JP5516222B2 - 画像形成方法及び画像形成物 - Google Patents
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Description
本発明は、前処理工程と画像形成工程と後処理工程とを有する画像形成方法、及びこの画像形成方法を用いた画像形成物に関する。
インクジェット記録方法は、容易にカラー画像の記録が可能であり、しかもランニングコストが低いなどの理由から、近年、急速に普及してきている。しかし、この方法は、インクと記録用メディアとの組み合わせによっては文字滲みに代表される画像欠陥が発生しやすく、画像品質が大きく低下するという問題を有する。
例えば、商業印刷用あるいは出版印刷用コート紙のようなコート層材料に炭酸カルシウムやカオリン等の安価で隠蔽性が高く吸収量が比較的小さいフィラーを用いたコート紙を
インクジェット記録用メディアとして使用すると、画像が激しく滲んだり、濃度が発現しなくなったりする。これは、コート紙の場合、インクジェット専用紙のように短時間に多
量のインクを吸収できるように設計されていないことから、インクの吸収が間に合わず滲んだり、コート層にインクが染み込んだとしても、インク色材がコート層中のカオリンの
ような隠蔽性の高いフィラーに隠蔽されたりすることが原因である。従ってこの種類の用紙はインクジェット記録に全く適さないと考えられてきた。
インクジェット記録用メディアとして使用すると、画像が激しく滲んだり、濃度が発現しなくなったりする。これは、コート紙の場合、インクジェット専用紙のように短時間に多
量のインクを吸収できるように設計されていないことから、インクの吸収が間に合わず滲んだり、コート層にインクが染み込んだとしても、インク色材がコート層中のカオリンの
ような隠蔽性の高いフィラーに隠蔽されたりすることが原因である。従ってこの種類の用紙はインクジェット記録に全く適さないと考えられてきた。
一方、インクジェット用インクに関しては、高い濃度が得られることや記録後の保存性、耐水性の点で近年は色材である顔料を微粒子状にして水に分散させた水性顔料インクが注目されている。この顔料は一般的な商業印刷インクに用いられる色材と組成が近いこともあり、印刷物の風合いを商業印刷に近づけることが期待される。しかしながら、顔料インクを用いて商業印刷用あるいは出版印刷用コート紙に記録すると、やはりインクの吸収が間に合わず画像が滲んでしまったり、乾燥後に顔料が全く定着しなかったり、光沢が出ない等の問題があった。
この問題を解決するために、浸透性の高い顔料インクと、インク吸収性の低い記録用メディアとを組み合わせた記録方法が提案されている(特許文献1)。この方法によると、インク中の色材が極力染み込まないようインク吸収性(浸透性)を抑制するためのコート層が設けられた記録メディアに対し、少量の超高浸透性顔料インクを使用して印字する。そして、インクを形成する溶媒(水や有機溶剤)のみを選択的に支持体に染み込ませることにより、カチオン定着剤のような特殊な材料を使用せずともインク中の色材(顔料)だけを効率よくメディア表面に留まらせることができるとしている。また、少量のインクでも十分な濃度が得られるので優れた乾燥性が得られる。更に、インク中の顔料をメディアの表面に留めおくことで従来の記録用メディアの必要機能であった層の透明性が必ずしも必要でなくなった。
ところで、商業印刷や出版印刷を行う場合は、一度に少なくとも数百から数千枚を出力する必要に迫られる場合が多く、印刷機にも画像欠陥なく安定した画像が連続的に得られることが求められる。このような用途にインクジェットプリンタを用いる場合、特に問題とされやすいのがインクの乾燥によるノズルの目詰まりや、乾燥したインクがノズルの周辺に固着しての吐出角度が曲がってしまう等の原因による画像スジの発生である。この現象を防止するために最も効果的な方法は、インクに高沸点の水溶性有機溶剤を加えて乾燥性を抑えることである。
ここで、特許文献1の方法において、商業印刷用紙のように極度にインク吸収性が低い記録用メディアと、プリンタヘッドの乾燥(ノズルの目詰まり)防止効果の高い高沸点の水溶性有機溶剤を添加したインクを組み合わせた場合、インクが見かけ上乾燥しても、擦られても滲まない状態(定着という)までに非常に時間がかかるという欠点があった。これは表層に残った色材が微量の湿潤剤を含有したまま長時間湿った状態にあるためであり、ちょうど大豆油を使用したオフセット印刷インキが印刷後定着するまでに長時間必要とするのと似た現象である。このため、特許文献1の方法に基づき、商業印刷用途においてインクジェット記録を行った場合、定着に時間を要し、印字後すぐにチラシやカタログとして配りたい場合に対応できない等、利便性に劣る問題があった。
印字直後のインクジェット記録物の乾燥性や定着性を改良するために、インクジェット記録物の乾燥補助手段として加熱ローラを用いることが提案されている(特許文献2)。しかしながら、この提案の記録方法によると、主成分として脂肪族炭化水素を含有する油性インクを用いるため、加熱により揮発性有機化合物を排出させることから、環境負荷が大きいという問題があった。
本発明はかかる実情に鑑みて下記の課題を解決するためになされたものである。即ち、本発明は、商業印刷用紙に対して高速で良好な品位のフルカラー記録が可能であって、記録物の耐擦性にも優れる理想的な画像形成方法及び画像形成記録物を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するために、本発明に係る画像形成方法は、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録用メディアの前記塗工層を有する面に前処理液を付着させる前処理工程と、前記記録用メディアの前記前処理液を付着させた面上に、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、及び水を含有するインクジェット用インクを付着させて画像を形成する画像形成工程と、前記記録用メディアの前記インクジェット用インクを付着させた面上に、後処理液を付着させて保護層を形成する後処理工程と、を有する画像形成方法であって、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアの前記塗工層を有する面への転移量が1ml/m2〜10ml/m2であり、前記前処理液が、水溶性脂肪族系有機酸を含有することを特徴とする。
この場合、前記水溶性脂肪族系有機酸の炭素数が2〜6であることが好ましい。
この場合、前記水溶性脂肪族系有機酸が(I)〜(III)式から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアの前記塗工層を有する面への転移量が1ml/m2〜10ml/m2であり、前記前処理液が、水溶性脂肪族系有機酸を含有することを特徴とする。
この場合、前記水溶性脂肪族系有機酸の炭素数が2〜6であることが好ましい。
この場合、前記水溶性脂肪族系有機酸が(I)〜(III)式から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
この場合、前記前処理液が、水溶性有機モノアミン化合物を含有することが好ましい。
この場合、前記水溶性有機モノアミン化合物が(IV)又は(V)式から選ばれる少なくとも1つの化合物であることが好ましい。
この場合、前記前処理液が、有機アンモニウム塩を含有することが好ましい。
この場合、前記前処理液が、水溶性カチオンポリマーを含有することが好ましい。
この場合、前記前処理液の静的表面張力が30mN/m以下であることが好ましい。
この場合、前記水分散性着色剤が顔料であり、該顔料がアニオン性の自己分散性顔料及びアニオン性樹脂により被覆された顔料からなる群から選択される少なくとも1種であることが好ましい。
この場合、前記インクジェット用インクの静的表面張力が30mN/m以下であることが好ましい。
この場合、前記後処理液が、熱可塑性樹脂を含有することが好ましい。
この場合、前記熱可塑性樹脂が水分散性樹脂であり、そのガラス転移温度が−30℃以上であり、かつ、最低造膜温度が50℃以下であるであることが好ましい。
この場合、前記水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂及びフッ素樹脂の群から選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
この場合、前記後処理液の前記記録用メディアに対する乾燥付着量が0.5g/m2〜10g/m2であることが好ましい。
この場合、前記後処理液を塗布し又は飛翔させた前記記録用メディアを、加熱手段により100℃〜150℃に加熱し、前記インクジェット用インクを記録用メディアに熱定着させる定着工程を設けることが好ましい。
本発明に係る画像形成物は、前記画像形成方法により作製されたことを特徴とする。
本発明により、商業印刷用紙に対して高速で良好な品位のフルカラー記録が可能であって、記録物の耐擦性にも優れる理想的な画像形成方法及び画像形成記録物を提供することができる。
以下に好ましい実施の形態を挙げて、本発明を更に詳細に説明する。
<前処理液>
―水溶性脂肪族系有機酸―
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、水溶性脂肪族系有機酸を含有し、水分散性着色剤を凝集させる性質を有する。ここで、凝集するとは水分散性着色剤粒子同士が吸着集合する意味であり、粒度分布測定装置により確認することができる。この前処理液に、水溶性脂肪族系有機酸等のイオン性物質を加えると、水分散性着色剤の表面電荷にイオンが吸着することで表面電荷が中和されるので、分子間力による凝集作用が増強されて凝集させることができる。凝集を確認する方法の例としては、水分散性着色剤濃度5質量%のインクジェット用インク5μlに、前処理液を30ml加えたときに、瞬時に着色剤が凝集するかを確認する方法が挙げられる。
―水溶性脂肪族系有機酸―
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、水溶性脂肪族系有機酸を含有し、水分散性着色剤を凝集させる性質を有する。ここで、凝集するとは水分散性着色剤粒子同士が吸着集合する意味であり、粒度分布測定装置により確認することができる。この前処理液に、水溶性脂肪族系有機酸等のイオン性物質を加えると、水分散性着色剤の表面電荷にイオンが吸着することで表面電荷が中和されるので、分子間力による凝集作用が増強されて凝集させることができる。凝集を確認する方法の例としては、水分散性着色剤濃度5質量%のインクジェット用インク5μlに、前処理液を30ml加えたときに、瞬時に着色剤が凝集するかを確認する方法が挙げられる。
この水溶性脂肪族系有機酸としては、水溶性脂肪族系カルボキシル基含有有機酸や水溶性脂肪族系スルホ基含有有機酸が好適に用いられる。ここで、脂肪族とは直鎖或いは分岐の炭化水素基を含むことを意味し、炭化水素基は飽和炭化水素基であっても不飽和炭化水素基でも良い。水溶性脂肪族系有機酸の炭素数は、特に限定されないが、溶媒への溶解性の点から1分子あたり2個以上、6個以下であることが好ましく、2個以上、4個以下であることがより好ましい。この水溶性脂肪族系有機酸における酸基の数は、画像濃度の点から、1分子あたり3個以下であることが好ましく、より好ましくは1分子あたり2個以下、更に好ましくは1分子あたり1個である。この水溶性脂肪族系有機酸としては、次の(I)〜(III)式で表される水溶性脂肪族系カルボキシル基含有有機酸が好適に用いられる。
上記の(I)式で表される化合物としては、例えば、乳酸(pKa:3.83)、リンゴ酸(pKa:3.4)、クエン酸(pKa:3.13)、酒石酸(pKa:2.93)等が挙げられる。上記の(II)式で表される化合物としては、例えば、蓚酸(pKa:1.04)、マロン酸(pKa:2.05)、琥珀酸(pKa:4.21)、アジピン酸(pKa:4.42)等が挙げられる。上記の(III)式で表される化合物としては、例えば、酢酸(pKa:4.76)、プロピオン酸(pKa:4.87)、酪酸(pKa:4.82)、吉草酸(pKa:4.82)等が挙げられる。(I)〜(III)式以外の水溶性脂肪族系有機酸としては、グルコン酸(pKa:2.2)、ピルビン酸(pKa:2.49)、フマル酸(pKa:3.02)が挙げられる。
上記の水溶性脂肪族系スルホ基含有有機酸としては、例えばタウリンを好適に用いることができる。
これらの水溶性脂肪族系有機酸の添加量は、前処理液全体の1〜40質量%であることが好ましく、更に好ましくは3〜30質量%である。添加量が40質量%よりも多いと処方上中和に必要な量の水溶性有機モノアミンを入れられなくなるの可能性があり、1質量%よりも少ないと画像品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
―水溶性有機モノアミン化合物―
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性の目的で水溶性有機モノアミン化合物を含有することが好ましい。この水溶性有機モノアミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。なお、本実施形態において4級アミンとは、窒素原子に4つのアルキル基が置換した化合物を意味する。水溶性有機モノアミン化合物の炭素数は、特に限定されないが、溶媒への溶解性の点から1分子あたり2個以上、12個以下であることが好ましく、2個以上、6個以下であることがより好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性の目的で水溶性有機モノアミン化合物を含有することが好ましい。この水溶性有機モノアミン化合物としては、1級、2級、3級及び4級アミン及びそれらの塩のいずれであっても構わない。なお、本実施形態において4級アミンとは、窒素原子に4つのアルキル基が置換した化合物を意味する。水溶性有機モノアミン化合物の炭素数は、特に限定されないが、溶媒への溶解性の点から1分子あたり2個以上、12個以下であることが好ましく、2個以上、6個以下であることがより好ましい。
この水溶性有機モノアミン化合物としては、次の(VI)又は(V)式で表される化合物が好適に用いられる。
上記の(IV)式で表される化合物としては、例えば、ジメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、ジプロピルアミン、イソプロピルアミン、ジイソプロピルアミン、n−ブチルアミン、t−ブチルアミン、sec−ブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、トリブチルアミン、ペンチルアミン、ジペンチルアミン、トリペンチルアミン、2−エチルヘキシルアミン、ジ−2−エチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、トリ−n−オクチルアミン、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、N−メチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、等が挙げられる。
上記の(V)式で表される化合物としては、例えば、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−(ヒドロキシメチル)−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール等が挙げられる。
(IV)式又は(V)式以外の水溶性有機モノアミン化合物としては、例えば、アリルアミン、ジアリルアミン、3−エトキシプロピルアミン、2−(2−アミノエトキシ)エタノール、3−メトキシプロピルアミン、コリン等が挙げられる。
これらの水溶性有機モノアミン化合物の添加量としては、上記の水溶性脂肪族系有機酸が持つ酸基1molに対して1.0〜1.5molであることが好ましく、更に好ましくは1.0〜1.2molである。水溶性有機モノアミン化合物の添加量が、水溶性脂肪族系有機酸が持つ酸基1molに対して1.0molよりも少ないと画像形成物のドットの絞まりにより白スジが発生する可能性があり、1.5molよりも多いと遊離した水溶性モノアミン化合物がインクジェット用インクの浸透を促進して画像濃度を低下させる可能性がある。水溶性有機アミン化合物は、上記の有機酸との中和塩を作る為に必要であり、前処理液pHが5以上を確保することも重要なので、水溶性有機モノアミン化合物あるいは有機酸の水溶性脂肪族系有機酸の分子量などに応じて適宜水溶性有機アミン化合物の量を調整する必要がある。
―水溶性有機溶剤―
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性の目的で水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。この水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。この水溶性有機溶剤は、開放状態で放置されても多量の水分を保持することにより前処理液に流動性を付与する。この場合、水溶性有機溶剤として平衡水分量の高い水溶性有機溶剤を用いることにより、前処理液の水分が蒸発して平衡状態に達した場合にも極端な粘度上昇を抑えることができる。
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、インクの浸透性制御及び金属の腐食防止性の目的で水溶性有機溶剤を含有することが好ましい。この水溶性有機溶剤としては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレンが挙げられる。この水溶性有機溶剤は、開放状態で放置されても多量の水分を保持することにより前処理液に流動性を付与する。この場合、水溶性有機溶剤として平衡水分量の高い水溶性有機溶剤を用いることにより、前処理液の水分が蒸発して平衡状態に達した場合にも極端な粘度上昇を抑えることができる。
このような平衡水分量の高い水溶性有機溶剤としては、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上、好ましくは40wt%以上である水溶性有機溶剤が挙げられる(以後、水溶性有機溶剤Aと言う)。なお、平衡水分量とは、水溶性有機溶剤と水との混合物を一定温度、湿度の空気中に開放して、溶液中の水の蒸発と空気中の水の水溶性有機溶剤への吸収が平衡状態になったときの水分量を言う。具体的には、塩化カリウム飽和水溶液を用いデシケーター内の温湿度を温度23±1℃、湿度80±3%に保ち、このデシケーター内に各水溶性有機溶剤を1gずつ秤量したシャーレを質量変化がなくなるまでの期間保管し、次の式により平衡水分量を求めることができる。
本実施形態で好適に用いられる水溶性有機溶剤Aとしては、温度23℃、湿度80%環境中の平衡水分量が30wt%以上の多価アルコール類が挙げられる。このような水溶性有機溶剤Aの具体例としては、1,2,3−ブタントリオール(bp175℃/33hPa、38wt%)、1,2,4−ブタントリオール(bp190−191℃/24hPa、41wt%)、グリセリン(bp290℃、49wt%)、ジグリセリン(bp270℃/20hPa、38wt%)、トリエチレングリコール(bp285℃、39wt%)、テトラエチレングリコール(bp324−330℃、37wt%)、ジエチレングリコール(bp245℃、43wt%)、1,3−ブタンジオール(bp203−204℃、35wt%)等が挙げられる。この中でもグリセリン、1,3−ブタンジオールは水分を含んだ場合に低粘度化することや顔料分散体が凝集せず安定に保てるなどの理由により特に好適に用いられる。上記水溶性有機溶剤Aを水溶性有機溶剤全体の50wt%以上用いた場合、吐出安定性確保やインク吐出装置の維持装置での廃インク固着防止に優れるため好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、水溶性有機溶剤Aの一部に代えてまたは水溶性有機溶剤Aに加えて、23℃、80%での平衡水分量が30wt%未満の水溶性有機溶剤(以後水溶性有機溶剤Bと言う)を併用することができる。このような水溶性有機溶剤Bとしては、例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類、多価アルコールアリールエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン、その他の水溶性有機溶剤、などが挙げられる。
上記の多価アルコール類の具体例としては、例えば、ジプロピレングリコール(bp232℃)、1,5−ペンタンジオール(bp242℃)、3−メチル−1,3−ブタンジオール(bp203℃)、プロピレングリコール(bp187℃)、2−メチル−2,4−ペンタンジオール(bp197℃)、エチレングリコール(bp196−198℃)、トリプロピレングリコール(bp267℃)、ヘキシレングリコール(bp197℃)、ポリエチレングリコール(粘調液体〜固体)、ポリプロピレングリコール(bp187℃)、1,6−ヘキサンジオール(bp253−260℃)、1,2,6−ヘキサントリオール(bp178℃)、トリメチロールエタン(固体、mp199−201℃)、トリメチロールプロパン(固体、mp61℃)などが挙げられる。
上記の多価アルコールアルキルエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノエチルエーテル(bp135℃)、エチレングリコールモノブチルエーテル(bp171℃)、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(bp194℃)、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(bp197℃)、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(bp231℃)、エチレングリコールモノ−2−エチルヘキシルエーテル(bp229℃)、プロピレングリコールモノエチルエーテル(bp132℃)などが挙げられる。上記の多価アルコールアリールエーテル類としては、例えば、エチレングリコールモノフェニルエーテル(bp237℃)、エチレングリコールモノベンジルエーテルなどが挙げられる。
上記の含窒素複素環化合物としては、例えば、2−ピロリドン(bp250℃、mp25.5℃、47−48wt%)、N−メチル−2−ピロリドン(bp202℃)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(bp226℃)、ε−カプロラクタム(bp270℃)、γ−ブチロラクトン(bp204−205℃)などが挙げられる。上記のアミド類としては、例えば、ホルムアミド(bp210℃)、N−メチルホルムアミド(bp199−201℃)、N,N−ジメチルホルムアミド(bp153℃)、N,N−ジエチルホルムアミド(bp176−177℃)などが挙げられる。上記のアミン類としては、例えば、モノエタノールアミン(bp170℃)、ジエタノールアミン(bp268℃)、トリエタノールアミン(bp360℃)、N,N−ジメチルモノエタノールアミン(bp139℃)、N−メチルジエタノールアミン(bp243℃)、N−メチルエタノールアミン(bp159℃)、N−フェニルエタノールアミン(bp282−287℃)、3−アミノプロピルジエチルアミン(bp169℃)などが挙げられる。上記の含硫黄化合物類としては、例えば、ジメチルスルホキシド(bp139℃)、スルホラン(bp285℃)、チオジグリコール(bp282℃)などが挙げられる。
その他の固体水溶性有機溶剤としては、糖類が好ましい。この糖類としては、単糖類、二糖類、オリゴ糖類(三糖類、四糖類を含む)、多糖類、などが挙げられる。具体的には、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース、などが挙げられる。ここで、多糖類とは広義の糖を意味し、α−シクロデキストリン、セルロースなど自然界に広く存在する物質を含む意味に用いることとする。また、これらの糖類の誘導体としては、これらの糖類の還元糖(例えば、糖アルコール(一般式:HOCH2(CHOH)nCH2OH(但し、nは2〜5の整数を表す)で表わされる。)、酸化糖(例えば、アルドン酸、ウロン酸など)、アミノ酸、チオ酸などが挙げられる。これらの中でも、糖アルコールが好ましく、具体例としてはマルチトール、ソルビットなどが挙げられる。
これらの水溶性有機溶剤の前処理液中における含有量は、特に限定されないが、通常、10〜80質量%、好ましくは15〜60質量%である。80質量%より大きいと水溶性有機溶剤の種類によっては前処理後の記録用メディアが乾燥しにくくなる可能性があり、10質量%より小さいと前処理中に水分蒸発が生じ、前処理液の組成が大きく変わってしまう可能性がある。
―脂肪族系有機酸塩化合物、無機金属塩化合物―
上記の前処理液に脂肪族系有機酸塩化合物又は無機金属塩化合物を添加すると、顔料が記録用メディア表面に留まりやすくなり、塩析効果が向上するために画像濃度が増加する。
上記の前処理液に脂肪族系有機酸塩化合物又は無機金属塩化合物を添加すると、顔料が記録用メディア表面に留まりやすくなり、塩析効果が向上するために画像濃度が増加する。
上記の脂肪族系有機酸塩化合物としては、例えば、L−アスパラギン酸ナトリウム、L−アスパラギン酸マグネシウム、アスコルビン酸カルシウム、L−アスコルビン酸ナトリウム、琥珀酸ナトリウム、琥珀酸二ナトリウム、琥珀酸二アンモニウム、クエン酸アルミニウム、クエン酸カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸三アンモニウム、クエン酸三カリウム、クエン酸三ナトリウム、クエン酸二アンモニウム、クエン酸二ナトリウム、乳酸亜鉛、乳酸アルミニウム、乳酸アンモニウム、乳酸カリウム、乳酸カルシウム、乳酸ナトリウム、乳酸マグネシウム、酒石酸カリウム、酒石酸カルシウム、DL−酒石酸ナトリウム、酒石酸ナトリウムカリウム等が挙げられる。
上記の無機金属塩化合物としては、例えば、硫酸マグネシウム、硫酸アルミニウム、硫酸マンガン、硫酸ニッケル、硫酸鉄(II)、硫酸銅(II)、硫酸亜鉛、硝酸鉄(II)、硝酸鉄(III)、硝酸コバルト、硝酸ストロンチウム、硝酸銅(II)、硝酸ニッケル(II)、硝酸鉛(II)、硝酸マンガン(II)、塩化ニッケル(II)、塩化カルシウム、塩化スズ(II)、塩化ストロンチウム、塩化バリウム、塩化マグネシウムが挙げられる。上記の水溶性1価アルカリ金属塩化合物としては、例えば、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸リチウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸水素カリウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム等が挙げられる。
上記の脂肪族系有機酸塩化合物又は無機金属塩化合物の添加量としては、前処理液全体の0.1〜30質量%が好ましく、更に好ましくは1〜20質量%である。30質量%より大きい場合には、脂肪族系有機酸塩化合物が十分に溶解せずに析出することがあり、0.1質量%より小さい場合には画像濃度向上効果が小さくなることがある。
―界面活性剤―
上記の前処理液は、記録用メディア表面の濡れ性を改質し、画像形成物の画像濃度、彩度及び白ポチを改良するために界面活性剤を用いることができる。この場合、記録用メディア表面の濡れ及びインクの浸透性を向上させるために界面活性剤により前処理液の静的表面張力を30mN/m以下に調整することが好ましい。
上記の前処理液は、記録用メディア表面の濡れ性を改質し、画像形成物の画像濃度、彩度及び白ポチを改良するために界面活性剤を用いることができる。この場合、記録用メディア表面の濡れ及びインクの浸透性を向上させるために界面活性剤により前処理液の静的表面張力を30mN/m以下に調整することが好ましい。
この界面活性剤としては、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、ベタイン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤が好適に用いられ、特に表面張力を30mN/m以下に下げることが可能なシリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が好適に用いられる。これら界面活性剤は、1種を単独で用いても2種以上を混合して用いても良い。
上記のフッ素系界面活性剤としては、フッ素置換した炭素数が2〜16であるものが好ましく、フッ素置換した炭素数が4〜16であるものがより好ましい。フッ素置換した炭素数が2未満であると、フッ素系界面活性剤特有の効果が得られないことがあり、16を超えると保存性などの問題が生じることがある。
上記のフッ素系界面活性剤としては、例えば、ノニオン系フッ素系界面活性剤、アニオン系フッ素系界面活性剤、両性フッ素系界面活性剤などが挙げられる。
上記のノニオン系フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に(1)式で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
上記のアニオン系フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物などが挙げられる。上記のパーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩、などが挙げられる。上記のパーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩、などが挙げられる。上記のパーフルオロアルキルリン酸エステル化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルリン酸エステル、パーフルオロアルキルリン酸エステルの塩、などが挙げられる。上記のパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩、などが挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3などが挙げられる。
上記のフッ素系界面活性剤の具体例としては、(2)〜(10)式で表わされる化合物が好適に用いられる。
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
(1)アニオン系フッ素系界面活性剤
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、サーフロンS−111、S−112、S−113、S−121、S−131、S−132、S−141、S−145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC−93、FC−95、FC−98、FC−129、FC−135、FC−170C、FC−430、FC−431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF−470、F−1405、F−474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN−100、FSN、FSO−100、FSO、FS−300、UR(いずれも、DuPont社製);FT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF−136A,PF−156A、PF−151N、PF−154、PF−159(オムノバ社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する均染性が著しく向上する点から、DuPont社製のFS−300、株式会社ネオス製のFT−110、FT−250、FT−251、FT−400S、FT−150、FT−400SW及びオムノバ社製のポリフォックスPF−151Nが特に好ましい。
上記のシリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサンなどが挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤が水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから容易に入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、(11)式で表わされるポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物、などが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF−618、KF−642、KF−643(信越化学工業株式会社)、EMALEX−SS−5602、SS−1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ−2105、FZ−2118、FZ−2154、FZ−2161、FZ−2162、FZ−2163、FZ−2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK−33、BYK−387(ビックケミー株式会社)などが挙げられる。
上記のアニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。上記のノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシプロピレンポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、などが挙げられる。
これらの界面活性剤の前処理液中における含有量は、0.001〜5質量%が好ましく、0.05〜1質量%がより好ましい。含有量が0.001質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が小さくなることがあり、5質量%より多いと添加量を増やしても効果に違いが見られないことがある。
―その他成分―
上記の前処理液は、浸透性と水への溶解性を両立させるために、浸透剤として炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、一般式(12)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
上記の前処理液は、浸透性と水への溶解性を両立させるために、浸透剤として炭素数8〜11の非湿潤剤性ポリオール化合物又はグリコールエーテル化合物を少なくとも1種を含有することが好ましい。ここで、非湿潤剤性とは、25℃の水中において0.2〜5.0質量%の間の溶解度を有することを意味する。これらの浸透剤の中でも、一般式(12)で表される1,3−ジオール化合物が好ましく、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール[溶解度:4.2%(25℃)]、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール[溶解度:2.0%(25℃)]が特に好ましい。
その他の非湿潤剤性ポリオール化合物として、脂肪族ジオールとしては、例えば、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、3,3−ジメチル−1,2−ブタンジオール、2,2−ジエチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−2−プロピル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジメチル−2,4−ペンタンジオール、2,5−ジメチル−2,5−ヘキサンジオール、5−ヘキセン−1,2−ジオールなどが挙げられる。
その他の併用できる浸透剤としては、前処理液中に溶解し、所望の物性に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノアリルエーテル、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールクロロフェニルエーテル等の多価アルコールのアルキル及びアリールエーテル類、エタノール等の低級アルコール類、などが挙げられる。
上記の浸透剤の前処理液における含有量は、0.1〜5.0質量%であることが好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、前処理液を浸透させる効果がなくなることがあり、5.0質量%を超えると、溶媒への溶解性が低い為に溶媒から分離して浸透性を向上させるこうかが飽和してしまうことがある。
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液には必要により、後記のインクジェット用インクに用いられる防腐剤、防錆剤等を用いても良い。
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液のpHは、好ましくは5以上9.5以下である。pHが5未満の場合には、上記の水溶性脂肪族系有機酸の有機モノアンモニウム化合物による中和が不充分であり、画像品質を改良する効果が十分に得られない可能性があり、pHが9.5よりも大きい場合には、遊離したアミンにより画像濃度が低下する可能性がある。
<インクジェット用インク>
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水を含有し、上記の前処理液により凝集する性質を有する。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水を含有し、上記の前処理液により凝集する性質を有する。
―水分散性着色剤―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは水分散性着色剤として、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整の目的で耐候性を劣化させない範囲内で染料を含有しても構わない。この顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用、或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは水分散性着色剤として、耐候性の面から主として顔料が用いられるが、色調調整の目的で耐候性を劣化させない範囲内で染料を含有しても構わない。この顔料としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、黒色用、或いはカラー用の無機顔料や有機顔料などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
無機顔料としては、酸化チタン及び酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ぺリレン顔料、ぺリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、特に、水と親和性の良いものが好ましく用いられる。
上記顔料において、より好ましく用いられる顔料の具体例としては、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料が挙げられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、408、109、110、117、120、128、138、150、151、153、183、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、185、190、193、209、219、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15、15:1、15:2、15:3(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36等が挙げられる。
着色剤が顔料である場合の特に好ましい形態としては、以下の第1〜第2の形態が挙げられる。
1)第1形態では着色剤は、アニオン性のポリマー微粒子を水不溶乃至水難溶性の色材に被覆させてなるポリマーエマルジョン(アニオン性樹脂により被覆された顔料)を含有する。
2)第2形態では着色剤は、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)を含有する。
尚、第2形態の場合は、以下に示す水分散性樹脂を含むことが好ましい。
1)第1形態では着色剤は、アニオン性のポリマー微粒子を水不溶乃至水難溶性の色材に被覆させてなるポリマーエマルジョン(アニオン性樹脂により被覆された顔料)を含有する。
2)第2形態では着色剤は、表面に少なくとも1種の親水基を有し、分散剤の不存在下で水分散性を示す顔料(以下、「自己分散性顔料」と称することもある)を含有する。
尚、第2形態の場合は、以下に示す水分散性樹脂を含むことが好ましい。
第1形態の水分散性着色剤としては、上記顔料に加え、アニオン性のポリマー微粒子を顔料に被覆させたポリマーエマルジョンを使用することが好ましい。アニオン性のポリマー微粒子を顔料に被覆させたポリマーエマルジョンとは、アニオン性のポリマー微粒子中に顔料を封入したもの、又はポリマー微粒子の表面に顔料を吸着させたものである。この場合、全ての顔料が封入又は吸着している必要はなく、本実施形態の効果が損なわれない範囲で顔料がエマルジョン中に分散にしていてもよい。アニオン性のポリマーエマルジョンを形成するポリマー(ポリマー微粒子におけるポリマー)としてはビニル系ポリマー、ポリエステル系ポリマー、及びポリウレタン系ポリマー等が挙げられるが、特に好ましく用いられるアニオン性のポリマーはビニル系ポリマー及びポリエステル系ポリマーであり、特開2000−53897号公報、特開2001−139849号公報に開示されているアニオン性のポリマーを使用することができる。
第2形態の自己分散性顔料を含有するインクは乾燥後の再分散性に優れるため、長期間印字を休止し、インクジェットヘッドノズル付近のインク水分が蒸発した場合も目詰まりを起こさず、簡単なクリーニング動作で容易に良好な印字が行える。
第2形態の自己分散性顔料は、顔料の表面に少なくとも1種の親水基が直接もしくは他の原子団を介して結合するように表面改質されたものである。この表面改質は、顔料の表面に、ある特定の官能基(スルホン基やカルボキシル基等の官能基)を化学的に結合させるか、あるいは、次亜ハロゲン酸又はその塩の少なくともいずれかを用いて湿式酸化処理するなどの方法が用いられる。これらの中でも、顔料の表面にカルボキシル基が結合され、水中に分散している形態が特に好ましい。このように顔料が表面改質され、カルボキシル基が結合しているため、分散安定性が向上するばかりではなく、高品位な印字品質が得られるとともに、印字後の記録用メディアの耐水性がより向上する。
このような自己分散性顔料としては、イオン性を有する自己分散性顔料(例えば、カーボンブラック)が好ましく、特にアニオン性親水基を有しアニオン性に帯電した自己分散性カーボンブラックが好ましい。
このアニオン性親水基としては、例えば、−COOM、−SO3M、−PO3HM、−PO3M2、−SO2NH2、−SO2NHCOR(但し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム又は有機アンモニウムを表わす。Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基を表わす)等が挙げられる。これらの中でも、−COOM、−SO3Mがカラー顔料表面に結合されたものを用いることが好ましい。ここで、この親水基中における「M」は、アルカリ金属、有機アンモニウムが用いられる。このアルカリ金属としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、等が挙げられる。この有機アンモニウムとしては、例えば、モノ乃至トリメチルアンモニウム、モノ乃至トリエチルアンモニウム、モノ乃至トリメタノールアンモニウムが挙げられる。
上記のアニオン性に帯電したカラー顔料を得る方法としては、カラー顔料表面に−COONaを導入する方法として、例えば、カラー顔料を次亜塩素酸ソーダで酸化処理する方法、スルホン化による方法、ジアゾニウム塩を反応させる方法が挙げられる。
上記の親水基は、他の原子団を介してカーボンブラックの表面に結合されていてもよい。他の原子団としては、例えば、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有してもよいフェニル基又は置換基を有してもよいナフチル基が挙げられる。この置換基の具体例としては、例えば、−C2H4COOM(但し、Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)、−PhSO3M(但し、Phはフェニル基を表わす。Mは、アルカリ金属、又は第4級アンモニウムを表わす)等が挙げられる。
上記の自己分散性顔料の体積平均粒径(D50)は、分散安定性及び吐出信頼性の理由により、インクジェット用インク中において0.01〜0.16μmが好ましい。
上記の水不溶性顔料のインクジェット用インクにおける含有量は、固形分で2〜15質量%が好ましく、3〜12質量%がより好ましい。含有量が2質量%未満であると、インクの発色性及び画像濃度が低くなってしまうことがあり、15質量%を超えると、インクが増粘して吐出性が悪くなってしまうことがあり好ましくない。
―水溶性有機溶剤―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、上記の前処理液に用いられる水溶性有機溶剤が好適に用いられる。インクジェット用インクにおける上記の水分散性着色剤と水溶性有機溶剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に影響を与える。例えば、水分散性着色剤の固形分が高いのに水溶性有機溶剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。この水溶性有機溶剤のインクジェット用インク中における含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。含有量が20質量%未満であると、吐出安定性が低下したりインクジェット記録装置の維持装置で廃インク固着したりする可能性がある。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる水溶性有機溶剤としては、上記の前処理液に用いられる水溶性有機溶剤が好適に用いられる。インクジェット用インクにおける上記の水分散性着色剤と水溶性有機溶剤との質量比は、ヘッドからのインク吐出安定性に影響を与える。例えば、水分散性着色剤の固形分が高いのに水溶性有機溶剤の配合量が少ないとノズルのインクメニスカス付近の水分蒸発が進み吐出不良をもたらすことがある。この水溶性有機溶剤のインクジェット用インク中における含有量は、20〜50質量%が好ましく、20〜45質量%がより好ましい。含有量が20質量%未満であると、吐出安定性が低下したりインクジェット記録装置の維持装置で廃インク固着したりする可能性がある。また、50質量%を超えると、紙面上での乾燥性に劣り更に普通紙上の文字品位が低下することがある。
―界面活性剤―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる界面活性剤としては、上記の前処理液に用いられる界面活性剤が好適に用いられる。特に、この界面活性剤としては、着色剤の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせによって分散安定性が損なわれず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。このような界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が挙げられ、これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる界面活性剤としては、上記の前処理液に用いられる界面活性剤が好適に用いられる。特に、この界面活性剤としては、着色剤の種類や水溶性有機溶剤の組み合わせによって分散安定性が損なわれず、表面張力が低く、浸透性、レベリング性の高いものが好ましい。このような界面活性剤として、アニオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤から選択される少なくとも1種が挙げられ、これらの中でも、シリコーン系界面活性剤及びフッ素系界面活性剤が特に好ましい。
この界面活性剤のインクジェット用インクにおける含有量は、0.01〜3.0質量%が好ましく、0.5〜2質量%がより好ましい。含有量が0.01質量%未満であると、界面活性剤を添加した効果が無くなることがあり、3.0質量%を超えると、記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり、画像濃度の低下や裏抜けが発生することがある。
―浸透剤―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる浸透剤としては、上記の前処理液に用いられる浸透剤が好適に用いられる。この浸透剤のインクジェット用インクにおける含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることがある。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられる浸透剤としては、上記の前処理液に用いられる浸透剤が好適に用いられる。この浸透剤のインクジェット用インクにおける含有量は、0.1〜4.0質量%が好ましい。含有量が0.1質量%未満であると、速乾性が得られず滲んだ画像となることがあり、4.0質量%を超えると、着色剤の分散安定性が損なわれ、ノズルが目詰まりしやすくなったり、また記録用メディアへの浸透性が必要以上に高くなり画像濃度の低下や裏抜けが発生したりすることがある。
―水分散性樹脂―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、記録用メディアへの顔料定着性の理由により水分散性樹脂を含有することが好ましい。この水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、記録用メディアへの顔料定着性の理由により水分散性樹脂を含有することが好ましい。この水分散性樹脂としては、造膜性(画像形成性)に優れ、かつ高撥水性、高耐水性、高耐候性を備えて、高耐水性で高画像濃度(高発色性)の画像記録に有用である。例えば、縮合系合成樹脂、付加系合成樹脂、天然高分子化合物などが挙げられる。
上記の縮合系合成樹脂としては、例えば、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリエポキシ樹脂、ポリアミド樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素系樹脂などが挙げられる。上記の付加系合成樹脂としては、例えば、ポリオレフィン樹脂、ポリスチレン系樹脂、ポリビニルアルコール系樹脂、ポリビニルエステル系樹脂、ポリアクリル酸系樹脂、不飽和カルボン酸系樹脂などが挙げられる。上記の天然高分子化合物としては、例えば、セルロース類、ロジン類、天然ゴムなどが挙げられる。この中でも、特にポリウレタン樹脂微粒子、アクリル−シリコーン樹脂微粒子及びフッ素系樹脂微粒子が好ましい。また、上記の水分散性樹脂を2種類以上併用することは全く問題ない。
上記のフッ素系樹脂としては、フルオロオレフィン単位を有するフッ素系樹脂微粒子が好ましく、これらの中でも、フルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子が特に好ましい。このフルオロオレフィン単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば−CF2CF2−、−CF2CF(CF3)−、−CF2CFCl−などが挙げられる。上記のビニルエーテル単位としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記構造式で表わされる化合物などが挙げられる。
上記のフルオロオレフィン単位及びビニルエーテル単位から構成されるフッ素含有ビニルエーテル系樹脂微粒子としては、フルオロオレフィン単位とビニルエーテル単位が交互に共重合してなる交互共重合体が好ましい。このようなフッ素系樹脂微粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。この市販品としては、例えば、大日本インキ化学工業株式会社製のフルオネートFEM−500、FEM−600、ディックガードF−52S、F−90、F−90M、F−90N,アクアフランTE−5A;旭硝子株式会社製のルミフロンFE4300、FE4500、FE4400、アサヒガードAG−7105、AG−950、AG−7600、AG−7000、AG−1100などが挙げられる。
上記の水分散性樹脂は、ホモポリマーとして使用されても、コポリマーを使用して複合系樹脂として用いてもよく、単相構造型及びコアシェル型、パワーフィード型エマルジョンのいずれのものも使用できる。
この水分散性樹脂としては、樹脂自身が親水基を持ち自己分散性を持つもの、樹脂自身は分散性を持たず界面活性剤や親水基をもつ樹脂にて分散性を付与したものが使用できる。これらの中でも、ポリエステル樹脂やポリウレタン樹脂のアイオノマーや不飽和単量体の乳化及び懸濁重合によって得られた樹脂粒子のエマルジョンが最適である。不飽和単量体の乳化重合の場合には、不飽和単量体、重合開始剤、界面活性剤、連鎖移動剤、キレート剤、及びpH調整剤などを添加した水にて反応させ樹脂エマルジョンを得るため、容易に水分散性樹脂を得ることができ、樹脂構成を容易に替えやすいため目的の性質を作りやすい。
この不飽和単量体としては、例えば、不飽和カルボン酸類、単官能又は多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類、(メタ)アクリル酸アミド単量体類、芳香族ビニル単量体類、ビニルシアノ化合物単量体類、ビニル単量体類、アリル化合物単量体類、オレフィン単量体類、ジエン単量体類、不飽和炭素を持つオリゴマー類などを単独及び複数組み合わせて用いることができる。これらの単量体を組み合わせることで柔軟に性質を改質することが可能であり、オリゴマー型重合開始剤を用いて重合反応、グラフト反応を行うことで樹脂の特性を改質することもできる。
上記の不飽和カルボン酸類としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、マレイン酸等が挙げられる。
上記の単官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、メチルメタクリレート、エチルメタクリレート、イソプロピルメタクリレート、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレート、n−アミルメタクリレート、イソアミルメタクリレート、n−ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、オクチルメタクリレート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレート、オクタデシルメタクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、フェニルメタクリレート、ベンジルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート、メタクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、メチルアクリレート、エチルアクリレート、イソプロピルアクリレート、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレート、n−アミルアクリレート、イソアミルアクリレート、n−へキシルアクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、オクチルアクリレート、デシルアクリレート、ドデシルアクリレート、オクタデシルアクリレート、シクロへキシルアクリレート、フェニルアクリレート、ベンジルアクリレート、グリシジルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、ジメチルアミノエチルアクリレート、アクリロキシエチルトリメチルアンモニウム塩、などが挙げられる。
上記の多官能の(メタ)アクリル酸エステル単量体類としては、例えば、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、ポリブチレングリコールジメタクリレート、2,2’−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、1,9−ノナンジオールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2’−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2’−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパントリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレート、ジトリメチロールテトラアクリレート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、などが挙げられる。
上記の(メタ)アクリル酸アミド単量体類としては、例えば、アクリルアミド、メタクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、メチレンビスアクリルアミド、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸等が挙げられる。上記の芳香族ビニル単量体類としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、4−t−ブチルスチレン、クロルスチレン、ビニルアニソール、ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン等が挙げられる。上記のビニルシアノ化合物単量体類としては、例えば、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等が挙げられる。上記のビニル単量体類としては、例えば、酢酸ビニル、塩化ビニリデン、塩化ビニル、ビニルエーテル、ビニルケトン、ビニルピロリドン、ビニルスルホン酸又はその塩、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等が挙げられる。
上記のアリル化合物単量体類としては、例えば、アリルスルホン酸その塩、アリルアミン、アリルクロライド、ジアリルアミン、ジアリルジメチルアンモニウム塩等が挙げられる。上記のオレフィン単量体類としては、例えば、エチレン、プロピレン等が挙げられる。上記のジエン単量体類としては、例えば、ブタジエン、クロロプレン等が挙げられる。上記の不飽和炭素を持つオリゴマー類としては、例えば、メタクリロイル基を持つスチレンオリゴマー、メタクリロイル基を持つスチレン−アクリロニトリルオリゴマー、メタクリロイル基を持つメチルメタクリレートオリゴマー、メタクリロイル基を持つジメチルシロキサンオリゴマー、アクリロイル基を持つポリエステルオリゴマー等が挙げられる。
これらの水分散性樹脂は、強アルカリ性、強酸性下では分散破壊や加水分解などの分子鎖の断裂が引き起こされるため、pHは4〜12が好ましく、特に水分散着色剤との混和性の点からpHは6〜11がより好ましく、7〜9が更に好ましい。
これらの水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、分散液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。インク化したときに過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになるとインクジェットヘッドのノズル口より大きくなるため使用できない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子がインク中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために平均粒子径(D50)は200nm以下が好ましく、150nm以下がより好ましい。
また、これらの水分散性樹脂は、上記の水分散着色剤を紙面に定着させる働きを有し、常温で被膜化して色材の定着性を向上させることが好ましい。そのため、水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT:Minimum Film−forming Temperature)は30℃以下であることが好ましい。また、水分散性樹脂のガラス転移温度(Tg)が−40℃以下になると樹脂皮膜の粘稠性が強くなり印字物にタックが生じるため、ガラス転移温度が−30℃以上の水分散性樹脂であることが好ましい。水分散性樹脂のインクジェット用インクにおける含有量は、固形分で1〜15質量%が好ましく、2〜7質量%がより好ましい。尚、インクジェット用インクの固形分含有量は、例えば、インクジェット用インク中から水分散性着色剤と水分散性樹脂分のみを分離する方法により測定することができる。また、水分散性着色剤として顔料を用いる場合には、熱質量分析により質量減少率を評価することで着色剤と水分散性樹脂との比率を測定できる。また、水分散性着色剤の分子構造が明らかな場合には、顔料や染料ではNMRを用いて着色剤の固形分量を定量することが可能であり、重金属原子、分子骨格に含まれる無機顔料、含金有機顔料、含金染料では蛍光X線分析を用いることで着色剤の固形分量を定量することが可能である。
―その他成分―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられるその他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクに用いられるその他の成分としては、特に制限はなく、必要に応じて適宜選択することができ、例えば、pH調整剤、防腐防黴剤、キレート試薬、防錆剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、酸素吸収剤、光安定化剤、などが挙げられる。
上記のpH調整剤としては、調合されるインクジェット用インクに悪影響を及ぼさずにpHを7〜11に調整できるものであれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、アルコールアミン類、アルカリ金属元素の水酸化物、アンモニウムの水酸化物、ホスホニウム水酸化物、アルカリ金属の炭酸塩、などが挙げられる。pHが7未満及び11を超えるとインクジェットのヘッドやインク供給ユニットを溶かし出す量が大きく、インクの変質や漏洩、吐出不良などの不具合が生じることがある。
上記のアルコールアミン類としては、例えば、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、2−アミノ−2−エチル−1,3プロパンジオール等が挙げられる。上記のアルカリ金属元素の水酸化物としては、例えば、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。上記のアンモニウムの水酸化物としては、例えば、水酸化アンモニウム、第4級アンモニウム水酸化物、第4級ホスホニウム水酸化物などが挙げられる。上記のアルカリ金属の炭酸塩としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等が挙げられる。
上記の防腐防黴剤としては、例えば、デヒドロ酢酸ナトリウム、ソルビン酸ナトリウム、2−ピリジンチオール−1−オキサイドナトリウム、安息香酸ナトリウム、ペンタクロロフェノールナトリウム、等が挙げられる。
上記のキレート試薬としては、例えば、エチレンジアミン四酢酸ナトリウム、ニトリロ三酢酸ナトリウム、ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸ナトリウム、ジエチレントリアミン五酢酸ナトリウム、ウラミル二酢酸ナトリウム等がある。
上記の防錆剤としては、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウム、チオジグリコール酸アンモン、ジイソプロピルアンモニウムニトライト、四硝酸ペンタエリスリトール、ジシクロヘキシルアンモニウムニトライトなどが挙げられる。
上記の酸化防止剤としては、例えば、フェノール系酸化防止剤(ヒンダードフェノール系酸化防止剤を含む)、アミン系酸化防止剤、硫黄系酸化防止剤、リン系酸化防止剤、などが挙げられる。
上記の紫外線吸収剤としては、例えば、ベンゾフェノン系紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、サリチレート系紫外線吸収剤、シアノアクリレート系紫外線吸収剤、ニッケル錯塩系紫外線吸収剤、などが挙げられる。
―インクジェット用インク製法―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクは、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤及び水、更に必要に応じてその他の成分を水性媒体中に分散又は溶解し、更に必要に応じて攪拌混合して製造する。この攪拌混合は、例えば、サンドミル、ホモジナイザー、ボールミル、ペイントシェイカー、超音波分散機等により行うことができ、攪拌混合は通常の攪拌羽を用いた攪拌機、マグネチックスターラー、高速の分散機等で行うことができる。
―インクジェット用インク物性―
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクの物性としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、粘度、表面張力等が以下の範囲であることが好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクの25℃での粘度は5〜20mPa・sが好ましい。この粘度を5mPa・s以上とすることによって、印字濃度や文字品位を向上させる効果が得られる。一方、インク粘度を20mPa・s以下に抑えることで、吐出性を確保することができる。ここで、この粘度は、例えば、粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して25℃で測定することができる。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクの静的表面張力としては、25℃での静的表面張力が20〜35mN/mが好ましく、20〜30mN/m以下がより好ましい。インクジェット用インクの静的表面張力が20〜35mN/mの場合には、浸透性を高めることでブリーディングの低減に効果が高く、普通紙印字での乾燥性が良好となる。前処理層に濡れ易いと言うことで、発色性が良く白ポチも改良される。この表面張力が、35mN/mを超えると、被記録剤上のインクのレベリングが起こり難く、乾燥時間の長時間化を招くことがある。
本実施形態の画像形成方法に用いられるインクジェット用インクの着色としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなどが挙げられる。これらの着色を2種以上併用したインクセットを使用して記録を行うと、多色画像を形成することができ、全色併用したインクセットを使用して記録を行うと、フルカラー画像を形成することができる。
<後処理液>
本実施形態の画像形成方法に用いられる後処理液としては、記録用メディア上に透明な保護層を形成し得る成分を含有し、例えば、水分散性樹脂、界面活性剤、水、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。この後処理液は、塗布又は飛翔させる方法によっても異なるが、画像部光沢性を出す為に、又は画像部を樹脂層で保護する為に(光沢性・定着性向上)、紫外線照射により高分子化する成分を含んでなる樹脂組成物及び熱可塑性樹脂が好ましい。特に、光沢性・定着性向上の理由により熱可塑性樹脂エマルジョン(水分散性樹脂ともいう)が好ましい。なお、インクジェット記録装置により後処理液を飛翔させる場合には、湿潤剤を適当量含有することが好ましい。
本実施形態の画像形成方法に用いられる後処理液としては、記録用メディア上に透明な保護層を形成し得る成分を含有し、例えば、水分散性樹脂、界面活性剤、水、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。この後処理液は、塗布又は飛翔させる方法によっても異なるが、画像部光沢性を出す為に、又は画像部を樹脂層で保護する為に(光沢性・定着性向上)、紫外線照射により高分子化する成分を含んでなる樹脂組成物及び熱可塑性樹脂が好ましい。特に、光沢性・定着性向上の理由により熱可塑性樹脂エマルジョン(水分散性樹脂ともいう)が好ましい。なお、インクジェット記録装置により後処理液を飛翔させる場合には、湿潤剤を適当量含有することが好ましい。
−水分散性樹脂−
上記の水分散性樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が−30℃以上であることが好ましく、−20〜100℃の範囲がより好ましい。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は50℃以下が好ましく、35℃以下がより好ましい。水分散性樹脂のガラス転移温度(Tg)が−30℃未満であると、水分の蒸発後も粘着剤の様にタック性があり、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)が50℃を超えると、ヒーター、温風等の乾燥手段を用いても短時間で成膜できないため、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂のガラス転移温度は、例えばTMA法、DSC法及びDMA法(引張り法)により測定することができる。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、例えば最低造膜温度測定装置(MFT型)により測定することができる。
上記の水分散性樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が−30℃以上であることが好ましく、−20〜100℃の範囲がより好ましい。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は50℃以下が好ましく、35℃以下がより好ましい。水分散性樹脂のガラス転移温度(Tg)が−30℃未満であると、水分の蒸発後も粘着剤の様にタック性があり、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)が50℃を超えると、ヒーター、温風等の乾燥手段を用いても短時間で成膜できないため、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂のガラス転移温度は、例えばTMA法、DSC法及びDMA法(引張り法)により測定することができる。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、例えば最低造膜温度測定装置(MFT型)により測定することができる。
この水分散性樹脂としては、例えばアクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂、フッ素樹脂、などが好適である。これらの水分散性樹脂は、上記のインクジェット用インクに用いられる水分散性樹脂と同様のものを適宜選択して用いることができる。これらの水分散性樹脂の上記の保護層における含有量は、固形分で1質量%〜50質量%が好ましく、インクジェット記録装置により飛翔させる場合は1質量%〜30質量%が好ましい。樹脂含有量が50質量%を超えると粘度が高くなる可能性があり、樹脂含有量が1質量%未満であると成膜性が落ちたり水分蒸発のためのエネルギーも多く必要になったりする。
また、本実施形態の画像形成方法に用いられる後処理液の水分散性樹脂の平均粒径(D50)は、後処理液の粘度と関係しており、組成が同じものでは粒径が小さくなるほど同一固形分での粘度が大きくなる。後処理液にした時に過剰な高粘度にならないためにも水分散性樹脂の平均粒子径(D50)は50nm以上が好ましい。また、粒径が数十μmになると後処理液を飛翔させる装置のヘッドのノズル口より大きくなるため好ましくない。ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子が後処理液中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために後処理液の平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
上記の界面活性剤としては、特に制限はなく、上記のインクジェット用インクに用いられる界面活性剤と同様のものから目的に応じて適宜選択することができる。上記のその他の成分としては、例えば、防カビ剤、消泡剤、pH調整剤などが挙げられる。
<記録用メディア>
本実施形態の画像形成方法に用いられる記録用メディアとしては、吸液特性が一定範囲内であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、要求される画像品質を考えると、塗工紙、グロス紙、コート紙、アート紙、スーパーアート紙と呼ばれる汎用印刷用紙が好適である。
本実施形態の画像形成方法に用いられる記録用メディアとしては、吸液特性が一定範囲内であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、要求される画像品質を考えると、塗工紙、グロス紙、コート紙、アート紙、スーパーアート紙と呼ばれる汎用印刷用紙が好適である。
これらの中でも、画像品質(画像濃度、彩度、ビーディング、カラーブリード)に優れ、かつ光沢性が高く、更にスミア定着性にも優れた画像が記録できる点から、吸液特性が一定範囲内の一般印刷用紙が好適であり、具体的には、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の記録用メディアへの転移量が1ml/m2〜10ml/m2である印刷用紙が用いられる。接触時間100msでの上記の前処理液、上記のインクジェット用インク及び純水の転移量が少なすぎると、ビーディング(濃度ムラ)及びカラーブリード(色間の滲み)が発生しやすくなることがあり、多すぎると、記録後のインクドット径が所望の径よりも小さくなり、ベタ画像が上がらないことがある。
ここで、この動的走査吸液計(dynamic scanning absorptometer;DSA,紙パ技協誌、第48巻、1994年5月、第88〜92頁、空閑重則)は、極めて短時間における吸液量を正確に測定できる装置である。この動的走査吸液計は、(i)吸液の速度をキャピラリー中のメニスカスの移動から直読する、(ii)試料を円盤状とし、この上で吸液ヘッドをらせん状に走査する、予め設定したパターンに従って走査速度を自動的に変化させ、1枚の試料で必要な点の数だけ測定を行う、という方法によって測定を自動化したものである。紙試料への液体供給ヘッドはテフロン(登録商標)管を介してキャピラリーに接続され、キャピラリー中のメニスカスの位置は光学センサで自動的に読み取られる。具体的には、動的走査吸液計(K350シリーズD型、協和精工株式会社製)を用いて、純水の転移量を測定した。接触時間100msにおける転移量は、それぞれ接触時間の近隣接触時間における転移量の測定値から補間により求めることができる。
この吸液特性が一定範囲内の印刷用紙としては、市販品を用いることができ、この市販品としては、例えば、リコービジネスコーグロス100(株式会社リコー製)、OKトップコート+、OK金藤+、SA金藤+(王子製紙株式会社製)、スーパーMIダル、オーロラコート、スペースDX(日本製紙株式会社製)、αマット、ミューコート(北越製紙株式会社製)、雷鳥アート、雷鳥スーパーアート(中越パルプ工業株式会社製)、パールコートN(三菱製紙株式会社製)などが挙げられる。また、この吸液特性が一定範囲内の一般印刷用紙としては、以下に説明する、支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有するものが好適である。
−支持体−
上記の支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
上記の支持体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材繊維主体の紙、木材繊維及び合成繊維を主体とした不織布のようなシート状物質などが挙げられる。
上記の紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。上記の木材パルプとしては、例えば、広葉樹晒クラフトパルプ(LBKP)、針葉樹晒クラフトパルプ(NBKP)、NBSP、LBSP、GP、TMPなどが挙げられる。
上記の古紙パルプの原料としては、財団法人古紙再生促進センターの古紙標準品質規格表に示されている、上白、罫白、クリーム白、カード、特白、中白、模造、色白、ケント、白アート、特上切、別上切、新聞、雑誌などが挙げられる。具体的には、情報関連用紙である非塗工コンピュータ用紙、感熱紙、感圧紙等のプリンタ用紙;PPC用紙等のOA古紙;アート紙、コート紙、微塗工紙、マット紙等の塗工紙;上質紙、色上質、ノート、便箋、包装紙、ファンシーペーパー、中質紙、新聞用紙、更紙、スーパー掛け紙、模造紙、純白ロール紙、ミルクカートン等の非塗工紙、などの紙や板紙の古紙で、化学パルプ紙、高歩留りパルプ含有紙などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
上記の古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組み合わせから製造される。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
上記の古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
上記の古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、記録後のカール対策から40%以下が好ましい。
上記の支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。この白色顔料としては、例えば、軽質炭酸カルシウム、重質炭酸カルシウム、カオリン、クレー、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、硫化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホワイト、珪酸アルミニウム、ケイソウ土、珪酸カルシウム、珪酸マグネシウム、合成シリカ、水酸化アルミニウム、アルミナ、リトポン、ゼオライト、炭酸マグネシウム、水酸化マグネシウム等のような白色無機顔料;スチレン系プラスチックピグメント、アクリル系プラスチックピグメント、ポリエチレン、マイクロカプセル、尿素樹脂、メラミン樹脂等のような有機顔料、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この支持体を抄造する際に使用される内添サイズ剤としては、例えば、中性抄紙に用いられる中性ロジン系サイズ剤、アルケニル無水コハク酸(ASA)、アルキルケテンダイマー(AKD)、石油樹脂系サイズ剤などが挙げられる。これらの中でも、中性ロジンサイズ剤又はアルケニル無水コハク酸が特に好適である。上記のアルキルケテンダイマーは、そのサイズ効果が高いことから添加量は少なくて済むが、記録メディア表面の摩擦係数が下がり滑りやすくなるため、インクジェット記録時の搬送性の点からは好ましくない場合がある。
この支持体の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50μm〜300μmが好ましい。また、支持体の坪量は、45g/m2〜290g/m2が好ましい。
−塗工層−
上記の塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。この顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
上記の塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。この顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
上記の無機顔料としては、例えば、カオリン、タルク、重質炭酸カルシウム、軽質炭酸カルシウム、亜硫酸カルシウム、非晶質シリカ、チタンホワイト、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化亜鉛、クロライトなどが挙げられる。これらの中でも、カオリンは光沢発現性に優れており、オフセット印刷用の用紙に近い風合いとすることができる点から特に好ましい。このカオリンには、デラミネーテッドカオリン、焼成カオリン、表面改質等によるエンジニアードカオリン等があるが、光沢発現性を考慮すると、粒子径が2μm以下の割合が80質量%以上の粒子径分布を有するカオリンが、カオリン全体の50質量%以上を占めていることが好ましい。これらのカオリンの添加量は、上記のバインダー100質量部に対し50質量部以上が好ましい。添加量が50質量部未満であると、光沢度において十分な効果が得られないことがある。添加量の上限は特に制限はないが、カオリンの流動性、特に高せん断力下での増粘性を考慮すると、塗工適性の点から、90質量部以下がより好ましい。
上記の有機顔料としては、例えば、スチレン−アクリル共重合体粒子、スチレン−ブタジエン共重合体粒子、ポリスチレン粒子、ポリエチレン粒子等の水溶性ディスパージョンがある。これら有機顔料は2種以上が混合されてもよい。
この有機顔料の添加量は、上記の塗工層の全顔料100質量部に対し2質量部〜20質量部が好ましい。この有機顔料は、光沢発現性に優れていることと、その比重が無機顔料と比べて小さいことから、嵩高く、高光沢で、表面被覆性の良好な塗工層を得ることができる。添加量が2質量部未満であると、上記の効果がなく、20質量部を超えると、塗工液の流動性が悪化し、塗工操業性の低下に繋がることと、コスト面からも経済的ではない。この有機顔料には、その形態において、密実型、中空型、ドーナツ型等があるが、光沢発現性、表面被覆性及び塗工液の流動性のバランスを鑑み、平均粒子径(D50)は0.2μm〜3.0μmが好ましく、より好ましくは空隙率40%以上の中空型が採用される。
上記のバインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。上記の水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いられる。この水溶性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリビニルアルコール、アニオン変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコールの変性物;ポリウレタン;ポリビニルピロリドン及びポリビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体、ビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、四級化したビニルピロリドンとジメチルアミノエチル・メタクリル酸の共重合体、ビニルピロリドンとメタクリルアミドプロピル塩化トリメチルアンモニウムの共重合体等のポリビニルピロリドンの変性物;カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース;カチオン化ヒドロキシエチルセルロース等のセルロースの変性物;ポリエステル、ポリアクリル酸(エステル)、メラミン樹脂、又はこれらの変性物、ポリエステルとポリウレタンの共重合体等の合成樹脂;ポリ(メタ)アクリル酸、ポリ(メタ)アクリルアミド、酸化澱粉、燐酸エステル化澱粉、自家変性澱粉、カチオン化澱粉、又は各種変性澱粉、ポリエチレンオキサイド、ポリアクリル酸ソーダ、アルギン酸ソーダ、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、インク吸収性の観点から、ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニルアルコール、アセタール変性ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリウレタン、ポリエステルとポリウレタンの共重合体、などが特に好ましい。
上記の水分散性樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリ酢酸ビニル、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリスチレン、スチレン−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合体、酢酸ビニル−(メタ)アクリル酸(エステル)共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、エチレン−プロピレン共重合体、ポリビニルエーテル、シリコーン−アクリル系共重合体、などが挙げられる。また、メチロール化メラミン、メチロール化尿素、メチロール化ヒドロキシプロピレン尿素、イソシアネート等の架橋剤を含有してよいし、N−メチロールアクリルアミドなどの単位を含む共重合体で自己架橋性を持つものでもよい。これら水性樹脂の複数を同時に用いることも可能である。
これらの水性樹脂の添加量は、上記の顔料100質量部に対し、2質量部〜100質量部が好ましく、3質量部〜50質量部がより好ましい。この水性樹脂の添加量は記録メディアの吸液特性が所望の範囲に入るように決定される。
上記の着色剤として水分散性の着色剤を使用する場合には、塗工層にカチオン性有機化合物は必ずしも配合する必要はないが、塗工層に配合されるカチオン性有機化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択使用することができる。塗工層に配合されるカチオン性有機化合物としては、例えば、水溶性インク中の直接染料や酸性染料中のスルホン酸基、カルボキシル基、アミノ基等と反応して不溶な塩を形成する1級〜3級アミン、4級アンモニウム塩のモノマー、オリゴマー、ポリマーなどが挙げられ、これらの中でも、オリゴマー又はポリマーが好ましい。
これらのカチオン性有機化合物としては、例えば、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ジメチルアミン・アンモニア・エピクロルヒドリン縮合物、ポリ(メタクリル酸トリメチルアミノエチル・メチル硫酸塩)、ジアリルアミン塩酸塩・アクリルアミド共重合物、ポリ(ジアリルアミン塩酸塩・二酸化イオウ)、ポリアリルアミン塩酸塩、ポリ(アリルアミン塩酸塩・ジアリルアミン塩酸塩)、アクリルアミド・ジアリルアミン共重合物、ポリビニルアミン共重合物、ジシアンジアミド、ジシアンジアミド・塩化アンモニウム・尿素・ホルムアルデヒド縮合物、ポリアルキレンポリアミン・ジシアンジアミドアンモニウム塩縮合物、ジメチルジアリルアンモニウムクロライド、ポリジアリルメチルアミン塩酸塩、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・二酸化イオウ)、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド・ジアリルアミン塩酸塩誘導体)、アクリルアミド・ジアリルジメチルアンモニウムクロライド共重合物、アクリル酸塩・アクリルアミド・ジアリルアミン塩酸塩共重合物、ポリエチレンイミン、アクリルアミンポリマー等のエチレンイミン誘導体、ポリエチレンイミンアルキレンオキサイド変性物、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、ジメチルアミン・エピクロルヒドリン重縮合物、ポリアリルアミン塩酸塩等の低分子量のカチオン性有機化合物と他の比較的高分子量のカチオン性有機化合物、例えば、ポリ(ジアリルジメチルアンモニウムクロライド)等とを組み合わせて使用するのが好ましい。併用により、単独使用の場合よりも画像濃度を向上させ、フェザリングが更に低減される。
これらのカチオン性有機化合物のコロイド滴定法(ポリビニル硫酸カリウム、トルイジンブルー使用)によるカチオン当量は3meq/g〜8meq/gが好ましい。カチオン当量がこの範囲であれば上記乾燥付着量の範囲で良好な結果が得られる。ここで、コロイド滴定法によるカチオン当量の測定に当たっては、カチオン性有機化合物を固形分0.1質量%となるように蒸留水で希釈し、pH調整は行わないものとする。
これらのカチオン性有機化合物の乾燥付着量は0.3g/m2〜2.0g/m2が好ましい。カチオン性有機化合物の乾燥付着量が0.3g/m2より低いと、充分な画像濃度向上やフェザリング低減の効果が得られないことがある。
上記の塗工層に必要に応じて含有される界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、アニオン活性剤、カチオン活性剤、両性活性剤、非イオン活性剤のいずれも使用することができる。これらの中でも、非イオン活性剤が特に好ましい。これらの界面活性剤を添加することにより、画像の耐水性が向上するとともに、画像濃度が高くなり、ブリーディングが改善される。
この非イオン活性剤としては、例えば、高級アルコールエチレンオキサイド付加物、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物、脂肪酸エチレンオキサイド付加物、多価アルコール脂肪酸エステルエチレンオキサイド付加物、高級脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物、脂肪酸アミドエチレンオキサイド付加物、油脂のエチレンオキサイド付加物、ポリプロピレングリコールエチレンオキサイド付加物、グリセロールの脂肪酸エステル、ペンタエリスリトールの脂肪酸エステル、ソルビトール及びソルビタンの脂肪酸エステル、ショ糖の脂肪酸エステル、多価アルコールのアルキルエーテル、アルカノールアミン類の脂肪酸アミド等が挙られる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
この多価アルコールとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、グリセロール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリット、ソルビトール、ショ糖などが挙げられる。また、エチレンオキサイド付加物については、水溶性を維持できる範囲で、エチレンオキサイドの一部をプロピレンオキサイドあるいはブチレンオキサイド等のアルキレンオキサイドに置換したものも有効である。置換率は50%以下が好ましい。上記の非イオン活性剤のHLB(親水性/親油性比)は4〜15が好ましく、7〜13がより好ましい。
これらの界面活性剤の添加量は、上記のカチオン性有機化合物100質量部に対し、10質量部以下が好ましく、0.1質量部〜1.0質量部がより好ましい。
上記の塗工層には、本実施形態の目的及び効果を損なわない範囲で、更に必要に応じて、その他の成分を添加することができる。その他の成分としては、アルミナ粉末、pH調整剤、防腐剤、酸化防止剤等の添加剤が挙げられる。
この塗工層の形成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、上記の支持体上に塗工層液を含浸又は塗布する方法により行うことができる。この塗工層液の含浸又は塗布方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレス、ブレードコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーターなど各種塗工機で塗工することも可能であるが、コストの点から、抄紙機に設置されているコンベンショナルサイズプレス、ゲートロールサイズプレス、フィルムトランスファーサイズプレスなどで含浸又は付着させ、オンマシンで仕上げてもよい。この塗工層液の付着量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、固形分で、0.5g/m2〜20g/m2が好ましく、1g/m2〜15g/m2がより好ましい。
この含浸又は塗布の後、必要に応じて乾燥させてもよく、この場合の乾燥の温度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100℃〜250℃程度が好ましい。
上記の記録メディアは、更に支持体の裏面にバック層、支持体と塗工層との間、また、支持体とバック層間にその他の層を形成してもよく、塗工層上に保護層を設けることもできる。これらの各層は単層であっても複数層であってもよい。
<画像形成方法>
本実施形態の画像形成方法は、上記の記録用メディアの塗工層を有する面に上記の前処理液を塗布する前処理工程と、記録用メディアの前処理液を塗布した面上に、上記のインクジェット用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程と、記録用メディアのインクジェット用インクを飛翔させた面上に、後処理液を塗布し又は飛翔させて透明な保護層を形成する後処理工程と、を有する。この後処理工程では、後処理液を塗布法又は飛翔(インクジェット吐出)させることができる。
本実施形態の画像形成方法は、上記の記録用メディアの塗工層を有する面に上記の前処理液を塗布する前処理工程と、記録用メディアの前処理液を塗布した面上に、上記のインクジェット用インクを飛翔させて画像を形成するインク飛翔工程と、記録用メディアのインクジェット用インクを飛翔させた面上に、後処理液を塗布し又は飛翔させて透明な保護層を形成する後処理工程と、を有する。この後処理工程では、後処理液を塗布法又は飛翔(インクジェット吐出)させることができる。
―前処理工程―
本実施形態の画像形成方法における前処理工程としては、印刷用紙表面に上記の前処理液を均一に塗布する塗布方法を用いればよく、特に制限はない。このような塗布方法として、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
本実施形態の画像形成方法における前処理工程としては、印刷用紙表面に上記の前処理液を均一に塗布する塗布方法を用いればよく、特に制限はない。このような塗布方法として、例えば、ブレードコート法、グラビアコート法、グラビアオフセットコート法、バーコート法、ロールコート法、ナイフコート法、エアナイフコート法、コンマコート法、Uコンマコート法、AKKUコート法、スムージングコート法、マイクログラビアコート法、リバースロールコート法、4本乃至5本ロールコート法、ディップコート法、カーテンコート法、スライドコート法、ダイコート法などが挙げられる。
この前処理工程は、表面が充分乾燥されている印刷用紙に対して行っても、乾燥中の印刷用紙に対して行っても効果を発揮する。尚、前処理を施した印刷用紙に対し、必要に応じて乾燥工程を設けることができる。この場合、ロールヒーター、ドラムヒーターや温風により印刷用紙を乾燥することができる。
この前処理工程における前処理液の印刷用紙へのウエット付着量は、0.1g/m2〜30.0g/m2の範囲を達成するものであることが好ましく、より好ましくは0.2〜10.0g/m2である。付着量が0.1g/m2未満と少ないと画像品質(画像濃度、彩度、ビーディング及びカラーブリード)の向上が殆ど見られないことがあり、30.0g/m2を超えると前処理液の乾燥性悪くなり、さらにカールが発生することがある。
―インク飛翔工程(画像形成工程の一例)―
本実施形態の画像形成方法におけるインク飛翔工程は、上記のインクジェット用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、上記の前処理液を塗布した記録用メディアに、インクジェット用インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する工程である。このインク飛翔工程において印刷用紙にインクジェット用インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の印刷用紙において、画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
本実施形態の画像形成方法におけるインク飛翔工程は、上記のインクジェット用インクに、刺激(エネルギー)を印加し、上記の前処理液を塗布した記録用メディアに、インクジェット用インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する工程である。このインク飛翔工程において印刷用紙にインクジェット用インクを飛翔させて印刷用紙に画像を形成する方法としては、公知のあらゆるインクジェット記録方法を適用できる。このような方法としては、ヘッドを走査する方式のインクジェット記録方法や、ライン化されたヘッドを用いることにより、ある枚葉の印刷用紙において、画像記録を行うインクジェット記録方法が挙げられる。
このインク飛翔工程において、インク飛翔手段である記録ヘッドの駆動方式には特に限定はなく、PZT等を用いた圧電素子アクチュエータ、熱エネルギーを作用させる方式、静電気力を利用したアクチュエータ等を利用したオンディマンド型のヘッドを用いることもできるし、連続噴射型の荷電制御タイプのヘッドで記録することもできる。
―後処理工程―
本実施形態の画像形成方法における後処理工程では、記録用メディアの画像表面の全体にわたって付与しても、画像表面の特定の部分のみに付与してもよい。この後処理液を付与する方法としては、特に制限はなく後処理液の種類によって各種方法が適宜選択されるが、上記の前処理液の塗布方法と同様の方法又は上記のインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法のいずれかを好適に用いることができる。これらの中でも、装置構成や後処理液の保存安定性の点からインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法が特に好ましい。この後処理工程は、形成された画像表面に乾燥付着量が0.5g/m2〜10g/m2となるように透明な樹脂を含む後処理液を付与して保護層を形成する工程である。
本実施形態の画像形成方法における後処理工程では、記録用メディアの画像表面の全体にわたって付与しても、画像表面の特定の部分のみに付与してもよい。この後処理液を付与する方法としては、特に制限はなく後処理液の種類によって各種方法が適宜選択されるが、上記の前処理液の塗布方法と同様の方法又は上記のインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法のいずれかを好適に用いることができる。これらの中でも、装置構成や後処理液の保存安定性の点からインクジェット用インクを飛翔させる方法と同様の方法が特に好ましい。この後処理工程は、形成された画像表面に乾燥付着量が0.5g/m2〜10g/m2となるように透明な樹脂を含む後処理液を付与して保護層を形成する工程である。
この後処理液の乾燥付着量は0.5g/m2〜10g/m2が好ましく、2g/m2〜8g/m2がより好ましい。この付着量が0.5g/m2未満であると、画像品質(画像濃度、彩度、光沢度及び定着性)向上が殆ど見られず、10g/m2を超えると、保護層の乾燥性が低下し、画像品質向上効果も飽和していることから経済的にも不利となる。
本実施形態の画像形成方法においては、必要に応じてこの後処理液を塗布し又は飛翔させた記録用メディアを、加熱手段により100℃〜150℃に加熱し、上記のインクジェット用インクを記録用メディアに熱定着させる定着工程を設けても良い。この定着工程を設けることにより、画像記録物の光沢性及び定着性が向上する。ここで加熱手段としては、加熱されたローラやドラムヒーター等が好適に用いられ、これらの加熱手段により熱定着する場合は、画像表面にロールヒーター、ドラムヒーターの平滑部を接触させることができる。加熱温度については、上記の保護層に使用する熱可塑性樹脂の軟化点以上が好ましい。しかし、画像品質、安全性及び経済性を考えると100〜150℃に加熱された定着ローラが好ましい。
<装置>
本実施形態の画像形成方法において、上記の前処理液を記録用メディアに付与し、上記のインクジェット用インクで画像を形成するための装置について、図1の具体例を用いて説明する。図1の装置は、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。
本実施形態の画像形成方法において、上記の前処理液を記録用メディアに付与し、上記のインクジェット用インクで画像を形成するための装置について、図1の具体例を用いて説明する。図1の装置は、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。
図1の前処理付与およびインクジエット記録装置において、記録用メディア6は給紙ローラ7によって送り出され、付与ローラ4とカウンタローラ5によって前処理液1が記録用メディア6に均一に薄く付与される。前処理液1は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与される。前処理液1を付与された記録用メディア6はインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部まで送られる。前処理液付与動作の終了部(図1A部)から記録走査開始部(図1B部)までの用紙経路の長さは記録用メディアの送り方向の長さより長く設定されているので記録用メディアが記録走査開始部に到達した時点では前処理液の付与を完全に終了することができる。この場合、前処理液の付与は、インクジェット記録ヘッド20が印字のための走査を開始し、記録用メディア6が間欠的に搬送される前に実施できるため、記録用メディア6の搬送速度が一定の状態で連続的に付与でき、ムラのない均一な付与が可能となる。なお図1の装置例では前処理の必要な記録用メディア6は下段のカセットから、必要のないか処理されては困る記録用メディア17は上段のカセットから供給するようになっているため、記録用メディア搬送経路を長く設けるのに好都合である。
図2は本実施形態の画像記録方法を実現するための装置の別の具体例である。図2の装置例も、インクジェット記録用ヘッドを走査して画像形成するタイプの記録装置である。図1の装置に比べ、コンパクトな装置構成とした例である。記録用メディア17は給紙ローラ7によって送り出され付与ローラ4とカウンタローラ5によって前処理液1が記録用メディアに均一に薄く付与される。前処理液は汲み上げローラ3によって汲み上げられ、膜厚制御ローラ2によって付与ローラ4に均一に付与されている。記録用メディア17は前処理液1を付与されながらインクジェット記録ヘッド20のある記録走査部を通過し、記録用メディアが前処理液の塗布を完了するまで送られ、記録用メディアが前処理液の付与を完了した時点で再び記録用メディア先頭が記録走査開始位置に至るまで戻される。付与完了は、例えば、前処理液付与装置の出口近傍に、公知の記録用メディア検知手段(図示されず)を設けることにより検出することができる。この検知手段は必ずしも必要が無く、あらかじめ記録用メディアの長さの情報をコントローラにインプットし、モータの回転数を制御することにより、記録用メディアの搬送ローラの外周の送り量を記録用メディアの長さに対応するようなシステム構成としてもよい。
前処理液1が付与された記録用メディア17は、前処理液が乾燥固化する前に、再び記録走査位置に搬送されてくるが、この際には、インクジエット記録ヘッド20の走査とタイミングを合わせて、間欠的に搬送される。記録用メディアを戻すとき送られてきた経路と同じ経路を戻すと記録用メディアの後端が前処理液付与装置に逆進入することになり塗りムラや汚れ、記録用メディアジャムなどの不具合が起こるが、記録用メディアを戻すときは記録用メディアガイド31で方向を切り替える。すなわち、記録用メディア17に前処理液1を付与した後、記録用メディアを逆送する時には、記録用メディアガイド31を図の点線の位置に、ソレノイドやモータなどの公知の手段で移動せしめる。これにより、記録用メディア17は、記録用メディア戻しガイド34の位置に搬送されるので、記録用メディアを汚したり、ジャムが生じたりすることを防止できる。
前処理工程は連続的に、10〜1000mm/sの一定の線速度で行うことが好ましい。このために、この装置の例では、枚葉の記録用メディアを用い、ある枚葉の記録用メディアについてみると、記録用メディアに前処理液を付与する工程をその枚葉について終了した後に、インクジェット記録方法により画像を記録する工程を始める。このように装置においては、前処理液付与の速度と画像記録との速度が殆どの場合に一致しないので、その枚葉の記録開始部と記録終了部とでは、前処理液が付与されてから画像が記録されるまでの時間に差があることになる。この差がかなり大きくなった場合にも、水よりも沸点が高く、蒸発速度の小さな親水性の溶媒を多量に含み、プリンタを使用している環境での空気中の水分と平衡する量に近い水分比率に調製されている前処理液では、液からの水分蒸発が著しく抑制されるため、枚葉の記録用メディアの、記録開始部と記録終了部で生じる画像品質の差を、少なくとも目視で観察できる水準以下にすることができる。
この装置での記録用メディアの搬送工程からも明らかなように、前処理液を付与した後、画像を形成するために、前処理液の付与された記録用メディアをローラ、コロ、ガイドなどの記録用メディアに接触する手段で記録用メディアを搬送することが必要になる場合が多い。このような場合に、記録用メディアに付与された前処理液が記録用メディアの搬送部材に転写してしまうと、搬送機能に障害を生じたり、汚れが蓄積したりして、画像品質が低下してしまうという問題を生じる。この問題を防止するには、装置側から、例えばガイドを波板にしたり、コロを拍車状にしたり、ローラの表面を撥水性の材料にしたりするという手段を講じ、問題の発生を軽減することができる。
しかしながら、記録用メディアに付与された前処理液は、極力速やかに記録用メディアに吸収され、見かけ上は乾燥された状態にすることが望ましい。この目的を達成するためには、前処理液の表面張力を30mN/m以下として、速やかに液が記録用メディアに浸透するようにすることが有効である。前処理液付与後の「乾燥固化」は、上記のように、記録用メディアに前処理液が吸収されて、見かけ上乾燥したようになることを意味するものではなく、水分など前処理液中液状化合物が蒸発し、液体状態を保てなくなり固化することを意味している。上記の前処理液を上記のように前処理液付与装置と画像記録装置がセットになった記録装置を用いることにより、前処理液が記録用メディアに吸収され、見かけ上は乾燥している状態になっていても、前処理液が固化していない状態で、インクジェット記録を行うことができ、前処理液の付与量が極めて少ない量においても、画像品質を著しく向上できる。
<実施形態の補足>
上記の実施形態では、前処理液が水溶性脂肪族系有機酸を含有する例について説明したが、これに限るものではない。この場合、前処理液が水溶性脂肪族系有機酸とともに又は水溶性脂肪族系有機酸に代えて、有機酸アンモニウム塩を含有しても良く、水溶性脂肪族系有機酸を用いた場合と同様の効果が得られる。
上記の実施形態では、前処理液が水溶性脂肪族系有機酸を含有する例について説明したが、これに限るものではない。この場合、前処理液が水溶性脂肪族系有機酸とともに又は水溶性脂肪族系有機酸に代えて、有機酸アンモニウム塩を含有しても良く、水溶性脂肪族系有機酸を用いた場合と同様の効果が得られる。
前処理液に用いられる有機酸アンモニウム塩としては、水への溶解性、解離される各イオンの酸性又は塩基性の程度のバランス、キレートの形成のし易さ等の理由により(21)式で示される有機酸アンモニウム塩が用いられる。この有機酸アンモニウム塩の炭素数は、特に限定されないが、水への溶解性の点から1分子あたり6個以下であることが好ましい。(21)式で示される水溶性の有機酸としては、例えば、乳酸アンモニウム塩が挙げられる。この有機酸アンモニウム塩の添加量としては、前処理液の全体の1〜40質量%であることが好ましく、3〜30質量%であることがより好ましい。添加量が40質量%よりも多いと、添加量を増やしても記録される画像の品質を向上させる効果が変わらなくなったり、前処理液の粘度が増加したりする場合がある。添加量が1質量%よりも少ないと画像の品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
上記の実施形態では、前処理液が水溶性脂肪族系有機酸を含有する例について説明したが、これに限るものではない。この場合前処理液が水溶性脂肪族系有機酸とともに又は水溶性脂肪族系有機酸に代えて、水溶性カチオンポリマーを含有しても良く、水溶性脂肪族系有機酸を用いた場合と同様の効果が得られる。
前処理液に用いられる水溶性カチオンポリマーとしては、アミンとエピハロヒドリンとを含むモノマーを重合させてなる水溶性カチオンポリマーが用いられる。これらのモノマーを重合させてなる水溶性カチオンポリマーは、主鎖に水酸基やアンモニウムカチオン等を含み、また、水溶液中でハロゲンアニオンを遊離することで、インクと接触した場合に緩衝作用や顔料を凝集させる作用を高める働きを有すると考えられる。この水溶性カチオンポリマーとしては、具体的には、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、アミン−エピハロヒドリン共重合体から選ばれる水溶性カチオンポリマーが好適に用いられる。より好ましくは、水溶性カチオンポリマーとしては、下記の(31)式で示される共重合体、(32)式で示される繰り返し単位を有する共重合体、及び、アミンモノマーと(34)式で示されるモノマーと(35)式で示されるモノマーとを重合してなる共重合体から選ばれる少なくとも1種類の化合物が用いられる。このアミンモノマーとしては、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、テトラエチレンペンタアミン及びイミノビスプロピルアミン等が例示されるが、工業的製造されており簡単に入手できる点で下記の(33)式で示されるモノマーが好ましい。尚、これらの化合物以外の第4級アンモニウム塩型カチオンポリマーや、場合によっては水分散性カチオンポリマーを水溶性カチオンポリマーとして用いても良い。
尚、(32)式中、Xは(31)式と同様にハロゲン原子(例えば、F、Cl、Br、I)を示し、mは1以上の整数を示す。
上記の水溶性カチオンポリマーは、アミンと、エピハロヒドリンとを含むモノマーを重合する方法、アミンとカルボン酸とを含むモノマーを重合することにより得られたポリアミドにエピハロヒドリンを含むモノマーをグラフト重合する方法等の公知の方法によって得られる。水溶性カチオンポリマーの重量平均分子量は、共重合体の種類によって異なり、ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、500〜10万の範囲が好ましく、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、1万〜5百万の範囲が好ましく、アミン−エピハロヒドリン共重合体の場合、700〜50000の範囲が好ましい。重量平均分子量が上記の各上限を超えると水溶液にならない場合があり、各下限に満たないと前処理効果が低下するの場合がある。
これらの水溶性カチオンポリマーの添加量としては、本実施形態の液体組成物全体の1〜40質量%であることが好ましく、より好ましくは3〜30質量%である。添加量が40質量%よりも多いと、添加量を増やしても画像の品質を向上させる効果が変わらなくなる可能性があるばかりでなく、液体組成物の粘度が増加し過ぎる可能性がある。添加量が1質量%よりも少ないと画像の品質を向上させる効果が小さくなる可能性がある。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。
<<<実施例1〜10,比較例1〜8>>>
(調製例1)
−水溶性高分子化合物水溶液Aの調製−
下記の組成を撹拌機で加熱撹拌して、式(13)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を溶解し、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過して、水溶性高分子化合物水溶液Aを調製した。
(調製例1)
−水溶性高分子化合物水溶液Aの調製−
下記の組成を撹拌機で加熱撹拌して、式(13)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体を溶解し、微量の不溶物を平均孔径5μmのフィルターで濾過して、水溶性高分子化合物水溶液Aを調製した。
<組成>
・式(13)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC株式会社製、T−YP112、R:炭素数20〜24のオレフィン鎖、n:30〜100の整数、酸価190mgKOH/g、重量平均分子量=10,000)・・・10.0質量部
・式(13)で表されるα−オレフィン−無水マレイン酸共重合体(星光PMC株式会社製、T−YP112、R:炭素数20〜24のオレフィン鎖、n:30〜100の整数、酸価190mgKOH/g、重量平均分子量=10,000)・・・10.0質量部
(調製例2)
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m2/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
−表面処理ブラック顔料分散液の調製−
CTAB比表面積が150m2/g、DBP吸油量100ml/100gのカーボンブラック90gを、2.5規定の硫酸ナトリウム溶液3000mlに添加し、温度60℃、速度300rpmで攪拌し、10時間反応させて酸化処理を行った。この反応液を濾過し、濾別したカーボンブラックを水酸化ナトリウム溶液で中和し、限外濾過を行った。
得られたカーボンブラックを水洗し、乾燥させて、固形分30質量%となるよう純水中に分散させ、充分に撹拌してブラック顔料分散液を得た。このブラック顔料分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)により測定したところ103nmであった。
(調製例3)
<マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
<マゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製>
−ポリマー溶液Aの調製−
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管、及び滴下ロートを備えた1Lのフラスコ内を充分に窒素ガス置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー4.0g、及びメルカプトエタノール0.4gを混合し、65℃に昇温した。次に、スチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシルエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスメチルバレロニトリル2.4g、及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。滴下後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけて、フラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内にメチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50質量%のポリマー溶液Aを800g得た。
−顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料濃度15質量%、固形分濃度20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。得られたマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ127nmであった。
ポリマー溶液Aを28gと、C.I.ピグメントレッド122を42g、1mol/Lの水酸化カリウム水溶液13.6g、メチルエチルケトン20g、及びイオン交換水13.6gを十分に攪拌した後、ロールミルを用いて混練した。得られたペーストを純水200gに投入し、充分に攪拌した後、エバポレータ用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、更に粗大粒子を除くためにこの分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、顔料濃度15質量%、固形分濃度20質量%のマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液を得た。得られたマゼンタ顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ127nmであった。
(調製例4)
−シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変更した以外は、調製例3と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたシアン顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は93nmであった。
−シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3)に変更した以外は、調製例3と同様にして、シアン顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたシアン顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は93nmであった。
(調製例5)
−イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変更した以外は、調製例3と同様にして、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたイエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は76nmであった。
−イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74)に変更した以外は、調製例3と同様にして、イエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたイエロー顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は76nmであった。
(調製例6)
−カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変更した以外は、調製例3と同様にして、カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は104nmであった。
−カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液の調製−
調製例3において、顔料としてのC.I.ピグメントレッド122を、カーボンブラック(デグサ社製、FW100)に変更した以外は、調製例3と同様にして、カーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液を調製した。得られたカーボンブラック顔料含有ポリマー微粒子分散液におけるポリマー微粒子について、調整例2と同様の方法により測定した平均粒子径(D50)は104nmであった。
(調製例7)
−イエロー顔料界面活性剤分散液の調製−
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井武田ケミカル株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を4.26質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散液を得た。得られたイエロー顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ62nmであった。
−イエロー顔料界面活性剤分散液の調製−
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井武田ケミカル株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を4.26質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散液を得た。得られたイエロー顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ62nmであった。
(調製例8)
−マゼンタ顔料界面活性剤分散液の調製−
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(JC−05、星光PMC株式会社製、有効成分21質量%、酸価170mgKOH/g、重量平均分子量16,000)7.14質量部を添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散液を得た。得られたマゼンタ顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ83nmであった。
−マゼンタ顔料界面活性剤分散液の調製−
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体(JC−05、星光PMC株式会社製、有効成分21質量%、酸価170mgKOH/g、重量平均分子量16,000)7.14質量部を添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散液を得た。得られたマゼンタ顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ83nmであった。
(調製例9)
−シアン顔料界面活性剤分散液の調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量部と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7,000)を2.51質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液を得た。この得られたシアン顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ78nmであった。
−シアン顔料界面活性剤分散液の調製−
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)・・・30.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテル(ノニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ノイゲンEA−177、HLB値=15.7)・・・10.0質量部
・イオン交換水・・・60.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に上記調製例1の水溶性高分子化合物水溶液Aを7.51質量部と、水溶性ポリエステル樹脂(ニチゴポリエスターW−0030、日本合成化学工業社製、有効成分29.9質量%、酸価100mgKOH/g、重量平均分子量7,000)を2.51質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散液を得た。この得られたシアン顔料界面活性剤分散液における顔料分散体の平均粒子径(D50)を調整例2と同様の方法により測定したところ78nmであった。
(製造例1〜8)
−記録用インク1〜8の作製−
まず、下記表1に示すように、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤、及びpH調整剤を添加し、1時間攪拌した。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例1〜8の各記録用インクを作製した。
−記録用インク1〜8の作製−
まず、下記表1に示すように、水溶性有機溶剤(湿潤剤)、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合した。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散液、消泡剤、及びpH調整剤を添加し、1時間攪拌した。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、製造例1〜8の各記録用インクを作製した。
*フッ素樹脂エマルジョン:旭硝子株式会社製、ルミフロンFE4500、固形分52質量%、平均粒子径136nm、最低造膜温度(MFT)=28℃
*アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分40質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT)=20℃
*ゾニールFS−300:ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル(Dupont社製、成分40質量%)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100質量%)
次に、製造例1〜8の各インクについて、以下のようにして、インク物性を測定した。結果を表2に示す。
<インク平均粒子径>
粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いてインクの平均粒子径(D50)を測定した。
粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いてインクの平均粒子径(D50)を測定した。
<インク粘度の測定>
粘度計(RE−80L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃におけるインクの粘度を測定した。
粘度計(RE−80L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃におけるインクの粘度を測定した。
<インクの表面張力の測定>
全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃におけるインクの表面張力を測定した。
全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃におけるインクの表面張力を測定した。
(調整例10〜18)
<前処理液の作製>
各前処理液の製造は、以下の手順で行った。まず、表3に示す材料を1時間攪拌し均一な混合を得た。この混合物を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、不溶物等のごみを除去して、調整例10〜18の各前処理液を作製した。
<前処理液の作製>
各前処理液の製造は、以下の手順で行った。まず、表3に示す材料を1時間攪拌し均一な混合を得た。この混合物を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、不溶物等のごみを除去して、調整例10〜18の各前処理液を作製した。
*L−乳酸:東京化成工業社製、純度85%以上、炭素数3
*L(+)−酒石酸:関東化学社製、純度99.5%以上、炭素数4
*DL−リンゴ酸:関東化学社製、純度99%以上、炭素数5
*ゾニールFS−300:DuPont社製、ポリオキシエチレンパーフロロアルキルエーテル、成分40質量%
*KF−643:信越化学工業株式会社製、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤、成分100質量%
*フタージェント251:ネオス社製、分岐パーフルオロアルケニル基含有フッ素系界面活性剤、有効成分100質量%
*Proxel GXL:アビシア社製、1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有
調整例10〜18の前処理液物性を表4に示す。尚、有機酸に対する有機アミン比は次式を用いて算出した。
(調整例19〜25)
−保護層液の作製−
下記表5に示すように、水分散性樹脂等の材料を混合し、1時間攪拌し均一な混合を得た。得られた混合液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、調整例19〜25の各保護層液を作製した。
−保護層液の作製−
下記表5に示すように、水分散性樹脂等の材料を混合し、1時間攪拌し均一な混合を得た。得られた混合液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子及びごみを除去して、調整例19〜25の各保護層液を作製した。
*ルミフロンFE4500:旭硝子社製、フッ素樹脂エマルジョン、固形分52質量%、最低造膜温度(MFT)=28℃、ガラス転移温度(Tg)18〜23℃
*ポリゾールROY6312:昭和高分子社製、アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン、固形分40質量%、最低造膜温度(MFT)=20℃、ガラス転移温度(Tg)8℃
*ハイドランHW−930:大日本インキ化学工業社製、ポリエステル系ウレタン樹脂エマルジョン、固形分50質量%、最低造膜温度(MFT)=0℃以下、軟化温度115〜120℃
*ボンコート9455:大日本インキ化学工業社製、スチレン−アクリル樹脂エマルジョン、固形分40質量%、最低造膜温度(MFT)=38〜46℃、ガラス転移温度(Tg)29℃
*ボンコートBC−280:大日本インキ化学工業社製、アクリル樹脂エマルジョン、固形分50質量%、最低造膜温度(MFT)=0〜3℃、ガラス転移温度(Tg)2℃
*ビニブラン2580:日信化学工業社製、アクリル樹脂エマルジョン、固形分45質量%、最低造膜温度(MFT)=100℃以上、ガラス転移温度(Tg)100℃
*ビニブラン2586:日信化学工業社製、スチレン−アクリル樹脂エマルジョン、固形分45質量%、最低造膜温度(MFT)=0℃以下、ガラス転移温度(Tg)−33℃
*ソフタノールEP−7025:日本触媒社製、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、有効成分100質量%
*BYK−380N:ビックケミー・ジャパン株式会社製、アクリル系共重合物のレベリング剤、有効成分52質量%
*Proxel GXL:アビシア社製、1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有
*KM−72F:信越シリコーン社製、自己乳化型シリコーン消泡剤、成分100質量%
<画像形成>
−前処理工程(実施例1〜10,比較例3〜8)−
表6に示す記録用メディアに、調整例10〜18の前処理液を、表6に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例1〜10,比較例1〜8)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表6に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例1〜10,比較例2,5,6)
後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例3,4は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
−前処理工程(実施例1〜10,比較例3〜8)−
表6に示す記録用メディアに、調整例10〜18の前処理液を、表6に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例1〜10,比較例1〜8)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表6に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例1〜10,比較例2,5,6)
後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例3,4は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
*オフセット印刷用紙1:王子製紙社製、OKトップコート+、グレードA2
*オフセット印刷用紙2:王子製紙社製、OK金藤+、グレードA1
*オフセット印刷用紙3:王子製紙社製、SA金藤+、グレードA0
*オフセット印刷用紙4:日本製紙社製、オーロラコート、グレードA2
*オフセット印刷用紙5:日本製紙社製、スーパーMIダル、グレードA2
*オフセット印刷用紙6:王子製紙社製、ミラーコートプラチナ、キャストコート紙
*ジェルジェット用紙:リコー社製、リコービジネスコートグロス100、グレードA2
*グラビア印刷用紙:日本製紙社製、スペースDX
*インクジェット専用紙:セイコーエプソン社製、スーパーファイン紙
*PPC用紙:リコー社製、Type6200
次に、実施例1〜10及び比較例1〜8について、以下のようにして、画像濃度、画像彩度、画像光沢、及びスミア定着性を評価した。結果を表7に示す。なお、評価は評価基準に基づき各色ごとに評価した。そこで、各画像品質結果は、最も多い評価の判定を結果として記載した。また、同数の評価判定の場合は、良い方を結果に記載した。また、比較例3,4については、後処理を施すことができなかったためスミア定着性と光沢度は未評価とした。
<画像濃度>
Microsoft Word2000にて作成した64point文字「■」のあるチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部をX−Rite939にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:Black 2.0以上、Yellow 1.25以上、Magenta 2.0以上、Cyan 2.0以上
○:Black 1.9以上2.0未満、Yellow 1.2以上1.25未満、Magenta 1.9以上2.0未満、Cyan 1.9以上2.0未満
△:Black 1.8以上1.9未満、Yellow 1.15以上1.2未満、Magenta 1.8以上1.9未満、Cyan 1.8以上1.9未満
×:Black 1.8未満、Yellow 1.15未満、Magenta 1.8未満、Cyan 1.8未満
Microsoft Word2000にて作成した64point文字「■」のあるチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部をX−Rite939にて測色し、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:Black 2.0以上、Yellow 1.25以上、Magenta 2.0以上、Cyan 2.0以上
○:Black 1.9以上2.0未満、Yellow 1.2以上1.25未満、Magenta 1.9以上2.0未満、Cyan 1.9以上2.0未満
△:Black 1.8以上1.9未満、Yellow 1.15以上1.2未満、Magenta 1.8以上1.9未満、Cyan 1.8以上1.9未満
×:Black 1.8未満、Yellow 1.15未満、Magenta 1.8未満、Cyan 1.8未満
<画像彩度>
画像濃度と同様にチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部をX−Rite939にて測色し、下記評価基準により判定した印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(Yellow:91.34、Magenta:74.55、Cyan:62.82)に対する測定した彩度の値との比率を算出し、下記の評価基準にしたがって判定した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:1.0以上
○:0.9以上1.0未満
×:0.9未満
画像濃度と同様にチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部をX−Rite939にて測色し、下記評価基準により判定した印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。標準色(Japan color ver.2)の彩度の値(Yellow:91.34、Magenta:74.55、Cyan:62.82)に対する測定した彩度の値との比率を算出し、下記の評価基準にしたがって判定した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:1.0以上
○:0.9以上1.0未満
×:0.9未満
<ビーディング>
印刷用紙にシアン、マゼンタ、グリーンのベタ画像印字し、温風乾燥した。濃度ムラ(ビーディング)を観察し、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
◎:全くなし、○:僅かにあり、△:かなりあり、×:激しくあり
印刷用紙にシアン、マゼンタ、グリーンのベタ画像印字し、温風乾燥した。濃度ムラ(ビーディング)を観察し、下記評価基準により判定した。
〔評価基準〕
◎:全くなし、○:僅かにあり、△:かなりあり、×:激しくあり
<カラーブリード>
印刷用紙にイエローのベタ画像内にマゼンタ、シアン、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成し、温風乾燥した。異なった色の記録液が隣接した場合に滲んでおこる色境界にじみの発生を目視により観察した。同様にシアンのベタ画像内にマゼンタ、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合とマゼンタのベタ画像内にシアン、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合についても色境界にじみの発生を観察した。
〔評価基準〕
◎:全く問題なし、○:僅かに発生問題なし、×:発生問題あり
<画像光沢>
Microsoft Word2000にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)を用いて60度光沢度を測定した。また、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:50以上
○:30以上50未満
△:15以上30未満
×:15未満
印刷用紙にイエローのベタ画像内にマゼンタ、シアン、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成し、温風乾燥した。異なった色の記録液が隣接した場合に滲んでおこる色境界にじみの発生を目視により観察した。同様にシアンのベタ画像内にマゼンタ、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合とマゼンタのベタ画像内にシアン、イエロー、ブラックの0.5mmの線画像をそれぞれ形成した場合についても色境界にじみの発生を観察した。
〔評価基準〕
◎:全く問題なし、○:僅かに発生問題なし、×:発生問題あり
<画像光沢>
Microsoft Word2000にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートを各記録メディアに打ち出し、温風乾燥した。印字面の「■」部を光沢度計(BYK Gardener社製、4501)を用いて60度光沢度を測定した。また、下記評価基準により判定した。印字モードはプリンタ添付のドライバで「光沢紙−きれい」モードを「色補正なし」と改変したモードを使用した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:50以上
○:30以上50未満
△:15以上30未満
×:15未満
<スミア定着性>
Microsoft Word2000にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートを各記録メディアに打ち出し、温度23±2℃、湿度50±15%RHで24時間乾燥させ、印字面の「■」部をCM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803 綿3号を印字部位に当てるように10往復させた後、綿布へのインク付着汚れをX−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、綿布の地肌色を差し引いて汚れ部の濃度が下記評価基準により判定した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:0.05未満
○:0.05以上0.1未満
△:0.1以上0.15未満(実使用可能レベル)
×:0.15以上
Microsoft Word2000にて作成した3cm×3cmの単色ベタ画像があるチャートを各記録メディアに打ち出し、温度23±2℃、湿度50±15%RHで24時間乾燥させ、印字面の「■」部をCM−1型クロックメータに両面テープで取り付けたJIS L0803 綿3号を印字部位に当てるように10往復させた後、綿布へのインク付着汚れをX−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、綿布の地肌色を差し引いて汚れ部の濃度が下記評価基準により判定した。
〔評価基準1〕・・・「光沢紙−きれいモード」
◎:0.05未満
○:0.05以上0.1未満
△:0.1以上0.15未満(実使用可能レベル)
×:0.15以上
<<<実施例11〜21,比較例9〜17>>>
<<インクの作製>>
<樹脂被覆顔料分散体の作製>
(樹脂被覆ポリマーの製造)
反応容器内に、メチルエチルケトン20質量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部、及び表8に示す各単量体(質量部表示)のそれぞれ10質量%ずつを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。一方、滴下ロート中に、表1に示す各単量体(質量部表示)のうちの残りの90質量%ずつを仕込み、次いで重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.27質量部、メチルエチルケトン60質量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2質量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
<<インクの作製>>
<樹脂被覆顔料分散体の作製>
(樹脂被覆ポリマーの製造)
反応容器内に、メチルエチルケトン20質量部、重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.03質量部、及び表8に示す各単量体(質量部表示)のそれぞれ10質量%ずつを入れて混合し、窒素ガス置換を十分に行い、混合溶液を得た。一方、滴下ロート中に、表1に示す各単量体(質量部表示)のうちの残りの90質量%ずつを仕込み、次いで重合連鎖移動剤(2−メルカプトエタノール)0.27質量部、メチルエチルケトン60質量部及び2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)1.2質量部を入れて混合し、十分に窒素ガス置換を行い、混合溶液を得た。
窒素雰囲気下、反応容器内の混合溶液を攪拌しながら75℃まで昇温し、滴下ロート中の混合溶液を3時間かけて徐々に反応容器内に滴下した。滴下終了後、その混合溶液の液温を75℃で2時間維持した後、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3質量部をメチルエチルケトン5質量部に溶解した溶液を混合溶液に加え、更に75℃で2時間、85℃で2時間熟成させ、樹脂被覆ポリマー1乃至4の溶液を得た。
得られたポリマー溶液の一部を、減圧下、105℃で2時間乾燥させ、溶媒を除去することによって単離した。標準物質としてポリスチレン、溶媒として60mmol/Lのリン酸及び50mmol/Lのリチウムブロマイド含有ジメチルホルムアミドを用いたゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより重量平均分子量を測定した。
*オクトキシポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコールモノメタクリレート:オキシエチレン基とオキシエチレンプロピレン基とがランダム付加したモノマー(ポリエチレングリコールの平均付加モル数が4、ポリプロピレングリコールの平均付加モル数が2)
*メタクリル酸:三菱瓦斯化学(株)製、商品名:GE−110(MAA)
*メタクリル酸2−エチルへキシル:三菱レイヨン(株)製、商品名:アクリエステルEH
*スチレンモノマー:新日鉄化学(株)製、商品名:スチレンモノマー
*スチレンマクロマー:東亜合成(株)製、商品名:AS−6S(スチレンマクロマー)、数平均分子量6000
(樹脂被覆顔料分散体の作製)
上記の作製例で得られた樹脂被覆ポリマーをメチルエチルケトンで50%に調整した溶液77部にメチルエチルケトン90部、及び中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和(中和度90%)した後、イオン交換水370部、更に着色剤として表9記載の顔料を90部加え、ディスパー混合し、更に分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa)で20パス処理した。なお、カーボンブラックNipex150を用いたものは、分散機のパス処理を5パスにした。
上記の作製例で得られた樹脂被覆ポリマーをメチルエチルケトンで50%に調整した溶液77部にメチルエチルケトン90部、及び中和剤(5N水酸化ナトリウム水溶液)を所定量加えてメタクリル酸を中和(中和度90%)した後、イオン交換水370部、更に着色剤として表9記載の顔料を90部加え、ディスパー混合し、更に分散機(マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa)で20パス処理した。なお、カーボンブラックNipex150を用いたものは、分散機のパス処理を5パスにした。
得られた水分散体に、イオン交換水100部を加え、攪拌した後、減圧下、60℃でメチルエチルケトンを除去し、更に一部の水を除去した後、5μmのフィルター〔アセチルセルロース膜、外径:2.5cm、富士写真フイルム株式会社製〕を取り付けた容量25mLの針なしシリンジ〔テルモ株式会社製〕で濾過し、粗大粒子を除去し、作製例B−1乃至B−4の水分散体を得た(固形分として25%)。
<顔料界面活性剤分散体の作製>
作製例C−1:ブラック顔料界面活性剤分散体の作製
・カーボンブラック(Nipex150、デグサ社製)・・・15.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム(アニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ハイテノールNF−17)・・・6.0質量部
・イオン交換水・・・79.0質量部
まず、上記の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記のカーボンブラックを混合して充分に湿潤したところで、マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa(みづほ工業社製)でパス処理を5パス行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.13質量部添加し、充分に撹拌してブラック顔料界面活性剤分散体を得た。得られたブラック顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ132nmであった。
作製例C−1:ブラック顔料界面活性剤分散体の作製
・カーボンブラック(Nipex150、デグサ社製)・・・15.0質量部
・ポリオキシエチレンスチレンフェニルエーテルスルホン酸アンモニウム(アニオン系界面活性剤、第一工業製薬株式会社製、ハイテノールNF−17)・・・6.0質量部
・イオン交換水・・・79.0質量部
まず、上記の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記のカーボンブラックを混合して充分に湿潤したところで、マイクロフルイダイザーM−140K、150MPa(みづほ工業社製)でパス処理を5パス行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.13質量部添加し、充分に撹拌してブラック顔料界面活性剤分散体を得た。得られたブラック顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ132nmであった。
作製例C−2:イエロー顔料界面活性剤分散体の作製
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記の顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散体を得た。得られたイエロー顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ76nmであった。
・モノアゾイエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー74、大日精化工業株式会社製)・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記の界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記の顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してイエロー顔料界面活性剤分散体を得た。得られたイエロー顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ76nmであった。
作製例C−3:マゼンタ顔料界面活性剤分散体の作製
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)
・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散体を得た。得られたマゼンタ顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ86nmであった。
・キナクリドン顔料(C.I.ピグメントレッド122、大日精化工業株式会社製)
・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmのジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してマゼンタ顔料界面活性剤分散体を得た。得られたマゼンタ顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ86nmであった。
作製例C−4:シアン顔料界面活性剤分散体の作製
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製
・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散体を得た。得られたシアン顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ106nmであった。
・フタロシアニン顔料(C.I.ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製
・・・20.0質量部
・ポリオキシエチレン−β−ナフチルエーテル(ノニオン系界面活性剤、竹本油脂株式会社製、RT−100、HLB値=18.5) ・・・7.0質量部
・イオン交換水・・・73.0質量部
まず、上記界面活性剤をイオン交換水に溶解し、上記顔料を混合して充分に湿潤したところで、湿式分散機(ダイノーミルKDL A型、WAB社製)に直径0.5mmジルコニアビーズを充填し、2,000rpmで2時間分散を行い、一次顔料分散体を得た。次に、一次顔料分散体に水溶性高分子化合物水溶液として、水溶性ポリウレタン樹脂(タケラックW−5661、三井化学株式会社製、有効成分35.2質量%、酸価40mgKOH/g、分子量18,000)を2.84質量部添加し、充分に撹拌してシアン顔料界面活性剤分散体を得た。得られたシアン顔料界面活性剤分散体における顔料分散体の平均粒子径(D50)を粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を用いて測定したところ106nmであった。
<インクの調整>
各インクジェット用インクの作製は、以下の手順で行った。まず、表10−1、10−2に示される水溶性有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合する。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散体、抑泡剤、pH調整剤を添加し1時間攪拌する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、インク(K1,…,K4,Y1,…,Y4,M1,…,M4,C1,…,C4)を作製した。
各インクジェット用インクの作製は、以下の手順で行った。まず、表10−1、10−2に示される水溶性有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、防カビ剤、及び水を混合し、1時間攪拌を行い均一に混合する。また、混合液によっては水分散性樹脂を添加して1時間撹拌し、顔料分散体、抑泡剤、pH調整剤を添加し1時間攪拌する。この分散液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、インク(K1,…,K4,Y1,…,Y4,M1,…,M4,C1,…,C4)を作製した。
*CAB−O−JET260:CABOT製、顔料固形分11%、マゼンタ自己分散顔料
*CAB−O−JET250:CABOT製、顔料固形分11%、シアン自己分散顔料
*CAB−O−JET270:CABOT製、顔料固形分11%、イエロー自己分散顔料
*CAB−O−JET300:CABOT製、顔料固形分15%、ブラック自己分散顔料
*アクリル−シリコーン樹脂エマルジョン:昭和高分子株式会社製、ポリゾールROY6312、固形分40質量%、平均粒子径171nm、最低造膜温度(MFT(Minimum Film−forming Temperature))20℃
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*KM−72F:自己乳化型シリコーン消泡剤(信越シリコーン株式会社製、成分100質量%)
*(F−1)−e式の化合物:
C4F9−CH2CH(OH)CH2O−(CH2CH2O)25−C12H25
*(F−2)式の化合物:
CF3CF2(CF2CF2)j−CH2CH2O−(CH2CH2O)kH
但し、(F−2)式中、jは0〜10を示し、kは0〜40の整数を示す。
*(F−3−1)式の化合物:
次に、作製された各インクについて以下に示す評価方法にて評価した。結果を表4に示す。
平均粒径(D50):粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を使用して、25℃で測定した。
粘度 :粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
表面張力 :全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
平均粒径(D50):粒度分布測定装置(日機装株式会社製、ナノトラックUPA−EX150)を使用して、25℃で測定した。
粘度 :粘度計(RE−550L、東機産業株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
表面張力 :全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
<<液体組成物(前処理液)の作製>>
<カチオンポリマーの作製>
作製例A−1:N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7対0.3)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた1Lセパラブルフラスコ反応容器中に、濃度71.66wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液237.58g(1.4モル)と濃度60.17wt%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液147.23g(0.6モル)とを入れ、モノマー濃度67.27wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム4.56g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始して、2時間、4時間経過した後にも、それぞれ4.56g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。さらに、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間及び28時間経過した後にも、それぞれ9.13g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応をさらに3時間続けN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7対0.3)の褐色の溶液(作製例A−1)を得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は1800であった。
<カチオンポリマーの作製>
作製例A−1:N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7対0.3)
攪拌機、温度計及び還流冷却器を備えた1Lセパラブルフラスコ反応容器中に、濃度71.66wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液237.58g(1.4モル)と濃度60.17wt%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液147.23g(0.6モル)とを入れ、モノマー濃度67.27wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム4.56g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始して、2時間、4時間経過した後にも、それぞれ4.56g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。さらに、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間及び28時間経過した後にも、それぞれ9.13g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応をさらに3時間続けN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.7対0.3)の褐色の溶液(作製例A−1)を得た。GPC(Gel Permeation Chromatography)法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は1800であった。
作製例A−2:N,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.9対0.1)
作整例A−1と同じ反応容器中に、濃度61.54wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液533.56g(2.7モル)と濃度60.17wt%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液73.62g(0.3モル)とを入れ、モノマー濃度61.37wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム6.85g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始して2時間及び4時間経過した後にも、それぞれ6.85g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。さらに、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、47時間及び48時間経過した後にも、それぞれ13.69g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応をさらに2時間続けN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.9対0.1)の褐色の溶液(作製例A−2)を得た。GPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は700であった。
作整例A−1と同じ反応容器中に、濃度61.54wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液533.56g(2.7モル)と濃度60.17wt%のN−メチルジアリルアミン塩酸塩水溶液73.62g(0.3モル)とを入れ、モノマー濃度61.37wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、過硫酸アンモニウム6.85g(モノマーに対して1.0モル%)を添加し重合を開始した。重合を開始して2時間及び4時間経過した後にも、それぞれ6.85g(モノマーに対して1.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。さらに、23時間、24時間、25時間、26時間、27時間、47時間及び48時間経過した後にも、それぞれ13.69g(モノマーに対して2.0モル%)の過硫酸アンモニウムを添加した。その後、重合反応をさらに2時間続けN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩とN−メチルジアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.9対0.1)の褐色の溶液(作製例A−2)を得た。GPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は700であった。
作製例A−3:モノアリルアミン塩酸塩とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比0.5対0.5)
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mlの三口フラスコに、濃度72.11wt%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液64.87g(0.50モル)と濃度60.21wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液100.99g(0.50モル)とを入れ、水13.45gを加えて、モノマー濃度60wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩8.68g(モノマーに対して3.2モル%)を添加し重合を開始した。また、重合を開始して、24時間、48時間及び72時間経過した後にも、それぞれ8.68gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。その後、重合反応をさらに24時間続けた。その後、得られた淡黄色の反応溶液を3リットルのアセトン−イソプロパノール混合溶媒(重量比1対1)中に入れ、共重合体を再沈させて、ガラス濾過器で濾過し、十分に洗浄した後、60℃で48時間真空乾燥して、モノアリルアミン塩酸塩とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比 0.5対0.5)の褐色の溶液(調整例A−3)を得た。GPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は800であった。
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mlの三口フラスコに、濃度72.11wt%のモノアリルアミン塩酸塩水溶液64.87g(0.50モル)と濃度60.21wt%のN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩水溶液100.99g(0.50モル)とを入れ、水13.45gを加えて、モノマー濃度60wt%の水溶液を得た。この水溶液を60℃に加温し、温度が一定になってから、ラジカル重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩8.68g(モノマーに対して3.2モル%)を添加し重合を開始した。また、重合を開始して、24時間、48時間及び72時間経過した後にも、それぞれ8.68gの2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩を添加した。その後、重合反応をさらに24時間続けた。その後、得られた淡黄色の反応溶液を3リットルのアセトン−イソプロパノール混合溶媒(重量比1対1)中に入れ、共重合体を再沈させて、ガラス濾過器で濾過し、十分に洗浄した後、60℃で48時間真空乾燥して、モノアリルアミン塩酸塩とN,N−ジメチルアリルアミン塩酸塩との共重合体(仕込みモル比 0.5対0.5)の褐色の溶液(調整例A−3)を得た。GPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は800であった。
作製例A−4:ジアリルジメチルアミン塩酸塩・二酸化硫黄共重合体
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mlの四口フラスコに、濃度1mol/Lのジアリルジメチルアミン塩酸塩/ジメチルスルホキシド100mlと濃度1mol/Lの二酸化硫黄/ジメチルスルホキシド溶液100mlとを混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.82gを加えて、40℃で24時間重合した。反応溶液をメタノール中に滴下して共重合体を沈殿させ、ガラスフィルターにて濾過し、減圧乾燥して18gの共重合ポリマー調整例A−4を得た。ポリエチレングリコールを標準にしたGPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は、約3,000であった。このポリマーの繰り返し単位は(14)式の通りである。
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた300mlの四口フラスコに、濃度1mol/Lのジアリルジメチルアミン塩酸塩/ジメチルスルホキシド100mlと濃度1mol/Lの二酸化硫黄/ジメチルスルホキシド溶液100mlとを混合し、重合開始剤としてアゾビスイソブチロニトリル0.82gを加えて、40℃で24時間重合した。反応溶液をメタノール中に滴下して共重合体を沈殿させ、ガラスフィルターにて濾過し、減圧乾燥して18gの共重合ポリマー調整例A−4を得た。ポリエチレングリコールを標準にしたGPC法により求められたこの共重合体の重量平均分子量は、約3,000であった。このポリマーの繰り返し単位は(14)式の通りである。
作製例A−5:ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた500mlの四口フラスコに、濃度60重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液134.7g(0.5モル)および蒸留水176gを仕込み、塩酸でpH3〜4に調整した。次にアクリルアミド18.3g(0.25モル)および次亜リン酸ナトリウム3.9gを加え、50℃で攪拌溶解させた。次に内温を60℃まで昇温し、濃度28.5重量%の過硫酸アンモニウム水溶液1.7gを添加した。そして内温を60〜65℃に保ちながら、4時間後に更に3.5gを添加した。その後60℃で20時間反応させ、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体(作製例A−5)を得た。また、重量平均分子量をGPC法により求めたところ、3,000であった。
撹拌機、温度計及び還流冷却器を備えた500mlの四口フラスコに、濃度60重量%のジアリルジメチルアンモニウムクロリド水溶液134.7g(0.5モル)および蒸留水176gを仕込み、塩酸でpH3〜4に調整した。次にアクリルアミド18.3g(0.25モル)および次亜リン酸ナトリウム3.9gを加え、50℃で攪拌溶解させた。次に内温を60℃まで昇温し、濃度28.5重量%の過硫酸アンモニウム水溶液1.7gを添加した。そして内温を60〜65℃に保ちながら、4時間後に更に3.5gを添加した。その後60℃で20時間反応させ、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド・アクリルアミド共重合体(作製例A−5)を得た。また、重量平均分子量をGPC法により求めたところ、3,000であった。
<液体組成物(前処理液)の作製>
液体組成物の作製は、以下の手順で行った。まず、下記表12に示す材料を混ぜ、1時間攪拌を行い均一に混合する。この前処理液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、液体組成物1〜11を作製した。液体組成物1〜11の物性を表13に示す。尚、液体組成物の表面張力の測定は、インクの表面張力の測定と同様に行った。塗布性については、液体組成物をロールコーターで記録媒体に塗布し、以下の基準により目視で評価した。
〔評価基準〕
○ : 問題なし(泡立ち、塗布ムラなし)
△ : 若干問題あり(泡立ち、塗布ムラ若干あり)
液体組成物の作製は、以下の手順で行った。まず、下記表12に示す材料を混ぜ、1時間攪拌を行い均一に混合する。この前処理液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、液体組成物1〜11を作製した。液体組成物1〜11の物性を表13に示す。尚、液体組成物の表面張力の測定は、インクの表面張力の測定と同様に行った。塗布性については、液体組成物をロールコーターで記録媒体に塗布し、以下の基準により目視で評価した。
〔評価基準〕
○ : 問題なし(泡立ち、塗布ムラなし)
△ : 若干問題あり(泡立ち、塗布ムラ若干あり)
*乳酸アンモニウム:関東化学製、純度73〜77%
*酢酸アンモニウム:関東化学製、純度97%以上
*酒石酸アンモニウム:関東化学製、純度98%以上
*シャロールDC−902P:ポリジメチルジアリルアンモニウムクロライド(第一工業製薬株式会社製、有効成分52質量%、平均分子量9000)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*(F−1)−e式、(F−2)式、(F−3−1)式、(F−4−1)式:表10−1及び表10−2のものと同じ化合物を示す。
<画像形成>
−前処理工程(実施例11〜21,比較例10,12〜17)−
表14に示す記録用メディアに、液体組成物1〜11を、表14に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例11〜21,比較例9〜17)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表14に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例11〜21,比較例11〜16)
表14に示す後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例17は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
−前処理工程(実施例11〜21,比較例10,12〜17)−
表14に示す記録用メディアに、液体組成物1〜11を、表14に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例11〜21,比較例9〜17)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表14に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例11〜21,比較例11〜16)
表14に示す後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例17は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
*インクセット1:インクM1、インクC1、インクY1、インクK1
*インクセット2:インクM2、インクC2、インクY2、インクK2
*インクセット3:インクM3、インクC3、インクY3、インクK3
*インクセット4:インクM4、インクC4、インクY4、インクK4
表14中の記録用メディア、後処理液は表6と同じものを示す。
次に、実施例11〜21及び比較例9〜17について、実施例1〜10及び比較例1〜8における評価方法と同様にして、画像濃度、画像彩度、ビーディング、画像光沢、及びスミア定着性を評価した。結果を表15に示す。また、比較例17については、後処理を施すことができなかったためスミア定着性と光沢度は未評価とした。
<<<実施例23〜35,比較例18〜25>>>
<<液体組成物の作製>>
<ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の作製>
作製例D−1:アミン−エピクロロヒドリン共重合体
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに水95.1g、58%トリメチルアミン塩酸塩水溶液131.8g(0.8モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながらエピクロロヒドリン74.0g(0.8モル)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで昇温させ1時間かけて反応させた。その後、30℃に冷却し、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)と水酸化カルシウム14.8g(0.2モル)とを加え、80℃まで昇温させ1時間かけて反応させた。その後、塩酸及び水にて反応液をpH4.0、固形分濃度50%となるように調整し、作製例D−1を得た。
<<液体組成物の作製>>
<ポリアミン−エピハロヒドリン共重合体、ポリアミド−エピハロヒドリン共重合体又はポリアミドポリアミン−エピハロヒドリン共重合体の作製>
作製例D−1:アミン−エピクロロヒドリン共重合体
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに水95.1g、58%トリメチルアミン塩酸塩水溶液131.8g(0.8モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながらエピクロロヒドリン74.0g(0.8モル)を3時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで昇温させ1時間かけて反応させた。その後、30℃に冷却し、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)と水酸化カルシウム14.8g(0.2モル)とを加え、80℃まで昇温させ1時間かけて反応させた。その後、塩酸及び水にて反応液をpH4.0、固形分濃度50%となるように調整し、作製例D−1を得た。
作製例D−2:アミン−エピクロロヒドリン共重合体
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに水36.8g、30%トリメチルアミン水溶液157.6g(0.8モル)、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)、ジエチルアミン7.3g(0.1モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながらエピクロロヒドリン92.5g(1.0モル)を4時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで昇温させてその温度で2時間かけて反応させた。その後、30℃に冷却し、硫酸及び水にて反応液をpH3.9、固形分濃度50%となるように調整し、作製例D−2を得た。
攪拌機、温度計、還流冷却管及び窒素ガス導入管を付した500mlの四つ口フラスコに水36.8g、30%トリメチルアミン水溶液157.6g(0.8モル)、50%ジメチルアミン水溶液36.1g(0.4モル)、ジエチルアミン7.3g(0.1モル)を仕込み、窒素ガス導入下で40℃を越えないように冷却しながらエピクロロヒドリン92.5g(1.0モル)を4時間かけて滴下した。滴下終了後、80℃まで昇温させてその温度で2時間かけて反応させた。その後、30℃に冷却し、硫酸及び水にて反応液をpH3.9、固形分濃度50%となるように調整し、作製例D−2を得た。
作製例D−3:ポリアミドポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体
温度計、冷却器、撹拌機、窒素導入管を備えた3リットルの四つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン495g(4.8モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸877g(6.0モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、150℃で5時間反応させた後、水1000gを徐々に加えてポリアミドポリアミン含有液を得た。このポリアミドポリアミン含有液は固形分が52.1%であり、その固形分が50%のときの25℃における粘度は380mPa・sであった。前記で得られたポリアミドポリアミン含有液100g(アミノ基として0.214モル)、酢酸3.8g(30当量%)及び30%水酸化ナトリウム水溶液4.3g(15当量%)を仕込み、水6.7gを加えて固形分を50%とした。次いで、30℃でエピクロロヒドリン19.8g(100当量%)を1時間かけて滴下した後、同温度で1時間保持し、メタ重亜硫酸ナトリウム0.8g(2当量%)を添加し、エピクロロヒドリン滴下開始後から5時間同温度で保持した。次いで、98%硫酸1.1g(10当量%)及び水127.0gを加えて固形分を30%とした後、75℃まで加熱した。さらに、前記反応液の25℃における粘度が300mPa・sに達するまでこの温度で保持した後に、水40.5gを添加して固形分を26%とし、25℃以下に冷却した後、30%硫酸にてpH3.5に調整し、次いで88%ギ酸にてpH3.0に調整し、固形分濃度25.0%、15%時の粘度51.6mPa・sの作製例D−3を得た。
温度計、冷却器、撹拌機、窒素導入管を備えた3リットルの四つ口丸底フラスコにジエチレントリアミン495g(4.8モル)を仕込み、攪拌しながらアジピン酸877g(6.0モル)を加え、生成する水を系外に除去しながら昇温し、150℃で5時間反応させた後、水1000gを徐々に加えてポリアミドポリアミン含有液を得た。このポリアミドポリアミン含有液は固形分が52.1%であり、その固形分が50%のときの25℃における粘度は380mPa・sであった。前記で得られたポリアミドポリアミン含有液100g(アミノ基として0.214モル)、酢酸3.8g(30当量%)及び30%水酸化ナトリウム水溶液4.3g(15当量%)を仕込み、水6.7gを加えて固形分を50%とした。次いで、30℃でエピクロロヒドリン19.8g(100当量%)を1時間かけて滴下した後、同温度で1時間保持し、メタ重亜硫酸ナトリウム0.8g(2当量%)を添加し、エピクロロヒドリン滴下開始後から5時間同温度で保持した。次いで、98%硫酸1.1g(10当量%)及び水127.0gを加えて固形分を30%とした後、75℃まで加熱した。さらに、前記反応液の25℃における粘度が300mPa・sに達するまでこの温度で保持した後に、水40.5gを添加して固形分を26%とし、25℃以下に冷却した後、30%硫酸にてpH3.5に調整し、次いで88%ギ酸にてpH3.0に調整し、固形分濃度25.0%、15%時の粘度51.6mPa・sの作製例D−3を得た。
作製例D−4:ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体
撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付した1リットルの四つ口フラスコに水443.85部、ジエチレントリアミン41.27部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン111.04部を40℃を越えないよう1.5時間かけて滴下した後、オクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミン19.4部を加え30分撹拌後、エピクロロヒドリン18.51部を40℃を越えないよう0.5時間かけて滴下し、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを7.5に調整し、引続き1.5時間保温した。30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し冷却して反応を完結させた。得られた反応生成物は、固形分30.2%、粘度7.6cps(固形分濃度10%)、pH3.9の作製例D−4を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付した1リットルの四つ口フラスコに水443.85部、ジエチレントリアミン41.27部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン111.04部を40℃を越えないよう1.5時間かけて滴下した後、オクタハイドロ−4,7−メタノインデン−1(2),5(6)−ジメタンアミン19.4部を加え30分撹拌後、エピクロロヒドリン18.51部を40℃を越えないよう0.5時間かけて滴下し、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えpHを7.5に調整し、引続き1.5時間保温した。30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し冷却して反応を完結させた。得られた反応生成物は、固形分30.2%、粘度7.6cps(固形分濃度10%)、pH3.9の作製例D−4を得た。
作製例D−5:ポリアミン−エピクロロヒドリン共重合体
撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付した1リットルの四つ口フラスコに水657.2部、トリエチレンテトラミン58.4部、50%ジメチルアミン108部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン192.4部を40℃を越えないよう1.5時間かけて滴下した後、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整し、さらに70℃で1.5時間保温して30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し、冷却して反応を完結させた。得られた反応生成物は固形分濃度29.9%、粘度20cps(固形分濃度10%)、pH3.5の作製例D−5を得た。
撹拌機、温度計、還流冷却管および窒素ガス導入管を付した1リットルの四つ口フラスコに水657.2部、トリエチレンテトラミン58.4部、50%ジメチルアミン108部を仕込み、窒素ガス導入下でエピクロロヒドリン192.4部を40℃を越えないよう1.5時間かけて滴下した後、70℃に昇温し、1.5時間保温した。次いで、30%水酸化ナトリウム水溶液でpH7.5に調整し、さらに70℃で1.5時間保温して30%硫酸水溶液でpHを3.5に調整し、冷却して反応を完結させた。得られた反応生成物は固形分濃度29.9%、粘度20cps(固形分濃度10%)、pH3.5の作製例D−5を得た。
<液体組成物II(前処理液)の作製>
液体組成物IIの作製は、以下の手順で行った。まず、表16に示す材料を混ぜ、1時間攪拌を行い均一に混合する。この前処理液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、液体組成物II−1〜13を作製した。液体組成物II−1〜13の物性を表17に示す。
表面張力 :全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
液体組成物IIの作製は、以下の手順で行った。まず、表16に示す材料を混ぜ、1時間攪拌を行い均一に混合する。この前処理液を平均孔径5.0μmのポリビニリデンフロライドメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子やごみを除去して、液体組成物II−1〜13を作製した。液体組成物II−1〜13の物性を表17に示す。
表面張力 :全自動表面張力計(CBVP−Z、協和界面科学株式会社製)を使用して、25℃で測定した。
*乳酸アンモニウム:関東化学製、純度73〜77%
*酢酸アンモニウム:関東化学製、純度97%以上
*WS−4020:ポリアミド−エピクロロヒドリン共重合体(星光PMC株式会社製、有効成分25質量%)
*ソフタノールEP−7025:ポリオキシアルキレンアルキルエーテル(日本触媒株式会社製、成分100質量%)
*Proxel GXL:1,2−benzisothiazolin−3−oneを主成分とした防カビ剤(アビシア社製、成分20質量%、ジプロピレングリコール含有)
*シャロール DM−283P:下記式で示される第四級アンモニウム塩型カチオン性高分子化合物(第一工業製薬株式会社製、有効成分50質量%水溶液、分子量約28,000)
<画像形成>
−前処理工程(実施例23〜35,比較例19,21〜25)−
表18に示す記録用メディアに、液体組成物II−1〜13を、表18に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例23〜35,比較例18〜25)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表18に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例23〜35,比較例20〜24)
後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例25は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
−前処理工程(実施例23〜35,比較例19,21〜25)−
表18に示す記録用メディアに、液体組成物II−1〜13を、表18に示すwet付着量でロールコート法により塗布し、自然乾燥して前処理を行った。
−インク飛翔工程(実施例23〜35,比較例18〜25)−
温度23±2℃、50±15%RHに調整された環境下、インクジェットプリンタIPSiO GX5000(リコー社製)のインクの吐出量が均しくなるようにピエゾ素子の駆動電圧を変動させ、記録用メディアに同じ付着量のインクが付くように設定した。次に、インクジェットプリンタの印字モードを「光沢紙_きれい」に設定し、表18に記載の記録用メディア及びインクセットを用いて画像を形成したのち温風乾燥して画像を一時定着させた。
−後処理工程(実施例23〜35,比較例20〜24)
後処理液をロールコート法で塗布し、温風乾燥した。また、必要に応じて熱定着ローラで平滑に定着させた。尚、比較例25は、インク飛翔工程においてインクが定着せず、保護層を作成できなかった。
次に、実施例23〜35及び比較例18〜25について、実施例1〜10及び比較例1〜8における評価方法と同様にして、画像濃度、画像彩度、ビーディング、画像光沢、及びスミア定着性を評価した。結果を表15に示す。また、比較例25については、後処理を施すことができなかったためスミア定着性と光沢度は未評価とした。
本発明の画像記録方法及び画像形成記録物は、インクジェット記録方式による各種記録に適用することができ、例えば、少量オフセット印刷の代替として好適に用いられる。
1 前処理液
2 膜厚制御ローラ
3 汲み上げローラ
4 付与ローラ
5 カウンタローラ
6 被記録材
7 給紙ローラ
8 給紙トレイ
10 被記録材押えローラ
11、12、13、14、15、16 被記録材送りローラ
17 被記録材
18 給紙ローラ
20 記録ヘッド
21 インクカートリッジ
22 キャリッジ軸
23 キャリッジ
31 被記録材ガイド
32、33 被記録材送りローラ
34 被記録材戻しガイド
35 搬送経路切替ガイド
2 膜厚制御ローラ
3 汲み上げローラ
4 付与ローラ
5 カウンタローラ
6 被記録材
7 給紙ローラ
8 給紙トレイ
10 被記録材押えローラ
11、12、13、14、15、16 被記録材送りローラ
17 被記録材
18 給紙ローラ
20 記録ヘッド
21 インクカートリッジ
22 キャリッジ軸
23 キャリッジ
31 被記録材ガイド
32、33 被記録材送りローラ
34 被記録材戻しガイド
35 搬送経路切替ガイド
Claims (16)
- 支持体の少なくとも一方の面上に塗工層を有する記録用メディアの前記塗工層を有する面に前処理液を付着させる前処理工程と、
前記記録用メディアの前記前処理液を付着させた面上に、水分散性着色剤、水溶性有機溶剤、界面活性剤、浸透剤、及び水を含有するインクジェット用インクを付着させて画像を形成する画像形成工程と、
前記記録用メディアの前記インクジェット用インクを付着させた面上に、後処理液を付着させて保護層を形成する後処理工程と、を有する画像形成方法であって、
動的走査吸液計によって測定される接触時間100msにおける純水の前記記録用メディアの前記塗工層を有する面への転移量が1ml/m2〜10ml/m2であり、
前記前処理液が、水溶性脂肪族系有機酸を含有することを特徴とする画像形成方法。 - 前記水溶性脂肪族系有機酸の炭素数が2〜6であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
- 前記前処理液が、水溶性有機モノアミン化合物を含有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記前処理液が、有機アンモニウム塩を含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記前処理液が、水溶性カチオンポリマーを含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記前処理液の静的表面張力が30mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記水分散性着色剤が顔料であり、
該顔料がアニオン性の自己分散性顔料及びアニオン性樹脂により被覆された顔料からなる群から選択される少なくとも1種であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の画像形成方法。 - 前記インクジェット用インクの静的表面張力が30mN/m以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記後処理液が、熱可塑性樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至10のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記熱可塑性樹脂が水分散性樹脂であり、そのガラス転移温度が−30℃以上であり、かつ、最低造膜温度が50℃以下であるであることを特徴とする請求項11に記載の画像形成方法。
- 前記水分散性樹脂が、アクリル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、ウレタン樹脂、アクリル−シリコーン樹脂及びフッ素樹脂の群から選択される少なくとも1種の化合物であることを特徴とする請求項12に記載の画像形成方法。
- 前記後処理液の前記記録用メディアに対する乾燥付着量が0.5g/m2〜10g/m2であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 前記後処理液を塗布し又は飛翔させた前記記録用メディアを、加熱手段により100℃〜150℃に加熱し、前記インクジェット用インクを記録用メディアに熱定着させる定着工程を設けたことを特徴とする請求項1乃至14のいずれか1項に記載の画像形成方法。
- 請求項1乃至15のいずれか1項に記載の画像形成方法により作製されたことを特徴とする画像形成物。
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