JP2016112725A - インクジェット記録方法、及び、インクジェット記録装置 - Google Patents
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Abstract
Description
従来のインクジェット記録方法としては、例えば、特許文献1及び2に記載されているものが知られている。
また、従来の感圧複写紙としては、特許文献3及び4に記載されているものが知られている。
<1>ノーカーボン紙へインクジェット方式にてインクを吐出する吐出工程を含み、前記吐出において、複数の滴量からなるインクドットを吐出し、前記インクの静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であることを特徴とするインクジェット記録方法、
<2>前記インクの吐出を行う記録面が、上用紙のノーカーボン原紙面及び/又は着色剤層である、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<3>前記インクの吐出を行う記録面が、中用紙の発色剤層及び/又は着色剤層である、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<4>前記インクの吐出を行う記録面が、下用紙の着色剤層及び/又はノーカーボン原紙面である、<1>に記載のインクジェット記録方法、
<5>インクジェット方式にて複数の滴量からなるインクドットを吐出する吐出手段を有し、静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であるインク、及び、ノーカーボン紙を備えることを特徴とするノーカーボン紙印刷用インクジェット記録装置。
上記<2>に記載の発明によれば、上用紙のいずれの面へのインクジェット印刷時においても白スジ及び裏抜けの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することができる。
上記<3>に記載の発明によれば、中用紙のいずれの面へのインクジェット印刷時においても白スジ及び裏抜けの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することができる。
上記<4>に記載の発明によれば、下用紙のいずれの面へのインクジェット印刷時においても白スジ及び裏抜けの発生を抑制することができるインクジェット記録方法を提供することができる。
上記<5>に記載の発明によれば、インクジェット方式にて複数の滴量からなるインクドットを吐出する吐出手段を有しないか、又は、静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であるインクを用いない場合に比べて、ノーカーボン紙へのインクジェット印刷時における白スジ及び裏抜けの発生を抑制することができるインクジェット記録装置を提供することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法(以下、単に「記録方法」ともいう。)は、ノーカーボン紙へインクジェット方式にてインクを吐出する吐出工程を含み、前記吐出において、複数の滴量からなるインクドットを吐出し、前記インクの静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であることを特徴とする。
本実施形態のノーカーボン紙印刷用インクジェット記録装置(以下、単に「インクジェット記録装置」又は「記録装置」ともいう。)は、インクジェット方式にて複数の滴量からなるインクドットを吐出する吐出手段を有し、静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であるインク、及び、ノーカーボン紙を備えることを特徴とする。
具体的には、上用紙の裏面にロイコ染料等の発色剤を含むマイクロカプセルを含有する発色剤層を形成し、中用紙の表面に顕色剤層を形成した場合、上用紙の表面に記入すると筆圧でマイクロカプセルが破裂し、ロイコ染料等の発色剤と顕色剤とが反応することで発色する。
また、ノーカーボン紙としては、自己発色するタイプのものも知られており、例えば、基材の一方の面上に発色剤層及び顕色剤層を有するシングル型や、基材の一方の面上に発色剤層及び顕色剤層を有し、他方の面上に発色剤層を有する用紙と、基材の一方の面上に顕色剤層を有する用紙とを組み合わせるダブル型などが挙げられる。
ノーカーボン紙は、坪量の低い比較的薄いノーカーボン原紙から作製され、インクの吸収性が低いこと、その表面に発色剤層や顕色剤層といった複写機能を持たせた層が有るために、インクジェット印刷適性に劣り、印刷欠陥を生じ易かった。
本発明者等が詳細に検討した結果、動的表面張力の各値が特定の範囲であるインクを使用することにより、ノーカーボン紙へのインクジェット記録を行っても、白スジ及び裏抜けの発生を抑制することができることを見いだした。
詳細な機構は不明であるが、上記特定のインクであると、ノーカーボン紙の紙面と平行な方向にインクが濡れ拡がり易く、白スジの発生を抑制できるとともに、裏抜けの発生も抑制できると推定される。
本実施形態のインクジェット記録方法は、ノーカーボン紙へインクジェット方式にてインクを吐出する吐出工程を含み、前記吐出において、複数の滴量からなるインクドットを吐出する。
本実施形態のインクジェット記録装置は、インクジェット方式にて複数の滴量からなるインクドットを吐出する吐出手段を有する。
インク液滴の吐出に用いるインクジェットヘッドは、特に制限はなく、公知のインクジェットヘッドが用いられ、例えば、ピエゾ型のインクジェットヘッドや、サーマル型のインクジェットヘッドが挙げられる。
上記複数の滴量からなるインクドットは、1つのインクジェットヘッドから2以上の滴量のインクを吐出してもよいし、2以上のインクジェットヘッドから異なる滴量のインクを吐出してもよい。
インクの吐出温度は、特に制限はなく、使用するインクに応じて調製することができる。
本実施形態のインクジェット記録方法において、インクの吐出は、必要に応じ、複数回行ってもよい。例えば、記録媒体の同一の箇所に、1種類のインクを複数回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ1回吐出してもよいし、2種以上のインクをそれぞれ複数回吐出してもよい。
本実施形態に用いられるインクは、1種のみを使用しても、2種以上を使用してもよい。例えば、カラー画像を形成する場合は、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色インクが好適に用いられる。
なお、1つのノズルから複数の体積のドロップを噴射することが可能であるインクジェット装置において、上記1ドロップ当たりの液体質量とは、印字可能な最小ドロップのドロップ量を指すこととする。
また、インク供給系は、例えば、インクを含む元タンク、供給配管、インクジェットヘッド直前のインクタンク、フィルター、ピエゾ型のインクジェットヘッドからなる態様が好ましく挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録方法及び本実施形態のインクジェット記録装置に用いられる記録媒体は、ノーカーボン紙であり、上用紙、中用紙、及び、下用紙のいずれにおいても、インクジェット印刷時における白スジ及び裏抜けの発生が抑制される。
本発明のインクジェット記録方法においては、インクの吐出を行う記録面が、上用紙のノーカーボン原紙面及び/又は着色剤層、中用紙の発色剤層及び/又は着色剤層、下用紙の着色剤層及び/又はノーカーボン原紙面のいずれであっても、インクジェット記録時の白スジ及び裏抜けの発生がより抑制される。
ノーカーボン紙の坪量は、20〜60g/m2であることが好ましく、30〜50g/m2であることがより好ましい。
また、発色剤層に用いる発色剤及びマイクロカプセル、並びに、顕色剤層に用いる顕色剤などの発色剤層並びに顕色剤層の構成としては、特に制限はなく、公知のものを用いることができる。例えば、特開2007−203496号公報、特開平11−78227号公報、及び、特開2012−210791号公報等に記載されたものが例示される。
また、本実施形態のインクジェット記録方法は、本実施形態のインクジェット記録装置を用いて行うことが好ましい。
本実施形態に用いられるインクは、静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下である。
本実施形態に用いられるインクは、界面活性剤、及び、水を含む水性インクであることが好ましく、界面活性剤、水溶性有機溶媒、及び、水を含む水性インクであることがより好ましく、着色剤、高分子粒子、界面活性剤、水溶性有機溶媒、及び、水を含む水性インクであることが更に好ましい。上記態様であると、インクジェット印刷時における白スジ及び裏抜けの発生がより抑制される。
本実施形態における静的表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した値である。
なお、1msec後での動的表面張力の値とは、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1msecで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値である。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1msec後での動的表面張力の場合、0msec後での動的表面張力として表記されることがある。この場合、0msec後での動的表面張力の値を1msec後での動的表面張力の値として採用する。
一方、1sec後での動的表面張力の値とは、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1secで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値である。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1sec未満後の動的表面張力の場合、測定限界での動的表面張力の値を1sec後での動的表面張力の値として採用する。これは、測定限界での動的表面張力の値であれば、動的表面張力が安定領域にあると判断できるためである。
本実施形態に用いられるインクにおける1sec後での動的表面張力は、白スジ及び裏抜けをより抑制する点から、30mN/m未満であることが好ましく、20〜29.8mN/mであることが好ましく、22〜29.5mN/mであることがより好ましく、25〜29.5mN/mであることが更に好ましい。
前記インクにおいて、静的表面張力、及び、動的表面張力の変化幅を上記範囲とするには、前記インクは界面活性剤を含有することが好ましい。つまり、界面活性剤の種類及び量により、静的表面張力、及び、動的表面張力の変化幅を調整することが好ましい。
・HLB=20×(親水部の式量の総和/分子量)
アセチレングリコール化合物のエチレンオキサイド付加物の市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す。)としては、例えば、オルフィン E1004(7〜9)、オルフィン E1010(13〜14)、オルフィン EXP.4001(8〜11)、オルフィン EXP.4123(11〜14)、オルフィン EXP.4300(10〜13),サーフィノール104H(4)、サーフィノール 420(4)、サーフィノール 440(4)、ダイノール 604(8)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
ポリエーテル変性シリコーンの市販品(なお、括弧内の数値はHLBのカタログ値を示す。)としては、シルフェイス SAG 002(12)、シルフェイス SAG 503A(11)、シルフェイス SAG 005(7)(以上、日信化学工業(株)製)等が挙げられる。
これらの中でも、アニオン性界面活性剤としては、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、イソプロピルナフタレンスルホン酸塩、モノブチルフェニルフェノールモノスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、モノブチルビフェニルスルホン酸塩、ジブチルフェニルフェノールジスルホン酸塩等が好ましく挙げられる。
これらの中でも、ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンドデシルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、脂肪酸アルキロールアミド、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールブロックコポリマー、アセチレングリコールが好ましく挙げられる。
また、前記インクが界面活性剤を2種以上含有する場合、各界面活性剤の含有量は、インクの全重量に対し、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜5重量%であることがより好ましく、0.1〜3重量%であることが更に好ましく、0.2〜1.5重量%であることが特に好ましい。上記範囲であると、目的とする動的表面張力への調製が容易であり、また、ノーカーボン紙へのインクジェット印刷時における白スジ及び裏抜けの発生がより抑制される。
本実施形態に用いられるインクは、着色剤を含有することが好ましい。
着色剤としては、顔料が好ましく挙げられる。
顔料としては、有機顔料、及び、無機顔料が挙げられ、特に制限はなく、公知の顔料が用いられる。
マゼンタ顔料の具体例としては、C.I.Pigment Red 5,7,12,48,48:1,57,112,122,123,146,168,177,184,202,C.I.Pigment Violet 19等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
イエロー顔料の具体例としては、C.I.Pigment Yellow 1,2,3,12,13,14,16,17,73,74,75,83,93,95,97,98,114,128,129,138,151,154,180等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらの中でも、本実施形態に用いられるインクは、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を含有することが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を、インクの全重量に対し、0.1〜10重量%含有することが好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体中和物を、インクの全重量に対し、0.5〜5重量%含有することがより好ましい。
スチレン−アクリル酸共重合体中和物としては、スチレン−アクリル酸共重合体のアルカリ金属塩が好ましく、スチレン−アクリル酸共重合体のナトリウム塩がより好ましい。
顔料分散剤の含有量は、顔料により大きく異なるため一概には言えないが、顔料100重量部に対し、0.1〜100重量部であることが好ましい。
自己分散型顔料とは、顔料表面に水に対する可溶化基を有し、高分子分散剤が存在しなくとも水中で分散する顔料のことを指す。自己分散型顔料は、例えば、顔料に対して酸・塩基処理、カップリング剤処理、ポリマーグラフト処理、プラズマ処理、酸化/還元処理等の表面改質処理を施すことにより得られる。
また、顔料としては、高分子化合物を顔料に物理的に吸着又は化学的に結合させた樹脂分散型顔料も挙げられる。
また、顔料としては、黒色顔料やシアン、マゼンタ、イエローの3原色顔料のほか、赤、緑、青、茶、白等の特定色顔料や、金、銀色等の金属光沢顔料、無色又は淡色の体質顔料、プラスチックピグメント等も挙げられる。
また、顔料としては、シリカ、アルミナ、又は、ポリマービード等をコアとして、その表面に染料又は顔料を固着させた粒子、染料の不溶レーキ化物、着色エマルション、着色ラテックス等も挙げられる。
着色剤の体積平均粒径とは、着色剤そのものの粒径、又は着色剤に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒径をいう。体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れ、測定を行った。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は着色剤の屈折率とした。
本実施形態に用いられるインクは、記録媒体に対する画像の定着性の観点から、高分子粒子を含有することが好ましい。
高分子粒子としては、例えば、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−アクリル酸−アクリル酸ナトリウム共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリスチレン、アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、アクリル酸エステル共重合体、ポリウレタン、シリコン−アクリル酸共重合体、アクリル変性フッ素樹脂等の粒子(ラテックス粒子)が挙げられる。なお、高分子粒子としては、粒子の中心部と外縁部で組成を異にしたコア・シェル型の高分子粒子も挙げられる。
本実施形態における高分子粒子の体積平均粒径の測定には、マイクロトラックUPA粒度分析計 UPA−UT151(Microtrac社製)により行う。その測定は、1,000倍希釈したインクを測定セルに入れ、測定を行う。なお、測定時の入力値として、粘度にはインク希釈液の粘度を、粒子屈折率は高分子の屈折率とした。
高分子粒子のガラス転移温度は、示差走査熱量測定(DSC)により得られたDSC曲線より求め、より具体的にはJIS K7121−1987「プラスチックの転移温度測定方法」のガラス転移温度の求め方に記載の「補外ガラス転移開始温度」により求められる。
本実施形態に用いられるインクは、水を含有することが好ましい。
水としては、特に不純物の混入、又は微生物の発生を防止するという観点から、イオン交換水、超純水、蒸留水、限外濾過水が好適に挙げられる。
本実施形態におけるインクは、水溶性有機溶媒を含有することが好ましい。
水溶性有機溶媒としては、多価アルコール類、多価アルコール類誘導体、含窒素溶媒、アルコール類、含硫黄溶媒等が挙げられる。また、水溶性有機溶媒としては、その他、炭酸プロピレン、炭酸エチレン等も挙げられる。
アルコール類としてはエタノール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
含硫黄溶媒としては、チオジエタノール、チオジグリセロール、スルフォラン、ジメチルスルホキシド等が挙げられる。
水溶性有機溶媒の含有量は、インクの全重量に対して、0.1〜60重量%であることが好ましく、1〜50重量%であることがより好ましく、5〜40重量%であることが更に好ましく、10〜30重量%であることが特に好ましい。
本実施形態に用いられるインクは、前述した以外の他の添加剤を含有していてもよい。
他の添加剤としては、特に制限はなく、公知の添加剤が用いられる。具体的には、例えば、インク吐出性改善剤(ポリエチレンイミン、ポリアミン類、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース等)、導電率/pH調整剤(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属類の化合物等)、反応性の希釈溶媒、浸透剤、pH緩衝剤、酸化防止剤、防カビ剤、粘度調整剤、導電剤、キレート化剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤等が挙げられる。
インクのpHは、温度23±0.5℃、湿度55±5%RH環境下において、pH/導電率計(メトラー・トレド社製MPC227)により測定した値を採用する。
本実施形態に用いられるインクの導電率は、0.01〜0.5S/mであることが好ましく、0.01〜0.25S/mであることがより好ましく、0.01〜0.20S/mであることが更に好ましい。
導電率の測定は、MPC227(pH/Conductivity Meter、メトラー・トレド社製)で行う。
本実施形態に用いられるインクの粘度は、1.5〜30mPa・sであることが好ましく、1.5〜20mPa・sであることがより好ましい。
粘度は、TV−20(東機産業(株)製)を測定装置として用い、測定温度は23℃、せん断速度は1,400s−1の条件で測定する。
静的表面張力は、ウイルヘルミー型表面張力計CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した。
動的表面張力は、最大泡圧法動的表面張力計MPT C(LAUDA社製)を用い、23℃、55%RHの環境において測定した。
1msec後の動的表面張力の値は、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1msecで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値とした。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1msec後での動的表面張力の場合、0msec後での動的表面張力として表記されることがある。この場合、0msec後での動的表面張力の値を1msec後での動的表面張力の値として採用した。
一方、1sec後の動的表面張力の値は、キャピラリー先端で新しい界面が形成されてから1secで最大泡圧に達したときの動的表面張力の値とした。ただし、最大泡圧法動的表面張力計の測定限界が、1sec未満後の動的表面張力の場合、測定限界での動的表面張力の値を1sec後での動的表面張力の値として採用した。
・カーボンブラック(Mogul L:キャボット社製)
・スチレン−アクリル酸共重合体Na塩中和物(Joncryl Eco 675、Mw=5,800、酸価222、BASF社製)
・アクリル系エマルジョン(アクリル樹脂粒子、W−4627:トーヨーケム(株)製:5質量%(固形分))
・グリセリン(和光純薬工業(株)製、特級)
・ジエチレングリコール(和光純薬工業(株)製、特級)
・プロピレングリコール(和光純薬工業(株)製、特級)
・イソプロピルアルコール(和光純薬工業(株)製、特級)
・オルフィン E1010(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレングリコール化合物のエチレンオキサイド付加物、HLB値=13〜14、日信化学工業(株)製)・オルフィン EXP.4123(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレングリコール化合物のエチレンオキサイド付加物、HLB値=11〜14、日信化学工業(株)製)
・サーフィノール 465(アセチレングリコール系界面活性剤、アセチレングリコール化合物のエチレンオキサイド付加物、HLB値=13、日信化学工業(株)製)
・シルフェイス SAG 002(シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、HLB値=12、日信化学工業(株)製)
・シルフェイス SAG 503A(シリコーン系界面活性剤、ポリエーテル変性シリコーン、HLB値=11、日信化学工業(株)製)
・水(イオン交換水)
<インクの作製>
表1〜表3に記載の成分を表1〜表3に記載の割合で混合し、インクジェット用インクをそれぞれ作製した。
得られたインクジェット用インクを使用し、以下の条件でインクジェット記録を行い、印刷物を得た。
インクジェット記録装置(セイコーエプソン(株)製PX−G930)を使用し、印刷用紙として、三菱製紙(株)製ノーカーボン紙(三菱NCR紙スーパー(一般品(ブルー)白 上用紙N40、一般品(ブルー)白 中用紙N40、及び、一般品 白 下用紙N40))を使用し、印刷モードは、“普通紙”かつ“はやい”でベタ画像を形成した。
得られた印刷物を、以下の方法及び基準で印刷欠陥(白スジ、及び、裏抜け)評価した。
得られた印刷物を、視距離20cmでの目視観察により、以下の基準で評価した。評価結果を表4及び表6にまとめて記載する。
A:ベタ画像において、ヘッドスキャン方向に沿った白いスジが確認できない。
B:ベタ画像において、ヘッドスキャン方向に沿った白いスジが確認できる。
得られた印刷物を、視距離20cmでの目視観察により、以下の基準で評価した。評価結果を表5及び表7にまとめて記載する。
A:ベタ画像の裏面において、インクの裏抜けが観察されない。
B:ベタ画像の裏面において、裏抜けしたインクの形成する粒子状のパターンが観察される。
Claims (5)
- ノーカーボン紙へインクジェット方式にてインクを吐出する吐出工程を含み、
前記吐出において、複数の滴量からなるインクドットを吐出し、
前記インクの静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であることを特徴とする
インクジェット記録方法。 - 前記インクの吐出を行う記録面が、上用紙のノーカーボン原紙面及び/又は着色剤層である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクの吐出を行う記録面が、中用紙の発色剤層及び/又は着色剤層である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- 前記インクの吐出を行う記録面が、下用紙の着色剤層及び/又はノーカーボン原紙面である、請求項1に記載のインクジェット記録方法。
- インクジェット方式にて複数の滴量からなるインクドットを吐出する吐出手段を有し、
静的表面張力が22〜30mN/mであり、かつ、最大泡圧法により測定した1msec後から1sec後までの動的表面張力の変化幅が2mN/m以下であるインク、及び、ノーカーボン紙を備えることを特徴とする
ノーカーボン紙印刷用インクジェット記録装置。
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