JP2011118295A - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内部に加熱部材を備えたロール部材によって張架されたベルト部材により囲まれる領域において加熱部材への電力供給のための配線を可能とする。
【解決手段】始端にハロゲンヒータ72の一方の電極が接続され、終端に中継接続用コネクタ131,132が接続されたヒータ側ハーネス135,136と、定着ベルトにより囲まれる領域を通過して中継接続用コネクタ131,132に至る経路に配線され、ヒータ側ハーネス135,136よりも外径が小さく構成されるとともに、終端に中継接続用コネクタ131,132と結合される中継接続用コネクタ121,122が接続される電源側ハーネス104,106とにより、ハロゲンヒータ72に電力を供給する。
【選択図】図9

Description

本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置として、内部にヒータ等の発熱体を備えたロール部材により張架されたベルト部材(定着ベルト)によって、トナー像を用紙に定着する定着装置を備えたものが知られている。
例えば特許文献1には、定着ローラと加熱ローラとに張架された定着ベルトと、定着ベルトの外周面に接触して定着ベルトとの間でニップを形成する加圧ローラとを備えるとともに、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとによって形成されるニップの出口分離部に対応した位置であって定着ベルトの内側に、出口分離部面を曲率の大きな形状部とした固定部材を備えた定着装置が記載されている。
2003−5566号公報
本発明は、内部に加熱部材を備えたロール部材によって張架されたベルト部材により囲まれる領域において加熱部材への電力供給のための配線を可能とすることを目的とする。
請求項1に記載の発明は、循環移動しながら記録材にトナーを定着するベルト部材と、循環移動する前記ベルト部材を張架するロール部材と、前記ロール部材の内部に配置され、当該ロール部材を介して前記ベルト部材を加熱する加熱部材と、始端に前記加熱部材の一方の電極が接続され、終端に第1の中継部材が接続された加熱部材側電線と、前記ベルト部材により囲まれる領域を通過して前記第1の中継部材に至る経路に配線され、前記加熱部材側電線よりも外径が小さく構成されるとともに、終端に前記第1の中継部材と結合される第2の中継部材が接続されて前記加熱部材に電力を供給する電力供給側電線とを備えたことを特徴する定着装置である。
請求項2に記載の発明は、前記加熱部材側電線が接続された前記第1の中継部材と、前記電力供給側電線が接続された前記第2の中継部材とは、前記ベルト部材により囲まれる領域の外部に配置されて相互に結合されることを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、前記電力供給側電線は、前記ロール部材の温度に応じて電流を遮断する遮断部材が各々接続された複数の電線が並列して配線されて構成されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置である。
請求項4に記載の発明は、前記電線に接続された前記遮断部材の各々は、前記ロール部材の軸方向の異なる位置に配置されたことを特徴とする請求項3記載の定着装置である。
請求項5に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、前記定着手段は、循環移動しながら前記記録材に前記トナー像を定着するベルト部材と、循環移動する前記ベルト部材を張架するロール部材と、前記ロール部材の内部に配置され、当該ロール部材を介して前記ベルト部材を加熱する加熱部材と、始端に前記加熱部材の一方の電極が接続され、終端に第1の中継部材が接続された加熱部材側電線と、前記ベルト部材により囲まれる領域を通過して前記第1の中継部材に至る経路に配線され、前記加熱部材側電線よりも外径が小さく構成されるとともに、終端に前記第1の中継部材と結合される第2の中継部材が接続されて前記加熱部材に電力を供給する電力供給側電線とを備えたことを特徴する画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記定着手段は、前記加熱部材側電線が接続された前記第1の中継部材と、前記電力供給側電線が接続された前記第2の中継部材とが、前記ベルト部材により囲まれる領域の外部に配置されて相互に結合されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記定着手段の前記電力供給側電線は、前記ロール部材の温度に応じて電流を遮断する遮断部材が各々接続された複数の電線が並列して配線されて構成されたことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、内部に加熱部材を備えたロール部材によって張架されたベルト部材により囲まれる領域において加熱部材への電力供給のための配線を可能とすることができる。
請求項2の発明によれば、温度上昇の比較的少ない領域に加熱部材側電線が配線されるので、大電流が流れる第1の中継部材に対応させた加熱部材側電線を使用できるとともに、耐熱被覆の薄い加熱部材側電線の使用が可能となり、本発明を採用しない場合に比べ、加熱部材側電線に関する配線の自由度を高めることができる。
請求項3の発明によれば、耐用電流が比較的小さく安価な遮断部材を使用可能な配線を構成することができる。
請求項4の発明によれば、通紙される記録材のサイズに応じた電流の遮断制御を行うことができる配線を構成することができる。
請求項5の発明によれば、内部に加熱部材を備えたロール部材によって張架されたベルト部材により囲まれる領域において加熱部材への電力供給のための配線を可能とすることができる。
請求項6の発明によれば、温度上昇の比較的少ない領域に加熱部材側電線が配線されるので、大電流が流れる第1の中継部材に対応させた加熱部材側電線を使用できるとともに、耐熱被覆の薄い加熱部材側電線の使用が可能となり、本発明を採用しない場合に比べ、加熱部材側電線に関する配線の自由度を高めることができる。
請求項7の発明によれば、耐用電流が比較的小さく安価な遮断部材を使用可能な配線を構成することができる。
本実施の形態に係る定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 定着ユニットの構成を説明するための断面構成図である。 内部加熱ロールの内部に配置された4本のハロゲンヒータに対する給電経路の一部を示す図である。 給電ボックスの内部から中継接続用コネクタに至るまでの給電のための配線について説明する図である。 給電ボックスの内部から中継接続用コネクタに至るまでの給電のための配線について説明する図である。 給電ボックスの内部から中継接続用コネクタに至るまでの給電のための配線について説明する図である。 給電ボックス内部でのサーモスタットおよびサーミスタの配置位置を説明する図である。 電源側ハーネスに接続された中継接続用コネクタとヒータ側ハーネスに接続された中継接続用コネクタとが定着ベルトモジュールの外部で接続された構成を示した図である。 画像形成装置の電源部と4本のハロゲンヒータとの間の回路構成図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態に係る定着装置(定着ユニット)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
<画像形成部の説明>
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置されるトナー像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがC(シアン)色、M(マゼンタ)色、HC(高彩度シアン)色、HM(高彩度マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を形成する。ここでのHC色は、シアン色系の色相を有し、C色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いシアン色であり、HM色は、マゼンタ色系の色相を有し、M色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いマゼンタ色である。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着ユニット60と、を備えている。
加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。また、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
<用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3と、を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
<両面搬送系の説明>
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
<画像形成動作の説明>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41が回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A,41Bにより繰り出される。繰出しロール41A,41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却ユニット80にて冷却され、カール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正ユニット85を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール41により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着ユニット60にて定着され、冷却ユニット80にて冷却され、さらにはカール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。この定着ユニット60は、用紙を加熱する加熱手段の一例としての定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成された加圧部材の一例としての加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、循環移動するベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転動作し、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接(互いに押圧されながら接触)する領域であるニップ部Nにて定着ベルト610を内側から加熱するロール部材の一例としての定着ロール611と、定着ベルト610を内側から張架しながら定着ベルト610を加熱するロール部材の一例としての内部加熱ロール612、定着ベルト610を外側から張架しながら定着ベルト610を加熱する外部加熱ロール613と、を備えている。また、定着ベルトモジュール61は、定着ロール611と内部加熱ロール612との間(ニップ部Nの上流側)で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、ニップ部N内の下流側領域であって定着ロール610の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64と、ニップ部Nの下流側において定着ベルト610を張架する張架ロール615と、を備えている。
定着ベルト610は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆されたPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)からなる離型層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。すなわち、定着対象となる用紙Pに保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙P上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト610表面が変形することが好ましいからである。
定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された加熱部材の一例としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
内部加熱ロール612は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱部材の一例としての例えば4本のハロゲンヒータ72により、内部加熱ロール612は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の蛇行(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直行する方向に変位させる変位機構(不図示)が設けられている。そして、この変位機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部を変位させることで定着ベルト610を内部加熱ロール612の軸方向に変位させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォークを制御している。
外部加熱ロール613は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された加熱源としての例えば3本のハロゲンヒータ73により、外部加熱ロール613は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(以下、「ロールニップ部N1」)の下流側近傍位置にて、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。そして、剥離パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmのニップ幅)に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ロールニップ部N1に連なる「剥離パッドニップ部N2」を形成している。
次に、加圧ロール62は、例えば、アルミニウムやSUSからなる円柱状ロールを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層と、PFAチューブからなる離型層とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に接離するように配置され、定着ベルトモジュール61を押圧しながら接触(圧接)するように設定された場合には、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印方向に回転する。
<定着ユニットでの定着動作についての説明>
次に、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙は、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙に定着される。
すなわち、本実施の形態の定着ユニット60では、ロールニップ部N1に作用する熱は主に定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ71から定着ロール611を介して供給される熱と、内部加熱ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ72から内部加熱ロール612を介して供給される熱と、外部加熱ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ73から外部加熱ロール613を介して供給される熱とによって加熱される。それにより、定着ロール611だけでなく、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613からも熱エネルギーが補給されるので、ロールニップ部N1においては、プロセススピードが高速であっても充分な熱量が確保される。
本実施の形態の定着ユニット60では、直接的な加熱部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく構成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613のそれぞれにおいて広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短い期間に、定着ロール611や内部加熱ロール612および外部加熱ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、ロールニップ部N1においては、予め定められた定着温度が維持される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が略一定に維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
また、本実施の形態の定着ユニット60は、定着ロール611がアルミニウムやSUS等で形成されたハードロールであり、加圧ロール62が弾性層を被覆したソフトロールである。そのため、ロールニップ部N1では、定着ロール611は殆ど撓まず、加圧ロール62表面が撓むことによって定着ベルト610の進行方向に幅を持ったニップ領域が形成されている。このように、ロールニップ部N1においては、定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611が殆ど変形しない。そのため、定着ベルト610は移動速度を略一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それにより、ロールニップ部N1において定着ベルト610にシワや歪みが生じることが抑制されるので、良質の定着画像が安定的に提供される。
引き続いて、ロールニップ部N1を通過した後には、用紙は剥離パッドニップ部N2に搬送される。剥離パッドニップ部N2は、加圧ロール62に剥離パッド64が押圧されて、定着ベルト610が加圧ロール62に圧接するように構成されている。したがって、ロールニップ部N1は定着ロール611の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有している。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙は、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙は定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は剥離パッド64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト610の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、定着ベルト610は剥離パッド64の外側面に沿って移動するため、定着ベルト610の屈曲は大きなものとなる。そのため、剥離パッドニップ部N2内において定着ベルト610との付着力が予め弱められた用紙は、用紙自身が有している紙のコシによって定着ベルト610から分離する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙は、剥離パッドニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板69により、その進行方向が導かれる。剥離案内板69により案内された用紙は、その後、排紙ガイド78および排紙ベルト79によって冷却ユニット80に向けて搬送され、それにより定着ユニット60での定着処理が完了する。
<ハロゲンヒータへの給電についての説明>
まず図3は、内部加熱ロール612の内部に配置された4本のハロゲンヒータ72に対する給電経路の一部を示す図である。なお、図3は、内部加熱ロール612を画像形成装置1奥側(−z方向側)から見た図を示している。
図3に示すように(図2も参照)、定着ベルト610を張架しながら矢印方向に回転移動する内部加熱ロール612は、内部に定着ベルト610を加熱する4本のハロゲンヒータ72を備えている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の温度を制御するために内部加熱ロール612の表面温度を検知する検知部材の一例であるサーミスタ141,142,143(図3では、サーミスタ141のみを表示)や、内部加熱ロール612の温度の異常上昇を検知した場合にハロゲンヒータ72への通電を遮断する遮断部材の一例であるサーモスタット101,102(図3では、サーモスタット102のみを表示)が配置されている。
サーミスタ141,142,143およびサーモスタット101,102は、内部加熱ロール612に配置されることから、図3に示すように、内部加熱ロール612が定着ベルト610を張架していない領域である、定着ベルト610によって囲まれる定着ベルトモジュール61(図2参照)の内部空間に配置される。そして、このサーモスタット101,102は、画像形成装置1の電源部(不図示)とハロゲンヒータ72との給電経路中に直列で配置される電気部品であることから、電源部とハロゲンヒータ72との間の給電経路は定着ベルトモジュール61の内部空間に設定される。そのために、本実施の形態の定着ユニット60では、図3に示すように、内部加熱ロール612の定着ベルトモジュール61の内部空間側に給電ボックス100を配置して、給電ボックス100の内部に、サーモスタット101,102と、電源部とサーモスタット101,102を直列に接続する配線と、サーモスタット101またはサーモスタット102と、ハロゲンヒータ72との間を通電する配線と、さらには、サーミスタ141,142,143と、サーミスタ141,142,143からの信号線とを配置している。なお、このような給電ボックス100を設けたのは、内部に配置される配線等を定着ベルト610や内部加熱ロール612等からの熱に直接的に曝されることを抑制するためでもある。
また、図3に示すように、内部加熱ロール612の画像形成装置1奥側において、4本のハロゲンヒータ72は、電極端子がそれぞれ2本毎にコネクタ133,134にまとめられて結合されている。そして、コネクタ133,134それぞれを始端として接続された加熱部材側電線の一例としてのヒータ側電線(以下、「ヒータ側ハーネス」)135,136と、ヒータ側ハーネス135,136それぞれの終端に接続された第1の中継部材の一例としての中継接続用コネクタ131,132とにより、給電ボックス100を通って配線された電力供給側電線の一例としての電源側電線(以下、「電源側ハーネス」)104,106それぞれの終端に接続された第2の中継部材の一例としての中継接続用コネクタ121,122(後段の図8参照)に接続されている。それにより、4本のハロゲンヒータ72の画像形成装置1奥側の電極端子は、給電ボックス100内を通る電源側ハーネス104,106を介して電源部と接続される。
このハロゲンヒータ72に接続されたヒータ側ハーネス135,136および中継接続用コネクタ131,132には、例えば最大7〜8Aの大きな電流が流れる。そのため、中継接続用コネクタ131,132には、例えば7〜8Aの電流に対する耐用性が保障されたものが用いられる。それにより、ヒータ側ハーネス135,136としては、このような耐用電流が例えば7〜8Aである中継接続用コネクタ131,132に対応させた例えば太さがAWG(American Wire Gauge)#18の比較的太い電線を用いることが必要となる。
給電ボックス100の中を配線された電源側ハーネス104,106が給電ボックス100から出た領域では、電源側ハーネス104,106は、ヒータ側の中継接続用コネクタ131,132が配置された位置まで、内部加熱ロール612を回転自在に支持する支持体110の側部に形成された配線支持溝111に沿って支持されながら、引き廻される。
なお、給電ボックス100の両端部は、画像形成装置1奥側および前側に配置された支持体110によって支持されている。また、ヒータ側の中継接続用コネクタ131,132が接続される給電ボックス100側の中継接続用コネクタ121,122を支持するコネクタ支持部120は、画像形成装置1奥側に配置された支持体110によって支持されている。
<給電ボックス内部から中継接続用コネクタに至るまでの配線の説明>
次の図4〜図6は、給電ボックス100の内部から中継接続用コネクタ121,122に至るまでの給電のための配線について説明する図である。図4は、定着ベルトモジュール61(図2参照)の内部空間側(−y方向側)から見た平面構成図であって、主に給電ボックス100の内部の配線を示している。また、図5は、図4の−x方向側から見た画像形成装置1奥側(−z方向側)の側面構成図であって、給電ボックス100から中継接続用コネクタ121,122に至る支持体110側部での配線を示している。また、図6は、図4のy方向側から見た画像形成装置1奥側(−z方向側)における上面構成図であって、支持体110側部から中継接続用コネクタ121,122に至るまでの配線を示している。
まず図4に示すように、給電ボックス100の内部では、画像形成装置1の電源部(不図示)に接続された共通電線(以下、「共通ハーネス」)103がサーモスタット101の一方の電極101aに接続されている。そして、共通ハーネス103が接続されたサーモスタット101の一方の電極101aには、サーモスタット102が直列に接続された電源側ハーネス106が接続されている。また、サーモスタット101の共通ハーネス103が接続された電極101aとは反対側の電極101bには、電源側ハーネス104が接続されている。
このように、共通ハーネス103からの配線は、共通ハーネス103が接続されたサーモスタット101の一方の電極101aにて、サーモスタット101が接続された電源側ハーネス104と、サーモスタット102が接続された電源側ハーネス106とに分岐されている。それにより、電極101aにて共通ハーネス103から分岐された後は、電源側ハーネス104,106により並列に配線されている。それによって、電源部(不図示)からの例えば7〜8A程度の大きな電流が電源側ハーネス104,106それぞれに分散される。それにより、電源側ハーネス104,106それぞれに接続されるサーモスタット102,104としては、それぞれ耐用電流が比較的小さく安価なものが使用される。
電源側ハーネス104,106は、給電ボックス100の外部では、内部加熱ロール612の反対側(y方向側)に配置された中継接続用コネクタ121,122まで延びて構成されている。
給電ボックス100の外部に延びた電源側ハーネス104,106は、次の図5に示すように、支持体110の側面に形成された配線支持溝111に支持されながら、支持体110側面をコネクタ支持部120に向けて導かれる。そして、次の図6に示すように、支持体110側面の配線支持溝111から延びた電源側ハーネス104,106は、コネクタ支持部120の内部を通って、コネクタ支持部120に支持された中継接続用コネクタ121,122に接続される。
<サーモスタットおよびサーミスタの説明>
ここで、サーモスタット101,102およびサーミスタ141,142,143の配置位置について説明する。
図7は、給電ボックス100内部でのサーモスタット101,102およびサーミスタ141,142,143の配置位置を説明する図である。図7に示すように、給電ボックス100内部では、サーモスタット101,102およびサーミスタ141,142,143は、それぞれが内部加熱ロール612の軸方向(z方向)の異なる位置に配置されている。
サーモスタット101,102に関しては、内部加熱ロール612の軸方向(z方向)に沿って、例えばA4サイズ等の比較的小さなサイズの用紙(以下、「小サイズ紙」)が通過する小サイズ通紙領域Fsにサーモスタット101が配置されている。また、小サイズ通紙領域Fsよりも外側であって、例えばA3サイズ等の比較的大きなサイズの用紙(以下、「大サイズ紙」)が通過する大サイズ通紙領域Fbの内側にサーモスタット102が配置されている。それにより、小サイズ紙が連続通紙された場合には、小サイズ通紙領域Fsにおける異常昇温の発生によりサーモスタット101が通電を遮断する。さらに、その場合の非通紙部における異常昇温の発生によりサーモスタット102が通電を遮断する。また、大サイズ紙が連続通紙された場合には、大サイズ通紙領域Fbにおける異常昇温の発生によりサーモスタット101またはサーモスタット102が通電を遮断する。
サーミスタ141,142,143に関しても、同様に、使用される用紙サイズに応じて内部加熱ロール612の温度を制御するために、使用される各種の用紙サイズに対応させて、内部加熱ロール612の軸方向(z方向)の異なる位置に設定されている。
このように、サーモスタット101,102とサーミスタ141,142,143とは、それぞれが通紙される用紙サイズに応じた検知機能を発揮する。それにより、サーモスタット101とサーモスタット102とは、内部加熱ロール612の軸方向(z方向)の異なる位置に配置される。同様に、サーミスタ141とサーミスタ142とサーミスタ143とは、内部加熱ロール612の軸方向の異なる位置に配置される。
加えて、サーモスタット101,102とサーミスタ141,142,143とがその用紙サイズに応じた検知機能を果たすために、それぞれの配置位置に関する設計上の自由度を確保する必要もある。かかる観点から、サーモスタット101,102とサーミスタ141,142,143とは、互いの配置位置が重ならないように、内部加熱ロール612の軸方向(z方向)中心位置centを中心として、互いに異なる軸方向側の領域に配置されている。
<給電ボックスの内部および外部の配線の説明>
このようなサーモスタット101,102およびサーミスタ141,142,143の検知機能に起因して、給電ボックス100には、サーモスタット101,102とサーミスタ141,142,143とが軸方向(z方向)に沿って並列的に配置されている。そのため、共通ハーネス103および電源側ハーネス104,106は、上記図4に示したように、軸方向に沿って異なる位置に配置されたサーミスタ141,142,143やこのサーミスタ141,142,143からの信号を伝達する信号線144、さらにはサーモスタット101,102を回避するように配置する必要がある。また、給電ボックス100が配置される定着ベルトモジュール61の内部空間は狭小な空間であるため、給電ボックス100の大きさも限定されたものである。
このことにより、共通ハーネス103および電源側ハーネス104,106は、給電ボックス100の小さな空間内において、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避できるように、引き廻しや折り返し等に対応できる柔軟に変形可能な電線を用いることが必要となる。
また、給電ボックス100が配置される定着ベルトモジュール61の内部空間は、狭小な空間であるとともに、発熱体である定着ベルト61および内部加熱ロール612、さらには定着ロール611や外部加熱ロール613によって温度が上昇し易い領域でもある。そのために、共通ハーネス103および電源側ハーネス104,106には、耐熱性に優れた電線(例えば、耐熱温度210℃以上)を用いる必要もある。
ところが、このような耐熱性を高めるために例えば耐熱性樹脂やゴム等が被覆された電線は、剛性が高くなる。そのため、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避できる柔軟性を確保するためには、例えば7〜8Aの電流に対する耐用性を備えた電線の中で比較的細い電線を選択する必要がある。例えば、上記したハロゲンヒータ72に接続された中継接続用コネクタ131,132に接続される太さ(例えば、AWG#18)の電線では、剛性が高くなり過ぎる。すなわち、中継接続用コネクタ131,132に接続される太さの電線では、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避しながら引き廻しや折り返し等を行うことは困難である。
そこで、本実施の形態の定着ユニット60では、温度が上昇し易くかつ狭小な給電ボックス100と、定着ベルトモジュール61の側部とを通る電源側ハーネス104,106は、中継接続用コネクタ131,132に接続される電線とは異なる電線によって構成している。すなわち、電源側ハーネス104,106として、耐熱性に優れ、かつ、引き廻しや折り返し等に対応できる柔軟性に持った比較的細い太さ(例えば、AWG#20)の電線を用いている。そして、ハロゲンヒータ72に接続された中継接続用コネクタ131,132を温度上昇が比較的少ない定着ベルトモジュール61の外部に配置するとともに、電源側ハーネス104,106も定着ベルトモジュール61の外部まで引き延ばして構成している。それにより、電源側ハーネス104,106の終端に接続された中継接続用コネクタ121,122が、ハロゲンヒータ72に接続された中継接続用コネクタ131,132と定着ベルトモジュール61の外部で接続されるように構成している。
それによって、給電ボックス100内に配線される電源側ハーネス104,106においては、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避できる柔軟性が確保される。加えて、ヒータ側ハーネス135,136として、耐用電流が例えば7〜8Aである中継接続用コネクタ131,132に対応させた電線の使用を可能としている。また、ヒータ側ハーネス135,136は、温度上昇が比較的少ない定着ベルトモジュール61の外部に配置するので、例えば耐熱性樹脂やゴム等の耐熱被覆の薄い電線を使用でき、剛性も電源側ハーネス104,106よりは小さくなる。そのため、ヒータ側ハーネス135,136の配線の自由度も向上する。
<電源側ハーネスおよびヒータ側ハーネスの接続についての説明>
図8は、電源側ハーネス104,106に接続された中継接続用コネクタ121,122とヒータ側ハーネス135,136に接続された中継接続用コネクタ131,132とが定着ベルトモジュール61の外部で接続された構成を示した図である。
図8に示すように、電源側ハーネス104,106に接続された中継接続用コネクタ121,122とハロゲンヒータ72に接続された中継接続用コネクタ131,132とは、ともに温度上昇が比較的少ない定着ベルトモジュール61の外部空間に配置され、そこで両者は結合される。それにより、ハロゲンヒータ72と中継接続用コネクタ131,132とを接続するヒータ側ハーネス135,136は、定着ベルトモジュール61の外部の空間領域に配置されることとなる。それにより、ヒータ側ハーネス135,136としては、定着ベルトモジュール61の内部空間に配置される電源側ハーネス104,106よりも耐熱性に劣る電線が使用できる。それによって、ヒータ側ハーネス135,136として、上記したように、例えば7〜8Aの電流に対して耐用性が保障された中継接続用コネクタ131,132に接続される太さが比較的太い例えばAWG#18の電線を用いても、耐熱被覆を比較的薄く構成した電線が使用されるので、ハロゲンヒータ72から中継接続用コネクタ131,132への配線は、引き廻しが容易となる。
一方、電源側ハーネス104,106としては、耐熱性に優れ、かつ、引き廻しや折り返し等に対応できる柔軟性に持った太さが比較的細い例えばAWG#20の電線が使用される。そのため、温度が上昇し易く、狭小な領域を配線される給電ボックス100においても、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避しながらの配線が容易となる。
<電源部とハロゲンヒータとの間の回路構成の説明>
図9は、画像形成装置1の電源部(不図示)と4本のハロゲンヒータ72との間の回路構成図である。
図9に示すように、電源部に接続された端子163は、給電ボックス100内を通過する共通ハーネス103に接続されている。そして、共通ハーネス103はサーモスタット101の一方の電極101aに接続されている。共通ハーネス103が接続されたサーモスタット101の一方の電極101aには、サーモスタット102が直列に接続された電源側ハーネス106が接続されている。また、サーモスタット101の共通ハーネス103が接続された電極101aとは反対側の電極101bには、電源側ハーネス104が接続されている。そして、電源側ハーネス104の終端には中継接続用コネクタ121が接続され、電源側ハーネス106の終端には中継接続用コネクタ122が接続されている。
また、4本のハロゲンヒータ72のうちの2本のハロゲンヒータ72_1,72_2は、一方の電極端子がコネクタ133にまとめられて結合されている。また、他の2本のハロゲンヒータ72_3,72_4は、一方の電極端子がコネクタ134にまとめられて結合されている。そして、コネクタ133を始端としてヒータ側ハーネス135が接続され、コネクタ134を始端としてヒータ側ハーネス136が接続されている。また、ヒータ側ハーネス135の終端には中継接続用コネクタ131が接続され、ヒータ側ハーネス136の終端には中継接続用コネクタ132が接続されている。そして、中継接続用コネクタ121および中継接続用コネクタ131、中継接続用コネクタ122および中継接続用コネクタ132が、それぞれ接続されている。
なお、2本のハロゲンヒータ72_1,72_2の他方の電極端子は、電源部に接続された端子161に接続され、2本のハロゲンヒータ72_3,72_4の他方の電極端子は、電源部に接続された端子162に接続されている。これにより、4本のハロゲンヒータ72の両電極端子は、電源部に接続される。
このように配線された電線(ハーネス)の中で、共通ハーネス103および電源側ハーネス104,106は、温度が上昇し易く、かつ狭小な領域である給電ボックス100および内部加熱ロール612の側部(図9の領域inner)を通過するように配置されている。そのため、電源側ハーネス104,106は、耐熱性に優れ、かつ、引き廻しや折り返し等に対応できる柔軟性に持った比較的細い例えばAWG#20の電線で構成している。
また、ヒータ側ハーネス135,136は、温度上昇が比較的少ない定着ベルトモジュール61の外部空間(図9の領域outer)に配置されている。そのため、ヒータ側ハーネス135,136としては、電源側ハーネス104,106よりも耐熱性に劣る電線が使用できるので、例えば7〜8Aの電流に対して耐用性が保障された中継接続用コネクタ131,132に対応させた太さが比較的太い例えばAWG#18の電線で構成している。
それにより、ハロゲンヒータ72に供給する電流に対して耐用性が保障された中継接続用コネクタ131,132を用いることによるハロゲンヒータ72側での比較的太い例えばAWG#18の電線の使用と、温度が上昇し易くかつ狭小な領域(給電ボックス100内)でのAWG#20の電線の使用との両立を図っている。
なお、本実施の形態では、内部加熱ロール612について説明したが、内部に定着ベルト610を加熱する3本のハロゲンヒータ71を備え、定着ベルト610を張架しながら回転移動する定着ロール611においても、内部加熱ロール612と同様に配線が構成される。
以上説明したように、本実施の形態の定着ユニット60では、温度が上昇し易くかつ狭小な給電ボックス100を配線される電源側ハーネス104,106として、耐熱性に優れ、かつ、引き廻しや折り返し等に対応できる柔軟性を持った比較的細い太さの電線を用いている。また、ヒータ側ハーネス135,136として、耐用電流が例えば7〜8Aである中継接続用コネクタ131,132に対応させた電線を用いている。そして、電源側ハーネス104,106の終端に接続された中継接続用コネクタ121,122が、ハロゲンヒータ72に接続された中継接続用コネクタ131,132と定着ベルトモジュール61の外部で接続されるように構成している。
それにより、給電ボックス100内に配線される電源側ハーネス104,106においては、サーミスタ141,142,143やサーモスタット101,102等を回避できる柔軟性を確保する。加えて、ヒータ側ハーネス135,136として、耐用電流が例えば7〜8Aである中継接続用コネクタ131,132に対応させた電線の使用を可能としている。また、ヒータ側ハーネス135,136の配線の自由度も向上する。
1…画像形成装置、60…定着ユニット、61…定着ベルトモジュール、71,72,73…ハロゲンヒータ、100…給電ボックス、101,102…サーモスタット、103…共通ハーネス、104,106…電源側ハーネス、121,122,131,132…中継接続用コネクタ、135,136…ヒータ側ハーネス、141,142,143…サーミスタ、610…定着ベルト、611…定着ロール、612…内部加熱ロール

Claims (7)

  1. 循環移動しながら記録材にトナーを定着するベルト部材と、
    循環移動する前記ベルト部材を張架するロール部材と、
    前記ロール部材の内部に配置され、当該ロール部材を介して前記ベルト部材を加熱する加熱部材と、
    始端に前記加熱部材の一方の電極が接続され、終端に第1の中継部材が接続された加熱部材側電線と、
    前記ベルト部材により囲まれる領域を通過して前記第1の中継部材に至る経路に配線され、前記加熱部材側電線よりも外径が小さく構成されるとともに、終端に前記第1の中継部材と結合される第2の中継部材が接続されて前記加熱部材に電力を供給する電力供給側電線と
    を備えたことを特徴する定着装置。
  2. 前記加熱部材側電線が接続された前記第1の中継部材と、前記電力供給側電線が接続された前記第2の中継部材とは、前記ベルト部材により囲まれる領域の外部に配置されて相互に結合されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記電力供給側電線は、前記ロール部材の温度に応じて電流を遮断する遮断部材が各々接続された複数の電線が並列して配線されて構成されたことを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記電線に接続された前記遮断部材の各々は、前記ロール部材の軸方向の異なる位置に配置されたことを特徴とする請求項3記載の定着装置。
  5. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写された前記トナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、
    前記定着手段は、
    循環移動しながら前記記録材に前記トナー像を定着するベルト部材と、
    循環移動する前記ベルト部材を張架するロール部材と、
    前記ロール部材の内部に配置され、当該ロール部材を介して前記ベルト部材を加熱する加熱部材と、
    始端に前記加熱部材の一方の電極が接続され、終端に第1の中継部材が接続された加熱部材側電線と、
    前記ベルト部材により囲まれる領域を通過して前記第1の中継部材に至る経路に配線され、前記加熱部材側電線よりも外径が小さく構成されるとともに、終端に前記第1の中継部材と結合される第2の中継部材が接続されて前記加熱部材に電力を供給する電力供給側電線と
    を備えたことを特徴する画像形成装置。
  6. 前記定着手段は、前記加熱部材側電線が接続された前記第1の中継部材と、前記電力供給側電線が接続された前記第2の中継部材とが、前記ベルト部材により囲まれる領域の外部に配置されて相互に結合されることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
  7. 前記定着手段の前記電力供給側電線は、前記ロール部材の温度に応じて電流を遮断する遮断部材が各々接続された複数の電線が並列して配線されて構成されたことを特徴とする請求項6記載の画像形成装置。
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