まず、図1を参照して、本発明の実施の一形態に係る画像形成装置の全体構成および動作について説明する。
(第1の実施の形態)
図1に示す画像形成装置1は、カラーレーザープリンタであり、その装置本体の中央には、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kが設けられ、装置本体の上部には画像読取部40が設けられている。画像形成装置1において用紙Pに画像形成を行う画像形成部Aは作像部4を含んで構成されている。各作像部4Y、4M、4C、4Kは、カラー画像の色分解成分に対応するイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の異なる色のトナー及び現像剤を収容している以外は同様の構成となっている。
具体的に、各作像部4Y、4M、4C、4Kは、潜像担持体としてのドラム状の感光体5と、感光体5の表面を帯電させる帯電装置6と、感光体5の表面にトナーを供給する現像装置7と、感光体5の表面をクリーニングするクリーニング装置8などを備える。なお、図1では、ブラックの作像部4Kが備える感光体5、帯電装置6、現像装置7、クリーニング装置8のみに符号を付しており、その他の作像部4Y、4M、4Cにおいては符号を省略している。
各作像部4Y、4M、4C、4Kの下方には、感光体5の表面を露光する露光装置9が配設されている。露光装置9は、光源、ポリゴンミラー、f−θレンズ、反射ミラー等を有し、画像データに基づいて各感光体5の表面へレーザー光を照射するようになっている。
また、各作像部4Y、4M、4C、4Kの上方には、転写装置3が配設されている。転写装置3は、中間転写体としての中間転写ベルト30と、一次転写手段としての4つの一次転写ローラ31と、二次転写手段としての二次転写ローラ36と、二次転写バックアップローラ32と、クリーニングバックアップローラ33と、テンションローラ34と、ベルトクリーニング装置35とを備える。
中間転写ベルト30は、無端状のベルトであり、二次転写バックアップローラ32、クリーニングバックアップローラ33およびテンションローラ34によって張架されている。ここでは、二次転写バックアップローラ32を回転駆動することによって、中間転写ベルト30は図の矢印で示す方向に周回走行(回転)するようになっている。
4つの一次転写ローラ31は、それぞれ、各感光体5との間で中間転写ベルト30を挟み込んで一次転写ニップを形成している。また、各一次転写ローラ31には、電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)および/又は交流電圧(AC)が各一次転写ローラ31に印加されるようになっている。
二次転写ローラ36は、二次転写バックアップローラ32との間で中間転写ベルト30を挟み込んで二次転写ニップを形成している。また、上記一次転写ローラ31と同様に、二次転写ローラ36にも電源が接続されており、所定の直流電圧(DC)および/又は交流電圧(AC)が二次転写ローラ36に印加されるようになっている。
ベルトクリーニング装置35は、中間転写ベルト30に当接するように配設されたクリーニングブラシとクリーニングブレードを有する。このベルトクリーニング装置35で回収された廃トナーは、廃トナー移送ホースを介して廃トナー収容器に収容される。
画像形成装置本体の上部には、ボトル収容部2が設けられており、ボトル収容部2には、補給用のトナーを収容する4つのトナーボトル2Y、2M、2C、2Kが着脱可能に装着されている。各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kと上記各現像装置7との間に設けた補給路を介して、各トナーボトル2Y、2M、2C、2Kから各現像装置7にトナーが補給される。
一方、画像形成装置本体の下部には、記録媒体としての用紙Pを収容した給紙トレイ10や、給紙トレイ10から用紙Pを搬出する給紙ローラ11等が設けられている。なお、記録媒体には、普通紙以外に、厚紙、はがき、封筒、薄紙、塗工紙(コート紙やアート紙等)、トレーシングペーパ、OHPシート等が含まれる。また、手差し給紙機構が設けてあってもよい。
画像形成装置本体内には、用紙Pを給紙トレイ10から二次転写ニップを通過させて装置外へ排出するための搬送路Rが配設されている。搬送路Rにおいて、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向上流側には、搬送タイミングを計って用紙Pを二次転写ニップへ搬送するタイミングローラとしての一対のレジストローラ12が配設されている。
また、二次転写ローラ36の位置よりも用紙搬送方向下流側には、用紙Pに転写された未定着画像を定着するための定着装置20が配設されている。さらに、定着装置20よりも搬送路Rの用紙搬送方向下流側には、用紙Pを装置外へ排出するための排紙ローラ対13が設けられている。また、装置本体の上面部には、装置外に排出された用紙Pをスタックするための排紙トレイ14が設けてある。排紙ローラ対13は本発明に係る1対の排出用ローラを構成する。
なお、画像形成装置1には後述する中継ユニット1701および後処理装置1900を装着してもよい(図17参照)。
続いて、図1を参照して、本実施形態に係るプリンタの基本的動作について説明する。
作像動作が開始されると、各作像部4Y、4M、4C、4Kにおける各感光体5が図の時計回りに回転駆動され、各感光体5の表面が帯電装置6によって所定の極性に一様に帯電される。帯電された各感光体5の表面には、露光装置9からレーザー光がそれぞれ照射されて、各感光体5の表面に静電潜像が形成される。このとき、各感光体5に露光する画像情報は所望のフルカラー画像をイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックの色情報に分解した単色の画像情報である。このように各感光体5上に形成された静電潜像に、各現像装置7によってトナーが供給されることにより、静電潜像はトナー画像として顕像化(可視像化)される。
また、作像動作が開始されると、二次転写バックアップローラ32が図の反時計回りに回転駆動し、中間転写ベルト30を図の矢印で示す方向に周回走行させる。また、各一次転写ローラ31に、トナーの帯電極性と逆極性の定電圧又は定電流制御された電圧が印加されることによって、各一次転写ローラ31と各感光体5との間の一次転写ニップにおいて転写電界が形成される。
その後、各感光体5の回転に伴い、感光体5上の各色のトナー画像が一次転写ニップに達したときに、上記一次転写ニップにおいて形成された転写電界によって、各感光体5上のトナー画像が中間転写ベルト30上に順次重ね合わせて転写される。かくして、中間転写ベルト30の表面にフルカラーのトナー画像が担持される。また、中間転写ベルト30に転写しきれなかった各感光体5上のトナーは、クリーニング装置8によって除去される。そして、各感光体5の表面が除電装置によって除電され、表面電位が初期化される。
画像形成装置1の本体下部では、給紙ローラ11が回転駆動を開始し、給紙トレイ10から用紙Pが搬送路Rに送り出される。搬送路Rに送り出された用紙Pは、レジストローラ12によって搬送が一旦停止される。
その後、所定のタイミングでレジストローラ12の回転駆動を開始し、中間転写ベルト30上のトナー画像が二次転写ニップに達するタイミングに合わせて、用紙Pを二次転写ニップへ搬送する。このとき、二次転写ローラ36には、中間転写ベルト30上のトナー画像のトナー帯電極性と逆極性の転写電圧が印加されており、これにより、二次転写ニップに転写電界が形成されている。そして、この転写電界によって、中間転写ベルト30上のトナー画像が用紙P上に一括して転写される。また、このとき用紙Pに転写しきれなかった中間転写ベルト30上の残留トナーは、ベルトクリーニング装置35によって除去され、廃トナー収容器へと搬送される。
その後、用紙Pは定着装置20へと搬送され、定着装置20によって用紙P上のトナー画像が当該用紙Pに定着される。定着装置から搬送された用紙Pは、用紙Pを装置外へ排出する経路と両面反転経路を切り替えるための分岐部材15を経由して、排出方向、再給紙方向へと案内される。
片面通紙モードの時は、分岐部材15が開いて、排出のための排紙ローラ対13によって装置外へ、装置本体の上面部に設けられた装置外に排出された用紙Pをスタックするための排紙トレイ14に排出される。
両面通紙モードの時は、分岐部材が矢印の方向に閉じることで、第一面定着後の用紙Pは両面反転経路へ案内される。両面反転経路に案内された用紙Pは、一対の反転ローラ16にて、スイッチバックし、両面ユニット17に搬送され、再度一対のレジストローラ12に搬送され再給紙されることで、第一面と同様に、第二面画像を用紙Pの裏面にプリントする。そして、用紙Pは、排紙ローラ対13によって装置外へ排出され、排紙トレイ14上にスタックされる。
以上の説明は、用紙上にフルカラー画像を形成するときの画像形成動作であるが、4つの作像部4Y、4M、4C、4Kのいずれか1つを使用して単色画像を形成したり、2つ又は3つの作像部を使用して、2色又は3色の画像を形成したりすることも可能である。
図1に示すように、画像読取部40は、画像形成装置1の装置本体の上部に位置している。図2に示すように画像読取部40は、用紙Pの搬送経路に位置する第1コンタクトガラス45と、用紙Pが載置可能な第2コンタクトガラス46と、用紙Pの一辺の突当ておよび位置決めが可能な突当部材47aとを有している。また、画像形成装置1は、上部前面側に操作部150を設置している。
操作部150は、プリントキー151および操作表示部152等を有しており、プリントキー151が押下されると、画像形成装置1に対して複写動作の開始を要求するようになっている。操作表示部152は、印刷等に係る各種情報を操作し表示するようになっている。
図3にて、カール矯正機構および定着装置について詳細に説明する。図3は、カール矯正機構および定着装置の断面図である。
図3に示すように、定着装置20は、用紙Pに担持された転写後のトナー像を熱と圧力により融解・浸透させて定着するために用いられ、図3に示すように、加熱されながら回転可能な可撓性を有する定着ベルト21を備えている。
定着装置20には、定着ベルト21に加えて、定着ベルト21と当接した当接状態で定着ベルト21との間に圧力を作用させてニップ部Nを形成する対向回転体である加圧ローラ22が設けられている。定着ベルト21の内部には、ニップ部N以外の箇所で定着ベルト21を加熱する複数のハロゲンランプ23a、23bを備えたヒータ23が備えられている。
定着ベルト21の内部には、定着ベルト21の内側に配設されたニップ形成用のベース部材であるニップ形成部材24と、ニップ形成部材24を支持するステー25と、ヒータ23から放射される光を定着ベルト21へ反射する反射部材26が設けられている。ニップ形成用のベース部材であるニップ形成部材24は、ベースパッドを巻いている摺動シート(低摩擦シート)を有する。
図に示すニップ形成部材24は、ニップ部Nの形状が平坦状であるが、この形状に限らない。例えば、加圧ローラ22の周面に沿って凹状に形成した場合には、ニップ部Nを通過する用紙Pの先端が加圧ローラ22側に寄るので、定着ベルト21からの分離性が向上する利点がある。定着ベルト21の温度は、用紙Pがニップ部に進入する側に設けられた温度センサ27によって検出され、ヒータ23のフィードバック処理に用いられる。なお、図3において矢印Fは、用紙Pの搬送方向を示している。
定着ベルト21は、薄肉で可撓性を有するスリーブ状に形成された無端状のベルトであり、基材とその表面に位置する離型層により構成されている。基材には、ニッケルもしくはSUS等の金属材料又はポリイミドなどの樹脂材が用いられる。また離型層には、トナーに対する離型性を有するテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体(PFA)又はポリテトラフルオロエチレン(PTFE)などが用いられる。
加圧ローラ22は、芯金22aと、芯金22aの表面に設けられた発泡性シリコーンゴム、シリコーンゴム、又はフッ素ゴム等から成る弾性層22bと、弾性層22bの表面に設けられたPFA又はPTFE等から成る離型層22cによって構成されている。加圧ローラ22は、図示しない加圧手段によって定着ベルト21側へ加圧され定着ベルト21と当接状態でベース部材としてのニップ形成部材24に当接している。
この加圧ローラ22と定着ベルト21とが当接する箇所では、加圧ローラ22の弾性層22bが押し潰されることで、定着ベルト21との間に圧力を受けてニップ形成部材24が所定の幅のニップ部Nを確保するようになっている。
加圧ローラ22は、画像形成装置本体に設けられた図示しないモータ等の駆動源によって回転駆動するように構成されている。加圧ローラ22が回転駆動すると、その駆動力がニップ部Nで定着ベルト21に伝達され、定着ベルト21が従動回転するようになっている。
図3に示す構成では、加圧ローラ22を中実のローラとしているが、中空のローラであってもよい。その場合、加圧ローラ22の内部に、輻射熱を用いるハロゲンヒータ等の加熱源を配設することも可能である。また、弾性層22bが無い場合は、熱容量が小さくなり定着性が向上するが、未定着トナーを押し潰して定着させるときにベルト表面の微小な凹凸が画像に転写されて画像のベタ部に光沢ムラが生じる可能性がある。これを防止するには、厚さ100μm以上の弾性層を設けることが望ましい。中空ローラに用いられるパイプ状金属として、アルミニウム、鉄あるいはステンレスなどが選択できる。
加圧ローラ22内に熱源を設ける場合には、熱源からの輻射熱により支持体が加熱されるのを抑制するために、支持体表面に断熱層を設けることや鏡面処理による熱線反射面を設けることが望ましい。この場合の熱源には、上述したハロゲンヒータに限らず、IHヒータや抵抗発熱体、あるいはカーボンヒータを用いることも可能である。
定着装置20の用紙出口側には、ニップ部近傍でニップ部を通過した用紙Pを分離して排紙部1300に向け排出方向にガイドする分離搬送機構が設けられている。分離搬送機構は、ニップ部を通過する用紙Pの搬送方向下流側で定着ベルト21側に近接する先端を有したベルト側分離搬送部材201と、加圧ローラ22側に近接する先端を有した加圧側分離搬送部材202とを備えている。
ベルト側分離搬送部材201は、定着ベルト21に対して粘着して貼り付き気味な用紙Pの先端を定着ベルト21から剥離するために設けられている。このため、貼り付いている用紙Pを定着ベルト21の表面から浮き上がらせることができる近接位置に位置決めできる精度が得られるようにプレート状の金属を備えている。
加圧側分離搬送部材202は、樹脂成型品が用いられており、一部に設けられた支持ロッド202Aが筐体側に回転可能に支持されることにより、加圧ローラ22に対向する揺動端を加圧ローラ22に対して接離可能となるように揺動可能となっている。加圧側分離搬送部材202は、加圧ローラ22に対して揺動することにより、例えば、ジャムを生じた用紙Pをニップ部Nから取り除く際に加圧ローラ22から離れる方向に揺動され、ニップ部Nへの手の挿入スペースを作ることができる。これにより、用紙Pへのアクセスが可能となる。
分離搬送部材の下流側に、加圧側分離搬送部材202に支持された駆動ローラ204とホルダ207に支持された従動ローラ203からなる搬送補助ローラ対230を配置している。
駆動ローラ204は、芯金と芯金表面に設けられたシリコン、EPDM、ウレタン、フッ素ゴム等からなる高摩係数のソリッドゴム材料204bから構成し、用紙搬送力を得られるようにしている。従動ローラ203は、中空のパイプ状金属表面にPFA、ETFA、FEP等の低μのチューブ(厚み30〜300μm)を被せた構成にしている。
従動ローラ203を中空のパイプ状金属にしている理由としては、定着時に用紙Pから蒸発して発生した水蒸気が従動ローラ側に付着する結露防止ため、低熱容量化し、定着からの熱ですぐに温まるようにするためである。
従動ローラ203の表面に低μのチューブを配置している理由としては、定着後に溶け切れなかった微量なトナー及び半溶融状態のトナーが付着しづらくし、付着しても堆積しないようにするためである。従動ローラ側は画像面側に常時接触しながら搬送するので、上述した構成となっている。逆に駆動ローラ204は画像面側と反対側の面に接している。従動ローラ203を保持しているホルダをバネにて加圧することで、駆動ローラ204と従動ローラ203は接触してニップを形成し用紙搬送を可能にしている。
次に、図4、図5を用いて、本実施の形態における排紙部の構成を説明する。
図4、5は本実施の形態に係る画像形成装置1の排紙部1300の外観斜視図および断面図を示している。排紙部1300は、排紙ローラ1301と排紙ローラ1401とからなる排紙ローラ対13、ローラホルダ1302、排紙ガイド板1303、排紙トレイ14を含んで構成されている。排紙ローラ1301と排紙ローラ1401は本発明に係る排出用ローラを構成し、排紙ローラ1301は本発明に係る従動側の排出用ローラを構成している。
上述の過程を経てトナーが定着された用紙Pは、排紙ローラ対13によって、胴内の排紙トレイ14に対して排出される。
排紙ローラ1401はモータからの動力が伝達される駆動側のローラとなっており、画像形成装置1の本体側に組み付けられている。排紙ローラ1301は、スプリングによって排紙ローラ1401方向に加圧されており、ニップ圧によって排紙ローラ1401に対して連れまわる従動ローラとなっている。また、排紙ローラ1301は、ローラホルダ1302を介して排紙ガイド板1303に対して着脱可能な構成となっている。
図6〜図9を用いて排紙ローラ対13について説明する。後述するように、本実施の形態では排紙部1300を通過後の用紙Pの経路に応じて排紙部1300に適用する従動側の排紙ローラ1301のタイプを変更するようになっている。
図6、図7に示す排紙ローラ1301は用紙Pにコルゲーションを形成させるタイプの排紙ローラである。図6は排紙ローラ1301を正面からみたものであり、図7はその斜視図である。
排紙ローラ1301は、コロ1501、コロ1502と通し軸1503とバネ受けローラ1506とによって構成されている。コロ1501は排紙ローラ1401のコロ1504とニップを形成している。コロ1501、コロ1502は、いずれもPOM(ポリアセタール)製の樹脂である。コロ1501は本実施の形態では4つ設けられているがコロ1501の個数はこれに限られない。コロ1502は排紙ローラ対13を通過する用紙Pに腰を付けるためにコロ1501よりも直径が大きくなるよう構成されている。コロ1502は本実施の形態では2つ設けられているがコロ1502の個数はこれに限られない。
通し軸1503は排紙ローラ1301の回転の軸となっており、軸まわりにコロ1501とコロ1502を組み付けている。コロ1501の近傍に直径の大きいコロ1502を組み付けることで各コロの高低差により図示するように用紙Pにコルゲーションが形成される。
バネ受けローラ1506は一部のコロ1502の両脇に対となって通し軸1503に組み付けられている。本実施の形態においては2つのコロ1502に対してバネ受けローラ1506が組み付けられているが、組み付けられるバネ受けローラの個数はこれに限られない。バネ受けローラ1506はローラホルダ1302に設けられたバネ1605と当接しバネ1605による付勢力を受けるようになっている。
排紙ローラ1401は複数のコロ1504と通し軸1505によって構成されている。排紙ローラ1401は画像形成装置1の本体に組み付けられ固定されている。コロ1504は排紙ローラ1301のコロ1501と対向する位置に設けられ、コロ1501とニップを形成している。
次に図8、図9を用いて、用紙Pにコルゲーションを形成しないタイプの排紙ローラ1800について説明する。図8は排紙ローラ1800を正面からみたものであり、図9はその斜視図である。
排紙ローラ1800は、複数のコロ1801と通し軸1802とによって構成されている。コロ1801は排紙ローラ1401とニップを形成している。コロ1801は本実施の形態では4つ設けられているがコロ1801の個数はこれに限られない。排紙ローラ1800は本発明に係る排出用ローラを構成する。
排紙ローラ1800の複数のコロ1801は排紙ローラ1401のコロ1504とニップを形成するコロ同じかそれより小さいコロ1801によって構成されている。例えば、各コロ1801の径の大きさを略等しくしてもよい。このため各コロ1801間の高低差が生じず、排紙ローラ1401と排紙ローラ1800とからなる排紙ローラ対を通過した用紙Pは腰付けされない。
通し軸1802は排紙ローラ1800の軸となっており、軸まわりにコロ1801を組み付けている。排紙ローラ1401は図6、図7に示したものと同じ構成である。
図10、図11を用いて、排紙ローラ1301およびローラホルダ1302の構成について説明する。
図10は、コルゲーションを形成する排紙ローラ1301をローラホルダ1302に組み付ける場合を説明する図である。排紙ローラ1301はローラホルダ1302に対して、加圧スプリング(図示しない)とともに組み付けられ、排紙ローラ群1603を形成する。排紙ローラ1301はローラホルダ1302により保持される。図4に示すように排紙ローラ群1603は画像形成装置1の本体側の排紙ガイド板1303に対し着脱可能に組み付けられる。
ローラホルダ1302は、突起部1601とレバー部1602と軸受けフック1604とバネ1605(図12参照)を有している。突起部1601は、排紙ガイド板1303に係合するようになっている。レバー部1602は排紙ガイド板1303の他端に設けられた係合部1303bに差し込むことで排紙ローラ群1603を排紙部1300に固定するようになっている。
軸受けフック1604は排紙ローラ1301がローラホルダ1302に組み付けられたときに、排紙ローラ1301の通し軸1503と係合するようになっている。バネ1605は排紙ローラ1301をローラホルダ1302に組み付けられたときに、バネ受けローラ1506に当接し排紙ローラ1301に付勢力を与えるようになっている。ローラホルダ1302は、POM(ポリアセタール)製の樹脂である。
図11に示すように、排紙ガイド板1303の一端に設けられた係合部1303aに突起部1601を差し込み、次いで排紙ガイド板1303の他端に設けられた係合部1303bにレバー部1602を差し込むことで排紙ローラ群1603が排紙部1300に固定される。
排紙ローラ1301を形成する手順について以下説明する。まず、圧入によりコロ1501およびコロ1502を通し軸1503に取り付け、バネ受けローラ1506は通し軸1503に対し若干のガタをもたせた状態で組み付け、コロ1501およびコロ1502を通し軸1503に圧入した後にコロ1502の両脇のバネ受けローラ1506を対でスラスト止めする。これにより通し軸1503に対してコロ1501およびコロ1502、バネ受けローラ1506の位置関係が固定される。排紙ローラ1301は一体型の部品であり、ローラホルダ1302への着脱は容易である。コロ1501およびコロ1502の形状が異なる排紙ローラを用意しておき、コルゲーションの必要性に応じ他の排紙ローラに着脱交換することも可能である。
図12、図13を用いて排紙ローラ1301をローラホルダ1302に組み付ける手順について説明する。図12、図13は図10とは異なる側から排紙ローラ1301およびローラホルダ1302をみた図である。図12に示す状態から排紙ローラ1301のバネ受けローラ1506をローラホルダ1302のバネ1605に当接させ、図中の矢印方向に押し込む。通し軸1503が軸受けフック1604に係合する位置まで押し込むことで通し軸1503を軸受けフック1604に係合させる。排紙ローラ1301を取り外す場合は、上述の手順を逆に行えばよい。
図14、図15はコルゲーションを形成しない排紙ローラ1800をローラホルダ1302に組み付ける場合を説明する図である。組み付けの方法は図12、図13に示す場合と同様である。
図16は、コルゲーション形成が可能な排紙ローラ1301が組み付けられた状態で、本体胴内に中継ユニット1701が装着された状態を示している。中継ユニット1701は、排紙ローラ対13から排出された用紙Pを胴内排出部1704とさらに後続の後処理装置1900への搬送経路1705に分岐するように構成されている。中継ユニット1701は排紙部1300に対し着脱可能となっている。
図17は画像形成装置に中継ユニット1701および後処理装置1900を取付けた状態を示している。中継ユニット1701は排紙部1300より排出された用紙を後続の後処理装置1900に搬送するようになっている。後処理装置1900は、中継ユニット1701を経由して搬送されてきた用紙に各種の後処理を施すようになっている。ここでいう各種の後処理とは、例えば、端部綴じ処理、中折り処理等である。
図18は図17に示す中継ユニット1701および後処理装置1900を取付けた画像形成装置1の用紙搬送経路を示すための断面図である。図18中の矢印で示す中継ユニット1701内の搬送経路1703は、トナー定着した用紙Pを排紙ローラ対13を経由して、中継ユニット1701に送る経路である。中継ユニット1701の鉛直上方には用紙反転時の搬送ガイド板(図示しない)が存在するため、用紙スタック枚数と用紙除去時のユーザー操作性向上のため、胴内排出部1704の上部空間を広くとることが望ましい。このため中継ユニット1701の搬送ガイド板1702は鉛直下方に傾斜するように構成され、搬送経路1703は鉛直方向下方に傾斜する経路を含んでいる。
このとき排紙ローラ対13を通過した用紙Pの先端は、搬送ガイド板1702との当たり角度が大きくなり、さらに用紙Pにコルゲーションが形成された場合に用紙Pにコシがついているため、搬送不良が発生しやすくなるという問題点がある。
上記問題点を回避するため図18に示す画像形成装置1の排紙部1300においては、コルゲーションを形成しない排紙ローラ1800を用いる。これにより、用紙Pにコルゲーションが形成されず、用紙Pのコシに起因する搬送不良を抑制することができる。
図19は後処理装置1900および中継ユニット1701を用いず、胴内に排紙トレイ14を設け図18に示す場合と排紙部1300より排出された用紙Pの搬送経路が異なる場合を説明する図である。
図19に示すように用紙Pの搬送経路1706は滑らかな曲線を描き、排紙部1300より排紙トレイ14上に用紙Pが排出される。図7に示す場合と異なり用紙Pの搬送経路1706は急激に曲がることがないので、用紙Pにコシがついていてもそのコシに起因する搬送不良は発生しない。
したがって、図19に示す画像形成装置1の排紙部1300においてはコルゲーションを形成する排紙ローラ1301を用い、用紙の巻き癖やカールを除去することが可能で、かつ、コシに起因する搬送不良も発生しない。このように排紙部1300より排出された用紙Pの経路に応じ排紙ローラを適切なタイプのものに交換可能である。本実施の形態では排紙ローラとして排紙ローラ1301と排紙ローラ1800の2種類を示したが排紙ローラのタイプはこれらに限られず他のタイプであってもよい。
以上のように本実施の形態に係る画像形成装置1は、排紙ローラ1301がローラホルダ1302を介して排紙部1300に対し着脱可能に配置され、排紙ローラ1301は通し軸1503とコロ1501とコロ1502とが一体化されて構成されている。また、排紙部1300に中継ユニット1701を着脱可能であり、排紙ローラ1301、排紙ローラ1800およびローラホルダ1302を排紙部から排出された用紙Pの経路に応じて交換可能となるよう構成されている。
この構成により、排紙ローラの腰付け条件を容易に変更可能であり、中継ユニット1701および後処理装置1900の取り付け有無に合わせた腰付け条件への合わせ込みが、排紙ローラ1301や排紙ローラ1800の一部交換で容易に行うことができるようになる。また適切な腰付け条件を選択することで排紙部1300以降の用紙Pの搬送不良を防止することができる。
また、後処理装置1900は、画像形成装置1の本体設置時に組み付ければ着脱の頻度は極めて低いため、排紙ローラ1301または排紙ローラ1800を交換可能な構成でも十分機能を果たし、かつ自動で切り替えるような構成は不要となる。このため、排紙ローラを進退等させるのにスペースが不要となり、省スペース化とコストダウンに寄与することが可能となる。
また、排紙ローラの交換による腰付け条件の変更が可能となることで、中継ユニット1701の搬送経路のレイアウト自由度も向上することができる。
また、排紙ローラ1301および排紙ローラ1800はコロおよび通し軸と一体化しており、排紙ローラごとの交換で用紙Pの腰付け条件を変更できるので排紙ローラおよびローラホルダの着脱の作業性を向上させることができる。
また、画像形成装置1は排紙部1300から用紙Pが排紙される排紙トレイ14を備えてもよい。
また、排紙部1300に中継ユニット1701を装着し、中継ユニット1701に後処理装置1900を装着してもよい。この構成により、排紙部1300より排出された用紙Pに端部綴じ処理、中折り処理等の各種後処理を施すことができる。
また、中継ユニット1701における用紙Pの搬送経路は鉛直方向下方に傾く経路1705を含むようにしてもよい。この構成により、胴内排出部1704の上部空間を広くとることができ、用紙スタック枚数と用紙除去時のユーザ操作性を向上させることができる。
また、排紙ローラ1301が有する複数のコロは径の大きさが略等しいコロから構成されるようにしてもよい。この構成により、排紙部1300を通過する用紙Pには排紙ローラ1301による腰付けが行われないので、用紙Pの腰付けが不要である場合に適用することができる。
また、排紙ローラ1301が有する複数のコロは径の大きさが異なるコロから構成されるようにしてもよい。この構成により、排紙部1300を通過する用紙Pには排紙ローラ1301による腰付けが行われるので、用紙Pの腰付けが必要である場合に適用することができる。
第1の実施の形態において、排紙部から排出された用紙の経路に応じて腰付け条件の変更を行う画像形成装置の構成を示した。しかし一般に用紙のカールは定着装置において発生し、定着直後にカールを矯正することも考えられる。
より具体的に説明すると、電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置は、ニップ部への加熱と加圧によりトナー像を用紙に形成している。この際、加熱側と加圧側の温度差によって、加熱による水分蒸発に偏りが出るため用紙にはカールが発生する。カールした用紙は搬送経路、フィニッシャー等周辺との受け渡し部において引っかかりによる搬送不良の原因となるほか、排紙トレイ上における用紙整列性不良の原因となる。
これに対応する技術として、用紙のカールを矯正するデカーラ手段が既に知られている。しかし、従来のデカール手段では、常時ガイド部材によって強制的に逆方向にカールをつけているため、例えば厚紙通紙の場合は、以下の3つの問題点があった。
(1)定着装置でシートが裏面にカールするバックカールが発生しないため、常時、ガイド板が逆方向にカールをつける位置にすると逆にガイド板で、逆にフェイスカールになる。(2)ガイド板と紙との接触力が強いため、ガイド部材により紙裏面にダメージ(キズ)/ガイド部材磨耗が発生する。(3)紙剛性が高いためローラ対から出て先端がガイド部材に接触した際に先端が折れ曲がる等が発生し搬送安定化が困難である。
例えば、特許文献3には、定着ニップ中央と端部の温度差により発生するサイドカールを矯正する目的で、時間が経過して定着ニップ中央と端部の温度差がなくなったら、凸部を収納してサイドカールの矯正を解除するという構成が開示されている。
特許文献3に記載の構成では、カールの矯正およびカールの矯正の解除が可能となっている。しかしながら、矯正できるものはサイドカールに限定され、さらに上述したような、逆にカールを付けてしまう、厚紙のときの紙裏面にダメージ(キズ)/ガイド部材磨耗、先端がガイド部材に接触した際に先端が折れ曲がる等が発生し搬送安定化が困難という問題は解消できていない。
以下に説明する第2の実施の形態に係る画像形成装置は、前述した問題を解決するためになされたもので、紙種や排紙部における腰付けの有無に応じてデカール手段のオンオフを適切に設定することでデカールによる搬送不具合を防止することを目的とする。
(第2の実施の形態)
以下、第2の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
第2の実施の形態に係る画像形成装置において、第1の実施の形態におけるものと同一の構成要素については、図1ないし図19に示した第1の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
第2の実施の形態における画像形成装置の全体構成は図1に示す第1の実施の形態における画像形成装置1と同様であり説明を省略する。
図20、図21を用いてガイド部材205の位置について説明する。搬送補助ローラ対230のすぐ下流側には、搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pを案内するための可動式のガイド部材205を備えており、図20に示す第1の位置と図21に示す第2の位置(後述)の2段階に可動可能に構成している。
図20に示す位置にガイド部材205を配置している場合は、搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pの方向(搬送補助ローラ対230の対の中心を結んだ線に対して、直角方向)対して、経路を塞ぐような位置に配置することで、用紙先端は角度θでガイド部材205と接触し、その後搬送補助ローラ対230の搬送力により、用紙Pは、ガイド部材205に押し付けられながら、搬送されることになる。
最終的に搬送ローラニップを起点に角度θ1をつけながら搬送することで、バックカールと反対側に曲げることができる。このような搬送パスにすることで、ガイド部材205から出た用紙Pは、定着ニップ部Nで発生したバックカールを改善し、画像形成装置1の外部に排出可能となる。
しかしながら、積極的に用紙裏面とガイド部材205とを接触させる構成のため、ガイド部材205との搬送抵抗が大きく、用紙自体にストレスを与えるため、コシの強い厚紙等では、紙裏面にガイド部材205との接触跡が発生したり、逆にガイド部材205自体が摩耗したり等が発生する可能性がある。
また、両面通紙モードの第2面通紙時は、画像がある面(第一面目)とガイド部材205が接触することになり、画像コスレ、光沢スジが発生しやすい。理由としては、定着ユニット直後は、第二画像面を定着中、裏面の第一面画像も用紙がニップ部Nを通るため、再度加熱されるが、用紙が温まった状態でトナー最表面部が強く擦られると、剥がれやすかったり、光沢が変わったり等が発生しやすいためである。
一方、図21に示す位置にガイド部材205を配置している場合は、搬送補助ローラ対230から排出された紙の方向(搬送補助ローラ対230の各ローラの中心を結んだ線に対して、直角方向)対して、ガイド部材205が退避した位置に配置し、積極的に用紙Pへ接触しないように構成している。この場合、用紙搬送時のバックカールを矯正できないが、用紙へのストレスを与えないため、用紙に上述した裏面キズ、摩耗、画像コスレ、光沢スジが発生しない。
一つのガイド部材205の位置にて、カール矯正と画像コスレ防止等を両立することができないので、本実施の形態では後述の各通紙モードによって、ガイド部材205を(後述の)駆動手段にてガイド部材205の位置を図20、図21の位置に切り替えることで両立可能にしている。具体的には、以下のようにガイド部材205/分岐部材15を可動し配置することで、各通紙モードに対応している。
まず、用紙Pの片面にのみ画像を転写する片面通紙モードにおいて紙厚が所定の値以下である場合は、図22(A)に示す位置にガイド部材205および分岐部材15を移動させる。このときガイド部材205の位置は第1の位置となる。紙厚が大きくない場合はガイド部材205との摩擦をそれほど考慮する必要がなく、また用紙Pを反転経路に搬送する必要がないためである。
また、片面通紙モードにおいて紙厚が所定の値より大きい場合は図22(B)に示す位置にガイド部材205および分岐部材15を移動させる。このときガイド部材205の位置は第2の位置となる。紙厚が大きい場合はガイド部材205との摩擦をそれほど考慮する必要があるためである。なお本実施の形態においては紙厚の所定の値として160g/m2を採用しているが、必ずしもこの値に限る必要はなく、例えばカール矯正させたい紙厚の範囲を広げたい場合はより大きい値を所定の値としてもよい。
次に両面通紙モード時は、用紙Pの第一面目、第二面目ともガイド部材205は、開いた位置に配置させ、用紙Pを画像形成装置1の外部へ排出する排出経路と反転/再給紙経路を切り替える分岐部材15を移動配置させることで、第一面定着後は反転/再給紙経路へ、第二面定着後は排出経路へと用紙Pが案内される。
具体的には、両面通紙モードにおいて用紙Pの第一面目を通紙する場合は、図22(C)に示す位置にガイド部材205および分岐部材15を移動させ、用紙Pとガイド部材205を接触させることなく用紙Pを反転/再給紙経路に案内する。このときガイド部材205の位置は第2の位置となる。
両面通紙モードにおいて用紙Pの第二面目を通紙する場合は、図22(D)に示す位置にガイド部材205および分岐部材15を移動させ、用紙Pとガイド部材205を接触させることなく用紙Pを排出経路に案内する。このときガイド部材205の位置は第2の位置となる。
上述した片面印字/両面印字、紙厚以外にも紙種によりガイド部材205および分岐部材15の位置を移動させてもよい。例えば、カールしやすい再生紙ではガイド部材205を第1の位置とし、光沢紙ではガイド部材205を第2の位置とする。
また、排紙ローラの種類に応じてガイド部材205および分岐部材15の位置を移動させてもよい。例えば、コルゲーションを形成可能な排紙ローラ1301を用いる場合は、ガイド部材205によるデカールを行わずガイド部材205を第2の位置とし、コルゲーションを形成しない排紙ローラ1800を用いる場合は、ガイド部材205によるデカールを行うためガイド部材205を第1の位置とする。
上記通紙モードの判定に用いる各種情報、片面印字/両面印字、紙厚、紙種等については、図2に示す本体に備え付けの操作表示部152に設定された情報を用い設定する。操作表示部152は本発明における設定手段を構成する。
図23〜図29を用いてガイド部材205の構成およびガイド部材205の駆動手段について説明する。
図23は、用紙搬送面の方向から、加圧側分離搬送部材202をみた図である。搬送補助ローラ対230の駆動ローラ204は、加圧側分離搬送部材202の両端にスベリ軸受208を介して回転可能に支持されている。駆動ローラ204は、駆動入力元からアイドラギヤ211を介して駆動ローラ204軸上に設けられ駆動ローラ204を駆動する駆動ギヤ210に駆動力が伝達されることにより、回転可能に構成されている。
ガイド部材205は、駆動ローラ204の下流に配置され、駆動ローラ両端のスベリ軸受208を介して、加圧側分離搬送部材202に固定されることで、駆動ローラ204と同軸支持され、駆動ローラ204の軸中心で回転可能な構成となっている。なお、駆動ローラ204はスベリ軸受208の内径部と接触回転し、ガイド部材205はスベリ軸受208の外径部と接触し回転するようになっている。
上述構成にすることで、駆動ローラ204とガイド部材205の間の距離ギャップは、部品の寸法公差積み上がりが最も少ない構成(各部品の軸中心からの半径距離公差のみ)にでき、駆動ローラ204とガイド部材205の間の距離が高精度に保たれた状態で、ガイド部材205が移動可能となる。
図22に示すように、ガイド部材205と下流にある分岐部材15は、通紙モードによっては、各々が独立に可動できるようにしているため、図22の視点方向からみてガイド部材205と分岐部材15とがオーバラップしても各々が干渉しないようにする必要がある。
そのため、ガイド部材205は、長手にわたり複数爪状のリブ形状で構成されている。図29に示すように、ガイド部材205の爪状リブ間に分岐部材15の爪上のリブ部材が入るような構成にすることで、オーバラップして各々独立に可動できる。
また、図24に示すように駆動ローラ204は、ゴムコロが複数配置された団子状のローラとし、ゴムコロがない部分にガイド部材205のリブ形状が入り込むような位置関係になるように構成している。したがって、図24に示す断面Y方向からみて、ゴムコロ外径とガイド部材205のリブがオーバラップしている。
ガイド部材205の先端は搬送補助ローラ対230のニップ部に近接配置(図24中の丸印)されている。このような構成としたのは、搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pを確実にひろいガイドするためには、ガイド部材先端を駆動ローラ204に近接配置することが重要であるためである。また、搬送補助ローラ対230から出た用紙Pを屈曲させるカール矯正効果と搬送性安定化の観点からも、先端をニップ部に近接配置することが重要であるためである。
図26に、ガイド部材先端を駆動ローラにオーバラップして配置させた場合とガイド部材先端を駆動ローラのゴム外径からあるギャップで離して配置した場合の比較図を示す。図中の実線Lがガイド部材205の先端を駆動ローラ204にオーバーラップして配置させた場合を示しており、破線L´がガイド部材205の先端を駆動ローラ204のゴム外径から離して配置させた場合を示している。
ガイド部材205の先端を駆動ローラ204のゴム外径から離れて配置させた場合は、ガイド部材205によるカール矯正効果を同じようにするためには、破線L´のように配置することになる。この場合搬送補助ローラ対230から排出される紙は、搬送補助ローラ対230の各ローラの中心を結ぶ線に対して垂直方向に排出されるため、用紙先端とガイド部材205との接触角度θ´はオーバーラップ配置した場合の接触角度θよりも小さくなる。
この接触角度が小さくなると、用紙先端が座屈して折れ曲がって搬送され、最悪時は、ジャムに至るリスクが高まる。逆に、用紙先端とガイド部材205との接触角度が大きく(浅く)なるように配置した場合は、ガイド部材205で用紙Pを屈曲させるカール矯正効果が低下することにつながる。
以上の観点からガイド部材205の先端を搬送補助ローラ対230のニップに近づけることが必要となるため、搬送補助の駆動ローラ204を団子状ローラとして、ゴムコロがない部分にガイド部材205のリブが入り込むように構成している。
図24(A)に示すようにガイド部材205は、引張りスプリング209で搬送経路を塞ぐ方向に付勢されており、ガイド部材205のストッパ部205Aが加圧側分離搬送部材202の一部に接触した位置で停止配置するように構成している。この時のガイド部材205の位置が図24(B)に示す搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pの搬送方向の角度を変化させる第1の位置となる。
図25(A)に示すように画像形成装置1の本体側は、ガイド部材205を用紙Pの搬送方向の角度を変化させない第2の位置へ移動するための駆動手段であるソレノイド220とリンク部材221とを備えている。リンク部材221は本発明に係るリンク機構を構成する。
図27および図28に示すように、リンク部材221は、ガイド部材205に連結され支点221Aを中心に回転可能に構成され、ソレノイド220が吸引されると連動して、リンク部材221の先端が持ち上がることで、ガイド部材205と接触する。ソレノイド220をオン状態とすることで吸引力が発生し、オフ状態とすることで吸引力は発生しなくなる。
引張りスプリング209によるガイド部材205への付勢力よりもソレノイド220による吸引力を大きくすることで、ガイド部材205は反時計周りに回転し第2の位置へ移動するようになっている。ソレノイド220が吸引されて停止するときのガイド部材205の位置が図25(B)に示す第2の位置となる。第2の位置におけるガイド部材205のガイド面は水平方向に対して略鉛直であり用紙Pの搬送方向を変化させないようになっている。
本実施の形態では、ガイド部材205と搬送補助ローラ対230との位置関係がシビアである第1の位置をユニット内で位置が完結するように構成し、第2の位置を画像形成装置1の本体側の駆動手段であるソレノイド220とリンク部材221とで決まるように構成したが、逆にしてもよい。
また、ガイド部材205の駆動手段として、ステッピングモータ等にすることで、ガイド部材の位置を多段階に決まるように構成してもよい。例えば、弱めのカール除去を行いたい場合等は、ガイド部材の位置を第1の位置と第2の位置との中間位置となるようにしてもよい。
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置1は定着装置20に給送される用紙Pの種類を設定する操作表示部152を有し、定着装置20の下流側かつ用紙Pを画像形成装置1の外部に排出する経路と両面反転経路を切り替える分岐部材15の上流側に、搬送補助ローラ対230と搬送補助ローラ対230の直後に搬送補助ローラ対230から排出される用紙Pを案内するガイド部材205とを備えている。
また、ガイド部材205が用紙Pと接触し、搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pの経路がなす角度を変化させる第1の位置と、用紙Pの経路がなす角度を変化させない第2の位置へ移動可能なソレノイド220およびリンク部材221とを有し、ソレノイド220およびリンク部材221は操作表示部152において設定された用紙Pの種類に応じて、ガイド部材205を第1の位置と第2の位置のいずれかに移動させるよう構成されている。
この構成により、用紙Pの種類に応じてガイド部材205の位置をソレノイド220およびリンク部材221により第1の位置または第2の位置へと移動させることでデカールのオンオフを適切に設定することができる。また、デカールのオンオフが適切に設定されることでデカールによる搬送不具合を防止することができる。
また、ソレノイド220およびリンク部材221は排紙ローラの種類に応じてガイド部材205を第1の位置と第2の位置のいずれかに移動させるよう構成してもよい。この構成により、腰付けを行う排紙ローラ1301を用いる際にはガイド部材を第2の位置へ移動させ、腰付けを行わない排紙ローラ1800を用いる際にガイド部材を第1の位置に移動させることで用紙Pに対するデカールの程度を適切なものとすることができる。
また、ソレノイド220およびリンク部材221はガイド部材205を第1の位置と第2の位置の間の任意の位置に移動可能であるよう構成してもよい。この構成によりガイド部材205によるデカールを任意の程度とすることができる。
また、ガイド部材205は、搬送補助ローラ対230の駆動ローラ204の軸と同軸位置に回転可能に支持され、回転移動することで第1の位置および第2の位置に移動可能としてもよい。この構成により、駆動ローラ204とガイド部材205の間の距離ギャップは、部品の寸法公差積み上がりが最も少ない構成とすることができ、駆動ローラ204とガイド部材205の間の距離が高精度に保たれた状態で、ガイド部材205が移動可能となる。
また、ソレノイド220およびリンク部材221は、用紙Pの紙厚によってガイド部材205の位置を変化させるようにしてもよい。この構成によりコシの強い厚紙におけるガイド部材205との接触による接触跡の発生を防止するため、ガイド部材205を第2の位置とし用紙Pとガイド部材205を接触させないようにすることができる。また、紙厚が所定の値以下である用紙Pについてはガイド部材205を第1の位置とし用紙Pにコシを付けることができる。
また、ソレノイド220およびリンク部材221はソレノイド220をオン状態またはオフ状態とすることにより、リンク部材221を動作させることで、ガイド部材205を移動可能にするよう構成してもよい。
また、搬送補助ローラ対230は、ゴムローラからなる駆動ローラ204と表面に高い剥離性を付与した従動ローラ203から構成され、片面通紙時における用紙Pの非画像面側を駆動ローラ204となるよう構成してもよい。この構成により、画像面側に接触する従動ローラ203の表面にトナーが付着し堆積することを防止できる。
第2の実施の形態において、紙厚に応じてデカール手段をオンオフする画像形成装置の構成を示した。一方、カールの発生に影響を与える要因としては紙厚以外にも定着時の用紙内の含水分量が挙げられる。例えば、湿度が高い等の理由により用紙内の含水分量が多いほど定着後のカールが発生しやすく、含水分量が少ないほど定着後のカールが発生しにくいことが知られている。
以下に説明する第3の実施の形態に係る画像形成装置は、湿度に応じてデカール手段のオンオフを適切に設定することでデカールによる搬送不具合を防止することを目的とする。
(第3の実施の形態)
以下、第3の実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
第3の実施の形態に係る画像形成装置において、第1および第2の実施の形態におけるものと同一の構成要素については、図1ないし図29に示した第1および第2の実施の形態と同一の符号を用いて説明し、特に相違点についてのみ詳述する。
画像形成装置1は画像形成部Aと、定着装置20と、操作表示部152と、ガイド部材205と、ソレノイド220と、温湿度センサ1600と、温湿度センサ1700と、制御部100(図32参照)とを含んで構成されている。
図30に示すように、温湿度センサ1600は画像形成装置1の上部の操作部150付近(図2参照)に設けられている。温湿度センサ1600は、画像形成装置1の外気の温度および湿度を検知するようになっている。温湿度センサ1600は、本発明に係る湿度検知手段を構成する。
図30に示す例では温湿度センサを画像形成装置1の上部に設けたが、図31に示すように温湿度センサ1700を画像形成装置1の下部に設けた給紙トレイ10の内部に設けてもよい。温湿度センサ1700は、画像形成装置1内または給紙トレイ10内の温度および湿度を検知するようになっている。
なお、画像形成装置1の外気、装置内(または給紙トレイ10内)の温度および湿度を検知する手段は必ずしもこれらに限られない。
次に、図32を参照して、制御部100の構成について説明する。
図32に示すように、制御部100には、温湿度センサ1600、温湿度センサ1700、操作表示部152、ソレノイド220がそれぞれ接続されている。
制御部100は、例えばCPU、RAM、ROM、入出力インターフェースなどを備えるマイクロコンピュータを含んで構成されており、用紙Pの種類および外気または画像形成装置1内の湿度に応じてガイド部材205の移動を制御するようになっている。
温湿度センサ1600は外気の湿度を、温湿度センサ1700は画像形成装置1内の湿度を検知するようになっている。操作表示部152は、用紙Pの種類、紙厚、片面印字/両面印字等の各種情報を設定可能であり、これらの情報を表示するようになっている。ソレノイド220は、リンク部材221と連動してガイド部材205を第1の位置と第2の位置のいずれかに移動させるようになっている。
図33は、現状の他の画像形成装置と本実施の形態の画像形成装置1における紙厚と湿度によるデカーラのオンオフの関係を比較した図である。図33中のONは図22(a)に示す第1の位置にガイド部材205に移動させデカーラをオンとする状態を、OFFは図22(b)に示す第2の位置にガイド部材205に移動させデカーラをオフとする状態を示している。
現状の他の画像形成装置は、用紙Pの紙種および紙厚に応じてデカーラのオンオフを制御するようになっている。用紙Pが薄紙または普通紙である場合はデカーラをオンとし第1の位置にガイド部材205を移動させる。用紙Pが厚紙である場合はデカーラをオフとし第2の位置にガイド部材205を移動させる。ここで薄紙は紙厚が59g/m2以下のものを、普通紙は紙厚が59g/m2より大きく160g/m2以下のものを、厚紙は紙厚が160g/m2より大きいものを指すものとする。
一方、本実施の形態の画像形成装置1は用紙Pの紙種および紙厚に加え、湿度によってもデカーラのオンオフを制御するようになっている。ここでいう湿度は温湿度センサ1600で検知した画像形成装置1の外気の温度、または温湿度センサ1700で検知した画像形成装置1内または給紙トレイ10内の湿度である。
用紙Pの紙種が薄紙である場合は、湿度の高低に関らずデカーラをオンとし第1の位置にガイド部材205を移動させる。用紙Pの紙種が普通紙であって、湿度が低い場合はカールが発生しにくいことからデカーラをオフとし第2の位置にガイド部材205を移動させる。用紙Pの紙種が普通紙であって、湿度が高い場合はカールが発生しやすいことからデカーラをオンとし第1の位置にガイド部材205を移動させる。用紙Pの紙種が厚紙である場合は、湿度の高低に関らずデカーラをオフとし第2の位置にガイド部材205を移動させる。
なお、ここでいう湿度が高い場合とは湿度が50%を超える場合を、湿度が低い場合とは湿度が50%以下である場合を指すものとする。
このように紙厚だけでなく、湿度も考慮してデカーラのオンオフを制御することで、低湿度で用紙にカールが発生しない場合やカール量が少ない場合にデカールをして用紙に逆カールを付与してしまうことを防ぐことができる。
図34は本実施の形態におけるデカーラのオンオフ制御のフロー図である。
制御部100は用紙Pが薄紙であるか否かを判断する(ステップS1)。制御部100は用紙Pが薄紙である場合はデカーラをオンとし(ステップS2)、駆動手段であるソレノイド220およびリンク部材221により第1の位置にガイド部材205を移動させる。次いで、制御部100は、デカーラのオンオフの判断を終了する(ステップS6)。
制御部100は用紙Pが薄紙でない場合は、用紙Pが普通紙であるか否かを判断する(ステップS3)。制御部100は、用紙Pが普通紙である場合は、外気または画像形成装置1内の湿度が高湿度であるか否かを判断する(ステップS4)。制御部100は、外気または画像形成装置1内の湿度が高湿度である場合はデカーラをオンとし(ステップS2)、駆動手段であるソレノイド220およびリンク部材221により第1の位置にガイド部材205を移動させる。次いで、制御部100は、デカーラのオンオフの判断を終了する(ステップS6)。
制御部100は、用紙Pが普通紙でない場合(=厚紙である場合)は、デカーラをオフとし(ステップS5)、駆動手段であるソレノイド220およびリンク部材221により第2の位置にガイド部材205を移動させる。また、制御部100はステップS4で外気または画像形成装置1内の湿度が低湿度であると判断した場合も、デカーラをオフとし(ステップS5)、駆動手段であるソレノイド220およびリンク部材221により第2の位置にガイド部材205を移動させる。次いで、制御部100は、デカーラのオンオフの判断を終了する(ステップS6)。
以上のように、本実施の形態に係る画像形成装置1は定着装置20に給送される用紙Pの種類を設定する操作表示部152を有し、定着装置20の下流側かつ用紙Pを画像形成装置1の外部に排出する経路と両面反転経路を切り替える分岐部材15の上流側に、搬送補助ローラ対230と搬送補助ローラ対230の直後に搬送補助ローラ対230から排出される用紙Pを案内するガイド部材205とを備えている。
またガイド部材205が用紙Pと接触し、搬送補助ローラ対230から排出された用紙Pの経路がなす角度を変化させる第1の位置と、用紙Pの経路がなす角度を変化させない第2の位置へ移動可能なソレノイド220およびリンク部材221とを有し、ソレノイド220およびリンク部材221は操作表示部152において設定された用紙Pの種類に応じて、ガイド部材205を第1の位置と第2の位置のいずれかに移動させるよう構成されている。
また、外気の湿度を検知する温湿度センサ1600をさらに備え、ソレノイド220およびリンク部材221は温湿度センサ1600によって検知された湿度に応じて、ガイド部材205を第1の位置と第2の位置のいずれかに移動させるよう構成されている。
この構成により、用紙Pの種類だけでなく、外気の湿度にも応じてガイド部材205の位置をソレノイド220およびリンク部材221により第1の位置または第2の位置へと移動させることでデカールのオンオフを適切に設定することができる。また、カールが発生しない、またはカール量が少ない用紙Pに対してデカールすることによる搬送不具合を防止することができる。
また、画像形成装置内の湿度を検知する温湿度センサ1700を備えるようにしてもよい。
以上、本発明の実施の形態について説明したが、本発明は上述の実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更を加え得ることは勿論である。
本発明によれば、排紙部以降の用紙の搬送経路に応じた腰付け条件の変更により用紙の搬送不良を防止し、装置の省スペース化を実現しつつ、排紙部の排紙ローラ及びローラホルダの着脱の作業性を向上させることができ画像形成装置全般に有用である。