JP4708505B2 - 多結晶シリコンの製造方法及びこれに用いる反応炉 - Google Patents

多結晶シリコンの製造方法及びこれに用いる反応炉 Download PDF

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Description

本発明は、例えばソーラーセル基板等に使用される多結晶シリコンを製造する方法に関し、詳しくは、クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法及びこれに用いる反応炉に関するものである。
高純度の多結晶シリコンを製造する方法の最も代表的な製造方法として、トリクロロシランを水素によって還元するシーメンス法がある。しかし、この製造方法は電力原単位が高く、製造設備の運転が回分式のため生産効率が悪く、大量に安価に製造する方法を指向する太陽電池用シリコン原料の製造方法としては適していない。
一方、四塩化珪素を原料とし高温で金属亜鉛によって還元し、高純度シリコンを得る方法が1950年代に提案されている(例えば、特許文献1参照)。この方法は、半導体用単結晶シリコンほどには純度を問わないが大量にシリコンを使用する太陽電池用シリコンの原料製造用として注目されつつある。その開発の主要な課題は副生する多量の塩化亜鉛処理問題と連続化の問題の解決である。
塩化亜鉛処理に関しては、亜鉛メッキの前処理剤、乾電池の電解成分等の用途もあるが、大量に生成される塩化亜鉛の処理としては不十分である。また、塩化亜鉛処理及び連続化の双方に応えるため、塩化亜鉛を電気分解して金属亜鉛と塩素を回収する方法(特許文献2、3、4)が提唱され、1980年頃には実用化実験もされている(非特許文献1,2)。しかし、電力効率が低い、あるいは電解に使用するだけの塩化亜鉛の量を得ることができなかったなどの理由により実験は継続されず、未だ工業化にまでは到っていないのが現状である。
また、金属成分を含有した溶融塩化物から塩化物を蒸発分離し、金属を直接的かつ連続的にインゴットにする技術は、1990年代の初めに日本のスポンジチタン製造3社が行った新製錬法”ミネルバ法”で行われた(特許文献5)。
なお、本課題とは直接関係ないが、塩化マグネシウムの電気分解は省エネルギー化が進み、実用化されている。例えば、アルミニウム中のマグネシウムを除去する際に塩化亜鉛が用いられ、結果として生成された塩化マグネシウムを電気分解している(特許文献6、7)。また、塩化マグネシウムの電解方法、装置は非特許文献3に記載されている。
英国特許第865249号明細書 特開平11−011925号 特開平11−92130号 米国特許第1545383号明細書 特開平7−252550号 特開昭59−59845号 特開昭59−59846号
ヒル等(S. D. Hill, D. L. Pool, G. A. Smyres),塩化亜鉛からの亜鉛の電解採取(Electrowinning zinc from zinc chloride in monopolar and bipolar Fused-salt cells), 調査レポート(Report of InvestigationS. U. S. Bureau of Mines Report of Investigations 8524),1981 BCL最終レポート(BCL Final Report)、DOE/JPL-954339-81/21、Mar 31,1981 小笠原忠司、チタンとシリコンにかける思い、生産と技術第59巻第4号、平成19年10月10日発行、45〜51ページ
上記従来の実情に鑑みて、本発明の課題は、クロルシランを金属亜鉛で還元して高純度の多結晶シリコンを製造する方法において、塩化亜鉛の電解を用いずに塩化亜鉛を処理しつつ、シリコンを多量で安定的に連続生成させることの可能な多結晶シリコンの製造方法及びこれに用いる反応炉を提供することにある。
上記課題を解決するため、本発明に係る多結晶シリコンの製造方法の第1群の構成は、クロルシランと金属亜鉛を反応させて得られる反応生成物から多結晶シリコンと塩化亜鉛とを分離し、分離した塩化亜鉛を金属マグネシウムと反応させることにより金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、生成した金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、生成した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、生成した金属マグネシウムは前記分離した塩化亜鉛との反応に使用することにある。
この第1群の方法は、例えば気相で珪素の塩素化合物を亜鉛で還元する場合、流動層を利用してシリコンシード(種)への造粒を行うことができるが、生成シリコンは流動層に留まり、気体状の塩化亜鉛は流動層外に流出するので、この塩化亜鉛を処理し、金属亜鉛と塩素を生成させるクローズドサイクルに適用するような場合である。実施形態では、図1〜22が本発明の第1群の方法に該当する。
本発明は塩化亜鉛の融点以上の温度域で実施される。塩化亜鉛に金属マグネシウムを加えることで、置換反応(ZnCl2+Mg→Zn+MgCl2 以下、単に「置換反応」という。)がなされる。塩化亜鉛が気体の場合は、金属マグネシウムが還元剤となり反応が右に進み、金属亜鉛と金属マグネシウムが塩化物となって、塩化マグネシウムが生成する。また、塩化亜鉛が液体の場合でも、同様に塩化置換反応として反応が右に進む。塩化亜鉛は置換反応で金属亜鉛となり、処理の問題が解決される。塩化マグネシウムは電気分解で塩素を生成し、クロルシランの製造用に使用されることで、クローズドサイクルが形成され、多結晶シリコンの連続生産が達成される。なお、以下の実施形態では、塩化亜鉛と金属マグネシウムを反応させるための反応器を「置換反応炉」と呼ぶ。
上記構成に加え、前記分離した塩化亜鉛と前記金属マグネシウムとの反応において、液体状態においては金属マグネシウム層と金属亜鉛層が溶融塩層により隔てられており、前記分離した塩化亜鉛は前記金属亜鉛層から導入されるようにしてもよい。また、前記分離した塩化亜鉛と前記金属マグネシウムとの反応において、前記金属マグネシウムが金属亜鉛との合金であり、この合金中の金属マグネシウムを前記分離した塩化亜鉛と反応させるようにしてもよい。
また、上記構成に加え、前記分離した塩化亜鉛を溶融塩中で凝縮あるいは混合し混合塩化物とした後、この混合塩化物中の塩化亜鉛を前記金属マグネシウムと反応させることにより前記金属亜鉛と前記塩化マグネシウムを生成してもよい。前記多結晶シリコンは、前記反応生成物を固液分離装置及び蒸発溶解装置を経由させることで分離されるようにしてもよい。
一方、上記課題を解決するため、本発明に係る多結晶シリコンの製造方法の第2群の構成は、クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンと塩化亜鉛とを生成し、これらの反応生成物を溶融塩中に捕集した状態で前記塩化亜鉛と金属マグネシウムとを反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、生成した金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、残余の溶融塩から多結晶シリコンを分離し、さらに残余の溶融塩から塩化マグネシウムを分離し、この分離した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、生成した金属マグネシウムは前記塩化亜鉛との反応に使用することにある。
この第2群の方法は、例えばシリコンと塩化亜鉛がまだ共に存在しているような場合に、それらを溶融塩中に捕集し、その後塩化亜鉛を処理し、金属亜鉛と塩素を生成させるクローズドサイクルに適用するような場合である。
また、上記課題を解決するため、本発明に係る多結晶シリコンの製造方法の第2群の他の構成は、クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンを溶融塩中に捕集し、塩化亜鉛を気化状態で溶融塩から分離し、溶融塩から多結晶シリコンを分離し、分離した塩化亜鉛を金属マグネシウムと反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、生成した溶融塩中の金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、生成した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、生成した金属マグネシウムは前記分離した塩化亜鉛との反応に使用することにある。
上記第2群の構成において、前記溶融塩と前記金属亜鉛が2層の液体であり、前記金属亜鉛中に前記クロルシランを送入してもよい。また、上層に溶融金属マグネシウム、中層に溶融塩、下層に溶融金属亜鉛とからなる3層の液体に対し前記クロルシランを前記溶融金属亜鉛に送入し反応させることにより、前記多結晶シリコンと前記塩化亜鉛とを生成し、これらの反応生成物を前記溶融塩に捕集し、生成した塩化亜鉛が前記溶融金属マグネシウムと反応し、前記塩化マグネシウムと前記金属亜鉛とを生成し、生成した塩化マグネシウムは前記溶融塩に取り込まれ、生成した金属亜鉛は前記溶融塩の下部に沈積するようにしてもよい。また、前記クロルシランと前記金属亜鉛を気相で反応させて前記反応生成物を捕集してもよい。さらに、前記多結晶シリコンは、前記反応生成物を固液分離装置及び前記溶融塩の蒸発溶解装置を経由させることで分離されるようにしてもよい。また、前記溶融塩は、前記塩化亜鉛が気体状態となる温度以上であるとよい。
ところで、上記第1、第2群の各構成において、前記溶融塩は、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物よりなる群から1つ以上選ばれる塩化物を少なくとも含有するようにしてもよい。
同構成によれば、塩化亜鉛が単独で金属マグネシウムと反応するだけでなく、混合溶融塩の一成分として金属マグネシウムと反応することも可能である。その場合、その混合溶融塩は、塩化亜鉛と塩化マグネシウムのみでも良いし、アルカリ金属塩化物あるいはアルカリ土類金属塩化物から1つ以上選ばれた塩化物との混合塩化物にしても構わない。このとき、塩化マグネシウムは、反応後すぐに混合塩化物の一成分となる。さらに、一般の塩化マグネシウムの溶融塩電解の浴塩となるような塩化カルシウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化バリウムの中から選ばれた塩化物を加えても良い。なお、好ましくは、置換炉で生成する塩化マグネシウムが使用される。また、本工程の塩化マグネシウム電解槽の浴塩(通常は塩化マグネシウムの他に塩化ナトリウム、塩化カルシウム、塩化カリウムなどが使用される。)を使用しても構わない。
また、特に塩化マグネシウムの他に、塩化ナトリウムのような完全解離型のアルカリ金属の塩化物が、1つ以上含まれていることが好ましい。何故なら、塩化亜鉛が溶融塩中に含まれる場合、置換反応において生成する塩化マグネシウムが塩化剤である塩化亜鉛の活量を著しく低減させて、この反応の効率が低減する(MgCl2+ZnCl2→MgCl4 2-+Zn2+)ため、強いルイス塩基であるMgCl2にCl-を供給する完全解離型のアルカリ金属の塩化物が存在することが望ましいからである。また、この浴塩は、塩化マグネシウム単塩と比べ金属マグネシウムに対する比重差を大きく、融点を低くしてある。そのため、例えば微粒液滴の生成が抑えられる、金属マグネシウムの蒸発が抑えられるなどの効果により、本特許を遂行するには好都合である。そして、当然ながら電解にとっても最適であるので、塩化マグネシウム電解槽と結合した形を採ることも可能である。なお、上述の溶融塩に金属亜鉛又は塩化亜鉛を溶解させてもよい。
また、上記第1、第2群の各構成において、塩化亜鉛が未反応金属亜鉛を含んだ状態であってもよい。塩化亜鉛が気体であってもよく、クロルシランが四塩化珪素であるとよい。
さらに、上記課題を解決するため、本発明に係る多結晶シリコンの製造方法に用いる反応炉の特徴は、上記本発明の第一群の方法に用いる金属マグネシウムと塩化亜鉛とを反応させる反応炉において、複数の段部を鉛直方向に並べて形成する仕切部材を設け、この仕切部材に前記複数の段部間で反応生成物を流動させる開口部を形成することにある。また、反応炉の他の特徴は、複数の棚段を鉛直方向に並べて設け、各棚段は、液体を貯蔵する貯蔵層を形成する棚板と、前記貯蔵層から溢れた液体を下段の貯蔵層へ誘導する連通路とを有し、前記棚板の下方に前記塩化亜鉛を炉内へ送入する送入部を設け、前記棚板に送入した塩化亜鉛を前記貯蔵層へ導入する導入部を形成することにある。反応炉のさらに他の特徴は、複数段の充填層を鉛直方向に並べて設け、各充填層の下方に前記塩化亜鉛を炉内へ送入する送入部を設けることにある。
このように、本発明の上記構成によれば、金属マグネシウムにより塩化亜鉛を処理しつつ、塩化マグネシウムの電気分解により効率的に塩素と金属マグネシウムを得てクローズドサイクルを形成し、シリコンを多量で安定的に連続生成させることの可能な多結晶シリコンの製造方法及びこれに用いる反応炉を提供することが可能となった。
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の「発明を実施するための形態」の項から明らかになるであろう。
本発明の第1実施形態を示す工程図である。 第1実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 分離工程を示している。 シリコン溶解炉を示している。 第1実施形態の還元反応工程を表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 本発明の第2実施形態を示す工程図である。 第2実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第2実施形態の置換反応工程を表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 第2実施形態の置換反応工程と精製工程を表している。 本発明の第3実施形態を示す工程図である。 第3実施形態の精製工程を表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 第3実施形態の置換反応工程と精製工程を表している。 本発明の第4実施形態を示す工程図である。 第4実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第4実施形態の凝縮工程を表している。 本発明の第5実施形態を示す工程図である。 第5実施形態の凝縮工程を表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 金属亜鉛層部分の成分の偏りを示している。 置換反応炉の一例を表している。 置換反応炉と精製炉の一例を表している。 金属亜鉛とマグネシウムの合金層部分の成分の偏りを示している。 置換反応炉と精製炉の他の例を表している。 置換反応炉のさらに他の例を示している。 置換反応炉のさらに他の例を示している。 置換反応炉のさらに他の例を示している。 置換反応炉のさらに他の例を示している。 本発明の第6実施形態を示す工程図である。 第6実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第6実施形態の還元反応工程を表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 第6実施形態の還元反応工程と置換反応工程を表している。 本発明の第7実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第7実施形態の還元反応工程と置換反応工程を表している。 本発明の第8実施形態を示す工程図である。 第8実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第8実施形態の還元反応工程と置換反応工程を詳細に表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 本発明の第9実施形態を示す工程図である。 第9実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である 第9実施形態の還元反応工程を詳細に表し、(a)は反応当初、(b)は基本的に反応が進んだ状態を示す。 本発明の第10実施形態を説明するため装置を用いて表した工程図である。 第10実施形態の還元反応工程を表している。
次に、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。第1群の方法として、図1〜22を参照しながら、第1〜5実施形態について説明する。また、第2群の方法として、図23〜36を参照しながら、第6〜10実施形態について説明する。なお、第2実施形態以下の実施形態については、各々の実施形態より前の実施形態と異なる部分についてのみ説明する。
また、各図中の符号Aは図1で全工程のうち置換反応工程を除いた工程で、図1〜22での共通部分は同符号Aで表示した。同様に各図中の符号Bは分離工程で、図23〜36での共通部分は符号Bで表示した。
次に、図1〜5を参照しながら本発明の第一実施形態について説明する。
図1は本発明の基本的な工程図を示しており、図2はその工程を装置を用いて表している。図1中、角型の枠は工程、楕円枠は物質を示している。図1に示すように、本工程は、クロルシランを製造する塩素化工程S1、クロルシランを金属亜鉛と反応させ、シリコンと塩化亜鉛を生成させる還元反応工程S2、生成シリコンを塩化亜鉛から分離し、シリコンを取り出す分離工程S3、分離された塩化亜鉛と金属マグネシウムを反応させて、金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させる置換反応工程S4、塩化マグネシウムを溶融塩電解により塩素と金属マグネシウムを生成させる工程S5を備えている。また、電気分解により生成した塩素をクロルシラン製造用に使用(再利用)する工程R1と、電気分解により生成した金属マグネシウムを塩化亜鉛の置換反応に再利用をする工程F2、置換反応により生成した金属亜鉛をクロルシランとの反応に再利用する工程F4、R2を備え、これらが全体としてクローズドサイクルを形成する。
置換反応工程S4では、塩化亜鉛供給路F1から気体状の塩化亜鉛が供給され、マグネシウム供給路(F2)から液状の金属マグネシウムが供給される。一方、塩化マグネシウム排出路(F3)からは液状の塩化マグネシウムが排出され、亜鉛排出路(F4)からは液状の金属亜鉛が排出される。これら各管路(F1〜F4)は、図2に示すように、置換反応炉48に接続されている。
(塩素化工程CL:S1)
塩素化炉42において、金属シリコンを塩素と反応させてクロルシランを製造する。本実施形態では四塩化珪素にする。必要な純度になるように蒸留操作を行い、クロルシラン貯槽41に保持される。次いで、蒸発器43aにより気体にする。
(還元反応工程RD:S2)
還元反応炉45において、四塩化珪素が亜鉛で還元され、多結晶シリコンと塩化亜鉛になる。四塩化珪素と亜鉛のモル比は、四塩化珪素のサブクロライドを発生させないために、少しだけ金属亜鉛を過剰にするのが望ましい。そのため、この場合には未反応の金属亜鉛を含むこともある。亜鉛は、亜鉛貯槽44から蒸発器43bで気化されて供給される。
(分離工程SP:S3)
目的の反応生成物である珪素(多結晶シリコン)を塩化亜鉛、場合によっては、塩化亜鉛及び金属亜鉛との混合物から分離し回収する。
図3は、還元反応炉45での生成物を順次固液分離装置としての粗分離器46b及び精密分離器46c、そして最終的にシリコン溶解炉47を経由させて、多結晶シリコンが取り出される分離工程を示している。生成物が固体状多結晶シリコンと気体状塩化亜鉛である場合、もちろん塩化亜鉛凝縮器46aは不要である。しかし、多結晶シリコンと気体状塩化亜鉛をすぐに分離することは困難なので、この図に示すように順次分離を行い、シリコン溶解炉47で多結晶シリコンを取り出すことが望ましい。また、生成物が固体状多結晶シリコンと液体状塩化亜鉛である場合、還元反応炉45で塩化亜鉛が気体の時には、塩化亜鉛凝縮器46aにより多結晶シリコンが混合した液体塩化亜鉛(F16)として、例えば液体サイクロン等の固液粗分離器46bへ移送する。気体・液体(亜鉛)反応の時には、還元反応炉45から多結晶シリコンが混合した液体塩化亜鉛を直接(図示していない)固液粗分離器46bへ移送する。
固液分離装置は、多結晶シリコンの粒径が小さく、塩化亜鉛との比重差がせいぜい0.6程度しかないので、複数の固液分離器の使用が望ましい。まず、固液粗分離器46bでは、シリコンと塩化亜鉛の混合物(F16)を塩化亜鉛(F18)と、濃縮されたシリコンを含む塩化亜鉛(F17)とに分離する。次に、シリコン混合液体塩化亜鉛(F17)を例えば遠心分離機やフィルター等の固液精密分離器46cに移送する。ここで、さらにシリコンが濃縮され、塩化亜鉛(F20)と、シリコンと塩化亜鉛との混合物(F19)になる。そして、このシリコンが濃縮された混合液体塩化亜鉛(F19)を次のシリコン溶解炉47に移送する。また、これらの固液分離器46b、46cからシリコンが分離された液体塩化亜鉛(F18、F20)は、次の置換工程に移送され(F1)、処理される。また、次に説明するシリコン溶解炉47からの塩化亜鉛(F13)も同様に置換工程に移送される(F1)。なお、固液分離装置は、上述の分離器の例に限られず、例えば比重の差を用いた分離器を用いても構わない。
図4は、シリコン溶解炉47で多結晶シリコン含有塩化亜鉛から多結晶シリコンを溶解分離し、インゴットにする過程を示している。固液分離器で、シリコンを濃縮した多結晶シリコンを含有する塩化亜鉛(F19)を蒸発溶解装置(塩化亜鉛の蒸発除去−多結晶シリコンの溶解インゴット化)47に移送する。この装置には、分割水冷銅坩堝(コールドクルーシブル)47cの外側に高周波コイル47dが設置されている。また、坩堝内で溶解したシリコンを下方に冷却しながら降下させる治具が備わった溶解装置と、その上方から分割水冷銅坩堝の上部に投入された多結晶シリコンを含む塩化亜鉛47gにプラズマ加熱を行うためのトーチ47eが設置されている。さらに、蒸発した塩化亜鉛47iを置換炉で使用するための導入管47bが設置されている。最初に、分割水冷銅坩堝47c内でシリコンを溶融する。その頂部に多結晶シリコンを含む塩化亜鉛47gを供給しながら、プラズマ47fで加熱する。多結晶シリコンは溶融し、坩堝内の溶融シリコンに取り込まれ、塩化亜鉛は蒸発し、導入管47bを通り(F13)、置換炉で使用される。
この分割水冷銅坩堝47eでプラズマ加熱を行う方法は、チタンの新製錬法であるミネルバ法で用いられたので、特にこの方法で高純度シリコンを製造する場合、シリコンとチタニウムとマグネシウムが結びついていることから「STOM−2法」と呼ぶ。
(置換反応工程SB:S4)
塩化亜鉛をマグネシウムと反応させ、金属亜鉛と塩化マグネシウムにする。塩化亜鉛に金属亜鉛が含まれている場合には、置換反応炉48内の金属亜鉛層内で凝縮され、金属亜鉛層内に取り込まれる。
置換反応炉48は、図5(a)のように、当初は溶融金属マグネシウムC1のみを入れておく。そして、塩化亜鉛(F1)と反応させることにより生成した金属亜鉛と塩化マグネシウムの液体層は、比重の順序で上から金属マグネシウムC4、塩化マグネシウムC3、金属亜鉛C2の3層になる(図5(b))。そのため、あらかじめこれらの液体3層の状態から反応を始めても問題はない。すなわち、液体状態においては、金属マグネシウム層C4と金属亜鉛層C2が、溶融塩層としての塩化マグネシウム層C3により隔てられるので、塩化亜鉛は最下層の金属亜鉛層C2から導入すればよい。金属マグネシウムは、反応の進行に従い適宜補充(F2)する。なお、スタート時に反応容器内を液体状態に保つためのヒーターと反応熱で温度が上昇するので、それを除熱するための冷却装置(一般的な熱交換器でよいので図示せず)の設置が必要である。
まず、塩化亜鉛が気体の時には、気体状塩化亜鉛(F1)は3層のうち最下層の金属亜鉛層C2に送入する。ここで、気体未反応金属亜鉛は冷却され液体となり、金属亜鉛層C2に取り込まれ、気相は塩化亜鉛のみとなる。気体状塩化亜鉛が未反応金属亜鉛を含んでいなければ、塩化マグネシウム層C3に送入しても問題は無い。
気体状塩化亜鉛は気泡となって上昇し、上層の金属マグネシウム層C4に達しその下部で反応する。そして、金属亜鉛と塩化マグネシウムになり、塩化マグネシウムは周囲の塩化マグネシウム層C3と一体になり、金属亜鉛は塩化マグネシウム層C3の中を下層の金属亜鉛へと沈降し、金属亜鉛層C2に取り込まれていく。
金属マグネシウム層C4の厚さ(深さ)は、塩化亜鉛が未反応状態で金属マグネシウム層C4の上部に抜け出ないよう充分な厚さ(深さ)にしておく。塩化亜鉛は金属マグネシウムと反応し、塩化マグネシウムと金属亜鉛となり、それぞれの層に取り込まれる。
また、塩化亜鉛が液体の時も上記気体の時と同様に、金属マグネシウム層C4と金属亜鉛層C2が溶融塩層C3により隔てられている状態で、金属亜鉛層C2に送入する。そして、塩化亜鉛は塩化マグネシウム層C3に達し、気体時と同様の反応を経て金属亜鉛と塩化マグネシウムになり、それぞれの層に取り込まれる。なお、他の点も気体の場合と同様である。
生成した金属亜鉛は液体状態のまま取り出され(F4,R2)、金属亜鉛貯槽44を介し還元反応炉45で四塩化珪素との反応に使用される。このときさらに高純度な金属亜鉛が要求されるときは、金属亜鉛を蒸留精製し高純度化し、使用することも可能である。生成した塩化マグネシウムは液体状態のまま取り出され(F3)、塩化マグネシウム電解槽49に移送される。
(電解工程EL:S5)
電解槽49では塩化マグネシウムを電解し、金属マグネシウムと塩素にする。電気分解の方法は周知のIG型、ALCAN−OTC型等、一般的に工業化されている電解槽を用いるとよい。生成した金属マグネシウムは置換反応炉48に送られ(F2)、塩化亜鉛(F1)との反応に使用される。一方、生成した塩素は、原料珪素を塩素化しクロルシランを製造するために塩素化炉42に送られる(R1)。
特に、金属チタン製錬において、金属マグネシウムが四塩化チタンの還元に使用されているが、この場合の塩化マグネシウム電解技術は非常に高度化されているので、これを活用するとよい。すなわち、金属マグネシウム工場あるいは金属チタニウム製造工場に付随して、高純度シリコン製造工場を建設することも可能である。特に、金属チタニウム製造工場において、本特許の方法で高純度シリコンを製造する場合、シリコンとチタニウムとマグネシウムが結びついていることから「STOM−1法」と呼ぶ。
次に、本発明の第2実施形態について、図1、6〜9を参照しながら説明する。第1実施形態では、置換反応炉で局部的に亜鉛とマグネシウムの合金が生成し、それらの含有量により塩化マグネシウムの比重より同等あるいは大きい粒子が生ずることがあり、上部の金属マグネシウム層から塩化マグネシウム層に離脱浮遊する場合が起こる。図8で説明すると、図8(a)で下部から塩化亜鉛(F1)を送入した場合、通常は生成塩化マグネシウムは周囲の塩化マグネシウム層C2と一体になり、生成金属亜鉛は塩化マグネシウム層を沈降し、下部の金属亜鉛層C1と一体となる。しかし、図8(b)に示すように、塩化亜鉛の送入量を増加させたときや、物理的な気泡による撹拌現象が大きくなり過ぎたときなどには、生成金属亜鉛が上部金属マグネシウムC6と合金を作る。そして、塩化マグネシウムの比重より大きくなったときに、その合金が液滴となって金属マグネシウム層C6から離れ、塩化マグネシウム層C5中に液滴C7となって浮遊する。この場合でも、塩化マグネシウム中を塩化亜鉛気泡が上昇しているので、塩化亜鉛と合金液滴C7中の金属マグネシウムとが反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムになる。しかし、一部の比重が大きくなった液滴が下層の金属亜鉛層C4に達した場合、亜鉛−マグネシウム合金となってしまうことがある。そして、これをこのまま還元工程で四塩化珪素の還元に使用した場合、生成した珪素の純度低下の原因となる。
そこで、図6に示すように、置換反応工程の前段に、亜鉛とマグネシウムの合金と塩化亜鉛を反応させることにより、合金中の金属マグネシウムが塩化亜鉛と反応し金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成し、金属亜鉛を取り出す精製工程を設けた点が、第1の実施形態と異なる。
本実施形態では、第1実施形態の置換反応工程S4における置換反応炉48の代わりに、図7,9の置換反応炉48及び精製炉50が用いられる。そして、管路(F1〜F4)が図1の同様の管路に接続され、次の置換反応工程S4及び精製工程S6が行われる。他の工程は第1実施形態と同様であり省略する。
(精製工程RF:S6)
図9に示すように、金属亜鉛C4に塩化亜鉛(F1)を炉の下部から送入する。塩化亜鉛は合金中の金属マグネシウムと反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムとなる。生成した金属亜鉛は、炉の下部に沈降集積する。送入塩化亜鉛は、金属マグネシウムの当量分送入してもよいし、過剰に送入し、過剰分は移送路(F5)を介して置換反応炉48内に導き、置換反応させても構わない。また、上記はバッチ反応として記述したが、精製炉内を2つに分け連続的に処理するようにしても構わない。なお、移送路(F6)は、合金の混入がなければ、精製炉50に接続せずに排出路(F3)と並列接続しても構わなく、以下の実施形態でも同様である。
(置換反応工程SB:S4)
第1実施形態と同じく、移送路(F5)で移送された塩化亜鉛を供給路(F2)から供給された金属マグネシウムC3と反応させ、金属亜鉛C1と亜鉛−マグネシウム合金を含む塩化マグネシウムC2にする。反応当初は図5(a)の状態で開始してよいことは、第1実施形態と同様である。そして、生成物である金属亜鉛C1及び亜鉛−マグネシウム合金を含む塩化マグネシウムC2は、精製炉50に移送される(F6,F7)。なお、塩化亜鉛(F5)は、分離工程から移送された(F1)が精製炉50で合金中の金属マグネシウムと反応し、未反応として残ったものである。以上のように構成することで、合金化した金属マグネシウムを除去した金属亜鉛C4は、排出路(F4)から還元反応炉45に供給されて(R2)、還元反応工程で使用される。また、塩化マグネシウムC5は、排出路(F3)から電解槽49に送られ、電解工程に使用される。
次に、本発明の第3実施形態について、図10〜12を参照しながら説明する。 図11(a)に示すように、置換反応炉48内の金属亜鉛層を亜鉛/マグネシウム合金層にした点が、第1の実施形態と異なる。図10に示すように、精製工程S6を設けた点は第2実施形態と同様である。
図11のように、気体状塩化亜鉛(F1)は、金属亜鉛/金属マグネシウム合金層C1内で金属マグネシウムと反応し、生成金属亜鉛は合金層内に取り込まれ、生成塩化マグネシウムは合金層よりも比重が小さいので上部に浮上し、塩化マグネシウム層C2を形成する。この場合、第2実施形態のような合金液滴は生じない。塩化マグネシウムは、このままあるいは精製工程の塩化マグネシウムと共に、次の電解工程に移送し使用される。しかし、生成亜鉛は合金層に取り込まれているので、直接的に取り出して亜鉛として使用することはできず、精製が必要である。
(精製工程RF:S6)
図12に示すように、置換反応炉48内の金属亜鉛と金属マグネシウムとの合金C1を精製炉50に移送(F5)し、塩化亜鉛(F1)を送入する。塩化亜鉛は合金C1中の金属マグネシウムと反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムC4となる。金属亜鉛と金属マグネシウムとの合金C1は、全て金属亜鉛C3となる。塩化マグネシウムは合金層や金属亜鉛層よりも比重が小さいので上部に浮上し、塩化マグネシウム層C4を形成する。この塩化マグネシウムC4は、このまま次の電解工程に移送し(F3)使用される。
次に、本発明の第4実施形態について図13〜15を参照しながら詳細に説明する。凝縮工程を置換反応工程の前段に設けた点が、上記各実施形態と異なる。図13は、分離工程で分離された塩化亜鉛(F1)を溶融塩としての塩化マグネシウム中で凝縮し混合塩化物とした後、その混合塩化物と金属マグネシウムとを置換反応させ、金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成する工程図を示している。図14に示すように、置換反応炉48から凝縮炉51へ塩化マグネシウムを移送(F6)し、塩化亜鉛を凝縮させ塩化マグネシウムとの混合塩とする。次に、その混合塩を置換反応炉48に移送(F5)し、電解槽49で生成した金属マグネシウムを投入(F2)することにより、混合塩化物中の塩化亜鉛と金属マグネシウムとを反応させ、置換反応を行なう。生成物の塩化マグネシウムは電解槽49に及び凝縮炉51移送され(F3,F6)、金属亜鉛は金属亜鉛貯槽44に移送され(R2、F4)、各工程で再利用される。
(凝縮工程CD:S7)
図15(a)のように、凝縮炉51に塩化マグネシウムC1を予め入れておく。塩化マグネシウム層C1の高さは、塩化亜鉛または塩化亜鉛と金属亜鉛の凝縮が完了するのに充分必要な高さにしておく。
塩化亜鉛(F1)を塩化マグネシウム層C1の下部から送入し塩化マグネシウムの中に凝縮させると、図15(b)のように塩化亜鉛は塩化マグネシウムとの混合塩化物C2となる。所定の混合割合になったとき混合塩を置換反応炉48に移送(F5)し、そこで混合塩化物C2中の塩化亜鉛と電解槽49からの金属マグネシウム(F2)とを反応させることにより、金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させる。また、凝縮時の凝縮熱や塩化亜鉛の顕熱等により炉内温度が所定の温度より高くなるときには、溶融塩化物を冷却する。なお、混合塩化物は、塩化亜鉛を溶融塩中で凝縮する他、混合により生成しても構わない。
次に、本発明の第5実施形態について、図16、17を参照しながら詳細に説明する。第4実施形態では溶融塩としての塩化マグネシウム中に塩化亜鉛を凝縮させたが、本実施形態では図16,17に示す如く、溶融塩として塩化マグネシウム電解槽の浴塩を使用した例を説明する。なお、溶融塩として、塩化マグネシウムと他の塩化物、例えば、塩化マグネシウム以外のアルカリ金属塩化物、あるいはアルカリ土類金属塩化物から1つ以上選ばれた塩化物の混合塩化物、あるいは一般の塩化マグネシウムの溶融塩電解の浴塩を使用することもできる。また、特に好ましくは、塩化マグネシウムの他に、塩化ナトリウムのような完全解離型のアルカリ金属の塩化物が1つ以上含まれていることが好ましい。
(凝縮工程CD:S7)
図17(a)のように、凝縮炉51に塩化マグネシウムを含む浴塩C1を予め入れておく。混合塩化物層の高さは、塩化亜鉛または塩化亜鉛と金属亜鉛の凝縮が完了するのに充分必要な高さにしておく。
塩化亜鉛(F1)を浴塩C1層の下部から送入し、浴塩C1中に凝縮させると、図17(b)のように、塩化亜鉛は浴塩C1との混合塩化物C2となる。所定の混合割合になったとき、浴塩C2を置換反応炉48に移送(F5)し、そこで浴塩中の塩化亜鉛と電解槽49からの金属マグネシウム(F2)とを反応させることにより、金属亜鉛と塩化マグネシウムを含む浴塩を生成させる。本実施形態では、塩化マグネシウムを含む浴塩を電解槽49に移送し(F3)、電気分解を行う。そして、電気分解により金属マグネシウムが分離された浴塩は、凝縮炉51に移送され(F6)、凝縮工程で再利用される。
ところで、図9のC1あるいは図8(b)のC4に示すように、一部金属マグネシウムを含んだ金属亜鉛は、金属マグネシウムと金属亜鉛との比重差が大きい(温度によって異なるが、前者は7前後、後者は1.5前後)。そのため、あまり撹拌や熱対流を起こさなければ、又は、拡散以外の力があまり働かない通常の処理速度であれば、実際上は、金属亜鉛上層部の亜鉛/マグネシウム合金部分とより下層の金属亜鉛部分とは混合されにくい。その場合、図18aに示すように、金属亜鉛層C4で金属マグネシウム濃度の分布に差が生じ、金属亜鉛層C4は金属マグネシウム濃度が高い部分C8と、金属マグネシウム濃度が低くほぼ金属亜鉛である部分C9とに分離した状態となる。
そこで、その効果を利用するため、図18bに示すような置換反応炉80により、合金層部分と金属亜鉛層部分との分離効率化を図った。この置換反応炉80は、開口部82xのある仕切部材としての仕切板82を設けて複数の部屋(段部)を鉛直方向に並べて設けている。同図の例では、金属亜鉛層が開口部82xで連通している上下2部屋構造となっている。上部屋には金属亜鉛中に金属マグネシウム濃度が高い部分C8があり、下部屋には金属マグネシウム濃度が低くほぼ金属亜鉛C9である。下部から塩化亜鉛(F1)が送入されると、気泡となって下部屋を通り、開口部82xを上昇し、一部の塩化亜鉛は上部屋の合金中の金属マグネシウムと反応して、金属亜鉛と塩化マグネシウムとなる。金属亜鉛は周囲の金属亜鉛と一体となり、塩化マグネシウムは上部の塩化マグネシウム層C5と一体となる。未反応の塩化亜鉛は、さらに塩化マグネシウム層C5を上昇し、上部の金属マグネシウム層C6と置換反応を行う。図18cには、図9に上記効果を取り入れた置換反応炉80と精製炉50との連結を示した。
次に、図18dに、図12と比べて精製炉50に送られる亜鉛/マグネシウム合金(F5)中の金属マグネシウム分をできるだけ減少させようとした場合を示す。金属マグネシウム(F2)は、合金層部分C1のできるだけ上部C6に送入し、金属亜鉛は上述のように金属マグネシウム濃度が低くなった部分C5から精製炉50に送られる。
さらに、図18eのように、上述の置換反応炉80を用いて、合金層部分と金属亜鉛層部分との分離効率化を図ることもできる。仕切板82上部の部屋は亜鉛/マグネシウム合金層C6とし、下部の部屋には金属亜鉛層C5とする。合金中の金属マグネシウムは、その下方の方が塩化亜鉛と反応しやすいので、上部屋は下方の方が金属亜鉛の濃度は高い。そして、反応が継続すれば生成金属亜鉛が増えるので、金属亜鉛の濃度が高い(金属マグネシウムの濃度の低い)合金が下部屋に移り、精製炉50に移送される(F7)。
さらに、仕切板82の数を増やすことによって、金属亜鉛の濃度は下方の方がより高くなるので、置換反応炉内で必要純度の金属亜鉛を得ることができ、置換反応炉と精製炉とを一体にすることが可能となる。
具体的には、図19に示すような多部屋構造の置換反応炉80aとした。置換反応炉の合金層部分が上下方向に2以上の部屋を持ち、塩化亜鉛は下部屋側から上部屋に送入する構造である。図19では、合金層に4組の仕切板82により5部屋81a〜81eを設けている。金属マグネシウムを上部の部屋81bに送入(F1)し、塩化亜鉛を下部の部屋81dに送入(F2)するとよい。これらは一箇所で無く、上下に複数設置しても構わない。部屋81dに送入された塩化亜鉛(F2)は、気泡となって開口部82xを経由しながら、各部屋に金属マグネシウムが存在すればそれと置換反応をしながら上方に移動し、部屋81aで全量反応する。これらの結果、各部屋の金属マグネシウム濃度は下方に行くにしたがって小さくなる。移送される亜鉛である最下層の部屋の金属マグネシウム濃度が必要な濃度(できるだけ低い方が望ましい)になるように、部屋の数を決める。このようにして、図9あるいは図12での精製炉50経由で得られる金属亜鉛に比べて純度はやや劣るが充分に満足の得られる金属亜鉛が得られる。すなわち、反応炉内に向流で反応を行わせる段部を複数備えることにより、上方から金属マグネシウムを導入し、下方から塩化亜鉛を導入し、置換反応と精製反応を同じ反応器の中で行うことができる。
さらに、これより金属亜鉛の純度を高めかつ連続的に操業するための方法の一つとして、図20に示すような連続置換反応炉80bがある。これは、蒸留操作に用いられるような泡鐘式棚段塔である。一例として5段の泡鐘を持った棚段塔を示した。棚段83は、液体を貯蔵する貯蔵層89を形成する棚板84と、貯蔵層から溢れた液体を下段の貯蔵層へ誘導する連通路87とを備える。棚板84には、炉内に送入された塩化亜鉛を貯蔵層へ導入する導入部としての泡鐘84aが設けられている。また、棚板83には、堰85と、連通路87を形成する仕切板86とが設けられている。炉内には、各棚板84の下方に設けた送入部(F3〜F6)から塩化亜鉛が送入される。液体は上から下に、気体の流れは下から上に流れる。なお、この流動は、以下の反応炉80c,80dでも同様である。
まず、上部から金属マグネシウムが投入(F1)され、貯蔵層89aに溜まる。下の棚段83bからの塩化亜鉛ガスは泡鐘84aで気泡となり、貯蔵層89aに導入される。ここで、気液接触により置換反応が行われる。生成した亜鉛と塩化マグネシウムは、反応が進むにつれ量が増えるので、仕切板86を越えて、連通路87を介して下の貯蔵層89bに流れ落ちる。また、これら生成物よりマグネシウムの比重は小さいので、堰85を設けることで下層の生成物がオーバーフローするようにしてある。そして、順次下段に流れ落ちながら置換反応が各棚で繰り返される。金属亜鉛に金属マグネシウムが含まれている場合でも、下段に行くに従い順次塩化亜鉛により金属マグネシウムが反応除去され、金属亜鉛の純度が高まって行く。そして、塔の最下部89zに金属亜鉛が溜まる。金属亜鉛の上層に塩化マグネシウムが浮くこともあるので、これらは別々(金属亜鉛(F7)、塩化マグネシウム(F8))に抜き取られる。また、それらの分離を促進するための清澄板90を設置してもよい。
図21は、図20の泡鐘84aが設置されている棚板84(トレイ)を導入部としての気孔91xが形成された気孔板91に変更した連続置換反応炉80cである。この置換反応炉80cでは、塩化亜鉛は送入部(F3〜F8)を介して炉内へ送入され、気孔91xを介して各貯蔵層89に導入される。そして、上記と同様に置換反応が各棚で繰り返される。気孔板91は気液接触効率が良いので、例えば泡鐘84aを備えた棚板84と、気孔板91を混在させても構わない。また、置換反応炉80b,80cにおいて堰85を設けたが、気液接触が良好である場合、省略しても構わない。塩化亜鉛の送入部は、置換反応の状況等に応じて適宜設ければよい。
図22は、棚段に替えて充填層93a〜93cを設置した連続置換反応炉80dの例を示している。この置換反応炉80dは、複数段の充填層93a〜93cが鉛直方向に並べて設けられ、各充填層93a〜93cの下方に塩化亜鉛を炉内へ送入する送入部(F3〜F5)が設けられている。充填層93a〜93cは、反応温度および物質により侵食されないもの、例えば、高純度SiCなどのセラミックス、高純度カーボンなどでできたラシヒリング形状やメッシュ状固体充填物で、この表面に液体を流し、接触面積の増加を図り、気液接触の効率を上げたものを用いる。上部から投入(F2)された金属マグネシウムは充填層93aの表面を濡らし、そこで下からの塩化亜鉛と置換反応を行い、金属亜鉛、塩化マグネシウムを生成する。未反応の金属マグネシウムや生成物の金属亜鉛、塩化マグネシウムは、順次下に流れ落ち充填層93bに達し、置換反応が各棚で繰り返される。このように、反応炉内に向流で反応を行わせる場所を複数の棚段あるいは充填層とし、上方から金属マグネシウム、下方から塩化亜鉛を向流で導入し、上方部では置換反応を主として行わせ、下方部では精製反応を主として行わせるようにそれらの反応を上部から下方に向かって段階的に行わせることで、置換反応と精製反応を同じ反応器の中で行うことができる。なお、段部(部屋)、棚段84、充填層93は、分離する金属亜鉛の必要純度にまで高めることのできる段数を設定すればよい。
また、回収した金属亜鉛の純度が問題になるときは、不純物の除去が必要であるが、これには主要に金属亜鉛からの不純物除去と金属マグネシウムからの不純物除去がある。金属マグネシウムからの不純物除去については、フィルトレーション法、蒸発法(蒸留法)、電解精製法などで行うことができる。金属亜鉛からの不純物除去は、金属マグネシウムと同様の方法を採ることももちろん可能であるが、次に四塩化珪素の還元反応を行うために気体状態にする場合には、蒸発法(蒸留法)で行うことが好ましい。また、塩化亜鉛が金属マグネシウムと置換反応をする際、あるいは、置換反応炉の温度維持のためスタートアップ時を除き冷却する必要があるが、その除去熱は亜鉛が再度反応に使用されるとき液体から気体状態にするので、その際の加熱源として使用しても良い。
ここで、第2群の方法、還元、捕集、分離の工程に適用する場合を以下に説明する。第1群では主要にクロルシランの還元工程(S2)、分離工程(S3)、置換反応工程(S4)の順に行い、最終的に塩化マグネシウムを電気分解する工程(S5)で塩素と金属マグネシウムを生成し、全体としてクローズドサイクルを形成した。第2群では金属マグネシウムあるいは塩化マグネシウムを還元過程に利用することにより、置換反応工程(S4)をクロルシランの還元の直後、あるいは還元工程(S2)の次に適用する。その後、多結晶シリコンと塩化マグネシウムとの分離工程(S3)を経て、多結晶シリコンと塩化マグネシウムとなる。塩化マグネシウムは電気分解工程(S5)で塩素と金属マグネシウムを生成し、全体としてクローズドサイクルを形成する。
なお、以下の第2群の方法において、例として示した噴霧捕集用、生成物捕集用などの塩化マグネシウムはこれに限定するものではなく、前述した混合溶融塩で置き換えても構わない。
まず、本発明の第6実施形態について、図23〜25を参照しながらさらに詳細に説明する。図23は本発明の基本的な工程図を示しており、還元反応工程において生成した塩化亜鉛を次の置換反応工程において処理する場合を示している。図24はその工程を装置を用いて表し、図25は還元反応工程を、図26は還元反応工程と置換反応工程を詳細に表している。本実施形態では、クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンと塩化亜鉛とを生成し、これらの反応生成物を溶融塩中に捕集する還元反応工程S2,反応生成物を溶融塩中に捕集した状態で塩化亜鉛と金属マグネシウムとを反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成する置換反応工程S4,残余の溶融塩から多結晶シリコンを取り出す分離工程S3が上記実施形態と異なり、残余の溶融塩から分離した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成する。この塩素はクロルシランの製造用に使用し、金属マグネシウムは塩化亜鉛との反応に使用する点は同じである。これらの点について以下説明する。
(還元反応工程RD:S2)
図25(a)は当初の還元反応炉65を示す。還元反応炉65は、上層が溶融塩化マグネシウムC2、下層が溶融金属亜鉛C1である2層の液体層からなる。クロルシラン(F1)を金属亜鉛層C1に送入し反応させる。図25(b)では、反応により塩化亜鉛とシリコンが生成し、塩化マグネシウムと塩化亜鉛の混合塩C4となる。この溶融塩としての混合塩C4に塩化亜鉛とシリコンが捕集される。この混合塩中には金属亜鉛が物理的溶解度の範囲内で幾分か溶解するので、金属亜鉛中を未反応で抜けた四塩化珪素ガス(F1)との反応が混合塩中でも行われ、ここで反応は完結する。生成した多結晶シリコンは混合塩C4中に懸濁(捕集)する。図26では、混合塩C4は置換反応炉68に移送(F6)され、減少した塩化マグネシウムは還元反応炉65に追加(F5)される。なお、「塩化亜鉛とシリコンが捕集される」とは、溶融塩中に存在していればよく、その形態は後の工程で分離可能であれば特に限定されない。
(置換反応工程SB:S4)
図26に示すように、置換反応炉68では、移送された混合塩C4中の塩化亜鉛は、上層の金属マグネシウム層C7と置換反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムとなる。この反応生成物の塩化マグネシウムは、混合塩C4中にあった塩化マグネシウムに加えられる(富化される)ことになり、金属亜鉛は沈降し下層の金属亜鉛C5と一緒になって多結晶シリコンが懸濁した溶融塩C6からは除かれる。金属亜鉛C5は還元反応炉65に戻され(F4)、再び四塩化珪素(F1)との反応に使用される。金属亜鉛が除去された塩化マグネシウムC6は、含有した多結晶シリコンと共に次の分離工程に移送(F3)される。また、置換反応炉68で減少した金属マグネシウムは、電解槽69から追加(F2)される。
(分離工程SP:S3)
分離工程に移送(F3)された多結晶シリコンを含有した塩化マグネシウムC6は、第1群と同様の設備で分離される。第1群では多結晶シリコンと塩化亜鉛の分離であったが、第2群では多結晶シリコンと塩化マグネシウムの分離である。図24に示すように、順次粗分離器66b、精密分離器66c、そして最終的にシリコン溶解炉67で多結晶シリコンがインゴットとして取り出され、塩化マグネシウムは凝縮器71bで凝縮され電解工程に移送される。粗分離器66bで分離された塩化マグネシウムは、還元反応炉65に移送(F5)され、還元反応工程で利用される。
なお、塩化マグネシウム中の塩化亜鉛濃度が一定以上になりすぎると、四塩化珪素と金属亜鉛の反応性が低下してくる可能性があるので、塩化マグネシウム層上部に金属マグネシウム層を存在させ、所定の濃度を超えた塩化亜鉛は、上層の金属マグネシウムと塩化置換反応により消費させて、塩化亜鉛濃度を一定に保つことも可能である。
次に、本発明の第7実施形態について、図27、28を参照しながら詳細に説明する。第6実施形態ではクロルシランが液体亜鉛と還元反応をしたが、本実施形態ではクロルシランと亜鉛が気相で還元反応を行い、生成シリコンと塩化亜鉛ガスを上部から噴霧した溶融塩化マグネシウム中に凝縮、混合させる。図27はその工程を装置を用いて表し、図28は還元反応工程と置換反応工程を詳細に表している。
(還元反応工程RD:S2)
図28に示すように、還元反応炉65では四塩化珪素(F1)と亜鉛(F2)を気相反応させ、シリコンと塩化亜鉛を生成させた後上部から噴霧ノズル74により溶融塩化マグネシウム(F3)を噴霧し、生成塩化亜鉛ガスを凝縮し、生成シリコンとともに溶融塩化マグネシウムC2中に取り込む。四塩化珪素と金属亜鉛との反応により発熱するので、生成物を混合した溶融塩化マグネシウムの温度が上がり過ぎないように噴霧前に融体(塩化マグネシウム)の冷却装置を設けできるだけ温度を低くし、かつ、生成物に対して大量の塩化マグネシウム量とする。四塩化珪素と金属亜鉛は900〜950℃で気相反応を行うが、塩化マグネシウム中に取り込み後は温度が下がる。そのため、所定のシリコン粒の大きさやシリコン形状の形成に必要な時間を経過した後に、噴霧した溶融塩化マグネシウムの中に反応生成物を取り込む。また、過剰の金属亜鉛も溶融塩化マグネシウムC2の下層C1に凝縮する。
(置換反応工程SB:S4)
次に、還元反応炉65内で反応生成物を取り込んだ溶融塩化マグネシウムと未反応金属亜鉛を次の置換反応炉68に移送(F5)する。そして、混合塩C4中の塩化亜鉛と上層の溶融金属マグネシウムC5とを充分に反応させ、塩化マグネシウムと金属亜鉛にする。懸濁した多結晶シリコンを含む塩化マグネシウムは、次工程の分離・回収工程に移送(F6)する。
金属亜鉛は、還元反応炉65から移送された未反応の金属亜鉛と一体の金属亜鉛層C3となる。この金属亜鉛C3は図27の亜鉛貯槽64に移送され還元反応に再使用される。置換反応に消費された金属マグネシウムは補充(F4)する。
また、金属亜鉛C3を底部から抜き取る(F7)ときに塩化マグネシウムC4の一部が混入することがある。そこで、図28に、分離ポット73に移送し、塩化マグネシウムと金属亜鉛を分離する例を示している。一旦分離ポット73に移送し、比重で分離されるのを待つ。分離された塩化マグネシウムは還元反応炉65へ移送され(F8,F3)、分離した金属亜鉛は亜鉛貯槽64に移送される(F9)。これらは、還元反応工程で再使用される。
次に、本発明の第8実施形態について、図29〜31を参照しながら詳細に説明する。図29は還元炉と置換炉を一体化した場合で、溶融塩の介在下で、クロルシランの亜鉛による還元反応および金属マグネシウムによる塩化亜鉛の塩化置換反応処理を行い、次に、塩化マグネシウム中の生成シリコンを分離する場合を示している。図30はその工程を装置を用いて表し、図31は還元反応工程と置換反応工程を詳細に表している。第6、7実施形態では、クロルシランが亜鉛と還元反応をした後、溶融塩に捕集混合された塩化亜鉛の置換反応を別の場所で行ったが、本実施形態では、還元反応と置換反応を同一の装置内で行う。
(還元反応工程RD:S2)(置換反応工程SB:S4)
図31(a)は、当初の還元反応炉65を示す。上層が溶融金属マグネシウムC3、中層が溶融塩化マグネシウムC2、下層が溶融金属亜鉛C1である3層の液体層からなる。四塩化珪素(F1)を金属亜鉛層C1に送入すると、図31(b)に示すように、反応により塩化亜鉛が生成し、塩化マグネシウムと塩化亜鉛の混合塩C5となる。また、混合塩C5中に金属亜鉛が幾分か溶解するので、金属亜鉛C4中を未反応で抜けた四塩化珪素ガスの反応が混合塩C5中でも行われ、ここで反応は完結する。生成した多結晶シリコンおよび塩化亜鉛は混合塩C5中に捕集される。その後、塩化亜鉛は上層の金属マグネシウムと塩化置換反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムが生成する。塩化マグネシウムは混合塩C5中に取り込まれ、金属亜鉛は下層の金属亜鉛層C4に沈積する。このようにして金属亜鉛の量は変わらず、塩化マグネシウムが増える。あたかも、SiCl4+2Mg→Si+MgCl2 の反応が起こっているように見える。反応終了後、多結晶シリコンを含有する塩化マグネシウムを分離工程に移送(F4)する。なお、金属マグネシウム(F2)及び塩化マグネシウム(F3)は、上記第6,7実施形態と同様に供給される。
次に、本発明の第9実施形態について、図32〜34を参照しながら詳細に説明する。第6〜第8実施形態では、クロルシランが亜鉛と還元反応をした後、生成した多結晶シリコンおよび塩化亜鉛が混合塩中に捕集される場合を示したが、本実施形態では、多結晶シリコンは溶融塩中に捕集されるが塩化亜鉛は気体状態で処理工程に移送される場合を示す。すなわち、クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンを溶融塩中に捕集し、塩化亜鉛を気化状態で溶融塩から分離し、溶融塩から多結晶シリコンを分離して取り出し、分離した塩化亜鉛を金属マグネシウムと反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させる。
図32は、還元反応工程において塩化亜鉛が気体状態で還元反応系外に出ていき、生成シリコンは塩化マグネシウム層に取り込まれる場合を示している。図33は、その工程を装置を用いて表し、図34は、還元反応工程を詳細に表している。
(還元反応工程RD:S2)
図34(a)で、還元反応炉65は上層が溶融塩化マグネシウムC2、下層が溶融金属亜鉛C1である2層の液体層からなり、四塩化珪素(F11)を金属亜鉛層C1に送入し、還元反応を行う。ここで、溶融塩を塩化亜鉛が気体状態となる温度以上にしておくので、図34(b)の如く、塩化亜鉛は気体状態で塩化マグネシウム層C4の上方に抜けて行き、溶融塩としての塩化マグネシウム層C4から分離される。一方、生成多結晶シリコンは、塩化マグネシウム層C4に取り込まれる。塩化亜鉛は、次の置換反応工程に移送(F13,F1)され処理される。生成多結晶シリコン含有塩化マグネシウムC4は、分離工程に移送(F14)される。なお、置換反応工程は、気体状態の塩化亜鉛の置換反応処理なので、第1群で行なった置換反応処理と同様に行えばよい。例えば、第1実施形態の図5bを利用すればよい。
図34(b)には、気体状塩化亜鉛と共に塩化マグネシウム蒸気が還元反応炉から出て行く場合(F13)を示す。この場合は塩化マグネシウム凝縮器71aで冷却し、塩化亜鉛のみ次の置換反応工程に移送(F1)され、冷却液化された塩化マグネシウムは、還元反応炉65に戻される(F16)。そして、分離した塩化亜鉛(F1)は、置換反応炉68で塩化マグネシウムと金属亜鉛となる。生成した塩化マグネシウムは電解槽69で塩素と金属マグネシウムとなり、それぞれがクロルシランの製造、置換反応用に使用される。置換反応炉68で生成した金属亜鉛は、還元反応炉65でクロルシランとの反応に使用される(F4,F12)。このようにして、全体としてクローズドサイクルを形成する。
次に、本発明の第10実施形態について図35、36を参照しながら詳細に説明する。第9実施形態ではクロルシランと金属亜鉛の還元反応において、金属亜鉛が溶融状態であったが、本実施形態では気相反応の場合を示している。図35は、四塩化珪素と金属亜鉛が気相反応をし、生成シリコンを上部から噴霧した溶融塩化マグネシウム中に捕集し、塩化亜鉛は気体状態で還元炉から出て行く場合を、装置を用いて表している。図36は、還元反応工程を詳細に表している。
(還元反応工程RD:S2)
図36に示すように、還元反応炉65で四塩化珪素(F11)と亜鉛(F12)を気相反応させ、シリコンと塩化亜鉛を生成させた後、上部から噴霧ノズル74により溶融塩化マグネシウム(F15)を噴霧し、塩化亜鉛ガスを凝縮し、生成シリコンとともに塩化マグネシウムC1中に取り込む。この場合、反応系内は塩化亜鉛が気体状態となるような温度以上にしておくので、塩化亜鉛と過剰の金属亜鉛は気体状態で還元反応炉65から出て行く。これらは、次の置換反応工程に移送(F13,F1)され処理される。生成多結晶シリコン含有塩化マグネシウムC1は、分離工程に移送(F14)される。なお、本工程は、第7実施形態と同様の条件で気相反応を行うことができる。また、各移送路の接続は、上記第9実施形態と同様の構成である。
撹拌機付き容器に塩化亜鉛450gと塩化マグネシウム300gの混合塩を入れ、700℃に昇温し溶解した。その後、撹拌しながら、上部から金属マグネシウム75gを徐々に投入した。全て投入後30分撹拌を続けた後、室温まで冷却し、金属亜鉛180gを回収した。次に、上記金属マグネシウムに代えて金属亜鉛10%を含有する金属亜鉛と金属マグネシウムとの合金にて同様の実験を行い、金属亜鉛を190g回収した。さらに、上記塩化マグネシウムに代えて、塩化マグネシウムと塩化カルシウムと塩化ナトリウムが重量比でそれぞれ2:3:5である混合塩300gを塩化亜鉛450gと混合して、上記と同じ方法で実験を行った。投入金属が金属マグネシウムの場合も、金属亜鉛と金属マグネシウムの合金の場合も、同様の結果を示した。
950℃に維持した石英製反応器に、亜鉛ガスの方がモル比で10%多くなるように950℃にした四塩化珪素ガスと亜鉛ガスを送入し、還元反応を行い、生成物を冷却固化し、シリコンと塩化亜鉛を得た。次に、このシリコン含有塩化亜鉛を420℃に昇温溶解し、これを液体サイクロンを利用して固液分離した。大小2器のサイクロンを利用し、シリコン濃度は約30%まで上昇した。次に、高温用遠心分離器を使用して、シリコン濃度は約50%まで上昇した。そして、このシリコンが濃縮された塩化亜鉛を高周波コイル内に設置された内径30mmのコールドクルーシブルを使用して溶解し、シリコンインゴットを得た。塩化亜鉛は蒸発し、凝縮用容器で冷却固化し回収した。
固体シリコンをシードとする流動層において、亜鉛ガスの方がモル比で10%多くなるように950℃にした四塩化珪素ガスと亜鉛ガスを送入し、900℃で還元反応を行った。増粒されたシリコンは流動層から取り出し、残留塩化亜鉛と共に高周波コイル内に設置された内径30mmのコールドクルーシブルに移送して溶解し、シリコンインゴットを得た。残留塩化亜鉛は、還元反応器から置換反応炉に移送される塩化亜鉛に合流させた。また、生成塩化亜鉛は気体として未反応金属亜鉛と共に還元反応器から排出され、上部に金属マグネシウム、中間に塩化マグネシウムと塩化カルシウムと塩化ナトリウムが重量比でそれぞれ2:3:5の混合塩、下部に金属亜鉛が700℃で溶解した状態である置換反応器の下部に送入した。反応後、未反応亜鉛は下部の金属亜鉛層と一体となり、中間部の混合塩中には塩化マグネシウムの割合が増え、上部の金属マグネシウムは減量していた。そして、この得られた金属亜鉛は、再度四塩化珪素との反応に使用した。また、塩化マグネシウムが増えた混合塩を溶融塩電解し、塩素とマグネシウムを生成させた。そして、この塩素は金属珪素を塩化し、四塩化珪素を製造することができた。また、金属マグネシウムは、上記分離した塩化亜鉛との反応に使用することができた。
円筒形容器に金属亜鉛、塩化マグネシウムを入れ、730℃に昇温し溶解した。その後、四塩化珪素を蒸発させ900℃まで昇温して最下部から送入した。約5時間挿入し、塩化亜鉛とシリコンを生成させた後、シリコンが含有した塩化亜鉛と塩化マグネシウムの混合塩とを別の同形状の置換反応器に移送し、730℃に保った。次に、上部から金属マグネシウムを入れ、置換反応を起こさせ、金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させた。この生成した金属亜鉛は、上記四塩化珪素との反応に使用した。また、残ったシリコンが含有した溶融塩化マグネシウムを分離工程に導き、実施例2と同じ装置を使用して、シリコンインゴットを得た。
円筒形容器に塩化マグネシウムを入れ、800℃に昇温し溶解した。その後、亜鉛ガスの方がモル比で10%多くなるように四塩化珪素ガスと亜鉛ガスを混合反応させた後、塩化マグネシウム中に送入した。塩化亜鉛と未反応金属亜鉛は、塩化マグネシウム層で凝縮せず反応容器頂部の出口から気体として出て行き、これらを金属マグネシウムと塩化マグネシウムが溶解している置換反応器の下部から送入させた。塩化亜鉛は金属マグネシウムと反応し、金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成し、未反応金属亜鉛は置換反応器下部の金属亜鉛と一体となった。一方、還元反応器のシリコンが含有した溶融塩化マグネシウムを分離工程に導き、実施例2と同じ装置を使用してシリコンインゴットを得た。蒸発した塩化マグネシウムを凝縮後に溶融塩電解槽で電気分解し、塩素と金属マグネシウムを得た。この塩素は四塩化珪素の製造用に使用し、金属マグネシウムは上記塩化亜鉛との置換反応に使用した。
このように、本発明では目的の反応(ZnCl2+Mg→Zn+MgCl2)がどのような場合でも完遂されるよう考慮されている。上記各実施形態において、塩化亜鉛が気体状態の場合を例示したが、液体状態の場合も同様に反応は進む。但し、このとき塩化亜鉛は塩化マグネシウムのような塩化物と混合塩化物を形成するので、反応時には撹拌等を行い金属マグネシウムとの接触を促進してやることが望ましい。
本発明により、高純度シリコンを大量にしかも安価に製造できるのでソーラーセル基板用として利用できる。さらに、比較的純度の高い金属亜鉛を必要とする医薬あるいは農薬等の化学合成用還元剤としての金属亜鉛製造用途や、廃乾電池等の亜鉛を含む廃棄物からの亜鉛の回収などに利用可能である。あるいは反応生成金属が微粉末の場合、これを回収する際などにも本方法を利用することが可能である。
41:クロルシラン貯槽、42:塩素化炉、43a:クロルシラン蒸発器、43b:亜鉛蒸発器、44:亜鉛貯槽、45:還元反応炉、46a:塩化亜鉛凝縮器、46b:固液粗分離器、46c:固液精密分離器、47:シリコン溶解炉、47a:チャンバー、47b:蒸発ガス移送管、47c:分割水冷銅るつぼ、47d:高周波コイル、47e:プラズマトーチ、47f:プラズマ炎、47g:シリコン/塩化物混合物、47h:シリコンインゴット、47i:塩化物ガス、48:置換反応炉、49:塩化マグネシウム電解槽、50:精製炉、51:塩化亜鉛凝縮炉、61:クロルシラン貯槽、62:塩素化炉、63a:クロルシラン蒸発器、63b:亜鉛蒸発器、64:亜鉛貯槽、65:還元反応炉、66b:固液粗分離器、66c:固液精密分離器、67:シリコン溶解炉、68:置換反応炉、69:塩化マグネシウム電解槽、71a,71b:塩化マグネシウム凝縮器、73:分離ポット、74:噴霧ノズル、80、80a〜80d:置換反応炉、81a〜81e:部屋(段部)、82:仕切板、82x:開口部、83,83a〜83f:棚段、84:棚板、84a:泡鐘(バブルキャップ)、85:堰、86:オーバーフロー(ダウンカマー)用仕切板、87:連通路、89a〜89e:貯蔵層(液体)、89f:最下部、90:清澄板、91:気孔板、91x:気孔、92:最下部、93a〜93c:充填層

Claims (19)

  1. クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、
    クロルシランと金属亜鉛を反応させて得られる反応生成物から多結晶シリコンと塩化亜鉛とを分離し、分離した塩化亜鉛を金属マグネシウムと反応させることにより金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、
    生成した金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、
    生成した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、
    生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、
    生成した金属マグネシウムは前記分離した塩化亜鉛との反応に使用する多結晶シリコンの製造方法。
  2. 前記分離した塩化亜鉛と前記金属マグネシウムとの反応において、液体状態においては金属マグネシウム層と金属亜鉛層が溶融塩層により隔てられており、前記分離した塩化亜鉛は前記金属亜鉛層から導入される請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  3. 前記分離した塩化亜鉛と前記金属マグネシウムとの反応において、前記金属マグネシウムが金属亜鉛との合金であり、この合金中の金属マグネシウムを前記分離した塩化亜鉛と反応させる請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  4. 前記分離した塩化亜鉛を溶融塩中で凝縮あるいは混合し混合塩化物とした後、この混合塩化物中の塩化亜鉛を前記金属マグネシウムと反応させることにより前記金属亜鉛と前記塩化マグネシウムを生成させる請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  5. 前記多結晶シリコンは、前記反応生成物を固液分離装置及び蒸発溶解装置を経由させることで分離される請求項1記載の多結晶シリコンの製造方法。
  6. クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、
    クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンと塩化亜鉛とを生成し、これらの反応生成物を溶融塩中に捕集した状態で前記塩化亜鉛と金属マグネシウムとを反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、
    生成した金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、
    残余の溶融塩から多結晶シリコンを分離し、
    さらに残余の溶融塩から塩化マグネシウムを分離し、この分離した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、
    生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、
    生成した金属マグネシウムは前記塩化亜鉛との反応に使用する多結晶シリコンの製造方法。
  7. クロルシランと金属亜鉛を反応させ多結晶シリコンを製造する多結晶シリコンの製造方法であって、
    クロルシランと金属亜鉛とを反応させて多結晶シリコンを溶融塩中に捕集し、塩化亜鉛を気化状態で溶融塩から分離し、
    溶融塩から多結晶シリコンを分離し、
    分離した塩化亜鉛を金属マグネシウムと反応させて金属亜鉛と塩化マグネシウムを生成させ、
    生成した溶融塩中の金属亜鉛は前記クロルシランとの反応に使用し、
    生成した塩化マグネシウムを電気分解することによって塩素と金属マグネシウムとを生成し、
    生成した塩素は前記クロルシランの製造用に使用し、
    生成した金属マグネシウムは前記分離した塩化亜鉛との反応に使用する多結晶シリコンの製造方法。
  8. 前記溶融塩と前記金属亜鉛が2層の液体であり、前記金属亜鉛中に前記クロルシランを送入する請求項6記載の多結晶シリコンの製造方法。
  9. 上層に溶融金属マグネシウム、中層に溶融塩、下層に溶融金属亜鉛とからなる3層の液体に対し前記クロルシランを前記溶融金属亜鉛に送入し反応させることにより、前記多結晶シリコンと前記塩化亜鉛とを生成し、これらの反応生成物を前記溶融塩に捕集し、生成した塩化亜鉛が前記溶融金属マグネシウムと反応し、前記塩化マグネシウムと前記金属亜鉛とを生成し、生成した塩化マグネシウムは前記溶融塩に取り込まれ、生成した金属亜鉛は前記溶融塩の下部に沈積する請求項6記載の多結晶シリコンの製造方法。
  10. 前記クロルシランと前記金属亜鉛を気相で反応させて前記反応生成物を捕集する請求項6記載の多結晶シリコンの製造方法。
  11. 前記多結晶シリコンは、前記反応生成物を固液分離装置及び前記溶融塩の蒸発溶解装置を経由させることで分離される請求項6記載の多結晶シリコンの製造方法。
  12. 前記溶融塩は、前記塩化亜鉛が気体状態となる温度以上である請求項7記載の多結晶シリコンの製造方法。
  13. 前記溶融塩は、アルカリ金属塩化物及びアルカリ土類金属塩化物よりなる群から1つ以上選ばれる塩化物を少なくとも含有する請求項2,4,6〜12のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  14. 前記塩化亜鉛が未反応金属亜鉛を含んだ状態である請求項1〜12のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  15. 前記塩化亜鉛が気体である請求項1〜4,6〜12のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  16. 前記クロルシランが四塩化珪素である請求項1〜12のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法。
  17. 請求項1〜5のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法に用いる金属マグネシウムと塩化亜鉛とを反応させる反応炉であって、
    複数の段部を鉛直方向に並べて形成する仕切部材を設け、
    この仕切部材に前記複数の段部間で反応生成物を流動させる開口部を形成する反応炉。
  18. 請求項1〜5のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法に用いる金属マグネシウムと塩化亜鉛とを反応させる反応炉であって、
    複数の棚段を鉛直方向に並べて設け、
    各棚段は、液体を貯蔵する貯蔵層を形成する棚板と、前記貯蔵層から溢れた液体を下段の貯蔵層へ誘導する連通路とを有し、
    前記棚板の下方に前記塩化亜鉛を炉内へ送入する送入部を設け、
    前記棚板に送入した塩化亜鉛を前記貯蔵層へ導入する導入部を形成する反応炉。
  19. 請求項1〜5のいずれかに記載の多結晶シリコンの製造方法に用いる金属マグネシウムと塩化亜鉛とを反応させる反応炉であって、
    複数段の充填層を鉛直方向に並べて設け、
    各充填層の下方に前記塩化亜鉛を炉内へ送入する送入部を設ける反応炉。
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