JP2011118097A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】押圧部材に取り付けられる取り付け部材への湾曲の付与をより簡易に行う。
【解決手段】第1貫通孔K1および第3貫通孔K3が載っている直線から外れた位置に第2貫通孔K2が設けられている。その一方で、第1ピン、第2ピン、および第3ピンは、剥離パッドの長手方向に沿った同一の直線上に設けられている。このため、第1貫通孔K1〜第3貫通孔K3内に剥離パッドに設けられた第1ピン〜第3ピンを配置した場合、第1貫通孔K1および第3貫通孔K3に対して第2貫通孔K2が相対的に移動する。この結果、直線状に形成されていた屈曲部665(破線参照)は、湾曲するように変形する。また屈曲部665の湾曲に伴い第1対向部661も湾曲する。
【選択図】図9

Description

本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置に用いられる定着装置として、複数のロールによって張架されたベルト部材(定着ベルト)によって構成された加熱部材を備えたものが知られている。
例えば特許文献1には、定着ローラと加熱ローラとに張架された定着ベルトと、定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラとを備えるとともに、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラによって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であって定着ベルトの内側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えた定着装置が記載されている。
特開2003−5566号公報
本発明の目的は、湾曲した押圧面を用いてベルト部材を押圧するとともにこの押圧面に倣う湾曲が付与された他の部材を押圧面とベルト部材との間に配置するにあたり、この他の部材の湾曲を簡易に付与可能とする技術を提供することにある。
請求項1に記載の発明は、循環移動が可能に設けられたベルト部材と、前記ベルト部材の内側に配置された第1の定着部材と、前記ベルト部材を介して前記第1の定着部材に押圧配置され、記録材が通過する通過部を当該ベルト部材との間に形成する第2の定着部材と、前記第1の定着部材よりも前記ベルト部材の移動方向下流側に且つ当該ベルト部材の内側に配置され、湾曲して形成され当該ベルト部材を前記第2の定着部材に向けて押圧する押圧面と、当該押圧面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に配置された側面と、を有する押圧部材と、前記押圧部材の前記押圧面と前記ベルト部材の内周面との間に設けられ当該押圧面に倣う湾曲が付与された湾曲面と、当該湾曲面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に設けられ当該押圧部材の前記側面に対向配置される対向面とを備え、当該押圧部材に取り付けられる取り付け部材と、を備え、前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面が歪んだ状態で前記押圧部材の前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記押圧部材および前記取り付け部材は、長尺状に形成されるとともに前記ベルト部材の幅方向に沿って設けられ、前記取り付け部材の前記湾曲面は、当該取り付け部材の長手方向における端部から中央部に向かうに従い前記ベルト部材の前記内周面側に位置するように湾曲し、前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面のうち当該取り付け部材の長手方向における中央部が当該湾曲面となる面が設けられた側に変位した状態で当該対向面が前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記対向面は、複数の辺により囲まれて形成され、前記湾曲面となる面が設けられた側とは反対側に位置する辺には、切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記取り付け部材が前記押圧部材に取り付けられる前の状態において、当該押圧部材の前記押圧面と前記側面とのなす角度よりも当該取り付け部材の前記対向面と前記湾曲面となる面とのなす角度の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、板状に形成され、自身が有する一方の面を前記側面に対して押し付け当該側面との間に位置する前記取り付け部材の前記対向面を当該側面に対して固定する固定部材を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の定着装置である。
請求項6に記載の発明は、記録材に画像を形成する画像形成手段と、前記画像形成手段により画像が形成された記録材に当該画像を定着する定着手段と、を備え、前記定着手段は、循環移動が可能に設けられたベルト部材と、前記ベルト部材の内側に配置された第1の定着部材と、前記ベルト部材を介して前記第1の定着部材に押圧配置され、前記画像形成手段により画像が形成された記録材が通過する通過部を当該ベルト部材との間に形成する第2の定着部材と、前記第1の定着部材よりも前記ベルト部材の移動方向下流側に且つ当該ベルト部材の内側に配置され、湾曲して形成され当該ベルト部材を前記第2の定着部材に向けて押圧する押圧面と、当該押圧面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に配置された側面と、を有する押圧部材と、前記押圧部材の前記押圧面と前記ベルト部材の内周面との間に設けられ当該押圧面に倣う湾曲が付与された湾曲面と、当該湾曲面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に設けられ当該押圧部材の前記側面に対向配置される対向面とを備え、当該押圧部材に取り付けられる取り付け部材と、を備え、前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面が歪んだ状態で前記押圧部材の前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記押圧部材の前記押圧面は、複数の辺により囲まれて形成され、前記押圧部材の前記複数の辺のうちの一つの辺は、前記第1の定着部材が配置された側に設けられ、前記取り付け部材の前記湾曲面は、前記押圧部材の前記一つの辺よりも前記第1の定着部材側に突出して設けられていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、取り付け部材への湾曲の付与を簡易に行うことができる。
請求項2の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、取り付け部材の長手方向における端部よりも中央部の方が突出する湾曲面の湾曲の付与をより簡易に行うことができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、対向面に発生するしわなどを低減可能となる。
請求項4の発明によれば、取り付け部材の湾曲面が押圧部材の押圧面に付勢され湾曲面が押圧面により密着するようになる。
請求項5の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、対向面に発生するしわなどを低減可能となる。
請求項6の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、取り付け部材への湾曲の付与を簡易に行うことができる。
請求項7の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、第1の定着部材と押圧部材との間で生じる圧力低下部の圧力を高めることができる。
本実施の形態に係る画像形成装置の構成例を示した図である。 本実施の形態の定着ユニットの構成を説明するための断面構成図である。 ニップ部を説明するための図である。 剥離パッド、加圧ロール、および定着ロールを説明するための図である。 剥離パッドを下方から眺めた場合の斜視図である。 ニップ部における圧力分布を説明するための図である。 剥離パッド等を斜め下方から眺めた場合の斜視図である。 板状部材の斜視図である。 板状部材を剥離パッドに取り付ける際の板状部材の挙動を示した図である。 剥離パッドおよび板状部材を側方から眺めた場合の図である。 板状部材を固定する固定部材を説明するための図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、本実施の形態に係る画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成手段の一例としての画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
<画像形成部の説明>
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置される6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
画像形成ユニット11の各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがC(シアン)色、M(マゼンタ)色、HC(高彩度シアン)色、HM(高彩度マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を形成する。ここでのHC色は、シアン色系の色相を有し、C色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いシアン色であり、HM色は、マゼンタ色系の色相を有し、M色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いマゼンタ色である。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着ユニット60と、を備えている。加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。なお、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
<用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
<両面搬送系の説明>
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
<画像形成動作の説明>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41A,41Bが回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A,41Bにより繰り出される。繰出しロール41A,41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却ユニット80にて冷却され、カール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正ユニット85を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール45により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着ユニット60にて定着され、冷却ユニット80にて冷却され、さらにはカール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。定着装置、定着手段の一例としての定着ユニット60は、同図(A)に示すように、用紙を加熱する定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成された加圧ロール62(第2の定着部材の一例)とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、循環移動が可能に設けられたベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転動作し、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接(互いに押圧されながら接触)する領域であるニップ部Nにて定着ベルト610を内側から加熱する定着ロール611とを備えている。また定着ベルトモジュール61は、定着ベルト610を内側から張架しながら定着ベルト610を加熱する内部加熱ロール612、定着ベルト610を外側から張架しながら定着ベルト610を加熱する外部加熱ロール613と、を備えている。また、定着ベルトモジュール61は、定着ロール611と内部加熱ロール612との間(ニップ部Nの上流側)で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、ニップ部N内の下流側領域であって定着ロール611の近傍位置に配置された剥離パッド64(押圧部材の一例)と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615と、を備えている。
定着ベルト610は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆されたPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)からなる離型層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。すなわち、定着対象となる用紙に保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト610表面が変形することが好ましいからである。
第1の定着部材の一例としての定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
内部加熱ロール612は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱源としての例えば4本のハロゲンヒータ72により、内部加熱ロール612は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直行する方向に変位させる変位機構(不図示)が設けられている。そして、この変位機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部を変位させることで定着ベルト610を内部加熱ロール612の軸方向に変位させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォークを制御している。
外部加熱ロール613は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ73により、外部加熱ロール613は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材である。また剥離パッド64は、長尺状に形成されるともに定着ベルト610の幅方向に沿って配置されている。また剥離パッド64は、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(通過部の一例)(以下、「ロールニップ部N1」)の下流側近傍位置にて、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。また剥離パッド64は、図2(B)に示すように、定着ロール611に面する内側面64aと、定着ベルト610の内周面に対向配置され定着ベルト610を加圧ロール62に向けて押圧する押圧面64bとを備えている。さらに剥離パッド64は、押圧面64bよりも定着ベルト610の移動方向下流側に設けられ且つ押圧面64bに対し角度を有し定着ベルト610の進行方向を急激に変化させる(定着ベルト610を屈曲させる)外側面64c(側面の一例)を備えている。また剥離パッド64は上面64dを有している。また剥離パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmのニップ幅)に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ロールニップ部N1に連なる「剥離パッドニップ部N2」を形成している。
次に、加圧ロール62は、例えば、アルミニウムやSUSからなる円柱状ロールを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層と、PFAチューブからなる離型層とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に接離するように配置され、定着ベルトモジュール61を押圧しながら接触(圧接)するように設定された場合には、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印方向に回転する。
<定着ユニットでの定着動作についての説明>
次に、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙は、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙に定着される。
すなわち、本実施の形態の定着ユニット60では、ロールニップ部N1に作用する熱は主に定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ71から定着ロール611を介して供給される熱と、内部加熱ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ72から内部加熱ロール612を介して供給される熱と、外部加熱ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ73から外部加熱ロール613を介して供給される熱とによって加熱される。それにより、定着ロール611だけでなく、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613からも熱エネルギーが補給されるので、ロールニップ部N1においては、プロセススピードが高速であっても充分な熱量が確保される。
本実施の形態の定着ユニット60では、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく構成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613のそれぞれにおいて広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短かい期間に、定着ロール611や内部加熱ロール612および外部加熱ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、ロールニップ部N1においては、予め定められた定着温度が維持される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
また、本実施の形態の定着ユニット60は、定着ロール611がアルミニウムやSUS等で形成されたハードロールであり、加圧ロール62が弾性層を被覆したソフトロールである。そのため、ロールニップ部N1では、定着ロール611は殆ど撓まず、加圧ロール62表面が撓むことによって定着ベルト610の進行方向に幅を持ったニップ領域が形成されている。このように、ロールニップ部N1においては、定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611が殆ど変形しない。そのため、定着ベルト610は移動速度を一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それにより、ロールニップ部N1において定着ベルト610にシワや歪みが生じることが抑制されるので、良質の定着画像が安定的に提供される。
ロールニップ部N1を通過した後、用紙は剥離パッドニップ部N2に搬送される。剥離パッドニップ部N2は、加圧ロール62に剥離パッド64が押圧されて、定着ベルト610が加圧ロール62に圧接するように構成されている。したがって、ロールニップ部N1は定着ロール611の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有している。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙は、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙は定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は剥離パッド64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト610の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、定着ベルト610は剥離パッド64の外側面64cに沿って移動するため、定着ベルト610の屈曲は大きなものとなる。そのため、剥離パッドニップ部N2内において定着ベルト610との付着力が予め弱められた用紙は、用紙自身が有している紙のコシによって定着ベルト610から分離する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙は、剥離パッドニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板83により、その進行方向が導かれる。剥離案内板83により案内された用紙は、その後、排紙ガイド78および排紙ベルト79によって冷却ユニット80に向けて搬送され、それにより定着ユニット60での定着処理が完了する。
図3は、ニップ部Nを説明するための図である。
本実施形態では、剥離パッドニップ部N2内の剥離パッド64が配設されたパッド配設領域(剥離パッド64と加圧ロール62との圧接部)N2Tよりもロールニップ部N1側に境界領域N2Sが形成される。この境界領域N2Sでは、剥離パッド64が定着ベルト610を押圧せず、定着ベルト610の張力によって定着ベルト610が加圧ロール62に圧接される。この結果、この境界領域N2Sにおけるニップ圧は、ロールニップ部N1におけるニップ圧およびパッド配設領域N2Tにおけるニップ圧よりも相対的に低くなる。そしてこの場合、境界領域N2Sにニップ圧の低い圧力低下部が形成される。
ところで本実施形態の定着ユニット60による定着プロセスでは、トナー像が形成された用紙は、ロールニップ部N1において加熱および加圧される。その際に、ロールニップ部N1内において熱を受けた用紙の水分が気化して水蒸気が発生する場合がある。ここでロールニップ部N1では高いニップ圧が印加されているため、定着ベルト610と加圧ロール62との間に水蒸気による気泡(エアーギャップ)が生じることはない。
しかしながら、上記のように境界領域N2S(圧力低下部)が形成されていると、この境界領域N2Sにおいて水蒸気が発生しやすくなる。そして、水蒸気が発生した状態で、ニップ圧の高いパッド配設領域N2Tに用紙が進入すると、境界領域N2Sにおいて発生した水蒸気(気泡)が高いニップ圧によって用紙の表面上を動き回ることとなる。ここで用紙上のトナー像は、ロールニップ部N1を通過した直後であって溶融したトナーが未だ完全に固化されていない状態にある。このため、気泡が動き回ることによってトナー像が乱される現象が生じる。その結果、定着画像に微小な穴が生じたり、ムラ等が生じたりし画像不良が発生する事態を招来する。
そこで本実施形態では、図3に示すように板状部材66(取り付け部材の一例)を設けることで境界領域N2Sにおける圧力の低下を抑制するようにしている。この板状部材66は、SUSの板金に対し曲げ加工を施すことにより形成されており、側面視にてL字状に形成されている。またこの板状部材66は、長尺状に形成されるとともに定着ベルト610の幅方向に沿って配置されている。さらに板状部材66は、剥離パッド64に対して固定されている。また板状部材66は、剥離パッド64の押圧面64bに対向配置される第1対向部661と、第1対向部661よりも定着ベルト610の移動方向下流側に設けられ外側面64cに対向配置される第2対向部662とを有している。なお図示は省略するが、板状部材66の外表面(定着ベルト610と対向する面)には、摺動層としての摺動シート(摺動層)が設けられている。この摺動シートとしては、例えばフッ素樹脂含浸ガラス繊維シートを用いることができる。このような摺動シートを設けることで、板状部材66と定着ベルト610との摺動抵抗が小さくなる。
ここで湾曲面として機能する第1対向部661は、剥離パッド64の内側面64aと剥離パッド64の押圧面64bとの境界(接合部)64eよりも用紙の搬送方向上流側に向かって延びている。付言すると板状部材66の第1対向部661は、内側面64aと押圧面64bとの境界64eから定着ベルト610の移動方向上流側(定着ロール611側)に向かって突出するように設けられている。さらに説明すると、第1対向部661は、その一部が境界領域N2S内に位置するように設けられている。
本実施形態のように板状部材66を設けた場合、境界領域N2S内に位置している定着ベルト610が板状部材66により押圧されるようになる。付言すると、境界領域N2S内に位置している定着ベルト610は、板状部材66により内側から支持される状態となる。この結果、境界領域N2Sにおける圧力の低下が抑制され、上述した画像不良が生じにくくなる。なお板状部材66は、定着ロール611の外周面に第1対向部661の先端が接触するように設けることができる。この場合、第1対向部661の先端が定着ロール611により支持される状態となり、第1対向部661が変形しにくくなる。これにより、境界領域N2Sにおける圧力低下がさらに抑制される。
図4は、剥離パッド64、加圧ロール62、および定着ロール611を説明するための図である。詳細には、同図(A)は図2(A)の矢印G方向から定着ユニット60を眺めた場合における定着ロール611および加圧ロール62を示している。また、同図(B)は同じく矢印G方向から定着ユニット60を眺めた場合における剥離パッド64および加圧ロール62を示している。
同図(A)に示すように、本実施形態における加圧ロール62は、所謂フレア形状で形成されており、中央部(軸方向における中央部)の直径(外径)が端部の直径よりも小さくなっている。付言すると、加圧ロール62は、端部に向かうに従い直径が次第に大きくなるように外周面が曲率を有した状態で形成されている。また定着ロール611は、クラウン形状に形成されており、中央部(軸方向における中央部)の直径(外径)が端部の直径よりも大きくなっている。付言すると、定着ロール611は、定着ロール611の端部に向かうに従い直径が次第に小さくなるように外周面が曲率を有した状態で形成されている。このように加圧ロール62及び定着ロール611を構成した場合、ニップ部Nにて、用紙を幅方向に引っ張る力が作用し用紙にしわが生じにくくなる。
なお加圧ロール62についてさらに説明すると、加圧ロール62は、軸方向における中央部が凹んだ状態となっており、定着ロール611に押圧されていない状態において、その凹み量が250μmとなっている。付言すると、加圧ロール62の端部における外周面と加圧ロール62の中央部における外周面との高低差(加圧ロール62の径方向における位置ずれ量)が250μmとなっている。
また定着ロール611についてさらに説明すると、定着ロール611は、軸方向における中央部が突出した状態となっており、加圧ロール62が押圧されていない状態において、その突出量が50μmとなっている。付言すると、定着ロール611の端部における外周面と定着ロール611の中央部における外周面との高低差(定着ロール611の径方向における位置ずれ量)が50μmとなっている。さらに加圧ロール62との関係を説明すると、定着ロール611の上記突出量(50μm)は、加圧ロール62の上記凹み量(250μm)よりも小さくなっている。
また本実施形態では、同図(B)に示すように、剥離パッド64の押圧面64bが加圧ロール62の表面に倣うように形成されている。付言すると剥離パッド64の押圧面64bは、中央部(剥離パッド64の長手方向における中央部)が端部(剥離パッド64の長手方向における端部)よりも加圧ロール62側に位置し、所謂クラウン状で形成されている。更に説明すると、剥離パッド64の押圧面64bは、剥離パッド64の端部から剥離パッド64の中央部に向かうに従い加圧ロール62に接近するように円弧を描き湾曲して形成されている。
さらに説明すると、剥離パッド64の押圧面64bは、剥離パッド64の長手方向における中央部が突出した状態となっており、加圧ロール62が押圧されていない状態において、その突出量が1000μmとなっている。付言すると、押圧面64bのうち剥離パッド64の端部に位置する箇所と押圧面64bのうち剥離パッド64の中央部に位置する箇所との高低差が1000μmとなっている。
また加圧ロール62との関係を説明すると、剥離パッド64の上記突出量(1000μm)は、加圧ロール62の上記凹み量(250μm)よりも大きくなっている。また定着ロール611との関係を説明すると、剥離パッド64の上記突出量(1000μm)は、定着ロール611の上記突出量(50μm)よりも大きくなっている。なお、図4(B)では板状部材66(図3参照)の図示を省略しているが、板状部材66は、第1対向部661が剥離パッド64の押圧面64bに倣うように湾曲した状態で設けられている。付言すると、板状部材66の第1対向部661もクラウン状に形成されている。
ここで剥離パッド64の押圧面64b(板状部材66の第1対向部661)は平坦状に形成することもできるが、この場合、パッド配設領域N2Tにおける圧力が、剥離パッド64の中央部(長手方向における中央部)に向かうほど低下する。本実施形態では、ロールニップ部N1および剥離パッドニップ部N2で抑え込まれていた水蒸気が、剥離パッドニップ部N2の出口において発生し、画像ディフェクトとなることがある。ここで剥離パッド64の押圧面64bが上記のように平坦状に形成され且つ加圧ロール62が上記のようにフレア状に形成されていると、パッド配設領域N2Tにおける圧力が、剥離パッド64の中央部に向かうほど低下する。そしてこの場合、圧力低下により、水蒸気が発生しやすくなるために、画像不良もその規模が大きくなる傾向となる。
そこで本実施形態における剥離パッド64では、上記のように押圧面64bをクラウン状に形成し、剥離パッド64と加圧ロール62との間に生じる圧力(パッド配設領域N2Tにおける圧力)を、剥離パッド64の長手方向において均一となるようにしている。この場合、境界領域N2Sにて発生した水蒸気が特定の箇所に集中せず剥離パッド64の長手方向において分散するようになる。この結果、水蒸気によって画像不良が仮に発生する場合であってもその規模が小さくなる。即ち画像不良がより目立ちにくくなる。
なお本実施形態では、上記のとおり、剥離パッド64の押圧面64bにおける上記突出量(1000μm)が、加圧ロール62の上記凹み量(250μm)よりも大きくなっている。これは剥離パッド64の撓みを考慮したものである。剥離パッド64は、加圧ロール62から加重を受け加圧ロール62から離れるように撓む。この結果、軸方向における中央部にて圧力の低下が起こりやすい。本実施形態のように、押圧面64bにおける上記突出量を加圧ロール62の上記凹み量よりも大きくした場合、軸方向の中央部にて起こりやすい上記圧力の低下が抑制されるようになる。なお本実施形態では、剥離パッド64の方が定着ロール611よりも撓みやすい。このため本実施形態では、剥離パッド64の突出量が1000μmと大きくなっているが、定着ロール611の突出量は50μmと小さくなっている。
図5は、剥離パッド64を下方から眺めた場合の斜視図である。なお図5(A)は板状部材66が取り付けられる前の剥離パッド64の斜視図であり、同図(B)は板状部材66が取り付けられた後の剥離パッド64の斜視図である。
本実施形態における剥離パッド64では、上記のとおり、押圧面64bが加圧ロール62の表面に倣うように形成されている。図5(A)を参照して再度説明すると、押圧面64bは、剥離パッド64の端部(両端部)から剥離パッド64の中央部に向かうに従い加圧ロール62に接近するように円弧を描いて(曲率を有して)形成されている。さらに説明すると、押圧面64bは、端部よりも中央部の方が下方に突出した状態で形成されている。
また本実施形態における剥離パッド64の押圧面64bは、同図(A)に示すように、剥離パッド64の長手方向における一端側に第1の辺641を有し、剥離パッド64の長手方向における他端側に第2の辺642を有し、用紙の搬送方向上流側(定着ロール611が配置された側)に第3の辺643(一つ辺の一例)を有し、用紙の搬送方向下流側に第4の辺644を有している。付言すると、剥離パッド64の押圧面64bは、第1の辺641〜第4の辺644の複数の辺によって囲まれて形成されている。
また本実施形態では、第3の辺643が円弧を描いて形成されている。付言すると第3の辺643は、用紙の搬送方向上流側(定着ロール611が配置されている側)に向かって突出するように曲率を有して形成されている。さらに説明すると、第3の辺643は、長手方向における中央部の方が端部よりも定着ロール611に接近した状態で設けられている。付言すると、定着ロール611と第3の辺643との辺との離間距離は、剥離パッド64の中央部にて小さく剥離パッド64の端部にて大きくなっている。
さらに説明すると、剥離パッド64の中央部において第3の辺643と第4の辺644との離間距離がT2である場合に、剥離パッド64の端部において第3の辺643と第4の辺644との離間距離はT1(<T2)となっている。また本実施形態では、第3の辺643が円弧を描いて形成されているため、押圧面64bの幅(定着ベルト610の移動方向における幅)が剥離パッド64の中央部と端部とで異なっている。付言すると本実施形態では、押圧面64bの幅が、剥離パッド64の中央部から端部に向かうに従い小さくなっている。
また板状部材66について、図5(B)を参照して説明すると、板状部材66の第1対向部661は、剥離パッド64の押圧面64bに倣うように湾曲した状態で設けられている。付言すると、第1対向部661は、長手方向における端部(両端部)から長手方向における中央部に向かうに従い加圧ロール62に接近するように円弧を描いて(曲率を有して)形成されている。さらに説明すると、第1対向部661は、長手方向における端部よりも中央部の方が下方に突出した状態で設けられている。
また第1対向部661は、長手方向における一端側に第1の辺661Aを有し、長手方向における他端側に第2の辺661Bを有している。また第1対向部661は、用紙の搬送方向上流側(定着ロール611が配置された側)に第3の辺661Cを有している。この第3の辺661Cは、剥離パッド64に設けられた第3の辺643よりも定着ロール611側に位置している。また第1対向部661は、用紙の搬送方向下流側に第4の辺661Dを有している。付言すると、第1対向部661は、第1の辺661A〜第4の辺661Dの複数の辺によって囲まれて形成されている。
また本実施形態では、第3の辺661Cが円弧を描いて形成されている。付言すると第3の辺661Cは、用紙の搬送方向上流側(定着ロール611が配置されている側)に向かって突出するように曲率を有して形成されている。さらに説明すると、第3の辺661Cは、長手方向における中央部の方が端部よりも定着ロール611に接近した状態で設けられている。付言すると、定着ロール611と第3の辺661Cとの辺との離間距離は、第1対向部661の長手方向における中央部にて小さく第1対向部661の長手方向における端部にて大きくなっている。
さらに説明すると、第3の辺661Cと第4の辺661Dとの離間距離は、第1対向部661の長手方向における中央部においてT4となっており、第1対向部661の長手方向における端部においてT3(<T4)となっている。また本実施形態では、第3の辺661Cが円弧を描いて形成されているため、第1対向部661の幅(定着ベルト610の移動方向における幅)が第1対向部661の長手方向における中央部と端部とで異なっている。さらに説明すると本実施形態では、第1対向部661の幅が、第1対向部661の中央部から端部に向かうに従い小さくなっている。
図6は、ニップ部Nにおける圧力分布を説明するための図である。詳細には、図3に示したニップ部Nにおける圧力分布を上方から眺めた場合の状態を示している。
本実施形態では、定着ロール611と加圧ロール62とによって、用紙の搬送方向上流側に矩形状のロールニップ部N1が形成される。また、剥離パッド64と加圧ロール62とによって、ロールニップ部N1よりも用紙の搬送方向下流側にパッド配設領域N2Tが形成される。また、ロールニップ部N1とパッド配設領域N2Tとの間に、板状部材66が定着ベルト610を押圧することにより形成される押圧ニップ部N3が形成される。
ここで剥離パッド64の押圧面64bは、上記のとおり第1の辺641〜第4の辺644の4つの辺を有している。このためパッド配設領域N2Tも、押圧面64bにおける4つの辺に対応して、第1の辺N21〜第4の辺N24を有するようになる。そして本実施形態では上記にて説明したように、押圧面64bの第3の辺643は、その中央部が定着ロール611に接近するように円弧を描いて形成されている。このためパッド配設領域N2Tにおける第3の辺N23も、その中央部が定着ロール611に接近するように円弧を描いて形成される。
また本実施形態では、板状部材66の第1対向部661(図5(B)参照)により、押圧ニップ部N3が形成される。この押圧ニップ部N3は、パッド配設領域N2Tに連続した状態で設けられ、且つ、パッド配設領域N2Tよりも定着ベルト610の移動方向上流側に設けられる。さらに、押圧ニップ部N3は、曲率を有して形成された第3の辺661Cに対応する辺N31を、定着ベルト610の移動方向上流側に有している。この辺N31は、長手方向における中央部がロールニップ部N1に接近するように曲率を有した状態で形成される。さらに説明すると、辺N31は、中央部から端部に向かうに従いロールニップ部N1から離れるにように形成される。またロールニップ部N1と押圧ニップ部N3との離間距離は、ロールニップ部N1の端部(用紙の搬送方向と直交する方向における端部)において最も大きく、ロールニップ部N1の中央部(用紙の搬送方向と直交する方向における中央部)において最も小さくなる。
本実施形態では、ロールニップ部N1で抑え込まれていた水蒸気が境界領域N2Sにおいて発生する可能性があり、この水蒸気が、パッド配設領域N2Tに進入すると画像不良が発生するおそれがある。このため本実施形態では、押圧ニップ部N3の辺N31が、上記にて説明したように、中央部から端部に向かうに従いロールニップ部N1から離れるように円弧を描いて形成されている。これは、端部よりも中央部において水蒸気による画像不良が発生しやすいためである。上記のように中央部から端部に向かうに従いロールニップ部N1から離れるにように円弧を描いて形成した場合には、境界領域N2Sにおける水蒸気の発生が抑制され、画像不良が生じにくくなる。
なお上記実施形態では、板状部材66を設けることにより、境界領域N2Sにおける圧力の低下を抑制するようにしたが、板状部材66を省略することもできる。例えば、剥離パッド64の先端部を延ばすことで境界領域N2Sにおける圧力の低下を抑制することができる。また剥離パッド64の全体を定着ロール611に接近させ境界領域N2Sにおける圧力の低下を抑制することもできる。なお、剥離パッド64の先端部を延ばす場合、剥離パッド64の強度低下が起こる可能性があり、剥離パッド64を定着ロール611に接近させた場合、剥離パッド64と定着ロール611とが広範囲で接触する可能性がある。一方で、上記のように板状部材66を剥離パッド64に対して別途取り付ける態様は、このような不具合が生じにくい。このため、板状部材66を剥離パッド64に対して別途取り付ける態様は、剥離パッド64自身により圧力の低下を抑制する場合に比べ、より好ましい態様といえる。
また上記では説明を省略したが、本実施形態では、図3に示すように、定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線から外れた位置に第1対向部661の先端部が位置するように定着ユニット60を構成している。付言すると本実施形態では、第1対向部661の先端部が、定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線の上に載っておらず、この線から外れた位置に第1対向部661の先端部が設けられている。更に説明すると、第1対向部661の先端部は、定着ベルト610の移動方向において、定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線よりも下流側に位置している。
加圧ロール62が定着ロール611を押圧する押圧力は、定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線上において最も大きくなる。ここで定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線の上に第1対向部661の先端部が載っている場合(位置している場合)、上記押圧力による影響を大きく受け、第1対向部661の先端部がより変形しやすくなる。そしてこの場合、この先端部が定着ロール611の外周面に強く接触し、定着ロール611等の摩耗がより進行しやすくなる。また、定着ロール611に対する負荷がより大きくなる。そこで、本実施形態では上記のように、定着ロール611の軸心と加圧ロール62の軸心とを結ぶ線から外れた位置に第1対向部661の先端部を配置している。この場合、第1対向部661の先端部の変形が抑制され、上記不具合が生じにくくなる。
ここで剥離パッド64への板状部材66の取り付けについて詳細に説明する。
図7は、剥離パッド64等を斜め下方から眺めた場合の斜視図である。上記では詳細な説明を省略したが、同図(A)に示すように、剥離パッド64の外側面64cには、この外側面64cから突出した第1ピンP1,第2ピンP2,第3ピンP3が取り付けられている。ここで第1ピンP1,第2ピンP2,第3ピンP3は、剥離パッド64の長手方向に沿った直線上に設けられている。また第1ピンP1は剥離パッド64の一方の端部側に設けられ、第3ピンP3は剥離パッド64の他方の端部側に設けられ、第2ピンP2は剥離パッド64の長手方向における中央部に設けられている。
また剥離パッド64の外側面64cには、定着ベルト610の移動方向における上流側に設けられた第1平坦面H1が設けられている。また外側面64cには、第1平坦面H1に対し角度を有した状態で設けられるとともに第1平坦面H1に接続され、且つ、第1平坦面H1よりも定着ベルト610の移動方向下流側に位置する第2平坦面H2が設けられている。ここで上記第1ピンP1〜第3ピンP3は、第1平坦面H1に設けられている。また本実施形態における剥離パッド64は、第1平坦面H1と第2平坦面H2との接続部に形成される稜線R1(頂部)を面削ぎすることにより形成された第3平坦面H3を有している。ここでこの第3平坦面H3は、複数設けられるとともに剥離パッド64の長手方向において並んだ状態で設けられている。また第3平坦面H3の各々には、ねじ穴Nhが形成されている。
一方、板状部材66は、同図(B)に示すように、また上述したように、剥離パッド64の押圧面64bに対向配置される第1対向部661と、外側面64cに対向配置される第2対向部662とを有している。また板状部材66は、対向面として機能する第2対向部662に、丸穴状の第1貫通孔K1、長穴状の第2貫通孔K2、同じく長穴状の第3貫通孔K3の3つの貫通孔を備えている。そして本実施形態では、第1貫通孔K1内に剥離パッド64の第1ピンP1が配置され、第2貫通孔K2内に剥離パッド64の第2ピンP2が配置され、第3貫通孔K3内に剥離パッド64の第3ピンP3が配置され、剥離パッド64に対する板状部材66の位置決めが行われている。なお第1貫通孔K1を長穴状とせず丸穴状としたのは、剥離パッド64の長手方向における板状部材66の位置決めを行うためである。
図8(板状部材66の斜視図)を参照して板状部材66について更に詳しく説明する。なお同図(A)は、剥離パッド64に取り付けられる前の板状部材66を下方から眺めた場合の斜視図であり、同図(B)は同図(A)の矢印A方向から板状部材66を眺めた場合の図である。
上記のように、板状部材66の第2対向部662には、第1貫通孔K1、第2貫通孔K2、および第3貫通孔K3の3つの貫通孔が形成されている。ここで、第1貫通孔K1は板状部材66の長手方向における一方の端部側に設けられ、第3貫通孔K3は板状部材66の長手方向における他方の端部に設けられ、第2貫通孔K2は板状部材66の長手方向における中央部に設けられている。
ここで、第1貫通孔K1、第2貫通孔K2、および第3貫通孔K3は、上記第1ピンP1〜第3ピンP3とは異なり、板状部材66の長手方向に沿った直線上に配置されていない。付言すると、第1貫通孔K1、第2貫通孔K2、および第3貫通孔K3は、同一の直線上に配置されていない。より具体的に説明すると、第1貫通孔K1および第3貫通孔K3は、板状部材66の長手方向に沿った同一の直線上に配置されているものの第2貫通孔K2はこの直線から外れた位置に配置されている。さらに説明すると本実施形態では、第1貫通孔K1および第3貫通孔K3が載っている直線を境にして2つの領域が形成される。具体的には、第1対向部661が設けられている側に位置する第1領域R21と、第1対向部661が設けられている側とは反対側に位置する第2領域R22とが形成される。そして本実施形態における第2貫通孔K2は、この第2領域R22側に配置されている。
また板状部材66は、曲げ加工が施されることにより形成されており、板状部材66のうち第1対向部661と第2対向部662とが接続される箇所には、曲げ加工が施されることにより形成された屈曲部665が設けられている。また板状部材66は、平板状に形成されたSUS板に対し曲げ加工を行うことにより形成されている。このため、剥離パッド64に取り付ける前の状態においては、図8に示すように、第1対向部661が平板状(平坦状)に形成され、第2対向部662も平板状(平坦状)に形成されている。また、本実施形態における板状部材66の屈曲部665は、板状部材66の長手方向に沿って直線状に設けられている。
さらに板状部材66は、矩形状にされた第2対向部662が有する3つの外縁部(辺)のうち屈曲部665に沿うように設けられた外縁部(板状部材66の長手方向に沿う外縁部)に、2つの切り欠き666を有している。付言すると板状部材66は、板状部材66の長手方向に沿った外縁部に、第2対向部662の内側に向かって(屈曲部665に向かって)凹んだU字状の切り欠き666を2つ有している。さらに説明すると、板状部材66は、第1対向部661が設けられた側とは反対側に位置する外縁部(辺)に切り欠き666を2つ有している。ここで一方の切り欠き666は、板状部材66の長手方向において第1貫通孔K1と第2貫通孔K2との間に設けられている。またこの一方の切り欠き666は、第1貫通孔K1および第2貫通孔K2のうち第2貫通孔K2側に寄った状態で設けられている。また他方の切り欠き666は、板状部材66の長手方向において第2貫通孔K2と第3貫通孔K3との間に設けられている。またこの他方の切り欠き666は、第2貫通孔K2および第3貫通孔K3のうち第2貫通孔K2側に寄った状態で設けられている。
図9は、板状部材66を剥離パッド64に取り付ける際の板状部材66の挙動を示した図である。本実施形態では上記のように、第1貫通孔K1および第3貫通孔K3が載っている直線から外れた位置に第2貫通孔K2が設けられている。その一方で、第1ピンP1、第2ピンP2、および第3ピンP3は、剥離パッド64の長手方向に沿った同一の直線上に設けられている。
このため、第1貫通孔K1〜第3貫通孔K3内に剥離パッド64に設けられた第1ピンP1〜第3ピンP3を配置した場合、図9に示すように、第1貫通孔K1および第3貫通孔K3に対して第2貫通孔K2が相対的に移動する。付言すると、第1貫通孔K1〜第3貫通孔K3のうち第2貫通孔K2のみが屈曲部665に向かって移動する。この結果、第2対向部662が歪むとともに直線状に形成されていた屈曲部665(同図の破線参照)は湾曲するように変形する。また屈曲部665の湾曲に伴い第1対向部661も湾曲するようになる。第1対向部661の湾曲は、しごき加工や曲げ加工を別途行うことで付与することができるが、この場合、手間を要するようになる。本実施形態のように第2対向部662を歪ませる構成を採用した場合、第1対向部661の湾曲をより簡易に付与することが可能となる。
なお第2貫通孔K2を第1貫通孔K1および第3貫通孔K3に対して移動させた場合、第2対向部662に歪みが生じ第2対向部662にしわ(弛み)などが生じる。このため本実施形態では、上記2つの切り欠き666を設け、第2対向部662におけるしわの発生を抑制するようにしている。
図10は、剥離パッド64および板状部材66を側方から眺めた場合の図である。ここで本実施形態では、剥離パッド64の押圧面64bと剥離パッド64の外側面64cとのなす角度がθAに設定されている。また、本実施形態では、剥離パッド64に取り付けられる前の板状部材66の第1対向部661と第2対向部662とのなす角度がθBに設定されている。さらに本実施形態では、θAとθBとの関係がθA>θBとなっている。このため本実施形態では、剥離パッド64の外側面64cに対して板状部材66の第2対向部662が取り付けられた場合、板状部材66の第1対向部661が剥離パッド64の押圧面64bに押し付けられる状態となる(付勢される状態となる)。
図11は、板状部材66を固定する固定部材を説明するための図である。
板状部材66の第1貫通孔K1〜第3貫通孔K3に対して剥離パッド64に設けられた第1ピンP1〜第3ピンP3を通した後、本実施形態では、同図(A)、(B)に示すように、板状の固定部材67を剥離パッド64の外側面64cに対して取り付け、固定部材67の一方の面を外側面64cに押し付けるとともに、固定部材67のこの一方の面と外側面64cとの間で板状部材66を挟み込む。これにより板状部材66の固定が行われる。
ここで固定部材67は、同図(B)に示すように、矩形状に形成され4つの辺を有している。また、固定部材67は、剥離パッド64に設けられた第1ピンP1〜第3ピンP3の各々に対応して設けられこれらのピンを収容する第1収容孔671〜第3収容孔673を有している。ここで第1収容孔671〜第3収容孔673は、固定部材67の長手方向に沿った直線上に設けられている。また、固定部材67は、上記4つの辺のうちの一つの辺から突出した突出片675を有している。ここで突出片675は、複数設けられている。また各々の突出片675は、剥離パッド64に形成された第3平坦面H3に対応するように設けられている。また各々の突出片675には、不図示のねじを通すための切り欠き675Aが形成されている。
ここで固定部材67を剥離パッド64に対して固定する際には、第1収容孔671〜第3収容孔673に剥離パッド64に設けられた第1ピンP1〜第3ピンP3を通し、固定部材67の位置決めを行う。次いで、不図示のねじを剥離パッド64のねじ穴Nhに取り付けることで、剥離パッド64に対し固定部材67を固定する。ここで、ねじにより板状部材66を直接剥離パッド64に対し固定することもできるが、この場合、ねじの締め付けを行った際に板状部材66が歪み板状部材66にしわなどが生じるおそれがある。また、第1対向部661に形成された湾曲が不均一に歪んでしまうおそれもある。本実施形態のように固定部材67と剥離パッド64とで板状部材66を挟む場合、付言すると固定部材67の一方の面を剥離パッド64の外側面64cに対し押し付ける場合、このような不具合が生じにくくなる。
なお固定部材67の外表面のうち剥離パッド64の押圧面64b側に配置される部位(図11(A)、(B)の斜線部参照)は、定着ベルト610(図2参照)の内周面に対して押し付けられる。これにより、剥離パッド64の押圧面64bを通過した直後の定着ベルト610の挙動が安定する。なお、定着ベルト610の内周面に押し付けられるこの部位には、摺動層が設けられている。この摺動層は、例えばフッ素樹脂含浸ガラス繊維シートを貼付することにより形成することができる。このような摺動層を設けることで、固定部材67と定着ベルト610との摺動抵抗が小さくなる。
なお上記では、板状部材66に設けられた第2貫通孔K2の位置をずらすことで第1対向部661を湾曲させたが、剥離パッド64に設けられた第2ピンP2(図7(A)参照)を押圧面64bが設けられている側にずらすことで、第1対向部661を湾曲させることもできる。また上記では、板状部材66に2つの切り欠き666を設けることで板状部材66にしわを発生させにくくしたが、例えば、剥離パッド64の外側面64cに凹部を形成し、板状部材66に発生するしわをこの凹部に逃がすこともできる。
1…画像形成装置、10…画像形成部、60…定着ユニット、62…加圧ロール、64…剥離パッド、64b…押圧面、64c…外側面、66…板状部材、67…固定部材、610…定着ベルト、611…定着ロール、661…第1対向部、662…第2対向部、666…切り欠き

Claims (7)

  1. 循環移動が可能に設けられたベルト部材と、
    前記ベルト部材の内側に配置された第1の定着部材と、
    前記ベルト部材を介して前記第1の定着部材に押圧配置され、記録材が通過する通過部を当該ベルト部材との間に形成する第2の定着部材と、
    前記第1の定着部材よりも前記ベルト部材の移動方向下流側に且つ当該ベルト部材の内側に配置され、湾曲して形成され当該ベルト部材を前記第2の定着部材に向けて押圧する押圧面と、当該押圧面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に配置された側面と、を有する押圧部材と、
    前記押圧部材の前記押圧面と前記ベルト部材の内周面との間に設けられ当該押圧面に倣う湾曲が付与された湾曲面と、当該湾曲面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に設けられ当該押圧部材の前記側面に対向配置される対向面とを備え、当該押圧部材に取り付けられる取り付け部材と、
    を備え、
    前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面が歪んだ状態で前記押圧部材の前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記押圧部材および前記取り付け部材は、長尺状に形成されるとともに前記ベルト部材の幅方向に沿って設けられ、
    前記取り付け部材の前記湾曲面は、当該取り付け部材の長手方向における端部から中央部に向かうに従い前記ベルト部材の前記内周面側に位置するように湾曲し、
    前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面のうち当該取り付け部材の長手方向における中央部が当該湾曲面となる面が設けられた側に変位した状態で当該対向面が前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記対向面は、複数の辺により囲まれて形成され、前記湾曲面となる面が設けられた側とは反対側に位置する辺には、切り欠きが形成されていることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記取り付け部材が前記押圧部材に取り付けられる前の状態において、当該押圧部材の前記押圧面と前記側面とのなす角度よりも当該取り付け部材の前記対向面と前記湾曲面となる面とのなす角度の方が小さいことを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の定着装置。
  5. 板状に形成され、自身が有する一方の面を前記側面に対して押し付け当該側面との間に位置する前記取り付け部材の前記対向面を当該側面に対して固定する固定部材を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の定着装置。
  6. 記録材に画像を形成する画像形成手段と、
    前記画像形成手段により画像が形成された記録材に当該画像を定着する定着手段と、を備え、
    前記定着手段は、
    循環移動が可能に設けられたベルト部材と、
    前記ベルト部材の内側に配置された第1の定着部材と、
    前記ベルト部材を介して前記第1の定着部材に押圧配置され、前記画像形成手段により画像が形成された記録材が通過する通過部を当該ベルト部材との間に形成する第2の定着部材と、
    前記第1の定着部材よりも前記ベルト部材の移動方向下流側に且つ当該ベルト部材の内側に配置され、湾曲して形成され当該ベルト部材を前記第2の定着部材に向けて押圧する押圧面と、当該押圧面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に配置された側面と、を有する押圧部材と、
    前記押圧部材の前記押圧面と前記ベルト部材の内周面との間に設けられ当該押圧面に倣う湾曲が付与された湾曲面と、当該湾曲面よりも当該ベルト部材の移動方向下流側に設けられ当該押圧部材の前記側面に対向配置される対向面とを備え、当該押圧部材に取り付けられる取り付け部材と、
    を備え、
    前記取り付け部材の前記湾曲面の湾曲は、前記対向面が歪んだ状態で前記押圧部材の前記側面に取り付けられることで付与されることを特徴とする画像形成装置。
  7. 前記押圧部材の前記押圧面は、複数の辺により囲まれて形成され、
    前記押圧部材の前記複数の辺のうちの一つの辺は、前記第1の定着部材が配置された側に設けられ、
    前記取り付け部材の前記湾曲面は、前記押圧部材の前記一つの辺よりも前記第1の定着部材側に突出して設けられていることを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013195991A (ja) * 2012-03-23 2013-09-30 Fuji Xerox Co Ltd 定着装置および画像形成装置
JP2013257560A (ja) * 2012-06-13 2013-12-26 Xerox Corp 印刷システムにおいて剥離半径を制御する装置、方法およびシステム

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