JP5644098B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置に備えられる定着装置において、内部にヒータ等の加熱部材を備えた複数のロール部材により張架されたベルト部材(定着ベルト)を用いてトナー像を定着するものが知られている。
例えば特許文献1には、定着ローラと加熱ローラとに張架された定着ベルトと、定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラとを備えるとともに、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとによって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であって定着ベルトの内側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えた定着装置が記載されている。
2003−5566号公報
本発明は、ベルト部材からなる定着部材を備えた定着装置における定着可能状態に設定するまでの時間を低減することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、記録材にトナーを定着するベルト部材と当該ベルト部材を張架して当該ベルト部材を循環移動させるロール部材とを有する定着構造体と、前記定着構造体に対して接離する方向に移動自在に構成されるとともに、当該定着構造体と接触する位置に設定されることにより当該定着構造体との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより、当該加圧部材に回転駆動力を伝達して当該加圧部材を回転させる回転駆動手段とを備え、前記回転駆動手段は、前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより当該加圧部材と接触する回転部材と、当該回転部材が当該加圧部材からの荷重を受けることにより当該回転部材に回転駆動力を供給する駆動源と連結されて当該回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを有することを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記回転駆動手段は、前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより前記回転部材が当該加圧部材から離間し、当該回転部材が当該加圧部材から離間することにより前記駆動伝達手段と前記駆動源との連結が解除されることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより当該加圧部材を当該定着構造体に向けて押圧する押圧手段をさらに備え、前記押圧手段は、前記加圧部材を前記定着構造体に向けて加圧するバネ部材と、当該バネ部材のバネ長を調整する調整部材と、当該調整部材に締結されて当該バネ部材の一方の端部を支持する第1のバネ支持部材の位置を定めるとともに当該調整部材との間の緩みを抑える機構が設けられた位置決め部材と、当該バネ部材の他方の端部を支持する第2のバネ支持部材とを有することを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写された前記トナー像を、ベルト部材と当該ベルト部材を張架して当該ベルト部材を循環移動させるロール部材とを有する定着構造体と、当該定着構造体との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを用いて当該記録材に定着する定着手段と、前記定着手段の前記加圧部材を前記定着構造体に対して接離する方向に移動させる移動手段と、前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより、当該加圧部材に回転駆動力を伝達して当該加圧部材を回転させる回転駆動手段とを備え、前記回転駆動手段は、前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより当該加圧部材と接触する回転部材と、当該回転部材が当該加圧部材からの荷重を受けることにより当該回転部材に回転駆動力を供給する駆動源と連結されて当該回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを有することを特徴とする画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記回転駆動手段は、前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより前記回転部材が当該加圧部材から離間し、当該回転部材が当該加圧部材から離間することにより前記駆動伝達手段と前記駆動源との連結が解除されることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記移動手段は、前記定着手段の前記加圧部材を前記定着構造体に向けて加圧するバネ部材と、当該バネ部材のバネ長を調整する調整部材と、当該調整部材に締結されて当該バネ部材の一方の端部を支持する第1のバネ支持部材の位置を定めるとともに当該調整部材との間の緩みを抑える機構が設けられた位置決め部材と、当該バネ部材の他方の端部を支持する第2のバネ支持部材とを有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ベルト部材からなる定着部材を備えた定着装置における定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
また、請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ベルト部材を定着可能温度に設定するまでの間において加圧部材の表面を周方向に亘ってより均一に加熱することができ、加圧部材の外径に部分的な膨らみが発生することを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、回転駆動手段による回転部材への回転駆動力の伝達動作を、加圧部材が定着構造体から離間した位置に設定された場合に限定して実行させることができ、本発明を採用しない場合に比べ、回転駆動手段を構成する部品の消耗を低減することができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、加圧部材が定着構造体に接離する際のバネ部材のバネ長の変動を低減するとともに、バネ長の調整を容易に行うことができる。
請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ベルト部材からなる定着部材を備えた定着装置における定着可能状態に設定するまでの時間を低減することができる。
また、請求項4の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ベルト部材を定着可能温度に設定するまでの間において加圧部材の表面を周方向に亘ってより均一に加熱することができ、加圧部材の外径に部分的な膨らみが発生することを抑制することができる。
請求項5の発明によれば、回転駆動手段による回転部材への回転駆動力の伝達動作を、加圧部材が定着構造体から離間した位置に設定された場合に限定して実行させることができ、本発明を採用しない場合に比べ、回転駆動手段を構成する部品の消耗を低減することができる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、加圧部材が定着構造体に接離する際のバネ部材のバネ長の変動を低減するとともに、バネ長の調整を容易に行うことができる。
本実施の形態に係る定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 定着ユニットの構成を説明するための断面構成図である。 加圧ロールを動作させる機構を説明する図である。 リトラクト機構の構成を説明する図である。 加圧ロールを定着ベルトから接離させる構成を説明する図である。 回転駆動機構の構成を説明する図である。 回転駆動機構が加圧ロールを回転駆動させる設定を説明する図である。 回転駆動機構自体が回転駆動しない設定を説明する図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態に係る定着装置(定着ユニット)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
<画像形成部の説明>
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置されるトナー像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがC(シアン)色、M(マゼンタ)色、HC(高彩度シアン)色、HM(高彩度マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を形成する。ここでのHC色は、シアン色系の色相を有し、C色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いシアン色であり、HM色は、マゼンタ色系の色相を有し、M色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いマゼンタ色である。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着ユニット60と、を備えている。
加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。また、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
<用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3と、を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
<両面搬送系の説明>
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
<画像形成動作の説明>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41が回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A,41Bにより繰り出される。繰出しロール41A,41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却ユニット80にて冷却され、カール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれドラムクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正ユニット85を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール41により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着ユニット60にて定着され、冷却ユニット80にて冷却され、さらにはカール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。この定着ユニット60は、用紙を加熱する定着構造体の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に設けられた定着ベルト610を外側から張架しながら定着ベルト610を加熱するロール部材の一例としての外部加熱ロール613と、外部加熱ロール613の表面を清掃するロール清掃機構部65と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、循環移動するベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転動作し、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接(互いに押圧されながら接触)する領域であるニップ部Nにて定着ベルト610を内側から加熱するロール部材の一例としての定着ロール611と、定着ベルト610を内側から張架しながら定着ベルト610を加熱するロール部材の一例としての内部加熱ロール612と、を備えている。また、定着ベルトモジュール61は、定着ロール611と内部加熱ロール612との間(ニップ部Nの上流側)で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、ニップ部N内の下流側領域であって定着ロール610の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64と、ニップ部Nと外部加熱ロール613との間(ニップ部Nの下流側)において定着ベルト610を張架する張架ロール615と、外部加熱ロール613からの押圧力を受けながら定着ベルト610を支持する支持ロール616と、を備えている。そして、定着ベルトモジュール61は、画像形成装置1に対し着脱自在に構成されている。
定着ベルト610は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆されたPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)からなる離型層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。すなわち、定着対象となる用紙に保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト610表面が変形することが好ましいからである。
定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された発熱体の一例としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
内部加熱ロール612は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された発熱体の一例としての例えば4本のハロゲンヒータ72により、内部加熱ロール612は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の片寄り(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直交する方向に変位させる変位機構(ベルトステアリング機構)が設けられている。そして、このベルトステアリング機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部位置を変位させることで、定着ベルト610の内部加熱ロール612に張架される軸方向位置を移動させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォーク(内部加熱ロール612の軸方向への片寄り)を修正している。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(以下、「ロールニップ部N1」)の下流側近傍位置にて、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。そして、剥離パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmのニップ幅)に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ロールニップ部N1に連なる「剥離パッドニップ部N2」を形成している。
次に、外部加熱ロール613は、例えばアルミニウムやSUSを基体とする表面が例えば窒化処理されて構成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された例えば3本のハロゲンヒータ73により、外部加熱ロール613は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。なお、外部加熱ロール613に関しては、後段で詳述する。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
次に、加圧ロール62は、例えば、アルミニウムやSUSからなる円柱状ロールを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層と、PFAチューブからなる離型層とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、後段で説明する接離機構によって定着ベルトモジュール61に接離するように構成され、定着ベルトモジュール61を押圧しながら接触(圧接)するように設定された場合には、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印方向に回転する。
<定着ユニットでの定着動作についての説明>
続いて、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙は、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙に定着される。
すなわち、本実施の形態の定着ユニット60では、ロールニップ部N1に作用する熱は主に定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ71から定着ロール611を介して供給される熱と、内部加熱ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ72から内部加熱ロール612を介して供給される熱と、外部加熱ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ73から外部加熱ロール613を介して供給される熱とによって加熱される。それにより、定着ロール611だけでなく、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613からも熱エネルギーが補給されるので、ロールニップ部N1においては、プロセススピードが高速であっても充分な熱量が確保される。
本実施の形態の定着ユニット60では、直接的な定着部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく構成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613のそれぞれにおいて広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短い期間に、定着ロール611や内部加熱ロール612および外部加熱ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、ロールニップ部N1においては、予め定められた定着温度が維持される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が略一定に維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
また、本実施の形態の定着ユニット60は、定着ロール611がアルミニウムやSUS等で形成されたハードロールであり、加圧ロール62が弾性層を被覆したソフトロールである。そのため、ロールニップ部N1では、定着ロール611は殆ど撓まず、加圧ロール62表面が撓むことによって定着ベルト610の進行方向に幅を持ったニップ領域が形成されている。このように、ロールニップ部N1においては、定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611が殆ど変形しない。そのため、定着ベルト610は移動速度を略一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それにより、ロールニップ部N1において定着ベルト610にシワや歪みが生じることが抑制されるので、良質の定着画像が安定的に提供される。
引き続いて、ロールニップ部N1を通過した後には、用紙は剥離パッドニップ部N2に搬送される。剥離パッドニップ部N2は、加圧ロール62に剥離パッド64が押圧されて、定着ベルト610が加圧ロール62に圧接するように構成されている。したがって、ロールニップ部N1は定着ロール611の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有している。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙は、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙は定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は剥離パッド64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト610の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、定着ベルト610は剥離パッド64の外側面に沿って移動するため、定着ベルト610の屈曲は大きなものとなる。そのため、剥離パッドニップ部N2内において定着ベルト610との付着力が予め弱められた用紙は、用紙自身が有している紙のコシによって定着ベルト610から分離する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙は、剥離パッドニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板69により、その進行方向が導かれる。剥離案内板69により案内された用紙は、その後、排紙ガイド78および排紙ベルト79によって冷却ユニット80に向けて搬送され、それにより定着ユニット60での定着処理が完了する。
<加圧ロールを動作させる機構の説明>
次に、加圧ロール62を動作させる機構について説明する。図3は、加圧ロール62に設けられた加圧ロール62を動作させる機構を説明する図である。図3に示すように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ベルトモジュール61(定着ベルト610)に対して加圧ロール62を接離させる方向に移動させる移動手段の一例としてのリトラクト機構(接離機構)100と、リトラクト機構100によって加圧ロール62が定着ベルト610から離間された位置に設定された場合に、加圧ロール62を回転駆動する回転駆動手段の一例としての回転駆動機構200(図3にてハッチングで示した部分)とを備えている。
本実施の形態の定着ユニット60においては、定着動作を開始する前に、定着ベルト610を定着可能温度まで上昇させる所謂「ウォームアップ動作」を行う。その際には、リトラクト機構100によって加圧ロール62を定着ベルトモジュール61(定着ベルト610)から離間させた位置に設定しておく。それにより、定着ユニット60のウォームアップ動作時には、熱容量の小さな定着ベルト610から加圧ロール62に熱の流出が生じ難い状態が設定される。それによって、定着ベルト610が効率的に加熱されるので、定着ベルト610を定着可能温度まで上昇させる時間(以下、「ウォームアップ時間」)が低減される。
このリトラクト機構100によって加圧ロール62が定着ベルト610から離間された位置においては、加圧ロール62は、回転駆動機構200から回転駆動力を受けて回転される。それにより、加圧ロール62の表面が周方向に均一に加熱されることとなるので、加圧ロール62の外径に部分的な膨らみが発生することが抑えられる。
すなわち、加圧ロール62を定着ベルト610から離間した位置で停止させておくと、ウォームアップ動作が行われている定着ベルト610に面する部分は定着ベルト610からの放射熱を受けて加熱される。その一方で、定着ベルト610に面する部分の裏側(加圧ロール62の回転軸に関して反対側)に位置する部分は、定着ベルト610からの放射熱を受けず加熱されない。そのために、加圧ロール62の定着ベルト610に面する部分だけが膨張し、加圧ロール62の外径に周方向のムラが生じる。このような加圧ロール62を定着ベルト610に接触させて定着動作を開始すると、加圧ロール62が全周に亘って均一に加熱されるまでの間、ニップ部Nの圧力(ニップ圧)が加圧ロール62の周方向位置に応じて異なるものとなる。その結果、定着画像に画像不良が発生する場合がある。
そこで、本実施の形態の定着ユニット60では、リトラクト機構100によって加圧ロール62が定着ベルト610から離間された位置に設定された場合には、回転駆動機構200によって加圧ロール62を回転させる。それによって、加圧ロール62の表面が周方向に亘って均一に加熱され、加圧ロール62の外径に部分的な膨らみが発生することが抑えられるので、定着画像に画像不良が発生することが抑制される。
そして、ウォームアップ動作によって定着ベルト610が定着可能温度近傍であって定着可能温度よりも低い予め定められた温度に到達した時点において、加圧ロール62がリトラクト機構100によって定着ベルト610に圧接される。それにより、定着ベルト610と加圧ロール62との双方によって、定着ベルト610と加圧ロール62との間でニップ部N(ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2)が形成される。ニップ部Nが形成されるとともに、定着ベルト610が定着可能温度に到達することにより、ニップ部Nに用紙が搬送されて定着動作が開始される。
<リトラクト機構の説明>
続いて、本実施の形態のリトラクト機構100について説明する。
図4は、リトラクト機構100の構成を説明する図である。図4に示すように、リトラクト機構100は、駆動モータ101と、駆動モータ101からの駆動力をシャフト104に伝達する駆動伝達ギヤ群102と、シャフト104に結合されたカム103a,103bとを備えている。また、リトラクト機構100は、加圧ロール62が定着ベルト610(定着ベルトモジュール61)と接離するように、加圧ロール62を回転中心軸(支点)106を中心として移動させるとともに、加圧ロール62が定着ベルト610に接触した際には、加圧ロール62を定着ベルトモジュール61(定着ロール611)側に押圧する押圧部材の一例としての押圧機構部105a,105bを備えている。
リトラクト機構100において、ウォームアップ動作時に加圧ロール62を定着ベルト610から離間させた位置に設定する場合には、主制御部50(図1参照)による制御の基で駆動モータ101が回転(反転:CCW)し、駆動伝達ギヤ群102とシャフト104とを介してカム103a,103bを予め定められた角度だけ回転(反転:CCW)させる。それにより、カム103a,103bに従って押圧機構部105a,105bが加圧ロール62からの荷重を受けて下がり(−z方向)、加圧ロール62は定着ベルト610から離間する。
また、ウォームアップ動作が完了し加圧ロール62を定着ベルト610に圧接させる位置に設定する場合には、主制御部50による制御の基で駆動モータ101が回転(正転:CW)し、駆動伝達ギヤ群102とシャフト104とを介してカム103a,103bを予め定められた角度だけ回転(正転:CW)させる。それにより、カム103a,103bが押圧機構部105a,105bを加圧ロール62からの荷重に抗して押し上げ(z方向)、加圧ロール62は定着ベルト610に圧接する。
<加圧ロールを接離させる構成の説明>
次の図5は、加圧ロール62を定着ベルト610から接離させる構成を説明する図である。図5(a)は、加圧ロール62を定着ベルト610から離間させた状態を示し、(b)は、加圧ロール62を定着ベルト610に圧接させた状態を示している。なお、図5では、カム103bおよび押圧機構部105bの構成を示しているが、カム103aおよび押圧機構部105aの構成も同様である。
図5に示すように、押圧機構部105b(105a)は、回転中心軸(支点)106によって揺動自在に支持された下部レバー111および上部レバー112と、下部レバー111と上部レバー112との間に加圧力を付与するバネ部材の一例としての加圧バネ部材113と、加圧バネ部材113の上部端(定着ベルト610側)を支持する第2のバネ支持部材の一例としての上部支持板115と、加圧バネ部材113の下部端(カム103b側)を支持する第1のバネ支持部材の一例としての下部支持板116と、を備えている。
上部レバー112は、下部レバー111によって側部を囲まれるように配置されている。また、上部レバー112は、上部支持板115が固定されるとともに、加圧ロール62の回転軸62aを支持部112aにて支持している。
加圧バネ部材113の内部には、上部支持板115および下部支持板116を貫通して調整部材の一例としての加圧調整ネジ部材114が配置されている。そして、加圧調整ネジ部材114の下部支持板116よりも下部側(カム103b側)には、位置決め部材の一例として、下部支持板116を支持するための例えばUナット等からなる緩み止め機構付ナット117が締結されている。そのため、加圧調整ネジ部材114の上部端114aを回転させて緩み止め機構付ナット117を引き上げることで下部支持板116が引き上げられる。それにより、加圧バネ部材113のバネ長Lが調整される。なお、加圧調整ネジ部材114の下部端114bは、下部支持板116に回転自在に支持されている。
ここで、ナット117に設けられる「緩み止め機構」とは、例えばUナット等にて構成されるように、ナット117と加圧調整ネジ部材114のネジ面との間にリング状部材を介在させて、リング状部材によって加圧調整ネジ部材114のネジ面を押さえ込むことでナット117の緩みを抑える機構である。
また、下部レバー111には、回転自在に支持されたベアリング118が配置されている。ベアリング118は、カム103b(カム103a)と係合する位置に配置され、カム103bの回転(正転および反転)によって押圧機構部105b全体を定着ベルト610(定着ロール611)方向に移動させる。
図5(a)に示すように、カム103b(カム103a)を予め定められた角度だけ回転(反転:CCW)させることにより、カム103bと係合するベアリング118に従って下部レバー111が下方(カム103b側)に移動する。それに伴い、加圧ロール62を支持部112aにて支持する上部レバー112も、加圧ロール62からの荷重と下部レバー111と上部レバー112との間に配置された加圧バネ部材113の加圧力とが均衡する位置まで下方(カム103b側)に移動する。それにより、加圧ロール62は定着ベルト610から離間する。
また、図5(b)に示すように、カム103b(カム103a)を予め定められた角度だけ回転(正転:CW)させることにより、カム103bと係合するベアリング118に従って下部レバー111は上方(定着ベルトモジュール61側)に移動する。それに伴い、加圧ロール62を支持部112aにて支持する上部レバー112も上方に移動する。それにより、加圧ロール62と定着ベルトモジュール61とが圧接する。その際に、加圧ロール62からの荷重および定着ベルトモジュール61側からの反力と、下部レバー111と上部レバー112との間に配置された加圧バネ部材113の加圧力とが均衡することにより、ニップ部Nのニップ圧が設定される。すなわち、ニップ圧は、「加圧ロール62と定着ベルトモジュール61とが接触した状態での加圧バネ部材113の加圧力(バネ加重)−加圧ロール62からの荷重」に設定される。
<加圧バネ部材のバネ長の変動を抑制する構成の説明>
このように、加圧ロール62を定着ベルトモジュール61に接触させる際には、加圧バネ部材113は、定着ベルトモジュール61側からうける反力に相当する加圧力を生み出すように圧縮される。一方、加圧ロール62が定着ベルトモジュール61から離間する際には、定着ベルトモジュール61側からの反力が無くなることから、加圧バネ部材113はそれに相当する加圧力分が伸長する。そのために、加圧ロール62を定着ベルトモジュール61に接離させる度に加圧バネ部材113が伸縮して、上部支持板115と下部支持板116との間隔が変動する。それにより、加圧調整ネジ部材114の下部支持板116の下部(カム103b側)に締結するナット117には、緩みが生じ易い。
上記したように、ニップ圧は、「加圧ロール62と定着ベルトモジュール61とが接触した状態での加圧バネ部材113の加圧力(バネ加重)−加圧ロール62からの荷重」によって定まるので、ナット117が緩むことで加圧バネ部材113のバネ長Lが変わると、ニップ圧も変動することとなる。さらには、初期調整において、上部支持板115と下部支持板116との間隔を調整し易く構成する必要もある。
そこで、加圧調整ネジ部材114の下部支持板116の下部側(カム103b側)においては、緩み難く構成された例えばUナット等の緩み止め機構付ナット117を締結することで、下部支持板116を支持している。それにより、加圧ロール62を定着ベルトモジュール61に接離させる度に加圧バネ部材113が伸縮して、上部支持板115と下部支持板116との間隔が変動しても、加圧バネ部材113のバネ長Lは変動し難い。また、Uナット等の緩み止め機構付ナット117は、加圧調整ネジ部材114の上部端114aを回転させることで引き上げられる。このことから、初期調整時において、上部支持板115と下部支持板116との間隔を調整し易くなる。また、初期調整後の再調整時にも、加圧調整ネジ部材114の上部端114aを回転させることで、上部支持板115と下部支持板116との間隔を縮める方向(加圧バネ部材113のバネ加重を高める方向)への調整は可能となる。また、Uナット等の緩み止め機構付ナット117は、緩み止めのリングが金属製であるので、定着ユニット60のような高温環境下での使用にも耐用性が高い。
なお、加圧バネ部材113のバネ長Lの変動を抑える方法として、加圧調整ネジ部材114に2つのナットを重ねて使用する所謂「Wナット」を用いる構成もある。しかし、Wナットでは、加圧調整ネジ部材114の回転だけで加圧バネ部材113のバネ長Lを調整することはできないので、押圧機構部105a,105bを組み付けた後の調整は、困難を伴う。また、加圧調整ネジ部材114にナットを締結した後に接着剤によって固定する方法では、押圧機構部105a,105bを組み付ける際の作業性に難が生じるという不都合がある。
<回転駆動機構の説明>
続いて、本実施の形態の回転駆動機構200について説明する。
図6は、回転駆動機構200の構成を説明する図である。図6に示すように、本実施の形態の回転駆動機構200は、リトラクト機構100により加圧ロール62が定着ベルト610から離間させた位置に設定されることにより加圧ロール62と接触する回転部材の一例としてのフリクションロール201と、フリクションロール201の回転軸208を加圧ロール62側に付勢する付勢部材202と、フリクションロール201の回転軸208に固定された駆動伝達ギヤ207と、を備えている。また、回転駆動機構200は、定着ロール611と同軸に配置されて定着ロール611に回転駆動力を伝達する駆動源の一例としての定着ロールギヤ611aと係合される複数のギヤ列からなる伝達ギヤ群203と、伝達ギヤ群203を支持するとともに回転軸(支点)203aを中心として揺動自在に支持されたギヤ支持体204と、フリクションロール201の回転軸208に固定された駆動伝達ギヤ207および伝達ギヤ群203の双方と係合する駆動伝達ギヤ206と、ギヤ支持体204を駆動伝達ギヤ206側に付勢するバネ部材205と、を備えている。さらに、回転駆動機構200は、伝達ギヤ群203の中の駆動伝達ギヤ206と係合するギヤの回転軸(支点)203aと駆動伝達ギヤ206の回転軸206aとを連結する連結レバー210(図6で不図示、次の図7参照)と、駆動伝達ギヤ206の回転軸206aとフリクションロール201の回転軸208とを連結する連結レバー209(次の図7も参照)と、を備えている。
なお、付勢部材202と、伝達ギヤ群203と、ギヤ支持体204と、バネ部材205と、駆動伝達ギヤ206と、駆動伝達ギヤ207と、連結レバー209と、連結レバー210とは、駆動伝達手段を構成する。
次の図7は、回転駆動機構200が加圧ロール62を回転駆動させる設定を説明する図である。図7(図6も参照)に示すように、本実施の形態の回転駆動機構200においては、リトラクト機構100により加圧ロール62が定着ベルト610から離間させた位置に設定されることにより、フリクションロール201が加圧ロール62からの荷重を受けて押圧される。それにより、フリクションロール201は付勢部材202からの付勢力に抗して下方に押下げられる。そうすると、フリクションロール201の回転軸208に連結された連結レバー209が駆動伝達ギヤ206の回転軸206aを押下げる(矢印A)。それにより、駆動伝達ギヤ206の回転軸206aに結合されたバネ部材205が、ギヤ支持体204を駆動伝達ギヤ206側に引っ張る(矢印B)。それとともに、駆動伝達ギヤ206の回転軸206aに連結された連結レバー210が伝達ギヤ群203を押上げる(矢印C)。バネ部材205の引張力(矢印B)と伝達ギヤ群203の押上げ(矢印C)とにより、伝達ギヤ群203が回転軸203aを揺動中心として定着ロールギヤ611a側に傾斜し(矢印D)、伝達ギヤ群203と定着ロールギヤ611aとが係合する(矢印E)。
それにより、定着ロールギヤ611a→伝達ギヤ群203→駆動伝達ギヤ206→駆動伝達ギヤ207→回転軸208→フリクションロール201という経路で回転駆動力が伝達される。そして、フリクションロール201は、加圧ロール62を摩擦力によって回転駆動する。なお、フリクションロール201の表面は、加圧ロール62との摩擦力を高めるために、例えばシリコーンゴムからなる耐熱性の弾性体で構成されている。
また、次の図8は、回転駆動機構200自体が回転駆動しない設定を説明する図である。図8(図6も参照)に示すように、リトラクト機構100により加圧ロール62が定着ベルト610に圧接する位置に設定されることにより、加圧ロール62はフリクションロール201から離間する。そうすると、フリクションロール201の回転軸208は、付勢部材202によって上方(加圧ロール62側)に付勢されることにより、フリクションロール201の回転軸208に連結された連結レバー209が駆動伝達ギヤ206の回転軸206aを押上げる(矢印A′)。それにより、バネ部材205からの付勢力(矢印B′)に抗して、駆動伝達ギヤ206の回転軸206aに連結された連結レバー210が伝達ギヤ群203を押下げる(矢印C′)。その結果、伝達ギヤ群203が回転軸203aを揺動中心として定着ロールギヤ611a側とは反対側に傾斜し(矢印D′)、定着ロールギヤ611aから離間する(矢印E′)。
このように、加圧ロール62が定着ベルト610に圧接する位置に設定されることにより、回転駆動機構200自体が回転駆動しない。それにより、フリクションロール201への回転駆動力の伝達動作を、加圧ロール62が定着ベルト610から離間した位置に設定された場合に限定し、回転駆動機構200を構成する部品の消耗の低減を図っている。
以上説明したように、本実施の形態の定着ユニット60では、リトラクト機構100によって加圧ロール62を定着ベルト610との間で接離させる。それにより、定着ユニット60のウォームアップ動作時には、熱容量の小さな定着ベルト610から加圧ロール62に熱の流出が生じ難い状態を設定して、定着ベルト610を定着可能温度まで上昇させる時間(ウォームアップ時間)を低減している。
また、リトラクト機構100によって加圧ロール62が定着ベルト610から離間された位置においては、加圧ロール62を回転駆動機構200によって回転させる。それにより、加圧ロール62の表面が周方向に均一に加熱されるように設定し、加圧ロール62の外径に部分的な差異が発生することが抑えられる。それによって、定着画像に画像不良が発生するのを抑制している。
1…画像形成装置、60…定着ユニット、61…定着ベルトモジュール、62…加圧ロール、100…リトラクト機構、103a,103b…カム、113…加圧バネ部材、114…加圧調整ネジ部材、117…緩み止め機構付ナット、200…回転駆動機構、201…フリクションロール、610…定着ベルト、611…定着ロール

Claims (6)

  1. 記録材にトナーを定着するベルト部材と当該ベルト部材を張架して当該ベルト部材を循環移動させるロール部材とを有する定着構造体と、
    前記定着構造体に対して接離する方向に移動自在に構成されるとともに、当該定着構造体と接触する位置に設定されることにより当該定着構造体との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材と、
    前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより、当該加圧部材に回転駆動力を伝達して当該加圧部材を回転させる回転駆動手段とを備え、
    前記回転駆動手段は、前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより当該加圧部材と接触する回転部材と、当該回転部材が当該加圧部材からの荷重を受けることにより当該回転部材に回転駆動力を供給する駆動源と連結されて当該回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを有することを特徴とする定着装置。
  2. 前記回転駆動手段は、前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより前記回転部材が当該加圧部材から離間し、当該回転部材が当該加圧部材から離間することにより前記駆動伝達手段と前記駆動源との連結が解除されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより当該加圧部材を当該定着構造体に向けて押圧する押圧手段をさらに備え、
    前記押圧手段は、前記加圧部材を前記定着構造体に向けて加圧するバネ部材と、当該バネ部材のバネ長を調整する調整部材と、当該調整部材に締結されて当該バネ部材の一方の端部を支持する第1のバネ支持部材の位置を定めるとともに当該調整部材との間の緩みを抑える機構が設けられた位置決め部材と、当該バネ部材の他方の端部を支持する第2のバネ支持部材とを有することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  4. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写された前記トナー像を、ベルト部材と当該ベルト部材を張架して当該ベルト部材を循環移動させるロール部材とを有する定着構造体と、当該定着構造体との間に前記記録材が通過するニップ部を形成する加圧部材とを用いて当該記録材に定着する定着手段と、
    前記定着手段の前記加圧部材を前記定着構造体に対して接離する方向に移動させる移動手段と、
    前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより、当該加圧部材に回転駆動力を伝達して当該加圧部材を回転させる回転駆動手段とを備え、
    前記回転駆動手段は、前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体から離間した位置に設定されることにより当該加圧部材と接触する回転部材と、当該回転部材が当該加圧部材からの荷重を受けることにより当該回転部材に回転駆動力を供給する駆動源と連結されて当該回転駆動力を伝達する駆動伝達手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  5. 前記回転駆動手段は、前記移動手段により前記定着手段の前記加圧部材が前記定着構造体に接触する位置に設定されることにより前記回転部材が当該加圧部材から離間し、当該回転部材が当該加圧部材から離間することにより前記駆動伝達手段と前記駆動源との連結が解除されることを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
  6. 前記移動手段は、前記定着手段の前記加圧部材を前記定着構造体に向けて加圧するバネ部材と、当該バネ部材のバネ長を調整する調整部材と、当該調整部材に締結されて当該バネ部材の一方の端部を支持する第1のバネ支持部材の位置を定めるとともに当該調整部材との間の緩みを抑える機構が設けられた位置決め部材と、当該バネ部材の他方の端部を支持する第2のバネ支持部材とを有することを特徴とする請求項4記載の画像形成装置。
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