JP2010111790A - 活性光線硬化型インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】様々な記録媒体に印字が可能で、特に印刷用コート紙での印字画像品質や定着性に優れ、併せてインク自体の保存安定性および出射安定性が改良された活性光線硬化型インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で表される化合物をインク全質量に対して0.1質量%以上、20質量%未満含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク及びそれを用いたインクジェット記録方法。
【化1】
Figure 2010111790

(式中のRおよびRは直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐、もしくは環状のアルケニル基を表し、Aは、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはベンジル基を表す。)
【選択図】なし

Description

本発明は、活性光線硬化型インクジェット用インク、中でも温度によりゾルゲル相転移することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インクとそれを用いたインクジェット記録方法に関する。
近年、インクジェット記録方式は簡便・安価に画像を作製できるため、写真、各種印刷、マーキング、カラーフィルター等の特殊印刷など、様々な印刷分野に応用されてきている。特に、微細なドットを出射、制御する記録装置や、色再現域、耐久性、出射適性等を改善したインク及びインクの吸収性、色材の発色性、表面光沢などを飛躍的に向上させた専用紙を用い、銀塩写真に匹敵する画質を得ることも可能となっている。
しかしながら、専用紙を必要とするインクジェットシステムでは、用いることのできる記録媒体が制限されることと、記録媒体のコストが高くなることが問題となる。
一方、オフィスおよび軽印刷分野においては、記録媒体(例えば、普通紙、コート紙、アート紙、普通紙両面印刷等)の制約を受けずに高速フルカラー印字が行えるシステムのニーズが益々高まりつつある。電子写真方式では、1分当たりA4サイズで100枚の印字が可能な高速タイプがあるが、装置の簡便性、コスト、消費電力等のいずれの要求を満たし、かつ様々な記録媒体に高画質で印字するためには、その技術的な課題が未だ多く、ユーザーの要望を満足するには至っていないのが現状である。
インクジェット方式においても、水性インクを用いた場合、普通紙などの吸収性の高い記録媒体では、インクが記録媒体に滲み広がるフェザリングや、記録媒体の背面側まで浸透してしまう裏抜けが生じるといった問題があり、またインク吸収層をもたない印刷コート紙等の記録媒体では、インク液滴同士が合一し、画像がまだらになる液寄り現象や、インクの乾燥不良および定着不良が生じるといった問題がある。
また近年、高速印字を目的として、ライン方式により画像を一筆書きで形成するシングルパス方式によるインクジェット印字が検討されているが、水系インクを適用した場合、印刷コート紙上の液寄りや定着不良は多パス方式よりも悪くなる傾向にあり、かつ、シングルパス方式ではより速やかな乾燥が求められる為、乾燥に多大なエネルギーを必要とし、消費電力が高くなるという問題がある。
上記課題を踏まえて、専用紙とは異なる様々な記録媒体へ、インクジェット記録方式により画像記録する方法が提案されている。例えば、記録後に紫外線(UV)光などの活性光線を照射して架橋させる紫外線硬化型インクジェット方式や、室温で固形のワックスインクを用いる相変化インクジェット方式などである。
具体的には、有機溶媒、着色剤、紫外線硬化組成物を含むインクジェットインクを、ポリエチレンテレフタレートフィルム、塩化ビニルシート等に印字して、紫外線照射装置により紫外線を照射して硬化させ、指触乾燥評価によるインク定着性、メタノールラビング評価による耐溶剤性を向上させる技術が開示されている(例えば、特許文献1参照。)。この構成により様々な記録媒体に高い定着性で印字が可能になるが、紫外線照射方式ではインク着滴から紫外線照射までにタイムラグが生じ、そのタイムラグ中にインクが濡れ広がるために、記録ドットの大きさがタイムラグの長さ、つまり装置構成や記録速度に左右されるという問題が生じる。またこれらの構成を印刷用コート紙などの非吸収性記録媒体に適用した場合、記録媒体の種類によりインクの濡れ広がりが異なる為、記録媒体の種類によって記録ドットの大きさに差異が生じ、結果として画像品質が記録媒体の種類に左右されるといった問題が生じる。
さらに、活性光線硬化型インクジェットシステムをシングルパス方式に適用する場合、活性光線を照射する前に液滴同士の合一が生じるため、液寄りが発生して画像品質が劣化するといった問題がある。
一方、低融点ワックスを含む常温固体インクを加熱(例えば、120℃以上)、溶融させ、溶融した状態で該インクを出射し、記録媒体上で瞬時に固化させる方法が知られている。この方法によれば、普通紙等のインク吸収能を有する記録媒体でもほどほどの品位を有する画像を得ることはできるが、形成された画像の擦過耐性を高めるためには、固化したインクの硬度を高める必要があるが、所望の硬度を得るためには融点の高いワックスの使用が必要となる。例えば、融点が120℃以上のワックスを用いた場合、120℃以上という高温に加熱するため、インクジェット印字装置のヘッドの耐熱性、インク供給系の部材に負荷がかかり、印字装置の耐久性に難があり、その装置も大型にせざるを得ないという課題を抱えている。特に、記録ヘッドにピエゾ素子を使用した方式では、高温限界点としてキュリー温度があり、自ずと加熱できる温度に上限が存在する。
また、インク中にゲル化剤としてアルキルアリールシクロアルカノールを含み、ゲル化剤の固化能を利用して、インクの色ドット間での滲みを改良する方法が開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、上記提案されている方法では、インク固化能としてゲル化剤のみを使用しており、インク固化能が十分ではないため、特に、高速印字において普通紙等を用いて高速で搬送した場合、記録媒体上からインク画像が剥離してしまう問題点を抱えている。また、上記特許文献1においては、インク中にゲル化剤と共に活性光線硬化型組成物を用いることに関し、一切の言及がなされていない。
また、有機溶剤をゲル化する機能を持った所謂油ゲル化剤をインクに添加することにより、普通紙に記録した場合の裏抜け耐性や印字画像品質を改善する技術が開示されている(例えば、特許文献3参照)が、ゲル化剤の種類によってインクにチクソトロピー性が出る場合があることや、インクを0℃で低温保存した時にゲル化剤と思われる物質の析出が見られる場合があるなどの問題があった。
特開2002−241654号公報 特開平11−315245号公報 特開2005−126507号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、その目的は、様々な記録媒体に印字が可能で、特に印刷用コート紙での印字画像品質や定着性に優れ、併せてインク自体の保存安定性および出射安定性が改良された活性光線硬化型インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、以下の構成により達成することができる。
1.一般式(1)で表される化合物をインク全質量に対して0.1質量%以上、20質量%未満含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
Figure 2010111790
(式中のRおよびRは直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐、もしくは環状のアルケニル基を表し、Aは、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはベンジル基を表す。)
2.前記一般式(1)で表される化合物のAがメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及び、ベンジル基から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする前記1に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
3.前記一般式(1)で表される化合物のRおよびRの末端がビニル基もしくはメチル基であり、かつ末端以外が炭素数2〜30の直鎖の飽和アルキル基であることを特徴とする前記1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
4.着色剤として顔料を含有することを特徴とする前記1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
5.温度により可逆的にゾルゲル相転移することを特徴とし、該ゾルゲル相転移の温度が30℃以上、100℃未満であることを特徴とする前記1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
6.前記1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを、記録ヘッドを用いて記録媒体上に記録をおこなうインクジェット記録方法であって、該記録ヘッド内での該活性光線硬化型インクジェット用インクの温度と、該記録媒体の温度との温度差が25℃以上、100℃未満であることを特徴とするインクジェット記録方法。
7.活性光線硬化型インクジェット用インクを記録ヘッド内で加熱することを特徴とする前記6に記載のインクジェット記録方法。
8.前記記録ヘッドを前記1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクのゾルゲル相転移温度よりも10℃以上、40℃未満の温度で加熱することを特徴とする前記6又は7に記載のインクジェット記録方法。
本発明によれば、様々な記録媒体に印字が可能で、特に印刷用コート紙での印字画像品質や定着性に優れ、併せてインク自体の保存安定性および出射安定性が改良された活性光線硬化型インクジェットインクとそれを用いたインクジェット記録方法を提供できる。
本発明者らは、上記課題に鑑みて鋭意検討を行った結果、前記一般式(1)で表される化合物を含有する活性光線硬化型インクジェットインクにより、様々な記録媒体に印字が可能で、特に印刷用コート紙での印字画像品質や定着性に優れ、併せてインク自体の保存安定性および出射安定性が改良された活性光線硬化型インクジェットインクを実現できることを見出し、本発明に至った。
一般式(1)で表される化合物を含有する本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、出射時には記録ヘッドを加熱することにより低粘度で良好な流動性を有する。しかし、記録媒体への着弾後は、主にインク温度の低下により速やかにインク粘性の増加またはゾルからゲルへの相転移が起こり、流動性が著しく低下することにより、印刷用コート紙上での濡れ広がりによる記録ドットの拡大を抑制し、なおかつ液滴どうしの合一を抑える作用が働き、印刷用コート紙での印字画像品質を飛躍的に改良できたものと考えられる。
以下、本発明の詳細について説明する。
本発明の活性光線硬化型インクジェットインク(以下、単にインクといもいう)においては、少なくとも前記一般式(1)で表される少なくとも1種の化合物を含有することが特徴である。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物を、インクに添加することにより、温度降下に伴いインクの増粘あるいはゲル化させることが可能となる。
インクを増粘させるか、あるいはゲル化させるかについては、インクに対する前記一般式(1)で表される化合物の添加量で調整することが可能である。記録媒体上での印字品質や裏抜け性能を最大限に発揮するためには、インクは記録媒体上でゲル化することが好ましい。本発明でいうゲル化とは、ラメラ構造、共有結合や水素結合した高分子網目、物理的な凝集状態によって形成される高分子網目、微粒子の凝集構造などの相互作用により、物質が独立した運動を失って集合した構造を持ち、急激な粘度上昇や弾性増加を伴って固化した、または半固化した状態のことをいう。
本発明のインクが温度によりゾルゲル相転移を起こす場合、そのゾルゲル転移温度は任意に設定されるが、30℃以上、100℃未満であることが好ましい。インクの相転移温度が30℃未満では、記録ヘッドからインク液滴を出射する際に、印字環境温度に影響されて、安定した出射性を得ることが難しく、また100℃以上では、インクジェット記録装置を過度の高温に加熱する必要があり、インクジェット記録装置のヘッドやインク供給系の部材への負荷がかかり、耐久性に問題を生じると共に、装置全体の大型化やそれに伴う高コスト化を招く結果となる。本発明でいうゾル−ゲルによる相転移温度とは、流動性のある溶液状態から急激に粘度が変化してゲル状態になる温度のことを言い、ゲル転移温度、ゲル溶解温度、ゲル軟化温度、ゾル−ゲル転移点、ゲル化点と称される用語と同義である。
インクにおける相転移温度の測定方法は、例えば、ヒートプレート上にゲル状の試験片を置き、ヒートプレートを加熱していき、試験片の形状が崩れる温度を測定し、これをゾル−ゲル相転移温度として求めることができる。また、ゾルゲル転移温度はヘッド内でのインク温度と記録媒体の温度の間であることが好ましい。本発明のインクのゾルゲル転移温度は、本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物の添加量により調整が可能である。
次に、本発明のインクに係る前記一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらの化合物に限定されるものではない。
Figure 2010111790
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物のインク中への添加量は、インク全質量に対して0.1質量%以上、20質量%未満であることを特徴とする。本発明のインクにおいて、インク全質量に対して、前記一般式(1)で表される化合物の添加量が0.1質量%未満である場合には、記録媒体に着弾した際の増粘やゲル化が不十分となるため、記録媒体上での印字品質や裏抜け性能が十分に満たされない結果となる。また、インク全質量に対し、前記一般式(1)で表される化合物の添加量が20質量%以上の場合には、出射が不安定なる場合があり、また色材に顔料を使用した場合には、顔料の分散安定性を損なう場合がある。
インク全質量に対する前記一般式(1)で表される化合物の添加量は、0.1質量%以上、20質量%未満であれば顕著な効果がみられるが、より好ましくは0.5質量%以上、20質量%未満であり、さらに好ましくは1.0質量%以上、15質量%未満である。
本発明に係る前記一般式(1)で表される化合物は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種類以上を併用して用いても良い。2種類以上用いる時にはその総量がインク全質量に対して20質量%未満であることが好ましい。
次いで、本発明のインクについて、上記項目を除いた各構成要素について説明する。
本発明のインクにおいては、インクを構成する色材としては、染料あるいは顔料を制限なく用いることができるが、インク成分に対し良好な分散安定性を有し、かつ耐候性に優れた顔料を用いることが好ましい。顔料としては、特に限定されるわけではないが、本発明には、例えば、カラーインデックスに記載される下記の番号の有機又は無機顔料が使用できる。
赤或いはマゼンタ顔料としては、Pigment Red 3、5、19、22、31、38、43、48:1、48:2、48:3、48:4、48:5、49:1、53:1、57:1、57:2、58:4、63:1、81、81:1、81:2、81:3、81:4、88、104、108、112、122、123、144、146、149、166、168、169、170、177、178、179、184、185、208、216、226、257、Pigment Violet 3、19、23、29、30、37、50、88、Pigment Orange 13、16、20、36、青又はシアン顔料としては、pigment Blue 1、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、17−1、22、27、28、29、36、60、緑顔料としては、Pigment Green 7、26、36、50、黄顔料としては、Pigment Yellow 1、3、12、13、14、17、34、35、37、55、74、81、83、93、94,95、97、108、109、110、137、138、139、153、154、155、157、166、167、168、180、185、193、黒顔料としては、Pigment Black 7、28、26などが目的に応じて使用できる。
具体的に商品名を示すと、例えば、クロモファインイエロー2080、5900、5930、AF−1300、2700L、クロモファインオレンジ3700L、6730、クロモファインスカーレット6750、クロモファインマゼンタ6880、6886、6891N、6790、6887、クロモファインバイオレット RE、クロモファインレッド6820、6830、クロモファインブルーHS−3、5187、5108、5197、5085N、SR−5020、5026、5050、4920、4927、4937、4824、4933GN−EP、4940、4973、5205、5208、5214、5221、5000P、クロモファイングリーン2GN、2GO、2G−550D、5310、5370、6830、クロモファインブラックA−1103、セイカファストエロー10GH、A−3、2035、2054、2200、2270、2300、2400(B)、2500、2600、ZAY−260、2700(B)、2770、セイカファストレッド8040、C405(F)、CA120、LR−116、1531B、8060R、1547、ZAW−262、1537B、GY、4R−4016、3820、3891、ZA−215、セイカファストカーミン6B1476T−7、1483LT、3840、3870、セイカファストボルドー10B−430、セイカライトローズR40、セイカライトバイオレットB800、7805、セイカファストマルーン460N、セイカファストオレンジ900、2900、セイカライトブルーC718、A612、シアニンブルー4933M、4933GN−EP、4940、4973(大日精化工業製)、KET Yellow 401、402、403、404、405、406、416、424、KET Orange 501、KET Red 301、302、303、304、305、306、307、308、309、310、336、337、338、346、KET Blue 101、102、103、104、105、106、111、118、124、KET Green 201(大日本インキ化学製)、Colortex Yellow 301、314、315、316、P−624、314、U10GN、U3GN、UNN、UA−414、U263、Finecol Yellow T−13、T−05、Pigment Yellow1705、Colortex Orange 202、Colortex Red101、103、115、116、D3B、P−625、102、H−1024、105C、UFN、UCN、UBN、U3BN、URN、UGN、UG276、U456、U457、105C、USN、Colortex Maroon601、Colortex BrownB610N、Colortex Violet600、Pigment Red 122、Colortex Blue516、517、518、519、A818、P−908、510、Colortex Green402、403、Colortex Black 702、U905(山陽色素製)、Lionol Yellow1405G、Lionol Blue FG7330、FG7350、FG7400G、FG7405G、ES、ESP−S(東洋インキ製)、Toner Magenta E02、Permanent RubinF6B、Toner Yellow HG、Permanent Yellow GG−02、Hostapeam BlueB2G(ヘキストインダストリ製)、Novoperm P−HG、Hostaperm Pink E、Hostaperm Blue B2G(クラリアント製)、カーボンブラック#2600、#2400、#2350、#2200、#1000、#990、#980、#970、#960、#950、#850、MCF88、#750、#650、MA600、MA7、MA8、MA11、MA100、MA100R、MA77、#52、#50、#47、#45、#45L、#40、#33、#32、#30、#25、#20、#10、#5、#44、CF9(三菱化学製)などが挙げられる。
又、顔料を予め水、溶剤、重合性モノマー等に高濃度分散した分散液を使用することもできる。
本発明のインクにおいては、顔料を分散するための顔料分散剤を用いることが好ましい。本発明で用いることのできる分散剤としては、例えば、高級脂肪酸塩、アルキル硫酸塩、アルキルエステル硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、スルホコハク酸塩、ナフタレンスルホン酸塩、アルキルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテルリン酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、グリセリンエステル、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、アミンオキシド等の活性剤、あるいは、スチレン、スチレン誘導体、ビニルナフタレン誘導体、アクリル酸、アクリル酸誘導体、マレイン酸、マレイン酸誘導体、イタコン酸、イタコン酸誘導体、フマル酸、フマル酸誘導体から選ばれた2種以上の単量体からなるブロック共重合体、ランダム共重合体およびこれらの塩を挙げることができる。
顔料の分散には、ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル、アジテータ、ヘンシェルミキサ、コロイドミル、超音波ホモジナイザー、パールミル、湿式ジェットミル、ペイントシェーカー等を用いることができる。又、顔料の分散を行う際に分散剤を添加することも可能である。
本発明においては、顔料分散剤の添加量としては、顔料に対し10〜100質量%であることが好ましい。
上記方法で得られる顔料の平均分散粒子径は、50nm以上、150nm以下であることが好ましい。顔料の平均分散粒子径が上記で規定する範囲であれば、インクの分散安定性を向上させることができ、その結果、ヘッドノズルの詰まりを抑制し、出射安定性がより一層向上させるとともに、インク透明性の向上に伴い、後述する活性光線硬化型組成物を含有させた際の活性光線の硬化効率を高めることができる。本発明のインクにおいて、顔料の平均分散粒子径を上記で規定する範囲に調整する手段としては、例えば、顔料、分散剤、分散媒体の選定、分散条件、ろ過条件を適宜選択あるいは組み合わせることにより達成することができる。
また、本発明のインクにおいては、従来公知の染料、好ましくは油溶性染料の必要に応じて用いることができる。本発明で用いることのできる油溶性染料として、以下にその具体例を挙げるが、本発明はこれらにのみ限定されるものではない。
〈マゼンタ染料〉
MS Magenta VP、MS Magenta HM−1450、MS Magenta HSo−147(以上、三井東圧社製)、AIZENSOT Red−1、AIZEN SOT Red−2、AIZEN SOTRed−3、AIZEN SOT Pink−1、SPIRON Red GEH SPECIAL(以上、保土谷化学社製)、RESOLIN Red FB 200%、MACROLEX Red Violet R、MACROLEX ROT5B(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Red B、KAYASET Red 130、KAYASET Red 802(以上、日本化薬社製)、PHLOXIN、ROSE BENGAL、ACID Red(以上、ダイワ化成社製)、HSR−31、DIARESIN Red K(以上、三菱化成社製)、Oil Red(BASFジャパン社製)。
〈シアン染料〉
MS Cyan HM−1238、MS Cyan HSo−16、Cyan HSo−144、MS Cyan VPG(以上、三井東圧社製)、AIZEN SOT Blue−4(保土谷化学社製)、RESOLIN BR.Blue BGLN 200%、MACROLEX Blue RR、CERES Blue GN、SIRIUS SUPRATURQ.Blue Z−BGL、SIRIUS SUPRA TURQ.Blue FB−LL 330%(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Blue FR、KAYASET Blue N、KAYASET Blue 814、Turq.Blue GL−5 200、Light Blue BGL−5 200(以上、日本化薬社製)、DAIWA Blue 7000、Oleosol Fast Blue GL(以上、ダイワ化成社製)、DIARESIN Blue P(三菱化成社製)、SUDAN Blue 670、NEOPEN Blue 808、ZAPON Blue 806(以上、BASFジャパン社製)。
〈イエロー染料〉
MS Yellow HSm−41、Yellow KX−7、Yellow EX−27(三井東圧)、AIZEN SOT Yellow−1、AIZEN SOT YelloW−3、AIZEN SOT Yellow−6(以上、保土谷化学社製)、MACROLEX Yellow 6G、MACROLEX FLUOR.Yellow 10GN(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Yellow SF−G、KAYASET Yellow2G、KAYASET Yellow A−G、KAYASET Yellow E−G(以上、日本化薬社製)、DAIWA Yellow 330HB(ダイワ化成社製)、HSY−68(三菱化成社製)、SUDAN Yellow 146、NEOPEN Yellow 075(以上、BASFジャパン社製)。
〈ブラック染料〉
MS Black VPC(三井東圧社製)、AIZEN SOT Black−1、AIZEN SOT Black−5(以上、保土谷化学社製)、RESORIN Black GSN 200%、RESOLIN BlackBS(以上、バイエルジャパン社製)、KAYASET Black A−N(日本化薬社製)、DAIWA Black MSC(ダイワ化成社製)、HSB−202(三菱化成社製)、NEPTUNE Black X60、NEOPEN Black X58(以上、BASFジャパン社製)等である。
顔料あるいは油溶性染料の添加量は0.1〜20質量%が好ましく、更に好ましくは0.4〜10質量%である。0.1質量%以上であれば、良好な画像品質を得ることができ、20質量%以下であれば、インク出射における適正なインク粘度を得ることができる。又、色の調整等で2種類以上の着色剤を適時混合して使用できる。
本発明のインクにおいては、前記一般式(1)から選ばれる化合物、色材と共に、活性光線で硬化する活性光線硬化型組成物を含有することを特徴とする。
本発明に用いられる活性光線硬化型組成物(以下、光重合性化合物ともいう)について説明する。
本発明でいう活性光線とは、例えば、電子線、紫外線、α線、γ線、エックス線等が挙げられるが、人体への危険性や、取り扱いが容易で、工業的にもその利用が普及している紫外線また電子線が好ましい。
本発明において、活性光線の照射により架橋または重合する光重合性化合物としては、特に制限なく用いることができるが、中でも光カチオン重合性化合物またはラジカル重合性化合物を用いることが好ましく、特に好ましくは光カチオン重合性化合物である。
光カチオン重合性モノマーとしては、各種公知のカチオン重合性のモノマーが使用できる。例えば、特開平6−9714号、特開2001−31892号、特開2001−40068号、特開2001−55507号、特開2001−310938号、特開2001−310937号、特開2001−220526号に例示されているエポキシ化合物、ビニルエーテル化合物、オキセタン化合物などが挙げられる。
本発明においては、インク硬化の際の記録媒体の収縮を抑える目的で、光重合性化合物として少なくとも1種のオキセタン化合物と、エポキシ化合物及びビニルエーテル化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物とを含有することが好ましい。
芳香族エポキシドとして好ましいものは、少なくとも1個の芳香族核を有する多価フェノールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体とエピクロルヒドリンとの反応によって製造されるジまたはポリグリシジルエーテルであり、例えばビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、水素添加ビスフェノールAあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル、ならびにノボラック型エポキシ樹脂等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
脂環式エポキシドとしては、少なくとも1個のシクロへキセンまたはシクロペンテン環等のシクロアルカン環を有する化合物を、過酸化水素、過酸等の適当な酸化剤でエポキシ化することにより得られる、シクロヘキセンオキサイドまたはシクロペンテンオキサイド含有化合物が好ましい。
脂肪族エポキシドの好ましいものとしては、脂肪族多価アルコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはポリグリシジルエーテル等があり、その代表例としては、エチレングリコールのジグリシジルエーテル、プロピレングリコールのジグリシジルエーテルまたは1,6−ヘキサンジオールのジグリシジルエーテル等のアルキレングリコールのジグリシジルエーテル、グリセリンあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジまたはトリグリシジルエーテル等の多価アルコールのポリグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールあるいはそのアルキレンオキサイド付加体のジグリシジルエーテル等のポリアルキレングリコールのジグリシジルエーテル等が挙げられる。ここでアルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイドおよびプロピレンオキサイド等が挙げられる。
これらのエポキシドのうち、速硬化性を考慮すると、芳香族エポキシドおよび脂環式エポキシドが好ましく、特に脂環式エポキシドが好ましい。本発明では、上記エポキシドの1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
ビニルエーテル化合物としては、例えば、エチレングリコールジビニルエーテル、ジエチレングリコールジビニルエーテル、トリエチレングリコールジビニルエーテル、プロピレングリコールジビニルエーテル、ジプロピレングリコールジビニルエーテル、ブタンジオールジビニルエーテル、ヘキサンジオールジビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールジビニルエーテル、トリメチロールプロパントリビニルエーテル等のジ又はトリビニルエーテル化合物、エチルビニルエーテル、n−ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、シクロヘキサンジメタノールモノビニルエーテル、n−プロピルビニルエーテル、イソプロピルビニルエーテル、イソプロペニルエーテル−o−プロピレンカーボネート、ドデシルビニルエーテル、ジエチレングリコールモノビニルエーテル、オクタデシルビニルエーテル等のモノビニルエーテル化合物等が挙げられる。
これらのビニルエーテル化合物のうち、硬化性、密着性、表面硬度を考慮すると、ジ又はトリビニルエーテル化合物が好ましく、特にジビニルエーテル化合物が好ましい。本発明では、上記ビニルエーテル化合物の1種を単独で使用してもよいが、2種以上を適宜組み合わせて使用してもよい。
本発明に係るオキセタン化合物は、オキセタン環を有する化合物のことであり、特開2001−220526号、特開2001−310937号に記載されているような公知のあらゆるオキセタン化合物を使用できる。
本発明で用いることのできるオキセタン化合物において、オキセタン環を5個以上有する化合物を使用すると、インク組成物の粘度が高くなるため、取扱いが困難になること、またインク組成物のガラス転移温度が高くなるため、得られる硬化物の粘着性が十分でなくなることがある。本発明で使用するオキセタン環を有する化合物は、オキセタン環を1〜4個有する化合物が好ましい。
本発明で好ましく用いることのできるオキセタン環を有する化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号0089に記載されている、一般式(1)で表される化合物、同じく同号公報の段落番号0092に記載されている、一般式(2)、段落番号0107の一般式(7)、段落番号0109の一般式(8)、段落番号0166の一般式(9)等で表される化合物を挙げることができる。
具体的には、同号公報の段落番号0104〜0119に記載されている例示化合物1〜6及び段落番号0121に記載されている化合物を挙げることができる。
次いで、ラジカル重合性化合物について説明する。
本発明のインクにおいては、ラジカル重合性化合物の使用を制限するものではなく、ラジカル重合性化合物としては、例えば、特開平7−159983号、特公平7−31399号、特開平8−224982号、特開平10−863号の各公報に記載されている光重合性組成物を用いた光硬化型材料と、カチオン重合系の光硬化性樹脂が知られており、最近では可視光以上の長波長域に増感された光カチオン重合系の光硬化性樹脂も例えば、特開平6−43633号公報、特開平8−324137公報等に公開されている。
ラジカル重合性化合物は、ラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物であり、分子中にラジカル重合可能なエチレン性不飽和結合を少なくとも1つ有する化合物であればどの様なものでもよく、モノマー、オリゴマー、ポリマー等の化学形態をもつものが含まれる。ラジカル重合性化合物は1種のみ用いてもよく、また目的とする特性を向上するために任意の比率で2種以上を併用してもよい。
本発明のインクにおいて、活性光線として紫外線等を用いる場合には、少なくとも1種の光重合開始剤を含有することが好ましい。だたし、活性光線として電子線を用いる場合には、多くの場合、光重合開始剤を必要としない。
光重合開始剤としては、分子内結合開裂型と分子内水素引き抜き型の2種に大別できる。
分子内結合開裂型の光重合開始剤としては、例えば、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−(2−ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、1−ヒドロキシシクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−2−モルホリノ(4−チオメチルフェニル)プロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノンの如きアセトフェノン系;ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルの如きベンゾイン類;2,4,6−トリメチルベンゾインジフェニルホスフィンオキシドの如きアシルホスフィンオキシド系;ベンジル、メチルフェニルグリオキシエステル、などが挙げられる。
一方、分子内水素引き抜き型の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル−4−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジクロロベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチル−ジフェニルサルファイド、アクリル化ベンゾフェノン、3,3′,4,4′−テトラ(t−ブチルペルオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3′−ジメチル−4−メトキシベンゾフェノンの如きベンゾフェノン系;2−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントンの如きチオキサントン系;ミヒラ−ケトン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノンの如きアミノベンゾフェノン系;10−ブチル−2−クロロアクリドン、2−エチルアンスラキノン、9,10−フェナンスレンキノン、カンファーキノン、などが挙げられる。
光重合開始剤を使用する場合の配合量は、活性光線硬化型組成物の0.01〜10.00質量%の範囲が好ましい。
また、ラジカル重合開始剤としては、特公昭59−1281号、特公昭61−9621号、及び特開昭60−60104号等の各公報記載のトリアジン誘導体、特開昭59−1504号及び特開昭61−243807号等の各公報に記載の有機過酸化物、特公昭43−23684号、特公昭44−6413号、特公昭44−6413号及び特公昭47−1604号等の各公報並びに米国特許第3,567,453号明細書に記載のジアゾニウム化合物、米国特許第2,848,328号、同第2,852,379号及び同2,940,853号各明細書に記載の有機アジド化合物、特公昭36−22062号、特公昭37−13109号、特公昭38−18015号、特公昭45−9610号等の各公報に記載のオルト−キノンジアジド類、特公昭55−39162号、特開昭59−14023号等の各公報及び「マクロモレキュルス(Macromolecules)、第10巻、第1307頁(1977年)に記載の各種オニウム化合物、特開昭59−142205号公報に記載のアゾ化合物、特開平1−54440号公報、ヨーロッパ特許第109,851号、ヨーロッパ特許第126,712号等の各明細書、「ジャーナル・オブ・イメージング・サイエンス」(J.Imag.Sci.)」、第30巻、第174頁(1986年)に記載の金属アレン錯体、特許第2711491号及び特許第2803454号明細書に記載の(オキソ)スルホニウム有機ホウ素錯体、特開昭61−151197号公報に記載のチタノセン類、「コーディネーション・ケミストリー・レビュー(Coordination Chemistry Review)」、第84巻、第85〜第277頁(1988年)及び特開平2−182701号公報に記載のルテニウム等の遷移金属を含有する遷移金属錯体、特開平3−209477号公報に記載の2,4,5−トリアリールイミダゾール二量体、四臭化炭素や特開昭59−107344号公報記載の有機ハロゲン化合物等が挙げられる。これらの重合開始剤はラジカル重合可能なエチレン不飽和結合を有する化合物100質量部に対して0.01から10質量部の範囲で含有されるのが好ましい。
また、本発明のインクにおいては光酸発生剤も用いることができる。
光酸発生剤としては、例えば、化学増幅型フォトレジストや光カチオン重合に利用される化合物が用いられる(有機エレクトロニクス材料研究会編、「イメージング用有機材料」、ぶんしん出版(1993年)、187〜192ページ参照)。本発明に好適な化合物の例を以下に挙げる。
第1に、ジアゾニウム、アンモニウム、ヨードニウム、スルホニウム、ホスホニウムなどの芳香族オニウム化合物のB(C 、PF 、AsF 、SbF 、CFSO 塩を挙げることができる。
本発明で用いることのできるオニウム化合物の具体的な例としては、特開2005−255821号公報の段落番号0132に記載されている化合物を挙げることができる。
第2に挙げられる、スルホン酸を発生するスルホン化物の具体的な化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号0136に記載されている化合物を挙げることができる。
第3に、ハロゲン化水素を光発生するハロゲン化物も用いることができ、その具体的な化合物としては、特開2005−255821号公報の段落番号0138に記載されている化合物を挙げることができる。
第4に、特開2005−255821号公報の段落番号0140に記載されている鉄アレン錯体を挙げることができる。
本発明のインクでは、上記説明した以外に、必要に応じて、出射安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目的に応じて、公知の各種添加剤、例えば、粘度調整剤、比抵抗調整剤、皮膜形成剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防止剤、防バイ剤、防錆剤等を適宜選択して用いることができる。
本発明のインクによる画像形成に用いることのできる記録媒体としては、特に制限はなく、コピー等で使用されている普通紙、アート紙等の紙製の基材、通常の非コート紙、基紙の両面を樹脂等で被覆したコート紙などの他、いわゆる軟包装に用いられる各種非吸収性のプラスチックおよびそのフィルムを用いることができ、各種プラスチックフィルムとしては、例えば、PETフィルム、OPSフィルム、OPPフィルム、ONYフィルム、PVCフィルム、PEフィルム、TACフィルムを挙げることができる。また、金属類やガラス類にも適用可能である。
次いで、本発明のインクジェット記録方法について説明する。
本発明のインクジェット記録方法において好ましい形態の1つは、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含むインクを用いて、記録ヘッド内でのインク温度と記録媒体の温度に差を付けた状態で画像形成を行うインクジェット記録方法であって、記録媒体上に着弾した本発明のインクを温度低下により増粘あるいはゲル化する固化手段を用いる方法であり、記録ヘッド内での活性光線硬化型インクジェットインクの温度と、記録媒体の温度との温度差を25℃以上、100℃未満とすることが特徴である。記録ヘッド内の活性光線硬化型インクジェットインクと記録媒体の温度差を25℃以上とすることで、活性光線硬化型インクジェットインクのゾルゲル相転移温度と記録媒体の温度に十分な温度差を設けることができ、増粘あるいはゲル化の効果をより一層高めることができる。また100℃未満とすることで、該インクが記録媒体に着弾した際にインクの熱が速やかに記録媒体に拡散し、インクが速やかに冷却されるため、増粘あるいはゲル化の効果をより一層高めることができる。
上記の増粘またはゲル化による固定化手段としては、例えば、インクジェット記録に用いるインクジェット記録装置を、室温等の比較的低温度環境下において、所定の温度に加熱した後、記録媒体上に着弾させて、環境温度により自然冷却して固定化させる方法や、記録媒体を予め冷却したり、あるいは冷風を強制的に着弾部に吹き付けて固定化したりする方法等を適宜選択して用いることができるが、記録ヘッド内のインクを室内温度よりも高く加熱する方法が簡便であり好ましい。記録ヘッド内のインクを加熱する方法としては、記録ヘッドの内部または外部にヒーターを付けて直接または間接的にインクを加熱する方法、記録ヘッド駆動時に発生する発熱を利用する方法などを挙げることが出来る。
また、本発明のインクジェット記録方法において好ましい他の形態は、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含むインクを用いて、記録ヘッド内でのインク温度と記録媒体の温度に25℃以上、100℃未満の温度差を付けた状態で画像形成を行うインクジェット記録方法であって、記録媒体上に着弾した該インクジェット用インクを、2つ以上の固定化手段を有し、かつ該固定化手段の少なくとも1つが上記で説明した増粘またはゲル化による固定化手段である方法である。更に2つ以上の固定化手段がゲル化による固定化手段と活性光線照射によりインクを硬化する固定化手段であることが好ましい。
本発明のインクジェット記録方法においては、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含むインクを記録媒体上に出射して描画し、次いで、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含むインク液滴を増粘またはゲル化した後、紫外線あるいは電子線等の活性光線を照射してインクを硬化させる方法である。
(インク着弾後の総インク膜厚)
本発明では、記録媒体上にインクが着弾し、活性光線を照射して硬化した後の総インク膜厚が2〜25μmであることが好ましい。尚、ここで「総インク膜厚」とは記録媒体に描画されたインクの膜厚の最大値を意味し、単色でも、それ以外の2色重ね(2次色)、3色重ね、4色重ね(白インクベース)のインクジェット記録方式で記録を行った場合でも総インク膜厚の意味するところは同様である。
(インクの吐出条件)
インクの吐出条件としては、記録ヘッド及びインクを本発明に係るインクのゾルゲル相転移温度よりも10℃以上、40℃未満の温度で加熱し、吐出することが吐出安定性および画質向上の点で好ましい。インクの吐出温度をゾルゲル相転移温度よりも10℃以上高くすることで、温度変動による記録ヘッド内におけるインクのゲル化を防ぐことができ、吐出不良を抑えることが可能となる。また40℃未満とすることで、記録媒体に着弾後にインクがゾルゲル相転移温度に達するまでの時間を短くでき、ゲル化速度を高めることが可能となるため、結果として高い画像品質が得られる。
本発明のインクは、温度変動による粘度変動幅が大きく、粘度変動はそのまま液滴サイズ、液滴出射速度に大きく影響を与え、画質劣化を起こすため、インク温度を上げながらその温度を所定の範囲内に保ち、その状態で出射することが好ましい。この所定の温度範囲としては、好ましくは設定温度±5℃、より好ましくは設定温度±2℃、更に好ましくは設定温度±1℃である。ここでいう設定温度とは、インクを出射する際のインクの温度として設定された基準の温度をいう。
また、本発明では、記録ヘッドの各ノズルより吐出する液滴量が1〜15plであることが好ましい。本来、高精細画像を形成するためには、液滴量がこの範囲であることが必要であるが、この液滴量で吐出する場合、前述した吐出安定性が特に厳しくなる。本発明によれば、インクの液滴量が1〜15plのような小液滴量で吐出を行っても吐出安定性は向上し、高精細画像が安定して形成出来る。
(インク着弾後の光照射条件)
本発明の画像形成方法においては、活性光線の照射条件として、インク着弾後10秒以内に活性光線が照射されることが好ましく、より好ましくは0.001秒〜5秒であり、更に好ましくは0.001秒〜2秒である。高精細な画像を形成するためには、照射タイミングが出来るだけ早いことが重要な要件となる。
活性光線の照射方法として、その基本的な方法が、特開昭60−132767号に開示されている。これによると、記録ヘッドユニットの両側に光源を設け、シャトル方式で記録ヘッドと光源を走査する。照射は、インク着弾後、一定時間を置いて行われることになる。更に、駆動を伴わない別光源によって硬化を完了させる。米国特許第6,145,979号では、照射方法として、光ファイバーを用いた方法や、コリメートされた光源を記録ヘッドユニット側面に設けた鏡面に当て、記録部へ紫外線を照射する方法が開示されている。本発明の画像形成方法においては、これらの何れの照射方法も用いることが出来る。
また、活性光線の照射を2段階に分け、まずインク着弾後0.001〜2.0秒の間に前述の方法で活性光線を照射し、かつ、全印字終了後、更に活性光線を照射する方法も好ましい態様の1つである。活性光線の照射を2段階に分けることで、よりインク硬化の際に起こる記録媒体の収縮を抑えることが可能となる。
(電子線照射)
電子線の照射方法としては、例えばスキャニング方式、カーテンビーム方式、ブロードビーム方式などがあるが、処理能力の観点からカーテンビーム方式が好ましい。
電子線照射の加速電圧は、30〜250kVの範囲に設定することにより硬化皮膜の形成が可能であるが、より低い被照射線量で同等な硬化性が得られる30〜100kVに設定するのが好ましい。加速電圧が30〜100kVの電子線を照射することにより、硬化阻害を生じやすい記録媒体表面に電子線が集中し、硬化性を向上させることができる。よって、高酸素濃度下での高硬化性を得るためには、30〜100kVの加速電圧の電子線を照射することが好ましい。
また、電子線照射の加速電圧を30〜100kVの範囲に設定した場合には、電子線の被照射線量を通常より低い値とし、高エネルギー効率による省エネルギー化と、印字速度の高速化による生産効率向と上を図ることも可能である。加速電圧が100〜250kVの通常の電子線照射では、電子線照射量としては30〜100kGyであることが好ましく、より好ましくは30〜60kGyである。なお、電子線照射量の測定は、例えば、厚さ44.5μmの線量測定フィルム(FARWEST社製RADIACHROMIC FILM FWT−60−00)にCo60のγ線を標準線源として照射し、フィルム着色による吸光度と線量との関係を求めた検量線を作製し、この検量線と吸光度により電子線照射線量を求めることができる。
本発明で用いることのできる電子線照射手段としては、例えば、日新ハイボルテージ(株)製の「キュアトロンEBC−200−20−30」、AIT(株)製の「Min−EB」等を挙げることができる。
本発明のインクジェット記録方法においては、1000ppm以下の酸素濃度雰囲気下で電子線を照射することが好ましく、より好ましくは500ppm以下である。本発明における1000ppm以下の酸素濃度とは、窒素やアルゴン等の不活性ガスによるイナーティングを行うことにより達成された濃度範囲を含んでいる。
(紫外線照射)
紫外線の光源としては、例えば数100Paから1MPaまでの動作圧力を有する低圧、中圧、高圧水銀ランプ、メタルハライドランプ等が用いられるが、光源の波長分布という観点で高圧水銀灯、メタルハライドランプが好ましく、メタルハライドランプがより好ましい。また、300nm以下の波長光をカットするフィルターをもうけることが好ましい。ランプの出力としては400W〜30kW、照度としては10mW/cm〜10kW/cm、照射エネルギーとしては0.1〜500mJ/cmが好ましく、1〜100mJ/cmがより好ましい。
光源波長に300nm以下の紫外線が含まれる場合や、照射エネルギーとして500mJ/cmを超える場合は、活性光線架橋性樹脂の母核、または共存させる各種添加剤を紫外線により分解してしまい、本発明の効果を得られないだけでなく、分解物に由来する臭気などの問題を起こす可能性があるので好ましくない。照射エネルギーが0.1mJ/cmに満たない場合は架橋効率が不足し、本発明の効果が十分にえられない。
紫外線照射の際の照度は0.1mW/cm〜1W/cm好ましい。照度が1W/cmを超える場合、塗膜の表面硬化性は向上するが、深部硬化性が低下し表面のみ硬い膜が得られる。その場合は、膜の深度方向の硬さのバランスが崩れ、カールなどが起こり、好ましくない。
照度が0.1mW/cmより低い場合は、膜中の散乱等により架橋が十分進まず、本発明の効果が得られないため好ましくない。
同一積算光量(mJ/cm)を与える場合、照度に好ましい範囲があることは、その光の透過率が変化することに起因する。紫外線の透過性により、発生した架橋反応種の濃度分布が異なり、紫外線照度が高い場合、塗膜表層に高濃度の架橋反応種が発生し、塗膜表層に堅い緻密な膜が形成されてしまう。
次いで、本発明のインクジェット記録方法で用いることのできるインクジェット記録装置(以下、単に記録装置という)について、紫外線照射方式の装置を一例として説明する。
以下、本発明で用いることのできる記録装置について、図面を適宜参照しながら説明する。尚、図面の記録装置はあくまでも本発明で好ましく用いることのできる記録装置の一態様であり、本発明はこの図面に限定されない。
図1は本発明で用いることのできるインクジェット記録装置の要部の構成を示す正面図である。記録装置1は、記録ヘッドキャリッジ2、記録ヘッド3、紫外線を照射する手段としての照射手段4、プラテン部5等を備えて構成される。この記録装置1は、記録媒体Pの下にプラテン部5が設置されている。プラテン部5は、紫外線を吸収する機能を有しており、記録媒体Pを通過してきた余分な紫外線を吸収する。その結果、高精細な画像を非常に安定に再現できる。
記録媒体Pは、ガイド部材6に案内され、搬送手段(図示せず)の作動により、図1における手前から奥の方向に移動する。記録ヘッド走査手段(図示せず)は、記録ヘッドキャリッジ2を図1におけるY方向に往復移動させることにより、記録ヘッドキャリッジ2に保持された記録ヘッド3の走査を行なう。
記録ヘッドキャリッジ2は記録媒体Pの上側に設置され、記録媒体P上の画像印刷に用いる色の数に応じて後述する記録ヘッド3を複数個、吐出口(ノズル)を下側に配置して収納する。記録ヘッドキャリッジ2は、図1におけるY方向に往復自在な形態で記録装置1本体に対して設置されており、記録ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に往復移動する。
尚、図1では記録ヘッドキャリッジ2がホワイト(W)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)、ライトイエロー(Ly)、ライトマゼンタ(Lm)、ライトシアン(Lc)、ライトブラック(Lk)、ホワイト(W)用の記録ヘッド3を収納するものとして描図を行なっているが、実施の際には記録ヘッドキャリッジ2に収納される記録ヘッド3の数やそれに収容されるインクの色は適宜決められるものである。
記録ヘッド3は、インク供給手段(図示せず)により供給された本発明のインクを、内部に複数個備えられた吐出手段(図示せず)の作動により、吐出口から記録媒体Pに向けて吐出する。記録ヘッド3により吐出されるインクは本発明に係るゲル化剤の他に、色材、重合性モノマー、開始剤等を含んで組成されており、記録媒体P上に着弾した後冷却されてゲル化し、次いでこの例では照射手段として紫外線の照射を受けることで光重合開始剤が触媒として作用することに伴うモノマーの架橋、重合反応によって硬化する性質を有する。
記録ヘッド3は記録媒体Pの幅方向の一端から記録ヘッド走査手段の駆動により、図1におけるY方向に記録媒体Pの他端まで移動するという走査の間に、記録媒体Pにおける一定の領域(着弾可能領域)に対して本発明のインクをインク滴として吐出し、該着弾可能領域にインク滴を着弾させる。
上記走査を適宜回数行ない、1領域の着弾可能領域に向けて本発明のインクの吐出を行なった後、搬送手段で記録媒体Pを図1における手前から奥方向に適宜移動させ、再び記録ヘッド走査手段による走査を行ないながら、記録ヘッド3により上記着弾可能領域に対し、図1における奥方向に隣接した次の着弾可能領域に対して本発明のインクの吐出を行なう。
上述の操作を繰り返し、記録ヘッド走査手段及び搬送手段と連動して記録ヘッド3から本発明のインクを吐出することにより、記録媒体P上に本発明のインクの集合体からなる画像が形成される。
照射手段4は特定の波長領域の紫外線を安定した露光エネルギーで発光する紫外線ランプ及び特定の波長の紫外線を透過するフィルターを備えて構成される。ここで、紫外線ランプとしては、水銀ランプ、メタルハライドランプ、エキシマーレーザー、紫外線レーザー、冷陰極管、熱陰極管、ブラックライト、LED(light emitting diode)等が適用可能であり、帯状のメタルハライドランプ、冷陰極管、熱陰極管、水銀ランプもしくはブラックライトが好ましい。特に波長254nmの紫外線を発光する低圧水銀ランプ、熱陰極管、冷陰極管及び殺菌灯が滲み防止、ドット径制御を効率よく行なうことができ好ましい。ブラックライトを照射手段4の活性光源に用いることで、UVインクを硬化するための照射手段4を安価に作製することができる。
照射手段4は、記録ヘッド3が記録ヘッド走査手段の駆動による1回の走査によってUVインクを吐出する着弾可能領域のうち、記録装置1で設定できる最大のものとほぼ同じ形状か、着弾可能領域よりも大きな形状を有する。
照射手段4は記録ヘッドキャリッジ2の両脇に、記録媒体Pに対してほぼ平行に、固定して設置される。
前述したようにインク吐出部の照度を調整する手段としては、記録ヘッド3全体を遮光することはもちろんであるが、加えて照射手段4と記録媒体Pの距離h1より、記録ヘッド3のインク吐出部31と記録媒体Pとの距離h2を大きくしたり(h1<h2)、記録ヘッド3と照射手段4とを離間したり、両者間の距離を大きくしたりすることが有効である。又、記録ヘッド3と照射手段4の間を蛇腹構造7にすると更に好ましい。
ここで、照射手段4で照射される紫外線の波長は、照射手段4に備えられた紫外線ランプ又はフィルターを交換することで適宜変更することができる。
本発明のインクは、非常に吐出安定性が優れており、ラインヘッドタイプの記録装置を用いて画像形成する場合に、特に有効である。
図2は、本発明で用いることのできるラインヘッドタイプのインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す上面図である。図1に示したものと同様の機能を有するものについては、図1と同様の符号を用いて説明する。
図2で示したインクジェット記録装置は、ラインヘッド方式と呼ばれており、記録ヘッドキャリッジ2に、各色のインクジェット記録ヘッド3を、それぞれ記録媒体Pの全幅をカバーするようにして、複数個、固定配置されている。
一方、記録ヘッドキャリッジ2の下流側には、同じく記録媒体Pの全幅をカバーするようにして、インク印字面の幅方向全域をカバーするように配置されている照射手段4が設けられている。照明手段4に用いられる紫外線ランプは、図1に記載したのと同様のものを用いることができる。
この図2に示したラインヘッド方式では、記録ヘッドキャリッジ2及び照射手段4は固定され、記録媒体Pのみが、搬送されて、インク出射及び硬化を行って画像形成を行う。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「部」あるいは「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量部」あるいは「質量%」を表す。
実施例1
《活性光線硬化型インクジェットインクの調製》
〔顔料分散液1の調製〕
顔料:ブラック顔料 Pigment Black 7(三菱化学社製#52)
20部
顔料分散剤:PB822(味の素ファインテクノ社製) 9部
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 71部
上記各添加剤を混合した後、ビーズミルを用いて練肉して、顔料分散液1を調製した。このブラック顔料を含む顔料分散液1の顔料粒子の体積平均粒子径を、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて測定した結果、80nmであった。
〔インク番号1の調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却してブラックインクであるインク番号1を調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 60部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)25部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
顔料分散液1 10部
〔インク番号2の調製〕
上記インク1の調製において、添加剤として12−ヒドロキシステアリン酸(表1にはHSAと表記)を表1に記載のように添加し、加熱温度を90℃に変更した以外は同様にして、インク番号2を調製した。
〔インク番号3及び4の調製〕
上記インク1の調製において、添加剤としてN−ラウロイル−L−グルタミン酸−α,γ−ジブチルアミド(表1にはLGBAと表記)を表1に記載のように添加し、加熱温度を130℃に変更した以外は同様にして、インク番号3及び4を調製した。
〔インク番号5〜15の調製〕
上記インク1の調製において、各種添加剤および添加量を表1に記載のように本発明の一般式(1)で表される化合物1〜3に変更し、加熱温度を130℃に変更した以外は同様にして、インク番号5〜15を調製した。
なお、表1に記載の各略称の詳細は、以下の通りである。
OXT221:オキセタン化合物(OXT221 東亞合成社製)
C2021P:エポキシ化合物(セロキサイド2021P ダイセル化学工業)
UV16992:光重合開始剤(UV16992 ダウ・ケミカル社製)
《インクの各特性値の測定》
以上により調製したインク番号5〜15について、以下の方法により相転移温度の測定を行った。得られた結果を表1に示す。
〔相転移温度の測定〕
融点測定機(アズワン社製 ATM−01)にゲル状の各インクの試験片を置き、昇温速度5℃/分以下で加熱し、試験片が溶融した温度を測定し、この操作を3回繰り返して平均値を求め、その平均値の小数点第一位を四捨五入して、これをインクの相転移温度とした。
Figure 2010111790
実施例2
〔顔料分散液2の調製〕
下記の各添加剤を混合した後、ビーズミルを用いて練肉して、顔料分散液2を調製した。
顔料:ブラック顔料Pigment Black 7(三菱化学社製#52)20部
顔料分散剤:PB822(味の素ファインテクノ社製) 9部
重合性化合物:テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA) 71部
〔インク番号16の調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、80℃に加熱して攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過し、冷却してブラックインクであるインク番号16を調製した。
重合性化合物:テトラエチレングリコールジアクリレート(TEGDA) 30部
重合性化合物:ラウリルアクリレート(RA) 30部
重合性化合物:NKエステル(A−400 新中村化学工業社製) 25部
光重合開始剤:IRGACURE907(I−907 チバジャパン社製) 5部
顔料分散液2 10部
〔インク番号17及び18の調製〕
上記インク番号16の調製において、各種添加剤および添加量を表2に記載のように本発明の一般式(1)で表される化合物1に変更し、加熱温度を130℃に変更した以外は同様にして、インク番号17及び18を調製した。
なお、表2に記載の各略称の詳細は、以下の通りである。
RA:ラウリルアクリレート
TEGDA:テトラエチレングリコールジアクリレート
A−400:NKエステル(新中村化学工業社製)
I−907:IRGACURE907(チバジャパン社製)
《インクの各特性値の測定》
以上により調製したインク番号16〜18について、上記実施例1と同様な方法により相転移温度の測定を行い、得られた結果を表2に示す。
Figure 2010111790
実施例3
《インクジェット画像の形成》
ピエゾ型インクジェットノズルを備えたラインヘッド方式のインクジェット記録装置に、上記調製した各インクを装填し、PPC用紙(J PAPER コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)、印刷用アート紙(SA金藤 王子製紙社製)、印刷用キャストコート紙(ミラーコート・ゴールド 王子製紙社製)、および印刷用コート紙(OKマットコートグリーン100 王子製紙社製)に、4、5、6ポイントのMS明朝体で文字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の文字、黒ベタ画像、および画素を360dpi間隔で配置したドット径測定用画像を印字して、それぞれのインク番号1〜18に該当する画像1〜18を得た。インク供給系は、インクタンク、供給パイプ、記録ヘッド直前の前室インクタンク、フィルター付き配管、ピエゾヘッドからなり、前室タンクから記録ヘッド部分まで断熱してインクの相転移温度+20℃に加温した。また、ピエゾヘッドもヒーターを内蔵させ、記録ヘッド内のインク温度を相転移温度+20℃に加温した。また、ゲル化を生じないインクについては、一律80℃にインクを加熱した。ピエゾヘッドはノズル径25μm、ノズル数256ノズル(128ノズル×2列、千鳥配列、1列のノズルピッチ360dpi)で、各々1滴の液滴量が4plとなる条件で、液滴速度約8m/secで出射させて、1440dpi×1440dpiの記録解像度で印字した。各記録媒体は室温(25℃)とした。各インクが着弾した後、キャリッジ上部に配置したランプユニットにより、インクが着弾した0.5秒後に、高圧水銀ランプVZero085(INTEGRATION TECHNOLOGY社製)により、140W/cmのエネルギー密度、照度20mJ/cm(積算光量)で紫外線を照射してインクを硬化した。なお、照射光源の照度は、岩崎電機社製のUV PF−A1を用いて、254nmの積算照度を測定して表示した。また、上記の画像形成は、25℃、55%RHの環境下で行った。なお、本発明でいうdpiとは、2.54cm当たりのドット数を表す。
《形成画像の評価》
上記作製した画像1〜18について、以下の方法に従って、普通紙裏抜け耐性、文字品質、ドット径ばらつき、UV硬化性、インクチクソ性、インク保存性および出射安定性の評価を行った。
〔普通紙裏抜け耐性の評価〕
上記方法により、PPC用紙(J PAPER コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)上に作製した黒ベタ画像部の裏面濃度を、光学濃度計(X−Rite社製938分光濃度計)を用いて測定した、また同紙の非記録部の濃度も同様に測定した。
次いで、(黒ベタ画像部の裏面濃度)−(非画像部の濃度)を求め、下記の評価基準に従って裏抜け耐性の評価を行った。
◎:濃度差が0.05未満である
○:濃度差が0.05以上、0.08未満である
△:濃度差が0.08以上、0.12未満である
×:濃度差が0.12以上である。
〔文字品質の評価〕
上記方法により、印刷用アート紙(SA金藤 王子製紙社製)に対して解像度1400dpi×1440dpiで、3ポイント、4ポイントおよび5ポイントのMS明朝体で漢字「口、四、日、回、因、困、固、国、目、図、國」の文字を印字し、印字した文字画像を目視観察し、下記の評価基準に従って文字品質の評価を行った。
◎:4ポイントの文字全てが、細部にまで明瞭に記録されている
○:4ポイントの文字は一部しか判読できないが、5ポイントの文字全てが判読可能である
△:4,5ポイントの文字は一部しか判読できないが、6ポイントの文字全てが判読可能である
×:6ポイントの文字の中にも判読できないものがある。
〔ドット径ばらつきの評価〕
上記方法により、アート紙(SA金藤 王子製紙社製)、キャストコート紙(ミラーコート・ゴールド 王子製紙社製)、およびコート紙(OKマットコートグリーン100 王子製紙社製)の三種類の用紙に、画素を360dpi間隔で配置したドット径測定用画像を印字して、光学顕微鏡(KEYENCE社製 VHX−500)を用いて各種用紙のドット径を20点ずつ測定し、平均ドット径を求めた。次いで下記により計算されるドット径ばらつき指標を用いてドット径ばらつきを評価した。
ドット径ばらつき指標=(最も平均ドット径の大きい用紙の平均ドット径)/(最も平均ドット径の小さい用紙の平均ドット径)
◎:ドット径ばらつき指標が1.00以上1.15未満である
○:ドット径ばらつき指標が1.15以上1.30未満である
△:ドット径ばらつき指標が1.30以上1.50未満である
×:ドット径ばらつき指標が1.50以上である。
〔紫外線硬化性の評価〕
上記アート紙に形成したベタ画像上に、セロテープ(登録商標)を貼り付けた後、垂直方法に剥離した時の画像状態を目視観察し、下記のように判定した。
◎:画像の剥離は認められないし、画像の表面性にも変化がない
○:画像の剥離は認められないが、画像の少なくとも一部に曇りが見られる
△:画像の端などに僅かに剥離が認められた
×:明らかに画像の剥離が認められた。
〔インクチクソ性の評価〕
インク番号1〜18を粘弾性測定装置(UDS−300;PaarPhysica製)を用いて、シェアレート1secおよび1000secでの粘度を測定した。測定時のインク温度は、ゲル化するインクについては相転移温度+20℃とし、ゲル化しないインクについては一律80℃とした。次いで、下式により計算されるチクソ指標を用いてインクのチクソ性を判定した。
チクソ指標=(シェアレート1secでの粘度)/(シェアレート1000secでの粘度)
◎:チクソ指標が0.98以上、1.02未満である
○:チクソ指標が0.90以上、0.98未満、あるいは1.02以上、1.10未満である
△:チクソ指標が0.75以上、0.90未満、あるいは1.10以上、1.25未満である
×:チクソ指標が0.75未満あるいは1.25以上である。
〔インク保存性の評価〕
インク番号1〜18をガラス製のサンプル瓶に入れて密栓し、0℃と23℃の環境下で各々14日間保存した。保存終了後、0℃で保存したものは室温に戻して、2つのインク状態を比較観察し、下記の基準に従ってインク保存性を評価した。
◎:2種のインクに全く差異は認められない
○:0℃保存したインクの表面に僅かに分離した液体が認められる
△:0℃保存したインク全体に、僅かに分離が見られる
×:0℃保存したインク全体に分離が見られる。
〔出射安定性の評価〕
上記調製した各インクを搭載したプリンターを、1サイクルが12時間で10〜40℃の温度範囲で変化させ、これを3サイクル繰り返した後、画像出射を行いノズル欠および出射曲がりの有無について目視観察を行い、下記の基準に則り、出射安定性の評価を行った。
◎:ノズル欠の発生が全く認められなかった
○:全ノズル256中、1〜6個のノズルで出射方向の曲がりが認められた
△:全ノズル256中、1〜2個のノズルで出射不良が認められた
×:全ノズル256中、3個以上のノズルで出射不良が認められた。
以上により得られた結果を、表3に示す。
Figure 2010111790
表3の結果より明らかなように、本発明に係る一般式(1)で表される化合物を含有する本発明の活性光線硬化型インクジェットインクは、比較例に対し、形成した画像の文字品質と耐裏抜け性に優れ、更にインクとしてチクソ性が殆ど無く、出射安定性、保存安定性が良好で、加えて形成した画像の紫外線硬化性に優れていることが分かる。
実施例4
《インクジェット画像の形成及び評価》
実施例3のラインヘッド方式のインクジェットプリンターを用い、ラインヘッドプリンタに実施例1のインク番号2およびインク番号9を詰め、記録ヘッドおよび記録ヘッド内のインクの温度と記録媒体の温度を表4に記載の温度とした以外は実施例3と同様にして、PPC用紙(J PAPER コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)及びアート紙(SA金藤 王子製紙社製)及び印刷用キャストコート紙(ミラーコート・ゴールド 王子製紙社製)、及び印刷用コート紙(OKマットコートグリーン100 王子製紙社製)に画像番号19〜27をプリントし、実施例3に記載の方法と同様にして、文字品質の評価、ドット径ばらつきの評価、出射安定性の評価を行った。得られた結果を表4に示す。
Figure 2010111790
表4の結果より明らかなように、本発明に係る活性光線硬化型インクジェットインクは比較例に対し、形成した画像の文字品質が良好で、ドット径ばらつきが少なく、更に出射安定性に優れていることが分かる。さらに、記録ヘッドと記録媒体の加熱温度を本発明の好ましい形態に係るよう調整することで、より良好な文字品質が得られ、ドット径ばらつきが少なく、優れた出射安定性が得られることが分かる。
実施例5
《顔料分散液の調製》
〔イエロー顔料分散液1の調製〕
顔料:イエロー顔料(Novoperm P−HG クラリアント社製) 15部
顔料分散剤:PB822(味の素ファインテクノ社製) 5部
オキセタン化合物(OXT221 東亞合成社製) 80部
上記各添加剤を混合した後、ビーズミルを用いて練肉して、イエロー顔料分散液1を調製した。このイエロー顔料分散液1の顔料粒子の体積平均粒子径を、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて測定した結果、120nmであった。
〔マゼンタ顔料分散液1の調製〕
顔料:マゼンタ顔料(Hostaperm Pink E クラリアント社製)15部
顔料分散剤:PB822(味の素ファインテクノ社製) 5部
オキセタン化合物(OXT221 東亞合成社製) 80部
上記各添加剤を混合した後、ビーズミルを用いて練肉して、マゼンタ顔料分散液1を調製した。このマゼンタ顔料分散液1の顔料粒子の体積平均粒子径を、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて測定した結果、100nmであった。
〔シアン顔料分散液1の調製〕
顔料:シアン顔料(Hostaperm Blue B2G クラリアント社製)
20部
顔料分散剤:PB822(味の素ファインテクノ社製) 5部
オキセタン化合物(OXT221 東亞合成社製) 75部
上記各添加剤を混合した後、ビーズミルを用いて練肉して、シアン顔料分散液1を調製した。このシアン顔料分散液1の顔料粒子の体積平均粒子径を、ゼータサイザー1000(マルバーン社製)を用いて測定した結果、85nmであった。
〔ブラック顔料分散液1〕
実施例1に記載のブラック顔料分散液1を用いた。
《インクセットの調製》
下記の各色インクからなるインクセットを調製した。
〔イエローインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、イエローインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 35部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)20部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
イエロー顔料分散液1 30部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
〔マゼンタインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、マゼンタインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 45部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)20部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
マゼンタ顔料分散液1 20部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
〔シアンインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、シアンインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 55部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)20部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
シアン顔料分散液1 10部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
〔ブラックインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、ブラックインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 45部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)20部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
ブラック顔料分散液1 20部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
〔ライトマゼンタインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、ライトマゼンタインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 55部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)25部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
マゼンタ顔料分散液1 5部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
〔ライトシアンインクの調製〕
下記の各添加剤を順次混合し、130℃に加熱、攪拌した後、得られた液体を加熱下、#3000の金属メッシュフィルターでろ過した後冷却して、ライトシアンインクを調製した。
重合性化合物:オキセタン221(OXT221 東亞合成社製) 58部
重合性化合物:セロキサイド2021P(C2021P ダイセル化学工業)25部
光重合開始剤:UV16992(ダウ・ケミカル社製) 5部
シアン顔料分散液1 2部
本発明の一般式(1)で表される化合物1 10部
《インクの各特性値の測定》
以上により調製した各色インクについて、実施例1に記載の方法と同様にして相転移温度の測定を行い、得られた結果を表5に示す。
Figure 2010111790
《インクジェット画像の形成及び評価》
実施例3のラインヘッド方式のインクジェットプリンターを用い、紙搬送方向に6列並べたラインヘッドプリンタに上記6色のインクを詰め、記録条件は実施例3と同様に、PPC用紙(J PAPER コニカミノルタビジネスソリューションズ社製)及びアート紙(SA金藤 王子製紙社製)及び印刷用キャストコート紙(ミラーコート・ゴールド 王子製紙社製)、及び印刷用コート紙(OKマットコートグリーン100 王子製紙社製)に、3P明朝体の文字画像及びJIS/SCID N5「自転車」画像をプリントし、実施例3に記載の方法と同様にして、文字品質の評価、裏抜け耐性の評価、ドット径ばらつきの評価、紫外線硬化性の評価、出射安定性の評価を行った結果、すべての評価項目において優れた効果を確認することができた。また、作製したJIS/SCID N5「自転車」画像を目視観察した結果、液滴同士の合一による画像劣化がなく、鮮鋭性に優れ、また高い光学濃度が得られることを確認することができた。
本発明で用いることのできるインクジェット記録装置の要部の構成の一例を示す正面図である。 本発明で用いることのできるラインヘッド方式のインクジェット記録装置の要部の構成の他の一例を示す上面図である。
符号の説明
1 インクジェット記録装置
2 記録ヘッドキャリッジ
3 記録ヘッド
31 インク吐出口
4 照射手段
5 プラテン部
6 ガイド部材
7 蛇腹構造
P 記録媒体

Claims (8)

  1. 一般式(1)で表される化合物をインク全質量に対して0.1質量%以上、20質量%未満含有することを特徴とする活性光線硬化型インクジェット用インク。
    Figure 2010111790
    (式中のRおよびRは直鎖、分岐もしくは環状のアルキル基、または直鎖、分岐、もしくは環状のアルケニル基を表し、Aは、炭素数1〜4の直鎖もしくは分岐のアルキル基、またはベンジル基を表す。)
  2. 前記一般式(1)で表される化合物のAがメチル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、及び、ベンジル基から選ばれる少なくとも1種の基であることを特徴とする請求項1に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物のRおよびRの末端がビニル基もしくはメチル基であり、かつ末端以外が炭素数2〜30の直鎖の飽和アルキル基であることを特徴とする請求項1又は2に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  4. 着色剤として顔料を含有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  5. 温度により可逆的にゾルゲル相転移することを特徴とし、該ゾルゲル相転移の温度が30℃以上、100℃未満であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インク。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクを、記録ヘッドを用いて記録媒体上に記録をおこなうインクジェット記録方法であって、該記録ヘッド内での該活性光線硬化型インクジェット用インクの温度と、該記録媒体の温度との温度差が25℃以上、100℃未満であることを特徴とするインクジェット記録方法。
  7. 活性光線硬化型インクジェット用インクを記録ヘッド内で加熱することを特徴とする請求項6に記載のインクジェット記録方法。
  8. 前記記録ヘッドを請求項1〜5のいずれか1項に記載の活性光線硬化型インクジェット用インクのゾルゲル相転移温度よりも10℃以上、40℃未満の温度で加熱することを特徴とする請求項6又は7に記載のインクジェット記録方法。
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