JP2013187016A - 複合材料、複合材料の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 - Google Patents

複合材料、複合材料の製造方法、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】リチウムイオン二次電池に用いた際に、高容量かつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れる複合材料を提供すること。
【解決手段】Siを主体とする固相Aと、Cr及びTiから選択される少なくとも1種とSiとの金属間化合物からなる固相Bと、を含む粒子が、Niと複合化されてなる複合材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、複合材料、複合材料の製造方法、それを用いたリチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池に関する。
近年、携帯電話及びパソコン等の通信電気・電子機器の主電源として利用されているリチウムイオン二次電池は、起電力が高く、高エネルギー密度である特長を有している。
このリチウムイオン二次電池は、負極材料として金属リチウムを用いた場合、リチウムが卑な金属であるため、高電圧を取り出すことができ、エネルギー密度の高い電池となる。しかしながら、充放電を繰り返すと負極からリチウムがデンドライト状に析出し、絶縁体であるセパレータを貫通し、正極と短絡するようになるため、低い信頼性と充放電のサイクル特性が低下するという課題がある。
このような課題を解消するため、現在では金属リチウムに替わる負極材料として、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素材料を使用した電池が実用化に至っている。通常、負極材料に炭素材料を用いた場合、その充電反応は炭素材料中にリチウムイオンが吸蔵される反応であるため、金属リチウムが析出せず、デンドライトによる内部短絡の問題は解決される。
しかし、これまで用いられてきた炭素材料の中で、黒鉛系炭素材料は放電容量に372mAh/gという理論的な容量限界があることが知られている。一方で、非黒鉛系炭素材料は、放電容量が大きいものの、不可逆容量は大きく、電池設計段階で非常に大きな損失を生むという課題がある。
このような背景の中で、年々、電子・電気機器の更なる高性能化に伴い、リチウムイオン二次電池の高容量化が急務となっている。
そこで、リチウムイオン二次電池の更なる高容量化を図るため、デンドライトによる内部短絡を起こすおそれがなく、且つ炭素材料と比較して理論容量の高い負極材料の研究が活発に行われている。
現在、注目されているのがSiやSnなどの元素を含む合金系負極材料である。SiやSn等の金属元素は、リチウムイオンを電気化学的に吸蔵・放出可能であり、更に炭素材料と比較して非常に大きな容量の充放電が可能である。
例えば、特許文献1では遷移元素からなる非鉄金属の珪化物材料、特許文献2ではSi、Sn等の相と、Si、Sn等を構成元素の一つとする金属間化合物からなる相とを共に含む粒子からなる材料を負極材料とすることが報告されている。
特開平7−240201号公報 特開平11−86853号公報
しかしながら、上記で示した負極材料には、それぞれ以下に示すような課題がある。
特許文献1に示された遷移元素からなる非鉄金属の珪化物負極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、天然黒鉛負極材料と同等のサイクル特性を示している。しかし、その電池容量は最大で12%程度しか増加されておらず、容量の大幅な増加が望まれる。
特許文献2に示された負極材料を用いたリチウムイオン二次電池は、充放電に伴う体積変化の大きいSi、Sn等の相を、MgSi、NiSi等の充放電に伴う体積変化の小さい相で被覆することによって、互いの体積変化を緩和しサイクル特性を改善したものである。しかし、初期の不可逆容量が大きいという課題を有しており、改善の余地がある。
そこで、本発明は、リチウムイオン二次電池に用いた際に、高容量を維持しつつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れる複合材料を提供することを目的とする。
本発明者らの鋭意検討の結果、上記課題の解決には下記複合材料が有効であることを見出し、本発明の完成に至った。本発明は以下のとおりである。
本発明の第一の態様は、Siを主体とする固相Aと、Cr及びTiから選択される少なくとも1種とSiとの金属間化合物からなる固相Bと、を含む粒子が、Niと複合化されてなる複合材料に関する。
前記複合材料において、前記Niの含有比率が、30質量%〜50質量%であることが好ましい。
前記複合材料において、レーザ回折粒度分布計により測定される体積基準のメディアン粒子径が0.1μm〜20μmであり、窒素吸着測定法より求められる比表面積が0.5m/g〜15m/gであり、真密度が4.5〜6.5g/cmであることが好ましい。
前記複合材料において、前記固相AにおけるSiの結晶子サイズは、40nm以下であることが好ましい。
前記複合材料において、前記固相A及び前記固相Bはそれぞれ結晶及び非晶質の少なくとも一方の領域からなり、線源として波長1.5406nmのCuKα線を使用したときの、前記固相Bに由来する2θ=40.5度〜44.5度のX線回折ピーク強度に対する前記固相Aに由来する2θ=27.5度〜30.5度のX線回折ピーク強度比が0.20以下であることが好ましい。
前記複合材料は、リチウムイオン二次電池用電極に用いることが好ましい。
また、本発明の第二の態様は、Cr及びTiから選択される少なくとも1種並びにSiを含む合金と、Niとを、鉄、クロム鋼又はジルコニアからなる球状のメディアを存在させたボールミル中で粉砕造粒することを含む、前記複合材料の製造方法に関する。
本発明の第三の態様は、前記複合材料を含むリチウムイオン二次電池用負極材に関する。
本発明の第四の態様は、集電体と、前記集電体上に設けられた、本発明の第三の態様に係るリチウムイオン二次電池用負極材を含む負極材層と、を含むリチウムイオン二次電池用負極に関する。
また、本発明の第五の態様は、正極と、前記リチウムイオン二次電池用負極と、電解質と、を含むリチウムイオン二次電池に関する。
本発明によれば、リチウムイオン二次電池に用いた際に、高容量を維持しつつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れた複合材料が提供される。
実施例1で作製した複合材料の粉末X線回折によるパターン図である。
本発明において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
また、本発明において、組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
<複合材料>
(粒子)
本発明に係る複合材料は、Siを主体とする固相Aと、Cr及びTiのからなる群より選択された少なくとも1種とSiとの金属間化合物からなる固相Bと、を含む粒子が、Niと複合化されてなる複合材料である。本複合材料は、リチウムイオン電池電極の負極材料として好適に使用されるものである。本複合材料は、所定の固相Aと固相Bとを含む粒子(合金粒子)が、リチウムと反応性の低いNiと複合化されているので、不可逆容量の拡大が抑制され、充放電容量を維持することができ、またSi相の膨張が抑制される。その結果、本複合材料をリチウムイオン二次電池に用いた際に、高容量かつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池を提供できる。
この複合材料において、固相Aは、リチウムの吸蔵・放出を担う相であり、電気化学的にリチウムの反応が可逆的な相である。固相Aは、Siを主体とする相である。固相AがSiの場合、単位質量又は単位体積あたりの放電容量が大きくなる。
更に、固相Aは、ホウ素、リン又は遷移金属元素等の添加元素を含むことが、半導体であるSiの電気伝導性の低さが補われるため好ましい。固相AがSi以外の元素を含む場合、固相A中におけるSiの含有率は、95atm%〜99.99atm%以上であることが好ましく、97atm%〜99.99atm%以上であることがより好ましく、98atm%〜99.99atm%以上であることが更に好ましい。
前記複合材料において、固相Bは、Cr及びTiから選択される少なくとも1種とSiとの金属間化合物を含んで構成される。その金属間化合物は、固相Aの低い電気伝導性を補助する役割及び固相Aの充電時の体積膨張においても、上記粒子の粒子形状を保持させる役割を担う相である。従って、固相Bは高い電気伝導性及び高強度を有した材料で構成されることが好ましく、固相Aとの親和性が高い材料で構成されることがより好ましい。
具体的には前記固相Bは、CrSi及びTiSiから選択される少なくとも1種で表されるシリサイド化合物を含んで構成されることが好ましい。前記固相Bは、CrSi又はTiSiの1種で構成されていても、CrSi及びTiSiの2種を含んで構成されていてもよく、充放電効率及びサイクル特性の向上の観点からCrSi及びTiSiの2種を含んで構成されることが好ましい。
以下、CrSi及びTiSiの2種のシリサイド化合物を含んで構成される固相Bを、(Cr,Ti)Si相と示す場合がある。
また、固相Bは、CrSi及びTiSi以外の、Siとの金属間化合物が混在していてもよい。例えば、MSi及びMSi(M及びMは、Cr及びTi以外の遷移金属元素を表す。)が上記粒子内に存在していてもよい。Cr及びTi以外の遷移金属元素としては、Fe、Ni、Cu、Zr、Hf、V、Nb、Mo、Mn、Co、Mg、W等を例示することができ、例えば、FeSi及びNiSi、等を挙げることができる。
上述の通り、前記固相Aの占める割合が多くなるほど単位質量又は単位体積あたりの放電容量が大きくなる。一方、前記固相Bの占める割合が多くなるほど電気伝導性が高くなり、また体積膨張においても粒子形状が保持されることから、サイクル特性が向上する。これら両者の利点のバランスから、前記固相Aと前記固相Bとの比率(at%)は、90:10〜70:30であることが好ましく、85:15〜75:25であることがより好ましく、85:15〜80:20であることが更に好ましい。
前記固相Aと固相Bとを含む粒子は、Niと複合化されて、複合材料を形成している。ここでいう、複合化とは、固相A及び固相Bを含む粒子中のSiとNiとがSi−Ni結合を形成している状態、あるいは、それぞれ単数又は複数の前記粒子とNiとが一体となって同一の挙動を示す微小粒子若しくはこのような微小粒子の集合体を形成している状態をいう。この状態は、例えば、X線吸収微細構造(XAFS)を解析することによって分析することができる。
Niとしては、例えば通常の結晶(β型)の立方最密充填型、及び六方最密充填型の結晶(α型)が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数種を組み合わせて使用してもよい。性状としては、塊状や粉末状でもよいが、加工性の点で、粉末状が望ましい。
前記Niは、複合材料中30質量%〜50質量%で添加されることが好ましく、40質量%で添加されることが好ましい。Niの配合量が30質量%以上では、サイクル特性が向上する傾向にあり、一方でNiの配合量が50質量%以下では、高容量化される傾向がある。
前記複合材料の平均粒子径は、体積基準のメディアン粒子径(D50%)として0.1μm〜20μmであることが好ましく、0.5μm〜10μmであることがより好ましい。平均粒子径が20μm以下の場合、負極内での複合材料の分布が均一化し、更には、充放電時の膨張及び収縮が均一化することでサイクル特性の低下が抑えられる。また、平均粒子径が0.1μm以上では、負極密度が大きくなりやすく、高容量化しやすい。メディアン粒子径の測定には、レーザ回折粒度分布計などの既知の方法を採用することができる。
複合材料の比表面積は、0.5m/g〜15m/gであることが好ましく、1.0m/g〜14m/gであることがより好ましく、3.0m/g〜13m/gであることが更に好ましい。比表面積が15m/g以下の場合、得られるリチウムイオン二次電池の第一サイクル目の不可逆容量の増加が抑えられる。更には、負極を作製する際に結着材量の増加が抑えられる。比表面積が0.5m/g以上の場合では、電解液との接触面積が増加し、充放電効率が増大する。
比表面積の測定には、BET法(窒素ガス吸着法)などの既知の方法を採用することができる。
また、複合材料の真密度は、前記比表面積との相関関係にあり比表面積が小さくなると真密度が大きくなる傾向にある。その真密度は4.5g/cm〜6.5g/cmであることが好ましく、5.0g/cm〜6.1g/cmであることがより好ましい。真密度の測定には、気相置換法などの既知の方法をとることができる。
次に、複合材料における固相A及び固相Bの結晶状態について説明する。
固相A及び固相Bは、それぞれ結晶及び非晶質の少なくとも一方の領域からなることが好ましい。前記固相A及び前記固相Bがそれぞれ結晶及び非晶質の少なくとも一方の領域からなる負極材料を用いた場合、充放電に伴う体積変化が抑制されて、粒子の割れが抑えられ、結果として、複合材料の集電体からの剥離によってサイクル特性が低下することが抑えられる。
ここで、本発明に係る複合材料における前記固相A及び固相Bの結晶状態は、粉末X線回折装置を用いることによって確認することができる。X線源として波長1.5406nmのCuKα線を用い、2θ=10〜80度の範囲で測定を行う。得られる回折スペクトルにおいて、前記固相A及び前記固相Bの結晶面に帰属されるピークの有無により判断する。それらの相が微細な結晶の領域からなる場合、比較的ブロードな回折ピークが観測される。また、それらの相が非晶質な領域からなる場合、粉末X線回折測定から得られる複合材料の回折スペクトルは、半値幅を認識できない程度のハローパターンが観測され、回折ピーク強度としては低下する。
前記固相Aは、結晶であっても、非晶質であっても、結晶と非晶質の両方を含んでいてもよい。サイクル特性の向上の観点からは、前記固相Aにおいて非晶質の占める割合が多くなっていることが好ましく、具体的には、結晶と非晶質の両方を含んでいる場合、又は非晶質の場合が好ましい。より好ましくは、前記固相Aに由来する2θ=27.5〜30.5度のX線回折ピーク強度が検出されない場合(実質的に結晶が検出されない場合)である。なお、回折ピークが観察されないとは、固相Aに由来するX線回折ピーク近辺におけるベースラインからの変位がノイズレベル以下であることを意味し、具体的にはベースラインから変位がノイズ幅の95%以下であることを意味する。
前記固相Bは、結晶であっても、非晶質であっても、結晶と非晶質の両方を含んでいてもよく、好ましくは、結晶と非晶質の両方を含んでいる場合である。
前記固相Aの結晶領域は、更に微結晶の状態であることが好ましい。具体的には、微結晶の状態とは、固相Aを構成するSiの結晶子サイズが40nm以下であることが好ましく、より好ましくは、25nm以下であり、更に好ましくは、10nm以下である。結晶子サイズが40nm以下の場合には、Siの充放電時の体積変化が抑えられて粒子割れが抑制され、集電体からの剥離によるサイクル特性の低下が抑制される。
固相Aを構成するSiの結晶子サイズは、透過型電子顕微鏡(TEM)により直接観察でき、粉末X線回折分析で得られるピークの半値幅から、Scherrerの式を用いて求めることができる。
なお、得られた回折スペクトルにおいて、Siの結晶面に帰属するピークが複数存在する場合には、回折強度が一番大きいメインピークに対して、Scherrerの式を用いて結晶子サイズを算出すればよい。
前記固相Bの結晶子領域も、微結晶の状態であることが好ましい。固相Bの結晶子領域の長さも、透過型電子顕微鏡(TEM)により直接観察でき、粉末X線回折分析で得られるピークの半値幅から求めることができる。固相Bの結晶子領域の長さは100nm以下であることが好ましく、80nm以下であることが好ましく、70nm以下であることが好ましい。
固相Bに由来する2θ=40.5度〜44.5度のX線回折ピーク強度に対する前記固相Aに由来する2θ=27.5度〜30.5度のX線回折ピーク強度の面積比(XRD強度比)は、0.20以下であることが好ましく、より好ましくは0.18以下である。前記XRD強度比が0.20以下の場合には、固相Bの結晶子領域の長さが抑えられることにより結晶子間の粒界が特定量存在し、充放電時の体積変化に粒子の機械的強度が追従してサイクル特性が向上する傾向にある。
一例として、固相AがSi相からなり、固相Bが(Cr,Ti)Si相から構成される合金粒子を30時間、Niと組み合わせてメカニカルアロイング法により処理した参考の複合材料の回折パターンを図1示す。この図1は、後述する実施例3で作製した複合材料の粉末X線回折である。メカニカルアロイング法については後述する。
図1において、横軸は回折角2θ(度)であり、縦軸は回折強度である。また、図中○は、固相Aの結晶面に帰属されるピークを示し、●は、固相Bの結晶面に帰属されるピークを示す。前記回折角2θの範囲にある固相A及び固相B(点線枠)の回折強度を用いてXRD強度比を算出すると、0.18である。
(導電性向上剤)
前記複合材料は、導電性向上剤を含むことができる。導電性向上剤を含むことにより、これにより、導電性向上剤を添加しなかった場合よりもさらに良好な充放電効率及びサイクル特性が得られる。
前記複合材料に導電性向上剤を添加した本発明の負極材料の粉体抵抗を評価したところ、導電性向上剤を添加しない場合に比べて導電性が向上することが確認できた。つまり、充放電に伴うSi相の膨張・収縮が生じた場合においても、高い導電性を維持することができ、良好な充放電効率およびサイクル特性が得られると推定される。
前記導電性向上剤は、負極材料の導電性を向上させるものであればよく、Siと反応して導電性が向上するもの、或いはそれ自身の導電性の高さに起因して負極材料の導電性が向上するもののいずれであってもよい。
前記導電性向上剤としては、P、B、Sb、Al、Sn、Ge、S、Ca、Mg、Fe、V、Cなどが挙げられ、P及びNiから選択される少なくとも1種の元素であることが好ましい。前記導電性向上剤としてPを用いた場合には、放電容量や充放電効率においてより優れる。
前記導電性向上剤の含有比率は、前記固相Aと前記固相B及び前記Niの総質量に対して、0.1質量%〜20質量%で添加されることが好ましく、0.1質量%〜15質量%で添加されることがより好ましく、0.1質量%〜10質量%で添加されることが更に好ましい。導電性向上剤の含有比率が20質量%以下の場合、導電性向上剤とSi相との金属間化合物相の生成が抑制され、放電容量の低下が抑えられる傾向にあり、一方で、導電性向上剤の含有比率が0.1質量%以上の場合には、導電性の向上効果が効果的に得られる。
(被覆層)
前記複合材料は、種々の特定を付与するために被覆層を有するものであってもよい。このような被覆層としては、低結晶性炭素層及び樹脂層を挙げることができる。
前記低結晶性炭素層とは、黒鉛よりも結晶性が低い炭素で構成された層を意味する。結晶性については、ラマンスペクトル解析から得られるR値が、層形成処理前後で増加する傾向があるため、ラマンスペクトル解析から得られるR値を用いることによって、形成された低結晶性炭素層の確認を便宜的に行うことができる。さらに、前記複合材料表面に低結晶性炭素層が形成された場合でも、形成されている低結晶性炭素層は、核粒子の量と比較して少量であるため、前記複合材料のXRD解析には大きく影響しない。
ラマンスペクトル解析から得られるR値を用いて前記低結晶性炭素層の確認を行うには、波長514.5nmのアルゴンレーザー光を用いたラマンスペクトル分析において、R=I1580/I1350(I1580はラマンスペクトルにおいて、1580〜1620cm−1の範囲のピークP1の強度、I1350は1350〜1370cm−1の範囲のピークP2の強度)で示されるR値によって確認する。波長514.5nmのアルゴンレーザー光を用いて測定されたラマンスペクトル中、1580〜1620cm−1の範囲のピークP1は高結晶性炭素、1350〜1370cm−1の範囲のピークP2は低結晶性炭素に対応する。低結晶性炭素層を被覆層として有することにより、前記複合材料の比表面積を低下させて初回効率を高くすることができる。
低結晶性炭素の炭素源としては、メタン、エタン、プロパン等の脂肪族炭化水素;トルエン、ベンゼン、キシレン、スチレン、ナフタレン、クレゾール、アントラセン等の芳香族炭化水素;シクロヘキサン等の脂環族炭化水素;並びに、これらの誘導体、更には、フェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物;エチレンヘビーエンドピッチ、原油ピッチ、コールタールピッチ、アスファルト分解ピッチ、ポリ塩化ビニル等を熱分解して生成するピッチ、ナフタレン等を超強酸存在下で重合させて作製される合成ピッチ等の熱処理により炭化可能な固体物;などが挙げられる。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記複合材料の表面に形成される低結晶性炭素層の量は、炭素源の残炭率を熱重量分析などにより予め測定しておき、作製時の炭素源使用量とその残炭率との積を、被覆した炭素量とする。低結晶性炭素層の炭素含有率については特に制限はないが、前記複合材料の全質量の0.5質量%〜20質量%が好ましく、1質量%〜15質量%がより好ましく、2質量%〜10質量%がより好ましい。低結晶性炭素層の炭素量が0.5質量%以上であれば、十分な低温出力特性が得られる傾向がある。また、低結晶性炭素層の炭素量が20質量%以下であれば比表面積が低すぎることがなく低温出力特性の低下を抑制できる傾向があり、これに加えて、粒子同子の凝集の発生を抑制し、あるいは低結晶性成分の量を抑えて、容量の低下を抑制できる傾向がある。
前記樹脂層とは、界面活性効果材料である樹脂材料から構成された層を意味する。界面活性効果材料としては、例えば、C10を基本構造とした澱粉の誘導体である酢酸澱粉、リン酸澱粉、カルボキシメチル澱粉、ヒドロキシエチル澱粉等のヒドロキシアルキル澱粉類;C10を基本構造としたプルランやデキストリンなどの粘性多糖類;C10を基本構造とした水溶性セルロース誘導体であるカルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等:、および水溶性の合成樹脂である水溶性アクリル樹脂、水溶性エポキシ樹脂、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性ポリアミド樹脂等が挙げられ、これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。これらの界面活性効果材料による樹脂層を有することにより、前記複合材料の比表面積を低下させて初回効率を高くすることができる。
前記界面活性効果材料の被覆率は、次のようにして測定する。即ち、前記複合材料に対し前記界面活性効果材料の被覆処理を行った後に、105℃で4時間乾燥して、前記樹脂層を有する複合材料(乾燥粉)を得る。この乾燥粉の質量(W1)を測定する。次いで、前記乾燥粉を大気中において400℃で1時間熱処理を施した後の質量(W2)を得る。乾燥粉の質量(W1)と、400℃での熱処理後の質量(W2)から、次式により熱減耗量を算出することができる。
被覆率[質量%]=〔(W1−W2)/W1〕×100
前記界面活性効果材料の被覆率は、前記複合材料の比表面積にも依存するが、前記複合材料の全質量に対して0.01質量〜10質量%が好ましい。前記複合材料の全質量に対する界面活性効果材料の被覆率が0.1質量%以上では、比表面積が低減しやすく、初回効率が向上する傾向がある。前記複合材料の全質量に対する界面活性効果材料の被覆率が10質量%未満であれば導電性の低下が抑制でき、出力特性の低下を抑制できる傾向がある。
前記複合材料は、前記低結晶性炭素層及び前記樹脂層をそれぞれ単独で、又はこれらを組み合わせて表面に有することができる。前記低結晶性炭素層及び前記樹脂層を組み合わせて表面に有する場合には、いずれが複合材料の最外層に配置されていてもよい。
<複合材料の製造方法>
本発明の複合材料の製造方法について説明する。
本発明における複合材料の製造方法は、Cr及びTiから選択された少なくとも1種並びにSiを含む合金と、Niとを、鉄、クロム鋼又はジルコニアからなる球状のメディアを存在させたボールミル中で粉砕造粒することを含む。
まず、Siを主体とする固相Aと、Cr及びTiから選択された少なくとも1種とSiとの金属間化合物からなる固相Bとを含む粒子(合金粒子)を準備する。前記合金粒子は市販品を入手してもよく、調製してもよい。
前記合金粒子は、構成する各元素を所定の割合で溶解槽にて加熱溶融させて合金溶湯を作製し、その合金溶湯を急冷凝固させて製造される。なお、合金溶湯を作製する際に溶融させる各構成元素は、単体の状態や固溶体などの合金状態で投入してもよい。溶融の方法としては、高周波溶解法、アーク溶解法などの従来公知の方法を用いることができる。急冷凝固させる方法としては、ロールスピニング法、ガスアトマイズ法、メルトドラッグ法及び直接鋳造圧延法等の従来公知の方法を用いることができる。
次いで、前記合金粒子とNiとを用いて、前記固相A及び固相Bで構成される粒子とNiとが複合化された複合材料を得る。
前記複合材料は、鉄、クロム鋼、あるいはジルコニアからなる球状のメディアを存在させたボールミル中で粉砕造粒を繰り返すことで作製される。上記した複合材料の所望の物性値を実現できる方法であれば、複合材料の製造方法は特に制限されない。中でも、メカニカルアロイング法を製造方法に用いれば、合金粒子とNiとの造粒工程並びに粉砕工程の同時処理を可能にし、更には、作製される複合材料の粒子径、比表面積、真密度及び結晶状態を容易に制御できる。
メカニカルアロイング法では、前記合金粒子及び前記Niを、球状のメディアとともに装置内に投入し、高速振動させる。メカニカルアロイング法によれば、機械的な衝撃エネルギーによる複合化が容易であり、加熱、溶融がないことから、結晶成長が起こりにくく微粒子形成が容易である。
メカニカルアロイング法に用いる球状のメディアを存在させた装置としては、ボールミル、ビーズミル、遊星ボールミル、アトライタ及び振動ミル等が挙げられる。
メカニカルアロイング法による処理では、処理装置の大きさに応じて、球状のメディアの投入量、球状のメディアの粒子径、処理時間などを適宜設定すれば、所望の複合材料のメディアン粒子径、固相AにおけるSiの結晶子サイズ、X線回折ピーク強度比などを得ることができる。
具体的には、例えばメカニカルアロイング法による処理時間を長くすると、前記合金粒子が微粒子化し、前記固相AにおけるSiの結晶子サイズが小さくなる。また、前記合金粒子と前記炭素材料との複合化が進行しつつ、複合材料中において合金粒子がより均一に分布するようになる。更に前記固相Aの非晶質化が進行し、前記X線回折ピーク強度比(固相A/固相B)は小さくなる。
前記複合材料が、前記導電性向上剤を含む場合には、前記合金粒子及び前記Niと共に、前記導電性向上剤も、装置内に投入する方法、及び、前記合金粒子の作製段階において、前記導電性向上剤を添加する方法のいずれかを適用することができる。後者の方法では、前記固相A、前記固相B及び前記導電性向上剤を含む合金粒子を調製し、次いで、その合金粒子とNiとを粉砕造粒することができる。
前記複合材料が被覆層を有する場合には、メカニカルアロイング法により得られた前記粒子の表面に、被覆材料に応じた方法により被覆層を形成する。
炭素被覆の方法として、湿式混合法、化学蒸着法、メカノケミカル法などが挙げられる。均一かつ反応系の制御が容易で、複合材料の形状が維持できるといった点から、化学蒸着法及び湿式混合法が好ましい。例えば、化学蒸着法は、脂肪族炭化水素、芳香族炭化水素、又は脂環族炭化水素等を被覆する際に好ましく適用できる。
また、湿式混合法及びメカノケミカル法では、フェノール樹脂、スチレン樹脂等の高分子化合物、ピッチ等の炭化可能な固体物などを、固形のまま、または溶解物などにして被覆する際に適用することができる。
なお、被覆層が複数の材料から構成されている場合には、使用される材料によって異なるが、一般に粒子に近い側の被覆層を先に形成した後に、その上に次の被覆層を形成すればよい。
低結晶性炭素の被覆処理のための処理温度については、800℃〜1200℃が好ましく、850℃〜1200℃がより好ましく、900℃〜1200℃がさらに好ましい。処理温度を800℃以上とすることで、炭素性物質前駆体の炭素化が十分に進行し、初回充放電効率が向上する傾向がある。一方、処理温度を1200℃以下とすることで、SiC化を抑制でき、電池容量の低下を抑制できる傾向がある。
樹脂層の被覆方法としては、使用する材料によって適宜設定可能である。例えば水溶性のセルロース誘導体又は水溶性の合成樹脂などの樹脂材料を水に溶解させて水溶液を調製し、該水溶液に前記複合材料を投入して、攪拌し、分散処理を行った後に、処理液をろ過して、乾燥処理することによって樹脂層を形成することができる。乾燥処理に適用される温度としては、100℃〜200℃であることが好ましく、120℃〜180℃であることがより好ましい。
前記複合材料は、複合材料を活物質として含むリチウムイオン二次電池用負極、リチウムイオンを挿入脱離することを充放電機構とする電気化学装置全般、例えば、ハイブリッドキャパシタ等に用いることができ、リチウムイオン二次電池用負極に用いた際には、高容量かつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池が得られる。
<リチウムイオン二次電池用負極材>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極材(以下、単に「負極材」という)は、前記複合材料を含む。本負極材は、前記複合材料を含むので、容量かつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能なリチウムイオン二次電池用負極材となる。
前記負極材に含まれる複合材料については、前述した記載をそのまま援用する。
前記負極材は、前述した複合材料のみを含むものとすることができ、また、前記複合材料及び導電性向上剤の組み合わせ、前記複合材料及び他の負極材との組み合わせ、又は前記複合材料、導電性向上剤及び他の負極材との組み合わせ、更には、これらと他の構成要素との組み合わせとすることができる。
(他の負極材)
前記負極材は、電池容量調整、電極膨張防止等の目的から、前記複合材料に加えて、必要に応じて、他の炭素系の負極材を混合してもよい。炭素系の負極材としては、例えば、鱗片状黒鉛、球状黒鉛等の天然黒鉛類、人造黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、メソフェーズカーボンファイバー(MCF)および樹脂炭化黒鉛等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、複数を組み合わせて使用してもよい。
中でも、扁平状の粒子を複数、配向面が非平行となるように集合または結合させてなる、細孔を有する黒鉛粒子(以下、「塊状黒鉛粒子」という)であることが好ましい。
本塊状黒鉛粒子を用いることにより、負極を構成した場合に、集電体上に黒鉛結晶が面方向に配向し難くなり、負極上でリチウムを吸蔵・放出し易くなる。
前記扁平状の粒子とは、長軸と短軸を有する形状の粒子のことであり、完全な球状でないものをいう。例えば鱗状、鱗片状、一部の塊状等の形状のものがこれに含まれる。前記塊状黒鉛粒子において、複数の扁平状の粒子の配向面が非平行とは、それぞれの粒子の形状において有する扁平した面、換言すれば最も平らに近い面を配向面として、複数の扁平状の粒子が、それぞれの配向面を一定の方向にそろえることなく集合している状態をいう。
また塊状黒鉛粒子においては、扁平状の粒子は集合又は結合しているが、結合とは互いの粒子が、タールやピッチ等の有機結着剤が炭素化された炭素質を介して、化学的に結合している状態をいう。また、集合とは互いの粒子が化学的に結合してはないが、その形状等に起因して、その集合体としての形状を保っている状態をいう。本発明においては、機械的な強度の面から、結合しているものが好ましい。
1つの塊状黒鉛粒子において、扁平状の粒子が集合又は結合する数としては特に制限されないが、3個以上であることが好ましく、5個〜20個であることがより好ましく、5個〜15個であることがより好ましい。
また塊状黒鉛粒子を構成する個々の扁平状の粒子の大きさとしては特に制限されないが、体積平均粒子径で1μm〜40μmであることが好ましく、1μm〜30μmであることがより好ましく、1μm〜20μmであることが更に好ましい。
さらに扁平状の粒子の体積平均粒子径は、電池容量とサイクル特性の観点から、塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径の2/3以下であることが好ましく、1/20〜2/3であることがより好ましい。
前記塊状黒鉛粒子のアスペクト比は特に制限されないが、サイクル特性と電池容量の観点から、1.2〜5.0であることが好ましく、1.3〜4.0がより好ましく、1.3〜3.0がさらに好ましい。
アスペクト比が1.2以上であることで、粒子間の接触面積が増加して、導電性がより向上する傾向にある。一方、アスペクト比が5.0以下であることで、急速充放電特性が向上する傾向がある。
なおアスペクト比は、塊状黒鉛粒子の長軸方向の長さをA、短軸方向の長さをBとしたときにA/Bで表される。前記アスペクト比は、顕微鏡で第一の粒子を拡大し、任意に100個の第一の粒子を選択して、それぞれのA/Bを測定し、それらの測定値の算術平均値をとったものである。
ここで長軸方向の長さA及び短軸方向の長さBは以下のようにして測定される。すなわち、顕微鏡を用いて観察される粒子の投影像において、粒子の外周に外接する平行な2本の接線であって、その距離が最大となる接線a及び接線aを選択して、この接線a及び接線aの間の距離を長軸方向の長さAとする。また粒子の外周に外接する平行な2本の接線であって、その距離が最小となる接線b及び接線bを選択して、この接線b及び接線bの間の距離を短軸方向の長さBとする。
また塊状黒鉛粒子の構造は、細孔を有する多孔質状である。これにより、電池を構成した場合のレート特性が向上する。これは例えば、粒子内に内部空間が存在することによってLiイオンが拡散し易くなるため、レート特性が向上すると考えることができる。
塊状黒鉛粒子は、電池容量の観点から、学振法に基づいて測定して得られる平均面間隔(d002)の値が0.335nm〜0.338nmであることが好ましく、0.335nm〜0.337nmがより好ましく、0.335nm〜0.336nmがさらに好ましい。前記平均間隔が0.338nm以下であることで黒鉛としての結晶性が高く、電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。一方、黒鉛結晶の理論値は0.335nmであることから、この値に近い方が電池容量及び充放電効率がともに向上する傾向がある。
塊状黒鉛粒子の体積平均粒子径(50%D)は特に制限されないが、5μm〜40μmであることが好ましく、5μm〜35μmであることがより好ましく、7μm〜30μmであることがより好ましく、10μm〜30μmが更に好ましい。
体積平均粒子径が5μm以上であることで、比表面積が大きくなりすぎることが抑制され、初回の充放電効率が向上する。また電極密度がより向上し、高容量のリチウムイオン二次電池が得られる。一方、体積平均粒子径が40μm以下であることで、レート特性などの電極特性が向上する傾向がある。
このような塊状黒鉛粒子は、例えば、特許第3285520号公報、特許第3325021号公報等に開示されているものを挙げることができる。またこのような塊状黒鉛粒子の製造方法についても、特許第3285520号公報、特許第3325021号公報等に開示されているものを適用すればよい。
前記複合材料に加えて他の炭素系の負極材を混合する場合には、制限はなく、所望の電池特性に合わせて、混合する負極材の種類及び混合比を適宜選択することができる。
他の炭素系の負極材と前記複合材料との混合には、特に制限はなく、通常行われている公知の方法のいずれを適用してもよい。
<リチウムイオン二次電池用負極>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極は、集電体と、前記集電体上に設けられた前記負極材を含む負極材層と、を含む。これにより、高容量かつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れるリチウムイオン二次電池を構成することが可能となる。前記リチウムイオン二次電池用負極は、前述した負極材を含む負極材層及び集電体の他、必要に応じて他の構成要素を含んでもよい。
前記リチウムイオン二次電池用負極は、前記リチウムイオン二次電池用負極材、有機系結着剤、溶剤又は水等の溶媒、及び必要により増粘剤と混合した塗布液を調製し、この塗布液を集電体に塗布した後、前記溶剤又は水を乾燥し、加圧成形して負極材層を形成することにより得られる。一般に、有機系結着剤及び溶媒等と混練して、シート状、ペレット状等の形状に成形される。
前記有機結着剤としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−ブタジエン共重合体;エチレン性不飽和カルボン酸エステル(例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、及びヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等)、及びエチレン性不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等)からなる(メタ)アクリル共重合体;ポリ弗化ビニリデン、ポリエチレンオキサイド、ポリエピクロヒドリン、ポリホスファゼン、ポリアクリロニトリル、ポリイミド、ポリアミドイミドなどの高分子化合物が挙げられる。
これらの有機結着剤は、それぞれの物性によって、水に分散、あるいは溶解したもの、また、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)などの有機溶剤に溶解したものがある。これらの中でも、密着性に優れることから、主骨格がポリアクリロニトリル、ポリイミド、又はポリアミドイミドである有機結着剤が好ましく、主骨格がポリアクリロニトリルである有機結着剤が後述するように熱処理温度が低く、電極の柔軟性が優れることから更に好ましい。ポリアクリロニトリルを主骨格とする有機結着剤としては、例えば、ポリアクリロニトリル骨格に、接着性を付与するアクリル酸、柔軟性を付与する直鎖エーテル基を付加した製品(日立化成工業株式会社製、LSR−7)が使用できる。
リチウムイオン二次電池負極の負極層中の有機結着剤の含有比率は、負極材層中100質量%に対して1質量%〜20質量%であることがより好ましく、3質量%〜15質量%であることがさらに好ましい。
有機結着剤の含有比率が1質量%以上であることで密着性が良好で、充放電時の膨張・収縮によって負極が破壊されることが抑制される。一方、20質量%以下であることで、電極抵抗が大きくなることを抑制できる。
更に、粘度を調製するための増粘剤として、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、エチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸(塩)、酸化スターチ、リン酸化スターチ、カゼイン等を、前述した有機系結着剤と共に使用することも好ましい。
有機系結着剤の混合に使用する溶剤として特に制限はないが、N−メチルピロリドン、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、γ―ブチロラクトン等が用いられる。
また、前記塗布液には、必要に応じて、導電助剤を混合してもよい。導電助剤としては、例えば、カーボンブラック、グラファイト、アセチレンブラック、あるいは導電性を示す酸化物や窒化物等が挙げられる。これらの導電助剤は単独で又は2種類以上を組み合わせて使用してもよい。導電助剤の含有率は、負極材層100質量%に対して0.1質量%〜20質量%程度とすればよい。
また前記集電体の材質及び形状については特に限定されず、例えば、アルミニウム、銅、ニッケル、チタン、ステンレス鋼等を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いればよい。また、多孔性材料、たとえばポーラスメタル(発泡メタル)やカーボンペーパーなども使用可能である。
上記負極材塗布液を集電体に塗布する方法としては、特に限定されないが、例えば、メタルマスク印刷法、静電塗装法、ディップコート法、スプレーコート法、ロールコート法、ドクターブレード法、グラビアコート法、スクリーン印刷法など公知の方法が挙げられる。塗布後は、必要に応じて平板プレス、カレンダーロール等による圧延処理を行うことが好ましい。
また、シート状、ペレット状等の形状に成形された負極材塗布液と集電体との一体化は、例えば、ロール、プレス、もしくはこれらの組み合わせ等、公知の方法により行うことができる。
前記集電体上に形成された負極層及び集電体と一体化した負極層は、用いた有機結着剤に応じて熱処理することが好ましい。例えば、ポリアクリロニトリルを主骨格とした有機結着剤を用いた場合は、100℃〜180℃で、ポリイミド、ポリアミドイミドを主骨格とした有機結着剤を用いた場合には150℃〜450℃で熱処理することが好ましい。
この熱処理により溶媒の除去、バインダの硬化による高強度化が進み、粒子間及び粒子と集電体間の密着性が向上できる。尚、これらの熱処理は、処理中の集電体の酸化を防ぐため、ヘリウム、アルゴン、窒素等の不活性雰囲気、又は真空雰囲気で行うことが好ましい。
また、熱処理する前に、負極はプレス(加圧処理)しておくことが好ましい。加圧処理することにより電極密度を調整することができる。本発明のリチウムイオン二次電池用負極材では、電極密度が1.4g/cm〜1.9g/cmであることが好ましく、1.5g/cm〜1.85g/cmであることがより好ましく、1.6g/cm〜1.8g/cmであることがさらに好ましい。電極密度については、高いほど体積容量が向上するほか、密着性が向上し、サイクル特性も向上する傾向がある。
<リチウムイオン二次電池>
本発明のリチウムイオン二次電池は、正極と、前記負極と、電解質と、を含む。
前記負極は、例えば、セパレータを介して正極を対向して配置し、電解質を含む電解液を注入することにより、リチウムイオン二次電池とすることができる。
前記正極は、前記負極と同様にして、集電体表面上に正極層を形成することで得ることができる。この場合の集電体はアルミニウム、チタン、ステンレス鋼等の金属や合金を、箔状、穴開け箔状、メッシュ状等にした帯状のものを用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極に用いられる材料については、特に制限はなく、例えば、リチウムイオンをドーピングまたはインターカレーション可能な金属化合物、金属酸化物、金属硫化物、または導電性高分子材料を用いればよく、特に限定されない。例えば、コバルト酸リチウム(LiCoO)、ニッケル酸リチウム(LiNiO)、マンガン酸リチウム(LiMnO)、およびこれらの複酸化物(LiCoNiMn、x+y+z=1、0<x、0<y;LiNi2−xMn、0<x≦2))、リチウムマンガンスピネル(LiMn)、リチウムバナジウム化合物、V、V13、VO、MnO、TiO、MoV、TiS、V、VS、MoS、MoS、Cr、Cr、オリビン型LiMPO(M:Co、Ni、Mn、Fe)、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリピロール、ポリチオフェン、ポリアセン等の導電性ポリマー、多孔質炭素等などを単独或いは混合して使用することができる。中でも、ニッケル酸リチウム(LiNiO)およびその複酸化物(LiCoNiMn、x+y+z=1)は、容量が高いため本発明に用いる正極材として好適である。
なお、正極活物質は、導電助剤を組み合わせて使用してもよい。
導電助剤としては、例えば、黒鉛粒子、カーボンブラック等が挙げられる。これらの導電助剤は、単独で又は二種類以上組み合わせて使用してもよい。
正極は、上記の正極活物質と、負極で用いる有機系結着剤と同じポリ弗化ビニリデン等の有機系結着剤と、同じく負極で用いられる溶媒であるN−メチル−2−ピロリドン、γ―ブチルラクトン等の溶媒とを混合して正極塗布液を調製し、この正極塗布液をアルミニウム箔等の集電体の少なくとも1面に塗布し、次いで溶媒を乾燥除去し、必要に応じて圧延して作製することができる。
本発明のリチウムイオン二次電池に用いられる電解液は、特に制限されず、公知のものを用いることができる。例えば、電解液として、有機溶剤に電解質を溶解させた溶液を用いることにより、非水系リチウムイオン二次電池を製造することができる。
前記電解質としては、例えば、LiPF、LiClO、LiBF、LiClF、LiAsF、LiSbF、LiAlO、LiAlCl、LiN(CFSO、LiN(CSO、LiC(CFSO、LiCl、LiIなどの溶媒和しにくいアニオンを生成するリチウム塩を例示することができる。
前記有機溶剤としては、例えば、カーボネート類(プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ジエチルカーボネートなど)、ラクトン類(γ−ブチロラクトンなど)、鎖状エーテル類(1,2−ジメトキシエタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテルなど)、環状エーテル類(テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、ジオキソラン、4−メチルジオキソランなど)、スルホラン類(スルホランなど)、スルホキシド類(ジメチルスルホキシドなど)、ニトリル類(アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリルなど)、アミド類(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドなど)、ポリオキシアルキレングリコール類(ジエチレングリコールなど)などの非プロトン性溶媒を例示することができる。
有機溶剤は、単独で用いてもよく2種以上の混合溶剤として用いてもよい。
セパレータとしても、公知の各種セパレータを用いることができる。セパレータの具体例としては、紙製、ポリプロピレン製、ポリエチレン製、ガラス繊維製セパレータなどが挙げられる。
本発明のリチウムイオン二次電池の作製方法については、本発明の複合材料又は本発明のリチウムイオン二次電池用負極を用いること以外は特に制限はなく、公知の正極、リチウムイオン二次電池用電解液、セパレータ等の材料を用い、また公知のリチウムイオン二次電池の製造方法を利用することにより作製することができる。
リチウムイオン二次電池の製造方法については特に制限はないが、いずれも公知の方法が利用できる。例えば、まず、正極と負極の2つの電極を、ポリエチレン微多孔膜からなるセパレータを介して捲回する。得られたスパイラル状の捲回群を電池缶に挿入し、予め負極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池缶底に溶接する。得られた電池缶に電解液を注入し、更に予め正極の集電体に溶接しておいたタブ端子を電池の蓋に溶接し、蓋を絶縁性のガスケットを介して電池缶の上部に配置し、蓋と電池缶とが接した部分をかしめて密閉することによって電池を得る。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて、本発明をより具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に制限するものではない。尚、特に断りのない限り、「部」及び「%」は質量基準である。
[実施例1]
(複合材料の作製方法)
表1に記載の複合材料を得るため、まず、Si、Cr及びTiを所定の比率で仕込み、高周波誘導溶解を用いてAr雰囲気中で溶融し、得た溶融物をガスアトマイズ法により合金粒子を得た。この合金粒子については、山陽特殊製鋼株式会社において作製したものを用いた。合金粒子のメディアン粒子径(D50%)は、29μmであった。
次いで、Ni(東邦チタニウム社製NF−32)を使用して、合金粒子及びNiを質量基準で、合金粒子/Ni=60/40の比率で仕込み、振動ミル装置(中央化工機株式会社製、クロム鋼からなる球状のメディア)を用いてメカニカルアロイング処理を30時間実施することにより目的であるNiとの複合材料を得た。
複合材料の粉体特性については、下記手法を用いて分析を行った。粉体特性の各結果を表1に示す。
<メディアン粒子径(D50%)の測定>
複合材料を界面活性剤と共に精製水中に分散させた溶液を、島津製作所社製のレーザ回折式粒度分布測定装置(SALD−2100)の試料水槽に入れ、超音波をかけながらポンプで循環させ、レーザ回折式で測定した。得られた粒度分布の体積累積50%粒径(D50%)を平均粒子径とした。
<BET比表面積の測定>
(株)マウンテック社製の窒素吸脱着測定装置(Macsorb HM model 1201)を用いて測定を行った。比表面積はBET法より算出した。
<真密度の測定>
島津製作所社製の真密度計装置(マイクロメリティックスアキュピック 1330)を用いて、真密度の測定を行った。
<Si結晶子サイズの測定>
線源として波長1.5406nmのCuKα線を使用し、島津製作所社製の粉末X線回折測定装置(XRD−6100)を用いて複合材料の分析を行った。その分析で得られたSi相に由来する回折スペクトルにおいて、2θ=10度〜80度の範囲に観測される最もX線強度の強い回折ピークの半値幅から、Scherrerの式を用いて、Siの結晶子サイズを算出した。
<XRD強度比の測定>
線源としてCuKα線を使用し、島津製作所社製の粉末X線回折測定装置(XRD−6100)を用いて複合材料の分析を行った。いずれの複合材料において、(Cr,Ti)Si相に由来する2θ=40.5度〜44.5度のX線回折ピーク強度に対するSi相に由来する2θ=27.5度〜30.5度のX線回折ピーク強度比(XRD強度比)を算出した。
(負極の作製方法)
上記手法で作製した複合材料の粉末75質量%に、導電助剤としてアセチレンブラック(電気化学工業社製)の粉末15質量%、バインダーとしてLSR−7(日立化成工業株式会社製)を粉末及びバインダーの総質量に対して10質量%添加し、その後混練し均一なスラリーを作製した。このスラリーを、電解銅箔の光沢面に塗布し、90℃で10分間の予備乾燥させた後、更に真空雰囲気下で、120℃で4時間乾燥させることによって硬化処理を行い、電極合剤層(負極材層)を有する負極を得た。
(リチウムイオン二次電池の作製)
上記で得られた電極を各負極とし、対極として金属リチウム、電解液として1M LiPFを含むエチレンカーボネート/エチルメチルカーボネート(1:1体積比)とビニルカーボネート(VC)(1.0質量%)とフルオロエチレンカーボネート(FEC)(20体積%)の混合液、セパレータとして厚さ25μmのポリエチレン製微孔膜、スペーサーとして厚さの適した銅板を用いて2016型コインセルを作製した。
(電池評価)
<初回放電容量、充放電効率>
上記で得られた各電池を、25℃に保持した恒温槽に入れ、0.43mA(0.32mA/cm)で0Vになるまで定電流充電を行った後、0Vの定電圧で電流が0.043mAに相当する値に減衰するまで更に充電し、初回充電容量を測定した。充電後、30分間の休止を入れた後放電を行った。放電は0.43mA(0.32mA/cm)で1.5Vになるまで行い、初回放電容量を測定した。この時、容量は用いた複合材料の質量当たりに換算した。初回放電容量を初回充電容量で割った値を充放電効率(%)として算出した。
<サイクル特性>
上記で得られた各電池を、25℃に保持した恒温槽に入れ、0.65mA(0.42mA/cm)で0Vになるまで定電流充電を行った後、0Vの定電圧で電流が0.043mAに相当する値に減衰するまで更に充電した。充電後、30分間の休止を入れた後放電を行った。放電は0.65mA(0.42mA/cm)で1.5Vになるまで行った。この充電―放電を1サイクルとし、100回サイクル試験を行うことでサイクル特性の評価を行った。
サイクル特性=100サイクル目の放電容量/1サイクル目の放電容量
[実施例2]
実施例1におけるメカニカルアロイング処理を10時間に変更した以外は、実施例1と同様にして複合材料を作製し同様の評価を行った。
[実施例3]
実施例1において、メカニカルアロイング処理前の仕込み合金粒子/Niの質量割合を70/30で混合するように変更した以外は、実施例1と同様にして複合材料を作製し同様の評価を行った。
[実施例4]
実施例1において、メカニカルアロイング前の仕込み合金粒子/Niの質量割合を50/50で混合するように変更した以外は、実施例1と同様にして複合材料を作製し同様の評価を行った。
[比較例1]
実施例1に使用した合金粒子だけを用いて、実施例1と同様の評価を行った。
[比較例2]
実施例2において、合金粒子の代わりにSi金属粉末(メディアン粒子径(D50%):3.0μm)を用い、Niを使用せずに、メカニカルアロイング処理を30時間施した以外は、実施例2と同様にして作製し同様の評価を行った。
以上の実施例及び比較例の評価結果を下記表1に示す。
表1より、実施例のリチウムイオン二次電池用複合材料は、高容量で、Niを用いない比較例1及び比較例2と比較して、高容量を維持しつつ、サイクル特性及びサイクル初期の充放電効率に優れたリチウムイオン二次電池を提供可能な負極材料であることが分かる。
従って、本発明によれば、リチウムイオン二次電池に用いた際に、高容量を維持しつつ繰り返し充放電時のサイクル特性に優れ、またサイクル初期の充放電効率に優れる複合材料と、これを含むリチウムイオン二次電池用負極材、リチウムイオン二次電池用負極、及びリチウムイオン二次電池とを提供することができる。

Claims (10)

  1. Siを主体とする固相Aと、Cr及びTiからなる群より選択された少なくとも1種とSiとの金属間化合物からなる固相Bと、を含む粒子が、Niと複合化されてなる複合材料。
  2. 前記Niの含有比率が、30質量%〜50質量%である請求項1に記載の複合材料。
  3. レーザ回折粒度分布計により測定される体積基準のメディアン粒子径が0.1μm〜20μmであり、窒素吸着測定法より求められる比表面積が0.5m/g〜15m/gであり、真密度が4.5g/cm〜6.5g/cmである請求項1又は請求項2に記載の複合材料。
  4. 前記固相AにおけるSiの結晶子サイズが40nm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の複合材料。
  5. 前記固相A及び前記固相Bはそれぞれ結晶及び非晶質の少なくとも一方の領域からなり、線源として波長1.5406nmのCuKα線を使用したときの、前記固相Bに由来する2θ=40.5度〜44.5度のX線回折ピーク強度に対する前記固相Aに由来する2θ=27.5度〜30.5度のX線回折ピーク強度比が0.20以下である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の複合材料。
  6. リチウムイオン二次電池用電極に用いる請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の複合材料。
  7. Cr及びTiから選択される少なくとも1種並びにSiを含む合金と、Niとを、鉄、クロム鋼又はジルコニアからなる球状のメディアを存在させたボールミル中で粉砕造粒することを含む、請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の複合材料の製造方法。
  8. 請求項1〜請求項6のいずれか1項記載の複合材料を含むリチウムイオン二次電池用負極材。
  9. 集電体と、
    前記集電体上に設けられた、請求項8記載のリチウムイオン二次電池用負極材を含む負極材層と、
    を含むリチウムイオン二次電池用負極。
  10. 正極と、請求項9に記載のリチウムイオン二次電池用負極と、電解質と、を含むリチウムイオン二次電池。
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