、さらにエックス線回折によるラインブロードニング測定並びに結晶子サイズの推定を行った。なおこのシリコン粉末には炭素が5%程度含まれていた。これは主として切断時に切断用の台がグラファイト質炭素であったこと、この一部が混入したためと考えられた。これらの結果を表1に纏めた。
又この粒子を触媒物質として、触媒物質79%,導電助材として炭素分を3%、さらにバインダーとしてポリイミド樹脂を18%の割合で混練したペーストを作り銅箔表面に塗布し、表面から軽く押さえて平坦化後負極を作成した。これを負極として、電解質としてLiPF6を使用して負極としてのハーフセル特性を求めた。結果を図1に示した。ここに示した様に、実質的にバインダーを除いて、このようなシリコンのみを電極物質とした負極は極めて安定であり初期2500Ah/kgの容量を示し、100回以上の充放電の繰り返しでも1000Ah/kg以上の容量を保持することを確認した。又1000Ah/kgに容量規制をした場合250回の充放電でも全く特性に変化は無かった。
本発明者等が開発した亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液状のまま投入して反応させる高濃度CVD法により作成した亜鉛還元法による微細シリコン粒子を使用して実施例1と同様の試験を行った。このシリコンはレーザー法における平均粒径が1.3μmであった、SEM観察により基本粒子はほぼ1μm以下であり、ほとんどが2次粒子であることがわかった。又エックス線回折により結晶子径を計測したところ、20〜50nmであることがわかった。更に比表面積は100〜200m2/gであり、極め微細であること、又粒子は比較的塊状が多くそれに繊維状、の粒の含まれることがわかった。表2にその特性を纏めた。又図2に粒状を示すSEM像を示した。このものについて実施例1と同じ条件でリチウムイオン二次電池を作成した。このものでは実施例1と同じ条件で同体積の負極を作った場合にシリコンの担持量が10%程度少なくなってしまうことが見られ、その点での改良は必要であるが、初期容量として3500Ah/kgの容量が見られ、その後低下していったが50回の充放電サイクルでも2000Ah/kgの容量を示した。
【表2】
実施例1で使用したシリコンにシリコンインゴットをジェットミルで粉砕したシリコン微粉末の割合を変えて混合した後さらにジェットミルで粉砕混合してシリコン微粉末を得た。このシリコン微粉末について実施例1と同様にして計測した各特性を実施例1と同様にして測定した充放電サイクルの特性と共に、表3に示した。なおここでサンプル番号6から10は対比例である。ここに示す様に、平均粒径5μm以上、又見かけ結晶子サイズが200nm以上では初期容量はともかくとして、充放電サイクルに伴う容量の劣化が激しく、十分な特性の得られないことがわかった。又ここで比表面積の点から見ると10m2/gより小さいと特性的に劣ることが見られた。
本願発明のシリコンはその仕様を厳しく管理する必要があるが、部分的にはシリコン切断粉からそのまま得られること、又亜鉛還元法シリコン合成からも直接得られるものであり、しかもリチウムイオン二次電池用の負極にそのまま使用し、他の金属との合金化なども必要とせずに極めて安定な特性を与えることができる。しかも複雑な操作をしないで得られることから経済的にも極めて有利である。
実施例1で作成したリチウムイオン電池用負極の特性である。 実施例2におけるシリコンのSEMイメージである。

Claims (11)

  1. 主としてリチウムイオン二次電池用の負極活物質として使用するシリコンであって、粉末エックス線回折による結晶子サイズが1〜200nmであり、レーザー法による平均粒径が0.1〜5μmであり、さらに、BET法による比表面積が10〜200m2/gであるシリコン微細粒子。
  2. 前記シリコンのTAP密度が、0.5〜0.05g/cm3であることを特徴とする、請求項1のシリコン微細粒子。
  3. 前記シリコンについて1ton/cm2で圧粉体を作成した時の嵩比重が1.0〜2.2であることを特徴とする請求項1のシリコン微細粒子。
  4. 前記シリコンを構成する粒子が板状、線状、球状の他、塊状を含むことを特徴とする請求項1のシリコン微細粒子。
  5. シリコンを構成する粒子が、板状、線状がそれぞれ20%未満、残部が球状及び/または塊状である事を特徴とする請求項1または4のシリコン微細粒子。
  6. シリコンをワイヤー径が0.1〜0.2mmであり、微細ダイアモンド粉を担持したダイアモンドワイヤーソーにより切断した切断切り粉である主としてリチウムイオン二次電池用の負極活物質として使用するシリコンであって、粉末エックス線回折による結晶子サイズが1〜200nmであり、レーザー法による平均粒径が0.1〜5μmであり、さらに、BET法による比表面積が10〜200m2/gであるシリコン微細粒子の製造方法
  7. 前記シリコンがダイアモンドワイヤーソーにより切断した切断切り粉が切断時の不可避的不純物を含むことを特徴とする請求項6のシリコン微細粒子の製造方法。
  8. 前記不可避的不純物がダイアモンド微粉やグラファイト質あるいはガラス状炭素の微粉であり、その含有量が0〜10%である事を特徴とする請求項のシリコン微細粒子の製造方法
  9. シリコン高温下、液状の四塩化ケイ素とガス状亜鉛を接触させることを特徴とする主としてリチウムイオン二次電池用の負極活物質として使用するシリコンであって、粉末エックス線回折による結晶子サイズが1〜200nmであり、レーザー法による平均粒径が0.1〜5μmであり、さらに、BET法による比表面積が10〜200m2/gであるシリコン微細粒子の製造方法
  10. 前記高温下、液状の四塩化ケイ素とガス状亜鉛を接触させる事を特徴とするシリコンが反応の不可避的不純物として、亜鉛及び/または亜鉛化合物を含む事を特徴とする請求項のシリコン微細粒子の製造方法
  11. 前記亜鉛化合物が塩化亜鉛でありその含有量が0〜2%である事を特徴とする請求項10のシリコン微細粒子の製造方法
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