JP2014176997A - 画像形成方法、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着工程、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着工程を有する画像形成方法において、前記後処理液の付着面積を前記画像形成がなされた部分の面積よりも小さく、かつ、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着面積を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着面積を増やすことを特徴とする画像形成方法。
【選択図】図1
Description
そこで、印字前の記録媒体にインク中の色材を凝集させる成分を有する液体(前処理液)を付着させてから印字をすることで、ビーディングやブリーディングが発生しない高品位な画像を得る方法が既に知られている。
そのような中、特許文献1には記録媒体の種類によらず高品位かつ画像堅牢性に優れた印刷物を提供するためにこの2つの技術を用いたインクジェット記録装置が提案されている。
特許文献2には、画像のブロンジング防止及び色再現性改善の目的で、オーバーコートとしてイエローインクを用い、画像記録部の色相角によってオーバーコート付着量を変更する記録方法が開示されている。本発明とは確かに後処理液の付着量を規定している点では似ている点がある。
しかし、この公報記載技術の目的はブロンジング防止と色再現性改善であり、この公報に開示された記録方法では所望の転写汚れの低減、耐ブロッキング性の向上を確保することは難しい。特に高速の連帳印刷においては、さらに難しい。
このように、従来のインクジェット記録装置では前処理液と後処理液を同一条件で記録媒体に付着させているにすぎなかった。しかし、前処理液と後処理液の最適な付着量というのは印刷条件によって異なる。また、画像を形成する印字速度によっては、画像形成後に十分な乾燥や放置時間を要する場合があり、製本作業などの後処理がすぐにできないという課題がある。
而して、前記課題は、以下の(1)〜(6)記載の「画像形成方法」、「画像形成装置」を包含する本発明により解決される。
(1)「画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着工程、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着工程を有する画像形成方法において、前記後処理液の付着面積を前記画像形成がなされた部分の面積よりも小さく、かつ、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着面積を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着面積を増やすことを特徴とする画像形成方法。」
(2)「画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着工程、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着工程を有する画像形成方法において、前記後処理液の付着面積が前記画像形成がなされた部分の面積よりも小さく、かつ、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着量を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着量を増やすことを特徴とする画像形成方法。」
(3)「前記前処理液の付着量を多くした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を多くする又は付着面積を増やすことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成方法。」
(4)「前記前処理液の付着量を少なくした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を少なくする又は付着面積を減らすことを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の画像形成方法。」
(5)「記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着手段と、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着手段を有し、かつ、前記後処理液の付着面積を前記画像形成がなされた面積よりも小さくする処理液付着面積調節手段を更に有し、該処理液付着面積調節手段は、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着面積を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着面積を増やすものであることを特徴とする画像形成装置。」
(6)「記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着手段と、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着手段を有し、かつ、前記後処理液の付着面積が、前記画像形成がなされた面積よりも小さくする処理液付着量調節手段を更に有し、該処理液付着量調節手段は、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着量を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着量を増やすものであることを特徴とする画像形成装置。」
図1、2は本発明の画像形成物の模式図である。
本発明におけるが画像形成物は、記録媒体500の上に前処理液501が全面又は特定領域に付着(塗布)され、その上に、記録液502が付着され、さらに形成された画像領域上に、形成された画像面積よりも小さい面積で後処理液503がされた構成となっている。
図3は本発明が適用されるインクジェット記録装置の1例の模式図である。本発明が適用されるインクジェット記録装置300は、記録媒体搬送部301と、記録媒体203に前処理液を付着する前処理工程部302、前処理液が付着された記録媒体203を乾燥させる前処理後乾燥部303と画像形成工程部304、画像形成工程後の記録媒体に後処理液を付着する後処理工程部305、後処理液が付着された記録媒体203を乾燥させる後処理後乾燥部306で構成されている。
図4に示すように搬送ローラ201によって連続紙などの被記録媒体203は前処理液付着(塗布)装置204内に搬送される。
前処理液付着装置204には、前処理液205が貯留されており、前処理液205は攪拌・供給ローラ206、移送・薄膜化ローラ207によって塗布ローラ208のローラ面に薄膜状に転写される。そして、塗布ローラ208は回転するプラテンローラ202押し付けられながら回転し、その間を被記録媒体203が通過することで、表面に前処理液205を付着する。
この画像形成工程部304は、図5に示すように、フルライン型のヘッドであり被記録媒体搬送方向上流側よりブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)に対応可能な4つの記録ヘッド304K、304C、304M、304Yを配設して構成されている。
例えば、ブラック(K)の記録ヘッド304Kは、搬送方向と直行する方向に短い4つのヘッドユニット304K−1、304K−2、304K−3、304K−4を千鳥状に配列させることで印刷領域幅を確保している。
本実施形態における後処理工程では、記録用メディアの画像形成領域の特定の部分のみに付着する。付着量は画像を形成するインクの色に応じて、最適な量を付着することが好ましい。さらに好ましくは記録媒体の種類や解像度に応じて付着量、付着方法を変えるとよい。
後処理後乾燥装置は例えば図3のようなヒートローラ313、314からなる。この装置によれば、後処理液を付着された連続紙は搬送ローラにより、ヒートローラに搬送される。ヒートローラは高温に熱せられており、後処理液を付着された連続紙は、ヒートローラからの接触伝熱により、水分が蒸発し、乾燥される。乾燥手段としてはこれに限らず、赤外線乾燥装置、マイクロ波乾燥装置、温風などを適用することもでき、単体の装置を用いるのではなく例えばヒートローラと温風装置を組み合わせるなどをしても良い。
以下に添付図面を参照して、本発明に係る印刷システムの一実施形態を詳細に説明する。
先ず、理解を容易とするために、本実施形態による印刷システムが適用されるプロダクションプリンティングについて、概略的に説明する。プロダクションプリンティングでは、短時間に大量の印刷を行うことを基本的な考え方としている。そのために、プロダクションプリンティングでは、印刷の高速化を図ると共に、ジョブ管理や印刷データの管理などを効率的に行うために、印刷データの作成から印刷物の分配までの管理を行うワークフローのシステムを構築する。
図7は、本発明の実施形態に適用可能な印刷システムの一例の構成を示す。この印刷システムは、上位装置10と、印刷装置としてのプリンタ装置13とが、複数のデータ線11と、制御線12とで接続されて構成される。上位装置10は、ホスト装置から供給される印刷ジョブデータに従ってRIP処理を行い、印刷画像データである各色毎のビットマップデータを作成する。それと共に、上位装置10は、当該印刷ジョブデータやホスト装置の情報などに基づき、印刷動作を制御するための制御情報を作成する。
なお、連帳紙において、ページは、例えば所定間隔で打たれたミシン目で挟まれる領域をいうものとする。
図8は、上位装置10の構成の一例である。バス100に対してCPU(Central Processing Unit)101、ROM(Read Only Memory)102、RAM(Random Access Memory)103、ハードディスクドライブ(HDD)104が接続される。バス100に対して、さらに、外部I/F110、制御情報用I/F111および画像データ用I/F112が接続される。バス100に接続されたこれら各部は、バス100を介して互いに通信可能とされている。
CPU101は、RAM103に書き出された各色のビットマップデータを圧縮符号化してHDD104に一旦格納する。
図9はプリンタ装置13の構成の一例である。プリンタ装置13は、プリンタコントローラ14およびプリンタエンジン15を有する。プリンタコントローラ14は、制御線12が接続され、上位装置10との間で制御線12を介して制御情報の送受信を行って印刷動作の制御を行う。プリンタエンジン15は、複数のデータ線11a、11b、11c、11dおよび11eがそれぞれ接続され、プリンタコントローラ14の制御に従い、これらデータ線11a、11b、11c、11d、および11eをそれぞれ介して上位装置10から転送された各色及び後処理液の印刷画像データによる印刷処理を行う。
プリンタコントローラ14は、CPU21および印刷制御部22を有し、これらCPU21と印刷制御部22とが互いに通信可能にバス20に接続される。バス20には、図示されない通信I/Fを介して制御線12も接続される。CPU21は、図示されないROMに格納されるプログラムに従い動作し、プリンタ装置13の全体の動作を制御する。印刷制御部22は、制御線12を介して上位装置10との間で行われる制御情報の送受信に基づきプリンタエンジン15との間でコマンドやステータス情報の送受信を行い、プリンタエンジン15の動作を制御する。
ロジック回路33aは、印刷制御部22からエンジン制御線40aを介して受け取った制御信号に従い、上位装置10からデータ線11aを介して転送された印刷画像データをメモリ31aに対して格納する。同様に、ロジック回路33aは、印刷制御部22からエンジン制御線40aを介して受け取った制御信号に従い、メモリ31aから印刷画像データを読み出して、後述する画像出力部50に供給する。
なお、論理回路などの組み合わせによりハードウェア的に構成されたロジック回路33aによる制御は、プログラムに対する割り込みにより処理を分岐させる、CPUを用いた制御に対してより高速な処理が可能であるという利点がある。ロジック回路33aは、例えば、エンジン制御線40aを介して受け取った、ビット列による制御信号に対して論理判定を行い、実行する処理を決定する。
画像出力部50は、各色の印刷画像データによる印刷を実行する。後処理液出力部52は後処理液の印刷画像データによる印刷を実行する。なお、本実施形態では、印刷画像データによる印刷を、ヘッドに設けられたノズルからインクを射出して印刷をインクジェット方式により行う。勿論、印刷方式はインクジェット方式に限られず、例えばレーザプリンタ方式などを用いてもよい。
次に各工程の詳細な説明に移る。
次に、この画像形成装置における記録ヘッドを構成する液滴吐出ヘッドの一例について図12及び図13を参照して説明する。
なお、図12は同ヘッドの液室長手方向に沿う断面説明図、図13は同ヘッドの液室短手方向(ノズルの並び方向)の断面説明図である。
この液滴吐出ヘッドは、例えば単結晶シリコン基板を異方性エッチングして形成した流路板401と、この流路板401の下面に接合した例えばニッケル電鋳で形成した振動板402と、流路板401の上面に接合したノズル板403とを接合して積層し、これらによって液滴(インク滴)を吐出するノズル404が連通する流路であるノズル連通路405及び液室406、液室406にインクを供給するための共通液室408に連通するインク供給口409などを形成している。
また、圧電素子421には図示しない駆動回路(駆動IC)に接続するためのFPCケーブル224を接続している。
なお、このヘッドの駆動方法については上記の例(引き−押し打ち)に限るものではなく、駆動波形の与えた方によって引き打ちや押し打ちなどを行うこともできる。
なおこの実施形態においては、前処理液はローラ付着(塗布)、後処理液は液滴吐出ヘッドによる液滴飛翔による付着する画像形成装置について説明する。
まず第1の実施形態について説明する。
なお前処理液量は浸透性に関する情報以外に、メディア上でのインクの凝集性に関係する物性値であれば、他の物性でもよい。
印刷制御部にて算出された後処理液の量の情報は制御線40eを介して後処理液データ管理部に送られ、データ管理部に送信された後処理液用画像データに補正を加えることで後処理液の付着量を制御する。
さらにこの前処理液、後処理液の付着量に応じて、乾燥部の強度を制御してもよい。
前処理液、後処理液の付着量が少なくなるような制御が行われる場合には、前処理後乾燥、後処理後乾燥の強度も弱くすることで消費電力を削減可能であり、そのための制御をこの前処理後乾燥制御部及び後処理後乾燥制御部で計算する。
また後処理後乾燥を送風によって行う場合は、風の温度及び風速を制御することにより、後処理後乾燥の強度を制御する。
なお、前処理液の付着量が多いとは1.5g/m2以上の付着量を意味する。後処理液の付着量が多いとは1.2g/m2以上の付着量を意味する。各付着量が少ないとは上記以外を意味する。なお付着量が少ないには「付着させない」も含む。
例えば浸透性がよいインクジェット専用紙に印字する場合は前処理液は少なくてよい。
よってそれに応じて後処理液も少なくてよい。また乾燥強度も弱くてよい。
なお、本実施例では処理液の付着量を、多い、少ないの2通りにしたが、記録媒体の物性を細かく分類して、処理液の付着パターンも多くしても良い。
図15はある記録媒体の前処理液の塗布(付着)量と粒状度の関係を表した図である。
前処理液を付着することで粒状度が下がる。
図17に示したとおり、前処理液によって低下した定着性は、後処理液を付着させることで改善される。前処理液が少ない記録媒体で後処理液も少なくすることでコストの削減が可能である。前処理液が多い記録媒体で後処理液も多くすることで、浸透性が悪い記録媒体でも、画像品質と画像堅牢性に優れた画像形成物を作成可能である。
以上の方法により、記録媒体の浸透性から前処理液の付着量を算出し、それに伴って後処理液付着量を算出することで、その記録媒体において、画像品質及び画像堅牢性に優れ、かつ、コストが最も低い画像形成物を作成可能である。
前処理の目的としては、画像品質の向上である。前処理すると、顔料が記録メディア表面で凝集するため、画像濃度が高くなる。液組成としては、顔料凝集効果のあるカチオン性物質、多価金属塩、水溶性樹脂などを含む。
前処理液の付着方法としては、記録媒体全体にローラ塗布する方法が望ましい。ローラ塗布することで、高濃度・高粘度な前処理液を記録メディア全面に均一に少量付着させることが可能となる。また付着量制御も容易にできる。
インク組成に特に限定はなく、記録メディアの塗工層を有する面の前処理された面に、あるいは前処理なしの面にインクジェット記録により画像を形成する。
後処理の目的は、搬送時の記録画像の転写汚れを防ぎ、記録メディアがブロッキングするのを防止することである。後処理液の組成としては、ポリウレタン樹脂とポリエチレンワックスを含有することが効果があり、更にポリエーテル変性ポリジメチルシロキサンとを含むことで更に効果がアップする。後処理液の付着方法としては、インクジェット記録による付着が望ましく、その付着量はインクの付着量の10〜30%であることが望ましい。
−水溶性脂肪族系有機酸−
本実施形態の画像形成方法に用いられる前処理液は、水溶性脂肪族系有機酸を含有し、水分散性着色剤を凝集させる性質を有する。ここで、凝集するとは水分散性着色剤粒子同士が吸着集合する意味であり、粒度分布測定装置により確認することができる。この前処理液に、水溶性脂肪族系有機酸等のイオン性物質を加えると、水分散性着色剤の表面電荷にイオンが吸着することで表面電荷が中和されるので、分子間力による凝集作用が増強されて凝集させることができる。凝集を確認する方法の例としては、水分散性着色剤濃度5質量%のインクジェット用インク5μlを前処理液30ml加えたときに、瞬時に着色剤が凝集するかを確認する方法が挙げられる。
本実施形態の画像形成方法に用いられる後処理液としては、記録用メディア上に透明な保護層を形成し得る成分を含有し、例えば、水分散性樹脂、水溶性有機溶剤、浸透剤、界面活性剤、水、更に必要に応じてその他の成分を含有してなる。この後処理液は、塗布又は飛翔させる方法によっても異なるが、画像部光沢性を出す為に、又は画像部を樹脂層で保護する為に(光沢性・定着性向上)、紫外線照射により高分子化する成分を含んでなる樹脂組成物及び熱可塑性樹脂が好ましい。特に、光沢性・定着性向上の理由により熱可塑性樹脂エマルジョン(水分散性樹脂ともいう)が好ましい。なお、インクジェット記録装置により後処理液を飛翔させる場合には、インクジェット用インク及び前処理液で使用されている水溶性有機溶剤(湿潤剤)を適当量含有することが好ましい。
上記の水分散性樹脂は、そのガラス転移温度(Tg)が−30℃以上であることが好ましく、−20〜100℃の範囲がより好ましい。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は50℃以下が好ましく、35℃以下がより好ましい。水分散性樹脂のガラス転移温度(Tg)が−30℃未満であると、水分の蒸発後も粘着剤の様にタック性があり、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)が50℃を超えると、ヒーター、温風等の乾燥手段を用いても短時間で成膜できないため、実使用が困難となることがある。水分散性樹脂のガラス転移温度は、例えばTMA法、DSC法及びDMA法(引張り法)により測定することができる。水分散性樹脂の最低造膜温度(MFT)は、例えば最低造膜温度測定装置(MFT型)により測定することができる。
ノズル口より小さくとも粒子径の大きな粒子が後処理液中に存在すると吐出性を悪化させる。そこで、インク吐出性を阻害させないために後処理液の平均粒子径(D50)は200nm以下がより好ましく、150nm以下が更に好ましい。
後処理液中における水溶性有機溶剤の含有量は、特に限定されないが、通常、10〜80質量%、好ましくは15〜60質量%である。80質量%より大きいと水溶性有機溶剤の種類によっては後処理後の記録用メディアが乾燥しにくくなる可能性があり、10質量%より小さいと前処理中に水分蒸発が生じ、後処理液の組成が大きく変わってしまう可能性がある。
1,3−ブタンジオール10質量%、L−乳酸15質量%、フッ素系界面活性剤0.05質量%、Proxel GXL 0.05質量%、抑泡剤0.05質量%、2−アミノー2−エチルー1,3プロパンジオール 0.1質量%、N,N−ジエチルエタノールアミン23.42質量%、乳酸カルシウム5質量%、界面活性剤 Rf−O−ポリオキシエチレンエーテル(ネオス社製フタージェント251)0.1質量%、変性シリコーンオイル(信越化学工業製KF643)1質量%、防黴剤 1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン・ジプロピレングリコール20%水溶液(アーチ・ケミカルズ・ジャパン製Proxel GXL)0.05質量%、1,2,3−ベンゾトリアゾール0.1質量%を一時間攪拌して均一に混合する。この混合液に対して合計100質量%となるように残量の水を添加し、一時間撹拌した。その後0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し前処理液とした。
(シアン分散体)
機械式攪拌機、温度計、窒素ガス導入管、還流管及び滴下ロートを備えた1Lフラスコ内を十分に窒素ガスで置換した後、スチレン11.2g、アクリル酸2.8g、ラウリルメタクリレート12.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート4.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)4.0g及びメルカプトエタノール0.4gを仕込み、65℃に昇温した。次にスチレン100.8g、アクリル酸25.2g、ラウリルメタクリレート108.0g、ポリエチレングリコールメタクリレート36.0g、ヒドロキシエチルメタクリレート60.0g、スチレンマクロマー(東亜合成(株)製、商品名:AS−6)36.0g、メルカプトエタノール3.6g、アゾビスジメチルバレロニトリル2.4g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を2.5時間かけてフラスコ内に滴下した。
滴下終了後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8g及びメチルエチルケトン18gの混合溶液を0.5時間かけてフラスコ内に滴下した。65℃で1時間熟成した後、アゾビスジメチルバレロニトリル0.8gを添加し、更に1時間熟成した。反応終了後、フラスコ内に、メチルエチルケトン364gを添加し、濃度が50%のポリマー溶液800gを得た。
その後、3本ロールミル((株)ノリタケカンパニー製、商品名:NR−84A)を用いて20回混練した。得られたペーストをイオン交換水200gに投入し、十分に攪拌した後、エバポレーターを用いてメチルエチルケトン及び水を留去し、固形分量が20.0wt%の青色のポリマー微粒子分散体160gを得た。
前記シアン分散体の銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントレッド122に変更したほかはシアン分散体の作製と同様にして赤紫色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は124nmであった。
前記シアン分散体の銅フタロシアニン顔料を顔料ピグメントイエロー74に変更したほかはシアン分散体の作製と同様にして黄色のポリマー微粒子分散体を得た。ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は78nmであった。
前記シアン分散体の銅フタロシアニン顔料をカーボンブラック(デグサ社FW100)に変更したほかはシアン分散体の作製と同様にして黒色のポリマー微粒子分散体を得た。
ポリマー微粒子のマイクロトラックUPAで測定した平均粒子径(D50%)は110nmであった。
1,3−ブタンジオール15質量%、グリセリン15質量%、OMNOVA製ポリフォックスPF−151N 1重量%、オクタンジオール2質量%を混合し一時間攪拌を行い均一に混合する。この混合液に対して前記顔料分散体40重量%を添加し、合計100質量%となるように残量の水を添加し、一時間撹拌した。その後0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し評価インクとした。
3−メチル−1,3−ブタンジオール22質量%、グリセリン11質量%、フッ素系界面活性剤0.05質量%、Proxel GXL 0.05質量%、抑泡剤0.05質量%、2−アミノー2−エチルー1,3プロパンジオール 0.2質量%、ポリウレタンエマルション15質量%、ポリエチレンワックス14質量%、ポリエーテル変性ポリジメチルシロキサン1質量%を一時間攪拌して均一に混合する。この混合液に対して合計100質量%となるように残量の水を添加し、一時間撹拌した。その後0.8μセルロースアセテートメンブランフィルターにて加圧濾過し、粗大粒子を除去し後処理液とした。
前処理液をローラ付着方式により40mg/A4付着させたPODグロス紙に、各評価に必要な画像をインク印字し、その直後に後処理液の付着量を変化させて画像を作成した。
加熱処理は印字面の裏面からローラ温度100℃にて行った。
上記方法で作成した画像について下記評価を行った。
画像チャートとして10ポイントの■のベタチャート(100%duty)を印字した画像について、画像濃度を反射型カラー分光測色濃度計(X−Rite社製)を用いて画像濃度を測定した。
(判断基準)
◎:1.5以上
○:1.2以上1.5未満
△:0.9以上1.2未満
×:0.9未満
画像チャートとして10ポイントのHの文字を解像度1200dpiで印字した画像について、目視にて滲みを観察した
(判断基準)
◎:にじみがない
○:わずかに滲みが認められる
△:滲みあり
×:滲みが明らか
日本紙パルプ技術協会が発行するTAPPI T477試験方法を参考として、10×10cm四方のガラス板上に印刷後の記録媒体の6cm四方のベタ部を印字直後、印刷していない記録媒体を重ねて、その上に更に10×10cm四方のガラス板を乗せた上に、荷重1kg/m2をかけて、40℃、90%RHの環境条件下に、24時間放置した。
その後2時間室温放置し、剥がした際の記録媒体同志の貼り付き具合を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
(判断基準)
◎:ブロッキングなし 隣接面に何等の粘着や接着も起きず、互いに自由に滑らすことができる。試料の面は少しも傷ついていない。
○:僅かにブロッキング 僅かに粘着している。隣接面は自由に滑らすことはできないが、こすると滑らすことができる。試料の面はほんの一寸傷つけられていることもあり、判らぬこともある。
△:かなりブロッキング 隣接面は粘着または接着。各層は容易に引き離せない。面は傷つけられているかあるいは部分的に破壊されている。
×:完全にブロッキング ブロッキングの程度は隣接面間で完全に密着融合していて、これを引き離そうとすれば、試料が破壊する程度のもの。原紙の繊維がむしりとられる。
画像チャートとして6cm四方の100%dutyで印字したベタ画像について、印字後3時間以上経過した後、クロックメータ(東洋精機社製)に装着した白綿布(東洋精機社製)で印字したベタ画像部を10往復させ、白綿布に付着したインクの汚れを目視で観察し、下記基準により評価した。
(判断基準)
◎汚れが全くない
○汚れがあるが、実用上問題なし
△汚れがやや顕著に認められる
×汚れが顕著に認められる
評価結果を以下に示す。表中の処理液付着量の値は、インクの付着量を100%とした時に、後処理液の付着量の割合が10%であることを示す。
処理液の付着不足による目標画像品質・耐擦性等の未達や処理液の付着過多による乾燥時間の増加及びコスト増加を防止することができる。また、印字後の裁断、折り、折り丁の丁合い、綴じ、表紙巻き、三方断ちという製本作業、後処理がすぐにできるため、印刷後用紙の一時保管に要する、時間や場所の確保が不要となる。
前記実施例及び比較例の結果によれば、以下のことが理解される。
すなわち、本発明の画像形成方法、本発明の画像形成装置によれば、後処理液の付着面積を画像形成がなされた面積よりも小さくすることで後処理液の消費量を低減することができ、コストを下げることが可能である。
さらに画像を形成する印字速度によって、後処理液の付着量を制御することで、印字直後の画像面の転写性や、乾燥後の画像面の耐擦り性を改善することが可能である。
「処理液の付着量を多くした場合にそれに応じて前記後処理液の付着量を多くする又は付着面積を増やすこと」を含む本発明の画像形成方法によれば、前記前処理液の付着量を多くした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を多くするため、処理液の付着不足による目標画像品質・耐擦性等の未達となることが無い。
「処理液の付着量を少なくした場合にそれに応じて前記後処理液の付着量を少なくする又は付着面積を小さくすること」を含む本発明の画像形成方法によれば、前処理液の付着量を少なくした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を少なくするため、後処理液の消費量を低減することができ、コストを下げることが可能である、等々の事実が理解される。
500 記録媒体
501 前処理液
502 記録液
503 後処理液
(図3〜図6について)
201 搬送ローラ
202 プラテンローラ
203 記録媒体
204 前処理液付着(塗布)装置
205 前処理液
206 攪拌・供給ローラ
207 移送・薄膜化ローラ
208 塗布ローラ
209 圧力調整装置
300 インクジェット記録装置
301 記録媒体搬送部
302 前処理工程部
303 前処理後乾燥部
304 画像形成工程部
304K、304C、304M、304Y 記録ヘッド
304K−1、304K−2、304K−3、304K−4 ヘッドユニット
305 後処理工程部
306 後処理後乾燥部
307 給紙装置
308 巻き取り装置
309 ヘッドユニットのノズル面
310 印字ノズル
311 ヒートローラ
312 ヒートローラ
313 ヒートローラ
314 ヒートローラ
(図7〜図11について)
10 上位装置
11 データ線
11a、11b、11c、11d 11e データ線
12 制御線
13 プリンタ装置
14 プリンタコントローラ
15 プリンタエンジン
20 バス
21 CPU
22 印刷制御部
30a、30b、30c、30d、30e データ管理部
31a、31b、31c、31d、31e メモリ
32a、32b、32c、32d、32e 出力線
33a ロジック回路
40a、40b、40c、40d、40e エンジン制御線
41a、41b、41c、41d、41e 制御線
50 画像出力部 出力線
51 印刷用紙搬送制御部
52 後処理液出力部
53 後処理後乾燥制御部
55 出力制御部
56a、56b、56c、56d 各色のヘッド
60 前処理液付着制御部
61 前処理後乾燥制御部
62 巻取前乾燥制御部
100 バス
101 CPU
102 ROM
103 RAM
104 ハードディスクドライブ(HDD)
110 外部I/F
111 制御情報用I/F
112 画像データ用I/F
(図12、図13について)
224 FPCケーブル
401 流路板
402 振動板
403 ノズル板
404 ノズル
405 ノズル連通路
406 液室
408 共通液室
409 インク供給口
421 積層型圧電素子
422 ベース基板
423 支柱部
430 フレーム部材
431 貫通部
432 インク供給穴
451 圧電材料
452 内部電極
453 個別電極
454 共通電極
Claims (6)
- 画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着工程、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着工程を有する画像形成方法において、前記後処理液の付着面積を前記画像形成がなされた部分の面積よりも小さく、かつ、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着面積を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着面積を増やすことを特徴とする画像形成方法。
- 画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着工程、記録媒体上に画像を形成する画像形成工程、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着工程を有する画像形成方法において、前記後処理液の付着面積が前記画像形成がなされた部分の面積よりも小さく、かつ、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着量を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着量を増やすことを特徴とする画像形成方法。
- 前記前処理液の付着量を多くした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を多くする又は付着面積を増やすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 前記前処理液の付着量を少なくした場合に、それに応じて前記後処理液の付着量を少なくする又は付着面積を減らすことを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成方法。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着手段と、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着手段を有し、かつ、前記後処理液の付着面積を前記画像形成がなされた面積よりも小さくする処理液付着面積調節手段を更に有し、該処理液付着面積調節手段は、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着面積を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着面積を増やすものであることを特徴とする画像形成装置。
- 記録媒体上に画像を形成する画像形成装置において、画像形成前に記録媒体上に前処理液を付着する前処理液付着手段と、画像形成後に記録媒体上に後処理液を付着する後処理液付着手段を有し、かつ、前記後処理液の付着面積が、前記画像形成がなされた面積よりも小さくする処理液付着量調節手段を更に有し、該処理液付着量調節手段は、印字速度が速いほど記録媒体への後処理液の付着量を減らし、印字速度が遅いほど記録媒体への後処理液の付着量を増やすものであることを特徴とする画像形成装置。
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