JP4392671B2 - シリコン製造装置 - Google Patents

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本発明は主としてソーラーセルや電子部品に使用する高純度シリコンを低消費エネルギーで得ることが出来る四塩化珪素を金属亜鉛で還元して、高純度シリコンを得るためのシリコンの製造装置に関する。
高純度シリコンの製造方法の一つとして、四塩化珪素を原料とする方法が提案されている。この方法は1950年代に米国デュポン社が実用化したとされるがその取り扱いの煩雑さから現在ではほとんど使用されていない。しかしながら現の高純度シリコン製造方法に対して1/10程度の消費エネルギーで高純度シリコンが得られる可能性のあるため、最近に至りソーラーセルなど大量にシリコンを使用するプロセス用として注目され実用化に向けた検討がいくつか行われている。
つまり、この方法では四塩化珪素と亜鉛を高温で反応させて固体高純度シリコンを製造するが、副生する多量の塩化亜鉛処理問題の解決が極めて重要であるとされている。米国デュポン社は、極めて高純度のシリコンが得られたが、反応副生物である塩化亜鉛による装置閉塞が起こりやすいと言う問題の解決が出来なかったために実用化の継続をあきらめたとされる。以来現在に至るまで有る程度の検討がなされ、一部実用化された様であるが現在は行われなくなっている。このためか過去の特許文献も極めて限られている。ただ省エネルギー化が可能な高純度シリコンを製造する唯一の方法として研究が続けられている事も事実である。
特許文献1及び2には溶融亜鉛と四塩化珪素ガスを反応させることによって高純度シリコンを得る方法が示されているが、いずれもバッチ式で、生成したシリコンを亜鉛及び塩化亜鉛と分離しなければならず、煩雑になると共に分離操作による不純物の混入という問題を残していた。
本発明者らは特許文献3で四塩化珪素ガスを亜鉛ガスで還元する高温気相反応に依って原料、副生物をガス状のまま保持しながらシリコンのみを固体あるいは液体で取り出すことによって高純度シリコンを得ることを行った。その場合の消費エネルギーは現行法であるいわゆるシーメンス法による高純度シリコン製造に対して約1/9程度まで減少出来るとした。これらに関連して更に特許文献4、特許文献5、特許文献6、特許文献7、特許文献8等の発明を行っており、生成したシリコンの純度は現在行われているシーメンス法によって製造される超高純度品シリコンと比較しては若干劣るものの、多結晶、単結晶ともにソーラーセル用として十分でありまたその製造にかかる消費エネルギーは1/10から1/5と極めて小さくできることを示した。これらはいずれも粗製シリコンから高純度シリコンを得るためのクローズド化した連続装置・方法でありそこでは副生する塩化亜鉛は電気分解して亜鉛に戻し、還元剤として再使用している。発生する塩素ガスは四塩化ケイ素の生成に使用する。これらによりクローズド化を達成しているものの、現実には生成するシリコンの粒子が小さいためかシリコンと副生塩化亜鉛との分離が一部困難であり、目的の高純度シリコンが得られるものの、現実の運転ではシリコンの収率などの改良を必要とする事がわかった。
特開平11−060228公報 特開平11−092130公報 特開2004−210594公報 特開2003−342016公報 特開2004−010472公報 特開2004−035382公報 特開2004−099421公報 特開2004−284935公報
本発明では四塩化珪素の亜鉛還元によって高純度シリコンを得るシリコン製造装置であり、より高純度のシリコンをより小型設備によって、多量に、しかも安定に生成させると共に、他の反応成分との分離を完全に行い、系内でシリコンを融体化して、連続的に取り出すことが容易な装置を提供することを課題とした。
本発明は(1)亜鉛ガスの発生装置、(2)該亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液体で噴霧し導入して反応させシリコン及び/又はシリコン前駆体を生成させる生成装置、(3)シリコンの結晶成長と固気分離を行う分離装置及び(4)分離したシリコンを融体化する為に融体シリコンを内部に有する融体化装置、を有することを特徴とする高純度シリコン製造装置であり、反応場で反応物である四塩化ケイ素を液体で噴霧すること並びに亜鉛濃度を極めて高くすると共に、反応による圧力変動を最小にすること、更に生成したシリコンの成長を固気分離部分で行うようにして設備サイズを最小にすることが可能となった。また通常、融点よりかなり高い温度でも溶解しにくいシリコンを融体シリコン内に導くことにより、融点よりわずかに高い温度で容易に溶解させると共に連続的に取り出すようにして、連続運転を可能とすることが出来た。
以下詳細に説明する。
四塩化ケイ素からのシリコンの製造プロセスはSiCl+2Zn→Si+2ZnClで示され、通常反応が行われる950℃から1200℃付近では3分子の気相から2分子の気相が生成する不均化反応である。この反応は高温で行うので各気相成分のガス圧が大きく変化するために一般に反応場では極めて大きな圧力変動が起こり、外部空気を吸い込む、あるいは、反応ガスが飛ばされてしまう等のために、安定的に反応が進みにくくなるという問題があった。この問題の解決策として、ここでは四塩化ケイ素と亜鉛ガスとの反応が極めて早いことを見出して、圧力変動が起こる最大の要因である四塩化ケイ素を液状のまま低温で導入することによって、安定に反応を進めることが出来、しかも生成シリコン結晶の成長過程とシリコンと反応ガスの分離を同じ装置内で行う事により安定運転と設備の小型化を達成した。
亜鉛ガスの発生装置では亜鉛金属を投入し、加熱蒸発させて亜鉛を気体とする蒸発部で気化し、更にヒーター付き温度調整部で温度調整をすると共に、このようにして調整された亜鉛ガスを生成装置に送る。この亜鉛ガス発生の条件は特には指定されないが、亜鉛の沸点が930℃であること、四塩化ケイ素の温度が低いこと、反応が比較的小さい発熱反応であること、より早い反応が望ましいこと等から1000℃以上の温度であること、望ましくは1150℃から1250℃である。
この亜鉛ガスは四塩化ケイ素と完全に反応させることを考えると出来るだけ高濃度でしかも四塩化ケイ素量に対して理論反応量より過剰に供給出来るようにすることが望ましい。しかしながら高温反応であり、加圧状態にすると反応装置からのガス漏洩の問題があること、また後段でのシリコン融体中への亜鉛ガスの混入のおそれがあるので、ここでは大気圧近傍の圧力にすると共に、そこでの最大のガス濃度を得るためにキャリアーガスなしに蒸気圧のみでこの条件を満足させることが望ましい。なお系内については外気が吸い込まれない程度にわずかに正圧となるようにする事が望ましい。後述するように分離装置の気体側は電解槽に接続、あるいはガス処理装置に接続されるが、そこでは温度を下げ、液化又は固化するために負圧となるのでこの圧力差によって亜鉛ガスはキャリアーガス無しに、四塩化ケイ素との反応を行う生成工程に移動させることが出来る。従って、ガスを送るための送気機構を設ける必要はない。なお亜鉛ガスの線速度は特には指定されず、生成装置の構造にもよるが、通常は0.5から2m/秒程度が望ましい。
生成装置では亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液体噴霧する。四塩化ケイ素の温度は原則としてその沸点である57.6℃以下とするが、実質的に液であれば良く、その温度は特には指定されない。この液の供給は定量ポンプで行っても良いし、重力降下的に行っても良く、上記のように亜鉛ガス流中へ噴霧することによりガスの流れに乗るようにしてガス中で反応させる。これにより亜鉛ガス中に反応生成物であるシリコン及びシリコン前駆体の生成と共に塩化亜鉛ガスが生成する。ここで生成するシリコンとシリコン前駆体は固体でありガスの体積に比較して無視できる程度であるが、もう一つの生成物である塩化亜鉛ガスはその蒸気圧が亜鉛のそれより大きいので、ガス全体の体積が増大するために速度を増しながら次の分離装置に移動する。この生成装置における反応後のガスの保持時間はゼロから1秒程度で十分であり、過剰の亜鉛ガス中でほぼ全量の四塩化ケイ素が反応する。尚亜鉛ガスは四塩化ケイ素量に対して理論量の20から50%増しが望ましく、20%以下では未反応四塩化ケイ素が残る可能性があり、又50%以上では、反応に関しては問題ないが亜鉛を回収再使用する場合に、亜鉛をガスから液に戻し、再びガスにするなどの状態変化を必要とするために、エネルギー消費が大きくなるという問題点がある。
このようにして生成したシリコンとシリコン前駆体を含む反応ガスはガス体積の増大に伴い速度を増しながら分離装置に導かれる。分離装置はその形状が垂直な円筒状、又はサイクロン型の円筒状からなり、生成工程からのシリコン、シリコン前駆体を含むガスが、ガス中でシリコンになり更に結晶を成長させながら該円筒内を回転、比重の大きな固体シリコンは下方に、固体に比較して比重が小さいガスは上方に移動することによってシリコンがガスから分離される。つまり生成工程からのシリコン、シリコン前駆体を含むガスは水平に分離装置である円筒内の壁に沿って回転し、同時にシリコンが結晶として成長する。このようにして生成した結晶シリコンは円筒内を下方に移動し、またガス成分である亜鉛と塩化亜鉛ガス圧の低い排出口に向かって上昇し分離される。この分離装置の形状はこのように単なる円筒状であっても、ある程度大きくなった固体と気体の分離であるのでほぼ完全に行えるが、時として極微少なシリコン粒子が生成することがあり、それをより完全に分離するためには円筒がサイクロン型円筒であることがより望ましく、サイクロン効果によって完全に分離できる。
この分離は円筒中にフランジ型の邪魔板を設けることによってもより完全に行われる。つまり生成装置からのガス導入が円筒に沿って行われるのでその導入口の上方にオリフィス型の邪魔板を設けることによってガスのみがオリフィス中
央の穴部分を通って、上方に流れ固体はオリフィスのフランジ部分と衝突し下方に落下する。このようにしてシリコンを分離落下させると共に、廃ガス部分で生じる僅かな負圧によってガスは処理設備あるいは電解設備に移動していく。このようにして生成したシリコンが結晶としてガス成分から分離される。
また本高純度シリコン製造装置では中心となる分離装置と融体化装置の組を一体としてその周辺に発生装置と生成装置からなるシリコンやシリコン前駆体の生成部分を複数台設置することが可能である。このようにすることによって小型の装置で多量のシリコンを製造することが出来るようになる。またこのような場合は一つ一つの発生装置から出てくるガス及びシリコンやシリコン前駆体はより大きな分離装置内で急速にガス速度を低下させるために、より微細なシリコン結晶まで容易に分離回収することが出来、シリコン収率の向上が期待できる。しかも装置規模は生産能力に対して、より小型化出来る。
生成装置で高濃度の亜鉛ガス流に液状の四塩化ケイ素を反応させることは実質的に極めて高濃度下の気相反応と同等であり、生成するシリコンあるいはシリコン前駆体はガスの流れに沿って繊維状となる。このシリコンは更に結晶性を向上させ、集積となりながら分離装置に移動し、分離装置内の高温ガス中でおそらく結晶内の不純物をはき出しながらシリコン結晶の完全性が向上し、成長が続くようになる。これによってシリコンそれ自身の結晶はある程度成長したものとなり、ガスからは容易に分離される。
なおこのような高温反応を行い、またシリコンの成長、分離を行う生成装置並びに分離装置を構成する材質については、不純物の混入が起こらないこと、安定であることを満足すればどのような材質でも良いが、特に1000℃以上で安定になる石英ガラス、また高温で特に安定であり、たとえ反応しても不純物の原因になりにくい炭化ケイ素製であることが望ましい。
分離装置で分離し、落下してきた繊維状、あるいは微細な粒子状のシリコンは下方に有る融体シリコンを中に保持した、融体化装置に移動する。なお融体化装置は加熱し融体を保持する加熱部と生成シリコンを融体で保持する保持部からなる。融体化装置の加熱部の温度は特に指定されないが、シリコンの融点より高く保持することは当然であり、該シリコンの揮散を最小限とし、しかも不純物の混入を最小とするために、融点に出来るだけ近い温度に保持する。つまりシリコンの融点が1410℃であるので1410から1430℃程度に保持されることが望ましい。通常この程度の温度では固体シリコンのみでは融解は困難であるが、シリコン融体中に浸漬すればすぐに融体化する。ここでは、融体化装置の保持部に予め高純度の融体シリコンを入れておき、系内で生成した固体シリコンは融解シリコンと接触させることによってすぐに融解さ、融体シリコンとして取り出す。
融体化装置はシリコンと反応しない、セラミックス製、たとえばムライト質セラミックスや炭化ケイ素などのセラミックスを用い、これを周辺の加熱部で加熱することによる。また望ましくはタンタルや銅などの耐食性金属容器を保持部とし,該容器を水冷しながら加熱部を誘導加熱法として保持部内のシリコンを融解する方法を使用する。このような誘導加熱法では、温度の低い保持部金属容器の壁は固体シリコンによって覆われており、実質的に融体シリコンは容器との直接の接触がなくなり不純物の影響の無い高純度のシリコンを得ることが出来る。
尚融体化装置に使用する融体シリコン保持部は二室になっており、内部で液を繋げ片方が反応装置内に置かれ、他の片方はシリコン取り出し口側におかれてシリコンの製造中にも融体シリコンを連続的に取り出すことが出来るようになっていることが望ましい。
分離装置上部にはガスの排出口が取りつけられており、本発明外ではあるが、廃ガスは処理装置、あるいは回収・リサイクル用の電解槽に接続される。これらの接続については特には指定されず、プロセスによって選択する。只、この処理装置あるいは電解槽までの配管は加熱保温することによって亜鉛と塩化亜鉛からなる反応ガスの液化、あるいは固化による閉塞を防ぐようにする。処理設備であっても、電解槽であってもこれらのガスは温度が下げられ、少なくとも部分的に融体化し、亜鉛と塩化亜鉛を分離し、処理することになる。このガスを直接電解槽に送り込むと電解温度まで温度が下がり亜鉛は反応することなく電解生成物亜鉛と混合し、塩化亜鉛は電解液として電解されることになる。又熱は電解槽の加熱に使われるので、極めて経済的で有効な運転が出来る。回収されあるいは電解により生成した亜鉛は反応原料として再度使用される。またいずれの処理でも上記のようにガスを融体化あるいは固化するのでガス圧が低下する。この圧力変動を駆動力として系内のガス流を保持する。またこれによって新たなガス圧を与える必要がなくなるのでアルゴンなど、いわゆるキャリアーガスを加えなくても装置内のガス流は保持されるようになる。
本発明により原料としては容易に得られる、あるいは従来副生物として取り扱い上問題であった四塩化ケイ素を原料とし、高純度シリコンを高収率で得ることが可能となった。また製造装置自身は極めて小型、コンパクトであり、しかも目的とするシリコンは中間で一度単結晶あるいはそれに近い結晶として生成させるために不純物の混入を最小限とした高純度シリコンになる。更に、高温装置では有るが小型化することが出来るために消費エネルギーは極めて少なくてすむという効果が得られた。これらに加えて連続的に生成したシリコンを融体として取り出すために、完全な連続運転が可能であり、そのために従来の問題点であった反応ガスによる系の閉塞という問題を完全に解決することが出来るようになった。
本発明の実施態様を図面により説明する。つまり、図1は本発明の実施態様の概念図を示している。図2本発明の実施態様の概念図であり、分離装置がサイクロンとなっている場合である。図3本発明の実施態様の概念図であり分離装置に邪魔板を入れた場合である。傾斜した邪魔板を入れることにより上部で回収されたシリコンが邪魔板の傾斜部分を通って下部に落ちる。又図4には複数の生成装置を1つの分離装置に接続した態様の平面模式図を示した。分離装置の接線方向に複数の生成装置を接続することが出来、この場合はより大型の分離装置を使用できるのでサイクロン効果がより大きくシリコンの収率がより高くなる。
図1において1は発生装置であり、亜鉛融解槽5内の融体亜鉛を亜鉛蒸発部6に送り亜鉛ガスとすると共に加熱部7で加熱し温度の調整を行う。調整された亜鉛ガスは生成装置2で、四塩化ケイ素保持槽8からポンプ9によって生成装置に送られた実質的に液状の四塩化ケイ素と反応する。尚亜鉛ガス温度は1000℃以上であり通常は1200℃程度である。四塩化ケイ素は液状で供給するが沸点が57.6℃と低く、周辺の温度と大きな開きが有るので配管は保温しておくことが望ましい。なおここでは四塩化ケイ素はポンプで供給するようになっているが、高所に置いた四塩化ケイ素保持槽から重力で送ることも可能である。又四塩化ケイ素供給ノズル10は特には指定されないが亜鉛ガス中に拡散するように噴霧する。このようにして亜鉛と四塩化ケイ素は極めて早い反応速度でガス中に生成したシリコンを種として移動しながら結晶化し、成長していく。これにより主として繊維状の単結晶シリコンが生成する様になるがこの成長は主として分離装置3内でガスの流れに乗りながら行われる。生成装置でのシリコンやシリコン前駆体生成時間は1秒以下でよく、これによって原料の四塩化ケイ素はシリコン、シリコン前駆体にほぼ全体が変化する。また実質的に四塩化ケイ素が気化しないで反応するために系内の圧力変動はほとんど起こらない。
分離装置3は円筒状でありその中に回転するようにシリコンやシリコン前駆体を含むガスが導入され回転しながらシリコンやシリコン前駆体が結晶性の良好なシリコン固体へと成長し、比重の大きいシリコン固体は下に移動、ガスは上方ガス排出部11から抜けて処理装置12へ移行する。シリコンはこの様に回転中に更に成長するのでここに示したような円筒形の分離装置でガスからは分離され、ガスと一緒に外部に出ることはない。しかし、より分離を完全にするためにこの円筒をサイクロンとしても良い。また邪魔板などを設けることも出来る。尚ここまでの反応ガスと反応物の流れは亜鉛ガス生成時の圧力とガス処理部分の減圧により十分にまかなわれるので通常ブロアーなどは不要である。また、下に移動したシリコンは融体化装置4中のシリコン融体と接触し融体となり外に取り出される。なおこの時の温度はシリコンの融点より僅かに高い1410から1430℃程度でありシリコン融点以上で保持される。
以下に実験的に組んだ試験装置による、実施例を示す。
「実施例1」
図1に示したのと同様な小型試験装置を石英ガラスで作成した。つまり生成装置を構成する部分の直径を30mmとし、縦型の分離装置部分の直径を75mm.四塩化ケイ素は上部より重力によって投入する様にし、亜鉛ガスの流れに乗るように供給管の横に孔を開け、そこからガスの流れの方向に液が出るようにした。供給量は四塩化ケイ素保持槽とした分液ロートのコックによって調整した。四塩化ケイ素供給口から分離装置までの距離は200mmであった。また亜鉛ガス発生部分から四塩化ケイ素供給口までの距離を300mmとした。亜鉛ガス蒸発槽には亜鉛液滴を斜め上から定量供給する様にし、亜鉛ガス蒸発槽の温度は1200℃として瞬時に亜鉛ガスになるようにした。更に発生装置から分離装置までの加熱部も1200℃に保持するようにした。なお四塩化ケイ素供給管には断熱材を巻いたが、特別な冷却は行わなかった。分離装置の反応ガス排出は分離装置縦型円筒の頂部とし、直径12mmのパイプで温度950−1000℃に保持して廃ガス処理部分まで送るようにした。なお分離装置の温度は1100℃に保持した。ここで分離装置ガス入り口から排ガス管までの距離は250mmであった。これにより亜鉛として200g/時となるように供給しながら四塩化ケイ素も200g/時の速度で供給した。なお実験装置であるのでここでは融体化装置は設けないで下方にアルミナ坩堝を置いた。1時間の反応で坩堝内に繊維状のシリコンが20g得られた。
「実施例2」
融体化装置の検討を行った。つまり対比用として実施例1で生成したシリコンをアルミナ坩堝に入れてアルゴン雰囲気中に置き2℃/分の速度で加熱していき溶融温度を調べた。測定は示差熱分析の要領で坩堝内と坩堝の外に置いた熱電対を互いに発生電圧が打ち消し合うように接続して加熱し、発生電圧の差が大きく変化した時点を融体化温度とした。これにより正確ではないが1470から1480℃で融体化の起こることがわかった。一方融体シリコンについては高純度シリコンのブロックを加熱融解しその温度を1430℃に保持しておき、そこに上部につるしたシリコン繊維試料を落下させて溶融の可能性を調べた。酸化しないようにアルゴンガス雰囲気とした。落下10秒後に電源を切り冷却を開始した。冷却後調べた所シリコンは完全に融解して一体化していることがわかった。これにより融体シリコンを介在させることで融体化が極めて容易に起こることがわかった。
「実施例3」
実施例1に使用した装置の分離装置について生成装置(水平部)の上方30mmの所に中央に50mmΦの孔を有する石英ガラス製のオリフィス状の円板を入れた。これを使用して実施例1と同じ条件でシリコンの合成を行った。この結果、生成シリコンの量は約22gとなり、実施例1より約10%収率の向上が見られた。またこれにより実施例1に見られた排ガス管部の付着物の生成が減少した。
ソーラーセル用に最も適した高純度シリコンを現在のシリコン製造に必要とする電力の数分の一で製造する製造装置であり、これからのエネルギー問題、CO2による地球温暖化問題などを解消できる重要な切り札となる技術である。エネルギー源の不足が叫ばれている現在、ソーラーの活用が本格的に出来る本技術により、全ての産業の形態を変えるだけの強みを持つものである。
本発明の反応装置概念図である。 本発明の別の反応装置概念図で、サイクロン型分離装置を有する。 発明の別の反応装置概念図で分離装置内に邪魔板を有する。 発明の反応装置概念図で複数の発生装置と生成装置の組が1つの分離装置に接続された場合である。
符号の説明
1 発生装置
2 生成装置
3 分離装置
4 融体化装置
5 亜鉛融解槽
6 亜鉛蒸発槽
7 加熱部
8 四塩化ケイ素保持槽
9 ポンプ
10四塩化ケイ素供給ノズル
11ガス排出部
12処理部

Claims (15)

  1. 四塩化ケイ素を亜鉛により還元して高純度シリコンを得るシリコン製造装置であって
    (1)亜鉛ガスの発生装置、
    (2)該亜鉛ガス中に四塩化ケイ素を液体で噴霧し導入して反応させシリコン及び/又はシリコン前駆体を生成させる生成装置、
    (3)シリコンの結晶成長と固気分離を行う分離装置、
    (4)分離したシリコンを融体化する為に、融体シリコンを内部に有する融体化装置、
    を有することを特徴とする高純度シリコン製造装置。
  2. 亜鉛ガスの発生装置が亜鉛の蒸発部と該亜鉛ガスの温度制御部からなることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置。
  3. 亜鉛ガスがキャリアーガスを含まないことを特徴とする請求項1又は2の高純度シリコン製造装置。
  4. 分離装置の形状が円筒状であり、生成装置よりのシリコン及び/又はシリコン前駆体を含むガスを該円筒中に回転するように導入することを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置。
  5. 分離装置の形状が円筒状で、サイクロンを形成してなることを特徴とする請求項1又は高純度シリコン製造装置
  6. 分離装置の形状が円筒状であり、該円筒の内部で生成装置からのシリコン、シリコン前駆体を含むガスの導入口上方に邪魔板を取りつけたことを特徴とする請求項1、4、5のいずれかの高純度シリコン製造装置。
  7. 分離装置部分の気体側が電解槽に接続され、電解により塩素及び亜鉛として回収し再利用されることを特徴とする請求項1、4から6のいずれかの高純度シリコン製造装置
  8. 融体化装置が分離装置の下方に位置し、分離装置で分離された固体シリコンが重力により落下し、融体化装置に導かれるようにしたことを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置
  9. 生成装置及び分離装置の反応ガス及びシリコンの接触部分の少なくとも一部が石英ガラス製であることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置
  10. 生成装置及び分離装置の反応ガス及びシリコンの接触部分の少なくとも一部が炭化ケイ素製であることを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置
  11. シリコンの融体化装置が融体液抜き機構を有するシリコン保持部と該保持部を加熱する加熱部とを有することを特徴とする請求項1の高純度シリコン製造装置
  12. シリコン保持部が水冷機構を有する金属製であり加熱機構が誘導加熱方式であることを特徴とする請求項11の高純度シリコン製造装置
  13. シリコン保持部がセラミックス製であることを特徴とする請求項11又は12の高純度シリコン製造装置
  14. セラミックスが炭化ケイ素であることを特徴とする請求項13の高純度シリコン製造装置
  15. シリコン保持部内にシリコン液が共通になるように液内で貫通する隔壁を有し、該隔壁により、装置内を外部と隔離しながらシリコン融体を外部から取り出せるようにしたことを特徴とする請求項12又は13のいずれかの高純度シリコン製造装置
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