JP2010046844A - インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 - Google Patents
インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2010046844A JP2010046844A JP2008211432A JP2008211432A JP2010046844A JP 2010046844 A JP2010046844 A JP 2010046844A JP 2008211432 A JP2008211432 A JP 2008211432A JP 2008211432 A JP2008211432 A JP 2008211432A JP 2010046844 A JP2010046844 A JP 2010046844A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- treatment liquid
- recording medium
- ink composition
- fine particles
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Granted
Links
Images
Landscapes
- Ink Jet (AREA)
- Ink Jet Recording Methods And Recording Media Thereof (AREA)
Abstract
【解決手段】インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置であって、下記工程(a)〜(c)を含む。
(a)記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有するインク組成物を、インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程
(b)記録媒体上における画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーと、を含有する処理液を塗布する工程
(c)記録媒体における処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、画像の表面に保護膜を形成する工程
【選択図】図1
Description
しかしながら、インクジェット記録技術においては、画像形成速度を向上させようとすると、次のような問題が生じやすい。
すなわち、画像形成速度を高速化させると、インクが記録媒体に浸透する前に、記録媒体が排出ローラを通り排出されてしまう。その結果、インクが排出ローラに付着(オフセット)することとなるため、画像不良が発生しやすくなるという問題が見られる。
より具体的には、少なくともカチオン重合性化合物とラジカル性光重合開始剤を含有するインク組成物Aと、少なくともラジカル重合性化合物と光酸発生剤を含有するインク組成物Bとからなる紫外線インクセットが開示されている。
そのため、高速画像形成を実施した場合には、インク組成物全体を十分に硬化させることができず、オフセットを抑制することが困難となる場合が見られた。
そこで、特許文献1においては、インク組成物中におけるラジカル重合を促進させるべく、シリカ、アルミナ、チタニア及び酸化カルシウム等の無機化合物からなる重合性微粒子を用いる技術が、さらに開示されている。
しかしながら、かかる無機化合物からなる重合性微粒子を用いた場合であっても、インク組成物の硬化速度を十分に向上させることは困難であった。
その結果、高速画像形成を行った場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制できることを見出すに至った。
すなわち、本発明の目的は、高速画像形成を実施した場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制できるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置を提供することにある。
(a)記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有するインク組成物を、インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程
(b)記録媒体上における画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーと、を含有する処理液を塗布する工程
(c)記録媒体上における処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、画像の表面に保護膜を形成する工程
すなわち、所定のインク組成物によって画像を形成した部分に対して、重合性樹脂微粒子等を含有した所定の処理液を塗布し、さらに、当該処理液を塗布した部分に対して光照射を行うことにより、画像の表面を選択的に光硬化させて、所定強度を有する保護膜を速やかに形成することができる。
その結果、インク組成物が記録媒体に対して完全に浸透し切れていない状態であっても、インク組成物が排出ローラ等に付着する現象、所謂オフセットの発生を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明のインクジェット記録方法であれば、高速画像形成を実施した場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制することができる。
このように実施することにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をより速やかに形成することができる。
このように実施することにより、画像を形成しているインク組成物の表面を、処理液によってより安定的に被覆することができる。
このように実施することにより、処理液中における重合性樹脂微粒子の分散性を向上させつつ、画像の表面における保護膜の膜厚を、容易に制御することができ、ひいては、保護膜の強度を容易に制御することができる。
このように実施することにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜を、さらに速やかに形成することができる一方で、インク組成物及び処理液の保存性をより向上させることができる。
このように実施することにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができる一方で、インク組成物及び処理液の保存性をより向上させることができる。
このように実施することにより、画像の表面において、ラジカル重合性モノマー及び重合性樹脂微粒子を過不足無く重合させて、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができる。
このように実施することにより、処理液の塗布量及び塗布箇所を正確に制御することができる。
このように実施することにより、記録媒体に浸透し切れなかったインク組成物を、オフセットを抑制しつつ、十分に乾燥させることができる。
すなわち、かかるインクジェット記録装置であれば、上述した所定のインクジェット記録方法を容易に実施することができる。
したがって、高速画像形成を実施した場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制することができる。
(a)記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有するインク組成物を、インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程
(b)記録媒体上における画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーと、を含有する処理液を塗布する工程
(c)記録媒体における処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、画像の表面に保護膜を形成する工程
また、本発明の別の態様としての、上述したインク組成物におけるラジカル性光重合開始剤と、処理液におけるラジカル重合性モノマーと、を互いに交換した構成としたインクジェット記録方法である。
以下、本発明の実施形態としてのインクジェット記録方法について、具体的に説明する。
なお、本発明のさらに別の実施形態としてのインクジェット記録装置については、インクジェット記録方法の説明中において同時に説明する。
本発明のインクジェット記録方法の概略を、図1及び図2を用いて説明する。
本発明のインクジェット記録方法は、図1に示すようなインクジェット記録装置20を用いて実施することができる。
かかるインクジェット記録装置20は、記録媒体の搬送方向Aにおける上流側において、インクジェットヘッド4を備えるとともに、その下流側において、処理液塗布手段3を備え、さらにその下流側において、光照射手段10を備えた構成とすることができる。
ここで、インクジェットヘッド4は、給紙ローラ5及び搬送機構6によって搬送されてくる記録媒体に対して所定のインク組成物を吐出し、画像を形成するための手段であり、かかるインクジェットヘッド4によって、本発明のインクジェット記録方法における工程(a)が実施される。
また、処理液塗布手段3は、所定の処理液を、記録媒体上における画像が形成された部分に対して塗布するための手段であり、かかる処理液塗布手段3によって、本発明のインクジェット記録方法における工程(b)が実施される。
そして、光照射手段10は、所定の処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、画像の表面に保護膜を形成するための手段であり、かかる光照射手段10によって、本発明のインクジェット記録方法における工程(c)が実施される。
一方、本発明の処理液には、重合性樹脂微粒子と、インク組成物に含有されていないラジカル性光重合開始剤あるいはラジカル重合性モノマーの一方と、が含まれている。
したがって、図2(b)に示すように、工程(a)の後に工程(b)を実施することによって、特に重合性樹脂微粒子が、処理液23の比重や粘度を所定の範囲とすることに寄与することから、処理液23によってインク組成物24の表面を安定的に被覆することができる。
その結果、工程(c)において光照射を行うことにより、インク組成物24の表面を被覆している処理液23中の重合性樹脂微粒子同士が、インク組成物24あるいは処理液23のいずれかに含有されているラジカル重合性モノマーの光重合によって一体化され、画像の表面が選択的に光硬化されることとなる。
このように、工程(a)〜(c)を実施することにより、画像の表面を選択的に光硬化させて、所定強度を有する保護膜を速やかに形成することができる。
その結果、インク組成物が記録媒体に対して完全に浸透し切れていない状態であっても、インク組成物が排出ローラ等に付着する現象、所謂オフセットの発生を効果的に抑制することができる。
したがって、本発明のインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置であれば、高速画像形成を実施した場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制することができる。
なお、本発明においては、画像の表面を選択的、かつ速やかに光硬化させることから、画像全体を光硬化させる場合と比較して、酸素によるラジカル重合阻害が生じにくく、例えば、補助的にカチオン重合性モノマー等を併用せずとも、十分に所定の強度を有する保護膜を形成することができる。
さらに、画像の表面を選択的に光硬化させることから、画像全体を光硬化させる場合と比較して、ラジカル重合性モノマーの絶対量が少なくてすむため、モノマー成分に特有の臭いの問題についても効果的に抑制することが可能である。
以下、工程(a)〜(c)を、各工程ごとに説明する。
本発明における工程(a)は、記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤あるいはラジカル重合性モノマーのいずれか一方と、を含有するインク組成物を、インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程である。
(1)−1 色材
本発明における色材としては、特に制限されるものではなく、一般的に使用されている染料や顔料を用いることができる。
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、反応染料、分散染料、建染染料等が挙げられる。これらの染料の含有量は液媒体成分の種類、インクに要求される特性等に依存して決定されるが、一般にはインク全重量に対して0.5〜15重量%、好ましくは1〜7重量%の範囲である。
したがって、顔料の好適な使用量は、インクジェット記録用インク組成物全量中に1〜40重量%程度であり、より好適には2〜30重量%程度である。
また、本発明のインク組成物は、ラジカル性光重合開始剤あるいはラジカル重合性モノマーのいずれか一方を含有することを特徴とする。
さらに、本発明においては、ラジカル性光重合開始剤あるいはラジカル重合性モノマーのうち、一方はインク組成物に含有され、もう一方は、後述する処理液に含有されることを特徴としている。
この理由は、ラジカル性光重合開始剤と、ラジカル重合性モノマーとを、それぞれ別の液中に含有させることにより、インク組成物及び処理液の保存性を向上させることができるためである。
したがって、混乱をさけるため、本実施形態においては、ラジカル性光重合開始剤をインク組成物に含有させ、ラジカル重合性モノマーを処理液に含有させた場合を記載する。
なお、ラジカル性光重合開始剤をインク組成物に含有させた場合、工程(b)において塗布される処理液において、ラジカル性光重合開始剤と、重合性樹脂微粒子及びラジカル重合性モノマーと、が並存しないこととなるため、インク組成物及び処理液の保存性をより向上させることに寄与することとなる。
この理由は、これらのラジカル性光重合開始剤であれば、後の工程(b)及び(c)を経て、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をより速やかに形成することができる一方で、インク組成物及び処理液の保存性をより向上させることができるためである。
また、これらのラジカル性光重合開始剤であれば、液中に存在する顔料等の粒子状物質の分散安定性を阻害することがないためである。
この理由は、ラジカル性光重合開始剤の含有量をかかる範囲とすることにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができる一方で、インク組成物及び処理液の保存性をさらに向上させることができるためである。
すなわち、ラジカル性光重合開始剤の含有量が0.01重量%未満の値となると、その絶対量が不足して、処理液に含有されるラジカル重合性モノマー及び重合性樹脂微粒子を十分に重合させることが困難となる場合があるためである。一方、ラジカル性光重合開始剤の含有量が30重量%を超えた値となると、インク組成物の保存性が過度に低下したり、形成画像の色合いに影響を及ぼす場合があるためである。
したがって、ラジカル性光重合開始剤の含有量を、インク組成物の全体量に対して0.01〜10重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、0.05〜8重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ラジカル性光重合開始剤を処理液に含有させる場合であっても、処理液の全体量に対して、上述した数値範囲で含有させることができる。
本発明におけるインク組成物は、一般的なインク組成物と同様に、インク組成物の全体量に対して、水を50〜90重量%含有する。
また、さらに、水溶性有機溶剤を含有してもよい。
かかる水溶性有機溶剤としては、例えば、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類、アセトン等のケトン類、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等のポリアルキレングリコール類、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チオジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレングリコール等のアルキレン基が2〜6個の炭素原子を含むアルキレングリコール類、グリセリン、そしてエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、ジエチレングリコールメチル(またはエチル)エーテル、トリエチレングリコールモノメチル(またはエチル)エーテル等の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、トリエタノールアミン、スルホラン、ジメチルサルフォキサイド等が挙げられる。
なお、かかる水溶性有機溶剤は、インク組成物の全体量に対して1〜40重量%の範囲内で含有させることが好ましい。
さらに、ノニオン活性剤に加えて、アニオン活性剤あるいはカチオン活性剤として一般に知られている活性剤(分散剤)も本発明には使用できる。
また、分散剤の添加量は、インク組成物全量に対して0.01〜1重量%添加することが好ましい。
この理由は、0.01重量%未満であると顔料の十分な分散できない場合があり、逆に、1重量%以上であるとインクジェットノズルからの吐出安定性が悪化する場合があるためである。
かかる酸化防止剤としては、例えば、アルキルフェノール系化合物、フェニレンジアミン等のアミン系化合物、ヒンダードフェノール系化合物、ヒドロキノン系化合物、ヒドロキシルアミン系化合物などが挙げられる。ヒンダードフェノール系化合物は長期保存を目的とした酸化防止剤として優れ、酸化生成物がさして着色しないことからジブチルヒドロキシトルエン(BHT)やブチルヒドロキシアニソール(BHA)等が好ましい。また、重合禁止剤として用いられ、急速短期の酸化防止機能に優れるフェノール系化合物のうちハイドロキノン、ガレート等のフェノール性OHを持った化合物等を用いても良い。またそれらを適宜、併用することも可能である。
また、酸化防止剤の添加量は使用する酸化防止剤、使用環境によって異なるが、インク組成物全量に対して0.01〜1重量%添加することが好ましい。
この理由は、0.01重量%未満であると酸化による異物の発生を充分に抑制することができず、インクジェットノズルからの吐出安定性が悪化する場合があるためである。一方、酸化防止剤を1重量%よりも多く添加しても、酸化防止のさらなる効果は期待できず、逆に吐出性が悪化する恐れがあるためである。
本発明におけるインク組成物の吐出については、インクジェットヘッドを用いて行うことを特徴とする。
なお、インクジェットヘッドを用いたインク組成物の吐出方法としては、例えば、ピエゾ方式及びサーマル方式等が挙げられるが、本発明においては、いずれの方式を採用してもよい。
一方、インク吐出量を比較的簡単に制御でき、さらに、インクを加熱しないため、サーマル方式に比べて幅広いインク組成に対応可能であるといった観点から、ピエゾ方式とすることがより好ましい。
本発明における工程(b)は、記録媒体上における画像が形成された部分に対して、インク組成物にラジカル性光重合開始剤が含有されている場合には、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーとを、インク組成物にラジカル重合性モノマーが含有されている場合には、重合性樹脂微粒子と、ラジカル性光重合開始剤とを、含有する処理液を塗布する工程である。
(1)−1 重合性樹脂微粒子
本発明の処理液は、重合性樹脂微粒子を含有することを特徴とする。
この理由は、重合性樹脂微粒子を含有させない場合、ラジカル重合性モノマーのみを重合させることによって、工程(a)において形成した画像の表面に保護膜を形成しなければならないこととなるためである。
このように重合性樹脂微粒子を含有させない場合、保護膜を光硬化により所定強度とするまでに、非常に時間がかかることとなる。
一方、重合性樹脂微粒子を含有させた場合、光硬化をさせる前の段階において、既に一部光硬化しているのと同様の状態であるため、ラジカル重合性モノマーは、光硬化によって重合性樹脂微粒子同士を一体化させる役割を担うのみとなる。
したがって、重合性樹脂微粒子を含有させた場合、保護膜を光硬化により所定強度とするまでの時間を、著しく短縮させることができるためである。
また、重合性樹脂微粒子が、処理液の比重や粘度を所定の範囲とすることに寄与することから、処理液によって、画像を形成しているインク組成物の表面を安定的に被覆することができ、保護膜を光硬化により所定強度とするまでの時間を、さらに短縮させることができるためである。
すなわち、後の工程(c)において光照射を行うことにより、インク組成物の表面を被覆している処理液中の重合性樹脂微粒子同士が、インク組成物あるいは処理液のいずれかに含有されているラジカル重合性モノマーの光重合によって一体化され、画像の表面が選択的に光硬化されるためである。
なお、上述したように画像の表面を選択的に光硬化させるにあたっては、処理液の比重や粘度における重合性樹脂微粒子の寄与が必要なのであり、例えば、シリカ、アルミナ及びチタニア等の無機化合物を主構成要素とする重合性微粒子では、本発明の効果を得ることができないことが、別途確認されている。
また、かかる重合性樹脂微粒子を構成する樹脂の種類としては、所定の無色透明性さえ有していれば、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂等の樹脂を使用することができる。
上述した官能基を有し、かつ、これらの樹脂を含む重合性樹脂微粒子であれば、画像の表面において所定の強度を有する保護膜を、より速やかに形成することができる。
この理由は、重合性樹脂微粒子の含有量をかかる範囲とすることにより、画像を形成しているインク組成物の表面を、処理液によってより安定的に被覆することができるためである。
すなわち、重合性樹脂微粒子の含有量が0.1重量%未満の値となると、その絶対量が不足して、処理液の比重や粘度を所定の範囲とすることが困難となり、結果としてインク組成物の表面を、処理液によって安定的に被覆することが困難となる場合があるためである。一方、重合性樹脂微粒子の含有量が10重量%を超えた値となると、重合性樹脂微粒子を処理液中で均一に分散させることが困難となったり、形成画像の色合いに影響を及ぼす場合があるためである。
したがって、処理液の全体量に対する重合性樹脂微粒子の含有量を、1〜8重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、1〜6重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
この理由は、重合性樹脂微粒子の数平均粒子径をかかる範囲とすることにより、処理液中における重合性樹脂微粒子の分散性を向上させつつ、画像の表面における保護膜の膜厚を、容易に制御することができ、ひいては、保護膜の強度を容易に制御することができるためである。
すなわち、重合性樹脂微粒子の数平均粒子径が0.01μm未満の値となると、保護膜の膜厚が過度に薄くなりやすくなって、所定強度の保護膜を形成することが困難となる場合があるためである。一方、重合性樹脂微粒子の数平均粒子径が10μmを超えた値となると、処理液中における重合性樹脂微粒子の分散性が過度に低下したり、形成画像の色合いに影響を及ぼす場合があるためである。
したがって、重合性樹脂微粒子の数平均粒子径を0.05〜8μmの範囲内の値とすることがより好ましく、0.1〜5μmの範囲内の値とすることがさらに好ましい。
また、本発明の処理液は、ラジカル性光重合開始剤あるいはラジカル重合性モノマーのうち、インク組成物に含有されていない方を含有することを特徴とする。
なお、工程(a)の項において記載したように、本実施形態においては、ラジカル重合性モノマーを処理液に含有させた場合を記載する。
かかるラジカル重合性モノマーは、工程(a)において吐出されたインク組成物に含有されるラジカル性光重合開始剤及び後の工程(c)において光照射手段から照射される光によって光硬化し、上述した重合性樹脂微粒子同士を速やかに一体化させることに寄与する。
なお、本発明においては、画像の表面を選択的、かつ速やかに光硬化させることから、画像全体を光硬化させる場合と比較して、酸素による重合阻害が生じにくく、例えば、補助的にカチオン重合性モノマー等を併用せずとも、十分に所定の強度を有する保護膜を形成することができる。
さらに、画像の表面を選択的に光硬化させることから、画像全体を光硬化させる場合と比較して、ラジカル重合性モノマーの絶対量が少なくてすむため、モノマー成分に特有の臭いの問題についても効果的に抑制することが可能である。
この理由は、これらのラジカル重合性モノマーであれば、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をより速やかに形成することができる一方で、インク組成物及びより液の保存性をより向上させることができるためである。
この理由は、ラジカル重合性モノマーの含有量をかかる範囲とすることにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができる一方で、インク組成物及び処理液の保存性をより向上させることができるためである。
すなわち、ラジカル重合性モノマーの含有量が5重量%未満の値となると、その絶対量が不足して、重合性樹脂微粒子同士を速やかに一体化させることが困難となる場合があるためである。一方、ラジカル重合性モノマーの含有量が30重量%を超えた値となると、処理液の保存性が過度に低下したり、形成画像の色合いに影響を及ぼす場合があるためである。
したがって、ラジカル重合性モノマーの含有量を、処理液の全体量に対して8〜28重量%の範囲内の値とすることがより好ましく、10〜25重量%の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、ラジカル重合性モノマーをインク組成物に含有させる場合であっても、インク組成物の全体量に対して、上述した数値範囲で含有させることができる。
また、ラジカル重合性モノマーの他に、適宜ラジカル重合性オリゴマーを加えてもよい。
さらに、補助的にカチオン重合性モノマーを併用してもよいが、本発明においては、画像の表面を選択的、かつ速やかに光硬化させることから、画像全体を光硬化させる場合と比較して、酸素によるラジカル重合阻害が生じにくく、カチオン重合性モノマー等を併用せずとも、十分に所定の強度を有する保護膜を形成することができる。
したがって、補助的にカチオン重合性モノマーを併用するとしても、その含有量は、処理液もしくはインク組成物の全体量に対して、5〜15重量%の範囲内とすべきである。
本発明における処理液は、処理液の全体量に対して、水を50〜99重量%及びグリセリンを1〜30重量%の範囲内で含有させることが好ましい。
この理由は、処理液に対し水及びグリセリンをかかる範囲で含有させることにより、画像の表面において、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができるためである。
すなわち、水及びグリセリンの含有量を、それぞれ上述した範囲とすることにより、その他の成分と相俟って、処理液の粘度等の特性を好適な範囲にコントロールすることができ、ひいては所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができるためである。
したがって、処理液の全体量に対して、水を60〜90重量%、グリセリンを5〜10重量%の範囲内で含有させることがより好ましい。
かかる界面活性剤の種類としては、例えば、多環フェノールエトキシレート等の特殊フェノール型非イオン界面活性剤、または、グリセライトのエチレンオキサイド付加物、ポリエチレングリコールオレート、ポリオキシアルキレンタロエート、ソルビタンラウリルエステル、ソルビタンオレイルエステル、ポリオキシエチレンソルビタンオレイルエステル等のエステル型非イオン界面活性剤、または、ヤシ油脂肪酸ジエタノールアマイド、ポリオキシエチレンヤシ油脂肪酸モノエタノールアマイド等のアマイド型非イオン界面活性剤、または、アセチレングリコール及びそのエチレンオキサイド付加物、または、アルコールサルフェートナトリウム塩、高級アルコールサルフェートナトリウム塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステルアンモニウム塩、アルキルベンゼンスルフォン酸ナトリウム塩等の陰イオン界面活性剤、または、モノ長鎖アルキルカチオン、ジ長鎖アルキルカチオン、アルキルアミンオキサイド等の陽イオン界面活性剤、または、ラウリルアミドプロピル酢酸ベタイン、ラウリルアミノ酢酸ベタイン等の両性界面活性剤等を挙げることができ、これらの界面活性剤を単独或いは混合したものを用いることができる。
また、これらの界面活性剤の添加量としては、処理液の全体量に対して、0.1〜5重量%の範囲内の値とすることが好ましく、0.2〜1重量%の範囲内とすることがより好ましい。
すなわち、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、オクタンジオール、1,2−ヘキサンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、2−ブチル−2−エチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタジオール、2−エチル−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2,4−ジチル−1,5−ペンタンジオール、2,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、2,2−ジメチル−1,3−プロパンジオール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、トリメチロールプロパン、チオジグリコール等を用いることもできる。
なお、処理液の粘度(25℃)としては、2〜100mPa・sの範囲内の値とすることが好ましく、処理液のpHとしては、5〜12の範囲内の値とすることが好ましい。
本発明における処理液の塗布方法は、記録媒体に対して所定量の処理液を安定的に塗布できる方法であれば、特に限定されるものではない。
例えば、多孔質の弾性体層を備えたローラにより、記録媒体に対して直接的に処理液を塗布する方法や、スプレーによって処理液を霧状に噴霧して、記録媒体に塗布する方法等、いずれであってもよく、塗布箇所としては、記録媒体の全面であっても、特定の部分であってもよい。
一方、特に好ましい塗布方法としては、ピエゾ方式のインクジェットヘッドから処理液を吐出することにより行う方法が挙げられる。
この理由は、ピエゾ方式のインクジェットへッドを用いた方法であれば、処理液の塗布量及び記録媒体上における塗布箇所を、正確に制御することができるためである。
また、サーマル方式のインクジェットヘッドを用いた場合と比較して、処理液が熱変性等するといった問題についても根本的に回避することができるためである。
この理由は、インク組成物に対する処理液の塗布量をかかる範囲とすることにより、画像の表面において、ラジカル重合性モノマー及び重合性樹脂微粒子を過不足無く重合させて、所定の強度を有する保護膜をさらに速やかに形成することができるためである。
すなわち、処理液の塗布量がかかる範囲外の値となると、インク組成物の組成にもよるが、ラジカル重合性モノマー及び重合性樹脂微粒子に対してラジカル性光重合開始剤が過度に不足したり、あるいは過剰になったりして、光硬化が不安定となり、ひいては保護膜を速やかに形成することが困難となる場合があるためである。
したがって、処理液の塗布量を、インク組成物の吐出量100重量部に対して、20〜150重量部の範囲内の値とすることがより好ましく、50〜120重量部の範囲内の値とすることがさらに好ましい。
なお、例えば、600dpiの場合であれば、1画素当たりの処理液の塗布量を21〜50.4ピコリットル/画素(600dpi)の範囲内の値とすることが好ましい。
つまり、画像を形成すべくインク組成物が吐出されている部分の形状及び面積に合わせて、処理液の塗布を行うことが好ましい。
この理由は、このように塗布することにより、処理液を節約できるばかりか、記録媒体におけるカールやコックリングの発生についても、効果的に抑制することができるためである。
このように、画像が形成される部分に対応させて処理液を塗布するためには、上述したように、ピエゾ方式のインクジェットヘッドから処理液を吐出することが好ましい。
かかる塗布方法であれば、インク組成物の吐出を制御するデータに基づいて、容易に処理液の塗布を制御することができるためである。
また、画像が形成されている部分に対応させて処理液を塗布する態様としては、例えば、図3(a)〜(c)の態様が挙げられる。
すなわち、(a)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク組成物24の吐出形状及び面積と一致する場合の態様である。
また、(b)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク組成物24の吐出形状及び面積よりも小さい場合の態様である。
さらに、(c)の態様は、処理液23の塗布形状及び面積が、インク組成物24の吐出形状及び面積よりも大きい場合の態様である。
本発明における工程(c)は、記録媒体上における処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、画像の表面に保護膜を形成する工程である。
具体的には、メタルハライドランプ、キセノンランプ、カーボンアーク灯、ケミカルランプ、低圧水銀ランプ、高圧水銀ランプ等のランプが挙げられる。
また、紫外線発光ダイオード(紫外線LED)や紫外線発光半導体レーザ等の紫外線発光半導体素子を用いることもできる。
この理由は、紫外線の照射量をかかる範囲とすることにより、画像の表面において、所定強度を有する保護膜を速やかに形成することができるためである。
また、工程(c)の後に、さらに加熱定着工程を実施することが好ましい。
この理由は、かかる工程をさらに実施することにより、記録媒体に浸透し切れなかったインク組成物を、オフセットを抑制しつつ、十分に乾燥させることができるためである。
かかる加熱定着工程を実施する方法としては、記録媒体に対して直接的に、棒状あるいは回転可能なロール状の熱源を接触させて過熱定着する方法や、遠赤外線、近赤外線及びマイクロウェーブ(2450MHz程度に極大波長を有する電磁波)等を照射する方法、あるいは、熱風を吹き付ける方法等が挙げられるが、いずれの方法であってもよい。
特に、本発明であれば、記録媒体に対して直接熱源を接触させる方法を採用した場合であっても、画像の表面において、所定強度を有する保護膜を形成していることから、記録媒体に浸透し切れなかったインク組成物が熱源に対してオフセットすることを効果的に抑制し、安定的に過熱定着させることができる。
なお、かかる熱源の温度としては、50〜300℃の範囲内の値とすることが好ましく、100〜200℃の範囲内の値とすることがより好ましい。
1.インク組成物の調製
以下に示す組成の各材料をバッチ式縦型サンドミル(アイメックス(株)製)に仕込むとともに、メディアとしてジルコニアビーズを充填し、水冷しながら3時間分散処理を行い、分散液を得た。
次いで、得られた分散液を遠心分離機にかけて粗大粒子を除去し、分散粒子の数平均粒径を50〜150nmに調節し、顔料分散液とした。
ピグメントブルー15:3 15重量%
(大日精化(株)製、クロモファインブルー4920(β型銅フタロシアニン))
分散剤 1重量%
(花王(株)製、エマルゲン420)
グリセリン 6重量%
水 78重量%
顔料分散液 13.5重量%
分散剤1 0.2重量%
(花王(株)製、エマルゲン420)
分散剤2 0.15重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
グリセリン 10重量%
ベンゾインイソブチルエーテル(ラジカル性光重合開始剤) 2重量%
水 74.15重量%
また、以下に示す組成の各材料を撹拌機にて撹拌した後、得られた撹拌液を孔径10μmのフィルタにてろ過し、処理液とした。
N−ビニルフォルムアミド(ラジカル重合性モノマー) 15重量%
(荒川化学(株)製、ビームセット770)
グリセリン 10重量%
分散剤 0.15重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(重合性樹脂微粒子) 5重量%
(東洋インキ(株)製、リオスフィア、数平均粒子径:2μm)
水 69.85重量%
図1で表されるインクジェット記録装置を用意した。
なお、かかるインクジェット記録装置においては、処理液塗布手段として、長尺インクジェットヘッドを用いた。
また、光照射手段としては、紫外線を照射する照射装置を用いた。
まず、インク組成物用タンクに対して、得られたインク組成物を充填するとともに、処理液用タンクに対して、得られた処理液を充填した後、ノズル形成面から出ている余剰液を、それぞれ別のワイプブレードにて掻き取った。
次いで、インク組成物用及び処理液用のそれぞれの長尺インクジェットヘッドのノズル面と、記録媒体と、の距離が1mmとなるように固定した後、駆動周波数20kHzにて、最大濃度のベタ画像(30×30mm)を記録媒体としてのA4のPPC用紙に対して連続10枚印画した。このとき、ヘッド駆動周波数を20kHzとし、印字速度は、30枚/分の場合と、20枚/分の場合と、の2通りを行った。
また、処理液の塗布は、印画画像の画像情報に基づいて、記録媒体における同画素部分に対応させて行った。すなわち、インク組成物が吐出された箇所にのみ、処理液を塗布した。このとき、処理液の塗布量は、インク組成物42ピコリットル/画素(600dpi)に対して、42ピコリットル/画素(600dpi)となるようにした(インク組成物:処理液=100:100(重量比))。
さらに、光照射は、波長365nmの光の積算光量が400mJ/cm2となるように行った。
次いで、印画後における排出ローラにインクが付着しているか否か、及び非印画部に排出ローラによる画像が版画されているか否かを確認し、下記基準に沿って評価した。得られた結果を表1に示す。
○:インクが排出ローラに付着しておらず、かつ、非印画部に画像が版画されていない。
△:インクが排出ローラに付着しているが、非印画部に画像が版画されていない。
×:インクが排出ローラに付着しており、かつ、非印画部に画像が版画されている。
より具体的には、加圧室102の底面積が0.2mm2、幅が200μm、深さが100μm、ノズル流路104の直径が30μm及び開口部130の半径が10μmのドット形成部100を用いた。
また、かかるドット形成部100を、1列につき166個、4列に並べ、合計664個を配列させて、長尺インクジェットヘッドとした。
また、同一列内のドット形成部100のピッチを150dpiとし、また、隣り合う各列を順次1/4ピッチずらすことで、最終的に600dpiとした。
実施例2では、処理液を調製する際に、N−ビニルフォルムアミドの代わりに、アクリロイルモルホリン(興人(株)製、ACMO)を用いたほかは、実施例1と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例3では、処理液を調製する際に、N−ビニルフォルムアミドの代わりに、N,N−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製、DMAA)を用いたほかは、実施例1と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例1では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)の代わりに、N−ビニルフォルムアミドを用いたほかは、実施例1と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例2では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)の代わりに、アクリロイルモルホリンを用いたほかは、実施例2と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例3では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)の代わりに、N,N−ジメチルアクリルアミドを用いたほかは、実施例3と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例4では、実施例1で調製した顔料分散液を含む下記組成の各材料を、実施例1と同様にして撹拌・ろ過し、インク組成物を得た。
顔料分散液 13.5重量%
分散剤1 0.2重量%
(花王(株)製、エマルゲン420)
分散剤2 0.15重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
グリセリン 10重量%
N−ビニルフォルムアミド(ラジカル重合性モノマー) 15重量%
(荒川化学(株)製、ビームセット770)
水 61.15重量%
ベンゾインイソブチルエーテル(ラジカル性光重合開始剤) 2重量%
グリセリン 10重量%
分散剤 0.15重量%
(日信化学工業(株)製、オルフィンE1010)
アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(重合性樹脂微粒子) 5重量%
(東洋インキ(株)製、リオスフィア、数平均粒子径:2μm)
水 82.85重量%
実施例5では、インク組成物を調製する際に、N−ビニルフォルムアミドの代わりに、アクリロイルモルホリン(興人(株)製、ACMO)を用いたほかは、実施例4と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
実施例6では、インク組成物を調製する際に、N−ビニルフォルムアミドの代わりに、N,N−ジメチルアクリルアミド(興人(株)製、DMAA)を用いたほかは、実施例4と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例4では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)を加えず、全体量を水で調節したほかは、実施例4と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例5では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)を加えず、全体量を水で調節したほかは、実施例5と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
比較例6では、処理液を調製する際に、アクリル基を導入したアクリル樹脂微粒子(リオスフィア)を加えず、全体量を水で調節したほかは、実施例6と同様にインク組成物及び処理液を調製するとともに、評価した。得られた結果を表1に示す。
その結果、高速画像形成を行った場合であっても、オフセットの発生を効果的に抑制できるようになった。
したがって、本願発明にかかるインクジェット記録方法及びインクジェット記録装置は、複写機やプリンター等の各種画像形成装置における高品質化及び高速化に著しく寄与することが期待される。
Claims (12)
- インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録方法であって、
下記工程(a)〜(c)を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
(a)前記記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有するインク組成物を、前記インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程
(b)前記記録媒体上における前記画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーと、を含有する処理液を塗布する工程
(c)前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、前記画像の表面に保護膜を形成する工程 - インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録方法であって、
下記工程(a)〜(c)を含むことを特徴とするインクジェット記録方法。
(a)前記記録媒体に対して、色材と、ラジカル重合性モノマーと、を含有するインク組成物を、前記インクジェットヘッドを用いて吐出し、画像を形成する工程
(b)前記記録媒体上における前記画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有する処理液を塗布する工程
(c)前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して光照射を行い、前記画像の表面に保護膜を形成する工程 - 前記重合性樹脂微粒子を、スチレン樹脂、アクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂及びエポキシ樹脂からなる群より選択される少なくとも一種の樹脂を主成分とし、かつ、カルボキシル基、水酸基、エポキシ基、アクリル基、メタクリル基、脂環式エポキシ基及びオキセタニル基からなる群より選択される少なくとも一種の官能基を有する重合性樹脂微粒子とすることを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液の全体量に対する前記重合性樹脂微粒子の含有量を0.1〜10重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記重合性樹脂微粒子の数平均粒子径を0.01〜10nmの範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ラジカル性光重合開始剤を、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾフェノン、アセトフェノン、α−アミノケトン、α−ヒドロキシケトン、モノアシルフォスフィンオキサイド、ビスアシルフォスフィンオキサイド、チオキサントン及びオキシム系化合物からなる群より選択される少なくとも一種とするとともに、前記インク組成物に対して含有させ、かつ、その含有量を前記インク組成物の全体量に対して0.01〜30重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記ラジカル重合性モノマーを、N−ビニルフォルムアミド、イソボルニルアクリレート、フェノキシエチルアクリレート、アクリロイルモルホリン及びN,N−ジメチルアクリルアミドからなる群より選択される少なくとも一種とするとともに、前記処理液に対して含有させ、かつ、その含有量を前記処理液の全体量に対して5〜30重量%の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液の塗布量を、前記インク組成物の吐出量100重量部に対して10〜200重量部の範囲内の値とすることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記処理液の塗布を、ピエゾ方式のインクジェットヘッドから前記処理液を吐出することにより行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- 前記工程(c)の後に、さらに加熱定着工程を設けることを特徴とする請求項1〜9のいずれか一項に記載のインクジェット記録方法。
- インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録媒体に対して、色材と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有するインク組成物を吐出し、画像を形成するインクジェットヘッドと、
前記記録媒体上における前記画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル重合性モノマーと、を含有する処理液を塗布する処理液塗布手段と、
前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して、前記画像の表面に保護膜を形成するための光照射を行う光照射手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。 - インクジェットヘッドを用いて記録媒体に対して画像形成を行うインクジェット記録装置であって、
前記記録媒体に対して、色材と、ラジカル重合性モノマーと、を含有するインク組成物を吐出し、画像を形成するインクジェットヘッドと、
前記記録媒体上における前記画像が形成された部分に対して、重合性樹脂微粒子と、ラジカル性光重合開始剤と、を含有する処理液を塗布する処理液塗布手段と、
前記記録媒体上における前記処理液が塗布された部分に対して、前記画像の表面に保護膜を形成するための光照射を行う光照射手段と、
を備えることを特徴とするインクジェット記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008211432A JP5193740B2 (ja) | 2008-08-20 | 2008-08-20 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008211432A JP5193740B2 (ja) | 2008-08-20 | 2008-08-20 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2010046844A true JP2010046844A (ja) | 2010-03-04 |
JP5193740B2 JP5193740B2 (ja) | 2013-05-08 |
Family
ID=42064363
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008211432A Active JP5193740B2 (ja) | 2008-08-20 | 2008-08-20 | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP5193740B2 (ja) |
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011212940A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Fujifilm Corp | 画像形成方法 |
JP2011224976A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-11-10 | Fujifilm Corp | インクジェット画像形成方法 |
US8746865B2 (en) | 2010-03-31 | 2014-06-10 | Fujifilm Corporation | Image forming method |
JP2014176997A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法、及び画像形成装置 |
US8967753B2 (en) | 2012-05-01 | 2015-03-03 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus using a pre-processing liquid and drying a printing medium, and image forming method using a pre-processing liquid and drying the printing medium |
CN108884348A (zh) * | 2016-03-31 | 2018-11-23 | 富士胶片株式会社 | 油墨组以及图像形成方法 |
Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000119574A (ja) * | 1998-10-16 | 2000-04-25 | Seiko Epson Corp | 二液を用いたインクジェット記録方法 |
JP2006123542A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-05-18 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録方法 |
JP2007112970A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Seiko Epson Corp | 紫外線硬化インクセット及び画像記録方法 |
JP2008174713A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-31 | Seiko Epson Corp | 2液型光硬化インク組成物セット、これを用いたインクジェット記録方法、並びにインクジェット記録装置及び印刷物 |
-
2008
- 2008-08-20 JP JP2008211432A patent/JP5193740B2/ja active Active
Patent Citations (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2000119574A (ja) * | 1998-10-16 | 2000-04-25 | Seiko Epson Corp | 二液を用いたインクジェット記録方法 |
JP2006123542A (ja) * | 2004-09-30 | 2006-05-18 | Seiko Epson Corp | インクジェット記録方法 |
JP2007112970A (ja) * | 2005-10-24 | 2007-05-10 | Seiko Epson Corp | 紫外線硬化インクセット及び画像記録方法 |
JP2008174713A (ja) * | 2006-12-19 | 2008-07-31 | Seiko Epson Corp | 2液型光硬化インク組成物セット、これを用いたインクジェット記録方法、並びにインクジェット記録装置及び印刷物 |
Cited By (7)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011212940A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-10-27 | Fujifilm Corp | 画像形成方法 |
JP2011224976A (ja) * | 2010-03-31 | 2011-11-10 | Fujifilm Corp | インクジェット画像形成方法 |
US8746865B2 (en) | 2010-03-31 | 2014-06-10 | Fujifilm Corporation | Image forming method |
US8967753B2 (en) | 2012-05-01 | 2015-03-03 | Ricoh Company, Ltd. | Image forming apparatus using a pre-processing liquid and drying a printing medium, and image forming method using a pre-processing liquid and drying the printing medium |
JP2014176997A (ja) * | 2013-03-14 | 2014-09-25 | Ricoh Co Ltd | 画像形成方法、及び画像形成装置 |
CN108884348A (zh) * | 2016-03-31 | 2018-11-23 | 富士胶片株式会社 | 油墨组以及图像形成方法 |
US10435577B2 (en) | 2016-03-31 | 2019-10-08 | Fujifilm Corporation | Ink set and image forming method |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP5193740B2 (ja) | 2013-05-08 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5372295B2 (ja) | 活性エネルギー線硬化性インクジェット記録用インク | |
JP3969750B2 (ja) | インクジェット記録用インクセット、それを用いたインクジェット記録方法および記録装置 | |
JP4556414B2 (ja) | インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5659619B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP5193740B2 (ja) | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 | |
JP3595585B2 (ja) | インクジェット記録方法及びインクジェット記録装置 | |
JP2013180423A (ja) | 画像形成方法 | |
JP6038831B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2010111790A (ja) | 活性光線硬化型インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法 | |
JP5630009B2 (ja) | 活性光線硬化型インクジェット用インクおよびインクジェット記録方法 | |
JP2007245630A (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2003191601A (ja) | インクジェット記録方法、インクジェット記録画像及びインクジェット記録画像における光沢感の差の緩和方法 | |
JP2009184206A (ja) | インクジェット記録方法 | |
JPWO2006126416A1 (ja) | 活性光線硬化型組成物と、それを用いた活性光線硬化型インク、画像形成方法及びインクジェット記録装置 | |
JP2002225415A (ja) | インクジェット印刷方法、印刷装置、及びこの方法で形成された印刷物 | |
JP2007154016A (ja) | インクジェット用インクセット及びインクジェット記録方法 | |
JP4735207B2 (ja) | インクジェット記録方法 | |
JP2009102455A (ja) | 活性エネルギー線重合開始剤、該開始剤を含む硬化型液体組成物、インク、インクジェット記録方法、記録画像、インクカートリッジ、記録ユニット及びインクジェット記録装置 | |
JP2006249123A (ja) | インクジェット用インク | |
JP2007084784A (ja) | インクジェットインク、インクジェットインクセットおよびインクジェット記録方法 | |
JP2007144637A (ja) | インクジェット記録方法 | |
WO2006090540A1 (ja) | インクジェット記録画像形成方法、インクジェット記録装置 | |
JP2002274004A (ja) | 画像形成方法及びインク組成物 | |
JP2006248064A (ja) | インクジェット記録方法 | |
WO2020110908A1 (ja) | 活性エネルギー線硬化型インクジェットインキ、インクジェット記録物、及び、インクジェット記録物の製造方法 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20110222 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20121016 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20121019 |
|
A521 | Written amendment |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20121207 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20130107 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20130204 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 5193740 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
FPAY | Renewal fee payment (event date is renewal date of database) |
Free format text: PAYMENT UNTIL: 20160208 Year of fee payment: 3 |