JP5532883B2 - 定着装置、および画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、定着装置、および画像形成装置に関する。
複写機、プリンタ等の画像形成装置に備えられる定着装置において、内部にヒータ等の加熱部材を備えた複数のロール部材により張架されたベルト部材(定着ベルト)を用いてトナー像を定着するものが知られている。
例えば特許文献1には、加熱ローラと定着ローラとに亘って定着ベルトが張架され、加熱ローラと定着ローラとの間に、定着ベルトを押圧するテンションローラが配設され、定着ベルトの回転方向に対するテンションローラの軸芯の交差角度が変更調整自在に構成されることで、定着ベルトの片寄りを抑制し易くした定着装置が記載されている。
2009−175524号公報
本発明は、ベルト部材の片寄りに対する修正精度が低下することを抑制することを目的とする。
請求項1に記載の発明は、循環移動しながら記録材にトナーを定着するベルト部材と、前記ベルト部材を張架するロール部材と、前記ロール部材の一方の端部を支持する支持部が当該支持部にて支持される当該一方の端部部分の外径よりも大きな内径で構成されるとともに、前記ベルト部材の幅方向端部位置を検知する検知部からの検知情報に基づき移動量が制御されながら移動する可動部と係合する係合部と一体に構成され、当該係合部の当該可動部の移動に対応した移動に従って当該ロール部材の当該一方の端部を当該ベルト部材の移動方向前後に移動させる移動部材と、前記移動部材を自装置の側部筐体に対して前記ロール部材の配置方向に移動自在に支持する移動部支持部材と、前記移動部材を前記ロール部材の前記配置方向に向けて付勢する付勢部材とを備え、前記移動部材は、前記支持部と当該支持部にて支持される前記ロール部材の前記一方の端部とが接触する領域が、当該一方の端部と当該支持部とが直接接触する部分と、直接接触する当該部分よりも当該一方の端部と当該支持部との摩擦抵抗が小さい低摩擦部分とで構成され、前記移動部支持部材は、前記側部筐体に固定される第1のレール部と前記移動部材が固定される第2のレール部と当該第1のレール部と当該第2のレール部との間に配置されたボールベアリングとを有し、当該第1のレール部の当該ボールベアリングと接触する面および当該第2のレール部の当該ボールベアリングと接触する面の何れか一方または双方が硬化処理を施されて構成されたことを特徴とする定着装置である。
請求項に記載の発明は、前記移動部材は、前記ロール部材の前記一方の端部を前記ベルト部材の前記移動方向前後に移動させる際に、前記支持部と当該一方の端部とが非接触となる領域部分を形成するように当該支持部の前記内径が形成されたことを特徴とする請求項記載の定着装置である。
請求項3に記載の発明は、トナー像を形成するトナー像形成手段と、前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、前記記録材上に転写された前記トナー像をベルト部材により当該記録材に定着する定着手段と、前記定着手段の前記ベルト部材の幅方向端部位置を検知する検知部からの検知情報に基づき移動量が制御されながら移動する可動部を備えた移動機構部とを有し、前記定着手段は、循環移動しながら前記記録材に前記トナー像を定着する前記ベルト部材と、前記ベルト部材を張架するロール部材と、前記ロール部材の一方の端部を支持する支持部が当該支持部にて支持される当該一方の端部部分の外径よりも大きな内径で構成されるとともに、前記移動機構部の前記可動部と係合する係合部と一体に構成され、当該係合部の当該可動部の移動に対応した移動に従って当該ロール部材の当該一方の端部を前記ベルト部材の移動方向前後に移動させる移動部材と、前記移動部材を当該定着手段の側部筐体に対して前記ロール部材の配置方向に移動自在に支持する移動部支持部材と、前記移動部材を前記ロール部材の前記配置方向に向けて付勢する付勢部材とを備え、前記定着手段の前記移動部材は、前記支持部と当該支持部にて支持される前記ロール部材の前記一方の端部とが接触する領域が、当該一方の端部と当該支持部とが直接接触する部分と、直接接触する当該部分よりも当該一方の端部と当該支持部との摩擦抵抗が小さい低摩擦部分とで構成され、前記移動部支持部材は、前記側部筐体に固定される第1のレール部と前記移動部材が固定される第2のレール部と当該第1のレール部と当該第2のレール部との間に配置されたボールベアリングとを有し、当該第1のレール部の当該ボールベアリングと接触する面および当該第2のレール部の当該ボールベアリングと接触する面の何れか一方または双方が硬化処理を施されて構成されたことを特徴とする画像形成装置である。
請求項に記載の発明は、前記定着手段の前記移動部材は、前記ロール部材の前記一方の端部を前記ベルト部材の前記移動方向前後に移動させる際に、前記支持部と当該一方の端部とが非接触となる領域部分を形成するように当該支持部の前記内径が形成されたことを特徴とする請求項記載の画像形成装置である。
請求項1の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、支持部とロール部材の一方の端部との摩擦抵抗を低減するとともに、摩擦抵抗が小さい部分にて蓄積された摩擦帯電電荷を放電させて電気ノイズの発生を抑制し、また、移動部支持部材に圧痕が形成されて移動部材の移動が円滑に行われ難くなることを抑えることでベルト部材の張力が幅方向において不均一となることを抑制するとともに、ベルト部材の片寄りに対する修正精度が低下することを抑制することができる。
請求項の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ロール部材の一方の端部が支持部にて交差角を持って支持される場合においても、ロール部材の一方の端部および支持部の何れか一方または双方に削れが生じたり相互間の位置関係に誤差が生じることを抑制することができる。
請求項3の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、支持部とロール部材の一方の端部との摩擦抵抗を低減するとともに、摩擦抵抗が小さい部分にて蓄積された摩擦帯電電荷を放電させて電気ノイズの発生を抑制し、また、移動部支持部材に圧痕が形成されて移動部材の移動が円滑に行われ難くなることを抑えることでベルト部材の張力が幅方向において不均一となることを抑制するとともに、ベルト部材の片寄りに対する修正精度が低下することを抑制することができる。
請求項の発明によれば、本発明を採用しない場合に比べ、ロール部材の一方の端部が支持部にて交差角を持って支持される場合においても、ロール部材の一方の端部および支持部の何れか一方または双方に削れが生じたり相互間の位置関係に誤差が生じることを抑制することができる。
本実施の形態に係る定着装置が適用される画像形成装置の構成例を示した図である。 定着ユニットの構成を説明するための断面構成図である。 定着ユニットの奥側の側面部を説明する図である。 定着ユニットの手前側の側面部を説明する図である。 定着ユニットの奥側の側面部を示す斜視図である。 スライド支持部材によりロール支持部材が可動支持部材においてスライド移動自在に支持される構成を示す図である。 スライド支持部材の内部に作用する力を示した図である。
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は本実施の形態に係る定着装置(定着ユニット)60が適用される画像形成装置1の構成例を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂「タンデム型」のカラープリンタであり、画像データに基づき画像形成を行う画像形成部10と、画像形成装置1全体の動作制御や例えばパーソナルコンピュータ(PC)等との通信、画像データに対して行う画像処理等を実行する主制御部50と、ユーザからの操作入力の受付やユーザに対する各種情報の表示を行うユーザインターフェース(UI)部90と、を備えている。
<画像形成部の説明>
画像形成部10は、例えば電子写真方式により画像を形成する機能部であって、並列的に配置されるトナー像形成手段の一例としての6つの画像形成ユニット11C,11M,11HC,11HM,11Y,11K(以下、「画像形成ユニット11」)を備えている。各画像形成ユニット11は、機能部材として、例えば、静電潜像が形成され、その後に各色トナー像が形成される感光体ドラム12と、感光体ドラム12の表面を予め定められた電位で帯電する帯電器13と、帯電器13により帯電された感光体ドラム12を画像データに基づいて露光する露光器14と、感光体ドラム12上に形成された静電潜像を各色トナーにより現像する現像器15と、転写後の感光体ドラム12表面を清掃するクリーナ16と、を備えている。
各画像形成ユニット11の現像器15各々は、各色トナーを貯蔵するトナー容器17C,17M,17HC,17HM,17Y,17K(以下、「トナー容器17」)とトナー搬送路(不図示)で連結されている。そして、トナー搬送路中に設けられた補給用スクリュー(不図示)によりトナー容器17から現像器15に各色トナーが補給されるように構成されている。
画像形成ユニット11各々は、現像器15に収容されるトナーを除いて略同様に構成され、それぞれがC(シアン)色、M(マゼンタ)色、HC(高彩度シアン)色、HM(高彩度マゼンタ)色、Y(イエロー)色、K(ブラック)色のトナー像を形成する。ここでのHC色は、シアン色系の色相を有し、C色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いシアン色であり、HM色は、マゼンタ色系の色相を有し、M色よりも色調が明るく彩度が相対的に高いマゼンタ色である。
また、画像形成部10は、各画像形成ユニット11の感光体ドラム12に形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20と、各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に転写(一次転写)する一次転写ロール21と、を備えている。さらに、中間転写ベルト20上に重畳して転写された各色トナー像を記録材(記録紙)である用紙に一括転写(二次転写)する二次転写ロール22と、二次転写された各色トナー像を用紙上に定着させる定着手段(定着装置)の一例としての定着ユニット60と、を備えている。
加えて、画像形成部10は、定着ユニット60にて用紙上に定着された各色トナー像を冷却し、用紙上への各色トナー像の定着を促進する冷却ユニット80と、用紙の曲がり(カール)を矯正するカール矯正ユニット85と、を備えている。
なお、本実施の形態の画像形成装置1では、中間転写ベルト20、一次転写ロール21、および二次転写ロール22により転写手段が構成される。また、二次転写ロール22が配置され、中間転写ベルト20上の各色トナー像が用紙に二次転写される領域を、以下、「二次転写領域Tr」という。
<用紙搬送系の説明>
また、画像形成部10は、用紙搬送系として、用紙を収容する複数(本実施の形態では2個)の用紙収容容器40A,40Bと、この用紙収容容器40A,40Bに収容された用紙を繰り出して搬送する繰出しロール41A,41Bと、用紙収容容器40Aからの用紙を搬送する第1搬送路R1と、用紙収容容器40Bからの用紙を搬送する第2搬送路R2と、を備えている。さらに、画像形成部10は、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bからの用紙を二次転写領域Trに向けて搬送する第3搬送路R3と、を備えている。加えて、画像形成部10は、二次転写領域Trにて各色トナー像が転写された用紙を定着ユニット60、冷却ユニット80、およびカール矯正ユニット85を通過するように搬送する第4搬送路R4と、カール矯正ユニット85からの用紙を画像形成装置1の排出部に設けられた用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と、を備えている。
第1搬送路R1から第5搬送路R5は、それぞれに沿って搬送ロールや搬送ベルトが配置され、送られてくる用紙を順次、搬送する。
<両面搬送系の説明>
また、画像形成部10は、両面搬送系として、定着ユニット60で第1面に各色トナー像が定着された用紙を一旦保持する中間用紙収容容器42と、カール矯正ユニット85からの用紙を中間用紙収容容器42に向けて搬送する第6搬送路R6と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を上記の第3搬送路R3に向けて搬送する第7搬送路R7と、を備えている。さらに、画像形成部10は、カール矯正ユニット85の用紙搬送方向下流側に配置され、用紙を用紙積載部44に向けて搬送する第5搬送路R5と中間用紙収容容器42に搬送する第6搬送路R6とに選択的に振り分ける振分機構部43と、中間用紙収容容器42に収容された用紙を繰り出して第7搬送路R7に向けて搬送する繰出しロール45と、を備えている。
<画像形成動作の説明>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置1での基本的な画像形成動作について説明する。
画像形成部10の画像形成ユニット11各々は、上記の機能部材を用いた電子写真プロセスによりC色,M色,HC色,HM色,Y色,K色の各色トナー像を形成する。各画像形成ユニット11にて形成された各色トナー像は、一次転写ロール21により中間転写ベルト20上に順に一次転写され、各色トナーが重畳された合成トナー像を形成する。中間転写ベルト20上の合成トナー像は、中間転写ベルト20の移動(矢印方向)に伴って二次転写ロール22が配置された二次転写領域Trに搬送される。
一方、用紙搬送系では、各画像形成ユニット11での画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール41が回転動作し、用紙収容容器40Aおよび用紙収容容器40Bの中から例えばUI部90にて指定された方の用紙が繰出しロール41A,41Bにより繰り出される。繰出しロール41A,41Bにより繰り出された用紙は、第1搬送路R1または第2搬送路R2と、第3搬送路R3とに沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された合成トナー像が用紙に一括して二次転写される。
その後、合成トナー像が転写された用紙は、中間転写ベルト20から分離され、第4搬送路R4に沿って定着ユニット60に搬送される。定着ユニット60に搬送された用紙上の合成トナー像は、定着ユニット60によって定着処理を受けて用紙上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙は、冷却ユニット80にて冷却され、カール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により、片面印刷時には第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
なお、一次転写後に感光体ドラム12に付着しているトナー(一次転写残トナー)、および二次転写後に中間転写ベルト20に付着しているトナー(二次転写残トナー)は、それぞれクリーナ16、およびベルトクリーナ26によって除去される。
一方、両面印刷時には、上述した過程によって用紙の第1面上に定着画像が形成された用紙は、カール矯正ユニット85を通過した後、振分機構部43により第6搬送路R6に導かれ、第6搬送路R6を中間用紙収容容器42に向けて搬送される。そして再び、各画像形成ユニット11による第2面の画像形成の開始タイミングに合わせて繰出しロール45が回転し、中間用紙収容容器42から用紙が繰り出される。繰出しロール41により繰り出された用紙は、第7搬送路R7および第3搬送路R3に沿って搬送され、二次転写領域Trに到達する。
二次転写領域Trでは、第1面の場合と同様にして、二次転写ロール22により形成された転写電界によって、中間転写ベルト20上に保持された第2面の各色トナー像が用紙に一括して二次転写される。
そして、両面にトナー像が転写された用紙は、第1面の場合と同様に定着ユニット60にて定着され、冷却ユニット80にて冷却され、さらにはカール矯正ユニット85にて用紙の曲がりが矯正される。その後、カール矯正ユニット85を通過した用紙は、振分機構部43により第5搬送路R5に導かれて、用紙積載部44に向けて搬送される。
このようにして、画像形成装置1での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
<定着ユニットの構成の説明>
次に、本実施の形態の画像形成装置1に用いられる定着ユニット60について説明する。
図2は、本実施の形態の定着ユニット60の構成を説明するための断面構成図である。この定着ユニット60は、用紙を加熱する定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に設けられた定着ベルト610を外側から張架しながら定着ベルト610を加熱する外部加熱ロール部材の一例としての外部加熱ロール613と、外部加熱ロール613の表面を清掃するロール清掃機構部65と、定着ベルトモジュール61に対して接離自在に構成された加圧ロール62とで主要部が構成されている。
定着ベルトモジュール61は、循環移動するベルト部材の一例としての定着ベルト610と、定着ベルト610を張架しながら回転動作し、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接(互いに押圧されながら接触)する領域であるニップ部Nにて定着ベルト610を内側から加熱する定着ロール611と、定着ベルト610を内側から張架しながら定着ベルト610を加熱する内部加熱ロール612と、を備えている。また、定着ベルトモジュール61は、定着ロール611と内部加熱ロール612との間(ニップ部Nの上流側)で定着ベルト610を張架する張架ロール614と、ニップ部N内の下流側領域であって定着ロール610の近傍位置に配置された剥離部材の一例としての剥離パッド64と、ニップ部Nと外部加熱ロール613との間(ニップ部Nの下流側)において定着ベルト610を張架する張架ロール615と、外部加熱ロール613からの押圧力を受けながら定着ベルト610を支持する支持部材の一例としての支持ロール616と、を備えている。そして、定着ベルトモジュール61は、画像形成装置1に対し着脱自在に構成されている。
定着ベルト610は、例えば、ポリイミド樹脂で形成されたベース層と、ベース層の表面側(外周面側)に積層されたシリコーンゴムからなる弾性体層と、さらに弾性体層上に被覆されたPFA(テトラフルオロエチレン−ペルフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)からなる離型層とで構成されている。ここでは、弾性体層は、特にカラー画像に対する画質向上のために設けられたものである。すなわち、定着対象となる用紙に保持されるトナー像は、粉体である各色トナーが積層して形成されている。そのため、ニップ部Nにおいてトナー像の全体に均一に熱を供給するには、用紙上のトナー像の凹凸に倣って定着ベルト610表面が変形することが好ましいからである。
定着ロール611は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールであり、図示しない駆動モータからの回転駆動力を受けて、図中矢印方向に回転する。そして、定着ロール611の内部に配置された発熱体の一例としての例えば3本のハロゲンヒータ71により、定着ロール611は予め定められた温度(例えば、150℃)に加熱される。
内部加熱ロール612は、例えばアルミニウムやSUSで形成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された発熱体の一例としての例えば4本のハロゲンヒータ72により、内部加熱ロール612は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。
また、内部加熱ロール612は、その両端部に定着ベルト610を内側から外側に向けて押圧するバネ部材(不図示)が配置され、定着ベルト610全体の張力を例えば15kgfに設定している。
さらには、内部加熱ロール612には、定着ベルト610の片寄り(ベルトウォーク)を制御するための機構が設けられている。すなわち、内部加熱ロール612の近傍には、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知するベルトエッジ位置検知機構(不図示)が配置されている。また、内部加熱ロール612には、内部加熱ロール612の一方の端部を内部加熱ロール612の軸方向と直交する方向に変位させる変位機構(以下、「ベルトステアリング機構」)が設けられている。そして、このベルトステアリング機構は、ベルトエッジ位置検知機構の検知結果に応じて内部加熱ロール612の一方の端部位置を変位させることで、定着ベルト610の内部加熱ロール612に張架される軸方向位置を移動させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォーク(内部加熱ロール612の軸方向への片寄り)を修正している。
剥離パッド64は、例えばSUS等の金属や樹脂等の剛体で構成された、断面が略円弧形状のブロック部材である。そして、加圧ロール62が定着ベルト610を介して定着ロール611に圧接される領域(以下、「ロールニップ部N1」)の下流側近傍位置にて、定着ロール611の軸方向全域に亘って固定配置されている。そして、剥離パッド64は、定着ベルト610を介して加圧ロール62を予め定められた幅領域(例えば、定着ベルト610の進行方向に沿って5mmのニップ幅)に亘って予め定められた荷重(例えば、平均10kgf)で均一に押圧するように設置され、ロールニップ部N1に連なる「剥離パッドニップ部N2」を形成している。
次に、外部加熱ロール613は、例えばアルミニウムやSUSを基体とする表面が例えば窒化処理されて構成された円筒状ロールである。そして、内部に配置された発熱体の一例としての例えば3本のハロゲンヒータ73により、外部加熱ロール613は予め定められた温度(例えば、190℃)に加熱される。なお、外部加熱ロール613に関しては、後段で詳述する。
このように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ロール611と内部加熱ロール612と外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
次に、加圧ロール62は、例えば、アルミニウムやSUSからなる円柱状ロールを基体として、基体側から順に、シリコーンゴムからなる弾性層と、PFAチューブからなる離型層とが積層されて構成されている。そして、加圧ロール62は、定着ベルトモジュール61に接離するように配置され、定着ベルトモジュール61を押圧しながら接触(圧接)するように設定された場合には、定着ベルトモジュール61の定着ロール611が矢印方向へ回転するのに伴い、定着ロール611に従動して矢印方向に回転する。
<定着ユニットでの定着動作についての説明>
続いて、本実施の形態の定着ユニット60での定着動作について説明する。
画像形成装置1の二次転写領域Tr(図1参照)において合成トナー像(未定着トナー像)が静電転写された用紙は、第4搬送路R4(図1参照)に沿って定着ユニット60のニップ部N(図2参照)に向けて搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙に定着される。
すなわち、本実施の形態の定着ユニット60では、ロールニップ部N1に作用する熱は主に定着ベルト610によって供給される。定着ベルト610は、定着ロール611の内部に配置されたハロゲンヒータ71から定着ロール611を介して供給される熱と、内部加熱ロール612の内部に配置されたハロゲンヒータ72から内部加熱ロール612を介して供給される熱と、外部加熱ロール613の内部に配置されたハロゲンヒータ73から外部加熱ロール613を介して供給される熱とによって加熱される。それにより、定着ロール611だけでなく、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613からも熱エネルギーが補給されるので、ロールニップ部N1においては、プロセススピードが高速であっても充分な熱量が確保される。
本実施の形態の定着ユニット60では、直接的な定着部材として機能する定着ベルト610は、極めて熱容量を小さく構成することができる。加えて、定着ベルト610は、熱供給部材である定着ロール611と、内部加熱ロール612および外部加熱ロール613のそれぞれにおいて広いラップ面積(大きなラップ角度)で接触するように構成されている。そのため、定着ベルト610が1回転する短い期間に、定着ロール611や内部加熱ロール612および外部加熱ロール613から充分な熱量が供給されるので、定着ベルト610を必要な定着温度に短時間で復帰させることが可能となる。それにより、ロールニップ部N1においては、予め定められた定着温度が維持される。
その結果、本実施の形態の定着ユニット60では、高速で連続通紙されても定着温度が略一定に維持される。また、高速での定着動作の開始時に定着温度が落ち込む現象(所謂「温度ドループ現象」)の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等に対する定着においても、定着温度の維持および温度ドループの発生が抑制され、さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ71、さらにはハロゲンヒータ72、ハロゲンヒータ73の出力調整により、温度の切り替えを容易としている。
また、本実施の形態の定着ユニット60は、定着ロール611がアルミニウムやSUS等で形成されたハードロールであり、加圧ロール62が弾性層を被覆したソフトロールである。そのため、ロールニップ部N1では、定着ロール611は殆ど撓まず、加圧ロール62表面が撓むことによって定着ベルト610の進行方向に幅を持ったニップ領域が形成されている。このように、ロールニップ部N1においては、定着ベルト610がラップされている側の定着ロール611が殆ど変形しない。そのため、定着ベルト610は移動速度を略一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それにより、ロールニップ部N1において定着ベルト610にシワや歪みが生じることが抑制されるので、良質の定着画像が安定的に提供される。
引き続いて、ロールニップ部N1を通過した後には、用紙は剥離パッドニップ部N2に搬送される。剥離パッドニップ部N2は、加圧ロール62に剥離パッド64が押圧されて、定着ベルト610が加圧ロール62に圧接するように構成されている。したがって、ロールニップ部N1は定着ロール611の曲率によって下に凸である湾曲した形状を有するのに対し、剥離パッドニップ部N2は加圧ロール62の曲率によって上に凸である湾曲した形状を有している。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率のもとで加熱加圧された用紙は、剥離パッドニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に進行方向が変化させられる。その際に、用紙上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙は定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。このように、剥離パッドニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行なわれるための準備工程にも位置付けられる。
そして、剥離パッドニップ部N2の出口では、定着ベルト610は剥離パッド64に巻き付くように搬送されるので、定着ベルト610の搬送方向はそこで急激に変化する。すなわち、定着ベルト610は剥離パッド64の外側面に沿って移動するため、定着ベルト610の屈曲は大きなものとなる。そのため、剥離パッドニップ部N2内において定着ベルト610との付着力が予め弱められた用紙は、用紙自身が有している紙のコシによって定着ベルト610から分離する。
そして、定着ベルト610から分離された用紙は、剥離パッドニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板69により、その進行方向が導かれる。剥離案内板69により案内された用紙は、その後、排紙ガイド78および排紙ベルト79によって冷却ユニット80に向けて搬送され、それにより定着ユニット60での定着処理が完了する。
<ベルトステアリング機構(変位機構)についての説明>
次に、本実施の形態のベルトステアリング機構について説明する。ベルトステアリング機構は、内部加熱ロール612に配置され、内部加熱ロール612の一方の端部位置を変位させることで、定着ベルト610の内部加熱ロール612に張架される軸方向位置を移動させる。それにより、定着ベルト610のベルトウォーク(片寄り)を制御する。
<定着ユニットの奥側(−z方向側)の側面部の構成に関する説明>
まず、本実施の形態のベルトステアリング機構の定着ユニット60の奥側(−z方向側)の側面部における構成について説明する。
図3は、本実施の形態の定着ユニット60の奥側(−z方向側)の側面部を説明する図である。図3に示すように、本実施の形態の定着ユニット60の奥側側面部には、定着ロール611、張架ロール614、張架ロール615、および支持ロール616等のロール部材や、剥離パッド64等の部材を支持する、SUS等の金属で構成された支持筐体100と、支持筐体100に対して揺動自在に支持された、SUS等の金属で構成された側部筐体の一例としての可動支持部材110とが備えられている。
可動支持部材110は、内部加熱ロール612よりも用紙搬送方向上流側(−x方向側)の位置にて、支持筐体100との間を支持軸101によって揺動自在に支持されている。また、可動支持部材110は、可動支持部材110側に形成された開口部112と、支持筐体100側に配置されたガイドピン102とにより、揺動可能範囲が開口部112の範囲内に制限されている。
一方、可動支持部材110には、内部加熱ロール612よりも用紙搬送方向下流側(x方向側)の位置に、画像形成装置1本体側に配置された移動機構部の一例としての揺動カム機構150からの揺動回転力を受ける係合部の一例としての揺動アーム部113が形成されている。可動支持部材110の揺動アーム部113は、定着ベルトモジュール61が画像形成装置1本体に装着されることで、揺動カム機構150と係合するように構成されている。このように揺動カム機構150を画像形成装置1本体側に配置することで、ベルトステアリング機構における定着ベルトモジュール61側の構成を単純化し、定着ベルトモジュール61についての画像形成装置1本体との着脱を容易としている。
また、支持筐体100と可動支持部材110との間には、揺動アーム部113を用紙搬送方向下流側(x方向側)に付勢するバネ部材104が配置されている。
ここで、画像形成装置1本体側の揺動カム機構150は、円弧状に形成されたギヤが形成されたギヤ部151と、ギヤ部151を揺動自在に支持する支持軸152と、ギヤ部151の側面に形成された凸状部であって、可動支持部材110側の揺動アーム部113に揺動回転力を作用させる可動部の一例としての作用部153と、ギヤ部151とギヤ結合されて駆動モータ(不図示)からの回転駆動力をギヤ部151に伝達する駆動側ギヤ154と、を備えている。駆動側ギヤ154は、主制御部50(図1参照)によって制御される駆動モータにより、定着ベルト610の端部位置(エッジ位置)を検知する検知部の一例としてのベルトエッジ位置検知機構(不図示)の検知結果に応じた角度(移動量)だけ、ギヤ部151を回転(移動)させる。それにより、可動支持部材110の揺動アーム部113が作用部153によってバネ部材104からの付勢力を受けながら定着ベルト610の移動方向(x方向)に移動されることで、可動支持部材110が支持軸101を揺動中心として揺動(移動)する。
さらに、可動支持部材110には、内部加熱ロール612を支持する移動部材の一例としてのロール支持部材120が配置されている。ロール支持部材120は、可動支持部材110との間に移動部支持部材の一例としてのスライド支持部材130が配置されることにより、可動支持部材110において内部加熱ロール612の回転軸612a方向にスライド移動(並行移動)自在に支持されている。また、ロール支持部材120は、支持部の一例としてのロール支持部121により内部加熱ロール612の回転軸612aを支持する。それにより、内部加熱ロール612は、ロール支持部121に支持された回転軸612aと内部加熱ロール612との間に配置されたベアリング(不図示)を介して回転する。
ここで、内部加熱ロール612の回転軸612aを支持するロール支持部121には、回転軸612aとの摺動抵抗を低減する例えばPFA等の低摩擦材料で表面を被覆した低摩擦部122が配置されている。
加えて、可動支持部材110には、ロール支持部材120を内部加熱ロール612の回転軸612a方向に向けて付勢する付勢部材の一例としてのロール付勢部材140が配置されている。ロール付勢部材140は、内部加熱ロール612に対しロール支持部材120を介して外側に向かう力を付与することで、内部加熱ロール612が張架する定着ベルト610に対し、予め定められた張力(テンション)を設定する。
そして、可動支持部材110にスライド移動自在に支持されたロール支持部材120は、揺動カム機構150によって可動支持部材110が揺動されるのに対応して、可動支持部材110と一体となって揺動する。それにより、ロール支持部材120に支持された内部加熱ロール612の回転軸612aが揺動されて、内部加熱ロール612の奥側(−z方向側)の端部位置が定着ベルト610の移動方向(x方向)の前後(上流側または下流側)に変位する。それによって、定着ベルト610に関する内部加熱ロール612の軸方向への片寄りを修正している。
その際に、ロール支持部材120を内部加熱ロール612の回転軸612a方向にスライド移動自在に支持するスライド支持部材130、およびロール支持部材120を回転軸612a方向に付勢するロール付勢部材140も可動支持部材110と一体となって揺動する。それにより、ロール付勢部材140による内部加熱ロール612への力はそのまま付与され、定着ベルト610のテンションは維持される。
<定着ユニットの手前側(z方向側)の側面部の構成に関する説明>
引き続いて、本実施の形態のベルトステアリング機構の定着ユニット60の手前側(z方向側)の側面部における構成について説明する。
次の図4は、本実施の形態の定着ユニット60の手前側(z方向側)の側面部を説明する図である。図4に示すように、本実施の形態の定着ユニット60の手前側では、可動支持部材110を設けておらず、内部加熱ロール612を支持するロール支持部材120がスライド支持部材130を介して支持筐体100に直接、支持されている。そして、ロール支持部材120は、ロール付勢部材140によって内部加熱ロール612の回転軸612a方向に向けて付勢されている。このように、定着ユニット60の手前側の側面部では、内部加熱ロール612の回転軸612aの位置を変位させず、内部加熱ロール612に対しロール支持部材120を介して外側に向かう力だけを付与している。それにより、定着ユニット60の手前側(z方向側)および奥側(−z方向側)双方の側面部での外側に向かう力により、内部加熱ロール612が張架する定着ベルト610に、定着ユニット60の手前側(z方向側)から奥側(−z方向側)に亘って均一な張力(テンション)を設定している。
<ロール支持部材に設けられたロール支持部についての説明>
続いて、内部加熱ロール612の回転軸612aを支持するロール支持部121について説明する。
図5は、本実施の形態の定着ユニット60の奥側(−z方向側)の側面部を示す斜視図である。図5に示すように、ロール支持部材120に設けられたロール支持部121は、内径が内部加熱ロール612の回転軸612aの外径よりも大きく形成されている。それにより、揺動カム機構150によって可動支持部材110が揺動されるのに対応してロール支持部材120が可動支持部材110と一体となって揺動するに際して、ロール支持部121と回転軸612aとの間の何れかの位置に間隙g(隙間)が形成される。
上記したように、本実施の形態では、定着ベルト610の片寄りを修正する際に、定着ユニット60の奥側(−z方向側)の側面部において、内部加熱ロール612の回転軸612aの位置を変位させるが、その一方で、手前側(z方向側)の側面部では、内部加熱ロール612の回転軸612aの位置は変位させない。そのために、内部加熱ロール612は、用紙搬送方向(x方向)に沿って相互に平行に配置されたロール支持部材120に対し、僅かではあるが交差角を持つこととなる。そのため、内部加熱ロール612はロール支持部材120のロール支持部121に交差角を持って支持される。それにより、内部加熱ロール612の回転軸612aとロール支持部121との相互間に交差角方向の力が作用し、回転軸612aおよびロール支持部121の何れか一方または双方に変形が生じることがある。また、内部加熱ロール612の回転により、回転軸612aおよびロール支持部121の何れか一方または双方に削れが生じることもある。そのために、内部加熱ロール612の回転軸612aおよびロール支持部121相互間の位置関係に誤差が生じ易い。そしてその結果として、可動支持部材110(揺動アーム部113)をベルトエッジ位置検知機構(不図示)の検知結果に応じて予め規定していた角度だけ回転させても、定着ベルト610の片寄りに対して予め想定している修正が行われない場合が生じる。
そこで、本実施の形態の定着ユニット60においては、ロール支持部材120のロール支持部121の内径を内部加熱ロール612の回転軸612aの外径よりも大きく形成している。それにより、揺動カム機構150によって奥側(−z方向側)端部のロール支持部材120だけが可動支持部材110と一体となって揺動され、手前側(z方向側)端部のロール支持部材120の位置が変位されず、回転軸612aとロール支持部121との相互間に交差角が生じても、手前側および奥側双方のロール支持部121と回転軸612aとの間の何れかの位置に間隙gが形成される。すなわち、ロール支持部121と回転軸612aとが接触しない非接触の領域が形成される。そのため、このような間隙gによって内部加熱ロール612の回転軸612aとロール支持部121との間に作用する交差角方向の力は緩和される。それにより、回転軸612aおよびロール支持部121の何れか一方または双方に削れが生じたり、回転軸612aおよびロール支持部121相互間の位置関係に誤差が生じることが抑制される。これによって、定着ベルト610の片寄りに対する修正精度の低下が抑えられる。
ところで、このように、ロール支持部121と内部加熱ロール612の回転軸612aとの間に間隙gを設定することにより、ロール支持部材120が揺動する際に、回転軸612aとロール支持部121とが摺動することがある。そのため、本実施の形態の定着ユニット60では、ロール支持部121が内部加熱ロール612の回転軸612aを支持する領域の一部分に、例えばPFA等の低摩擦材料で表面を被覆した低摩擦部122を配置している。それにより、ロール支持部121と回転軸612aとの摺動抵抗を低減している。
さらに、ロール支持部121が内部加熱ロール612の回転軸612aを支持する領域には、低摩擦部122を配置していない部分も形成している。それによって、回転軸612aがSUS等の金属で構成されたロール支持部材120に直接接触する領域(部分)を構成している。それにより、回転軸612aとの摩擦により絶縁性の高い低摩擦部122に蓄積された摩擦電荷は、回転軸612aからロール支持部材120を介して徐々に放電される。このことにより、内部加熱ロール612に過度に帯電した電荷が一気に放電されることによる例えば内部加熱ロール612の温度を検知する温度検知系に電気ノイズが侵入することを抑え、温度制御系に誤動作が発生することを抑制している。
<ロール支持部材を可動部材において支持するスライド支持部材についての説明>
次に、ロール支持部材120を可動支持部材110においてスライド移動自在に支持するスライド支持部材130について説明する。
図6は、スライド支持部材130によりロール支持部材120が可動支持部材110においてスライド移動自在に支持される構成を示す図である。図6に示すように、スライド支持部材130は、可動支持部材110に固定される第1のレール部の一例としてのアウターレール131と、ロール支持部材120が固定される第2のレール部の一例としてのインナーレール132と、アウターレール131とインナーレール132とに沿って相互の間に配置されたボールベアリング(不図示)とで構成されている。それにより、ロール支持部材120がロール付勢部材140から受ける付勢力と、内部加熱ロール612から受ける定着ベルト610の張力とが均衡する位置にロール支持部材120が移動する際には、ロール支持部材120が固定されたインナーレール132がボールベアリングを介してアウターレール131に支持されながらスライド移動する。
なお、ロール支持部材120がインナーレール132に固定された場合に、ロール付勢部材140がロール支持部材120の押圧受け部123に結合される。
ところで、上記したように、ロール支持部材120は、揺動カム機構150(図3参照)によって可動支持部材110が揺動されるのに対応して、可動支持部材110と一体となって揺動する。一方、ロール支持部材120は、ロール支持部121にて内部加熱ロール612の回転軸612aを支持している。そのため、スライド支持部材130の内部では、揺動する可動支持部材110に固定されるアウターレール131と、内部加熱ロール612を支持するロール支持部材120が固定されるインナーレール132との間に、可動支持部材110の揺動方向の力が加わる。
次の図7は、スライド支持部材130の内部に作用する力を示した図である。図7に示すように、揺動カム機構150(図3参照)によって揺動される可動支持部材110は、スライド支持部材130の配置位置において例えばS方向に移動しようとする。そのため、可動支持部材110に固定されたアウターレール131は、可動支持部材110からS方向に移動しようとする力を受ける。一方、内部加熱ロール612の回転軸612aを支持しているロール支持部材120は、内部加熱ロール612の回転軸612aからその反力(−S方向)を受ける。そのため、ロール支持部材120が固定されるインナーレール132は、ロール支持部材120から−S方向の力を受ける。それにより、アウターレール131とインナーレール132との間には、ボールベアリングを介して可動支持部材110の揺動方向(S方向)の力が加わる。そのために、ボールベアリングと接触してボールベアリングからの押圧力を受けるアウターレール131の内周面およびインナーレール132の外周面の何れか一方または双方にボールベアリングの押圧による圧痕が形成され易い。
アウターレール131の内周面およびインナーレール132の外周面の何れか一方または双方にボールベアリングの圧痕が形成されると、アウターレール131とインナーレール132との間のスライド移動が円滑に行われ難くなる。それにより、ロール支持部材120を介したロール付勢部材140からの付勢力が内部加熱ロール612の回転軸612a方向に円滑に伝達され難い。そのために、定着ベルト610の張力(テンション)が、定着ユニット60の手前側(z方向側)と奥側(−z方向側)とにおいて(定着ベルト610の幅方向に)不均一となることがある。
そこで、本実施の形態のスライド支持部材130では、アウターレール131の内周面およびインナーレール132の外周面の何れか一方または双方に、例えばタフトライド処理等の硬化処理を施している。それにより、アウターレール131とインナーレール132との間に可動支持部材110の揺動方向の力が加わった場合にも、アウターレール131の内周面およびインナーレール132の外周面の何れか一方または双方にボールベアリングの押圧による圧痕が形成され難い構成を実現している。これによって、定着ベルト610の張力(テンション)が、定着ユニット60の手前側(z方向側)と奥側(−z方向側)とにおいて不均一となることを抑制している。
ここで、アウターレール131の内周面およびインナーレール132の外周面の何れか一方または双方に施す「硬化処理」とは、アウターレール131およびインナーレール132を構成する材質の表面が有する本来の硬度よりも高い硬度の材質に変質させる処理をいう。
以上説明したように、本実施の形態の定着ユニット60では、定着ベルト610の片寄りを制御するベルトステアリング機構において、ロール支持部材120に設けられたロール支持部121の内径を内部加熱ロール612の回転軸612aの外径よりも大きく形成している。そして、揺動カム機構150によって可動支持部材110が揺動されるのに対応してロール支持部材120が可動支持部材110と一体となって揺動するに際して、ロール支持部121と回転軸612aとの間の何れかの位置に間隙g(隙間)が形成されるように構成している。それにより、回転軸612aおよびロール支持部121の何れか一方または双方に削れが生じたり、回転軸612aおよびロール支持部121相互間の位置関係に誤差が生じることを抑制して、定着ベルト610の片寄りに対する修正精度の低下を抑えている。
1…画像形成装置、60…定着ユニット、61…定着ベルトモジュール、71,72,73…ハロゲンヒータ、110…可動支持部材、120…ロール支持部材、121…ロール支持部、130…スライド支持部材、131…アウターレール、132…インナーレール、140…ロール付勢部材、150…揺動カム機構、610…定着ベルト、611…定着ロール、612…内部加熱ロール、612a…回転軸

Claims (4)

  1. 循環移動しながら記録材にトナーを定着するベルト部材と、
    前記ベルト部材を張架するロール部材と、
    前記ロール部材の一方の端部を支持する支持部が当該支持部にて支持される当該一方の端部部分の外径よりも大きな内径で構成されるとともに、前記ベルト部材の幅方向端部位置を検知する検知部からの検知情報に基づき移動量が制御されながら移動する可動部と係合する係合部と一体に構成され、当該係合部の当該可動部の移動に対応した移動に従って当該ロール部材の当該一方の端部を当該ベルト部材の移動方向前後に移動させる移動部材と、
    前記移動部材を自装置の側部筐体に対して前記ロール部材の配置方向に移動自在に支持する移動部支持部材と、
    前記移動部材を前記ロール部材の前記配置方向に向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記移動部材は、前記支持部と当該支持部にて支持される前記ロール部材の前記一方の端部とが接触する領域が、当該一方の端部と当該支持部とが直接接触する部分と、直接接触する当該部分よりも当該一方の端部と当該支持部との摩擦抵抗が小さい低摩擦部分とで構成され、
    前記移動部支持部材は、前記側部筐体に固定される第1のレール部と前記移動部材が固定される第2のレール部と当該第1のレール部と当該第2のレール部との間に配置されたボールベアリングとを有し、当該第1のレール部の当該ボールベアリングと接触する面および当該第2のレール部の当該ボールベアリングと接触する面の何れか一方または双方が硬化処理を施されて構成されたことを特徴とする定着装置。
  2. 前記移動部材は、前記ロール部材の前記一方の端部を前記ベルト部材の前記移動方向前後に移動させる際に、前記支持部と当該一方の端部とが非接触となる領域部分を形成するように当該支持部の前記内径が形成されたことを特徴とする請求項記載の定着装置。
  3. トナー像を形成するトナー像形成手段と、
    前記トナー像形成手段によって形成された前記トナー像を記録材上に転写する転写手段と、
    前記記録材上に転写された前記トナー像をベルト部材により当該記録材に定着する定着手段と、
    前記定着手段の前記ベルト部材の幅方向端部位置を検知する検知部からの検知情報に基づき移動量が制御されながら移動する可動部を備えた移動機構部とを有し、
    前記定着手段は、
    循環移動しながら前記記録材に前記トナー像を定着する前記ベルト部材と、
    前記ベルト部材を張架するロール部材と、
    前記ロール部材の一方の端部を支持する支持部が当該支持部にて支持される当該一方の端部部分の外径よりも大きな内径で構成されるとともに、前記移動機構部の前記可動部と係合する係合部と一体に構成され、当該係合部の当該可動部の移動に対応した移動に従って当該ロール部材の当該一方の端部を前記ベルト部材の移動方向前後に移動させる移動部材と、
    前記移動部材を当該定着手段の側部筐体に対して前記ロール部材の配置方向に移動自在に支持する移動部支持部材と、
    前記移動部材を前記ロール部材の前記配置方向に向けて付勢する付勢部材とを備え、
    前記定着手段の前記移動部材は、前記支持部と当該支持部にて支持される前記ロール部材の前記一方の端部とが接触する領域が、当該一方の端部と当該支持部とが直接接触する部分と、直接接触する当該部分よりも当該一方の端部と当該支持部との摩擦抵抗が小さい低摩擦部分とで構成され、
    前記移動部支持部材は、前記側部筐体に固定される第1のレール部と前記移動部材が固定される第2のレール部と当該第1のレール部と当該第2のレール部との間に配置されたボールベアリングとを有し、当該第1のレール部の当該ボールベアリングと接触する面および当該第2のレール部の当該ボールベアリングと接触する面の何れか一方または双方が硬化処理を施されて構成されたことを特徴とする画像形成装置。
  4. 前記定着手段の前記移動部材は、前記ロール部材の前記一方の端部を前記ベルト部材の前記移動方向前後に移動させる際に、前記支持部と当該一方の端部とが非接触となる領域部分を形成するように当該支持部の前記内径が形成されたことを特徴とする請求項記載の画像形成装置。
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