JP2009109660A - 定着装置および画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】定着ベルト610と、定着ベルト610を張架する定着ロール611と、定着ベルト610が定着ロール611に張架される領域にて定着ロール611を加圧するように配置された加圧ロール62と、定着ベルト610に生じた片寄りを補正するベルト片寄り補正機構とを備えており、ベルト片寄り補正機構は、定着ベルト610の定着ロール611への張架開始位置が加圧ロール62が定着ロール611を加圧する領域よりも上流側となる範囲内で定着ベルト610の位置を変位させる。
【選択図】図6
Description
例えば特許文献1には、ベルト部材を張架するアイドルロールがベルト部材の片寄りを補正する機構を備えた定着装置に関する技術が記載されている。
本発明は、加熱部材としてベルト部材を用いる定着装置において、記録材と接触する領域におけるベルト部材でのしわの発生を低減しながら、ベルト部材の片寄りを補正することを目的とする。
請求項3に記載の発明は、前記定着ロールは、長手方向中央部の外径が大きく、両端部に向かって小径に形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
前記ベルト片寄り補正手段は、前記張架ロールが前記ベルト部材を加熱することを特徴とする請求項1記載の定着装置である。
請求項7に記載の発明は、前記定着手段の前記定着ロールは、長手方向中央部の外径が大きく、両端部に向かって小径に形成されたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、前記定着手段は、前記ベルト片寄り補正手段の前記張架ロールが前記ベルト部材を加熱することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置である。
本発明の請求項2によれば、定着ロールへのベルト部材の接触開始位置を加圧ロールが定着ロールを加圧するニップ領域よりも張架ロール側となる範囲に設定するに際して、本発明を採用しない場合に比べて、張架ロールの設定位置の自由度を広げることができる。
本発明の請求項3によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ベルト部材に生じたしわを矯正する能力を高めることができる。
本発明の請求項4によれば、ニップ部の上流側でのベルト部材と定着ロールとの接触面積にベルト部材の幅方向に関するばらつきが生じても、本発明を採用しない場合に比べて、ニップ領域を通過するベルト部材における熱量の幅方向のばらつきを小さくすることができる。
本発明の請求項6によれば、定着ロールへのベルト部材の接触開始位置を加圧ロールが定着ロールを加圧するニップ領域よりも張架ロール側となる範囲に設定するに際して、本発明を採用しない場合に比べて、張架ロールの設定位置の自由度を広げることができる。
本発明の請求項7によれば、本発明を採用しない場合に比べて、ベルト部材に生じたしわを矯正する能力を高めることができる。
本発明の請求項8によれば、ニップ部の上流側でのベルト部材と定着ロールとの接触面積にベルト部材の幅方向に関するばらつきが生じても、本発明を採用しない場合に比べて、ニップ部を通過するベルト部材における熱量の幅方向のばらつきを小さくすることができる。
[実施の形態1]
図1は本実施の形態が適用される画像形成装置1の全体構成を示した図である。図1に示す画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタであり、各色の画像データに対応して画像形成を行う画像形成プロセス部10、画像形成装置1全体の動作を制御する制御部30、例えばパーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等といった外部装置に接続され、これらから受信された画像データに対して所定の画像処理を施す画像処理部35、各部に電力を供給する主電源50を備えている。
また、各画像形成ユニット11は、現像器14に収納されるトナーを除いて、略同様に構成される。そして、各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
このようにして、画像形成装置1での画像形成がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返して実行される。
図2は本実施の形態の定着装置60の構成を示す側断面図である。この定着装置60は、定着ベルトモジュール61と、定着ベルトモジュール61に対して圧接して配置された加圧ロール62とを備えている。
定着ベルトモジュール61は、ベルト部材の一例としての定着ベルト610、定着ベルト610を張架しながら回転駆動する定着ロール611、内側から定着ベルト610を張架するテンションロール612、外側から定着ベルト610を張架する外部加熱ロール613、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接される領域であるニップ部N内の下流側領域に配置され、用紙Pを定着ベルト610から剥離する剥離パッド64、ニップ部Nの下流側であって、定着ベルト610が再び定着ロール611に張架されるまでの領域において定着ベルト610を張架するアイドラーロール615を備えている。
また、定着ロール611の内部には、加熱源として定格900Wのハロゲンヒータ616aが配置され、定着ロール611の表面に接触するように配置された温度センサ617aの計測値に基づき、画像形成装置1の制御部30(図1参照)が定着ロール611の表面温度を150℃に制御している。
また、テンションロール612の両端部には、定着ベルト610を外側に押圧するバネ部材(不図示)が配置されている。それにより、テンションロール612は、定着ベルト610の張力を所定値(例えば、15kgf)に調整する機能を有する。
さらに、テンションロール612には、後段で詳述するように、ベルト片寄り制御機構が設けられる。すなわち、テンションロール612は、定着ベルト610の片寄り(ベルトウォーク)を補正する片寄り補正ロール(ステアリングロール)としても機能する。
外部加熱ロール613の内部には、加熱源としての定格1000Wのハロゲンヒータ616cが配置されており、温度センサ617cと制御部30(図1参照)とによって、表面温度が190℃に制御される。したがって、外部加熱ロール613は、定着ベルト610を張架する機能と、定着ベルト610を外周面側から加熱する機能とを併有する。
このように、本実施の形態では、定着ロール611とテンションロール612および外部加熱ロール613とによって定着ベルト610が加熱される構成を採用している。
また、アイドラーロール615は、例えば外径12mm、長さ360mmのステンレスで形成された円柱状ロールである。そして、剥離ニップ部N2を通過した定着ベルト610が定着ロール611に向けて円滑に移動するように、剥離パッド64の定着ベルト610移動方向下流側近傍に配置される。
図3は、ニップ部Nの近傍領域における定着装置60の構成を説明する概略断面図である。図3に示したように、定着ベルトモジュール61と加圧ロール62とが圧接されたニップ部Nには、定着ベルト610が定着ロール611に巻き付けられた(ラップされた)領域(ラップ領域)内において、加圧ロール62が定着ベルト610の外周面を圧接するように配置される。それにより、ロールニップ部N1が形成される。
このような定着ロール611と加圧ロール62との構成により、加圧ロール62の弾性層622が変形することでロールニップ部N1が形成される。すなわち、ロールニップ部N1では、定着ロール611には凹みが殆ど生じず、加圧ロール62表面のみが凹んだ状態(加圧ロール62の凹み量>定着ロール611の凹み量)が形成されることで、定着ベルト610の移動方向に所定の幅を持ったロールニップ部N1を作り出している。
それにより、ロールニップ部N1では、定着ベルト610は定着ロール611表面の円周面に沿って回転移動し、その回転半径に変動が生じない。そのため、定着ベルト610は移動速度を一定に維持しながらロールニップ部N1を通過する。それによって、定着ベルト610がロールニップ部N1を通過するに際して、定着ベルト610にはしわや歪みが発生し難い。なお、本実施の形態の定着装置60では、ロールニップ部N1は定着ベルト610の移動方向に沿って約15mmの幅に設定されている。
図3に示したように、剥離ニップ部N2を形成する剥離パッド64は、断面が略円弧形状に形成され、ロールニップ部N1の下流側近傍にて定着ロール611の軸方向に沿って配置される。そして、剥離ニップ部N2を通過した後の定着ベルト610は、剥離パッド64の外側面に倣って移動する。それにより、定着ベルト610の移動方向は剥離パッド64によってアイドラーロール615方向に屈曲するように急激に変化する。そのため、ロールニップ部N1および剥離ニップ部N2を通過した用紙Pは、剥離ニップ部N2を出た時点で定着ベルト610の移動方向の変化に追随できなくなり、用紙Pは自身の剛性(所謂「コシ」)によって定着ベルト610から剥離される。このようにして、剥離ニップ部N2の出口部において、用紙Pに対する分離(所謂「曲率分離」)が行われる。なお、本実施の形態の定着装置60では、剥離ニップ部N2は定着ベルト610の移動方向に沿って約8.5mmの幅に設定される。
剥離パッド64は、上述したようにロールニップ部N1の下流側近傍に配置される。それにより、ロールニップ部N1および剥離ニップ部N2からなるニップ部N内においては、ロールニップ部N1内でニップ圧がピークとなる位置(後段の図5参照)から剥離ニップ部N2の最下流位置に至るまでの領域で、ニップ圧が所定値以下に落ち込んだ谷間の領域が発生することを抑制して、ニップ圧が連続的に単調減少するように設定している。
ここでは、まず、ロールニップ部N1の下流側近傍に配置された剥離パッド64により、ニップ圧が所定値以下に落ち込む谷間の領域が発生することが抑制され、ニップ部N内でニップ圧が連続的に単調減少するように設定される点について説明する。
しかし、かかる定着ベルトモジュール61を用いた定着装置60においても、用紙Pの表面にはトナー像が保持されているため、定着ベルト610の熱によってトナー像が溶融した際に、トナー像が接着剤となって用紙Pと定着ベルト610との間に付着力が働く。そのため、従来の定着装置と同様に、定着ベルト610表面から用紙Pを剥離する機構を設ける必要がある。特に画像形成装置の高速化を図った場合には、定着装置60において一旦剥離不良が生じて紙詰まり(ジャム)が生じると、その影響を受けて損傷する後続の用紙Pの枚数も多くなる。そのことから、ニップ部Nを高速で通過した用紙Pを定着ベルト610側から安定的に、かつ確実に剥離する必要がある。
そこで、本実施の形態の定着ベルトモジュール61では、ニップ部Nの下流部に定着ベルト610の移動方向を急激に変化させて、用紙Pを定着ベルト610から剥離する剥離部材、すなわち剥離パッド64を設けている。
ここで図4は、剥離パッド64をロールニップ部N1の下流側端部N1Eから所定の距離以上に離隔して配置した場合のニップ部N(ロールニップ部N1および剥離ニップ部N2)のニップ圧プロファイルの概略を示した図である。図4に示したように、この場合には、剥離ニップ部N2において、ロールニップ部N1との境界領域N2Sにニップ圧Pnが所定値Pn1以下に落ち込んだ谷間の領域が形成される。
しかし、剥離ニップ部N2内のロールニップ部N1との境界領域N2Sにおけるニップ圧Pnが所定値Pn1以下の低い状態に形成されていると、ロールニップ部N1で抑え込まれていた気泡が境界領域N2Sにおいては抑止できずに発生する。そして、気泡が発生した状態で、用紙Pが剥離パッド64に設けられたニップ圧の高い領域N2Tに進入すると、境界領域N2Sにおいて発生した気泡がその高いニップ圧によって用紙Pの表面上を動き回る。そうすると、用紙P上のトナー像は、ロールニップ部N1を通過した直後であって、溶融したトナーが未だ完全に固化されていない状態にあるため、気泡が動き回ることによってトナー像が乱される現象が生じる。
このように、境界領域N2Sのニップ圧Pnが所定のPn1よりも高く設定されるので、境界領域N2Sでの気泡の発生が抑えられる。さらには、ロールニップ部N1内でのニップ圧が、ピークとなる位置から剥離ニップ部N2の最下流位置に至るまで連続的に単調減少するように設定されることにより、ロールニップ部N1にて抑え込まれていた水蒸気や熱膨張しようとする空気は、剥離ニップ部N2を通過するまでの経路で徐々に開放され、上記したような気泡が動き回る現象が抑えられる。そのため、未だ完全に固化されていない状態のトナー像の乱れが抑制される。
このように、定着ベルト610の片寄りを補正する際にも領域Mが確保されることで、定着ベルト610がニップ部Nに進入する際には、定着ベルト610のしわが矯正され、しわが低減されたほぼ平坦な状態で用紙P上のトナー像と接触することとなる。それによって、用紙P上でのトナー像の乱れが抑制される。
ここで、テンションロール612の外径は、定着ロール611の外径よりも小径に形成してもよい。それにより、定着ベルト610の角度変位量θ1が初期ラップ角度θ2よりも小さい(θ1<θ2)という条件を満たすようなテンションロール612の配置位置の自由度が広がる。
また、定着ロール611の外径形状は、軸方向中央部で大きく、両端部に向かう程小径である所謂クラウン形状で形成してもよい。それにより、ニップ部N入口側上流の定着ベルト610が定着ロール611とのみ接触する領域での定着ベルト610のしわを矯正する機能が高まる。
ところが、本実施の形態のベルト片寄り補正機構は、定着ロール611の上流側の最も近接した位置に配置されるとともに、定着ベルト610を内周面側から加熱する機能を有するテンションロール612に構成される。それにより、定着ベルト610が片寄り補正されて定着ロール611に進入する際には、定着ベルト610にはテンションロール612から充分な熱が供給されているので、領域Mの表面積にて定着ロール611から受ける熱量に幅方向のばらつきが生じても、ニップ部Nを通過する定着ベルト610における熱量の幅方向のばらつきは小さい。
画像形成装置の二次転写部T(図1参照)において未定着トナー像が静電転写された用紙Pは、搬送ベルト76,77および定着装置60の入口ガイド78により、定着装置60のニップ部Nに向けて(図2参照:矢印F方向)搬送される。そして、ニップ部Nを通過する用紙P表面の未定着トナー像は、主としてロールニップ部N1に作用する圧力と熱とにより用紙Pに定着される。
その結果、連続通紙時においても定着温度が略一定に維持される。また、高速定着動作の開始時に定着温度が落ち込む温度ドループ現象の発生が抑制される。特に、熱容量の大きな厚紙等への定着時にも、定着温度の維持および温度ドループの発生が抑制される。さらには、紙種に対応させて定着温度を途中で切り替える(定着温度のアップおよびダウンの双方を含む。)必要がある場合にも、定着ベルト610は熱容量が小さいので、ハロゲンヒータ616a、さらにはハロゲンヒータ616b、ハロゲンヒータ616cの出力調整により、所望の温度への切り替えが容易、かつ速やかに行われる。
そのため、ロールニップ部N1において定着ロール611の曲率の下で加熱加圧された用紙Pは、剥離ニップ部N2において加圧ロール62による相反する方向に向いた曲率に移動方向を変化させる。その際に、用紙P上のトナー像と定着ベルト610表面との間で微小なマイクロスリップが生じる。それによって、トナー像と定着ベルト610との付着力が弱められ、用紙Pは定着ベルト610から剥離され易い状態が形成される。したがって、剥離ニップ部N2は、最終の剥離工程で確実に剥離が行われるための準備工程にも位置付けられる。
そして、定着ベルト610から分離された用紙Pは、剥離ニップ部N2の下流側に配置された剥離案内板67により、その移動方向が導かれる。剥離案内板67により案内された用紙Pは、その後、排紙ガイド65および排紙ロール66によって機外に排出されて(図2参照)、定着処理が完了する。
実施の形態1では、定着装置60において、定着ベルト610を張架する機能と定着ベルト610を内周面側から加熱する機能とを併有するテンションロール612にベルト片寄り補正機構を備えた構成について説明した。本実施の形態では、テンションロール612と定着ロール611との間にベルト片寄り補正機構を設けたベルト片寄り補正ロールを配置した構成について説明する。なお、実施の形態1と同様な構成については同様な符号を用い、ここではその詳細な説明を省略する。
Claims (8)
- ベルト状に形成され、加熱されながら移動するベルト部材と、
前記ベルト部材を張架する定着ロールと、
前記ベルト部材が前記定着ロールと接触する領域にて当該定着ロールを加圧するように配置されてニップ領域を形成し、トナー像を保持する記録材を当該ニップ領域を通過させて当該トナー像を定着する加圧ロールと、
前記ベルト部材を張架する張架ロールの一方の端部位置を固定し、他方の端部位置を変位させることで当該ベルト部材に生じた片寄りを補正するベルト片寄り補正手段とを備え、
前記ベルト片寄り補正手段は、前記ベルト部材の前記定着ロールとの接触開始位置が前記ニップ領域よりも前記張架ロール側の位置となる範囲内で当該張架ロールの前記端部位置を変位させることを特徴とする定着装置。 - 前記ベルト片寄り補正手段は、前記張架ロールが前記定着ロールの外径よりも小径に形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記定着ロールは、長手方向中央部の外径が大きく、両端部に向かって小径に形成されたことを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- 前記ベルト片寄り補正手段は、前記張架ロールが前記ベルト部材を加熱することを特徴とする請求項1記載の定着装置。
- トナー像を形成するトナー像形成手段と、
前記トナー像形成手段によって形成されたトナー像を記録材上に転写する転写手段と、
前記記録材上に転写されたトナー像を当該記録材に定着する定着手段とを有し、
前記定着手段は、
ベルト状に形成され、加熱されながら移動するベルト部材と、
前記ベルト部材を張架する定着ロールと、
前記ベルト部材が前記定着ロールと接触する領域にて当該定着ロールを加圧するように配置されてニップ領域を形成し、トナー像を保持する記録材を当該ニップ領域を通過させて当該トナー像を定着する加圧ロールと、
前記ベルト部材を張架する張架ロールの一方の端部位置を固定し、他方の端部位置を変位させることで当該ベルト部材に生じた片寄りを補正するベルト片寄り補正手段とを備え、
前記ベルト片寄り補正手段は、前記ベルト部材の前記定着ロールとの接触開始位置が前記ニップ領域よりも前記張架ロール側の位置となる範囲内で当該張架ロールの前記端部位置を変位させることを特徴とする画像形成装置。 - 前記定着手段は、前記ベルト片寄り補正手段の前記張架ロールが前記定着ロールの外径よりも小径に形成されたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記定着手段の前記定着ロールは、長手方向中央部の外径が大きく、両端部に向かって小径に形成されたことを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
- 前記定着手段は、前記ベルト片寄り補正手段の前記張架ロールが前記ベルト部材を加熱することを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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