JP4428484B2 - 高純度シリコンの製造装置 - Google Patents

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Description

本発明は主としてソーラーセルや電子部品に使用する高純度シリコンを連続的に低消費エネルギーで得ることが出来る、四塩化珪素の金属亜鉛還元による、高純度シリコンの製造装置に関する。
本技術の特徴は四塩化ケイ素を金属亜鉛により還元して高純度シリコンを製造する製造装置であり、現在広く行われているいわゆるジーメンス法、つまりトリクロロシランの水素還元法に対して消費エネルギーが1/10程度ですむ可能性があるとされている。その一方電子デバイス用として必要とされる超高純度シリコンの製造には向かないとされ、近年のエネルギー問題に関連するソーラーセルシリコンの需要拡大に至るまでほとんど検討が行われなかった。しかしながら最近に至り、ソーラーセル用として多くの検討が行われるようになってきた。
つまり、四塩化ケイ素の亜鉛還元法によるシリコンの製造は1950年頃から知られており、多くの技術提案がなされ、一部では商品化されたと言われる。しかしながら、その一方で高温プロセスでありその運転条件の保持が困難であること、また生成する塩化亜鉛の処理が困難であるという問題などがあるとされている。更にこの製造は高温気相反応により行われること、反応が非常に早いことなどから反応生成物であるシリコンが極めて微少な粒になりやす高純度が困難であるとされた。またこのために原料ガスや副生物である塩化亜鉛ガスとの分離が困難であると言う問題点が有するとされる。
このために種々の工夫がなされており、たとえば特許文献1および特許文献2では液状亜鉛表面に四塩化珪素を吹き込んでシリコンを得る方法が提案されている。この方法では比較的低い温度でシリコンの製造が出来るという特徴はあるものの、現実には固相であるシリコンと液層亜鉛並びに気相の反応生成物である塩化亜鉛との分離が容易でなく分離操作が非常に煩雑になるという問題があった。またバッチプロセスであるが故に生成シリコン中への不純物の混入機会が多くなるという問題点があった。
また四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元し、生成したシリコンを反応炉の炉壁に生成させる方法は幾つか提案されているが、特許文献3ではガスの混合比を特定して析出を制御し、また炉壁へのシリコンの析出と取り出しを容易にする方法として、特許文献4では反応槽内の壁に離型材を施す事を提案している。しかしながらバッチプロセスとなるために生成シリコン中への不純物の混入機会が多くなること、反応ガスである四塩化ケイ素の除去、分離が困難であるという問題を有している。
一方、生成シリコン結晶をより大きく成長させるために特許文献5では四塩化ケイ素ガスと亜鉛ガスとの反応を不活性キャリアーガス雰囲気中で条件を特定して行うことを示している。さらに特許文献6では反応炉内にシリコン種結晶板を置き、あるいはそのような壁を作って、そこにシリコンを成長させるようにしている。しかしながらこれらもバッチプロセスから抜け出すことが出来ず、改良されているとしても、不純物の混入を防ぐことは極めて困難であった。
これらに対して本発明者らは、反応炉の炉壁にシリコンを生成させずに連続的にシリコンを生成させる方法として、旋回溶融法による高温プロセスの検討を進めてきた。これらについては特許文献7、特許文献8、特許文献9、特許文献10、特許文献11などの発明を行ってきた。これらにより反応炉の炉壁の影響を受けずしかも連続運転が可能となり製品シリコンは良い性能を示すものの、1200℃以上、通常ではシリコンの融点である1410℃付近の高温プロセスであるが故に生成シリコン中には系内に存在する不純物が僅かであるが混入しやすいためか、6−ナイン程度の純度が限界であった。さらに反応装置自身がサイクロンを形成するために大型化してしまうという問題点があった。また反応温度が極めて高いために、反応炉を構成する材料の耐久性に問題が出やすく、短時間では問題は少ないが、長期にわたっての安定な装置材料が見つかりにくいという問題があった。
これらの解決のために本発明者らは、特許文献12で同じように気相反応法を行うが条件を規定することで、シリコンを単結晶繊維として取り出す事成功した。さらにこれによって高純度化をはかりながらそれを融体で取り出す事を行ってより効率化をはかった。(特許文献13)しかしながら、このような繊維状単結晶を形成するためには高温度で高濃度の亜鉛と四塩化ケイ素を反応させる必要があり反応場の圧力変化が比較的大きいために実用化に向けては、条件の制御がきびしくなるという問題点が新たに見出されてきた。更に高温反応であるが故に時としては不純物のレベルが高くなりやすいという問題点も見出されている。
ただ、このようにして反応装置内にシリコン結晶を生成させた後に融体化することによって連続運転が可能となったが、一方結晶を生成させるには、温度、雰囲気などの条件が厳しく装置の耐久性に問題を有する可能性があった。また、生成する結晶にばらつきが発生しやすく、ガスとの分離工程で時として成長の不十分な結晶が排ガスに混入してしまう事が散見された。一方生成する結晶をほぼ一定の状態で成長させる方法としては特許文献6に示されるように内部に種結晶をおくことが考えられるが、連続運転が困難になり本目的には合致しない。
唯一連続的に種結晶上シリコンを生成する方法としていわゆる流動層を使う方法がある。(非特許文献1)しかしながら反応ガスとして塩化亜鉛が系にある場合、反応ガスの分離回収が困難となり流動層そのものの形成が困難という問題点があった。
特開平11−060228公報 特開平11−092130公報 特開2003−095633公報 特開2003−095632公報 特開2004−196643公報 特開2003−095634公報 特開2004−210594公報 特開2003−342016公報 特開2004−010472公報 特開2004−035382公報 特開2004−099421公報 特開2006−290645公報 特開2006−298740公報 シリコン24(1994)培風館
本発明では四塩化珪素の亜鉛還元によって系内で比較的大きな高純度、高結晶性のシリコンを連続的に製造する装置を提供することを課題とした。
亜鉛ガスと四塩化ケイ素との反応によりシリコンを製造する製造装置において、亜鉛ガスを生成して反応塔に送るガス発生機構と四塩化ケイ素を反応塔に送る供給機構と内部で該亜鉛ガスと該四塩化ケイ素を接触反応させてシリコン又はシリコン前駆体を生成させると共に生成したシリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスの一部を反応塔内に戻すようにし、反応ガスが乱流となるようにして該シリコン又はシリコン前駆体を相互に衝突させ、シリコン結晶として成長させる機構を含む反応塔部と該成長したシリコン結晶を反応ガスから縦型サイクロンからなる固気分離部で分離し、該サイクロンの下部にあるシリコン保持槽に分離落下させるようにした固気分離部を有する高純度シリコン製造装置である。
これにより反応で生成したシリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスが乱流となりこれらシリコン又はシリコン前駆体が互いに衝突を繰り返すことによって高純度で主として単結晶からなる100ミクロン以上の大きさのシリコン結晶を得ることが出来る。
つまり、本使用条件における四塩化ケイ素と亜鉛ガスとの反応では反応によって生成したシリコン又はシリコン前駆体が非常に活性であるためか、反応により生成したシリコン又はシリコン前駆体それ自身が種結晶の役割を果たすようで、高温状態で互いに衝突することによって急速に大きな結晶に成長することを新たに見いだして本発明に至ったものである。
これにより投入した四塩化ケイ素はほぼ全て黒色で100ミクロン以上の粒径のシリコン結晶となる。なおガスの流れが渦巻いている場合は繊維状になりやすく、流れが乱れている場合は大きな針状の結晶になる様である。これを実現するための装置は供給された亜鉛を加熱して亜鉛ガス発生させ反応塔に送るガス発生機構と四塩化ケイ素を供給する供給機構と反応を行いシリコン又はシリコン前駆体を生成させ、さらにそれらを含む反応ガスの流れを乱流にしたり攪拌したりして、該シリコン又はシリコン前駆体を互いに衝突させシリコン結晶として成長させる機構を有する反応塔とそれに続く反応ガスとシリコン結晶を分離する固気分離部を有し、さらに分離したガスは排出され、電解などの処理部に送る排ガス管並びに生成したシリコンを保持し、連続的に固体又は融体で取り出すようにしたシリコン保持部からなる。
本発明のシリコン製造装置では特に生成したシリコン又はシリコン前駆体を混合衝突させて結晶を成長させる反応塔に特徴がある。すなわち亜鉛蒸発部で発生した亜鉛ガスは反応塔に送られ、そこで四塩化ケイ素と反応してシリコン又はシリコン前駆体になる。このシリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスの流れを乱すように流路に邪魔板を設ける、あるいは流れを強制的に変えてこれらを含むガスを攪拌する様にする。このためにはパイプ状の反応塔の場合はパイプ内に邪魔板を設ける事によってガスの流れの方向を変えることによってシリコン又はシリコン前駆体の衝突が増加し結晶が成長するようになる。また反応によりこれら前駆体などを含むガスを四塩化ケイ素と亜鉛ガスとの反応部に戻す、あるいはガスの流れに沿って設けた2個以上の四塩化ケイ素供給部、つまり反応部により実質的に密度の濃い衝突を起こさせて結晶の成長を加速することも出来る。
このような反応を行う場合の化学反応は
SiCl+2Zn→Si+2ZnCl
で示され、3分子のガスから2分子のガスを作る不均化反応であるので一般には大きな圧力変動を伴うことになる。特に四塩化ケイ素は沸点が57℃と極めて低く、反応温度である1000℃付近あるいはそれ以上では極めて分圧が大きいために、反応によって急激な減圧の起こる可能性がある。また四塩化ケイ素のガス分圧が異常に大きいので、ガス状では単位体積あたりの四塩化ケイ素、亜鉛双方の分子数が少なく、反応がスムースに行われなくなる懸念がある。このような問題を解決するために、ここでは四塩化ケイ素の反応塔への供給は圧力変動が最小となるよう、低温ガス又は液体で供給することが望ましい。四塩化ケイ素が液体であっても亜鉛ガスとの反応は極めて早く進み反応には全く問題のないことを確認した。
この様に低い温度の四塩化ケイ素と高温の亜鉛ガスとの反応では実際の反応温度は不明であるが、生成シリコンの不純物レベルがより低くなると言う新たな知見を見いだした。なお反応部分の雰囲気温度は亜鉛がガスとして保持する、亜鉛の沸点以上、実際には1000℃以上であることが必要である。またこの部分の反応塔壁温度は生成したシリコンが付着せず、また反応ガスである塩化亜鉛の影響を受けないよう、1030℃以上であることがより望ましい。なお四塩化ケイ素を気体で供給する場合は、雰囲気の圧力変動を最小にするために雰囲気ガスとして、アルゴンなどの不活性ガスを加えることができる。ただ、通常の気相反応で用いられるような多量の雰囲気ガス量ではなく、必要最小限とする。なお不活性ガスとしては反応性が無く、また比較的容易に入手出来反応性が無いアルゴンガスが望ましい。但し、反応を高密度に行う主旨からは四塩化ケイ素を液体で供給することが最も望ましい事は言うまでもない。
なお供給する亜鉛ガスと四塩化ケイ素の量関係では、高温の四塩化ケイ素が極めて還元されやすい、つまり雰囲気に対しての酸化作用が極めて強いので、装置の酸化腐食を防ぐために、還元剤であり被酸化剤である亜鉛を常に過剰にしておくことが望ましい。ここで使用する反応塔の材質はこれらに耐性であれば特に指定しないが、このような条件では後記する固気分離部と併せて高純度石英ガラスであることが望ましい。
反応塔の壁温度は前述のように1030℃以上であることが望ましいが、一方壁温度が1300℃以上では消費エネルギーが大きくなり、反応塔自身の耐久性に問題の出る場合があること、またシリコン結晶に関してはこれ以上の温度は不要であることから1300℃を上限とする。
このようにして亜鉛ガスと四塩化ケイ素との反応によってシリコン又はシリコン前駆体を生成させ、それらを含む反応ガスと共に乱れたガスの流れに作り、相互に高濃度のまま衝突させることによって反応ガス中に100ミクロン以上の粒径を有するシリコンが生成する。この反応塔部分は水平に配置されても良いし、また垂直に配置されても良いことはもちろんである。
次いで、反応塔で生成したシリコン結晶を含む反応ガスは固気分離部に送られ固体シリコンと気体である亜鉛と塩化亜鉛混合物ガスとに分離される。この分離部は特には指定されないが、垂直サイクロン型分離部とすることが望ましい。これによってサイクロン内のガス速度によるが粒径1ミクロン以上の粒であれば固体として分離出来、下方に落下する。このようにして固体を全く含まない反応ガスは固気分離部上部から取り出される。またシリコン結晶は下方に落下してシリコン保持部に入り、そこを通して連続的に外部に取り出される。なお取り出しは固体でも良いが、シリコン保持部をシリコン融体とすることで落下してきたシリコンは液槽内で融体化して反応部と外気を機密に保持したまま連続に取り出すことが出来る。なおこの固気分離部の素材は上記のように高純度石英ガラスであることが望ましく、また壁温度は1030℃から1300℃の間に保持されて固体の付着を防ぐようにすることが望ましい。
文献によると塩化亜鉛は石英ガラスを腐食することになっているが、温度1030℃以上ではほとんど腐食することが無く、特に亜鉛ガスが共存するときにはより安定化することを見出している。
ここで固気分離部は反応塔ごとに設けても良いが、複数の反応塔を一つの固気分離部に接続することも出来る。
本発明によって四塩化ケイ素をほぼ完全に粒度100ミクロン以上のシリコン粒子あるいは繊維状高純度シリコンにすることが出来、完全に固気分離が出来るようになった。更に生成したシリコンの取り出しは下部から連続的に取り出すが、特に融体で取り出す場合は、シリコンを融体シリコン中に投入し溶解するのでシリコンの融点で容易に融体化出来るように成り連続的にシリコンを製造することが可能となった。
本発明の実施形態を図面により説明する。つまり、図1、図2及び図3は横型反応塔の場合の模式図であり、また図4及び5は縦型反応塔の場合の模式図である。すなわち図1は横型の反応塔内の四塩化ケイ素と亜鉛ガスとの反応後に邪魔板を設けてシリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスを乱流にして相互衝突させるようにしたものであり、図2では同じく横型の反応塔に対して亜鉛ガス中への四塩化ケイ素の供給口をガスの流れに沿って2個設けることによって第1の供給口で生成したシリコン又はシリコン前駆体を第2の供給口で生成するシリコン又はシリコン前駆体と衝突させるようにしたものである。図3は同じく横型の反応塔であるが、シリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスの一部をバイパスによってその出口から四塩化ケイ素供給口の手前に戻すようにし、供給口で生成するシリコン又はシリコン前駆体と衝突させ結晶成長を促すようにしたものである。また図4は図1に示す横型の反応塔を垂直型とした模式図であり、図5は図2の反応塔を垂直型とした模式図であって、機能はそれぞれ図1、図2と同等である。
図6はこれらの反応塔4台を1台の固気分離部・シリコン保持部に対して放射状に設置した模式図である。
図1、図4においては、1が反応塔であり、ここに2の亜鉛ガス発生装置からの亜鉛ガスと3の四塩化ケイ素供給装置からの四塩化ケイ素を接触反応させてシリコン又はシリコン前駆体を生成し、それらを含む反応ガスを邪魔板などによる乱流とする撹拌部6にて相互に会合・衝突させて100ミクロン以上のシリコン結晶に成長させ、それを固気分離部4に送る。固気分離部4はサイクロンなどの方式により、固体であるシリコンを下方に落下させ、シリコン保持部5に送って連続的に取り出すようにする。シリコン保持部ではシリコンは固体でも良いが、予め融体シリコンを保持するようにしてそこに固体シリコンを落とすようにして即座に融解し、融解したシリコンを連続的に取り出す事がより望ましい。取り出す時に反応塔内のガスが出てこないようにするために図に示したような仕切を有するシリコン保持部を用い、オーバーフロー的にシリコン融体を取り出すようにする。
また固気分離したガスはガス出口11から電解槽などの反応ガス再生を行う処理装置12に送り処理をする。
なお反応塔と固気分離部の壁部温度は1030℃より高いこと、1050℃から1300℃に保持することによって壁面へのシリコン結晶の付着の無い様にする
図2及び図5も同様であるが、反応塔内に四塩化ケイ素の供給口を反応ガスの流れに沿って2台並べた場合を示し、第1の四塩化ケイ素供給口付近で生成したシリコン又はシリコン前駆体が第2の四塩化ケイ素供給口付近で生成するシリコン又はシリコン前駆体と衝突することによって結晶の顕著な成長が起こる。この他は図1及び図4の説明と同じである。また図3では一度生成したシリコン又はシリコン前駆体、あるいは生成したシリコン結晶を含む反応ガスの一部を戻すことによってシリコンの成長を行わせる装置で、主要な作用、機構は他の図と同様である。
以下に実験的に組み立てた試験装置による実施例を示す。
「実施例1」
図1に示す小型の試験装置を作成した。図1において反応塔2の内径を25mmとし、長さを1000mmとした。材質は透明石英ガラスである。固気分離部は高さ600mm内径70mmの透明石英ガラス製の筒であり、上端を閉じて反応ガスパイプを取りつけ固気分離した後の反応ガスを取り出し処理設備12に送るようにした。また反応塔1固気分離部4との接続は反応塔のガスの流れがそのまま固気分離部で壁に沿う様に固気分離部円筒の接線方向に行った。亜鉛ガス発生装置2は融体亜鉛保持部7から亜鉛蒸発部8に定量で送る様にし、亜鉛蒸発部では高温ヒータにより即時に蒸発させて反応塔に亜鉛ガスを送るようにした。また四塩化ケイ素供給装置3は液状四塩化ケイ素貯槽9から送り機構10で反応塔内に供給するようにしているが、本実施例では重力的に滴下するようにして反応塔に送るようにした。ここでは反応ガスの流れを乱してシリコン又はシリコン前駆体の相互衝突のために10cm間隔で置いた全円の石英ガラス板に円形の穴を開けた邪魔板群を用い、穴の位置を変化させて反応ガスの流れを乱すようにした。またここでは生成シリコンが目標通り成長すること、反応ガスと分離できることに主眼を置いたので、シリコン保持槽5は系内に置いたアルミナ坩堝によって行い連続取り出しについては配慮しなかった。ここでの反応条件は反応塔1050℃、亜鉛蒸発温度1200℃、四塩化ケイ素は室温から融体のまま反応塔に供給、亜鉛ガスと四塩化ケイ素の量比は理論量に対して亜鉛を2倍となるようにした。また固気分離部の温度(壁温度は1050℃とした。このような条件での運転を行ったところ、固気分離部の坩堝中には繊維状のシリコンを含む棒状のシリコンが析出した。この粒径はほとんどが0.1から1mmの大きさを有し黒色、一部金属光沢を呈していた。また960℃に保持した排ガス管を通じて送られた処理部12には亜鉛と塩化亜鉛の混合物が貯まったが、シリコンはほとんど認められなかった。尚反応後に装置を分解して調べた所、反応塔、固気分離部ガラス表面へのシリコンの析出は認められずガラスの失透も見られなかった。排ガス管にはごくわずかであるがシリコンの存在が認められた。
一方この装置を使い、反応塔温度を1020℃まで低下して反応を行ったところ、反応塔壁面にシリコンと思われる黒色の析出物が認められた。またわずかではあるがシリコン結晶が壁面に成長しているのが認められた。
「対比例1」
対比用として、実施例1の装置を用い、邪魔板を取り除いた以外、同じ条件でシリコンの製造を試みた。反応塔温度は1050℃であった。これによって坩堝中には実施例1に対して量として50%程度のシリコンの蓄積が見られた。またこのシリコンは一部黒色で比較的大きく成長していたものの褐色で十分に成長していないシリコンが半分以上であった。また排ガス管に褐色のシリコンの生成が認められた。これらは生成したシリコンの生育が不十分であること、またそのために固気分離が十分に出来ず一部のシリコンが排ガスと共に系外に出てしまったことによると考えられた。
「実施例2」
図2に示す横型の反応塔を使用してシリコンの生成実験を行った。なお基本的な装置サイズは実施例1と同じとした。また固気分離部は実施例1と同じ物を用いた。反応塔内では邪魔板を入れない代わりに四塩化ケイ素を2カ所から投入するようにした。つまり亜鉛供給側にある第一の投入口から四塩化ケイ素の1/2量を後ろ側から1/2量を供給した。亜鉛供給量は四塩化ケイ素に対して理論量の1.5倍とした。また邪魔板は使用しなかった。供給亜鉛ガス温度は1100℃とし、四塩化ケイ素は液体で供給した。雰囲気ガスは使用しなかった。固気分離部の温度は1100℃とした。これによって坩堝内には実施例1より繊維状シリコンが多いがほぼ類似の黒色シリコン粒子の積層が見られた。四塩化ケイ素の理論量に対して95%以上の収率であった。
「実施例3」
図3に示す縦型の反応塔を用いてシリコンの生成試験を行った。縦型とすることによって、四塩化ケイ素は下から上に向かって供給する様にし、亜鉛ガスは横から供給するようにした。反応塔内の邪魔板は、その間隔を実施例1と同じにしたが互いに隣同士が逆方向を向いた2/3円状の邪魔板の列によった。四塩化ケイ素はヒータ付の液状四塩化ケイ素保持槽にアルゴンガスをバブリングさせてアルゴンガスと四塩化ケイ素ガス並びに四塩化ケイ素ミストとしそれを加温してアルゴンと四塩化ケイ素ガスの混合ガスとして反応塔に供給した。亜鉛ガスは実施例1と同様にして供給したが亜鉛ガスの温度は、液状亜鉛が生成するぎりぎりの温度である950℃として、亜鉛の液化を防ぐと共に、四塩化ケイ素ガスの膨張を最小限として、系内での反応に伴う圧力変動を最小にするようにした。反応塔の温度は四塩化ケイ素のノズルから下は1000℃、邪魔板部分とその上は1200℃に保持した。また固気分離部の温度は1100℃とした。この反応により反応塔内で四塩化ケイ素供給部の外側はわずかであるが黒色の沈積が認められた。只、邪魔板部分のガラス壁は透明を保持していた。固気分離部のガラス壁部分は透明を保持し、壁部分にシリコンの付着、生成は認められなかった。シリコン保持部である坩堝内には1mm程度の長さを有する棒状の結晶を主とするシリコンの析出が認められた。シリコン生成の効率は四塩化ケイ素投入量に対してほぼ89−90%であった。なおこの時に投入した四塩化ケイ素の量は200gであり、投入時間は15分間であった。
「実施例4」
図4に示す反応塔を用いてシリコンの生成を行った。装置は実施例3と同じく、亜鉛並びに四塩化ケイ素の供給方向は変えたが、反応塔の管径、長さは実施例1と同じとした。この装置の運転に当たっては実施例3と同様にして、四塩化ケイ素は四塩化ケイ素とアルゴンの混合ガスとして供給した。亜鉛ガスの温度は1000℃であった。反応塔の温度は1050℃とし、固気分離部の温度を1150℃とした。これによってわずかに繊維状のシリコンを多く含む針状のシリコン結晶が生成した。粒径は100μから1mmであり、一部数ミリメートルの結晶も見られた。なお供給亜鉛量は四塩化ケイ素に対する理論量に対して2倍量となるようにした。これによって生成したシリコンの量は四塩化ケイ素に対して、95%以上であった。
ソーラーセル用に最も適した高純度シリコンを、現在のシリコン製造に必要とする電力の数分の一で製造する製造装置であり、今後のエネルギー問題、CO2による地球温暖化問題などを解消できる重要な切り札となる技術である。エネルギー源の不足が叫ばれている現在、ソーラーの活用が本格的に出来る本技術により、全ての産業の形態を変えるだけの強みを持つものである。
本発明の製造装置の概念図である。 本発明の製造装置の概念図であり、四塩化ケイ素供給口を2個設けたものである。 本発明の製造装置の概念図であり、反応ガスの一部を再循環させるようにしたものである。 本発明の概念図であり、反応塔を縦型としたものである。 本発明の概念図であり、垂直に置かれた反応塔に2個の四塩化ケイ素供給管を有するものである。 一台の固気分離部に複数の反応塔を放射状に並べた時の製造装置の平面概念図である。
符号の説明
1 反応塔
2 亜鉛ガス発生装置
3 四塩化ケイ素供給装置
4 固気分離部
5 シリコン保持部
6 邪魔板
7 亜鉛保持供給部
8 亜鉛蒸発部
9 四塩化ケイ素保持部
10 四塩化ケイ素投入機構
11 ガス出口
12 処理装置

Claims (8)

  1. 亜鉛ガスと四塩化ケイ素との反応によりシリコンを製造する製造装置において、亜鉛ガスを生成して反応塔に送るガス発生機構と四塩化ケイ素を反応塔に送る供給機構と内部で該亜鉛ガスと該四塩化ケイ素を接触反応させてシリコン又はシリコン前駆体を生成させると共に生成したシリコン又はシリコン前駆体を含む反応ガスの一部を反応塔内に戻すようにし、反応ガスが乱流となるようにして該シリコン又はシリコン前駆体を相互に衝突させ、シリコン結晶として成長させる機構を含む反応塔部と該成長したシリコン結晶を反応ガスから縦型サイクロンからなる固気分離部で分離し、該サイクロンの下部にあるシリコン保持槽に分離落下させるようにした固気分離部を有する高純度シリコン製造装置。
  2. 四塩化ケイ素の供給をガス状四塩化ケイ素で行う供給機構によることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置。
  3. 四塩化ケイ素の供給を液状四塩化ケイ素で行う供給機構によることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置。
  4. 四塩化ケイ素の供給を四塩化ケイ素と不活性ガスの混合ガスで行う供給機構によることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置。
  5. 反応塔内のシリコン又はシリコン前駆体が衝突し混合する部分の反応塔壁温度が1030℃から1300℃であることを特徴とする請求項1から4のいずれかの高純度シリコン製造装置。
  6. 亜鉛ガス発生機構及び四塩化ケイ素供給機構の反応塔内への供給口付近の温度が950℃から1300℃であることを特徴とする請求項1から5のいずれかの高純度シリコン製造装置。
  7. 縦型サイクロンの壁温度を1030℃以上に保持する事を特徴とする請求項1から6のいずれかの高純度シリコン製造装置。
  8. シリコン保持槽に融体シリコンが保持されており、生成したシリコン結晶が融体シリコンと接触する事によって、融体化するようにしたことを特徴とする請求項1から7のいずれかの高純度シリコン製造装置。
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