JP5507053B2 - 距離測定装置 - Google Patents

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Description

本発明は、測定対象物までの距離情報を測定する距離測定装置に関する。
前記距離測定装置は、LEDアレイなどの発光素子から変調した赤外線を放射し、測定対象物からの反射光を、CCDアレイセンサなどの受光素子において、複数の期間に分割して受光し、各期間の受光量から発光と受光との時間差(Time of Flight)を求め、前記測定対象物の距離情報を測定する装置であり、その基本的な構成は、たとえば特許文献1に示されている。
その距離測定装置では、発光指示信号を発生してから、実際に発光素子が発光するまでの遅延時間が一定でないと、正確な距離計測は行えなくなる。そこで、従来の距離測定装置は、図6で示すように構成されている。この距離測定装置1は、大略的に、対を成す発光装置2と受光装置3とを備えて構成され、それぞれのタイミング信号発生回路4,5で発生されたタイミング信号が駆動回路6,7に与えられて駆動信号が作成され、LEDアレイなどの発光素子8およびCCDアレイセンサなどの受光素子9に与えられて、発光装置2からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物15に放射され、受光装置3では前記測定対象物15による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路16が、各期間の受光量から発光と受光との時間差(Time of Flight)を求め、前記測定対象物15までの距離を測定するものである。そして、駆動回路6,7からの駆動信号が位相比較回路17に入力され、それらの位相差に対応したエラー信号が作成され、前記タイミング信号発生回路5と駆動回路7との間に介在された遅延時間調整回路18によって前記タイミング信号の遅延時間が調整されて、発光装置2と、受光装置3との位相遅延が一致するように制御されている。
特開2004−45304号公報
上述のようなフィードバック制御を実施することで、フィードバックループ内に構成されている回路素子の特性(素子ばらつき、環境変化による特性変動(温度、湿度…)、寄生素子)が変化して、遅延量が変化したとしても、前記遅延量を一定に保持することができる。しかしながら、そのようなフィードバック制御は、制御範囲を超えない限りで可能になるものである。その為、実設計においては、ループ内の素子ばらつきを考慮して、ループ制御できる遅延制御量(フィードバック量)の範囲の設定を行う。ところが、一般的に、DLL(PLL)では、制御範囲と安定性とはトレードオフの関係にあり、制御範囲を広げると安定性が下がり、高い安定性を得ようとすると、制御範囲が狭まる。前記距離測定装置における遅延制御と測距性能とを考えた場合、安定性が低下すると、クロックジッタが増大して、測距特性(分解能や精度)が劣化してしまうので、精度の良い測距特性を得るためには、ループの制御範囲を限定して、高い安定性が得られるように系を設計しなければならないという問題がある。
本発明の目的は、ループの制御範囲を広くしても、高いフィードバック安定性を得ることができる距離測定装置を提供することである。
本発明の距離測定装置は、発光装置と受光装置とを備えて構成され、少なくとも一方に設けられたタイミング信号発生回路で発生されたタイミング信号がそれぞれの駆動回路に与えられて駆動信号が作成され、その駆動信号が発光素子および受光素子に与えられて、前記発光装置からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物に放射され、前記受光装置では前記測定対象物による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路が、前記各期間の受光量から発光と受光との時間差を求め、前記測定対象物までの距離情報を測定する距離測定装置において、前記発光装置と前記受光装置との一方の側における前記タイミング信号発生回路と前記駆動回路との間に介在され、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させる固定遅延回路と、前記発光装置と前記受光装置との一方の側のタイミング信号または駆動信号と、他方の側のタイミング信号または駆動信号とが入力され、それら2つの入力信号間の位相差に対応したエラー信号を出力する位相比較回路と、前記発光装置と前記受光装置との一方の側における駆動回路の前段に介在され、前記エラー信号に応答して前記2つの入力信号の位相を同期させるように前記タイミング信号のタイミングを調整する遅延時間調整回路とを備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、発光装置と受光装置とを備えて構成され、それぞれに設けられた、或いは一方に設けられて共用されるタイミング信号発生回路で発生されたタイミング信号が駆動回路に与えられて駆動信号が作成され、LEDアレイなどの発光素子およびCCDアレイセンサなどの受光素子に与えられて、発光装置からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物に放射され、受光装置では前記測定対象物による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路が、各期間の受光量から発光と受光との時間差を求め、前記測定対象物までの距離を測定する距離測定装置において、前記発光素子の放射タイミングと受光素子において前記各期間を規定する受光タイミングとの相対誤差を補正するにあたって、たとえば相対的に遅延の小さい受光装置側で、タイミング信号発生回路と駆動回路との間に固定遅延回路を設けて、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させて前記相対誤差を粗調整し、前記発光装置と受光装置とのいずれか一方において、駆動回路の前段に遅延時間調整回路を設けるとともに、位相比較回路を設け、前記位相比較回路が前記発光装置および受光装置におけるタイミング信号や駆動信号間の位相差に対応したエラー信号を出力し、そのエラー信号に応答して前記遅延時間調整回路が前記タイミング信号のタイミングを微調整して相対誤差を補正する。或いは、前記固定遅延回路よる前記相対誤差の粗調整は、相対的に遅延の大きい発光装置側において、1または複数の周期遅れで行われてもよい。
したがって、前記位相比較回路で前記タイミング信号や駆動信号の位相比較を行い、前記遅延時間調整回路にフィードバック制御を行うにあたって、配線遅延を代表とする不変の遅延時間分をDC成分として前記固定遅延回路で加算しておき、したがって前記フィードバック信号から減算しておくことと等価となり、実際のフィードバックによる制御範囲量としては、温度や湿度などによって変動する略AC分だけとなる。これによって、発光素子を他の回路からの遠隔地に配置し、それによる配線遅延が大きくなるなどして、ループ制御すべき遅延制御量(フィードバック量)の範囲が大きくなっても、前記遅延制御量(フィードバック量)における実際の変動分(AC成分)を小さくし、高いループゲインを得て、高い安定性を得ることができる。
また、本発明の距離測定装置は、前記タイミング信号発生回路が、発振回路と、その発振信号を分周して前記タイミング信号を生成する分周回路とを備えて成り、前記固定遅延回路は、前記発振信号を取込み、前記分周回路により生成された前記タイミング信号を、前記発振信号に基づいて前記予め定める固定の時間だけ遅延させる能動素子から成ることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記タイミング信号発生回路が、発振回路と、その発振信号を分周して前記タイミング信号を生成する分周回路とを備えて構成される場合、前記固定遅延回路を、フリップフロップやラッチ回路およびこれらによって構成されるレジスタ等の能動素子によって構成する。そして、それらの能動素子は、前記発振信号を取込み、その発振信号に同期して(発振信号をクロック信号として)、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させて出力する。
したがって、発振回路からの高速の発振信号(基準となるクロック信号)を利用して、前記能動素子の段数を調整することで、前記予め定める固定の遅延時間に近い時間の遅延を行うことができる。
さらにまた、本発明の距離測定装置では、前記能動素子は複数段縦続接続されて成り、任意の段に設けられる取出し部の内、いずれか1つからの出力を取出すことにより、前記固定遅延回路による前記タイミング信号の遅延時間を切替可能な選択回路をさらに備えることを特徴とする。
上記の構成によれば、前記選択回路で取出し部を切換えることで、複数段のシフトレジスタまたはフリップフロップの出力から、段階的に異なる遅延時間を得ることができる。
したがって、前記固定の時間の装置によるばらつきに対応することができる。また、前記駆動回路や遅延時間調整回路の遅延量が商品形態の変化などによって大きく変わった場合などにも対応することができる。
また、本発明の距離測定装置では、前記固定遅延回路および遅延時間調整回路は、発光装置に設けられることを特徴とする。
上記の構成によれば、相対的に遅延の大きい発光装置側に前記固定遅延回路および遅延時間調整回路を設けると、その発光装置側の前記タイミング信号を1または複数の周期遅れでフィードバック制御を行うことになるが、前記タイミング信号は周期信号で問題はなく、一方、発光装置側は発光素子に関する構成が単体であるのに対して、受光装置側は受光素子に関する構成が複数チャネルであり、前記固定遅延回路および遅延時間調整回路を発光装置側に設けることで、制御回路や信号線を簡略化することができる。
本発明の距離測定装置は、以上のように、発光装置と受光装置とを備えて構成され、それぞれに設けられた、或いは一方に設けられて共用されるタイミング信号発生回路で発生されたタイミング信号が駆動回路に与えられて駆動信号が作成され、LEDアレイなどの発光素子およびCCDアレイセンサなどの受光素子に与えられて、発光装置からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物に放射され、受光装置では前記測定対象物による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路が、各期間の受光量から発光と受光との時間差を求め、前記測定対象物までの距離を測定する距離測定装置において、前記発光素子の放射タイミングと受光素子において前記各期間を規定する受光タイミングとの相対誤差を補正するにあたって、たとえば相対的に遅延の小さい受光装置側で、タイミング信号発生回路と駆動回路との間に固定遅延回路を設けて、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させて前記相対誤差を粗調整し、前記発光装置と受光装置とのいずれか一方において、駆動回路の前段に遅延時間調整回路を設けるとともに、位相比較回路を設け、前記位相比較回路が前記発光装置および受光装置におけるタイミング信号や駆動信号間の位相差に対応したエラー信号を出力し、そのエラー信号に応答して前記遅延時間調整回路が前記タイミング信号のタイミングを微調整して相対誤差を補正する。
それゆえ、前記位相比較回路で前記タイミング信号や駆動信号の位相比較を行い、前記遅延時間調整回路にフィードバック制御を行うにあたって、配線遅延を代表とする不変の遅延時間分をDC成分として前記固定遅延回路で加算しておき、したがって前記フィードバック信号から減算しておくことと等価となり、実際のフィードバックによる制御範囲量としては、温度や湿度などによって変動する略AC分だけとなる。これによって、発光素子を他の回路からの遠隔地に配置し、それによる配線遅延が大きくなるなどして、ループ制御すべき遅延制御量(フィードバック量)の範囲が大きくなっても、前記遅延制御量(フィードバック量)における実際の変動分(AC成分)を小さくし、高いループゲインを得て、高い安定性を得ることができる。
また、本発明の距離測定装置は、以上のように、前記タイミング信号発生回路が、発振回路と、その発振信号を分周して前記タイミング信号を生成する分周回路とを備えて構成される場合、前記固定遅延回路を、フリップフロップやラッチ回路およびこれらによって構成されるレジスタ等の能動素子によって構成する。
それゆえ、発振回路からの高速の発振信号(基準となるクロック信号)を利用して、前記能動素子の段数を調整することで、前記予め定める固定の遅延時間に近い時間の遅延を行うことができる。
さらにまた、本発明の距離測定装置は、以上のように、前記能動素子を複数段縦続接続して構成し、任意の段に設けられる取出し部の内、いずれか1つからの出力を選択回路で取出して前記位相比較回路に与える。
それゆえ、前記固定の時間の装置によるばらつきに対応することができる。また、前記駆動回路や遅延時間調整回路の遅延量が商品形態の変化などによって大きく変わった場合などにも対応することができる。
また、本発明の距離測定装置は、以上のように、前記固定遅延回路および遅延時間調整回路を、複数チャネルになる受光装置側ではなく、発光装置側に設ける。
それゆえ、制御回路や信号線を簡略化することができる。
[実施の形態1]
図1は、本発明の実施の第1の形態に係る距離測定装置10の電気的構成を示すブロック図である。この距離測定装置10は、大略的に、対を成す発光装置20と受光装置30とを備えて構成され、それぞれのタイミング信号発生回路25,35で発生されたタイミング信号が駆動回路26,36に与えられて駆動信号が作成され、LEDアレイなどの発光素子27およびCCDアレイセンサなどの受光素子37に与えられて、発光装置20からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物15に放射され、受光装置30では前記測定対象物15による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路38が、各期間の受光量から発光と受光との時間差(Time of Flight)を求め、前記測定対象物15までの距離を測定するものである。
具体的には、先ず前記発光装置20では、前記タイミング信号発生回路25で作成されたタイミング信号は、前記駆動回路26で電力増幅されて実際の駆動信号が作成され、前記発光素子27が点灯駆動される。一方、受光装置30では、前記発光素子27から放射された一定周波数の矩形波パルス光の測定対象物15による反射光を、前記受光素子37において複数の期間に分割して受光し、評価演算回路38が前述のように距離情報を測定する。その受光期間の設定は、前記タイミング信号発生回路35で作成されたタイミング信号が、駆動回路36で電力増幅されて前記受光素子37に与えられることで行われる。なお、前記複数の期間は3つ以上であり、前記タイミング信号および駆動信号は、たとえば6チャネルの信号となる。
上述のように構成される距離測定装置10において、注目すべきは、本実施の形態では、発光装置20の発光素子27の放射タイミングと、受光装置30において前記各期間を規定する受光素子37の受光タイミングとの相対誤差を補正し、位相同期を得るために、以下で示すようなフィードバックループを有することである。すなわち、先ず相対的に遅延の小さい受光装置30側では、前記タイミング信号発生回路35と駆動回路36との間に固定遅延回路39を設けて、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させて前記相対誤差を粗調整する。次に、前記発光装置20側には、駆動回路26の前段に遅延時間調整回路28を設けるとともに、位相比較回路19を設け、前記位相比較回路19が前記発光装置20および受光装置30における駆動信号間の位相差に対応したエラー信号を出力し、そのエラー信号に応答して前記遅延時間調整回路28が前記タイミング信号のタイミングを微調整して相対誤差を補正する。なお、前記発光素子27からのフィードバック信号の取出しは、この図1で示すように前記駆動回路26からの駆動信号を用いることで行われてもよく、発光素子27が実際に発光した信号を図示しない光電変換素子で電気信号に変換することで行われてもよい。また、受光装置30側には、前記6チャネルの駆動信号の内の1つを選択して前記位相比較回路19に与えるセレクタ40が設けられている。
前記固定遅延回路39は、前記6チャネルのCR積分回路から成り、それぞれの抵抗素子には、一般的な炭素系抵抗器の温度特性が+350〜−150ppmであるのに対して、0.5ppm以下のニッケルクローム系の金属を用いて作成された金属箔抵抗器が用いられ、容量素子には、酸化チタン(TiO)を主原料として、酸化金属を添加したセラミックコンデンサ等の温度特性の低い素子が用いられる。これによって、能動素子を使わずに、受動素子のみで該固定遅延回路39を構成し、集積化が容易となっている。そして、該固定遅延回路39による遅延時間は、フィードバックループ内における遅延量の内、環境変動によって変動しない配線遅延を代表とするDC成分(遅延オフセット成分)に相当するように設定されている。
したがって、前記位相比較回路19では、本来、フィードバック制御によって制御すべき環境変動によって変動するAC成分だけを比較することになり、ループ内の遅延量を最小にして、ループの遅延制御範囲を狭くすることができる。このようにフィードバックループ内の遅延量を、固定量と温度や湿度などによって変動する変動量とに分離し、固定量については外部からキャンセルすることで、発光素子27を他の回路からの遠隔地に配置し、それによる配線遅延が大きく、すなわち制御範囲が広くなっても、DLL(遅延固定ループ)における実質的な遅延制御範囲を狭くできるので、高いループゲインを得て、遅延特性の安定度を高めることができ、結果、良好な測距性能を得ることができる。
[実施の形態2]
図2は、本発明の実施の第2の形態に係る距離測定装置11の電気的構成を示すブロック図である。この距離測定装置11は、前述の距離測定装置10に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この距離測定装置11では、前記遅延時間調整回路28が、発光装置21側から受光装置31側に置換えられていることである。したがって、前記遅延時間調整回路28の入力極性は、前記図1とは逆極性とされる。
[実施の形態3]
図3は、本発明の実施の第3の形態に係る距離測定装置12の電気的構成を示すブロック図である。この距離測定装置12は、前述の距離測定装置11に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、受光装置32において、タイミング信号発生回路45が、発振回路42と、その発振信号を分周する分周回路43と、分周信号から前記タイミング信号を生成するタイミング信号生成回路44とを備えて構成され、それに対応して前記固定遅延回路39を、前記発振信号に同期して(高速の発振信号をクロック信号として)、予め定める固定の時間だけ遅延させて前記タイミング信号として前記遅延時間調整回路28に入力する同期型遅延回路49で構成することである。前記同期型遅延回路49は、フリップフロップやラッチ回路およびこれらによって構成されるレジスタ等の能動素子から成る。対で用いられる発光装置21は、前記距離測定装置11と同一である。本実施の形態でも、タイミング信号発生回路25がタイミング信号発生回路45と同じ構成であれば、前記距離測定装置10のように、同期型遅延回路49が発光装置21側に設けられてもよい。
ここで、たとえば前記発振回路42の発振周波数は160MHzであり、前記分周回路43およびタイミング信号生成回路44の発振周波数は10MHzであり、前記発振信号(クロック信号)の立ち上がりまたは立ち下がりタイミング(クロックの1周期)を用いることで、前記タイミング信号を、その周期の1/16の分解能でタイミングを調整することができ、前記発振信号(クロック信号)の立ち上がりおよび立ち下がりタイミング(クロックの半周期)を用いることで、前記タイミング信号を、その周期の1/32の分解能でタイミングを調整することができる。そして、それらの分解能で、前記シフトレジスタまたはフリップフロップの段数を調整することで、前記タイミング信号を、段階的ではあるが、任意の時間だけ、しかも長い時間に亘って遅延することができる。
このように構成することで、遅延量の調整は、前記タイミング信号発生回路45における発振信号(クロック)の時間刻みで段階的になるが、受動素子である前記CR積分回路から成る固定遅延回路39で生じるような温度特性による遅延時間のばらつきを抑えることができるとともに、前記能動素子からは、前記同期型遅延回路49を容易に作成することができる。
[実施の形態4]
図4は、本発明の実施の第4の形態に係る距離測定装置13の電気的構成を示すブロック図である。この距離測定装置13は、前述の距離測定装置12に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、本実施の形態では、受光装置33において、前記タイミング信号発生回路45と遅延時間調整回路28との間に介在される同期型遅延回路59が、複数段縦続接続されるシフトレジスタまたはフリップフロップ(図4では3段の遅延回路51〜53で示す)と、各段の入出力に設けられる取出し部の内、いずれか1つからの出力を取出して前記遅延時間調整回路28に与える選択回路54とを備えて構成されることである。たとえば、該距離測定装置13の出荷調整時において、前記フィードバックループの固定遅延量(DC成分)が測定され、その測定結果が図示しない制御回路に入力され、実使用時には前記制御回路から前記測定結果に対応した選択信号が前記選択回路54に与えられて前記固定遅延量(DC成分)に対応した遅延時間が選択される。或いは、前記測定結果に対応して、前記選択回路54に接続されているディップスイッチなどが切換えられて、前記選択信号とされる。なお、前記固定遅延量(DC成分)は不変を前提としているが、経年に応じて適宜選択信号で切換えて、校正を行うようにしてもよい。
このように構成することで、前記固定遅延量(DC成分)の装置によるばらつきに対応することができる。また、前記駆動回路26,36や遅延時間調整回路28の遅延量が商品形態の変化などによって大きく変わった場合などにも対応することができる。
[実施の形態5]
図5は、本発明の実施の第5の形態に係る距離測定装置14の電気的構成を示すブロック図である。この距離測定装置11で前述の距離測定装置10に類似し、対応する部分には同一の参照符号を付して示し、その説明を省略する。注目すべきは、この距離測定装置14では、固定遅延回路29が、受光装置34側から発光装置24側に置換えられていることである。したがって、発光装置24側は発光素子27に関する構成が単体(1チャネル)であるのに対して、受光装置34側は前述のように受光素子に関する構成が、たとえば6〜12チャネルであり、前記固定遅延回路29および遅延時間調整回路28を発光装置24側に設けることで、制御回路や信号線を簡略化することができる。なお、相対的に遅延の大きい発光装置24側に前記固定遅延回路29および遅延時間調整回路28を設けると、その発光装置24側の前記タイミング信号を1または複数の周期遅れでフィードバック制御を行うことになるが、前記タイミング信号は周期信号で問題はない。
また注目すべきは、この距離測定装置14では、前記タイミング信号発生回路35からのタイミング信号が前記固定遅延回路29に入力されて、該タイミング信号発生回路35が発光装置24と受光装置34とで兼用されていることである。さらにまた、注目すべきは、前記位相比較回路19へは、駆動回路36からの駆動信号ではなく、タイミング信号発生回路35からのタイミング信号が入力されることである。このように位相比較回路19で比較されるのは、タイミング信号と駆動信号との何れであってもよい。すなわち、位相比較回路19では、発光装置24側の駆動信号および受光装置34側の駆動信号、発光装置24側のタイミング信号および受光装置34側の駆動信号、発光装置24側の駆動信号および受光装置34側のタイミング信号のように、発光装置24側からの信号と受光装置34側からの信号とを比較すればよい。
本発明の実施の第1の形態に係る距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第2の形態に係る距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第3の形態に係る距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第4の形態に係る距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 本発明の実施の第5の形態に係る距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。 典型的な従来技術の距離測定装置の電気的構成を示すブロック図である。
符号の説明
10,11,12,13,14 距離測定装置
15 測定対象物
19 位相比較回路
20,21,24 発光装置
25,35,45 タイミング信号発生回路
26,36 駆動回路
27 発光素子
28 遅延時間調整回路
29,39 固定遅延回路
30,31,32,33,34 受光装置
37 受光素子
38 評価演算回路
40 セレクタ
42 発振回路
43 分周回路
44 タイミング信号生成回路
49,59 同期型遅延回路
51〜53 遅延回路
54 選択回路

Claims (4)

  1. 発光装置と受光装置とを備えて構成され、少なくとも一方に設けられたタイミング信号発生回路で発生されたタイミング信号がそれぞれの駆動回路に与えられて駆動信号が作成され、その駆動信号が発光素子および受光素子に与えられて、前記発光装置からは予め定めるタイミングで変調光信号が測定対象物に放射され、前記受光装置では前記測定対象物による反射光を予め定める複数の期間に分割して受光し、評価演算回路が、前記各期間の受光量から発光と受光との時間差を求め、前記測定対象物までの距離情報を測定する距離測定装置において、
    前記発光装置と前記受光装置との一方の側における前記タイミング信号発生回路と前記駆動回路との間に介在され、前記タイミング信号を予め定める固定の時間だけ遅延させる固定遅延回路と、
    前記発光装置と前記受光装置との一方の側のタイミング信号または駆動信号と、他方の側のタイミング信号または駆動信号とが入力され、それら2つの入力信号間の位相差の量に対応したエラー信号を出力する位相比較回路と、
    前記発光装置と前記受光装置との一方の側における駆動回路の前段に介在され、前記エラー信号に応答して前記タイミング信号のタイミングを調整し、前記2つの入力信号の位相を同期させる遅延時間調整回路とを備えることを特徴とする距離測定装置。
  2. 前記タイミング信号発生回路が、発振回路と、その発振信号を分周して前記タイミング信号を生成する分周回路とを備えて成り、
    前記固定遅延回路は、前記発振信号を取込み、前記分周回路により生成された前記タイミング信号を、前記発振信号に基づいて前記予め定める固定の時間だけ遅延させる能動素子から成ることを特徴とする請求項1記載の距離測定装置。
  3. 前記能動素子は複数段縦続接続されて成り、
    任意の段に設けられる取出し部の内、いずれか1つからの出力を取出すことにより、前記固定遅延回路による前記タイミング信号の遅延時間を切替可能な選択回路をさらに備えることを特徴とする請求項2記載の距離測定装置。
  4. 前記固定遅延回路および遅延時間調整回路は、発光装置に設けられることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の距離測定装置。
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