JP3654090B2 - 距離計測方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、物体に電磁波を照射し、電磁波を送波してから物体により反射された電磁波が受波されるまでの時間に基づいて物体までの距離を計測する距離計測方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来からこの種の距離計測装置として、特許第2518064号公報に記載されているように、パルスレーザ光を物体に照射するとともに物体からの反射光を検出し、パルスレーザ光の投光から反射光の受光までの時間を計測することによって、物体までの距離を求める構成が知られている。上記公報に記載された距離計測装置では、図13に示すように、パルス発生回路41が可変ディレイ回路22にディレイ値を与えた後に、パルス発生回路41から可変ディレイ回路42にトリガ信号を発生し、このトリガ信号をディレイ値に相当する時間だけ遅延させた信号を駆動回路43を通して半導体レーザ44に与えることによって、パルス状のレーザ光を送出している。また、物体1によって反射されたレーザ光は光検出器回路45に入力され、光検出器回路45の出力はゲート回路46に入力される。さらに、パルス発生回路41からのトリガ信号は、レーザ光の立ち上がり時間を見込んだ一定の遅延を生じさせる固定ディレイ回路47を通してゲート回路46に入力され、ゲート回路46では固定ディレイ回路47の出力が入力されてから光検出器回路45の出力が入力されるまでの期間にクロック発生回路48からのクロック信号をカウンタ表示器49に与えてクロック信号をカウントさせる。つまり、可変ディレイ回路42での遅延時間をτv、固定ディレイ回路47での遅延時間をτpとし、レーザ光の投光から受光までの時間をτtとすれば、カウンタ表示器49でカウントされるクロック出力の個数は、時間(τv+τt−τp)に相当することになる。
【0003】
ところで、上記公報に記載された装置は、図14に示すタイミングで駆動することが特徴になっており、図14(a)のようにクロック発生器41からクロック出力を発生させ、図14(b)のように固定ディレイ回路42の出力を発生させるものとしたときに、図14(c)〜(l)のようにゲート回路46の出力をカウンタ表示器49に入力するようになっている。つまり、可変ディレイ回路42のディレイ値をクロック出力の周期の10分の1ずつ変化させることによって、クロック出力の周期Tに相当する距離単位よりも高い精度で物体1までの距離を計測可能としている。図示例ではクロック出力を5m単位に相当する周期Tで発生させており、周期Tの10分の1ずつずらしたタイミングで10回の距離測定を行うことによって、クロック出力の10分の1の単位、つまり0.5m単位での測定が可能になっている。図示例では物体7までの距離が100mの場合の動作を実線で示し、102.5mの場合の動作を破線で示している。要するに、パルスレーザ光を投光するタイミングをクロック出力の周期Tの10分の1ずつずらしているから、物体1までの距離が100〜105mの範囲であれば、10回の測定の間に、物体1までの距離に応じた比率で100mと105mとの測定値が得られることになる。たとえば、物体7までの距離が100mであれば図15(a)のように10回の測定ですべて100mの結果が得られ、102.5mであれば図15(b)のように10回の測定のうち5回は100m、残りの5回は105mの結果になる。したがって、100m+(105m−100m)×5/10=102.5mという結果が得られる。具体的には10回の測定値の合計の10分の1を物体1までの距離として求めることができる。
【0004】
一方、特開平3−264885号公報に記載された発明では、図16に示すように、リセット可能な非安定マルチ51の出力をオア回路52を通して単パルス切出回路53に入力し、単パルス切出回路53によって幅の狭いパルスを生成するとともに、このパルスを増幅器54を介して発光素子55に与えることによって幅の狭い光パルスを発生させるように構成されている。発光素子55からの光は参照光路と測距光路との2つの光路を通り光路切替器57を通して受光装置56に入射する。測距光路では発光素子55からの光が物体1に照射され受光装置56には物体1での反射光が入射される。また、参照光路では発光素子55からの光が受光装置56に直接入射する。
【0005】
光路切替器57は、受光装置56に参照光路からの光を入射させるか測距光路からの光を入射させるかを選択する回路であって、受光装置56には測距光路と参照光路とのいずれかを通った光が選択的に入射する。受光装置56の出力は信号遅延回路58で所定の遅延時間だけ遅延された後に増幅器59で増幅され、さらに波形整形回路60によって矩形波状に波形整形される。波形整形回路60の出力はオア回路52に入力されており、発光素子55は非安定マルチ51の出力と波形整形回路60の出力とのいずれかのタイミングで光パルスを発生するようになっている。光路切替器57は参照光路と測距光路とを交互に選択するように制御されており、受光装置56には参照光路を通る光と測距光路を通る光とが交互に入射される。
【0006】
したがって、発光素子55から発生した光パルスが測距光路を通って受光装置56に入射すると、信号遅延回路58に設定された遅延時間の経過後に光パルスが発生し(信号遅延回路58以外の回路での遅れ時間は無視している)、次には参照光路を通って光が受光装置56に入射してから遅延時間の経過後に光パルスが発生することになる。ここに、波形整形回路60は光パルスの発光に同期して出力を立ち上げ、その後、受光装置56での受光に同期して出力を立ち下げ、出力の立ち下げ時から信号遅延回路58による遅延時間の経過後に出力を立ち上げるように構成されている。つまり、波形整形回路60の出力の立ち上げから次の立ち上げまでの時間は、光パルスの送波から受光装置56での受波までの時間に信号遅延回路58による遅延時間を加算したものになる。したがって、測距光路が選択されているときと参照光路が選択されているときとにおいて、波形整形回路60の出力が立ち上がればそれぞれ前回の立ち上がり時との時間間隔を求め、測距光路が選択されたときに求めた時間間隔から参照光路が選択されたときに求めた時間間隔を減算する。いま、光パルスが発生してから測距光路を通して受光装置56に入射するまでの時間をτt、参照光路を通して受光装置56に入射するまでの時間をτr、信号遅延回路58での遅延時間をτdとすれば、上記動作によって、(τt+τd)−(τr+τd)=τt−τrになり、参照光路は既知の長さであるから時間τrも既知であって、結果的に測距光路に対応した時間τtを求めることができるのである。遅延時間τdは消去されるから、遅延時間τdをどのように設定しても測距の精度には影響しない。
【0007】
ただし、測距光路を光が通過する時間はごく短時間であって誤差が生じやすいから、上述の減算を規定回数(たとえば10000回)繰り返して誤差分を平均化し測距の精度を高くしている。つまり、上述のように、受光装置56で光を受光した時点から遅延時間の経過後を光パルスの発生タイミングとしており、投光−受光−投光というループを形成し、このループを規定回数繰り返すことによって、測距の精度を高めているのである。また、上述のように遅延時間τdを設定することによってループの周期を長くすることができ、結果的に回路動作を比較的低速で行えるようになっている。
【0008】
測距光路と参照光路との時間差を求める構成について簡単に説明しておく。上述した波形成形回路60の出力は1/Nカウンタ61に入力されて波形整形回路60の出力の立ち上がりがN回になるまでカウントされる。また、1/Nカウンタ61の出力は単安定マルチ62およびフリップフロップ63に入力され、単安定マルチ62の出力によって1/Nカウンタ61がリセットされる。ここに、Nはたとえば10000と設定される。1/Nカウンタ61は波形整形回路60の出力の立ち上がりに対応した信号を出力し、フリップフロップ63の出力を増幅器64に通して光路切替器57に与えることによって、光路切替器57を波形整形回路60の出力の変化に同期させて切り換えることができるのである。フリップフロップ63の出力はアップダウンカウンタ65にも与えられ、アップカウントかダウンカウントかが選択される。アップダウンカウンタ65はクロック発生回路66から出力されるクロック出力をカウントする。したがって、測距光路が選択されるときにアップカウント、参照光路が選択されるときにダウンカウントに切り換えておくことによって、アップダウンカウンタ65の出力値は、時間(τt−τr)に対応する値になる。フリップフロップ63の出力は単安定マルチ67にも入力されており、アップダウンカウンタ65の出力値は単安定マルチ67の出力に応じてホールド回路68によりホールドされ、測距光路と参照光路とでの時間差をN回積算した時点でのホールド回路68の出力をNで除算した値が物体1までの距離に対応することになる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、特許第2518064号公報に記載の構成では、距離の測定精度が可変ディレイ回路42での遅延時間に依存しており、遅延時間は一般には抵抗やコンデンサを用いて設定されるものであるから、距離の測定精度を十分に高くすることが困難である。これに対して、特開平3−264885号公報に記載された発明では多数回の検知結果を積算し、かつ回路内部で発生する遅延時間τdを消去するから、距離を高精度で測定できると考えられる。しかしながら、この公報に記載の発明では、受光装置56の前方に配置した光路切替器57を用いて参照光路と測距光路とを交互に切り換えて受光装置56を共用する構成としているから、光路切替器57には光学要素を用いた機械的構成が必要になり、構成が複雑になるとともにメンテナンスが面倒である。また、参照光路と測距光路とを交互に多数回切り換えており、しかも参照光路と測距光路とを切り換える構成が機械的構成であって比較的長い時間を要するから、結局は検知結果が得られるまでに比較的長い時間を要することになる。たとえば、参照光路での測定時間をτ1、測距光路での測定時間をτ2、参照光路と測距光路との切換に要する時間をτ3とすれば、(τ1+τ2+2τ3)で1周期となり、これをN回繰り返すとすればN×(τ1+τ2+2τ3)となって、非常に長い時間を要することになる。ここに、時間τ1、τ2は距離の測定のために必須の時間であって、これを短縮するのは困難である。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、比較的短い時間で距離を測定することができ、しかも精度よく距離を測定できるようにした距離計測方法およびその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1ないし請求項3は距離計測方法の発明であって、以下の構成要件を備えている。
【0012】
請求項1の発明は、パルス状の電磁波を送波するとともに送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐し、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを一つの受波手段により受波し、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離し、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する距離計測方法であり、反射信号成分を所定の遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返すとともに最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の期間と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返すとともに最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の期間とを設け、第1の期間で求めた積算値から第2の期間で求めた積算値を減算し、減算結果を前記規定回数から1を引いた値で除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定され、反射成分分離マスクを設定する期間は測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする。
【0013】
請求項2の発明は、パルス状の電磁波を送波するとともに送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐し、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを一つの受波手段により受波し、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離し、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する距離計測方法であり、反射信号成分を所定の遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返すとともに最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の期間と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返すとともに最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の期間とを設け、第1の期間で求めた積算値から第2の期間で求めた積算値を減算し、第1の期間と第2の期間とを交互に設定回数繰り返して減算結果の総和を求めた後に、前記規定回数と前記設定回数との積で減算結果の総和を除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定され、反射成分分離マスクを設定する期間は測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、距離の測定精度に応じて前記規定回数を設定することを特徴とする。
【0016】
請求項4ないし請求項16の発明は距離計測装置の発明であって、以下の構成要件を備えている。
【0017】
請求項4の発明は、パルス状の電磁波を送波する送波手段と、送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐する分岐手段と、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを受波する一つの受波手段と、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離するように参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定される信号分離手段と、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する演算手段と、反射信号成分と参照信号成分とをそれぞれ規定個数までカウントするカウンタと、反射信号成分と参照信号成分とをそれぞれ同じ遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、反射信号成分を前記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返す間に最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の時計手段と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返す間に最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の時計手段とを備え、第1の時計手段で求めた積算値から第2の時計手段で求めた積算値を減算し、減算結果を前記規定回数から1を引いた値で除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに信号分離手段では反射成分分離マスクを設定する期間が測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする。
【0018】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、前記反射信号成分と前記参照信号成分との振幅をほぼ等しくするゲイン調整回路と、前記受波手段により受波される反射波の強度をほぼ一定に保つように前記送波手段の出力強度を調節するAPC回路とを備えることを特徴とする。
【0019】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、前記受波手段の出力を増幅するそれぞれ増幅率が異なった複数個の前置増幅回路と、これらの前置増幅回路から所望の前置増幅回路の出力を選択して信号分離手段に入力させるセレクタとを備え、前記セレクタは前記反射信号成分と前記参照信号成分との振幅をほぼ等しくする前置増幅回路の選択に用いられることを特徴とする。
【0020】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、周囲温度を検出する温度センサを備え、温度センサにより検出される周囲温度に応じて周囲温度の影響による測定誤差を補正することを特徴とする。
【0021】
請求項8の発明は、請求項4の発明において、前記時計手段が一定周期で発生するクロック信号を計時することを特徴とする。
【0022】
請求項9の発明は、請求項4の発明において、前記時計手段がコンデンサを定電流で充電する積分回路であってコンデンサの両端電圧を時間に換算することを特徴とする。
【0023】
請求項10の発明は、請求項4の発明において、前記遅延手段が前記信号分離手段と送波手段との間に設けた遅延回路であることを特徴とする。
【0024】
請求項11の発明は、請求項4の発明において、前記電磁波が光であって、前記受波手段として光電子増倍管を用い、前記遅延手段による遅延時間の少なくとも一部として光電子倍増管における受波から出力の発生までの遅れ時間を用いることを特徴とする。
【0025】
請求項12の発明は、請求項4の発明において、前記電磁波が光であって、前記送波手段と物体との間にはレンズが配置され、前記分岐手段が前記送波手段と前記レンズとの間に配置され前記送波手段からの光を透過させ前記レンズを通して物体波として物体に照射させるとともに前記レンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して前記受波手段に入射させるように構成され、レンズで反射された光が参照波として用いられることを特徴とする。
【0026】
請求項13の発明は、請求項4の発明において、前記電磁波が光であって、前記送波手段と物体との間にはレンズが配置され、前記分岐手段が前記送波手段と前記レンズとの間に配置され前記送波手段からの光を透過させ前記レンズを通して物体波として物体に照射させるとともに前記レンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して前記受波手段に入射させるように構成された偏光ビームスプリッタであって、偏光ビームスプリッタと前記レンズとの間には4分の1波長板が配置され、レンズで反射された光が参照波として用いられることを特徴とする。
【0027】
請求項14の発明は、請求項4の発明において、前記送波手段が半導体レーザであって、受波手段から出力される信号成分の立ち上がりのタイミングを抽出して距離を演算することを特徴とする。
【0028】
請求項15の発明は、請求項4の発明において、前記送波手段が半導体レーザであって、時間幅の短いパルスにより駆動されることを特徴とする。
【0029】
請求項16の発明は、請求項4の発明において、前記電磁波が光であって、前記受波手段と物体との間には反射波の光路を延長する光ファイバが設けられることを特徴とする。
【0030】
請求項17の発明は、請求項4の発明において、前記電磁波が光であって、参照波および反射波が入射する受波手段としての光ファイバ増幅器を備え、光ファイバ増幅器に内蔵した起動用レーザのオンオフによって反射波と参照波とに分離し、光ファイバ増幅器により増幅した光を物体に向かって送波することを特徴とする。
【0031】
【発明の実施の形態】
(第1の実施の形態)
本実施形態では、従来技術と同様に、電磁波としてビーム状の光を用いるが、光以外の波長を有する電磁波を用いることも可能である。また、パルス状の光を物体に照射するとともに物体での反射光を受光し、光の投光から受光までの時間を距離に換算することによって距離を測定する、いわゆるタイムオブフライト法を用いる。つまり、光を投光する投光装置と光を受光する受光装置とが物体に対して等しい距離に位置しているとすれば、その距離Lは、投光から受光までの時間をt、光速をcとするときに、L=c・t/2になる。上述した従来技術もこの原理に基づくものであるが、上述した問題点を有している。
【0032】
そこで、本実施形態では、図1に示す構成を採用することによって、従来技術の問題点を解決している。すなわち、本実施形態では半導体レーザ11を用いて電磁波としてのレーザ光を送波し、送波されたレーザ光を分岐手段としてのビームスプリッタ12によって物体波と参照波とに分岐させる。物体波は目的とする物体1に照射され、物体1での反射波はレンズ17を通り受波手段としてのフォトダイオード21に入射する。また、フォトダイオード21にはビームスプリッタ12により分岐された参照波も入射する。ただし、ビームスプリッタ12とフォトダイオード21との距離は、ビームスプリッタ12と物体1との距離よりも十分に短く、ビームスプリッタ12により分岐された参照波と物体波に対応する反射波とは、異なる時刻にフォトダイオード21に入射することになる。
【0033】
フォトダイオード21の出力はゲイン調整回路22を通して出力レベルがほぼ一定になるように調節された後、増幅回路23において増幅される。増幅回路23の出力には参照波に対応する参照信号成分と反射波に対応する反射信号成分とが含まれており、上述したように参照波と反射波とがフォトダイオード12に受光される時刻は異なるから、参照信号成分および反射信号成分も増幅回路23から出力される時刻が異なる。そこで、マスク発生回路24において参照信号成分と反射信号成分との一方をそれぞれ選択的に抽出する参照成分分離マスクと反射成分分離マスクとを個別に発生させる。マスク発生回路24はアナログスイッチを備え、参照成分分離マスクが発生する期間には参照信号成分のみを通過させ、反射成分分離マスクが発生する期間には反射信号成分のみを通過させる。参照成分分離マスクおよび反射成分分離マスクを発生させるタイミングについては後述する。
【0034】
マスク発生回路24の出力はカウンタ25に入力される。カウンタ25は時計機能を有しており、マスク発生回路24において参照成分分離マスクが選択が選択されている期間においてマスク発生回路24から出力が最初に発生してからカウンタ25がカウントアップするまでの時間と、反射成分分離マスクが選択されている期間においてマスク発生回路24から出力が最初に発生してからカウンタ25がカウントアップするまでの時間とがそれぞれ計時される。カウンタ25のカウントアップの値はあらかじめ設定されており、たとえば「10000」などの値に設定されている。また、時計機能のクロック信号は水晶振動子Xを用いて発生させている。ここで、マスク発生回路24において参照成分分離マスクと反射成分分離マスクとのどちらを選択するかはカウンタ25によって制御されており、物体1までの距離の測定開始時には反射成分分離マスクが選択される。反射成分分離マスクが選択されている期間には反射信号成分がカウンタ25に入力され、反射信号成分の個数がカウントアップの値に達すると、カウンタ25からマスク発生回路24に対して参照成分分離マスクを選択するように指示がなされる。
【0035】
カウンタ25において計時された2つの時間は演算装置26に与えられ、演算装置26では反射成分分離マスクが選択されている期間に計時された時間から参照成分分離マスクが選択されている期間に計時された時間を減算し、減算結果をカウンタ25のカウントアップの値から1を引いた値で除算する。この値は、ビームスプリッタ12から物体波が物体1に到達した後、物体1から反射波がフォトダイオード21に入射するまでの時間になる。ビームスプリッタ12とフォトダイオード21との位置関係は既知であるから、この位置関係に相当する補正を上記時間に施せば物体1までの距離の2倍に対応した時間を求めることができる。この時間の2分の1に光速を乗じることによって、物体1の距離が求められる。このようにして求められた距離が演算結果として出力され、図示しない表示器などに表示される。
【0036】
演算装置26では物体1までの距離の計測開始時には計測開始を指示し、カウンタ25が2回カウントアップすると計測終了を指示する。計測ゲート27では演算装置26により計測開始を指示されてから計測終了を指示されるまでの期間を計測ゲート期間としており、計測ゲート期間には半導体レーザ11からのレーザ光の発生が可能になる。ここに、半導体レーザ11はレーザ駆動回路13により発光が制御され、また半導体レーザ11への供給電力のピーク値はAPC(自動出力制御)回路14によってほぼ一定になるように制御される。レーザ駆動回路13は上述のようにパルス状の駆動信号を半導体レーザ11に与えており、半導体レーザ11から出力されるレーザ光の立ち上がりは図2(a)のように急峻になっている。つまり、レーザ光の立ち上がり時間trは短いから、フォトダイオード21から出力される信号成分もレーザ光の立ち上がり部分に対応した急峻な立ち上がりになり、信号成分の立ち上がり部分を基準とすることによって、参照波や反射波の受波のタイミングを明確にすることができる。このことによって、再現性よくかつ正確に時間を計測することができ、ひいては距離を精度よく測定できることになる。また、駆動信号のパルス幅を短くして半導体レーザ11への注入電流を単パルスとすれば、図2(b)のように狭い半値幅tw(=0.2〜0.5nsec)を有したレーザ光を発生させることができる。このような、時間幅の短いパルス状のレーザ光を発生させることで、時間を計時するタイミングを一層明確にすることができる。
【0037】
ところで、マスク発生回路24から出力される参照信号成分または反射信号成分は遅延回路15にも入力され、遅延回路15において規定の遅延時間だけ遅延された後にAPC回路14に入力される。APC回路14では計測ゲート期間において遅延回路15の出力が立ち上がると、これをトリガとしてレーザ駆動回路13に指示を与えて半導体レーザ11を短時間だけ発光させる。つまり、半導体レーザ11からパルス状のレーザ光が発生し、このレーザ光に対応する参照波または反射波がフォトダイオード21により受波されると、参照信号成分または反射信号成分が抽出されて遅延回路15によって遅延され、遅延された参照信号成分または反射信号成分をトリガとしてレーザ光が再び投光されるのである。このようにレーザ光の投受光に循環経路を形成しているから、フォトダイオード21で参照波または反射波を受波した後に半導体レーザ11からレーザ光が出射されるまでの時間は一定になる。いま、この時間をτaとし、半導体レーザ11から出射されたレーザ光が物体1で反射され反射波としてフォトダイオード21に入射するまでの時間をτb、半導体レーザ11から出射されたレーザ光がフォトダイオード21に参照波として入射するまでの時間をτcとし、カウンタ25のカウントアップの値をNとする。マスク発生回路24で反射成分分離マスクが選択されている期間においてカウンタ25で計時される時間は(N−1)×(τa+τb)になり、参照成分分離マスクが選択されている期間においてカウンタ25で計時される時間は(N−1)×(τa+τc)になるから、演算装置26における演算結果は、{(N−1)×(τa+τb)−(N−1)×(τa+τc)}/(N−1)=τb−τcになる。つまり、物体波がビームスプリッタ12から物体1に到達し、反射波が物体1からフォトダイオード21に到達するまでの時間が求められることになる。
【0038】
上記構成において、ゲイン調整回路22およびAPC回路14を設けているのは、物体1の表面の反射率や物体1までの距離に応じて反射波の光量が異なるからであって、ゲイン調整回路22およびAPC回路14によって増幅回路23から出力される反射信号成分Srの振幅をほぼ一定に保つことによって増幅回路23、マスク発生回路24、遅延回路25、レーザ駆動回路15などのダイナミックレンジを比較的小さくすることができる。なお、物体1の反射率は、物体1の表面の色が白か黒かによって変化し、また物体1の表面が拡散反射面か正反射面かによっても変化する。
【0039】
以上説明した動作の手順をまとめると図3のようになる。つまり、物体1までの距離の測定を開始すると、半導体レーザ11からレーザ光が出射され、ビームスプリッタ12により参照波と物体波とに分岐される(S1)。物体波が物体1で反射された反射波および参照波はともにフォトダイオード21で受波される(S2)。測定開始時には反射成分分離マスクが選択されているから、フォトダイオード21の出力のうち反射波に対応する反射信号成分が抽出され(S3)、遅延回路15で反射信号成分を遅延させた信号をトリガとして半導体レーザ11を駆動する(S4)。このような処理を規定回数Nだけ繰り返し(S5)、反射信号成分が最初に抽出されてからN回抽出されるまでの時間T1(=τa+τb)が記憶される(S6)。さらに、N個目の反射信号成分に対応して半導体レーザ11からレーザ光が出射され、ビームスプリッタ12により参照波と物体波とに分岐される(S7)。この場合も物体波が物体1で反射された反射波および参照波はともにフォトダイオード21で受波される(S8)。ただし、N個目の反射信号成分が発生した後には参照成分分離マスクが選択されているから、フォトダイオード21の出力のうち参照波に対応する参照信号成分が抽出され(S9)、遅延回路15で参照信号成分を遅延させた信号をトリガとして半導体レーザ11を駆動する(S10)。この処理も規定回数Nだけ繰り返され(S11)、参照信号成分が最初に抽出されてからN回抽出されるまでの時間T2(=τa+τc)が記憶される(S12)。こうして、時間T1,T2が求められると、反射波に対応する時間T1から参照波に対応する時間T2が減算され、減算結果(=T1−T2)の(N−1)分の1をさらに2分の1にした時間(=(T1−T2)/2(N−1))に光速cを乗じることによって、物体1までの距離(=c×(T1−T2)/2(N−1))が求められるのである(S13)。
【0040】
一例として参照信号成分を抽出する場合の動作について図4に示す。図4(a)のように演算装置26に対して計測開始の指示が与えられると、図4(b)のようにレーザ駆動回路15から駆動信号が出力され、図4(c)のように半導体レーザ11からパルス状のレーザ光が出力される。このレーザ光によって生じる参照光と反射光とはともにフォトダイオード21に入射され、フォトダイオード21からは図4(d)のように参照信号成分Ssと反射信号成分Srとが順次出力される。反射波は参照波よりも長い光路を通っているから光量が参照波より少なく、結果的に参照信号成分Ssに比較して反射信号成分Srのほうが振幅が小さくなるが、ゲイン調整回路22によって時間T1における反射信号成分Srの振幅が時間T2における参照信号成分Ssの振幅とほぼ等しくなるように調節される。参照信号成分Ssと反射信号成分Srとは増幅回路23によって増幅され、増幅回路23からは図4(e)のように振幅がほぼ等しい参照信号成分Ssと反射信号成分Srとが出力される。ここで、マスク発生回路24において図4(f)のように参照成分分離マスクを選択していると、増幅回路23の出力のうち参照信号成分Ssのみが抽出されてカウンタ25および遅延回路15に入力される。遅延回路15に入力された参照信号成分Ssは規定の遅延時間τdだけ遅延されて遅延回路15からは図4(g)のタイミングで信号が出力され、この信号をトリガとして図4(b)のようにレーザ駆動回路15から駆動信号が出力されるのである。つまり、参照成分分離マスクが選択されているときには、半導体レーザ11から出射されたレーザ光がフォトダイオード21に参照波として入射するまでの時間τcに、フォトダイオード21で参照波を受波した後に半導体レーザ11からレーザ光が出射されるまでの時間τaを加算した時間が1周期T2になり、時間τaには遅延時間τdが含まれることになる。なお、参照成分分離マスクはレーザ光の送波後に増幅回路23から出力される参照信号成分Ssを抽出できる程度の時間幅に設定される。また、反射成分分離マスクはレーザ光の送波後に参照成分分離マスクに相当する時間が経過した後からレーザ光の次の送波前までの時間幅に設定される。
【0041】
上述の説明から明らかなように、遅延回路15による遅延時間は上記時間τaに含まれているから測定結果には影響しないが、半導体レーザ11からパルス状のレーザ光を発生させる間隔は、レーザ光の送波後に物体1により反射されて反射波がフォトダイオード21に受波されるまでの時間よりも長くなければならない。そこで、物体1までの測定可能な最大距離をLmとするとき(Lm/c)×2を許容最大時間と決め、レーザ光の発光間隔が許容最大時間より長くなるように遅延時間を設定する。ただし、cは光速である。いま、遅延回路15を除く回路での時間遅れを無視すれば、遅延回路15における遅延時間と半導体レーザ11を出射された光がフォトダイオード21に戻るまでの時間とを加算した時間間隔で半導体レーザ11からレーザ光が出射されることになる。したがって、この時間間隔を許容最大時間よりも長く設定するのである。この条件を除けば遅延時間は任意に設定可能であって、遅延時間を長く設定すれば回路の構成要素の応答速度を下げることができるから、比較的低価格の部品で構成することが可能になる。
【0042】
上述の動作から明らかなように、本実施形態の構成ではカウンタ25において時計に用いるクロック信号の周期には関係なく、カウンタ25のカウントアップの値に距離の測定精度が依存しており、カウントアップの値を大きくするほど距離の測定精度を高めることが可能になる。しかも、特開平3−264885号公報に記載された発明と同様に、光の投受光を多数回繰り返し、その結果の平均値を用いて物体1までの距離を算出するから、誤差を小さくすることができる。ただし、カウンタ25のカウントアップの値(つまり、繰り返し回数)が大きくなれば、物体1までの距離の測定に時間を要することになるから、測定時間と測定精度とはトレードオフになっており、目的に応じて測定時間を優先するか測定精度を優先するかをカウンタ25のカウントアップの値によって調節することができる。
【0043】
なお、上述の構成例として分岐手段に用いるビームスプリッタはハーフミラーで構成することが可能である。また、受波手段としてはフォトダイオード21ではなく光電子増倍管を用いることもできる。さらに、上述の実施形態では物体1までの距離を1回測定する間に反射成分分離マスクを用いる期間と参照成分分離マスクを用いる期間とを1回ずつ設けているが、反射成分分離マスクを用いる期間と参照成分分離マスクと用いる期間とをそれぞれ複数回(たとえば10回、50回)ずつ設けることもできる。つまり、レーザ光を複数回送波する間は反射成分分離マスクを選択し、次の複数回の送波の間は参照成分分離マスクを選択し、さらに次の複数回の送波の間は反射成分分離マスクを選択するというように、物体1までの距離を1回測定する間に反射成分分離マスクと参照成分分離マスクとを複数回ずつ選択するのである。このような構成でも同様の効果を得ることができる。
【0044】
(第2の実施の形態)
本実施形態は、図5に示すように、第1の実施の形態におけるビームスプリッタ21に代えてハーフミラー16を半導体レーザ11の前方に配置し、ハーフミラー16と物体1との間に配置したレンズ17での反射光をハーフミラー16で再度反射させることにより偏向し、この光をフォトダイオード21に参照波として入射させている。ここに、レンズ17の表面からの反射光が確実に得られるように、レンズ17の表面に半透過性を有する被膜を被着してもよい。また、第1の実施の形態では物体波を送波する経路とフォトダイオード21に反射波を入射させる経路とが異なっていたが、本実施形態では両経路を一致させている。つまり、物体波と反射波とがレンズ17の光軸を通るように、半導体レーザ11とハーフミラー16とレンズ17とフォトダイオード21との位置関係を設定している。その結果、反射波もハーフミラー16により偏向されてフォトダイオード21に入射することになる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様であって、本実施形態の構成では位置合わせが正確に行われているかぎり、物体1とレンズ17との間を光が往復する時間を補正なしに求めることができ、第1の実施の形態よりも調節箇所が少なくなる。
【0045】
(第3の実施の形態)
本実施形態は、図6に示すように、第1の実施の形態におけるビームスプリッタ21に代えて偏光ビームスプリッタ18を用い、さらに偏光ビームスプリッタ18と物体1との間に、4分の1波長板19およびレンズ17を配置している。また、第2の実施の形態と同様に、物体波と反射波とがレンズ17の光軸を通るように、半導体レーザ11と偏光ビームスプリッタ18とレンズ17とフォトダイオード21との位置関係を設定している。本実施形態の構成でも位置合わせが正確に行われているかぎり、物体1とレンズ17との間を光が往復する時間を補正なしに求めることができ、第1の実施の形態よりも調節箇所が少なくなる。
【0046】
偏光ビームスプリッタ18は一方向の偏光成分を透過させ、他方の偏光成分を反射させるから、半導体レーザ11からのレーザ光は透過させ、レンズ17により反射された光および物体1からの反射波は、反射して偏向することによりフォトダイオード21に入射させることになる。つまり、参照波および反射波の大部分をフォトダイオード21に導くことができ、ハーフミラーを用いる場合よりも感度が向上する。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0047】
(第4の実施の形態)
本実施形態は、図7に示すように、第1の実施の形態の構成におけるゲイン調整回路22に代えて、フォトダイオード21の出力をそれぞれ増幅する増幅率の異なる複数個の前置増幅回路221〜22nと、どの前置増幅回路221〜22nの出力を増幅回路23に入力するかを選択するセレクタ22aとを設けている。セレクタ22aは、マスク発生回路24の動作に同期して動作し、参照信号成分を増幅するときには増幅率が最小の前置増幅回路221を選択し、また反射信号成分を増幅するときには他の前置増幅回路222〜22nを選択する。反射信号成分を増幅するときには、セレクタ22aは前置増幅回路221〜22nの中から出力が飽和していない最大の増幅率のものを選択する。ここで、どの前置増幅回路221〜22nを選択するかを判断して選択するには時間がかかるから、前置増幅回路221〜22nからセレクタ22aへの入力は遅延されている。他の構成は第1の実施の形態と同様である。
【0048】
(第5の実施の形態)
本実施形態は、図8に示すように、フォトダイオード21の特性を補償する補償電源28を設けたものであって、補償電源28は周囲温度を検出するサーミスタ29により出力電圧が制御されている。つまり、フォトダイオード21に補償電源28からバイアス電圧を与えておき、サーミスタ29で検出される周囲温度に応じてバイアス電圧を調節することにより、フォトダイオード21の出力特性が周囲温度の影響を受けないようにしているのである。とくに、フォトダイオード21としてアバランシェフォトダイオード(以下、APDという)を用いる場合には、ブレークダウン電圧に温度依存性があり、かつ増倍率がブレークダウン電圧付近で急上昇するから、補償電源28による補償を行うことで、周囲温度の変化に伴うフォトダイオード21の出力特性の変化を抑制することが望ましい。このようにフォトダイオード21の出力特性の変化を抑制することによって、周囲温度の変化の影響を受けることなく安定に動作させることができ、距離の測定精度がより高くなる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0049】
なお、内部回路の遅延時間も周囲温度の影響を受けるから、周囲温度を測定しておき、演算装置26による距離の演算時に周囲温度を考慮した補正値を与えるようにすれば、距離の測定精度の向上につながる。
【0050】
(第6の実施の形態)
第1の実施の形態では、受波手段としてフォトダイオード21を用いているが本実施形態では図9のように光電子増倍管21’を用いている。光電子増倍管21’はAPDと同様に光の増倍作用があるから、微弱な光でも検出することができる。つまり、反射波が微弱でも比較的高いS/N比で検出することができる。ただし、光電子増倍管21’を駆動するために光電子増倍管電源21a’を必要としている。なお、光電子増倍管21’は光を受波してから出力が得られるまでに電子走行時間による時間遅れがあり(たとえば、5.4nsec)、この時間を遅延時間の一部(または全部)に利用することが可能である。つまり、遅延手段として光電子増倍管21’を用いることができる。また、本実施形態の構成においても遅延回路13を併用することができる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0051】
(第7の実施の形態)
本実施形態は、図10に示すように、反射波をフォトダイオード21に入射させる経路に光ファイバ31を介在させているものである。光ファイバ31を設けることによって、レーザ光の送波から反射波がフォトダイオード21に入射するまでの時間を延長することができる。つまり、光ファイバ31を用いるときと用いないときとで物体1までの距離が等しいとすれば、光ファイバ31を用いた場合には、参照波がフォトダイオード21に入射してから反射波が入射するまでの時間差を大きくすることができ、参照波と反射波とを分離しやすくなる。また、物体1までの距離が近い場合でも参照波と反射波との受波タイミングに時間差を付けることができるから、測定可能な最小距離をより小さくすることができる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0052】
(第8の実施の形態)
本実施形態は、図11に示すように、カウンタ25にクロック信号を計数する時機能を設ける代わりに積分回路32を付設し、カウンタ25がカウントを開始してからカウントアップするまでの時間に対応する積分値を積分回路32によって求めるようにしたものである。この積分回路32はコンデンサを微小電流で充電するように構成されており、充電電流は十分に安定化されている。したがって、コンデンサの両端電圧は時間に正確に対応しており、この電圧をA/D変換して演算装置26に与えることによって、物体1までの距離の演算が可能になっている。ここに、反射成分分離マスクが選択されているときにコンデンサの充電を行い、参照成分分離マスクが選択されているときにコンデンサの放電を行う構成を採用すれば(ただし、充電電流と放電電流とは等しくなるように管理しておく)、反射成分分離マスクが選択されている期間と参照成分分離マスクが選択されている期間との経過後におけるコンデンサの両端電圧をA/D変換するだけで、物体1までの距離に対応したデジタル値を演算装置26に与えることができる。したがって、演算装置26ではこのデジタル値を距離に換算する演算のみを行えばよいことになる。他の構成および動作は第1の実施の形態と同様である。
【0053】
(第9の実施の形態)
本実施形態は、図12に示すように、光ファイバ増幅器33を用いるものである。ここに、光ファイバ増幅器33には光ビームを出力するために起動用レーザ34を別途に設けている。また、マスク発生回路24’は光ファイバ増幅器33に内蔵された励起用レーザをオンオフさせ、励起用レーザのオン時にのみ光ファイバ増幅器33への入射光を選択的に増幅することによって実現している。つまり、光ファイバ増幅器33は参照波および反射波が入射するように配置され、参照波と反射波とのうちマスク発生回路24’としての励起用レーザのオン期間に入射した光のみが光電変換を施されることなく増幅されて光ファイバ増幅器33から出射される。また、光ファイバ増幅器33に設けたマスク発生回路24’により選択された光は、光ファイバ増幅器33の出力側に設けたモニタ用のフォトダイオード(図示せず)で検出され、カウンタ25に入力される。また、モニタ用のフォトダイオードの出力によりマスク発生回路24’(つまり、励起用レーザ)のオンオフのタイミングが設定される。光ファイバ増幅器33から出射された光はビームスプリッタ12により参照波と物体波とに分岐される。つまり、起動用レーザ34で最初に光を発生させた後は、光ファイバ増幅器33により送波と受波とを繰り返すことができる。この構成を採用すれば、受波した光を光電変換せずに増幅して投光することができるから効率がよく、また遅延が生じないから計測時間を短くすることができる。なお、起動用レーザは光ファイバ増幅器33とは別に、光ファイバ増幅器33の出口付近に設けてもよい。他の構成よび原理は第1の実施の形態と同様である。
【0054】
【発明の効果】
請求項1の発明の方法によれば、第1の期間では受波手段が反射波を規定回数受波する期間を計時し、第2の期間では受波手段が参照波を規定回数受波する期間を計時するから、第1の期間で求めた時間から第2の期間で求めた時間を減算して規定回数から1を引いた値で除算すれば、物体波が送波されてから反射波を受波するまでの期間を正確に求めることができ、規定回数を適宜の大きさに設定することによって計時時間を長くすれば、比較的低精度で計時しても距離を高精度に測定できるという利点がある。また、遅延時間を適宜に設定することによって電磁波を送波する周期を比較的長くすることができ、比較的低い周波数に対応した部品を用いることが可能になって、高周波用の部品を用いる場合に比較すると低価格で提供することが可能になる。しかも、1つの受波手段で参照波と反射波とを受波しており、受波手段から出力される信号成分から反射信号成分と参照信号成分とを抽出するから、反射信号成分および参照信号成分の分離を電気的に行うことができて、光路を切り換える場合のような機械的構成が不要であって、結果的に構成が簡単であり、故障の可能性を低減することができ、しかも高速に処理することが可能になる。
【0055】
請求項2の発明の方法によれば、第1の期間では受波手段が反射波を規定回数受波する期間を計時し、第2の期間では受波手段が参照波を規定回数受波する期間を計時しており、さらに第1の期間と第2の期間とを交互に設定回数繰り返すから、第1の期間で求めた時間の総和から第2の期間で求めた時間の総和を減算して規定回数と設定回数との積で除算すれば、物体波が送波されてから反射波を受波するまでの期間を正確に求めることができ、規定回数および設定回数を適宜の大きさに設定することによって計時時間を長くすれば、比較的低精度で計時しても距離を高精度に測定できるという利点がある。しかも、第2の期間は第1の期間で求める時間のうち物体までの距離を反映していない時間を求める期間であるからオフセット値を求めていることに相当し、距離の測定期間中にオフセット値を繰り返して求めることによって、より正確なオフセット値を求めることができて距離を正確に測定できることになる。また、遅延時間を適宜に設定することによって電磁波を送波する周期を比較的長くすることができ、比較的低い周波数に対応した部品を用いることが可能になって、高周波用の部品を用いる場合に比較すると低価格で提供することが可能になる。しかも、1つの受波手段で参照波と反射波とを受波しており、受波手段から出力される信号成分から反射信号成分と参照信号成分とを抽出するから、反射信号成分および参照信号成分の分離を電気的に行うことができて、光路を切り換える場合のような機械的構成が不要であって、結果的に構成が簡単であり、故障の可能性を低減することができ、しかも高速に処理することが可能になる。
【0056】
さらに、請求項1、請求項2の発明はいずれも参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定され、反射成分分離マスクを設定する期間が測定可能な最大距離に応じて可変とされているから、反射成分分離マスクの期間を変えることによって測定可能な最大距離を調節することが可能になる。
【0057】
請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明において、距離の測定精度に応じて前記規定回数を設定することを特徴とし、測定精度と測定時間とがトレードオフになっているから、前記規定回数を調節することで使用目的に応じて測定精度と測定時間とのいずれかを優先させることが可能になる。
【0058】
請求項4の発明の構成によれば、第1の期間では受波手段が反射波を規定回数受波する期間を計時し、第2の期間では受波手段が参照波を規定回数受波する期間を計時するから、第1の期間で求めた時間から第2の期間で求めた時間を減算して規定回数から1を引いた値で除算すれば、物体波が送波されてから反射波を受波するまでの期間を正確に求めることができ、規定回数を適宜の大きさに設定することによって計時時間を長くすれば、比較的低精度で計時しても距離を高精度に測定できるという利点がある。また、遅延時間を適宜に設定することによって電磁波を送波する周期を比較的長くすることができ、比較的低い周波数に対応した部品を用いることが可能になって、高周波用の部品を用いる場合に比較すると低価格で提供することが可能になる。しかも、1つの受波手段で参照波と反射波とを受波しており、受波手段から出力される信号成分から反射信号成分と参照信号成分とを抽出するから、反射信号成分および参照信号成分の分離を電気的に行うことができて、光路を切り換える場合のような機械的構成が不要であって、結果的に構成が簡単であり、故障の可能性を低減することができ、しかも高速に処理することが可能になる。さらに、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離するように参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定される信号分離手段を備え、信号分離手段では反射成分分離マスクを設定する期間が測定可能な最大距離に応じて可変とされているから、反射成分分離マスクの期間を変えることによって測定可能な最大距離を調節することが可能になる。
【0059】
請求項5の発明は、請求項4の発明において、反射信号成分と参照信号成分との振幅をほぼ等しくするゲイン調整回路と、受波手段により受波される反射波の強度をほぼ一定に保つように送波手段の出力強度を調節するAPC回路とを備えるものであり、反射信号成分と参照信号成分との振幅をほぼ等しくすることによって、後段にダイナミックレンジの小さい回路を用いることが可能になり、低コスト化が可能になる。また、受波手段により受波される反射波の強度をほぼ一定に保つように送波手段の出力強度を調節するから、物体までの距離や物体の反射率の影響による測定精度の低下を抑制することができる。つまり、送波される電磁波は一般には矩形波状とすることは難しく、時間経過とともに強度が増加する波形になるから、反射信号成分が適宜の閾値を超えた時点で反射波を受波したと判断するとすれば、反射波を受波したと判断するタイミングは反射波の強度に応じて変化することになるのであるが、上述のように、反射波の受波強度をほぼ一定に保つことによって、このようなタイミングのずれを抑制することができ、物体までの距離によって測定精度が変化するのを防止することができる。
【0060】
請求項6の発明は、請求項4の発明において、受波手段の出力を増幅するそれぞれ増幅率が異なった複数個の前置増幅回路と、これらの前置増幅回路から所望の前置増幅回路の出力を選択して信号分離手段に入力させるセレクタとを備え、セレクタは反射信号成分と参照信号成分との振幅をほぼ等しくする前置増幅回路の選択に用いられるものであり、複数の前置増幅回路から所望の増幅率を有する前置増幅回路を選択することによって、後段にダイナミックレンジの小さい回路を用いることが可能になるとともに、物体までの距離による測定精度の変化を抑制することが可能になる。
【0061】
請求項7の発明は、請求項4の発明において、周囲温度を検出する温度センサを備え、温度センサにより検出される周囲温度に応じて周囲温度の影響による測定誤差を補正するものであり、周囲温度の影響による測定誤差を抑制することができる。
【0062】
請求項8の発明は、請求項4の発明において、時計手段が一定周期で発生するクロック信号を計時するものであり、クロック信号を用いることによって高い精度で時間を測定することができる。
【0063】
請求項9の発明は、請求項4の発明において、時計手段がコンデンサを定電流で充電する積分回路であってコンデンサの両端電圧を時間に換算するものであり、コンデンサを充電するとともにコンデンサの両端電圧を時間に換算するから、比較的簡単な構成で時間を測定することができる。
【0064】
請求項10の発明は、請求項4の発明において、遅延手段が信号分離手段と送波手段との間に設けた遅延回路であるから、遅延時間を調節することによって電磁波の送波周期を容易に調節することができる。
【0065】
請求項11の発明は、請求項4の発明において、電磁波が光であって、受波手段として光電子増倍管を用い、遅延手段による遅延時間の少なくとも一部として光電子倍増管における受波から出力の発生までの遅れ時間を用いるものであり、光電子増倍管の内部で生じる遅れ時間を遅延時間の少なくとも一部として用いることにより、別途の遅延手段を設けずに構成することが可能であり、構成が簡単になる。
【0066】
請求項12の発明は、請求項4の発明において、電磁波が光であって、送波手段と物体との間にはレンズが配置され、分岐手段が送波手段とレンズとの間に配置され送波手段からの光を透過させレンズを通して物体波として物体に照射させるとともにレンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して受波手段に入射させるように構成され、レンズで反射された光が参照波として用いられるものであり、物体波と反射波とが同じ経路を通ることになり、しかもレンズで反射された光を参照波に用いるから、レンズと物体との間の光の往復時間に相当する時間を正確に求めることができる。しかも、物体波と反射波とが別経路を通る構成に比較すると光学要素が少なくなり調整が簡単になる。
【0067】
請求項13の発明は、請求項4の発明において、電磁波が光であって、送波手段と物体との間にはレンズが配置され、分岐手段が送波手段とレンズとの間に配置され送波手段からの光を透過させレンズを通して物体波として物体に照射させるとともにレンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して受波手段に入射させるように構成された偏光ビームスプリッタであって、偏光ビームスプリッタとレンズとの間には4分の1波長板が配置され、レンズで反射された光が参照波として用いられるものであり、物体波と反射波とが同じ経路を通ることになり、しかもレンズで反射された光を参照波に用いるから、レンズと物体との間の光の往復時間に相当する時間を正確に求めることができる。しかも、物体波と反射波とが別経路を通る構成に比較すると光学要素が少なくなり調整が簡単になる。さらに、偏光ビームスプリッタと4分の1波長板とを組み合わせて用いているから、送波手段から放射された光の特定の偏光成分が通過し、物体波および参照波はほとんど透過せずに偏向されて受波手段に入射するから、ハーフミラーを用いる場合よりも受波手段への入射量が大きくなり高い感度が得られる。
【0068】
請求項14の発明は、請求項4の発明において、送波手段が半導体レーザであって、受波手段から出力される信号成分の立ち上がりのタイミングを抽出して距離を演算するものであり、一般に半導体レーザの光出力の立ち上がりは急峻であって、この立ち上がりのタイミングを時間測定の基準に用いることで時間測定の基準が明確になり、再現性よく正確に距離を測定することが可能になる。
【0069】
請求項15の発明は、請求項4の発明において、送波手段が半導体レーザであって、時間幅の短いパルスにより駆動されるものであるから、レーザ光も短時間だけ送出され時間測定の基準が取りやすくなる。
【0070】
請求項16の発明は、請求項4の発明において、電磁波が光であって、受波手段と物体との間には反射波の光路を延長する光ファイバが設けられるものであり、反射波を遅延させることによって参照波と反射波との時間差を大きくすることができ、信号分離手段による参照信号成分と反射信号成分との分離が容易になる。
【0071】
請求項17の発明は、請求項4の発明において、電磁波が光であって、参照波および反射波が入射する受波手段としての光ファイバ増幅器を備え、光ファイバ増幅器に内蔵した起動用レーザのオンオフによって反射波と参照波とに分離し、光ファイバ増幅器により増幅した光を物体に向かって送波するものであり、受波した光を光電変換せずに送波に用いるから、効率が高くかつ受波から送波までの時間遅れが少なく、計測時間を短くすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示すブロック図である。
【図2】同上の動作説明図である。
【図3】同上の動作説明図である。
【図4】同上の動作説明図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すブロック図である。
【図6】本発明の第3の実施の形態を示すブロック図である。
【図7】本発明の第4の実施の形態を示すブロック図である。
【図8】本発明の第5の実施の形態を示すブロック図である。
【図9】本発明の第6の実施の形態を示すブロック図である。
【図10】本発明の第7の実施の形態を示すブロック図である。
【図11】本発明の第8の実施の形態を示すブロック図である。
【図12】本発明の第9の実施の形態を示すブロック図である。
【図13】従来例を示すブロック図である。
【図14】同上の動作説明図である。
【図15】同上の動作説明図である。
【図16】他の従来例を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 物体
11 半導体レーザ
12 ビームスプリッタ
13 レーザ駆動回路
14 APC回路
15 遅延回路
16 ハーフミラー
17 レンズ
18 偏光ビームスプリッタ
19 4分の1波長幅
21 フォトダイオード
21’ 光電子増倍管
22 ゲイン調整回路
221〜22n 前置増幅回路
22a セレクタ
24 マスク発生回路
25 カウンタ
26 演算装置
29 サーミスタ
31 光ファイバ
32 積分回路
Sr 反射信号成分
Ss 参照信号成分

Claims (17)

  1. パルス状の電磁波を送波するとともに送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐し、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを一つの受波手段により受波し、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離し、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する距離計測方法であり、反射信号成分を所定の遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返すとともに最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の期間と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返すとともに最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の期間とを設け、第1の期間で求めた積算値から第2の期間で求めた積算値を減算し、減算結果を前記規定回数から1を引いた値で除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定され、反射成分分離マスクを設定する期間は測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする距離計測方法。
  2. パルス状の電磁波を送波するとともに送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐し、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを一つの受波手段により受波し、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離し、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する距離計測方法であり、反射信号成分を所定の遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返すとともに最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の期間と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返すとともに最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の期間とを設け、第1の期間で求めた積算値から第2の期間で求めた積算値を減算し、第1の期間と第2の期間とを交互に設定回数繰り返して減算結果の総和を求めた後に、前記規定回数と前記設定回数との積で減算結果の総和を除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定され、反射成分分離マスクを設定する期間は測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする距離計測方法。
  3. 距離の測定精度に応じて前記規定回数を設定することを特徴とする請求項1または請求項2記載の距離計測方法。
  4. パルス状の電磁波を送波する送波手段と、送波された電磁波の一部が物体に照射される物体波となり残りが参照波となるように分岐する分岐手段と、物体波の前記物体による反射波と前記参照波とを受波する一つの受波手段と、受波手段より出力される信号成分を反射波に対応する反射信号成分と参照波に対応する参照信号成分とに分離するように参照信号成分を抽出する参照成分分離マスクと反射信号成分を抽出する反射成分分離マスクとが設定される信号分離手段と、電磁波の送波から反射波の受波までの時間を距離に換算して前記物体までの距離を計測する演算手段と、反射信号成分と参照信号成分とをそれぞれ規定個数までカウントするカウンタと、反射信号成分と参照信号成分とをそれぞれ同じ遅延時間だけ遅延させる遅延手段と、反射信号成分を前記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を規定回数繰り返す間に最初に反射信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第1の時計手段と、参照信号成分を上記遅延時間だけ遅延させたタイミングでパルス状の電磁波を送波する動作を前記規定回数繰り返す間に最初に参照信号成分を検出してから前記規定回数に達するまでに要した時間を積算する第2の時計手段とを備え、第1の時計手段で求めた積 算値から第2の時計手段で求めた積算値を減算し、減算結果を前記規定回数から1を引いた値で除算し、除算の結果を電磁波の送波から反射波の受波までの時間として用い、さらに信号分離手段では反射成分分離マスクを設定する期間が測定可能な最大距離に応じて可変とされていることを特徴とする距離計測装置。
  5. 前記反射信号成分と前記参照信号成分との振幅をほぼ等しくするゲイン調整回路と、前記受波手段により受波される反射波の強度をほぼ一定に保つように前記送波手段の出力強度を調節するAPC回路とを備えることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  6. 前記受波手段の出力を増幅するそれぞれ増幅率が異なった複数個の前置増幅回路と、これらの前置増幅回路から所望の前置増幅回路の出力を選択して信号分離手段に入力させるセレクタとを備え、前記セレクタは前記反射信号成分と前記参照信号成分との振幅をほぼ等しくする前置増幅回路の選択に用いられることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  7. 周囲温度を検出する温度センサを備え、温度センサにより検出される周囲温度に応じて周囲温度の影響による測定誤差を補正することを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  8. 前記時計手段は一定周期で発生するクロック信号を計時することを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  9. 前記時計手段はコンデンサを定電流で充電する積分回路であってコンデンサの両端電圧を時間に換算することを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  10. 前記遅延手段は前記信号分離手段と送波手段との間に設けた遅延回路であることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  11. 前記電磁波は光であって、前記受波手段として光電子増倍管を用い、前記遅延手段による遅延時間の少なくとも一部として光電子倍増管における受波から出力の発生までの遅れ時間を用いることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  12. 前記電磁波は光であって、前記送波手段と物体との間にはレンズが配置され、前記分岐手段は前記送波手段と前記レンズとの間に配置され前記送波手段からの光を透過させ前記レンズを通して物体波として物体に照射させるとともに前記レンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して前記受波手段に入射させるように構成され、レンズで反射された光が参照波として用いられることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  13. 前記電磁波は光であって、前記送波手段と物体との間にはレンズが配置され、前記分岐手段は前記送波手段と前記レンズとの間に配置され前記送波手段からの光を透過させ前記レンズを通して物体波として物体に照射させるとともに前記レンズで反射された光および物体からの反射波を偏向して前記受波手段に入射させるように構成された偏光ビームスプリッタであって、偏光ビームスプリッタと前記レンズとの間には4分の1波長板が配置され、レンズで反射された光が参照波として用いられることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  14. 前記送波手段は半導体レーザであって、受波手段から出力される信号成分の立ち上がりのタイミングを抽出して距離を演算することを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  15. 前記送波手段は半導体レーザであって、時間幅の短いパルスにより駆動されることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  16. 前記電磁波は光であって、前記受波手段と物体との間には反射波の光路を延長する光ファイバが設けられることを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
  17. 前記電磁波は光であって、参照波および反射波が入射する受波手段としての光ファイバ増幅器を備え、光ファイバ増幅器に内蔵した起動用レーザのオンオフによって反射波と参照波とに分離し、光ファイバ増幅器により増幅した光を物体に向かって送波することを特徴とする請求項4記載の距離計測装置。
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