JP2011212940A - 画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像の光沢性が良好であり、かつ画像部の定着オフセットを抑制し、両面印刷性を向上させることができる画像形成方法を提供すること。
【解決手段】インクジェット法により記録媒体上にインク組成物を付与するインク付与工程、および前記インク組成物を付与した記録媒体上に、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつガラス転移温度Tgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を付与する分散液付与工程、を備えた画像形成方法を用いる。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット法を用いた画像形成方法に関する。
インクジェット技術は、オフィスプリンタ、ホームプリンタ等の分野においてカラー画像を記録する画像記録方法として適用されてきた。インクジェットで形成した画像は、その耐擦性向上等のために定着ローラ等を用いた定着処理を行なう場合があるが、記録媒体上の画像部が定着ローラに転写してしまうオフセット(定着オフセット)が発生する場合があった。
ここで、特許文献1には、積み重ねられた印刷物同士が密着してインクが他の印刷物の裏面に付着する現象を抑制する技術として、紙面上に粉体粒子を含む液体を付着させることが開示されている。
また、特許文献2には、画像を被覆する樹脂皮膜からなる保護層を形成する記録物の製造方法が開示されている。
しかしながら、上記各技術では、インクジェット画像を定着処理する際に生じる前記定着オフセットを低減することは何ら検討されていない。さらに、上記各技術では、形成した画像の光沢性を向上することは何ら検討されていない。また、上記各技術では、印刷した記録媒体の他方の面に印刷を行なうときに、他方の面に対して印刷された文字等の解像度を示す指標である両面印刷性については何ら検討されておらず、実用上極めて不十分である。
特開昭62−246730号公報 特開2004−50751号公報
本発明は上記に鑑みてなされたものであり、インクジェット法により記録媒体上に画像を形成する場合に、画像の光沢が良好であり、かつ画像部の定着オフセットを抑制することができ、両面印刷性に優れた画像形成方法を提供することを目的とし、該目的を達成することを課題とする。
前記課題を解決するための具体的手段は以下の通りである。
項1.インクジェット法により記録媒体上にインク組成物を付与するインク付与工程、および前記インク組成物を付与した記録媒体上に、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつガラス転移温度Tgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を付与する分散液付与工程、を備えた画像形成方法。
項2.前記ポリマー粒子が架橋ポリマー粒子であることを特徴とする項1に記載の画像形成方法。
項3.前記ポリマー粒子のTgが100℃以上180℃以下であることを特徴とする項1または2に記載の画像形成方法。
項4.前記分散液付与工程が、Tgが100℃以上のポリマー粒子の分散液を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを前記記録媒体に押圧する工程であることを特徴とする項1〜3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
項5.前記ポリマー粒子がポリメチル(メタ)アクリレートまたはポリスチレンであることを特徴とする項1〜4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
項6.記録媒体の搬送速度が200mm/s以上であることを特徴とする項1〜5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
項7.前記インク付与工程におけるインク付与方法がシングルパス方式であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
項8.前記インク付与工程が、記録媒体に前記インク組成物と接触することで凝集体を形成することができる処理液を付与する処理液付与工程を有する項1〜7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
本発明によれば、インクジェット法により記録媒体上に画像を形成する場合に、画像の光沢性が良好であり、かつ画像部の定着オフセットを抑制し、両面印刷性を向上させることができる画像形成方法を提供することができる。
図1は、本発明の付与工程時の装置の模式図を示した図である。 図2は、本発明の画像形成方法の装置の模式図を示した図である。
本発明の画像形成方法は、インクジェット法により記録媒体上にインク組成物を付与するインク付与工程、前記インク組成物を付与した記録媒体上に、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつガラス転移温度Tgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液(以下、単に分散液ともいう)を付与する分散液付与工程を備えていることを特徴とする。以下、本発明の詳細を説明する。
−分散液−
本発明における分散液は、不揮発性溶媒と、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上のポリマー粒子とを有する。
(ポリマー粒子)
本発明における分散液は、1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上のポリマー粒子を有する。
本発明におけるポリマー粒子のガラス転移温度(Tg)は100℃以上であり、100℃以上250℃以下が好ましく、100℃以上180℃以下であることが更に好ましく、130℃以上160℃以下であることが最も好ましい。Tgが100℃以上のポリマー粒子を用いることは、ポリマー粒子の記録媒体への裏移りを防ぎ、処理液やインクのムラやはじきを抑制させる両面印刷性の向上の観点で好ましい。
ここで、本発明において粒子のガラス転移温度(Tg)は、実測によって得られる測定Tgを適用する。具体的には、測定Tgは、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220を用いて以下のように測定された値を意味する。
ガラス転移温度Tgは、ポリマー粒子固形分をアルミパンに密閉し、窒素雰囲気下で、
1)30℃から−50℃に50℃/分で冷却する過程、
2)−50℃から140℃に20℃/分で昇温する過程、
3)140℃から−50℃に50℃/分で冷却する過程、
4)−50℃から140℃に20℃/分で昇温する過程を行い測定する。
前記4)の−50℃から140℃の昇温過程でのDSCのピークトップの値を測定しTgとする。
但し、ポリマーの分解等により測定が困難な場合は、下記計算式で算出される計算Tgを適用する。
計算Tgは下記の式(S)で計算する。
1/Tg=Σ(X/Tg) (S)
ここで、計算対象となるポリマーはi=1からnまでのn種のモノマー成分が共重合しているとする。Xはi番目のモノマーの重量分率(ΣX=1)、Tgはi番目のモノマーの単独重合体のガラス転移温度(絶対温度)である。ただしΣはi=1からnまでの和をとる。尚、各モノマーの単独重合体ガラス転移温度の値(Tgi)はPolymer Handbook(3rd Edition)(J.Brandrup, E.H.Immergut著(Wiley−Interscience、1989))の値を採用する。
本発明におけるポリマー粒子としては、1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上250℃以下のポリマー粒子であれば限定的でないが、例えば、アクリロニトリル-スチレン共重合体(Tg>100℃)、ポリスチレン(Tg>100℃)、スチレン-ジビニルベンゼン共重合体(Tg>100℃)、ポリメチル(メタ)アクリレート(Tg>100℃)、ポリイソボニルメタクリレート(Tg>155℃)、ポリアクリロニトリル(Tg>104℃)、ポリカーボネート(Tg>150℃)、ポリテトラフルオロエチレン(Tg>125℃)、などが挙げられ、ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレートが好ましい。なお、ポリメチル(メタ)アクリレートとは、ポリメチルアクリレート及びポリメチルメタアクリレート(PMMA)のうち少なくとも1種をいう。
本発明におけるポリマー粒子は、架橋構造を有する架橋ポリマー粒子を用いることで、両面印刷性に対して、より効果がある。具体的には、架橋密度が0.01〜50質量%であることが好ましく、0.1〜40質量%がより好ましく、1〜20質量%が最も好ましい。架橋密度は公知の方法で測定することができる。
本発明におけるポリマー粒子は、1μm以上30μm以下の体積平均粒径を有する。体積平均粒径は、好ましくは、2μm以上15μm以下であり、4μm以上12μm以下とすることがより好ましい。体積平均粒径をこの範囲とすることで、画像部の定着オフセットをより抑制することができる。なお、本発明における体積平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって測定される値である。測定は、20質量%の粒子水分散物100μlに対してイオン交換水10mlを加えて測定用サンプル液を調製し、これを25℃に調温して行なえばよい。
ポリマー粒子としては、既に分散体として市販されているものを用いてもよい。分散体として市販されているポリマー粒子を用いる場合は、凍結乾燥等の公知の方法で一度粉体化して用いることができる。
(不揮発性溶媒)
本発明における分散液は、不揮発性溶媒を含む。本発明における不揮発性溶媒とは、1気圧において150℃以下で沸騰しない溶媒をいう。このような溶媒としてはジメチルシリコーンオイル、フッ素オイル、フロロシリコーンオイル、アミノ変性シリコーンオイル等のシリコーンオイル又はフッ素系オイル;流動パラフィン等が挙げられる。
本発明における不揮発性溶媒としては、シリコーンオイル、又はフッ素オイルが好ましく、シリコーンオイルが最も好ましい。
本発明における不揮発性溶媒としては、例えば、信越化学工業(株)製の「KF−96−10cs」、「KF−96−20cs、KF−96−30cs」、「KF−96−50cs」、「KF−96−100cs」、「KF−96−200cs」、「KF−96−300cs」、「KF−96−500cs」、「KF−96−1000cs」、「KF−96−3000cs」、「KF−96−5000cs」、「KF−96−1万cs」、東レ・ダウコーニング(株)製の「SH200−10CS」、「SH200−100CS」、「SH200−1000CS」、「SH200−10000CS」等のジメチルシリコーンオイル;信越化学工業(株)製の「KF−393」、「KF−859」、「KF−860」、「KF−861」、「KF−864」、「KF−865」、「KF−867」、「KF−868」、「KF−869」、「KF−6012」、「KF−880」、「KF−8002」、「KF−8004」、「KF−8005」、「KF−877」、「KF−8008」、「KF−8010」、「KF−8012」、「X−22−3820W」、「X−22−3939A」、「X−22−161A」、「X−22−161B」、「X−22−1660B−3」、東レ・ダウコーニング(株)の「BY16−871」、「BY16−853U」、「FZ−3705」、「SF8417」、「BY16−849」、「FZ−3785」、「BY16−890」、「BY16−208」、「BY16−893」、「FZ−3789」、「BY16−878」、「BY16−891」等のアミノ変性シリコーンオイル;信越化学工業(株)製の「FL−5」、「X22−821」、「X−22−822」、「FL−100−100CS」、「FL−100−450CS」、「FL−100−1000CS」、「FL−100−10000CS」、東レ・ダウコーニング(株)の「FS1265-300CS」、「FS1265−1000CS」、「FS1265−10000CS」等のフロロシリコーンオイル;等が挙げられる。
不揮発性溶媒に含有させるポリマー粒子の含有量は限定的ではないが、例えば、分散液全量に対して1〜50質量%程度、分散物付与性を向上させる観点で好ましくは5〜40質量%、より好ましくは10質量%〜30質量%程度である。
(その他の添加剤)
本発明における分散液は、上記成分以外にその他の添加剤を用いて構成することができる。その他の添加剤としては、例えば、分散剤、乳化剤、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。
本発明における分散液は、上記成分を混合し、公知又は市販の分散機構を用いて分散することができる。例えば乳化装置で混合させることで得ることができる。
次に、本発明の画像形成方法に含まれる各工程の詳細を説明する。
<インク付与工程>
本発明におけるインク付与工程は、インクジェット法により記録媒体上にインク組成物を付与するインク付与工程である。
(インクジェット法)
インクジェット法は、特に制限はなく、公知の方式、例えば、静電誘引力を利用してインクを吐出させる電荷制御方式、ピエゾ素子の振動圧力を利用するドロップオンデマンド方式(圧力パルス方式)、電気信号を音響ビームに変えインクに照射して放射圧を利用してインクを吐出させる音響インクジェット法、及びインクを加熱して気泡を形成し、生じた圧力を利用するサーマルインクジェット(バブルジェット(登録商標))方式等のいずれであってもよい。尚、前記インクジェット法には、フォトインクと称する濃度の低いインクを小さい体積で多数射出する方式、実質的に同じ色相で濃度の異なる複数のインクを用いて画質を改良する方式や無色透明のインクを用いる方式が含まれる。
インクジェット法で用いるインクジェットヘッドは、オンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。また、吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)、静電吸引方式(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的な例として挙げることができるが、いずれの吐出方式を用いても構わない。
尚、前記インクジェット法により記録を行う際に使用するインクノズル等については特に制限はなく、目的に応じて、適宜選択することができる。
インクジェットヘッドとしては、短尺のシリアルヘッドを用い、ヘッドを記録媒体の幅方向に走査させながら記録を行なうシャトル方式と、記録媒体の1辺の全域に対応して記録素子が配列されているラインヘッドを用いたライン方式とがある。ライン方式では、記録素子の配列方向と直交する方向に記録媒体を走査させることで記録媒体の全面に画像記録を行なうことができ、短尺ヘッドを走査するキャリッジ等の搬送系が不要となる。また、キャリッジの移動と記録媒体との複雑な走査制御が不要になり、記録媒体だけが移動するので、シャトル方式に比べて記録速度の高速化が実現できる。本発明のインクジェット記録方法は、これらのいずれにも適用可能であるが、一般にダミージェットを行なわないライン方式に適用した場合に、吐出精度及び画像の耐擦過性の向上効果が大きい。
インクジェットヘッドから吐出されるインクの液滴量としては、高精細な画像を得る観点で、0.5〜15pl(ピコリットル)が好ましく、1〜12plがより好ましく、更に好ましくは2〜10plである。
(記録媒体)
本発明におけるインクジェット法は、記録媒体上にインク組成物を付与するものである。
記録媒体には、特に制限はないが、一般のオフセット印刷などに用いられる、いわゆる上質紙、コート紙、アート紙などのセルロースを主体とする一般印刷用紙を用いることができる。
記録媒体としては、一般に市販されているものを使用することができ、例えば、王子製紙(株)製の「OKプリンス上質」、日本製紙(株)製の「しおらい」、及び日本製紙(株)製の「ニューNPI上質」等の上質紙(A)、王子製紙(株)製の「OKエバーライトコート」及び日本製紙(株)製の「オーロラS」等の微塗工紙、王子製紙(株)製の「OKコートL」及び日本製紙(株)製の「オーロラL」等の軽量コート紙(A3)、王子製紙(株)製の「OKトップコート+」及び日本製紙(株)製の「オーロラコート」等のコート紙(A2、B2)、Nシルバーダイヤ、王子製紙(株)製の「OK金藤+」及び三菱製紙(株)製の「特菱アート」等のアート紙(A1)等が挙げられる。また、インクジェット記録用の各種写真専用紙を用いることも可能である。
記録媒体の中でも、一般のオフセット印刷などに用いられるいわゆる塗工紙が好ましい。塗工紙は、セルロースを主体とした一般に表面処理されていない上質紙や中性紙等の表面にコート材を塗布してコート層を設けたものである。特に、原紙とカオリン及び/又は重炭酸カルシウムを含むコート層とを有する塗工紙を用いるのが好ましい。これらは、アート紙、コート紙、軽量コート紙、又は微塗工紙であることがより好ましい。
(インク組成物)
本発明で使用するインク組成物は、色材及び水を含有するものであれば限定的でなく、公知又は市販のものを使用することができる。
(色材)
色材としては、公知の染料、顔料等を特に制限なく用いることができる。中でも、インク着色性の観点から、水に殆ど不溶であるか、又は難溶である色材であることが好ましい。具体的には例えば、各種顔料、分散染料、油溶性染料、J会合体を形成する色素等を挙げることができ、顔料であることがより好ましい。本発明においては、水不溶性の顔料自体または分散剤で表面処理された顔料自体を色材とすることができる。
本発明における顔料としては、その種類に特に制限はなく、従来公知の有機及び無機顔料を用いることができる。例えば、アゾレーキ、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、ペリレン及びペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、ジケトピロロピロール顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料等の多環式顔料や、塩基性染料型レーキ、酸性染料型レーキ等の染料レーキや、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラック、昼光蛍光顔料等の有機顔料、酸化チタン、酸化鉄系、カーボンブラック系等の無機顔料が挙げられる。また、カラーインデックスに記載されていない顔料であっても水相に分散可能であれば、いずれも使用できる。更に、前記顔料を界面活性剤や高分子分散剤等で表面処理したものや、グラフトカーボン等も勿論使用可能である。前記顔料のうち、特に、アゾ顔料、フタロシアニン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、カーボンブラック系顔料を用いることが好ましい。
本発明に用いられる有機顔料の具体的な例を以下に示す。以下の色材は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。
オレンジ又はイエロー用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・オレンジ31、C.I.ピグメント・オレンジ43、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー13、C.I.ピグメント・イエロー14、C.I.ピグメント・イエロー15、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・イエロー93、C.I.ピグメント・イエロー94、C.I.ピグメント・イエロー128、C.I.ピグメント・イエロー138、C.I.ピグメント・イエロー151、C.I.ピグメント・イエロー155、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー185等が挙げられる。
マゼンタまたはレッド用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・レッド2、C.I.ピグメント・レッド3、C.I.ピグメント・レッド5、C.I.ピグメント・レッド6、C.I.ピグメント・レッド7、C.I.ピグメント・レッド15、C.I.ピグメント・レッド16、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド53:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド123、C.I.ピグメント・レッド139、C.I.ピグメント・レッド144、C.I.ピグメント・レッド149、C.I.ピグメント・レッド166、C.I.ピグメント・レッド177、C.I.ピグメント・レッド178、C.I.ピグメント・レッド222C.I.ピグメント・バイオレット19等が挙げられる。
グリーンまたはシアン用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブルー15、C.I.ピグメント・ブルー15:2、C.I.ピグメント・ブルー15:3、C.I.ピグメント・ブルー15:4、C.I.ピグメント・ブルー16、C.I.ピグメント・ブルー60、C.I.ピグメント・グリーン7、米国特許4311775号明細書に記載のシロキサン架橋アルミニウムフタロシアニン等が挙げられる。
ブラック用の有機顔料としては、例えば、C.I.ピグメント・ブラック1、C.I.ピグメント・ブラック6、C.I.ピグメント・ブラック7等が挙げられる。
本発明における着色材が顔料である場合、分散剤によって水系溶媒に分散されていてもよい。分散剤としては、ポリマー分散剤でも低分子の界面活性剤型分散剤でもよい。また、ポリマー分散剤としては水溶性の分散剤でも非水溶性の分散剤の何れでもよい。
本発明におけるポリマー分散剤のうち水溶性分散剤としては、親水性高分子化合物を用いることができる。例えば、天然の親水性高分子化合物では、アラビアガム、トラガンガム、グアーガム、カラヤガム、ローカストビーンガム、アラビノガラクトン、ペクチン、クインスシードデンプン等の植物性高分子、アルギン酸、カラギーナン、寒天等の海藻系高分子、ゼラチン、カゼイン、アルブミン、コラーゲン等の動物系高分子、キサンテンガム、デキストラン等の微生物系高分子などが挙げられる。
また、天然物を原料として化学修飾した親水性高分子化合物としては、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース等の繊維素系高分子、デンプングリコール酸ナトリウム、デンプンリン酸エステルナトリウム等のデンプン系高分子、アルギン酸プロピレングリコールエステル等の海藻系高分子などが挙げられる。
また、合成系の水溶性高分子化合物としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリビニルメチルエーテル等のビニル系高分子、ポリアクリルアミド、ポリアクリル酸又はそのアルカリ金属塩、水溶性スチレンアクリル樹脂等のアクリル系樹脂、水溶性スチレンマレイン酸樹脂、水溶性ビニルナフタレンアクリル樹脂、水溶性ビニルナフタレンマレイン酸樹脂、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、β−ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物のアルカリ金属塩、四級アンモニウムやアミノ基等のカチオン性官能基の塩を側鎖に有する高分子化合物等が挙げられる。
ポリマー分散剤のうち非水溶性分散剤としては、疎水性部と親水性部の両方を有するポリマーを用いることができる。例えば、スチレン−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−(メタ)アクリル酸−(メタ)アクリル酸エステル共重合体、(メタ)アクリル酸エステル−(メタ)アクリル酸共重合体、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート−(メタ)アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体等が挙げられる。
ポリマー分散剤の酸価としては、処理液が接触したときの凝集性が良好である観点から、100mgKOH/g以下が好ましい。更には、酸価は、25mgKOH/g〜100mgKOH/gがより好ましく、30mgKOH/g〜90mgKOH/gが特に好ましい。
色材の平均粒子径としては、10〜200nmが好ましく、10〜150nmがより好ましく、10〜100nmがさらに好ましい。平均粒子径は、200nm以下であると色再現性が良好になり、インクジェット法で打滴する際の打滴特性が良好になり、10nm以上であると耐光性が良好になる。また、色材の粒径分布に関しては、特に制限はなく、広い粒径分布又は単分散性の粒径分布のいずれであってもよい。また、単分散性の粒径分布を持つ色材を2種以上混合して使用してもよい。
色材のインク中における含有量としては、画像濃度の観点から、インクに対して、1〜25質量%であることが好ましく、2〜10質量%がより好ましい。
(ポリマー微粒子)
本発明におけるインク組成物は必要に応じてポリマー微粒子を含有することが好ましい。これにより、画像の耐擦過性等をより向上させることができる。
本発明におけるポリマー微粒子としては、例えば、熱可塑性、熱硬化性あるいは変性を有するアクリル系、エポキシ系、ポリウレタン系、ポリエーテル系、ポリアミド系、不飽和ポリエステル系、フェノール系、シリコーン系、又はフッ素系の樹脂、塩化ビニル、酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、又はポリビニルブチラール等のポリビニル系樹脂、アルキド樹脂、フタル酸樹脂等のポリエステル系樹脂、メラミン樹脂、メラミンホルムアルデヒド樹脂、アミノアルキド共縮合樹脂、ユリア樹脂、尿素樹脂等のアミノ系材料、あるいはそれらの共重合体又は混合物などのアニオン性基を有する樹脂の粒子が挙げられる。これらのうち、アニオン性のアクリル系樹脂は、例えば、アニオン性基を有するアクリルモノマー(アニオン性基含有アクリルモノマー)及び必要に応じて該アニオン性基含有アクリルモノマーと共重合可能な他のモノマーを溶媒中で重合して得られる。前記アニオン性基含有アクリルモノマーとしては、例えば、カルボキシル基、スルホン酸基、及びホスホン基からなる群より選ばれる1以上を有するアクリルモノマーが挙げられ、中でもカルボキシル基を有するアクリルモノマー(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、エタアクリル酸、プロピルアクリル酸、イソプロピルアクリル酸、イタコン酸、フマル酸等)が好ましく、特にはアクリル酸又はメタクリル酸が好ましい。ポリマー微粒子は、1種単独又は2種以上を混合して用いることができる。
本発明におけるポリマー微粒子の分子量範囲は、重量平均分子量で、3000〜20万であることが好ましく、5000〜15万であることがより好ましい。上記重量平均分子量は、ゲル透過クロマトグラフ(ポリスチレン換算)で測定される。
ポリマー微粒子の平均粒子径は、体積平均粒子径で10〜400nmの範囲が好ましく、10〜200nmの範囲がより好ましく、10〜100nmの範囲が更に好ましく、特に好ましくは10〜50nmの範囲である。この範囲とすることにより、製造適性、保存安定性等が向上する。ポリマー微粒子の体積平均粒子径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)を用いて、動的光散乱法により体積平均粒径を測定することにより求められるものである。
ポリマー微粒子のインク組成物中における含有量としては、画像の光沢性などの観点から、インク組成物に対して、1〜30質量%であることが好ましく、2〜20質量%であることがより好ましく、更に好ましくは3〜10%である。
(水)
インク組成物は、水を含有するものであるが、水の量には特に制限はない。中でも、水の好ましい含有量は、10〜99質量%であり、より好ましくは30〜80質量%であり、更に好ましくは50〜70質量%である。
(有機溶媒)
必要に応じて上記水に加えて水溶性有機溶媒を含有していてもよい。このような水溶性有機溶媒としては、吐出性の観点から、アルキレンオキシアルコールが好ましい。更にはアルキレンオキシアルコールの少なくとも1種とアルキレンオキシエーテルの少なくとも1種とを含む2種以上の水溶性有機溶媒を含有する場合が特に好ましい。
前記アルキレンオキシアルコールとしては、好ましくは、プロピレンオキシアルコールである。プロピレンオキシアルコールとしては、例えば、サンニックスGP250、サンニックスGP400(三洋化成工業(株)製)が挙げられる。
前記アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、好ましくは、アルキル部位の炭素数が1〜4のエチレンオキシアルキルエーテル又はアルキル部位の炭素数が1〜4のプロピレンオキシアルキルエーテルである。アルキレンオキシアルキルエーテルとしては、例えば、トリプロピレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングルコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジアセテート、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノフェニルエーテルなどが挙げられる。
また、上記の水溶性有機溶媒に加え、必要に応じて、乾燥防止、浸透促進、粘度調整などを図る目的で、他の有機溶媒を含有してもよい。
(その他の添加剤)
インク組成物は、上記の成分に加え、必要に応じて、その他の添加剤を含むことができる。その他の添加剤としては、例えば、活性エネルギー線により重合する重合性化合物、重合開始剤、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、ワックス、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられる。これらの各種添加剤は、インクを調製後に直接添加してもよく、インクの調製時に添加してもよい。
<分散液付与工程>
本発明における分散液付与工程は、インク組成物を付与した記録媒体上に、前述の体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を付与することを特徴とする。
本発明における分散液付与工程は、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを介して前記ポリマー粒子を前記記録媒体に付与することが好ましい。
加熱ローラの表面温度(加熱温度)は、インク組成物中のポリマー微粒子を皮膜化できる温度が好適であり、例えば30〜120℃程度、好ましくは50〜90℃程度とすればよい。これにより、画像の膜強度を向上させることができる。
加熱の方法は、特に制限されないが、ニクロム線ヒーター等の発熱体で加熱する方法、温風又は熱風を供給する方法、ハロゲンランプ、赤外線ランプなどで加熱する方法など、非接触で加熱する方法を好適に挙げることができる。
前記加熱ローラとしては、金属製の金属ローラであってもよく、金属製の芯金の表面に弾性体からなる被覆層及び必要に応じて表面層(離型層ともいう)が設けられたローラであってもよい。金属ローラ及び金属製の芯金は、例えば、鉄製、アルミニウム製、SUS製等の円筒体で構成することができる。被覆層は、特に、離型性を有するシリコーン樹脂またはフッ素樹脂で形成されるのが好ましい。また、加熱ローラの一方の芯金内部には、発熱体が内蔵されていることが好ましく、ローラ間に記録媒体を通すことによって、加熱処理と加圧処理とを同時に施したり、あるいは必要に応じて、2つの加熱ローラを用いて記録媒体を挟んで加熱してもよい。発熱体としては、例えば、ハロゲンランプヒーター、セラミックヒーター、ニクロム線等が好ましい。
ポリマー粒子の加熱ローラへの供給は、前記体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつTgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を直接又は間接的に付着させればよい。例えば、分散液を含浸させた布材を加熱ローラ表面に接触させる方法、分散液を加熱ローラ表面に噴霧する方法、ロールコーターで塗布する方法等が挙げられる。特に、布材を加熱ローラに接触させる方法は、ムラなく適量の分散液をローラ表面に供給できる点で好ましい。この際の布材(ウェブ部材)は、織物、不織布等のいずれであってもよく、市販又は公知のものを使用すればよいが、加熱ローラに接触させるため耐熱性のものが好ましい。例えば、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレン、アラミド、ポリエステル等が挙げられる。
本発明における分散液付与工程は、例えば、ポリマー粒子がローラ表面に付着した加熱ローラを、画像が記録された記録媒体(印画物)に押圧することにより、前記ポリマー粒子を印画物表面に付与することができる。押圧の方法は限定的でなく、例えば、 (i)加圧ローラを更に使用し、これら一対のローラ(加熱ローラ及び加圧ローラ)の間を、記録された画像面が加圧ローラに接触するように通過させる方法、(ii)2つの加圧ローラを用い、これら一対の加圧ローラの間を通過させる方法、(iii)搬送ベルト上で搬送されてくる印画物を、記録された画像面が加圧ローラに接触するように通過させる方法、(iv)これらの方法の組合せ等が挙げられる。
本発明における分散液付与工程には、加熱ローラの前後に画像記録の定着工程を備えていてもよい。通常、定着工程には定着部材である定着ローラを用いる必要があるが、本発明では、加熱ローラが、ポリマー粒子付与のローラとしての役割以外にも定着ローラとしての役割も果たすことができるため、別個の定着ローラを必要とせずに、画像記録の定着及びポリマー粒子の付与を同時に行うことも可能であり、設備の小型化が図れる。なお、さらに別個の定着ローラ等の定着部材を使用して定着する方法も本発明の態様に含まれる。
押圧する際の圧力としては限定的でないが、前記ポリマー粒子を破壊しないような圧力下で行うことが好ましい。このような圧力としては、例えば、0.1MPa〜3.0MPaの範囲が好ましく、より好ましくは0.1MPa〜1.0MPaの範囲であり、更に好ましくは0.1MPa〜0.5MPaの範囲である。
また、前記圧力(ニップ圧)を実現するには、例えば、加熱ローラ等のローラ両端に、ニップ間隙を考慮して所望のニップ圧が得られるように、張力を有するバネ等の弾性部材を選択して設置すればよい。
記録媒体が加熱ロールを通過する際の好ましいニップ時間は、1ミリ秒〜10秒であり、より好ましくは2ミリ秒〜1秒であり、更に好ましくは4ミリ秒〜100ミリ秒である。また、好ましいニップ幅は、0.1mm〜100mmであり、より好ましくは0.5mm〜50mmであり、更に好ましくは1mm〜10mmである。
記録媒体を搬送するベルト基材としては限定的でなく、例えば、シームレスのニッケル電鍮が好ましく、基材の厚さは10μm〜100μmが好ましい。また、ベルト基材の材質としては、ニッケル以外にもアルミニウム、鉄、ポリエチレン等を用いることができる。シリコーン樹脂あるいはフッ素樹脂を設ける場合は、これら樹脂を用いて形成される層の厚みは、1μm〜50μmが好ましく、更に好ましくは10μm〜30μmである。
記録媒体の搬送速度は、200〜700mm/秒の範囲が好ましく、より好ましくは300〜650mm/秒であり、更に好ましくは400〜600mm/秒である。
ポリマー粒子の記録媒体への付与量は限定的ではないが、好ましくはポリマー粒子の分散液として付与量が1〜100mg/m2となる量とすることができる。中でも、ポリマー粒子の付与量が5g/m2〜75g/m2となる量が好ましく、より好ましくは10g/m2〜50g/m2である。また、加熱ロールへの供給量、ポリマー粒子分散液の濃度等で適宜調整できる。
更に分散液を含浸させた布材を用いる方法においては、布材への含浸量、布材の送出し量等で調整できる。
本発明の画像形成工程には、インク付与工程と分散液付与工程の間に又は分散液付与工程の後に、インク乾燥ゾーン等の装置を設けて、乾燥工程を行ってもよい。
本発明の分散液付与工程の一例を図1を用いて説明する。加熱ローラ(定着ローラ)1には、ウェブ押圧ローラ3によって、分散液が含浸されている布材5が押圧されている。布材5は、送出ローラ2及び巻き取りローラ4の回転により巻き取られながら、加熱ローラ1と接触することにより、加熱ローラ表面に分散液を連続的に供給している。
本発明の画像形成工程の好ましい一例を図2を用いてさらに説明する。装置内に、記録媒体11が搬送ベルト10等により搬送されてくると、インクジェット記録装置のノズル17からインクが記録媒体に向かって噴射され、記録媒体上に記録画像が形成される。この画像が記録された記録媒体(印画物)はさらに搬送され、次いで、加熱ローラ1及び加圧ローラ6の間を通過される。この通過により、記録媒体上に形成された画像が定着されるとともに、加熱ローラ表面上に付着していたポリマー粒子は印画物表面に転写される。その後、必要に応じて所定の大きさに切断された後、排出口から排出され、排出トレー(図示せず)の上に印画物が積み重ねられていく。なお、図2では、まず処理液塗布部12を設けて処理液付与工程(後述)を行い、さらに処理液付与塗布部12とインクジェット記録部16との後にそれぞれ加熱乾燥部14を設けて乾燥工程を行っている。
<処理液付与工程>
本発明の画像形成方法は、記録媒体にインク組成物と接触することで凝集体を形成することができる処理液を付与する処理液付与工程を備えていてもよい。
処理液の付与は、塗布法、インクジェット法、浸漬法などの公知の方法を適用して行なうことができる。塗布法としては、エクストルージョンダイコーター、エアードクターコーター、ブレードコーター、ロッドコーター、ナイフコーター、スクイズコーター、リバースロールコーター、バーコーター等を用いた公知の塗布方法によって行なうことができる。インクジェット法の詳細については、既述の通りである。
処理液付与工程は、インク組成物を用いたインク付与工程の前又は後のいずれに設けてもよい。
本発明においては、処理液付与工程で処理液を付与した後にインク付与工程を設けた態様が好ましい。すなわち、記録媒体上に、インク組成物を付与する前に、予めインク組成物中の色材(好ましくは顔料)を凝集させるための処理液を付与しておき、記録媒体上に付与された処理液に接触するようにインク組成物を付与して画像化する態様が好ましい。これにより、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い画像が得られる。
処理液の付与量としては、インク組成物を凝集可能であれば特に制限はないが、好ましくは、凝集成分(例えば、2価以上のカルボン酸又はカチオン性有機化合物)の付与量が0.1g/m以上となる量とすることができる。中でも、凝集成分の付与量が0.1〜1.0g/mとなる量が好ましく、より好ましくは0.2〜0.8g/mである。凝集成分の付与量は、0.1g/m以上であると凝集反応が良好に進行し、1.0g/m以下であると光沢度の点で好ましい。
本発明における処理液は、既述のインク組成物と接触することで凝集体を形成可能なように構成されたものである。具体的には、処理液は、インク組成物中の色材粒子(顔料等)などの分散粒子を凝集させて凝集体を形成可能な凝集成分を少なくとも含むことが好ましく、必要に応じて、他の成分を用いて構成することができる。インク組成物と共に処理液を用いることで、インクジェット記録を高速化でき、高速記録しても濃度、解像度の高い描画性(例えば細線や微細部分の再現性)に優れた画像が得られる。
処理液は、インク組成物と接触して凝集体を形成可能な凝集成分の少なくとも1種を含有することができる。インクジェット法で吐出された前記インク組成物に処理液が混合することにより、インク組成物中で安定的に分散している顔料等の凝集が促進される。
処理液の例としては、インク組成物のpHを変化させることにより凝集物を生じさせることができる液体が挙げられる。このとき、処理液のpH(25℃)は、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜6であることが好ましく、1.2〜5であることがより好ましく、1.5〜4であることが更に好ましい。この場合、吐出工程で用いる前記インク組成物のpH(25℃)は、7.5〜9.5(より好ましくは8.0〜9.0)であることが好ましい。中でも、本発明においては、画像濃度、解像度、及びインクジェット記録の高速化の観点から、前記インク組成物のpH(25℃)が7.5以上であって、処理液のpH(25℃)が1.5〜3である場合が好ましい。前記凝集成分は、1種単独で又は2種以上を混合して用いることができる。
処理液は、凝集成分として、酸性化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。酸性化合物としては、リン酸基、ホスホン酸基、ホスフィン酸基、硫酸基、スルホン酸基、スルフィン酸基、又はカルボキシル基を有する化合物、あるいはその塩(例えば多価金属塩)を使用することができる。中でも、インク組成物の凝集速度の観点から、リン酸基又はカルボキシル基を有する化合物がより好ましく、カルボキシル基を有する化合物であることが更に好ましい。
カルボキシル基を有する化合物としては、ポリアクリル酸、酢酸、グリコール酸、マロン酸、リンゴ酸、マレイン酸、アスコルビン酸、コハク酸、グルタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸、乳酸、スルホン酸、オルトリン酸、ピロリドンカルボン酸、ピロンカルボン酸、ピロールカルボン酸、フランカルボン酸、ピリジンカルボン酸、クマリン酸、チオフェンカルボン酸、ニコチン酸、若しくはこれらの化合物の誘導体、又はこれらの塩(例えば多価金属塩)等の中から選ばれることが好ましい。これらの化合物は、1種単独で用いるほか2種以上併用してもよい。
本発明における処理液は、上記酸性化合物に加えて、水系溶媒(例えば、水)を更に含んで構成することができる。
酸性化合物の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、処理液の全質量に対して、5〜95質量%であることが好ましく、10〜80質量%であることがより好ましく、更に好ましくは15〜50質量%である。
また、多価金属塩を添加した処理液が挙げられ、高速凝集性を向上させることができる。多価金属塩としては、周期表の第2属のアルカリ土類金属(例えば、マグネシウム、カルシウム)、周期表の第3属の遷移金属(例えば、ランタン)、周期表の第13属からのカチオン(例えば、アルミニウム)、およびランタニド類(例えば、ネオジム)の塩を挙げることができる。金属の塩としては、カルボン酸塩(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)、硝酸塩、塩化物、及びチオシアン酸塩が好適である。中でも、好ましくは、カルボン酸(蟻酸、酢酸、安息香酸塩など)のカルシウム塩又はマグネシウム塩、硝酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、及びチオシアン酸のカルシウム塩又はマグネシウム塩である。
金属の塩の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、1〜10質量%が好ましく、より好ましくは1.5〜7質量%であり、更に好ましくは2〜6質量%の範囲である。
また、処理液は、凝集成分として、カチオン性有機化合物の少なくとも1種を用いて構成することができる。カチオン性有機化合物としては、例えば、ポリ(ビニルピリジン)塩、ポリアルキルアミノエチルアクリレート、ポリアルキルアミノエチルメタクリレート、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリエチレンイミン、ポリビグアニド、ポリグアニド、又はポリアリルアミン及びその誘導体などのカチオン性ポリマーを挙げることができる。
前記カチオン性ポリマーの重量平均分子量としては、処理液の粘度の観点では分子量が小さい方が好ましい。処理液をインクジェット方式で記録媒体に付与する場合には、1,000〜500,000の範囲が好ましく、1,500〜200,000の範囲がより好ましく、更に好ましくは2,000〜100,000の範囲である。重量平均分子量は、1000以上であると凝集速度の観点で有利であり、500,000以下であると吐出信頼性の点で有利である。但し、処理液をインクジェット以外の方法で記録媒体に付与する場合には、この限りではない。
さらに、前記カチオン性有機化合物として、例えば、1級、2級、又は3級アミン塩型の化合物が好ましい。このアミン塩型の化合物の例として、塩酸塩もしくは酢酸塩等の化合物(例えば、ラウリルアミン、ヤシアミン、ステアリルアミン、ロジンアミンなど)、第4級アンモニウム塩型化合物(例えば、ラウリルトリメチルアンモニウムクロライド、セチルトリメチルアンモニウムクロライド、ラウリルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、ベンジルトリブチルアンモニウムクロライド、塩化ベンザルコニウムなど)、ピリジニウム塩型化合物(例えば、セチルピリジニウムクロライド、セチルピリジニウムブロマイドなど)、イミダゾリン型カチオン性化合物(例えば、2−ヘプタデセニル−ヒドロキシエチルイミダゾリンなど)、高級アルキルアミンのエチレンオキシド付加物(例えば、ジヒドロキシエチルステアリルアミンなど)等のカチオン性の化合物や、例えば、アミノ酸型の両性界面活性剤、カルボン酸塩型両性界面活性剤(例えば、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなど)、硫酸エステル型、スルホン酸型、又は燐酸エステル型等の両性界面活性剤など所望のpH領域でカチオン性を示す両性界面活性剤などを挙げることができる。
中でも、2価以上のカチオン性有機化合物が好ましい。
カチオン性有機化合物の処理液中における含有量としては、凝集効果の観点から、1〜50質量%が好ましく、より好ましくは2〜30質量%である。
上記のうち、凝集成分としては、凝集性及び画像の耐擦過性の点で、2価以上のカルボン酸、又は2価以上のカチオン性有機化合物が好ましい。
処理液の粘度としては、インク組成物の凝集速度の観点から、1〜30mPa・sの範囲が好ましく、1〜20mPa・sの範囲がより好ましく、2〜15mPa・sの範囲がさらに好ましく、2〜10mPa・sの範囲が特に好ましい。なお、粘度は、VISCOMETER TV−22(TOKI SANGYO CO.LTD製)を用いて20℃の条件下で測定されるものである。
また、処理液の表面張力としては、インク組成物の凝集速度の観点から、20〜60mN/mであることが好ましく、20〜45mN/mであることがより好ましく、25〜40mN/mであることがさらに好ましい。なお、表面張力は、Automatic Surface Tensiometer CBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて25℃の条件下で測定されるものである。
本発明における処理液は、凝集成分に加え、一般には水溶性有機溶剤を含むことができ、本発明の効果を損なわない範囲内で、更にその他の各種添加剤を用いて構成することができる。水溶性有機溶剤の詳細については、既述のインク組成物におけるものと同様である。
前記その他の添加剤としては、例えば、乾燥防止剤(湿潤剤)、褪色防止剤、乳化安定剤、浸透促進剤、紫外線吸収剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、表面張力調整剤、消泡剤、粘度調整剤、分散剤、分散安定剤、防錆剤、キレート剤等の公知の添加剤が挙げられ、既述のインク組成物に含まれるその他の添加剤の具体的な例に挙げたものが適用できる。
以下、本発明を実施例により更に具体的に説明するが、本発明はその主旨を越えない限り、以下の実施例に限定されるものではない。なお、特に断りのない限り、「部」は質量基準である。
なお、重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)で測定した。GPCは、HLC−8220GPC(東ソー(株)製)を用い、カラムとして、TSKgeL SuperHZM−H、TSKgeL SuperHZ4000、TSKgeL SuperHZ2000(いずれも東ソー(株)製の商品名)を用いて3本直列につなぎ、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。また、条件としては、試料濃度を0.45質量%、流速を0.35ml/min、サンプル注入量を10μl、測定温度を40℃とし、RI検出器を用いて行なった。また、検量線は、東ソー(株)製「標準試料TSK standard,polystyrene」:「F−40」、「F−20」、「F−4」、「F−1」、「A−5000」、「A−2500」、「A−1000」、「n−プロピルベンゼン」の8サンプルから作製した。酸価は、JIS規格(JIS K0070:1992)に記載の方法により求めた。
体積平均粒径は、ナノトラック粒度分布測定装置UPA−EX150(日機装(株)製)によって測定した。測定は、20質量%のポリマー粒子水分散物100μlに対してイオン交換水10mlを加えて測定用サンプル液を調製し、これを25℃に調温して行なった。
ガラス転移温度Tgはポリマー粒子固形分0.5gになる量をとりわけ、得られたポリマー粒子固形分を用い、エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の示差走査熱量計(DSC)EXSTAR6220によりTgを測定した。測定条件は、サンプル量5mgをアルミパンに密閉し、窒素雰囲気下、以下の温度プロファイルで2回目の−50℃から140℃に昇温時の、測定データのDSCのピークトップの値をTgとした。
30℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→140℃ (20℃/分で昇温)
140℃→−50℃ (50℃/分で冷却)
−50℃→140℃ (20℃/分で昇温)
(シアンインク(C)の組成)
下記の組成となるように、シアンインクC1を調製した。
・シアン顔料(ピグメント・ブルー15:3) : 4質量%
・アクリル系ポリマー分散剤(酸価65.2mgKOH/g、重量平均分子量44600) : 2質量%
・アクリル系ポリマー微粒子(重量平均分子量66000) : 4質量%
・サンニックスGP250 :10質量%
(三洋化成工業社製、有機溶剤)
・トリプロピレングリコールモノエチルエーテル :10質量%
(和光純薬社製、有機溶剤)
・オルフィンE1010(日信化学工業(株)製、界面活性剤) : 1質量%
・マイクロクリスタリンワックス : 2質量%
(日本精蝋(株)製HI−MIC1090)
上記成分にイオン交換水を加えて100質量%となるように調整した。
(マゼンタインク(M)の組成)
前記シアンインク(C)の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにマゼンタ顔料(ピグメント・レッド122)に変更したこと以外は、シアンインク(C)と同様の組成とした。
(イエローインク(Y)の組成)
前記シアンインク(C)の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにイエロー顔料(ピグメント・イエロー74)に変更したこと以外は、シアンインク(C)と同様の組成とした。
(ブラックインク(K)の組成)
前記シアンインク(C)の組成中のシアン顔料を、顔料の量が同量になるようにブラック顔料(カーボンブラック)に変更したこと以外は、シアンインク(C)と同様の組成とした。
<処理液の調製>
下記組成となるように各成分を混合し、処理液を調製した。
・マロン酸(2価のカルボン酸、和光純薬工業(株)製) :15.0質量%
・ジエチレングリコールモノメチルエーテル(和光純薬工業(株)製):20.0質量%
・N−オレオイル−N−メチルタウリンナトリウム(界面活性剤) :1.0質量%
上記成分にイオン交換水を加えて100質量%となるように調整した。
<ウェブ部材の調製>
(ウェブ部材1の調製)
・シリコーンオイル KF−96−100cs :85.0質量%
(信越化学工業(株)製、不揮発性溶媒)
・架橋ポリメチルメタクリレート粒子(アクリル系) :15.0質量%
(製品名:MX−501、綜研化学(株)製、、体積平均粒子径5μm、Tg>140℃、ポリマー粒子)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、ポリマー粒子分散液1を作製した。ポリマー粒子分散液1を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材1を作製した。不織布は、ポリアミドとポリエステルの混合材料で、重さ30g/m、厚さ0.1mmのものを使用した(ウェブ部材2〜5の不織布も同じ)。
ポリマー粒子のTgは140℃以下では観測されなかった。
(ウェブ部材2の調製)
・シリコーンオイル KF−96−100cs :85.0質量%
(信越化学工業(株)製、不揮発性溶媒)
・架橋ポリスチレン粒子 :15.0質量%
(体積平均粒子径5μm、Tg>140℃、ポリマー粒子)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、ポリマー粒子分散液2を作製した。ポリマー粒子分散液2を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材2を作製した。
ポリマー粒子のTgは140℃以下では観測されなかった。
上記架橋ポリスチレン粒子は、公知の合成方法で合成できる。
(ウェブ部材3の調製)
・シリコーンオイル KF−96−100cs :85.0質量%
(信越化学工業(株)製、不揮発性溶媒)
・架橋アクリル酸エステル粒子(アクリル系) :15.0質量%
(体積平均粒子径5μm、Tg100℃、ポリマー粒子)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、ポリマー粒子分散液3を作製した。ポリマー粒子分散液3を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材3を作製した。
上記架橋アクリル酸エステル粒子は、公知の方法で合成できる。
(ウェブ部材4の調製)
・シリコーンオイル KF−96−100cs :85.0質量%
(信越化学工業(株)製、不揮発性溶媒)
・エチレン−酢酸ビニル粒子 :15.0質量%
(製品名:ケミパールV200、三井化学(株)製、体積平均粒子径7μm、Tg85℃、ポリマー粒子)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、ポリマー粒子分散液4を作製した。ポリマー粒子分散液4を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材4を作製した。
(ウェブ部材5の調製)
・シリコーンオイル KF−96−100cs :85.0質量%
(信越化学工業(株)製、不揮発性溶媒)
・架橋ウレタン粒子 :15.0質量%
(製品名:C−800透明、根上工業(株)製、体積平均粒子径6μm、Tg−13℃、ポリマー粒子)
上記組成の液1Lをシルバーソン製乳化装置で8000rpm、10分混合させ、ポリマー粒子分散液5を作製した。ポリマー粒子分散液5を不織布に30g/mになるように含浸させ、ウェブ部材5を作製した。
<画像記録及び評価>
以下に示すように、上記組成のインクを用いて画像を記録すると共に、下記評価を行なった。評価結果は、下記表1に示す。
−両面印刷性−
GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を用意し、これに繋がる貯留タンクを上記で得たシアンインク(C)、マゼンタインク(M)、イエローインク(Y)、ブラックインク(K)に詰め替えた。記録媒体として坪量104g/mのNシルバーダイヤ(日本製紙(株)製)を、500mm/秒で所定の直線方向に移動可能な搬送ベルト上に固定し、これに上記で得た反応液をワイヤーバーコーターで約1.5μm(マロン酸0.34g/m相当)の厚みとなるように塗布し、塗布直後に50℃で2秒間乾燥させた(図2)。
その後、GELJET GX5000プリンターヘッド(リコー社製のフルラインヘッド)を、前記搬送ベルトの移動方向(副走査方向)と直交する方向に対して、ノズルが並ぶラインヘッドの方向(主走査方向)が75.7°傾斜するように固定配置し、記録媒体を副走査方向に定速移動させながらインク液滴量3.5pL、吐出周波数24kHz、解像度1200dpi×600dpiの吐出条件にてシアンインク(C)とマゼンタインク(M)をライン方式で吐出し、ブルーのベタ画像を印字して評価サンプルを得た。印字直後、60℃で3秒間乾燥させた。
次いで、ウェブ部材1〜5を夫々加熱ローラに接触させて、加熱ローラに分散液を付与した。続いて、60℃に加熱された加熱ローラ及び加圧ローラの一対のローラ間に記録媒体を通過させて、ニップ圧0.25MPa、ニップ幅4mmにて定着処理を実施し、評価サンプルを得た。このとき分散液の付与量は25mg/mであった。
下記の評価基準に従って評価を行い、ウェブ部材1〜3で得た評価サンプルを実施例1〜実施例3とし、ウェブ部材4、5を用いて得た評価サンプルを比較例1、2とした。
なお、図2の加熱ローラ(定着ローラ)は、内部にハロゲンランプが内装されたSUS製の円筒体の芯金の表面がシリコーン樹脂で被覆されたものを使用した。
<評価基準>
上記画像記録で作製したブルーのベタ画像を100枚連続で印字した。その後100枚を重ねた状態で、6時間室温で放置した。6時間放置した記録媒体の、ベタ画像を有する面と反対側の面(ベタ画像を有さない面)に、ベタ画像の形成と同様の方法で、8、9、10ポイントの「鷹」の文字を印字し、「鷹」の文字の解像度を目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
A:8ポイントの鷹文字がはっきり視認できる。
B:9ポイントの鷹文字がはっきりと視認できる。
C:10ポイントの鷹文字がはっきりと視認できる。
※Cは実用上問題のあるレベルであった。
−画像光沢評価−
両面印刷性と同様にベタ画像を作製し、表面光沢度合いを目視で観察し、下記の評価基準にしたがって評価した。
<評価基準>
A:紙のもともとの光沢に対して違和感なし
B:紙のもともとの光沢に対して画像の光沢度が高く違和感あり
※Bは実用上問題があるレベルであった。
−定着オフセット性−
インク吐出条件にて、シアンインク(C)とマゼンタインク(M)の代わりに、イエローインク(Y)とマゼンタインク(M)を用いてライン方式で吐出し、レッドのベタ画像を形成した以外は、両面印刷性と同様にベタ画像を作製した。形成したベタ画像の定着ローラへの転写による剥がれ度合いを目視で観察し、下記の評価項目にしたがって評価した。
<評価基準>
A:印字画像の全面で画像の転写や剥がれが全くみられなかった。
B:印字画像の全面の内、極一部で画像の転写による画像抜けが見られた。
C:印字画像の全面の内、明らかに目視で分かる画像抜けが見られた。
※Cは実用上問題のあるレベルであった。
本発明の形成方法にてインクジェット画像を形成すると、表1から明らかなように良好な両面印刷性、画像光沢性、定着オフセット性を有する画像が形成できることがわかる。
1.加熱ローラ
2.送出ローラ
3.ウェブ押圧ローラ
4.巻取ローラ
5.ウェブ部材
6.加圧ローラ
10.搬送ベルト
11.記録媒体
12.処理液塗布部
13.処理液塗布用バー
14.加熱乾燥部
15.乾燥機
16.インクジェット記録部
17.インクジェットのノズル

Claims (8)

  1. インクジェット法により記録媒体上にインク組成物を付与するインク付与工程、
    および前記インク組成物を付与した記録媒体上に、体積平均粒子径1μm以上30μm以下かつガラス転移温度Tgが100℃以上のポリマー粒子と、不揮発性溶媒とを有する分散液を付与する分散液付与工程、
    を備えた画像形成方法。
  2. 前記ポリマー粒子が架橋ポリマー粒子であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方法。
  3. 前記ポリマー粒子のTgが100℃以上180℃以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の画像形成方法。
  4. 前記分散液付与工程が、Tgが100℃以上のポリマー粒子の分散液を加熱ローラ表面に供給し、前記加熱ローラを前記記録媒体に押圧する工程であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  5. 前記ポリマー粒子がポリメチル(メタ)アクリレートまたはポリスチレンであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  6. 記録媒体の搬送速度が200mm/s以上であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  7. 前記インク付与工程におけるインク付与方法がシングルパス方式であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれか1項に記載の画像形成方法。
  8. 前記インク付与工程が、記録媒体に前記インク組成物と接触することで凝集体を形成することができる処理液を付与する処理液付与工程を有する請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の画像形成方法。
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