JP2011195392A - 多結晶シリコンの連続精製方法、および亜鉛還元反応装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】亜鉛還元法によって四塩化珪素を還元して多結晶シリコンを製造する際に、連続して還元を行うと共に未反応の四塩化珪素と亜鉛の発生を抑えて多結晶シリコンの生成効率を高め、かつ未反応亜鉛と四塩化珪素、反応副生成物である塩化亜鉛を効率的に回収、再利用を行なう多結晶シリコンの連続精製方法の提供。
【解決手段】亜鉛還元法による多結晶シリコンの連続精製方法において、連続して精製四塩化珪素と亜鉛を接触させることにより、精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を連続して生成する工程、生成した塩化亜鉛に水を添加して亜鉛濃度が規定内の塩化亜鉛水溶液を生成する湿式反応工程、前記塩化亜鉛水溶液を電気分解して亜鉛と塩素に分離する電解工程、前記工程の未反応精製四塩化珪素および亜鉛を回収する工程、前記工程により回収された亜鉛、塩素、四塩化珪素のリサイクルの工程を有することを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】亜鉛還元法による多結晶シリコンの連続精製方法において、連続して精製四塩化珪素と亜鉛を接触させることにより、精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を連続して生成する工程、生成した塩化亜鉛に水を添加して亜鉛濃度が規定内の塩化亜鉛水溶液を生成する湿式反応工程、前記塩化亜鉛水溶液を電気分解して亜鉛と塩素に分離する電解工程、前記工程の未反応精製四塩化珪素および亜鉛を回収する工程、前記工程により回収された亜鉛、塩素、四塩化珪素のリサイクルの工程を有することを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は太陽電池用の多結晶シリコンを、亜鉛還元法により連続精製する方法に関するものである。さらには、その連続精製に用いる亜鉛還元反応装置に関するものである。
太陽電池の需要が高まるに伴って、その原料である太陽電池用シリコンの供給についての不安が高まってきている。従来、太陽電池用のシリコンには、高価な半導体用シリコンの規格外品やスクラップを元に製造されてきているため、今後の供給体制に関する不安定性が指摘されていた。また、元々高コストの製造方法である半導体用シリコンの製造過程を経ていることから、現在、低価格な金属シリコンから直接、太陽電池用シリコンを製造するプロセスを模索する動きが広がってきている。
そのような動きの中、高純度の多結晶シリコンを製造する方法は、従来から多くの製造方法が知られているが、低価格化を指向する中で注目されている方法に亜鉛還元法がある。
そのような動きの中、高純度の多結晶シリコンを製造する方法は、従来から多くの製造方法が知られているが、低価格化を指向する中で注目されている方法に亜鉛還元法がある。
この亜鉛還元法では粗金属シリコンから四塩化珪素を生成させた後に、これを蒸留操作によって精留して不純物を除いたうえで、亜鉛を還元剤として用いて四塩化珪素を還元して高純度化し、太陽電池用シリコンを製造するが、このプロセスでは四塩化珪素が還元されて多結晶シリコンを生成する際の副生物として塩化亜鉛が生じ、この塩化亜鉛は電解処理法によって亜鉛と塩素ガスに分離され、これらの亜鉛および塩素ガスは、それぞれ上流工程に送られ再利用することができる(例えば特許文献1参照)。従って亜鉛還元法は製造における物質のクローズド化を可能とする効率的なプロセスである。
このような亜鉛還元法に用いられるシリコン精製装置は、還元反応の過程において発生するガスおよび未反応ガスの分離回収の効率を改善し、精製された多結晶シリコンの収率を向上させるために種々の検討がなされてきている(例えば、特許文献2から5参照)。
特許文献2、3では、種結晶を用いて生成した精製シリコンを粒状またはバルク状に成長させて多結晶シリコンを形成する方法が開示されている。
特許文献2、3では、種結晶を用いて生成した精製シリコンを粒状またはバルク状に成長させて多結晶シリコンを形成する方法が開示されている。
一方、特許文献4では縦型反応装置を用いて原料の四塩化珪素ガスが、上向流を形成できるように配置されたシリコン塩化物ガス供給ノズルから吹き出し、40〜100mm/sの流速の上向流を形成し、上部から下降してくる還元材の亜鉛ガスと接触して還元反応を行い、シリコン塩化物ガス供給ノズルの周囲に、管状凝集多結晶シリコンを堆積させる生成方法が開示されている。
さらに特許文献5では、鉛直方向に立設した反応管内で、その側面から供給される亜鉛ガスによって、亜鉛ガスの供給口より下方から上方に向かって吐出される四塩化珪素ガスを還元してシリコン粉を生成する方法が開示され、キャリアガスを含むガス全体の反応管内での流速は生成したシリコン粉が落下して堆積する程度の流速(2.5cm/s程度)に調整されることが記載されている。
さらに特許文献5では、鉛直方向に立設した反応管内で、その側面から供給される亜鉛ガスによって、亜鉛ガスの供給口より下方から上方に向かって吐出される四塩化珪素ガスを還元してシリコン粉を生成する方法が開示され、キャリアガスを含むガス全体の反応管内での流速は生成したシリコン粉が落下して堆積する程度の流速(2.5cm/s程度)に調整されることが記載されている。
しかし、亜鉛による四塩化珪素の還元反応は、通常気体同士の反応で行われるために、その供給物質の全量反応は困難であり、未反応の供給物資が生じ、その回収処理が必要となっている。そこで、この回収処理を容易にするためには、亜鉛還元反応、そのものの効率を高めることが先ず要求され、さらに亜鉛還元反応後の工程でガス状の供給物質である亜鉛、塩化亜鉛、四塩化珪素を如何に効率良く処理するかが課題となってくる。そのためには、物理的性質や化学的性質の差を利用して分離回収する方法を採用することとなるが、揮発性や液化した時の粘性、空気に触れた時の吸湿性など、その扱いには困難な点が多く、高効率、かつ合理的な回収には、その課題が山積している。
本発明は、亜鉛還元法によって四塩化珪素を還元して多結晶シリコンを製造する際に、連続して還元を行うと共に未反応の四塩化珪素と亜鉛の発生を抑えて多結晶シリコンの生成効率を高めようとするもので、かつ多結晶シリコンを連続して回収、取出すことによる高効率的な製造を行うために、亜鉛還元後の工程で回収される未反応亜鉛と四塩化珪素、反応副生成物である塩化亜鉛を効率的に回収、再利用を行なう多結晶シリコンの連続精製方法を提供するものである。
上記の課題を解決するための本発明の第1の発明は、粗金属シリコンを塩化処理した四塩化珪素を蒸留して不純物を分離した精製四塩化珪素と、亜鉛を接触させて前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を生成する多結晶シリコンの連続精製方法において、以下の(1)〜(7)の工程を有することを特徴とするものである。
(1)連続して精製四塩化珪素と亜鉛を接触させることにより、前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を連続して生成する工程。
(2)生成した前記塩化亜鉛に水を添加して塩化亜鉛水溶液を生成する湿式反応工程。
(3)前記(2)の工程で得た塩化亜鉛水溶液を電気分解して亜鉛と塩素に分離する電解工程。
(4)前記(1)の工程における未反応の精製四塩化珪素および亜鉛を回収する工程。
(5)前記(3)の工程により得られた亜鉛、および前記(4)の工程により回収された亜鉛のリサイクル工程。
(6)前記(3)の工程により得られた塩素のリサイクルの工程。
(7)前記(4)の工程により回収された四塩化珪素のリサイクルの工程。
(1)連続して精製四塩化珪素と亜鉛を接触させることにより、前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を連続して生成する工程。
(2)生成した前記塩化亜鉛に水を添加して塩化亜鉛水溶液を生成する湿式反応工程。
(3)前記(2)の工程で得た塩化亜鉛水溶液を電気分解して亜鉛と塩素に分離する電解工程。
(4)前記(1)の工程における未反応の精製四塩化珪素および亜鉛を回収する工程。
(5)前記(3)の工程により得られた亜鉛、および前記(4)の工程により回収された亜鉛のリサイクル工程。
(6)前記(3)の工程により得られた塩素のリサイクルの工程。
(7)前記(4)の工程により回収された四塩化珪素のリサイクルの工程。
本発明の第2の発明は、第1の発明における(1)の工程が、前記精製四塩化珪素のガスを、流速0.002〜0.01m/sの下降流により供給し、前記亜鉛のガスを、流速0.004m/sから0.02m/sの上昇流により供給することで混合、接触させて前記精製四塩化珪素の還元を連続して行われることを特徴とする多結晶シリコンの連続精製方法である。
本発明の第3の発明は、第1または第2の発明における(2)の工程が、100g/Lから200g/Lの亜鉛濃度を有する塩化亜鉛水溶液を生成することを特徴とする多結晶シリコンの連続精製方法である。
本発明の第4の発明は、第1から第3の発明のいずれかにおける(5)の工程が、前記(3)の工程により得られた亜鉛および前記(4)の工程により回収された亜鉛を、前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を生成する工程における亜鉛として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする多結晶シリコンの連続精製方法である。
本発明の第5の発明は、第1から第4の発明のいずれかにおける(6)の工程が、前記(3)の工程により得られた塩素を、粗金属シリコンの塩化処理の塩素として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする多結晶シリコンの連続精製方法である。
本発明の第6の発明は、第1から第5の発明のいずれかにおける(7)の工程が、前記(4)の工程により回収された精製四塩化珪素を、精製四塩化珪素を還元して高純度金属シリコンと塩化亜鉛を生成する工程における精製四塩化珪素として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする多結晶シリコンの連続精製方法である。
本発明の第7の発明は、四塩化珪素ガスを亜鉛ガスにより還元して高純度多結晶シリコンを生成する四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置であって、流速0.002〜0.01m/sの下降流を形成する四塩化珪素ガスを、流速0.004m/sから0.02m/sの上昇流を形成する亜鉛ガスにより還元反応を行う縦型反応容器を有し、前記縦型反応容器は、上部に、金属亜鉛投入部と、四塩化珪素投入部と、未反応の亜鉛ガスを回収する亜鉛排出口を備え、中央部に、前記金属亜鉛が気化した亜鉛ガスにより気化した四塩化珪素ガスを還元する反応部と、前記反応部の外側に位置して、反応部の温度を前記還元に適した温度に昇温、保持する加熱部と、前記還元反応により副生された塩化亜鉛を回収する塩化亜鉛排出口と、前記金属亜鉛投入部から連通した亜鉛供給管を備え、下部に、精製された高純度多結晶シリコンを貯留するシリコン回収部と、未反応の四塩化珪素ガスを貯留する四塩化珪素回収部を備えることを特徴とするものである。
本発明の第8の発明は、第7の発明における亜鉛供給管が、前記反応部に装入される先端部に、前記金属亜鉛を貯留する亜鉛たまりと、前記亜鉛だまりと連通した下方に開口した亜鉛ガス吹き出し口を備えることを特徴とする連続亜鉛還元反応装置である。
本発明によれば、以下に示す工業上顕著な効果を奏するものである。
1.多くの原料を循環使用することを可能にすることにより、比較的安価に多結晶シリコンを製造することができる。
2.未反応分として後工程に移行する亜鉛と四塩化珪素も効率的に回収でき、物質ロス、エネルギーロスを最小限に抑えたリサイクル利用が可能となる。
3.塩化亜鉛の処理が乾式で処理するのと比較し、吸湿性の強い塩化亜鉛を塩化亜鉛水溶液として取扱うことにより、塩化亜鉛の処理が容易になる。
4.亜鉛還元反応時に供給原料を上昇流、および下降流として供給する方法とすることにより、重力によって固体である多結晶シリコンの回収が可能となり、原料の供給を停止することなく、連続的に多結晶シリコンを製造することができる。
1.多くの原料を循環使用することを可能にすることにより、比較的安価に多結晶シリコンを製造することができる。
2.未反応分として後工程に移行する亜鉛と四塩化珪素も効率的に回収でき、物質ロス、エネルギーロスを最小限に抑えたリサイクル利用が可能となる。
3.塩化亜鉛の処理が乾式で処理するのと比較し、吸湿性の強い塩化亜鉛を塩化亜鉛水溶液として取扱うことにより、塩化亜鉛の処理が容易になる。
4.亜鉛還元反応時に供給原料を上昇流、および下降流として供給する方法とすることにより、重力によって固体である多結晶シリコンの回収が可能となり、原料の供給を停止することなく、連続的に多結晶シリコンを製造することができる。
太陽電池用シリコンの製造においては、所定の光電変換効率を発揮する性能を具備する事が前提となるため、太陽電池用に供される多結晶シリコンでは6〜7N相当の純度を確保することが求められる。本発明は、このような高純度を達成するため、四塩化珪素の亜鉛還元法による多結晶シリコンの製造方法を基盤としている。
本発明の高純度多結晶シリコンの製造工程は、大きく以下の5つの工程からなり、これらの工程全体ではクローズドサイクルが構成されている。
(a)粗金属シリコンの塩化、精製処理による精製四塩化珪素の生成
(b)精製四塩化珪素の連続亜鉛還元による多結晶シリコン、塩化亜鉛の生成
(c)塩化亜鉛と未反応原料の分離回収
(d)塩化亜鉛の水溶液化と塩化亜鉛水溶液の電気分解による亜鉛、塩素の回収
(e)各工程における生成物の再利用
(a)粗金属シリコンの塩化、精製処理による精製四塩化珪素の生成
(b)精製四塩化珪素の連続亜鉛還元による多結晶シリコン、塩化亜鉛の生成
(c)塩化亜鉛と未反応原料の分離回収
(d)塩化亜鉛の水溶液化と塩化亜鉛水溶液の電気分解による亜鉛、塩素の回収
(e)各工程における生成物の再利用
(a)の工程については、従来から行なわれているものであるが、本発明では、(b)の工程を連続処理とし、その連続処理をスムーズに進めるために、必要となる(c)、(d)の工程と、より生産効率を高めるために用いられる(e)の工程について、以下に詳細に説明する。
1.(b)の工程〔精製四塩化珪素の連続亜鉛還元〕
この工程では、図1に、その概略を示す本発明の精製四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置を用いる。図1において、1は連続亜鉛還元反応装置、5はシリコン回収部、10は加熱部、11は反応部、12は四塩化珪素投入部、12aは四塩化珪素回収部、13は金属亜鉛投入部、13aは亜鉛回収部、13bは亜鉛排出部、14は塩化亜鉛排出口、14a塩化亜鉛回収部、15は亜鉛供給管、15aは亜鉛だまり、15bは亜鉛吹き出し口、16はガス回収部である。
この工程では、図1に、その概略を示す本発明の精製四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置を用いる。図1において、1は連続亜鉛還元反応装置、5はシリコン回収部、10は加熱部、11は反応部、12は四塩化珪素投入部、12aは四塩化珪素回収部、13は金属亜鉛投入部、13aは亜鉛回収部、13bは亜鉛排出部、14は塩化亜鉛排出口、14a塩化亜鉛回収部、15は亜鉛供給管、15aは亜鉛だまり、15bは亜鉛吹き出し口、16はガス回収部である。
先ず、この工程では、原料となる精製四塩化珪素を、四塩化珪素供給装置(図示せず)から供給し、反応装置1の上部にある四塩化珪素投入部12から下降流として供給する。四塩化珪素の沸点は低温であるので供給後は、その全量がガスとして還元反応に供給される。
一方、還元を行う亜鉛も金属亜鉛投入部13から亜鉛供給管15を経て反応部11に設けられた亜鉛だまり15aに貯留される。その際亜鉛の昇華温度以上に熱せられて蒸気化され、ガスとして下向きに開口している亜鉛吹き出し口15bから下方に吹き出され、その後上昇流として還元反応に供給される。
一方、還元を行う亜鉛も金属亜鉛投入部13から亜鉛供給管15を経て反応部11に設けられた亜鉛だまり15aに貯留される。その際亜鉛の昇華温度以上に熱せられて蒸気化され、ガスとして下向きに開口している亜鉛吹き出し口15bから下方に吹き出され、その後上昇流として還元反応に供給される。
このように、原料ガスは下降流と上昇流をそれぞれ形成して還元反応に供給されるが、気体の比重は亜鉛より四塩化珪素のほうが大きいため還元反応領域では精製四塩化珪素は下降流を形成し、亜鉛は逆に上昇流を形成する。そのため、これらのガスは反応部11の還元温度領域内で連続的に混合、接触して還元反応を行い、主生成物として多結晶シリコン、副生成物として塩化亜鉛(ZnCl2)を生成する。なお、還元反応に必要なモル量は、亜鉛の方が多いために下方から上昇するガス流が強くなっている。
これらのガス流は、四塩化珪素ガスでは、0.002m/sから0.01m/sの下降流、亜鉛ガスでは0.004m/sから0.02m/sの上昇流の流速で混合、接触し合う場合において効率的な還元反応が連続して行われる。この条件から外れる場合では、どちらかの原料ガスが過剰となり、未反応の原料ガスの発生が増大する結果となり、多結晶シリコンの生成効率を低下させてしまう。
この還元反応で生成する多結晶シリコンは固体であり、図1では反応部11(反応部下部、側壁など)内に滞留し、原料ガス(四塩化珪素、亜鉛)の流れの中で結晶成長が進行する。
この反応部11内において結晶成長した固体の多結晶シリコンは、貯留され、定期的に反応部11の下部と接続されたシリコン回収部5に四塩化珪素ガスとともに回収される。シリコン回収部5は、ガス置換が可能な構造を有し、多結晶シリコンの回収後は不活性ガス雰囲気に置換される。この間、反応部11への原料ガスの供給は停止されることなく、連続的に供給されて還元反応が行われているので、連続した多結晶シリコンの製造が可能となる。
一方、塩化亜鉛は反応部11の中間部に塩化亜鉛排出口14を設けており、還元反応で多結晶シリコンと共に副生する塩化亜鉛ガスを排出する構造となっている。この塩化亜鉛ガスの比重は、亜鉛ガスと四塩化珪素ガスの間にあり、原料ガスの滞留を妨害することなく、副生成物の塩化亜鉛ガスは効率的に排出される。
この反応部11内において結晶成長した固体の多結晶シリコンは、貯留され、定期的に反応部11の下部と接続されたシリコン回収部5に四塩化珪素ガスとともに回収される。シリコン回収部5は、ガス置換が可能な構造を有し、多結晶シリコンの回収後は不活性ガス雰囲気に置換される。この間、反応部11への原料ガスの供給は停止されることなく、連続的に供給されて還元反応が行われているので、連続した多結晶シリコンの製造が可能となる。
一方、塩化亜鉛は反応部11の中間部に塩化亜鉛排出口14を設けており、還元反応で多結晶シリコンと共に副生する塩化亜鉛ガスを排出する構造となっている。この塩化亜鉛ガスの比重は、亜鉛ガスと四塩化珪素ガスの間にあり、原料ガスの滞留を妨害することなく、副生成物の塩化亜鉛ガスは効率的に排出される。
原料ガスとして供給される四塩化珪素は、液体状の四塩化珪素を四塩化珪素供給装置(図示せず)からポンプにより吐出され、反応部11の上部から還元反応に供給されるが、その融点が−70℃であるために、反応部11内では全量が四塩化珪素ガスとなっている。また、原料ガスの比重差、およびポンプの吐出条件から反応部11内では所定の流速の下降流を形成する。
一方、未反応の四塩化珪素は、その比重ならびに下降流に従い反応部11の下部に滞留することになり、精製した多結晶シリコンの回収時に、同時にシリコン回収部5に回収される。回収後、置換ガスの不活性ガス(Arガスが望ましい)により、四塩化珪素回収部12a、あるいはガス回収部16に運ばれ、他のガスと分離、回収されて、四塩化珪素供給装置(図示せず)に戻され、再利用される。
一方、未反応の四塩化珪素は、その比重ならびに下降流に従い反応部11の下部に滞留することになり、精製した多結晶シリコンの回収時に、同時にシリコン回収部5に回収される。回収後、置換ガスの不活性ガス(Arガスが望ましい)により、四塩化珪素回収部12a、あるいはガス回収部16に運ばれ、他のガスと分離、回収されて、四塩化珪素供給装置(図示せず)に戻され、再利用される。
次に、亜鉛は金属亜鉛の形態、すなわち固体で貯留だまり15aへ金属亜鉛投入部13から亜鉛供給管15を経て供給されるが、還元反応温度域にある亜鉛だまり15aに移動する間、および亜鉛だまり15aに貯留されている間に蒸気化して亜鉛ガスとなり、比重の差により上昇流を形成して反応に至るものである。
具体的に亜鉛の供給は、塊状あるいは粉状の金属亜鉛を図1に示すような先端に亜鉛だまり15aを備える亜鉛供給管15と接続した上部の金属亜鉛投入部13から適宜、連続して行い、亜鉛だまり15aに移動する間、あるいは貯留されている間に還元反応を行うために与えられる熱により気化され、亜鉛吹き出し口15bから供給される。ここで、この亜鉛吹き出し口15bが、図1のように下向きに設定されていると、四塩化珪素との還元反応により生成される固体の多結晶シリコンが亜鉛吹き出し口15bに堆積して詰まらせることもなく、連続した還元反応に寄与する。また、亜鉛ガスの下向き吹出しは下部に滞留しているシリコンの結晶成長にも有効である。
なお、亜鉛供給管15(亜鉛だまり15aを含む)は、耐食性に優れたSUSのような金属、あるいは石英ガラスなどで作られるが、使用するガスや発生するガスが腐食性が強いものであることから、使用する材質には耐食性を構造物としての強度を有する材料を使用することが望まれる。例えば、石英ガラスを用いる場合には、石英ガラスの失透を促進させる亜鉛ガスの性質により、微細加工品の長期連続使用には問題が生じる可能性があるため、特に亜鉛だまり15aの形状には配慮を要するが、図1のような逆N字形状に加工した場合には強度的なメリットがあり、下向き吹出しによる結晶成長作用も期待できるため、反応装置に有効な構造である。
一方、この還元反応に寄与できなかった亜鉛は未反応物として、その未反応物の大部分を反応部11の上部に設けられた亜鉛排出部13bから排出されて亜鉛回収部13aに貯留され、図2の分離回収装置2に送られ分離処理される、あるいはガス回収部16に貯留されて、同様に分離回収装置2に送られ他のガス成分と分離されて再利用される。
2.(c)および(e)の工程〔塩化亜鉛と未反応原料の分離回収、再利用〕
精製四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置1から排出、回収された各種ガスは、個々に分離回収しても良く、あるいは排出された各種ガスを集め、図2の分離回収装置2で一括処理しても良い。
図2に分離回収装置の一例を示すが、この分離回収装置2は、回収容器21と、図2のような回収容器21を起点とし上り勾配を持った接続配管部22、回収容器21を所定の温度に保持する加熱部20で構成される。なお、この回収容器21は、図1のガス回収部16をそのまま用いても良い。
精製四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置1から排出、回収された各種ガスは、個々に分離回収しても良く、あるいは排出された各種ガスを集め、図2の分離回収装置2で一括処理しても良い。
図2に分離回収装置の一例を示すが、この分離回収装置2は、回収容器21と、図2のような回収容器21を起点とし上り勾配を持った接続配管部22、回収容器21を所定の温度に保持する加熱部20で構成される。なお、この回収容器21は、図1のガス回収部16をそのまま用いても良い。
この分離回収装置2を使用した分離回収方法は、先ず回収容器21を亜鉛の融点以上の温度に保持し、回収した気体を接続配管部22へ流動させる。この気体は接続配管部22を通る際に、徐々に、その温度が低下するために、先ず沸点の低い亜鉛と塩化亜鉛が、接続配管部22内で沸点以下となると液化し、接続配管部22を伝って回収容器21下部に流れ込んで沈降する。この際、温度変化により、未反応であった四塩化珪素の亜鉛還元反応が進み、若干の固体シリコンも生成する。したがって、結果として回収容器21には、その比重差によって下から液体亜鉛、液体塩化亜鉛、固体シリコン、気体の四塩化珪素の順に存在することとなる。これらの物質を連続的に、あるいはバッチ式で回収することで、リサイクル利用するものである。
3.(d)の工程〔塩化亜鉛水溶液の電気分解〕
(c)の工程で分離回収された液体亜鉛、液体塩化亜鉛、固体シリコンは、さらに温度を下げることですべて固体となる。亜鉛と塩化亜鉛は、層状に分離している状態となり、その状態から塩化亜鉛を分離回収し、その塩化亜鉛と固体シリコンに水を加えると、塩化亜鉛のみが溶解するため塩化亜鉛水溶液が得られる。溶解残渣のシリコンと若干量の未反応亜鉛を分離した後、この塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度を100g/Lから200g/Lに調整して電気分解を行う。
(c)の工程で分離回収された液体亜鉛、液体塩化亜鉛、固体シリコンは、さらに温度を下げることですべて固体となる。亜鉛と塩化亜鉛は、層状に分離している状態となり、その状態から塩化亜鉛を分離回収し、その塩化亜鉛と固体シリコンに水を加えると、塩化亜鉛のみが溶解するため塩化亜鉛水溶液が得られる。溶解残渣のシリコンと若干量の未反応亜鉛を分離した後、この塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度を100g/Lから200g/Lに調整して電気分解を行う。
また、電解時に析出する亜鉛が平板状に析出するケースと、デンドライト状に析出するケースがあり、これは塩化亜鉛濃度に依存し、亜鉛の取扱上デンドライト状の析出は避けるべきであり、したがって、この濃度範囲を維持することによって、陰極での水素発生や、亜鉛のデンドライト状の析出を抑制することが可能であり、高純度亜鉛と正極での塩素ガスを効率的に回収することができる。回収した塩素ガスは(a)の工程の塩化処理に再利用され、亜鉛は(b)の工程の亜鉛還元工程の亜鉛に再利用される。
図3に電気分解装置の一例を示す。3は電気分解装置、30は電解槽、30aは電解槽の内層部、30bは外層部、31は塩素ガスが発生する正極、32は亜鉛を回収する陰極、33はセパレータ、34は熱電対、35は直流電源部、36は塩素ガス回収部である。
以下に、実施例および図面を用いて本発明を詳細に説明する。
太陽電池用シリコンを精製するために、先ず粗金属シリコンを塩化処理、精留操作を行い、他に微量存在する不純物の塩化物と四塩化珪素との沸点温度の差を利用して不純物を除去し、高純度の精製四塩化珪素を液体で生成した。
次に、図4に示す連続亜鉛還元反応装置4を用い、精製四塩化珪素をチューブポンプで管状炉40の石英管41内に、流速が約0.004m/sとなるように供給する。一方、石英管41内に設置された亜鉛供給管45の上部から固体の金属亜鉛を亜鉛だまり45aに装入し、石英管41内で気体化させて亜鉛ガスとし亜鉛吹き出し口45bから吹き出し、約1000℃の温度に保たれた石英管41の中で四塩化珪素ガスと亜鉛ガスをガス接触させて、亜鉛還元反応を生じさせ、固体の高純度の多結晶シリコンとガス状の塩化亜鉛を生成した。この場合の亜鉛ガスの流速は約0.008m/sの上昇流であった。なお石英管41内では、さまざまな形状の流れ制御材を置くことで還元反応で生じた多結晶シリコンの滞留と結晶成長を図った。
次に、図4に示す連続亜鉛還元反応装置4を用い、精製四塩化珪素をチューブポンプで管状炉40の石英管41内に、流速が約0.004m/sとなるように供給する。一方、石英管41内に設置された亜鉛供給管45の上部から固体の金属亜鉛を亜鉛だまり45aに装入し、石英管41内で気体化させて亜鉛ガスとし亜鉛吹き出し口45bから吹き出し、約1000℃の温度に保たれた石英管41の中で四塩化珪素ガスと亜鉛ガスをガス接触させて、亜鉛還元反応を生じさせ、固体の高純度の多結晶シリコンとガス状の塩化亜鉛を生成した。この場合の亜鉛ガスの流速は約0.008m/sの上昇流であった。なお石英管41内では、さまざまな形状の流れ制御材を置くことで還元反応で生じた多結晶シリコンの滞留と結晶成長を図った。
一方、亜鉛還元反応で副生された塩化亜鉛は、主に塩化亜鉛排出口44から排出されて塩化亜鉛回収容器44aに回収し、他の排出ガスと共に回収容器(図示せず)に貯留した。なお、塩化亜鉛は排出経路を経由する際に冷却されて固体となるものもあり、その場合には排出経路の清掃時に回収できる。一方、未反応の亜鉛は主に亜鉛排出口43bから排出されて回収し、四塩化珪素は多結晶シリコンと共にシリコン回収容器5aに回収され、次いで四塩化珪素回収容器42aに移されてから回収容器(図示せず)に貯留した。
これらの回収した排出ガスを、図2に一例を示す分離回収装置2を用いて分離回収操作を行い、固体の塩化亜鉛、亜鉛、シリコンを生成した。
これらの回収した排出ガスを、図2に一例を示す分離回収装置2を用いて分離回収操作を行い、固体の塩化亜鉛、亜鉛、シリコンを生成した。
次に、固体の塩化亜鉛を水に溶解させて一部含まれている固形のシリコン残渣等を抜き取るためにリパルプ洗浄した後、その塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度は140g/Lであった。この塩化亜鉛水溶液に対して、図3の装置を用いて直流電源を印加し、陰極で亜鉛を電解採取し、正極から発生する塩素ガスを回収した。
ここで、回収した塩素ガスは、上流工程である(a)の工程〔塩化処理工程〕に戻して再利用をはかり、また、陽極で採取した金属亜鉛は、同じく上流工程である(b)の工程〔亜鉛還元工程〕に戻して再利用を図ることができ、その結果プロセスのリサイクル性を高められることを確認した。
四塩化珪素ガスの流速を約0.007m/s、亜鉛ガスの流速を約0.014m/sとした以外は、実施例1と同じ条件で多結晶シリコンの精製を行ったところ、実施例1と同程度の多結晶シリコンが得られ、副生物の塩化亜鉛についても実施例1と同様に、そのリサイクル性が確かめられた。
実施例1と同様の条件で、四塩化珪素の還元を行い、多結晶シリコンを精製した。副生物の塩化亜鉛を水溶液にして電解する際に、その塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度を180g/Lとした以外は、実施例1と同じように行い、そのリサイクル性が確かめられた。
(比較例1)
四塩化珪素ガスの流速を約0.001m/s、亜鉛ガスの流速を約0.002m/sとした以外は、実施例1と同じ条件で多結晶シリコンの精製を行ったところ、実施例1と比較して少量の多結晶シリコンしか得られなかった。
四塩化珪素ガスの流速を約0.001m/s、亜鉛ガスの流速を約0.002m/sとした以外は、実施例1と同じ条件で多結晶シリコンの精製を行ったところ、実施例1と比較して少量の多結晶シリコンしか得られなかった。
(比較例2)
実施例1と塩化亜鉛水溶液の濃度以外は同じ条件で、四塩化珪素の還元を行い多結晶シリコンの精製を試みた。副生物の塩化亜鉛を水溶液にして電解する際に、その塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度を300g/Lとした。
この亜鉛濃度では、電解時にデンドライト状の亜鉛が多く析出してしまった。
実施例1と塩化亜鉛水溶液の濃度以外は同じ条件で、四塩化珪素の還元を行い多結晶シリコンの精製を試みた。副生物の塩化亜鉛を水溶液にして電解する際に、その塩化亜鉛水溶液の亜鉛濃度を300g/Lとした。
この亜鉛濃度では、電解時にデンドライト状の亜鉛が多く析出してしまった。
1、4 連続亜鉛還元反応装置
2 分離回収装置
3 電気分解装置
5 多結晶シリコン回収部
5a シリコン回収容器
10、20 加熱部
11 反応部
12、42 四塩化珪素投入部
12a 四塩化珪素回収部
13 金属亜鉛投入部
13a 亜鉛回収部
13b 亜鉛排出部
14、44 塩化亜鉛排出口
14a 塩化亜鉛回収部
15、45 亜鉛供給管
15a、45a 亜鉛だまり(貯留だまり)
15b、45b 亜鉛吹き出し口
16 ガス回収部
21 回収容器
22 接続配管部
30 電解槽
30a 電解槽の内層部
30b 電解槽の外層部
31 正極
32 陰極
33 セパレータ
34 熱電対
35 直流電源部
36 塩素ガス回収部
40 管状炉
41 石英管
42a 四塩化珪素回収容器
43 金属亜鉛投入口
43a 亜鉛回収容器
43b 亜鉛排出口
44a 塩化亜鉛回収容器
2 分離回収装置
3 電気分解装置
5 多結晶シリコン回収部
5a シリコン回収容器
10、20 加熱部
11 反応部
12、42 四塩化珪素投入部
12a 四塩化珪素回収部
13 金属亜鉛投入部
13a 亜鉛回収部
13b 亜鉛排出部
14、44 塩化亜鉛排出口
14a 塩化亜鉛回収部
15、45 亜鉛供給管
15a、45a 亜鉛だまり(貯留だまり)
15b、45b 亜鉛吹き出し口
16 ガス回収部
21 回収容器
22 接続配管部
30 電解槽
30a 電解槽の内層部
30b 電解槽の外層部
31 正極
32 陰極
33 セパレータ
34 熱電対
35 直流電源部
36 塩素ガス回収部
40 管状炉
41 石英管
42a 四塩化珪素回収容器
43 金属亜鉛投入口
43a 亜鉛回収容器
43b 亜鉛排出口
44a 塩化亜鉛回収容器
Claims (8)
- 粗金属シリコンを塩化処理した四塩化珪素を蒸留して不純物を分離した精製四塩化珪素と、亜鉛を接触させて前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を生成する多結晶シリコンの連続精製方法において、以下の(1)〜(7)の工程を有することを特徴とする。
(1)連続して精製四塩化珪素と亜鉛を接触させることにより、前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を連続して生成する工程。
(2)生成した前記塩化亜鉛に水を添加して、塩化亜鉛水溶液を生成する湿式反応工程。
(3)前記(2)の工程で得た塩化亜鉛水溶液を電気分解して亜鉛と塩素に分離する電解工程。
(4)前記(1)の工程における未反応の精製四塩化珪素および亜鉛を回収する工程。
(5)前記(3)の工程により得られた亜鉛、および前記(4)の工程により回収された亜鉛のリサイクル工程。
(6)前記(3)の工程により得られた塩素のリサイクルの工程。
(7)前記(4)の工程により回収された四塩化珪素のリサイクルの工程。 - 前記(1)の工程が、
前記精製四塩化珪素のガスを、流速0.002〜0.01m/sの下降流により供給し、前記亜鉛のガスを、流速0.004m/sから0.02m/sの上昇流により供給することで混合、接触させて前記精製四塩化珪素の還元を連続して行われることを特徴とする請求項1記載の多結晶シリコンの連続精製方法。 - 前記(2)の工程が、
100g/Lから200g/Lの亜鉛濃度を有する塩化亜鉛水溶液を生成することを特徴とする請求項1または2記載の多結晶シリコンの連続精製方法。 - 前記(5)の工程が、
前記(3)の工程により得られた亜鉛および前記(4)の工程により回収された亜鉛を、前記精製四塩化珪素を還元して高純度多結晶シリコンと塩化亜鉛を生成する工程における亜鉛として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの連続精製方法。 - 前記(6)の工程が、
前記(3)の工程により得られた塩素を、粗金属シリコンの塩化処理の塩素として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの連続精製方法。 - 前記(7)の工程が、
前記(4)の工程により回収された精製四塩化珪素を、精製四塩化珪素を還元して高純度金属シリコンと塩化亜鉛を生成する工程における精製四塩化珪素として用いるリサイクルの工程であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の多結晶シリコンの連続精製方法。 - 四塩化珪素ガスを亜鉛ガスにより還元して高純度多結晶シリコンを生成する四塩化珪素の連続亜鉛還元反応装置であって、
流速0.002〜0.01m/sの下降流を形成する前記四塩化珪素ガスを、流速0.004m/sから0.02m/sの上昇流を形成する前記亜鉛ガスにより還元反応を行う縦型反応容器を有し、
前記縦型反応容器は、
上部に、
金属亜鉛投入部と、
四塩化珪素投入部と、
未反応の亜鉛ガスを回収する亜鉛排出口を備え、
中央部に、
前記金属亜鉛が気化した亜鉛ガスにより気化した四塩化珪素ガスを還元する反応部と、
前記反応部の外側に位置して、反応部の温度を前記還元に適した温度に昇温、保持する加熱部と、
前記還元反応により副生された塩化亜鉛を回収する塩化亜鉛排出口と、
前記金属亜鉛投入部から連通した亜鉛供給管を備え、
下部に、
精製された高純度多結晶シリコンを貯留するシリコン回収部と、
未反応の四塩化珪素ガスを貯留する四塩化珪素回収部を備えることを特徴とする。 - 前記亜鉛供給管が、
前記反応部に装入される先端部に、前記金属亜鉛を貯留する亜鉛たまりと、
前記亜鉛だまりと連通した下方に開口した亜鉛ガス吹き出し口を備えることを特徴とする請求項7記載の連続亜鉛還元反応装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2010065018A JP2011195392A (ja) | 2010-03-19 | 2010-03-19 | 多結晶シリコンの連続精製方法、および亜鉛還元反応装置 |
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