JP5532973B2 - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置として、複数のロールによって張架されたベルト部材(定着ベルト)によって構成された加熱部材を備えたものが知られている。
特許文献1には、定着ローラと加熱ローラ間に定着ベルトが掛け回されており、定着ベルトを介して定着ローラに加圧ローラが圧接されてニップNが形成され、そして定着ローラの加圧ローラと略対向する位置には定着ベルトをクリーニングするクリーニングローラが設けられ、その内部には立ち上げ用熱源としてのハロゲンヒータが設けられている定着装置が記載されている。
特開2007−58249号公報
ここで一般に、ニップ部において定着ベルトにより与えられる熱と圧力により未定着のトナー像が用紙に定着される。ところが、定着ベルトにおいて用紙と接触した部分と接触しなかった部分とで温度差が生じ、そのため定着したトナー像の光沢度にムラが生じて画像の品質が低下する場合があった。
本発明は、定着ベルト表面の温度差を小さくすることができ、定着したトナー像の光沢度のムラを抑制して画像の品質を確保することができる定着装置等を提供することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録材にトナー像を定着する定着部材と、前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、前記定着部材に定着に必要な熱を供給する熱供給手段と、前記定着部材に接触することで、当該定着部材表面の熱を拡散する熱拡散部材と、を備え、前記熱拡散部材は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記熱拡散部材は、前記定着部材の外周面に接触して配されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記熱拡散部材は、前記定着加圧部に隣接する位置に配されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記熱拡散部材は、内部に空洞部を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項に記載の発明は、前記熱拡散部材は、表面が金属からなることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の定着装置である。
請求項に記載の発明は、記録材にトナー像を定着する定着部材と、前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、前記定着部材に定着のために必要な熱を供給する熱供給手段と、前記定着部材に接触することで、前記トナー像を定着した後に生じる前記記録材の搬送方向の当該定着部材の温度勾配を緩和する温度勾配緩和手段と、を備え、前記温度勾配緩和手段は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする定着装置である。
請求項に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、当該定着部材に定着に必要な熱を供給する熱供給手段と、当該定着部材に接触することで当該定着部材表面の熱を拡散する熱拡散部材と、を備える定着手段と、を備え、前記定着手段の前記熱拡散部材は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、定着部材表面の温度差を小さくすることができ、定着したトナー像の光沢度のムラを抑制して画像の品質を確保することができる定着装置を提供することができる。また本発明を採用しない場合に比べ、熱拡散部材と定着部材との間に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。さらに本発明を採用しない場合に比べ、熱拡散部材の温度をより安定させやすくなる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、定着部材の記録材と接触する側の面の温度差をより小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、定着部材表面の温度差をより小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、より迅速に熱拡散部材の温度を予め定められた温度にすることができる。
請求項の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、熱拡散部材の表面温度の変動を抑制することができる。
請求項の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、定着ベルト表面の温度勾配を緩和することができ、定着したトナー像の光沢度のムラを抑制して画像の品質を確保することができる定着装置を提供することができる。また本発明を採用しない場合に比べ、温度勾配緩和手段と定着部材との間に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。さらに本発明を採用しない場合に比べ、温度勾配緩和手段の温度をより安定させやすくなる。
請求項7の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、より良好な画質を得ることができる画像形成装置が提供できる。また本発明を採用しない場合に比べ、熱拡散部材と定着部材との間に生じる摺動抵抗を小さくすることができる。さらに本発明を採用しない場合に比べ、熱拡散部材の温度をより安定させやすくなる。
本実施の形態に係る定着ユニットが適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施の形態の定着ユニットの構成を説明するための断面構成図である。 温度ムラが生じた定着ベルトにより定着を行なった際の光沢ムラについて説明した概念図である。 熱拡散ロールの配置の例について説明した図である。 熱拡散ロールの配置位置と定着ベルトの温度ムラとの関係を説明した図である。 定着ベルトの熱拡散ロールへの巻き付き長さと定着ベルトの温度ムラとの関係を説明した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態に係る定着ユニット(定着器)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
<画像形成部の説明>
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置されるトナー像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがC(シアン)色、M(マゼンタ)色、HC(高彩度シアン)色、HM(高彩度マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を形成する。ここでのHC色は、シアン色系の色相を有し、C色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いシアン色であり、HM色は、マゼンタ色系の色相を有し、M色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いマゼンタ色である。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着ユニット60と、を備えている。
加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。また、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
<用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3と、を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
<両面搬送系の説明>
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
<画像形成動作の説明>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41A,41Bが回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A,41Bにより繰り出される。繰出しロール41A,41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却ユニット80にて冷却され、カール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正ユニット85を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール45により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着ユニット60にて定着され、冷却ユニット80にて冷却され、さらにはカール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。この定着ユニット60は、定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成される加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、用紙Pにトナー像を定着する定着部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を挟み加圧ロール62と対向して配され、定着ベルト610を張架しながら回転動作する張架部材の1つであって、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接(互いに押圧されながら接触)する領域であるニップ部(定着加圧部)Nにて定着ベルト610を内側から加熱する定着ロール611と、定着ベルト610を内側から張架しながら定着ベルト610を加熱する内部加熱手段の一例としての内部加熱ロール612、定着ベルト610を外側から張架しながら定着ベルト610を加熱する外部加熱手段の一例としての外部加熱ロール613と、を備えている。また、定着ベルトモジュール61は、定着ロール611と内部加熱ロール612との間(ニップ部Nの上流側)で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、ニップ部Nの下流側領域であって定着ロール611に隣接する位置に配される剥離部材の一例としての剥離パッド64と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615と、詳しくは後述するが熱拡散部材の一例であると共に温度勾配緩和手段の一例である熱拡散ロール616と、を備えている。
定着ベルト610は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆されたPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)からなる離型層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。すなわち、定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙P上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト610表面が変形することが好ましいからである。
定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSからなる内部が中空の円筒状ロールを基体として、PFAが被覆されたロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
内部加熱ロール612は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱源としての例えば4本のハロゲンヒータ72により、内部加熱ロール612は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直行する方向に変位させる変位機構(不図示)が設けられている。そして、この変位機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部を変位させることで定着ベルト610を内部加熱ロール612の軸方向に変位させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォークを制御している。
外部加熱ロール613は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ73により、外部加熱ロール613は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。即ち、定着ロール611、内部加熱ロール612、外部加熱ロール613は、定着ベルト610に定着に必要な熱を供給する熱供給手段として把握することができる。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(以下、「ロールニップ部N1」)の下流側近傍位置にて、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。そして、剥離パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmのニップ幅)に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ロールニップ部N1に連なる「剥離パッドニップ部N2」を形成している。
加圧ロール62は、定着ベルト610の外周面に圧接することで、定着ベルト610との間に未定着トナー像を保持した用紙Pが通過するためのニップ部Nを形成する部材である。加圧ロール62は、例えば、アルミニウムやSUSからなる内部が中空の円筒状ロールを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層と、PFAチューブからなる離型層とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に接離するように配置され、定着ベルトモジュール61を押圧しながら接触(圧接)するように設定された場合には、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印方向に回転する。
<定着ユニットでの定着動作についての説明>
次に、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙Pは、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
すなわち、本実施の形態の定着ユニット60では、ロールニップ部N1に作用する熱は主に定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ71から定着ロール611を介して供給される熱と、内部加熱ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ72から内部加熱ロール612を介して供給される熱と、外部加熱ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ73から外部加熱ロール613を介して供給される熱とによって加熱される。それにより、定着ロール611だけでなく、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613からも熱エネルギーが補給されるので、ロールニップ部N1においては、プロセススピードが高速であっても充分な熱量が確保される。
本実施の形態の定着ユニット60では、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく構成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613のそれぞれにおいて広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短い期間に、定着ロール611や内部加熱ロール612および外部加熱ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、ロールニップ部N1においては、予め定められた定着温度が維持される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が略一定に維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループ現象の発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
また、本実施の形態の定着ユニット60は、定着ロール611がアルミニウムやSUS等で形成されたハードロールであり、加圧ロール62が弾性層を被覆したソフトロールである。そのため、ロールニップ部N1では、定着ロール611は殆ど撓まず、加圧ロール62表面が撓むことによって定着ベルト610の進行方向に幅を持ったニップ領域が形成されている。このように、ロールニップ部N1においては、定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611が殆ど変形しない。そのため、定着ベルト610は移動速度を略一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それにより、ロールニップ部N1において定着ベルト610にシワや歪みが生じることが抑制されるので、良質の定着画像が安定的に提供される。
引き続いて、ロールニップ部N1を通過した後には、用紙Pは剥離パッドニップ部N2に搬送される。剥離パッドニップ部N2は、加圧ロール62に剥離パッド64が押圧されて、定着ベルト610が加圧ロール62に圧接するように構成されている。したがって、ロールニップ部N1は定着ロール611の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、剥離パッドニップ部N2は、略平面に加工された剥離パッド64の定着ベルト610との接触面形状に沿った形状を有している。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙Pは、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙Pは定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は剥離パッド64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト610の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、定着ベルト610は剥離パッド64の外側面に沿って移動するため、定着ベルト610の屈曲は大きなものとなる。そのため、剥離パッドニップ部N2内において定着ベルト610との付着力が予め弱められた用紙Pは、用紙P自身が有している紙の弾性によって定着ベルト610から分離する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙Pは、剥離パッドニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板69により、その進行方向が導かれる。剥離案内板69により案内された用紙Pは、その後、排紙ガイド78、および排紙ベルト79によって冷却ユニット80(図1参照)に向けて搬送される。即ち、剥離案内板69は、定着ベルト610から剥離した用紙Pを、完全に定着ベルト610から分離し、用紙Pの進行方向を規定するための部材である。そして排紙ガイド78および排紙ベルト79は、剥離案内板69により進行方向が規定された用紙Pを円滑に冷却ユニット80に誘導するための部材である。
以上述べた動作により定着ユニット60での定着処理が完了する。
<熱拡散ロールについての説明>
上述したようにニップ部Nにおいて、定着ロール611、内部加熱ロール612、外部加熱ロール613により定着ベルト610に供給された熱、および加圧ロール62により与えられる圧力により未定着トナー像が用紙Pに定着される。そしてこの際、定着ベルト610に貯えられた熱が、用紙Pに伝熱し奪われる。そのため定着ベルト610表面において用紙Pと接触した部分は、部分的に温度が低下する。一方、定着ベルト610表面において、用紙Pと接触しなかった部分は、用紙Pにより熱が奪われないため温度が維持される。これは用紙Pを1枚のみ供給して定着を行なう場合に限らず、用紙Pを連続給紙する場合にも生ずる。即ち、用紙Pを連続給紙する際に、隙間なく連続して定着を行なうことは困難である。そのため用紙Pは、予め定められた間隔で定着ユニット60に供給される。その結果、定着ベルト610に用紙Pが接触する部分と接触しない部分が交互に生じる。結局、定着ベルト610表面は、温度が低下した部分(低温部)と温度が維持された部分(高温部)とが交互に発生し、温度差が生じることになる。なお本実施の形態において定着ベルト610に生じたこのような温度差を温度ムラまたは温度勾配と言うことがある。
定着ベルト610にこのような温度ムラが生じ、定着ベルト610の回転によりこの部分が再びニップ部Nに達するまでの間にこの温度ムラが解消しない場合は、1枚の用紙Pに温度差が生じた高温部および低温部の双方が接触して定着を行なう場合が生じる。この定着ベルト610の温度ムラは、定着後のトナー像の光沢度に影響を及ぼす。即ち、定着ベルト610の高温部により定着が行なわれた場合は、定着後のトナー像の光沢度は高くなる。一方、定着ベルト610の低温部により定着が行なわれた場合は、定着後のトナー像の光沢度は低くなる。そのため1枚の用紙Pに光沢度の高い部分と低い部分とが混在することになり、光沢度の差(光沢ムラ)が生ずる。
図3は、温度ムラが生じた定着ベルト610により定着を行なった際の光沢ムラについて説明した概念図である。
図3に示す用紙Pは、最初に定着ベルト610の低温部により定着が行なわれ、途中から定着ベルト610の高温部により定着が行なわれた場合を示している。この場合、用紙PのP1として示した領域は、光沢度が低く、P2として示した領域は、光沢度が高くなる。つまり、用紙Pの定着を行なう際に途中から光沢度に変化が生じる。そして用紙P中で、P1の領域とP2の領域で光沢度が異なるため、これが光沢ムラとして認識される。
この温度ムラは、上述したようなハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整では、抑制が困難である。即ち、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整をしても、この影響が定着ロール611、内部加熱ロール612、外部加熱ロール613に伝わり、更に定着ベルト610に伝わるには数秒の時間を要する。一方、定着ベルト610は高速で回転を行なっている。そのため定着ベルト610表面の温度ムラを抑制する制御を行なうのは時間的な問題から困難である。
そこで本実施の形態では、この光沢ムラを抑制するため熱拡散ロール616を設けている。図2に示すように本実施の形態において、熱拡散ロール616は、用紙Pの挿入側であってニップ部Nに隣接する位置に配される。そしてこの位置において定着ベルト610に接触し、定着ベルト610の移動に従って回転する。そしてこれにより定着ベルト610表面の熱を拡散する。その結果、定着ベルト610表面に生じた温度差が小さくなり、温度ムラを抑制することができる。また定着したトナー像の光沢ムラを抑制して画像の品質を確保することができる。なおこの熱拡散ロール616は、定着ベルト610に接触することで、トナー像を定着した後に生じる定着ベルト610の温度勾配を緩和する温度勾配緩和手段として捉えることもできる。
本実施の形態において、熱拡散ロール616が定着ベルト610に接触する形態を採ることで、より迅速に熱拡散を生じさせることができる。なおこの観点から、熱拡散ロール616と定着ベルト610とが接触する面積は大きい方が好ましい。よって熱拡散ロール616に定着ベルト610が巻き付く所謂巻き付き長さは大きい方がより好ましい。
また本実施の形態において、熱拡散ロール616の表面温度は、定着ベルト610表面の高温部の温度と低温部の温度の中間の温度(中間温度)になることが好ましい。これにより定着ベルト610表面の高温部からは、熱を吸収し、低温部には熱を供給することで、熱拡散がより効率よく行なわれる。そのためより迅速に熱拡散ロール616をこの中間温度にすることが好ましい。本実施の形態では、これを実現するため熱拡散ロール616は、内部に空洞部を有する構成としている。即ち、空洞部を設けることで、熱拡散ロール616全体の熱容量が小さくなり、熱拡散ロール616の表面温度がより迅速に中間温度に達するようになる。
また同様の観点から熱拡散ロール616は、表面が金属などの高い熱伝導率を有する材料で作成することが好ましい。具体的には、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、ステンレスなどが挙げられる。
更に熱拡散ロール616は、ニップ部Nに用紙Pが供給される間隔(用紙P同士の用紙間隔)より外周長が長いことが好ましい。即ち、熱拡散ロール616の外周長がニップ部Nに用紙Pが供給される間隔以下である場合は、定着ベルト610のうち用紙Pに接触しなかった部分が熱拡散ロール616の全周にわたり接触することが起こりうる。この部分は、上述した通り、定着ベルト610表面の高温部である。そのため熱拡散ロール616の表面が全周にわたり加熱され、好ましい表面温度である中間温度より上昇しやすくなる。結局、熱拡散ロール616の表面は、温度変動が生じやすくなり、定着ベルト610の熱拡散が効率的に行なわれにくくなる。
一方、ニップ部Nに用紙Pが供給される間隔より外周長が長い場合は、熱拡散ロール616の表面は、定着ベルト610の高温部と低温部の双方が接触することになる。この場合、熱拡散ロール616の温度変動が生じにくくなる。
更に本実施の形態において熱拡散ロール616は、定着ベルト610が用紙Pと接触する側の面(外周面)に接触して配されることが好ましい。つまり、このように熱拡散ロール616を配置することで、用紙Pと接触する側の面の熱拡散がより効率的に行なわれる。一方、この面に対し反対側の面である定着ベルト610の定着ロール611に接触する側の面(内周面)に熱拡散ロール616を配した場合は、この面において温度ムラが抑制できたとしても定着ベルト610の外周面の温度ムラが抑制できないことがある。即ち、定着ベルト610には厚さがあるため、用紙Pと接触する部分である定着ベルト610の外周面の熱拡散までは行なわれず、その結果、温度ムラが抑制できないことになる。
なお熱拡散ロール616を2つ設け、定着ベルト610の外周面と内周面の両面に配置して定着ベルト610を挟み込むようにしてもよい。
なお上述した例では、熱拡散部材(温度勾配緩和手段)は、回転体である熱拡散ロール616であったがこれに限られるものではなく、回転体でなくてもかまわない。ただし熱拡散部材と定着ベルト610との摺動抵抗を低下させるという観点から、定着ベルト610の移動に従って回転する回転体である方がより好ましい。
また上述した例では、熱拡散ロール616は、用紙Pの排出側であってニップ部Nに隣接する位置に配されていたがこれに限られるものではない。
図4は、熱拡散ロール616の配置の例について説明した図である。
図4で示したA位置は、熱拡散ロール616を用紙Pの排出側であってニップ部Nに隣接する箇所に配置する例である。このA位置は、定着ロール611と張架ロール615の間の位置と言い換えることもできる。同様に図4で示したB位置は、張架ロール615と外部加熱ロール613の間の位置である。更に図4で示したC位置は、外部加熱ロール613と内部加熱ロール612の間の位置であり、図4で示したD位置は、内部加熱ロール612と張架ロール614の間の位置である。そして図4で示したE位置は、図2で示した熱拡散ロール616の位置と同様であって、張架ロール614と定着ロール611の間の位置である。このE位置は、用紙Pの挿入側であってニップ部Nに隣接する位置として把握することもできる。なお図4においては、熱拡散ロール616を配置する位置として、E位置であって、定着ベルト610の外周面に接触して配置する場合を点線で例示している。
これらA位置〜E位置のうち、熱拡散ロール616は、A位置またはE位置に配置することが好ましい。A位置に熱拡散ロール616を配置した場合、定着ベルト610がニップ部Nを通過した直後であり、定着ベルト610表面に生じた温度ムラが最も大きく生じている。そのためこの段階で、熱拡散ロール616により定着ベルト610表面において熱拡散を生じさせることにより、温度ムラ抑制の効果が大きくなるものと考えられる。
またE位置に熱拡散ロール616を配置した場合、熱拡散を行なった定着ベルト610の部分がニップ部Nに入る直前である。そしてこの箇所で熱拡散ロール616により定着ベルト610表面において熱拡散を生じさせることで、熱拡散の効果が薄れないうちに定着ベルト610がニップ部Nに到達する。そのためより温度ムラ抑制の効果が大きいものと考えられる。即ち、熱拡散ロール616により定着ベルト610表面での温度ムラが抑制されても、定着ベルト610には厚さがあるため、定着ベルト610内部の温度ムラは残存することがある。このとき時間の経過により、いったん抑制した定着ベルト610表面の温度ムラが、定着ベルト610内部からの伝熱により再び生じることになる。よって、他の位置であるB位置、C位置、D位置よりもE位置の方が、ニップ部Nに近いため、熱拡散ロール616により温度ムラを抑制した部分が、より短時間でニップ部Nに入ることになる。そのため上記の定着ベルト610内部の温度ムラの影響を受けにくい。
(1)熱拡散ロール616の配置位置と温度ムラとの関係
〔定着ユニット60の形態〕
(実施例1)
図2に示す定着ユニット60を用いて、定着動作を行なった。
この定着ユニット60において、定着ベルト610には、周長が525mmであって、ポリイミド樹脂からなるベース層(厚さ80μm)と、シリコーンゴムからなる弾性体層(厚さ400μm)と、PFAからなる離型層(厚さ30μm)とで構成されるものを使用した。また定着ロール611には、直径が65mmであって、アルミニウム(厚さ10mm)からなる内部が中空の円筒状ロールを基体として、これにPFA(厚さ500μm)を被覆したものを用いた。更に加圧ロール62には、直径が100mmであって、アルミニウム(厚さ10mm)からなる内部が中空の円筒状ロールを基体として、これにシリコーンゴムからなる弾性層(厚さ10mm)およびPFAからなる離型層(厚さ150μm)をアルミニウム/シリコーンゴム/PFAの順序で積層したものを用いた。また熱拡散ロール616には、直径40mmであって、厚さが3mmのアルミニウムからなり、内部は空洞であるものを用いた。熱拡散ロール616は、ニップ部Nから定着ベルト610に沿って25mm離れた位置(即ち、図4でA位置として図示した位置)であって、定着ベルト610が定着ロール611と接触する側の面(内周面)に接触するように配置した。このとき定着ベルト610の熱拡散ロール616への巻き付き長さは15mmであった。
そして、用紙Pとして富士ゼロックス株式会社製J紙(A3、坪量82g/m)を用い、用紙P間の搬送距離を114mmとして、プロセススピード445mm/sにて定着ユニット60の連続運転を行なった。またこのとき定着ベルト610の表面温度を150℃、加圧ロール62の表面温度を70℃に制御した。
(実施例2)
熱拡散ロール616を、定着ベルト610が用紙Pと接触する側の面(外周面)に接触するように配置したこと以外は、実施例1と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(実施例3)
熱拡散ロール616を2つ用意し、この2つの熱拡散ロール616を、定着ベルト610を挟むようにして外周面と内周面の両面に配置したこと以外は、実施例1と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(実施例4〜6)
熱拡散ロール616を、図4でB位置として図示した位置に配置したこと以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(実施例7〜9)
熱拡散ロール616を、図4でC位置として図示した位置に配置したこと以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(実施例10〜12)
熱拡散ロール616を、図4でD位置として図示した位置に配置したこと以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(実施例13〜15)
熱拡散ロール616を、図4でE位置として図示した位置に配置したこと以外は、それぞれ実施例1〜3と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
(比較例1)
熱拡散ロール616を配置しなかったこと以外は、実施例1と同様にして定着ユニット60の運転を行なった。
〔温度ムラの評価〕
定着ユニット60の運転を、用紙Pを10枚定着するまで行ない、定着ベルト610の外周面の各部分の温度を測定した。そして最高温度と最低温度の差を温度ムラの値とした。このときこの値が小さいほど温度ムラが少なく、定着ベルト610の温度ムラが抑制されていることを意味する。
〔評価結果〕
実施例1〜15、および比較例1における温度ムラの値を表1に示す。なお表1における数値の単位は、(℃)である。また表1の結果をグラフにしたものを図5に示す。
Figure 0005532973
図5に示すように比較例1の温度ムラの値は、約2.3℃であった。これに対し、実施例1〜15の温度ムラの値は、これより小さくなっており、定着ベルト610の温度ムラが抑制されていることがわかる。
実施例1〜15を相互に比較すると、熱拡散ロール616を、定着ベルト610の内周面に接触して配置するより定着ベルト610の外周面に接触して配置する方が温度ムラの値は大きく減少することがわかる。また2つの熱拡散ロール616を、定着ベルト610の両面に配置すると更に温度ムラの値は小さくなる。
なお本実施の形態では、熱拡散ロール616を、定着ベルト610の内周面に接触して配置する場合は、熱拡散ロール616を設けなかった比較例1に対して、温度ムラの値があまり小さくなっていない場合がある。これは、熱拡散ロール616と定着ベルト610との接触時間が短かったためと考えられる。この場合は、定着ユニット60のプロセススピードを遅くすることや、定着ベルト610の熱拡散ロール616への巻き付き長さを長くすることで、定着ベルト610の温度ムラの抑制が可能である。
また本実施の形態において、熱拡散ロール616を、定着ベルト610の外周面および両面に接触して配置する場合は、A位置およびE位置に配置する場合が、他の位置に配置するより温度ムラの値が小さくなっていることがわかる。
(2)定着ベルト610の熱拡散ロール616への巻き付き長さと温度ムラとの関係
〔温度ムラの評価〕
実施例11において熱拡散ロール616の位置を変更することで、定着ベルト610の熱拡散ロール616への巻き付き長さを変更して、温度ムラの値の変化を調べた。
〔評価結果〕
結果を図6に示す。
図6に示すように定着ベルト610の熱拡散ロール616への巻き付き長さが増加するほど温度ムラの値は減少する。つまり巻き付き長さが大きい方が、定着ベルト610の温度ムラを抑制することができる。
1…画像形成装置、60…定着ユニット、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ロール、64…剥離パッド、610…定着ベルト、611…定着ロール、612…内部加熱ロール、613…外部加熱ロール、616…熱拡散ロール、N…ニップ部、P…用紙

Claims (7)

  1. 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
    前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材に定着に必要な熱を供給する熱供給手段と、
    前記定着部材に接触することで、当該定着部材表面の熱を拡散する熱拡散部材と、
    を備え
    前記熱拡散部材は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする定着装置。
  2. 前記熱拡散部材は、前記定着部材の外周面に接触して配されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記熱拡散部材は、前記定着加圧部に隣接する位置に配されることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記熱拡散部材は、内部に空洞部を有することを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の定着装置。
  5. 前記熱拡散部材は、表面が金属からなることを特徴とする請求項1乃至の何れか1項に記載の定着装置。
  6. 記録材にトナー像を定着する定着部材と、
    前記定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、
    前記定着部材に定着のために必要な熱を供給する熱供給手段と、
    前記定着部材に接触することで、前記トナー像を定着した後に生じる前記記録材の搬送方向の当該定着部材の温度勾配を緩和する温度勾配緩和手段と、
    を備え
    前記温度勾配緩和手段は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする定着装置。
  7. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    記録材にトナー像を定着する定着部材と、当該定着部材の外周面に圧接することで当該定着部材との間に未定着トナー像を保持した記録材が通過するための定着加圧部を形成する加圧部材と、当該定着部材に定着に必要な熱を供給する熱供給手段と、当該定着部材に接触することで当該定着部材表面の熱を拡散する熱拡散部材と、を備える定着手段と、
    を備え
    前記定着手段の前記熱拡散部材は、前記定着部材の移動に従って回転する回転体であり、当該回転体は、当該定着部材の前記記録材の搬送方向で熱を拡散させ当該定着部材の温度勾配を緩和するために、前記定着加圧部に当該記録材が供給される間隔より外周長が長いことを特徴とする画像形成装置。
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