JPH1031072A - 光測距装置 - Google Patents

光測距装置

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JPH1031072A
JPH1031072A JP18372896A JP18372896A JPH1031072A JP H1031072 A JPH1031072 A JP H1031072A JP 18372896 A JP18372896 A JP 18372896A JP 18372896 A JP18372896 A JP 18372896A JP H1031072 A JPH1031072 A JP H1031072A
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JP
Japan
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light
pulse
distance
frame
frequency
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JP18372896A
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Inventor
Yoshihiko Mizushima
宜彦 水島
Sadahisa Warashina
禎久 藁科
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Hamamatsu Photonics KK
Original Assignee
Hamamatsu Photonics KK
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Publication date
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  • Length Measuring Devices By Optical Means (AREA)
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  • Optical Radar Systems And Details Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 大気の温度、湿度および気圧による屈折率の
変化の影響なく長距離の測定が低出力の光で高精度にで
きる光測距装置を提供する。 【解決手段】 基本周波数合成器(1)で作られる複数
の周波数からパルスパターン発生器(2)によりその周
波数ごとに疑似ランダムパルスを発生させ、これを用い
て光変調器(4)により半導体レーザ(3)の光を変調
して、フレーム整列制御装置(5)で所定のフレームパ
ターン列を作成して、これを大気中に送出(7)する。
目的地点に置いた反射鏡(8)からの戻り光を受信し
(9)復調して、この復調波形から各周波数で位相差を
求めて距離を求める。さらに、可変遅延装置(6)で位
相をずらしながらパターンマッチング装置(14)で相
関演算を行い、その極値から求められる位相差により補
正値を求めて測定距離を決定する。この測定を複数の波
長で行い、多波長法で気象条件の影響を消去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光測距装置に関
し、特に複数の波長の光を使用し、かつパルス光変調法
を用いる光測距装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来の光測距装置(光波測距儀)は、主
として位相差計測法を利用することによって構成され
る。その動作は複数の周波数を使用して光を正弦波変調
し、反射鏡からの戻り光を検波復調して、この周波数を
再生して複数の周波数それぞれの位相差を検出すること
によって反射鏡までの絶対距離を決定することである。
周波数としては通常3種程度が使用される。
【0003】また、別の光波測距儀としては、パルス光
法を利用することによって構成されるものもある。その
動作原理は、パルス光を送出してその往復時間を測定し
て距離を求めるものであり、レーザレーダとも呼ばれ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の位相差
計測法の欠点は、長距離計測に向かないことである。そ
の理由は、目に対する安全の点から光の強さに制限があ
ること、天候によって空間伝搬が大きく影響を受け悪天
候の際には空間での減衰が極端に大きくなること、経路
での雑音混入等によりSN比が低下することなどであ
り、特別な場合を除いて1km程度以上の光測距には実
用的でない。
【0005】また、従来のパルス光法の欠点は、装置が
大型化することである。光強度に関する制限も位相差計
測法と同様であるため、やはり長距離計測には向かな
い。
【0006】さらに光波測距儀に共通の欠点として気象
条件による影響がある。すなわち、光波測距では光速を
仮定して距離を換算するが、大気の屈折率は温度、湿度
および気圧等により変化するので、経路上のすべての点
での温度等の気象条件を知って屈折率を補正する必要が
ある。長距離計測ではこの問題は困難で深刻である。
【0007】この問題に対処する方法として多波長法
(多色法)がある。この方法は複数の波長を用いて同一
経路の距離を測り、それぞれの波長での気象条件による
屈折率変化が既知の場合には、各波長での測定値を用い
て連立方程式を解くことにより気象条件を考慮して距離
を算出できる。しかし、この方法の欠点は、原理的に測
定誤差が累積拡大するので、求めたい距離の精度よりも
2桁程度良い測定値を準備せねばならないことにある。
例えば、ppmの程度の精度で最終結果を得るためには
10ppbの精度の測定装置を必要であり、これは現実
には不可能であるから多波長法は実用できなかった。
【0008】また、光波測距儀自体に対抗する別の技術
として衛星電波を受信するGPS測距装置がある。この
欠点は、大気中を通過するマイクロ波の遅延時間が湿度
による屈折率変化のため変動し、これが補正できないこ
とである。このためこの測距精度は、やはりppmの桁
で止まっており改善の見込みがない。
【0009】また、別の光波測距に適用しうる技術とし
て、スプレッド・スペクトラム法がある。この方法は、
疑似ランダムパルスによって送信光を変調しておけば、
受信側でパターンマッチングを行うことにより送信波形
のタイミングを再生して位相を決定できることを利用す
る。このようにすると、パルスの総数をNとして、Nの
平方根だけ通常の統計分布の平均法に比べてSN比は向
上する。すなわち、光源のパワーをN倍だけ増強したこ
とと実効的に等価になる。
【0010】従来、この原理の高精度測距への適用は、
複雑な回路技術のため困難であった。特に、光波測距儀
に応用しようとすると、パターンマッチングの論理回路
を高速に動作させる技術が未発達であったので、高周波
(高精度・高分解能)で使用することは困難であった。
【0011】以上を総合して、本発明の目的は、低出力
の光で長距離の測定が可能であり、しかも大気の温度、
湿度および気圧の変化の影響が少ない高精度の光測距装
置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】このような目的を解決す
るために本発明は次のような構成とした。
【0013】本発明に係わる光測距装置は、複数の波長
の光を使用し、かつパルス光変調法を用いる光測距装置
において、単一の基本クロック周波数から複数の基本周
波数を発生させる基本周波数発生手段と、基本周波数に
より疑似ランダムパルスを発生させる疑似ランダムパル
ス発生手段と、疑似ランダムパルスにより変調された複
数の光パルス光を用い、このパルス光のそれぞれのタイ
ミングを識別する手段を付加してパルス光系列とし、さ
らにこのパルス光系列を光の波長ごとに時間枠を設けて
時系列に配置した送信パルス光系列群を送信する送信手
段と、送信手段で送信され、測距地点に置かれた光反射
手段で反射された送信パルス光列系群を受信する受信手
段と、受信手段で受信した受信パルス列系群から時間枠
を識別して、時間枠ごとに受信パルス列系群を復調する
復調手段と、復調手段で復調された復調パルス列系群か
ら、光の波長が同一で基本周波数が異なる系列から再生
した再生信号を比較して求められる位相差から絶対距離
枠を算出する算出手段と、送信パルス光のタイミングに
遅延または基本周波数ズレのいずれか加えて測った位相
差により絶対距離枠に対する微小距離補正分を算出する
補正手段と、この手段で算出された距離を、それぞれ異
なる光波長について求め、これらの値を比較することに
よって最終的な距離を決定する手段と、を具備する。
【0014】このように、単一の基本クロック周波数か
ら発生される基本周波数により疑似ランダムパルスを発
生させる疑似ランダムパルス発生手段を設けたので、実
効的に光源のパワーをパルス数倍にすることができる。
また、SN比を向上できるので、天候不良で空間減衰が
多い場合でも比較的低出力で長距離の測距ができる。あ
るいは、パワーを低くできるので、法規上の要請も満た
すとことができ、さらに高速変調にも適している。
【0015】また、疑似ランダムパルスにより変調され
た複数の光パルス光を用い、このパルス光のそれぞれの
タイミングを識別する手段を付加してパルス光系列と
し、さらにこのパルス光系列を光の波長ごとに時間枠を
設けて時系列に配置した送信パルス光系列群を送信する
送信手段と、送信手段で送信され、測距地点に置かれた
光反射手段で反射された送信パルス光列系群を受信する
受信手段と、受信手段で受信した受信パルス列系群から
時間枠を識別して、時間枠ごとに受信パルス列系群を復
調する復調手段と、復調手段で復調された復調パルス列
系群から、光の波長が同一で基本周波数が異なる系列か
ら再生した再生信号を比較して求められる位相差から絶
対距離枠を算出する算出手段とを設けたので、同一の波
長の複数の周波数での位相差の値から距離の測定値を波
長ごとに算出できる。
【0016】さらに、送信パルス光のタイミングに遅延
または基本周波数ズレのいずれかを加えて測った位相差
により絶対距離枠に対する微小距離補正分を算出する補
正手段と、この手段で算出された距離を、それぞれ異な
る光波長について求め、これらの値を比較することによ
って最終的な距離を決定する手段とを設けたので、高精
度に距離を求めることができる。さらに、複数の波長の
光を使用するので、多波長法を用いて屈折率に対する気
温、気圧および湿度等の影響を消去して距離を決定でき
る。したがって、低出力で長距離の測距が、気象条件に
よる屈折率の変化に影響を受けることなく高精度で実現
できる。
【0017】本発明を要約すると、複数の波長の光を複
数の基本周波数の疑似ランダムパルスで変調し送出し
て、目的地点に置いた反射鏡からの戻り光を受信し復調
して、この復調波形から各周波数間の位相を判別しこれ
から距離を求めるものである。これらの手法の改良によ
って、先行技術の欠点を解消する機構を構成することが
できる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下本発明の実施の形態を添付図
面を参照して詳細に説明する。図1および図2において
2重線は光信号、1重線は電気信号をそれぞれ表わす。
【0019】(第1の実施の形態)図1は、本発明の第
1の実施の形態の光測距装置のブロックダイヤグラムで
ある。以下図1の各構成要素について説明する。
【0020】基本周波数合成器(1)は、基本クロック
周波数の逓倍および演算によって合成周波数を各種作り
出すもので、基本クロック周波数は、例えば水晶発振器
等で発生できる。パルスパターン発生器(2)は、基本
周波数合成器(1)で作成した基本周波数ごとに同じパ
ターンで周波数の複数の異なる疑似ランダムパルスを発
生させる。これは、シフトレジスタの組み合わせによっ
て、例えば、M系列またはその変形パルス列を容易に作
り出すことができる。光源(3)は、複数の波長の光を
発生させるもので、例えば半導体レーザダイオードが使
用でき、複数個使用すると複数の波長が取り出せる。例
えば0.9μmと0.5μmのように、近赤外領域と可
視領域に2種が少なくとも必要である。光変調器(4)
は、パルスパターン発生器(2)からの信号で光源
(3)の光を変調する。この時必要により、パルスバー
ストの先頭にその相互順序の識別フラグビット等が付加
され、パルス光系列に相当する単位フレームが作られ
る。
【0021】フレーム整列制御装置(5)は、パルス光
系列を波長ごとに時間枠を設けて時系列に配置した送信
パルス光系列を作る。具体的には、例えば単位フレーム
を時系列に並べてからパルスパターンフレーム列の組み
合わせを作り、これにタイムスロット識別信号を付与す
る。これを光波長別に配列する。これらの配列順序は指
定され、既知のものとする。光の可変遅延装置(6)
は、基本周波数の単位周期の範囲内の時間分だけ入力信
号の遅延を可変でき、その可変操作は自動的に走査が繰
り返される。送出光学系(7)は、複数の波長に対して
同軸で、かつ収差補正されたものを使用する。反射鏡
(8)は、測距目標地点に置かれ、本測距装置から送出
されたパルス光を本測距装置に向けて反射する。反射鏡
としては、例えばコーナーキューブがある。
【0022】一方、受信光学系(9)は、反射鏡(8)
で反射した光を受けるもので、これには収差補正された
ものを使用し、その焦点上には検出器(10)を置く。
光検出器(10)には、例えばアバランシ・フォトダイ
オード(APD)が使用でき、さらに必要な受信信号の
増幅器ないしはしきい値設定回路を含む。また、光検出
器(10)は、必要に応じて冷却することが雑音を低減
するために好ましい。タイミング再生装置(11)は、
元の基本周波数と位相を再現する。例えば、注入同期型
電圧可変発振器(ILーVCO)が使用できる。位相比
較器(12)は、タイミング再生装置(11)で再生し
た再生周波数間の位相を比較する。パターンマッチング
装置(14)は、受信ランダムパルス波形のパターンマ
ッチングを行うもので、例えば、もとのランダムパルス
波形が既知なので、これに従ってタイミングゲートを設
け、受信波形との一致を照合し、その結果を積算して出
力する。この出力は、可変遅延装置(6)による位相の
ずらし量により変化するが、この変化のうち最大値を監
視して、その時のずらし値を出力する。出力演算装置
(15)は、多波長法の補正演算を行い、その結果に既
知の補正係数で補正をして出力する。結合ゲート(1
6)は,出力と可変遅延装置(6)とを結合するゲート
である。帰還ループ装置(17)は、上記のずらし量を
結合ゲート(16)の出力を監視しながらずらしてゆく
ための回路であって、帰還系を安定に動作させるために
必要である。
【0023】光源(3)には上述したように、半導体レ
ーザダイオードが使用され、その波長は、例えば近赤外
域から可視域にまたがって2個ないし3個が選ばれる。
パワーは1mW程度であり、眼に対する法規上の安全性
の理由および高速変調を行う理由により過大でないこと
が好ましい。このパワーの小ささを補うために、疑似ラ
ンダムパルスのビット数Nは、例えばN=210−1程度
またはそれ以上が選ばれる。このように1000ビット
以上からなる疑似ランダムパルスで変調すると、結果と
してパワーは等価的にN倍され1W以上またはそれ以上
に相当する。これによって現実の計測では、天候不良に
よって空間減衰が大きくなっても本発明に係わる装置は
使用できるのである。
【0024】本実施の形態の光測距装置では、複数の波
長(λn)と複数のパルス変調周波数(fm)との組み合
わせが用いられるので、以下これらについて説明する。
波長は、大気屈折率の波長分散の程度を考慮して2ない
し3波長を選ぶ。通常近赤外領域(例えば、1.3μm
ないし0.9μm)の付近と可視領域(例えば、0.6
μmないし0.5μm)の付近から選ばれ、近赤外側が
主要な波長(λ1)である。さらに、このλ1に対して更
に複数の変調のための基本周波数が選ばれる。通常は、
測距距離と必要な分解能とから決定され、この組み合わ
せから距離が算出される。例えば、本実施の形態では、
位相分解能を3×10ー3、すなわち距離分解能を0.1
mmにするために基本周波数は、5.0GHz(f1
と4.995GHz(f2)の2つを選べばよい。この
組み合わせでは、計算距離枠(組み合わせた波長での位
相から決まる測定範囲の最小公倍数)が30mなので、
さらに長い距離を計測するために、これらに4.995
MHz(f3)の周波数を追加すればよい。この周波数
での変調は、5GHzを搬送波とする2重変調波であっ
てもよい。この場合の最大距離枠は30kmとなる。こ
のように複数の基本周波数を使用して変調して、それぞ
れの位相比較するようにしたので、全距離範囲で高精度
な測定ができる。これによって、絶対距離枠(この例で
は、30kmのなかで30cmの範囲枠)まで決定でき
ることになる。
【0025】実際の変調装置例では、パルスパターン発
生器(2)で周波数f1による疑似ランダムパルスパタ
ーンを作り、この先頭にフレーム識別フラグビットを付
け加えたものを単位フレームとする。同様にして、f2
およびf3を用いてそれぞれ単位フレームをを作り、こ
れら3つの単位フレームを直列に並べたフレームパター
ン列を作る。受信側での復調の便宜のためには各フレー
ム単位を適宜複数回繰り返したものを1単位とすること
も差し支えない。このようなフレームパターン列で光源
(3)のレーザダイオードの光(λ1)を光変調器
(4)で変調して送出する。さらに、次に時間フレーム
(時間枠)では次の光(λ2)のレーザダイオード光を
変調する。このとき、測定波長による測距値の変化が僅
かなので、λ2についてはf3を使用せずにf1とf2だけ
でフレームパターン列を作成しても差し支えない。さら
に、光(λ3)を使用する場合は、λ2と同様にフレーム
パターン列を作成すればよい。上記のように、送出光は
(f1、f2、f3)と(λ1、λ2、λ3)との組み合わせ
パルス光トレインとなる。この場合、変調のもとの基本
の疑似ランダムパルスパターンは便宜上共通で差し支え
ない。
【0026】受信側の動作について説明する。送出パル
ス光は目標地点の反射鏡で反射後に受信光学系(9)に
入る。そして、集光装置および波長フィルタを経た後、
APDで電気パルスに変換される。パルスパターンには
共通性があるので、付加したフラグビットによって(f
i、λj)フレームを識別する。それぞれの波長λで、f
1、f2、f3のパルスパターンからそれぞれの位相差を
比較し、位相差から距離を求める。これにより絶対距離
枠を求めることができる。特に、基本周波数を再生した
のちの電気信号の段階では、パルスでなく正弦波で扱う
こともできる。このとき、正弦波同士の位相比較による
単位半波長内の距離の算出と、単位半波長の整数倍係数
の決定は知られた方法で行うこともできる。正弦波とし
て再生する利点は、回路の狭帯域かつ高Q動作ができる
ので雑音を小さくできることにある。
【0027】また、ランダムパルス波形として再生する
場合には、最小単位周期以上の極限分解能に到達するた
めには、次のような手法が取られる。単位周期以下の位
相差については、位相比較器を使用してそれぞれ送出原
波形との位相差を比較してもよいが、可変遅延装置を使
って位相一致点を探して、そのときの位相遅延量を求め
る方がより正確である。すなわち、原変調波形に可変位
相遅延を加えて演算器へ送る。このことは、正弦波を用
いる場合でも、疑似ランダムパルスを用いる場合でも同
一に考慮できる。この遅延量を変化させ、相関出力の極
値点を求め、その遅延量から基本単位波長の中での補正
値を決定できる。遅延可変範囲は、本実施の形態の場合
の5GHzに対して0.2ns程度である。このように
疑似ランダムパルスパターンを用いる利点は、通常の場
合よりもSN比を向上できることである。
【0028】なお、これらの演算の際に機器内の固有の
時間差および位相差には固定された常数が付随するの
で、これらの常数はあらかじめ決定しておき、あとで演
算結果に加えればよい。このようにして位相差を求める
と最小周期単位までの距離分解能が得られ、さらに最小
単位周期以下の極限分解能に到達できる。
【0029】また、波形の位相を比較する場合には、演
算の手法としては、遅延を可変させる代わりに基本周波
数を可変させて位相差がある固定値に達したときの周波
数ずらし量を利用して計算することもできる。これらの
基本原理は知られているものである。
【0030】このようにして波長λ1における距離が決
定できる。λ2、λ3における距離も同様にして決定でき
るが、大気屈折率の分散に起因してλ1における値とこ
れらの値は少し異なる。屈折率は、温度、気圧、湿度等
の要因によって異なるが、その数値は調査公表されてい
るので、これを使用することによって、測定した距離に
対する温度、気圧、湿度等の影響を多波長法により補正
することができる。この方法により、λ1、λ2、λ3
波長で測定した距離を操作すると、温度、気圧、湿度の
値が消去された形で絶対距離を求めることができる。
【0031】従来、多波長法では測定誤差が累積拡大す
るするので実用に至っていなかった。しかし、本発明で
は高い精度で個々の波長で距離を求めることができるの
で、計算処理によって温度、気圧、湿度が消去された後
の最終計算値の誤差は、2〜3mm程度にとどまる。従
って、実質分解能は依然として高く、従来の装置に比べ
て優れた性能である。このように本発明は高分解能にで
きたので、いまだ実用に至っていなかった多波長法を実
用可能とし、しかも距離精度を保持できるのである。
【0032】(第2の実施の形態)本発明の装置の別に
実施の形態について説明する。第1の実施の形態では、
疑似ランダムパルスの復調演算による位相抽出に電気的
手法を用いた場合について説明したが、光学的な演算手
法によることも可能である。
【0033】図2は、この光学的な演算手法を用いた装
置のブロックダイヤグラムである。図2で、演算装置
(13)は、位相数値から求める距離の概数を決定す
る。また、図2では光検出器(10)での復調動作がや
や異なる。例えば、光検出器(10)に2個のAPDを
設けて、動作バイアスを2つの入射信号出力が減算する
ようにして、受信光と送信側から分岐させた光をそれぞ
れに入射させる。簡単にはAPDを共通に電源のもとで
直列接続すればよい。このようにすると、両者の光のタ
イミングが同期したときに出力電圧が極値になる。すな
わち、2つの入射光に対してEXOR(Exclusi
ve OR)に基づくゲート動作をすることになる。そ
して、この出力をフレーム内で積算すると周期のなかで
2つの光の位相が一致したかどうかを検出できる。この
とき可変遅延装置を動作させて位相の一致点を探せば最
適遅延量すなわち実距離を決定できる。これによって、
第1の実施の形態の場合と同様に結果を得ることができ
る。この方法では、一致比較回路を省略できる利点があ
る。
【0034】また、光学的受信装置の変形として、図2
の光検出器(9)を1個のAPDで構成して、APDに
受信光と参照光とを入射させれば、ヘテロダイン検波と
なり、原波形が再現されて、遅延量に従ってAPDの出
力が変化するので、位相の一致点を見出すことができ
る。
【0035】以上、第1に実施の形態および第2の実施
の形態で説明したように、疑似ランダムパルスの復調方
法には種々のものがあり、回路設計の便宜に応じて適当
なものを選択すればよい。また、例えば、各フレームご
との最適遅延量の決定は、各タイムスロットごとに毎回
遅延量を可変するのでは回路動作が煩雑になって位相の
決定精度が低下するので、各組合わせごとのタイムスロ
ットを適当な時間だけ継続して遅延量を決定してから、
次の組み合わせに移る等のようにしてもよい。このよう
に全体の繰り返し時間を低速にする方が好ましい。
【0036】以上本発明を実施の形態を図面に基づいて
説明したが、本実施の形態では、測距距離が10km程
度で、距離分解能が1mm等度が実現できる。すなわ
ち、相対精度が10ー7程度で測定できる。このような高
度な目標は、未だ実現されたことはない。このように従
来にない高い分解能を可能としたことは、本発明の特徴
であり、その産業上の効果は大きい。
【0037】
【発明の効果】以上詳細に説明したように本発明の光測
距装置は、低精度で低周波数の場合に測距への応用が試
みられていた疑似ランダムパルスを高精度の目的に実用
化できるので、いままで高精度で実用に至っていなかっ
た多波長法を採用できる。従って、大気の温度、気圧、
湿度等に影響を受けることなく、比較的低出力で長距離
の測定ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の光測距装置のブロ
ックダイヤグラムである。
【図2】本発明の第2の実施の形態の光測距装置のブロ
ックダイヤグラムである。
【符号の説明】
1…基本周波数合成器、2…パルスパターン発生器、3
…光源、4…光変調器、5…フレーム整列制御装置、6
…光可変遅延装置、7…送出光学系、8…反射鏡、9…
受信光学系、10…光検出器、11…タイミング再生装
置、12…位相比較器、13…演算装置、14…パター
ンマッチング装置、15…出力演算装置、16…結合ゲ
ート、17…帰還ループ装置

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 複数の波長の光を使用し、かつパルス光
    変調法を用いる光測距装置において、 単一の基本クロック周波数から複数の基本周波数を発生
    させる基本周波数発生手段と、 前記基本周波数により疑似ランダムパルスを発生させる
    疑似ランダムパルス発生手段と、 前記疑似ランダムパルスにより変調された複数の光パル
    ス光を用い、このパルス光のそれぞれのタイミングを識
    別する手段を付加してパルス光系列とし、さらにこのパ
    ルス光系列を前記光の波長ごとに時間枠を設けて時系列
    に配置した送信パルス光系列群を送信する送信手段と、 前記送信手段で送信され、測距地点に置かれた光反射手
    段で反射された前記送信パルス光列系群を受信する受信
    手段と、 前記受信手段で受信した受信パルス列系群から前記時間
    枠を識別して、前記時間枠ごとに前記受信パルス列系群
    を復調する復調手段と、 前記復調手段で復調された復調パルス列系群から、前記
    光の波長が同一で基本周波数が異なる系列から再生した
    再生信号を比較して求められる位相差から絶対距離枠を
    算出する算出手段と、 前記送信パルス光のタイミングに遅延または基本周波数
    ズレのいずれか加えて測った位相差により前記絶対距離
    枠に対する微小距離補正分を算出する補正手段と、 この手段で算出された距離を、それぞれ異なる光波長に
    ついて求め、これらの値を比較することによって最終的
    な距離を決定する手段と、を具備することを特徴とする
    光測距装置。
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