JP2013108022A - インク組成物 - Google Patents

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Hiroaki Kumeda
宏明 粂田
Hideki Okada
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Abstract

【課題】本発明は普通紙の定着性だけでなく光沢紙(写真用紙やブローシャー用紙)などの平滑性の高い用紙に対する定着性が向上した画像を実現できるインク組成物の提供。
【解決手段】自己分散型顔料と、結晶性ポリオレフィン樹脂を含む、インク組成物。
【選択図】図なし

Description

本発明は、光沢紙などの特殊用紙への定着性が向上した画像を実現できるインク組成物に関する。
インクジェット記録方法は、インクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う印刷方法である。インクとしては、一般に各種の水溶性染料を水または水と水溶性有機溶剤とに溶解させたものが使用されている。このような水溶性染料を含むインクにより形成された画像は耐水性や耐光性に劣ることが一般に指摘されている。
これに対して、顔料を水性媒体に分散させて得られたインクは、耐水性および耐光性に優れている。例えば、顔料を界面活性剤や高分子分散剤で分散した水性顔料インクが提案されている。しかしながら、これらのインクでは、記録物の印刷濃度を上げる為に着色剤のインク含有量を増やすと、それに伴いインク粘度も急激に増加してしまう場合があった。
この課題を解決するために、顔料表面に一定量以上の表面活性水素あるいはその塩を導入して、界面活性剤や高分子分散剤等の分散剤がなくても、単独で水系溶媒に分散させることができる自己分散型顔料分散液が提案されている。
特開平10−237349号公報(特許文献1)、特開平8−3498号公報(特許文献2)、および国際公開第01/94476号パンフレット(特許文献3)において、上記のような分散剤を必要としない、いわゆる自己分散型顔料は、着色剤としてインクに用いた場合、画像のOD値(光学濃度)が高くなる等の特徴を有するとされている。
また、高い発色性を有するインクセットとして、特開2009−256605号公報(特許文献4)において、顔料表面に親水基を有する自己分散型顔料を含有するブラックインク組成物を含んでなるインクセットが開示されている。
一方、このような自己分散型顔料を着色剤とするインクによる画像は、一般に定着性が劣るという課題がある。その画像を指、ラインマーカー、紙等で擦った場合に画像が汚れるという耐擦過性において十分な記録物が得られないことがある。そこで、自己分散型顔料の記録媒体への定着性を改善するため、記録媒体に対し、結着性効果のある樹脂をインク組成物に添加する提案がなされている。
特開2001−81366号公報(特許文献5)および特開2002−80761号公報(特許文献6)は、樹脂粒子を含んだインク組成物として、着色剤と樹脂微粒子と水とからなる記録液、顔料の水分散体と樹脂微粒子とからなるインクプリンター用記録液等を提案している。
また、特開2009−256606号公報(特許文献7)において、ブラックインク組成物がその表面に親水基を有する自己分散型顔料を含み、カラーインク組成物がその表面にフェニル基を介して親水基を有する自己分散型顔料を含み、かつすべてのインク組成物に樹脂エマルジョンを含むインクセットが開示されている。
特開平10−237349号公報 特開平8−3498号公報 国際公開第01/94476号パンフレット 特開2009−256605号公報 特開2001−81366号公報 特開2002−80761号公報 特開2009−256606号公報
しかしながら、光沢紙(写真用紙やブローシャー用紙)などの平滑性の高い記録媒体に対する定着性が向上した画像を実現できるインク組成物は、未だに希求されている。
ここでいう光沢紙とは60°における光沢度が10以上のものを示し、例えば、写真用紙やブローシャー用紙である。具体的には写真用紙は印画紙の上に、インク吸収溶液をコートした紙、ブローシャー用紙はベースペーパーの上に、インク吸収溶液をコートするし、その上から、鏡面ローラーで加熱・加圧し、光沢感を付与した記録媒体のことである。
従って、本発明は、普通紙だけでなく、光沢紙などの平滑性の高い記録媒体に対しても優れた定着性を実現できるインク組成物の提供をその目的としている。
(適用例1)
インク組成物であって、自己分散型顔料と、結晶性ポリオレフィン樹脂を含む、インク組成物。
(適用例2)
前記インク組成物の総量に対する前記結晶性ポリオレフィン樹脂の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である、適用例1に記載のインク組成物。
(適用例3)
前記結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化度が50%以上80%以下である、適用例1又は2に記載のインク組成物。
<インク組成物>
以下、本発明の実施形態について説明する。本発明によるインク組成物(以下、単に「インク」とも言う。)は、自己分散型顔料を含む。自己分散型顔料とは、分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解することが可能な顔料である。ここで「分散剤なしに水性媒体中に分散および/または溶解」とは、顔料を分散させるための分散剤を用いなくても、その表面の親水基により、水性媒体中に安定に存在している状態をいう。
前記自己分散型顔料を着色剤として含有するインクは、通常の顔料を分散させるために、分散剤を含有させる必要が無い。そのため、分散剤に起因する発泡がほとんど無く、吐出安定性に優れるインクが得られやすい。また、分散剤に起因する大幅な粘度上昇が抑えられるため、顔料をより多く含有することが可能となり印刷濃度を十分に高めることが可能になる。以下、本実施形態に係るブラックインク組成物を例に挙げて説明する。
<顔料>
本発明の一形態であるブラックインク組成物は、その顔料表面に親水基を有する自己分散型顔料を含み、その親水基は、−OM、−COOM、−CO−、−SO3M、−SO2M、−SO2NH2、−RSO2M、−PO3HM、−PO32、−SO2NHCOR、−NH3、および−NR3(式中のMは、水素原子、アルカリ金属、アンモニウム、または有機アンモニウムを表し、Rは、炭素原子数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、または置換基を有していてもよいナフチル基を表す)からなる群から選択される一以上の親水基であることが好ましい。
上述の自己分散型顔料は、例えば、顔料に物理的処理または化学的処理を施すことで、前記親水基を顔料の表面に結合(グラフト)させることにより製造される。前記物理的処理としては、例えば真空プラズマ処理等が例示できる。また前記化学的処理としては、例えば水中で酸化剤により酸化する湿式酸化法や、p−アミノ安息香酸等を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介してカルボキシル基を結合させる方法等が例示できる。
本発明においては、次亜ハロゲン酸および/または次亜ハロゲン酸塩による酸化処理、オゾンによる酸化処理、または過硫酸および/または過硫酸塩による酸化処理により表面処理されたブラックインク組成物の自己分散型顔料が、高発色という点で好ましい。上記のように表面処理されたブラック顔料分散液は、必要に応じて分離膜等での濃縮、金属フィルターやメンブランフィルター等を用いた濾過、遠心分離による分級、アルカリ金属塩の水酸化物またはアミンによる中和を行うことができる。
また、ブラックインク組成物の前記自己分散型顔料の原料となる顔料としては、例えば、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。本発明で好ましいカーボンブラックの具体例としては、No.2300、900、MCF88、No.20B、No.33、No.40、No.45、No.52、MA7、MA8、MA100、No2200B(以上三菱化学(株)製)、カラーブラックFW1、FW2、FW2V、FW18、FW200、S150、S160、S170、プリテックス35、U、V、140U、スペシャルブラック6、5、4A、4、250(以上デグサ社製)、コンダクテックスSC、ラーベン1255、5750、5250、5000、3500、1255、700(以上コロンビアカーボン社製)、リガール400R、330R、660R、モグルL、モナーク700、800、880、900、1000、1100、1300、1400、エルフテックス12(キャボット社製)等が挙げられる。これらのカーボンブラックは一種または二種以上の混合物として用いても良い。
また、本発明によるブラックインク組成物中の自己分散型顔料として市販品を利用することも可能であり、好ましい例としては、マイクロジェットCW1(オリヱント化学工業株式会社製)が挙げられる。
<水溶性有機溶剤>
本発明によるブラックインク組成物に含有される水は主溶媒であり、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水または超純水を用いることが好ましい。特に、紫外線照射または過酸化水素添加等により滅菌処理した水を用いることが、カビやバクテリアの発生を防止してインク組成物の長期保存を可能にする点で好ましい。
本発明においては上記水溶性有機化合物として、例えば、グリセリン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ペンタエチレンフリコール、ジプロピレングリコール、2−ブテン−1,4−ジオール、2−エチル−1,3−ヘキサンジオール、2−メチル−2,4−ペンタンジオール、1,2−オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−ペンタンジオール、4−メチル−1,2−ペンタンジオール等の多価アルコール類、グルコース、マンノース、フルクトース、リボース、キシロース、アラビノース、ガラクトース、アルドン酸、グルシトール、(ソルビット)、マルトース、セロビオース、ラクトース、スクロース、トレハロース、マルトトリオース等の糖類、糖アルコール類、ヒアルロン酸類、尿素類等のいわゆる固体湿潤剤、エタノール、メタノール、ブタノール、プロパノール、イソプロパノールなどの炭素数1〜4のアルキルアルコール類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジエチレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、エチレングリコールモノ−n−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、1−メチル−1−メトキシブタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、プロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノ−iso−プロピルエーテルなどのグリコールエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルスルホキシド、ソルビット、ソルビタン、アセチン、ジアセチン、トリアセチン、スルホラン等が挙げられ、これらの一種または二種以上を用いることができる。これらの水溶性有機溶剤は、ブラックインク組成物の適正な物性値(粘度等)の確保、印刷品質、信頼性の確保という観点で、ブラックインク組成物中に10〜90質量%含まれることが好ましい。本発明のブラックインク組成物に、これらの水溶性有機溶剤を含むことにより、高固形分であっても、保存安定性および吐出安定性は良好である。
さらに、本発明においては、水溶性有機溶剤として、少なくとも多価アルコール類とグリコールのブチルエーテル類とピロリドン類とを併用することにより、印刷品質、吐出安定性、目詰まり回復性等の信頼性に優れるブラックインク組成物を提供できるため好ましい。これは、多価アルコール類が保水性(保湿性)と普通紙等の記録メディアへのブラックインク組成物の浸透性の制御に好適であり、グリコールのブチルエーテル類が吐出安定性と記録メディアへのインク組成物の浸透性の制御に好適であり、ピロリドン類が吐出安定性、インク組成物の保存安定性と発色性への寄与度が大きいことがわかり、多価アルコール類とグリコールのブチルエーテル類とピロリドン類とを併用することにより、さらに印刷品質、吐出安定性、目詰まり回復性等の信頼性の高いブラックインク組成物を提供できる。
さらに、本発明の実施形態においては、水溶性有機溶剤として、多価アルコールモノアルキルエーテルおよび/または含窒素環状化合物を5質量%以上含み、かつ多価アルコール類を含むことが好ましい。かかる水溶性有機溶剤を用いることで、コックリングやカールを抑制できるとともに、滲み、ムラ等の印刷品質を確保することができる。
ここで、多価アルコールモノアルキルエーテルとしては、上記グリコールエーテル類のうち、例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノイソブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノイソプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリプロピレンプリコールモノブチルエーテル等が挙げられ、含窒素環状化合物としては、例えば、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等が挙げられる。
また、ここで多価アルコール類は、上記多価アルコール類のいずれであっても用いることができるが、特に、1,2−ペンタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、1,2−オクタンジオール等の1,2−アルカンジオールを含むことが好ましい。
<結晶性ポリオレフィン樹脂>
本発明によるインク組成物は、結晶性ポリオレフィン樹脂を含む。結晶性ポリオレフィン樹脂を含むインクによって得られる記録物は、その表面滑性が高いため、外的な応力が記録物に印加された場合であっても、摩擦抵抗が低減されることにより、記録物がはがれにくくなるという有利な効果を有する。
上記の結晶性ポリオレフィン樹脂は、示差走査熱量計を用いて測定される結晶化ピーク温度を有する。また、X線回折法により結晶化度を測定することが可能である。
本発明においては樹脂粒子として、結晶性ポリオレフィン系樹脂を利用することができる。普通紙だけでなく、光沢紙などの平滑性の高い記録媒体に対しても優れた定着性に優れるため、結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化度は30〜90%が好ましく、50〜80%がより好ましい。
本発明に係るインクに含有される結晶性ポリオレフィン樹脂は、エマルジョンとして用いることができる。結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョンとする方法としては、特に限定されず、例えば、ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテルを溶融混合する溶融工程及び乳化分散させる乳化工程を備える方法を用いることができる。
上記ポリオレフィンオリゴマーは、エチレン、プロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、4−メチル−1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘプテン、1−ヘキセン、1−オクテン、1−デセン、1−ドデセン等のα−オレフィン;ブタジエン、エチリデンノルボルネン、ジシクロペンタジエン、1,5−ヘキサジエン等の共役ジエン、非共役ジエンの単独重合体又はこれらの共重合体のオリゴマーであり、さらに、スチレン、酢酸ビニル、ビニルアルコールなどの単独重合体又前記のオレフィン系単量体とこれらの単量体との共重合体などである。具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、エチレン・プロピレン共重合体、エチレン・酢酸ビニル共重合体、エチレン・エチルアクリレート共重合体、エチレン・ビニルアルコール共重合体、エチレン・スチレン共重合体などのオリゴマーが挙げられる。
さらに上記重合体にエチレン性不飽和単量体がグラフトしたり、酸素または酸素含有ガスを用いて溶融状態で酸化したり、ハロゲン化アルカリ金属を用いてハロゲン化することで得られる変性体も含まれる。
上記ポリオレフィンオリゴマーは、前記ポリオレフィンのオリゴマーの他、植物ワックス、動物ワックス、鉱物ワックス及び石油化学ワックスも包含する。好ましいワックスの例として、カンデリラワックス、カルナバワックス。木蝋、エスパルトグラスワックス、コルクワックス、グアルマワックス、米ぬか油ワックス、甘蔗ワックス、ベリーワックス、ウリキュリワックス、モンタンワックス、ジョジョバワックス、シアベター、蜜蝋、セラックワックス、鯨蝋、ラノリン、セレシン、パラフィンワックス、合成ポリエチレンワックス合成ポリプロピレンワックス、合成エチレン−酢酸ビニル共重合体ワックス等が挙げられ、単独又は複数を組み合わせて使用することができる。
上記マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーとは、上記ポリオレフィンオリゴマーにマレイン酸又はその誘導体をグラフト共重合したポリマーであり、具体的には、三井ハイワックス1105A、2203A、NPO555A(三井化学社製)やユーメックス1010(三洋化成社製)などが挙げられる。
マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーの製造方法としては、例えばポリオレフィンオリゴマーを溶融又はヘキサンなどの溶媒にて溶解し、過酸化物をはじめとしたラジカル開始剤及びマレイン酸又はその誘導体を徐々に滴下することで得られる。
使用するラジカル開始剤としては、特に限定されるものではないが、例えばジ−tert−ブチルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ベンゾイルパーオキサイド、ジクミルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシベンゾエイト、クメンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物、アゾビスイソブチロニトリル、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタ酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド)等のアゾ化合物が挙げられる。これらは、単独或いは2種以上併用して用いることができる。
また、更にラジカルを発生させて反応を行う場合のラジカル発生方法は、例えば、光重合開始剤の存在下に光を照射する方法、又は有機過酸化物を添加する方法等、公知の方法を使用することができる。
光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、ジアセチル、ベンジル、ベンゾイン、2−メチルベンゾイン、ω−ブロモアセトフェノン、クロロアセトン、アセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−クロロベンゾフェノン、p−ジメチルアミノプロピオフェノン、p−ジメチルアミノアセトフェノン、p,p’−ビスジエチルアミノベンゾフェノン、3,3’−4,4’−テトラ−ベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルフォスフィンオキシド、ベンジルジメチルケタール、メチルベンゾイルホルメート等のカルボニル類、ジフェニルジスルフィド、ジベンジルジスルフィド、テトラメチルチウラムモノスルフィド等のスルフィド類、ベンゾキノン、アントラキノン、クロロアントラキノン、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のキノン類、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類等が挙げられるが、これらは単独或いは2種以上併用して用いても良い。又、これらの光重合開始剤には、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリエタノールアミン、ジメチルアミノエタノール、ピリジン、キノリン、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド等のアミン類、トリフェニルホスフェイン等のアルキルホスフィン類、β−チオジグリコール等のチオールエーテル類等を併用して用いても良い。
上記光重合開始剤の使用量は、付加マレイン酸に対して10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%の範囲で用いる事が好ましい。
また、これらの反応開始剤及びマレイン酸又はその誘導体はなるべく時間をかけ、これを少量ずつ添加することが好ましい。これらの使用する量にもよるが、一般に有機過酸化物を一括で添加するような場合は反応液が比較的ゲル化を起こしやすくなるため、少量ずつ時間をかけて、又は多回数に分けて少量ずつ添加していくようにすることが好ましい。
マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーにおけるマレイン酸含有量としては好ましくは0.5〜5重量%である。
上記ポリエチレングリコールアルキルエーテルとは、炭素原子数12〜22のアルキル基を有し、オキシエチレン基の繰り返し単位数が4〜50000の化合物であり、オキシプロピレン基などのオキシアルキレン基との共重合物も含まれる。このような化合物としては、例えば、ポリオキシエチレンドデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルエーテル、ポリオキシエチレンステアルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、オクタエチレングリコールモノ‐n‐ドデシルエーテルなどが挙げられる。
本実施形態に係る結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョンにおいては、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーと、ポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はポリオレフィンオリゴマー及びマレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーと、ポリエチレングリコールアルキルエーテルとの重量比は100/2〜100/30であることが好ましく、より好ましくは100/5〜100/20である。
本実施形態に係る結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョンは、粒子径0.01nm〜1.5μm程度のエマルション粒子が水に分散した水性分散系であり、耐摩擦性や潤滑性を発揮するには、平均粒子径D50%は0.05μm以上0.5μ以下が好ましい。
本発明における溶融工程はマレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテルの混合物を混合物の融点より高い温度にて溶融して均一混合するする工程であり、より具体的には80〜200℃にて10分以上攪拌することが望ましい。また、上記混合物の融点以下で溶融混合する際には、溶媒を使用しても良い。
溶媒の具体例としては、キシレン、トルエン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン等の脂肪族炭化水素、シクロヘキサン、シクロヘキセン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素、酢酸エチル、n−酢酸ブチル、セロソルブアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート等のエステル系、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶媒等が挙げられる。また、これらの2種以上からなる混合物であっても構わない。
また、本発明における乳化工程は、機械せん断力により物理的に乳化分散する方法のことであり、具体的には、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテルを混合物を溶剤に溶解後高圧ホモジナイザー、高圧ホモミキサー等により乳化後溶剤を除去する方法、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテル、又はポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリエチレングリコールアルキルエーテルを混合物を溶融状態にして高圧ホモジナイザー、高圧ホモミキサー、押出混練機により乳化する方法、α−オレフィン及びアクリル酸の共重合体及びカリウム、ナトリウム、アンモニウムなどのアルカリ物質をオートクレーブ中で乳化する方法、その他機械的に粉砕する方法、高圧で噴射粉砕する方法、細孔より噴霧させる方法などが挙げられる。
本発明の好ましい別の態様によれば、ポリオレフィン系樹脂エマルジョンの平均粒子径D50%が、顔料分散液の平均粒子径D50%より大きいことが好ましい。この範囲にすることにより普通紙と光沢紙の定着性が向上した画像を実現できる。
ここで、上記平均粒子径D50%は、動的光散乱法により測定することができる体積平均粒子径であり、例えば、マイクロトラックUPA150(Microtrac Inc.社)を使用して測定することができる。
<カラーインク組成物>
本発明によるブラックインク組成物に加え、カラーインク組成物および/または他のブラックインク組成物(以下、上記ブラックインク組成物以外のブラックインク組成物を「他のブラックインク組成物」という)と組み合わせて、インクセットとして用いることもできる。以下、本実施形態に係るカラーインク組成物に含まれる各成分について説明する。なお、カラーインク組成物は、上記ブラックインク組成物に含まれる成分として例示した成分を含有してもよく、上記ブラックインク組成物で説明した成分については、その説明を省略する。
カラーインク組成物は、顔料を含み、自己分散型顔料および/または樹脂を介して水に分散可能とされた顔料のどちらを含んでいてもよい。
カラーインク組成物に含まれる顔料として、カラーインデックスに記載されているピグメントイエロー、ピグメントレッド、ピグメントバイオレット、ピグメントブルー等の顔料の他、フタロシアニン系、アゾ系、アントラキノン系、アゾメチン系、縮合環系等の顔料が例示できる。また、黄色4号、5号、205号、401号;橙色228号、405号、青色1号、404号等の有機顔料や、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化鉄、群青、紺青、酸化クローム等の無機顔料が挙げられ、具体的には、例えば、C.I.ピグメントイエロー1,3,12,13,14,17,24,34,35,37,42,53,55,74,81,83,95,97,98,100,101,104,108,109,110,117,120,128,138,150,153,155,174,180,198、C.I.ピグメントレッド1,3,5,8,9,16,17,19,22,38,57:1,90,112,122,123,127、146,184、C.I.ピグメントバイオレッド1,3,5:1,16,19,23,38、C.I.ピグメントブルー1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,16が挙げられる。
特に、イエローインク組成物に含まれる有機顔料が、C.I.ピグメントイエロー74、109、110、128、138、147、150、155、180、および188からなる群から選択される少なくとも1種を含み、マゼンタインク組成物に含まれる有機顔料が、C.I.ピグメントレッド122、202、207、209、およびC.I.ピグメントバイオレット19からなる群から選択される少なくとも1種を含み、シアンインク組成物に含まれる有機顔料が、C.I.ピグメントブルー15、15:1、15:2、15:3、15:4、および16からなる群から選択される少なくとも1種を含むことが好ましい。
親水基である上記官能基あるいはその塩を顔料表面にフェニル基を介して、結合させる表面処理手段としては、種々の公知の表面処理手段を適用することができ、スルファニル酸、p−アミノ安息香酸、4−アミノサリチル酸等を顔料表面に結合させることによりフェニル基を介して親水基を結合させる方法等が例示できる。
また、カラーインク組成物の前記自己分散型顔料として市販品を利用することも可能であり、CAB−O−JET250C、CAB−O−JET260M、CAB−O−JET270Y(以上キャボット社製)等が挙げられる。
さらに、カラーインク組成物および/または他のブラックインク組成物には、上記ブラックインク組成物の場合と同様、ポリオレフィン系樹脂エマルジョンを添加することができる。この具体例は、上記ブラックインク組成物の場合と同様であってよい。
本発明によるインク組成物は、従来公知のインク組成物と同様に構成することができ、従来公知の各種の記録方法用インクとして利用することができる。特に、本発明においては、比較的安価な装置で高解像度、高品位な画像を高速で印刷可能である点で、インクジェット記録用、即ちインクの小滴を飛翔させ、紙等の記録媒体に付着させて印刷を行う用途に好適である。
(インクジェット記録方法)
本発明のインク組成物を用いるインクジェット記録方法は、インク組成物の液滴を吐出し、該液滴を記録媒体に付着させて印刷を行うものである。各インク組成物の液滴を吐出する方法の例としては、例えば電歪素子を用いて電気信号を機械信号に変換して、ノズルヘッド部分に貯えたインクを断続的に吐出して記録媒体表面に文字や記号を記録する方法、ノズルヘッド部分に貯えたインクを吐出部分に極めて近い箇所で急速に加熱し泡を発生させ、その泡による体積膨張で断続的に吐出することで記録媒体表面に文字や記号を記録する方法が挙げられる。本発明の好ましい態様によれば、本発明によるインク組成物は、電歪素子を用いたインクジェット記録方法に好ましく用いられる。本発明によるブラックインク組成物の液滴を吐出は、圧電素子の力学的作用を利用してインク滴を吐出させる記録ヘッドにより行われることが好ましい。
本発明によるブラックインク組成物を用いて記録媒体上に記録が行われた記録物は、光沢紙の定着性を向上した画像を実現できる。
ここで光沢紙とは60°における光沢度が10以上のものを示し、例えば、写真用紙やブローシャー用紙である。
前記、光沢紙では、インク受容層が浅く、インクの乾燥に伴う、樹脂粒子同士及び樹脂粒子と着色成分との互いの融着による記録媒体への固着が不十分になり、光沢紙での記録物の画像部分の定着性が十分得られない。
ここで、60°における光沢度は、光の反射率により測定することができ、例えば、光沢度用計測用機器GM‐268Plus(コニカミノルタセンシング株式会社)を使用して測定することができる。
本発明を以下の実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの例に限定されるものではない。
(ブラック顔料分散液の調製)
市販のカーボンブラックであるMA600(三菱化学社製)500gをイオン交換水3750gに加え、ディゾルバーで攪拌しながら、50℃まで昇温した。その後、直径0.8mmのジルコニアビーズを用いたサンドミルにより、粉砕しながらこれに、次亜塩素酸ナトリウム(有効塩素濃度=12%)の水溶液5300gを50〜60℃で3.5時間かけて滴下した。引き続きサンドミルにより30分間粉砕し続け、改質カーボンブラックが含まれている反応液を得た。この反応液を400メッシュの金網で濾過し、ジルコニアビーズ及び未反応カーボンブラックと、反応液とを分別した。分別して得た反応液に、水酸化カリウム5%水溶液を加えて、pH=7.5に調整した。液の電導度が1.5mS/cmになるまで限外濾過膜により、脱塩及び精製を行なった。電気透析装置を用いて液の電導度が1.0mS/cmになるまでさらに脱塩及び精製を行った。その液を、カーボンブラック濃度が22質量%になるまで濃縮した。この濃縮液を、連続遠心分離機により遠心力15000G、流量200ml/minの条件で処理し、さらに1μm、0.6μm、0.3μmのフィルターで3段階の濾過処理を行った。得られた濾液にイオン交換水を加え、カーボンブラック固形分濃度が20質量%になるまで希釈し、分散させて、ブラック顔料分散液を得た。得られた顔料分散液の平均粒子径D50%は120nmであった。
(シアン顔料分散液の調製)
回転子−固定子型高剪断混合機(シルバーソン L4RT−A)に4リットルステンレス鋼製ビーカーを取り付け、氷浴中に浸した。このビーカーに、C.I.ピグメントブルー15:4、75gと水 1000gを入れ、7200rpmにて15分間均質化した。これに2.07g(0.01mol)のo−アセトアニシジドを溶解したイソプロパノール溶液20mlを添加し、更に15分間撹拌した。
別の容器中で、スルファニル酸 4.35g(0.025mol)、1N−HCl 30mL、および亜硝酸ナトリウム 1.73g(0.025mol)を、5〜10℃にて混合して、ジアゾニウム塩を形成させた。次いで、これを上記C.I.ピグメントブルー15:4とo−アセトアニシジドの混合物に撹拌しながら添加し、温度を約10℃に維持した。この混合物を、5M水酸化ナトリウム溶液の滴加によりpH5〜6に調整し、ジアゾニウム塩の存在有無により反応の進行を確認しながら、更に2時間攪拌した。ジアゾニウム塩が存在する場合、反応混合物と0.1%アミノサリチル酸を溶解した1M−Na2CO3溶液とをそれぞれ濾紙上に1滴ずつ垂らした際、これら二つの滴の広がりが触れ合うと橙色となる。
混合物をテルソニック流通型音波処理装置に移し、そして2時間超音波処理し、得られたシアン顔料分散液を、50nmダイアフィルトレーション膜カラムを用いて精製後、30%の固形分含有率に濃縮し、シアン顔料分散液を得た。得られた顔料分散液の平均粒子径D50%は130nmであった。
(マゼンタ顔料分散液の調製)
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントレッド122を用いた点以外は、前記シアン顔料分散液と同様に調整し、固形分濃度が20重量%のマゼンタ顔料分散液を得た。得られた顔料分散液の平均粒子径D50%は100nmであった。
(イエロー顔料分散液の調製)
顔料としてC.I.ピグメントブルー15:4に代えてC.I.ピグメントイエロー74を用いた点以外は、前記シアン顔料分散液と同様に調整し、固形分濃度が20重量%のマゼンタ顔料分散液を得た。得られた顔料分散液の平均粒子径D50%は140nmであった。
(結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョン1の調製)
溶融ドラムにポリオレフィンオリゴマーとしてポリエチレンワックス(三井ハイワックス210P、三井化学社製)40g及びマレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーとしてマレイン酸変性ポリエチレンワックス(三井ハイワックス1105A、三井化学社製)60g及びポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてHLBが13.5であるポリオキシエチレンアルキル(C=11)エーテル(エマルゲン1108、花王社製)10gを160℃にて加熱し2時間攪拌混合する、その後耐圧ホモミキサー(ホモミクサーMARKII:特殊機化社製)に、8000rpmで撹拌しながら、あらかじめ水9880ccおよび85%の水酸化カリウム120gを溶解した水酸化カリウム溶液1800g/時間及び前述のポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを1200g/時間の速度にて140℃溶融状態でのままギアポンプによって上記ミキサーに供給し、平均粒子径D50%が160nmの水性分散系を得た。
(結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョン2の調製)
溶融ドラムにポリオレフィンオリゴマーとしてポリエチレンワックス(三井ハイワックス210P、三井化学社製)70g及びマレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーとしてマレイン酸変性ポリエチレンワックス(三井ハイワックス1105A、三井化学社製)30g及びポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてHLBが15.3であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン120、花王社製)10gを160℃にて加熱し2時間攪拌混合する、その後耐圧ホモミキサー(ホモミクサーMARKII:特殊機化社製)に、8000rpmで撹拌しながら、あらかじめ水9880ccおよび85%の水酸化カリウム120gを溶解した水酸化カリウム溶液1800g/時間及び前述のポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを1200g/時間の速度にて140℃、溶融状態でのままギアポンプによって上記ミキサーに供給し、保存安定性が良好で、平均粒子径D50%が220nmの水性分散系を得た。
(結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョン3の調製)
ポリオレフィン樹脂エマルジョン2において、ポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてHLBが15.3であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン120)10gを加えた代わりにポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてHLBが13.8であるポリオキシエチレンアルキルデシルエーテル(ノイゲンXL−80:第一工業製薬社製)10gを加えて溶融混合後、耐圧ホモミキサーに供給し、平均粒子径D50%が300nmの水性分散系を得た。
(結晶性ポリオレフィン樹脂エマルジョン4の調製)
溶融ドラムにマレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマーとしてマレイン酸変性ポリエチレンワックス(三井ハイワックス2203A、三井化学社製)100g及びポリオキシエチレンアルキルエーテルとしてHLBが15.3であるポリオキシエチレンラウリルエーテル(エマルゲン120、花王社製)10gを160℃にて加熱し2時間攪拌混合する、その後耐圧ホモミキサー(ホモミキサーMARKII:特殊機化社製)に、8000rpmで撹拌しながら、あらかじめ水9760ccおよび85%の水酸化カリウム240gを溶解した水酸化カリウム溶液1800g/時間及び前述のポリオレフィンオリゴマー、マレイン酸変性ポリオレフィンオリゴマー及びポリオキシエチレンアルキルエーテルを1200g/時間の速度にて140℃溶融状態でのままギアポンプによって上記ミキサーに供給し、平均粒子径D50%が400nmの水性分散系を得た。
《比較例》
(非結晶性のスチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョン1の調製)
アクリルアミド20gにメチルメタクリレート600g、ブチルアクリレート125g、メタクリル酸30g、トリエチレングリコールジアクリレート5gを重合することにより製造した。得られた粒子の平均粒子径D50%は60nmであった。
(非結晶性のスチレン−アクリル共重合体樹脂エマルジョン2の調製)
アクリルアミド20gにスチレン130g、2−エチルヘキシルアクリレート780g、メタクリル酸30g、エチレングリコールジメタクリレート2gを重合することにより製造した。得られた粒子の平均粒子径D50%は160nmであった。
(各インク組成物の調製)
下記表1の組成に従い各成分を混合し、10μmのメンブランフィルターでろ過することにより、各インク組成物を調製した。
Figure 2013108022
(評価方法:写真用紙/ブローシャー用紙定着性の評価:耐布こすり性試験)
調製した各インク組成物を、インクジェットプリンタPX−A550(セイコーエプソン社製)に充填し、100%べた印刷を行った。記録媒体は、EPSON写真用紙光沢、SPJ90−1を使用して印刷を行い、得られたサンプルを一般環境下で5分間放置した。自然乾燥させた後、サンプルの印刷部を布で擦り、印刷面の状態と指に付着したインクを目視で観察した。その結果を以下の基準に基づいて評価した。結果を下記表2に示した。
A:印刷面は変化せず、布にインクが付着しない。
B:若干印刷面のインクは落ちるが、布にインクが付着しない。
C:印刷面のインクが落ち、布にインクが付着する。
(普通紙定着性の評価)
普通紙発色性の評価と同様にして、べた及び文字の含まれるパターンを印刷した。得られた記録物を24時間自然乾燥させた後、ゼブラ社製のイエロー水性蛍光ペンZEBRA PEN2(商標)を用いて、印刷文字を筆圧300g/15mm2で擦り、ペン先に付着した汚れの有無を目視で観察した。その結果を以下の基準に基づいて判定した。結果を下記表2に示した。
A:1回の擦りでは汚れが生じない。
B:1回の擦りで汚れは生じるが、目立たない。
C:1回の擦りで汚れが生じる。
Figure 2013108022

Claims (3)

  1. インク組成物であって、自己分散型顔料と、結晶性ポリオレフィン樹脂を含む、インク組成物。
  2. 前記インク組成物の総量に対する前記結晶性ポリオレフィン樹脂の含有量が0.1質量%以上3.0質量%以下である、請求項1に記載のインク組成物。
  3. 前記結晶性ポリオレフィン樹脂の結晶化度が50%以上80%以下である、請求項1又は2に記載のインク組成物。
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