JP5506497B2 - 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体 - Google Patents

電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体 Download PDF

Info

Publication number
JP5506497B2
JP5506497B2 JP2010077779A JP2010077779A JP5506497B2 JP 5506497 B2 JP5506497 B2 JP 5506497B2 JP 2010077779 A JP2010077779 A JP 2010077779A JP 2010077779 A JP2010077779 A JP 2010077779A JP 5506497 B2 JP5506497 B2 JP 5506497B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
copper foil
copper
printed wiring
etching
circuit
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2010077779A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2011210983A (ja
Inventor
美里 中願寺
秀樹 古澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JX Nippon Mining and Metals Corp
Original Assignee
JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JX Nippon Mining and Metals Corp filed Critical JX Nippon Mining and Metals Corp
Priority to JP2010077779A priority Critical patent/JP5506497B2/ja
Publication of JP2011210983A publication Critical patent/JP2011210983A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5506497B2 publication Critical patent/JP5506497B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Landscapes

  • Parts Printed On Printed Circuit Boards (AREA)
  • Manufacturing Of Printed Circuit Boards (AREA)

Description

本発明は、プリント配線板用の銅箔及びそれを用いた積層体に関し、特にフレキシブルプリント配線板用の銅箔及びそれを用いた積層体に関する。
プリント配線板はここ半世紀に亘って大きな進展を遂げ、今日ではほぼすべての電子機器に使用されるまでに至っている。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
プリント配線板は、銅箔に絶縁基板を接着、もしくは絶縁基板上にNi合金等を蒸着させた後に電気めっきで銅層を形成させて積層体とした後に、エッチングにより銅箔または銅層面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。そのため、プリント配線板用の銅箔または銅層には良好なエッチング性が要求される。
銅箔は、樹脂との非接着面に表面処理を施さないと、エッチング後の銅箔回路の銅部分が、銅箔の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりにエッチングされる(ダレを発生する)。通常は、回路側面の角度が小さい「ダレ」となり、特に大きな「ダレ」が発生した場合には、樹脂基板近傍で銅回路が短絡し、電送特性が悪い不良品となる場合もある。ここで、図3に、銅回路形成時に「ダレ」を生じて樹脂基板近傍で銅回路が短絡した例を示す回路表面の拡大写真を示す。
このような「ダレ」は極力小さくすることが電送特性の向上には必要であるが、このような末広がりのエッチング不良を防止するために、エッチング時間を延長して、エッチングをより多くして、この「ダレ」を減少させることも考えられる。しかし、この場合は、すでに所定の幅寸法に至っている箇所があると、そこがさらにエッチングされることになるので、その銅箔部分の回路幅がそれだけ狭くなり、回路設計上目的とする均一な線幅(回路幅)が得られず、特にその部分(細線化された部分)で発熱し、場合によっては断線するという問題が発生する。電子回路のファインパターン化がさらに進行する中で、現在もなお、このようなエッチング不良による問題がより強く現れ、回路形成上で、大きな問題となっている。
これらを改善する方法として、エッチング面側の銅箔に銅よりもエッチング速度が遅い金属又は合金層を形成した表面処理が特許文献1に開示されている。この場合の金属又は合金としては、Ni、Co及びこれらの合金である。回路設計に際しては、レジスト塗布側、すなわち銅箔の表面からエッチング液が浸透するので、レジスト直下にエッチング速度が遅い金属又は合金層があれば、その近傍の銅箔部分のエッチングが抑制され、他の銅箔部分のエッチングが進行するので、「ダレ」が減少し、より均一な幅の回路が形成できるという効果をもたらすという、従来技術と比較して急峻な回路形成が可能となり、大きな進歩があったと言える。
また、特許文献2では、厚さ1000〜10000ÅのCu薄膜を形成し、該Cu薄膜の上に厚さ10〜300Åの銅よりもエッチング速度が遅いNi薄膜を形成している。
特開2002−176242号公報 特開2000−269619号公報
近年、回路の微細化、高密度化がさらに進行し、より急峻に傾斜する側面を有する回路が求められている。しかしながら、特許文献1に記載される技術ではこれらには対応できない。
また、特許文献1に記載される表面処理層はソフトエッチングにより除去する必要があること、さらには樹脂との非接着面表面処理銅箔は、積層体に加工される工程で、樹脂の貼付け等の高温処理が施される。これは表面処理層の酸化を引き起こし、結果として銅箔のエッチング性は劣化する。
前者については、エッチング除去の時間をなるべく短縮し、きれいに除去するためには、表面処理層の厚さを極力薄くすることが必要であること、また後者の場合には、熱を受けるために、下地の銅層が酸化され(変色するので、通称「ヤケ」と言われている。)、レジストの塗布性(均一性、密着性)の不良やエッチング時の界面酸化物の過剰エッチングなどにより、パターンエッチングでのエッチング性、ショート、回路パターンの幅の制御性などの不良が発生するという問題があるので、改良が必要か又は他の材料に置換することが要求されている。
そこで、本発明は、回路パターン形成の際のエッチング性が良好でファインピッチ化に適し、電送特性が良好なプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体を提供することを課題とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、表面粗さが所定値以下に規定された銅箔の樹脂との非接着面側にPt、Au、Pdのいずれか1種以上で構成された被覆層を設けた場合には、回路側面の傾斜角が80°以上となるような回路を形勢できることを見出した。これにより、近年の回路の微細化、高密度化に十分対応する電送特性が良好な回路を形成することができる。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、少なくとも一方の表面粗さRaが0.1μm以下である銅箔基材と、銅箔基材の表面の少なくとも一部を被覆し、且つ、Pt、Au及びPdのいずれか1種以上で構成された被覆層とを備え、該被覆層上にレジストパターンを形成してエッチングする、プリント配線板用銅箔である。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の一実施形態においては、銅箔の表面粗さRaが0.07μm以下である。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の別の一実施形態においては、銅箔の表面粗さRaが0.03μm以下である。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、被覆層のAuが1000μg/dm2以下、Ptが1050μg/dm2以下、Pdが600μg/dm2以下の付着量で存在する。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、被覆層のAuが20〜400μg/dm2、Ptが20〜400μg/dm2、Pdが20〜250μg/dm2の付着量で存在する。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、被覆層のAuが50〜300μg/dm2、Ptが50〜300μg/dm2、Pdが30〜180μg/dm2の付着量で存在する。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅箔と樹脂基板との積層体である。
本発明は更に別の一側面において、銅層と樹脂基板との積層体であって、銅層の少なくとも一方の表面粗さRaが0.1μm以下であり、銅層の表面の少なくとも一部をAu、Pd、Ptのいずれか1種以上で被覆する本発明に係る被覆層を備えた積層体である。
本発明に係る積層体の一実施形態においては、銅箔又は銅層に回路が形成されており、回路表面の幅をW1(μm)、回路底面の幅をW2(μm)、銅箔又は銅層の厚みをb(μm)、回路のピッチ幅をX(μm)、エッチングファクターE.F.をb/{(W2−W1)/2}としたとき、W2/X≧0.2のときE.F.≧1.5であり、且つ、W1及びW2の標準偏差が0.8以下である。
本発明に係る積層体の別の一実施形態においては、W2/X≧0.2のときE.F.≧2.5である。
本発明に係る積層体の別の一実施形態においては、樹脂基板がポリイミド基板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る積層体を材料としたプリント配線板である。
本発明によれば、回路パターン形成の際のエッチング性が良好でファインピッチ化に適し、電送特性が良好なプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体を提供することができる。
回路パターンの一部の表面写真、当該部分における回路パターンの幅方向の横断面の模式図、及び、該模式図を用いたエッチングファクター(EF)の計算方法の概略である。 実施例29により形成された回路およびその断面を示す写真である。 銅回路形成時に「ダレ」を生じて樹脂基板近傍で銅回路が短絡した例を示す回路表面の拡大写真である。
(銅箔基材)
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はないが、典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で用いることができる。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできる銅箔基材の厚さについても特に制限はなく、プリント配線板用に適した厚さに適宜調節すればよい。例えば、5〜100μm程度とすることができる。但し、ファインパターン形成を目的とする場合には30μm以下、好ましくは20μm以下であり、典型的には5〜20μm程度である。
本発明に使用する銅箔基材は、少なくとも、銅箔基材の絶縁基板との接着面の反対側(回路形成予定面側)の表面において、表面粗さRaが0.1μm以下である。このため、ファインピッチや高周波電気特性が良好となる。また、表面粗さRaは好ましくは0.07μm以下であり、更に好ましくは0.03μm以下である。
(1)被覆層の構成
銅箔基材の上述の表面の少なくとも一部には、被覆層が形成されている。被覆層は、Pt、Au及びPdのいずれか1種以上で構成されている。
なお、銅箔基材の絶縁基板との接着面側には、絶縁基板との接着性向上のために、例えば銅箔基材表面から順に積層した中間層及び表層で構成された別の被覆層を形成してもよい。この場合、中間層は、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、V、Sn、Mn、Nb、Ta及びCrの少なくともいずれか1種を含むのが好ましい。中間層は、金属の単体で構成されていてもよく、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、Nb及びTaのいずれか1種で構成されるのが好ましい。中間層は、合金で構成されていてもよく、例えば、Ni、Zn、V、Sn、Mn、Cr及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成されるのが好ましい。
(2)被覆層の同定
被覆層の同定はXPS、若しくはAES等表面分析装置にて表層からアルゴンスパッタし、深さ方向の化学分析を行い、夫々の検出ピークの存在によって同定することができる。
(3)付着量
被覆層がAuで構成されている場合は、Auの付着量が1000μg/dm2以下であり、20〜400μg/dm2であるのがより好ましく、50〜300μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層がPdで構成されている場合は、Pdの付着量が600μg/dm2以下であり、20〜250μg/dm2であるのがより好ましく、30〜180μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層がPtで構成されている場合は、Ptの付着量が1050μg/dm2以下であり、20〜400μg/dm2であるのがより好ましく、50〜300μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層のAuの付着量が10μg/dm2未満、被覆層のPdの付着量が10μg/dm2未満、及び、被覆層のPtの付着量が10μg/dm2未満であると、それぞれ効果が十分でない。一方、被覆層のAuの付着量が1000μg/dm2、被覆層のPdの付着量が600μg/dm2、及び、被覆層のPtの付着量が1050μg/dm2を超えると、それぞれ初期エッチング性に悪影響を及ぼす。

(銅箔の製造方法)
本発明に係るプリント配線板用銅箔は、銅箔基材の表面処理により表面粗さRaを0.1μm以下とした後、スパッタリング法により形成することができる。すなわち、スパッタリング法によって銅箔基材の表面の少なくとも一部を、被覆層により被覆する。具体的には、スパッタリング法によって、銅箔のエッチング面側に銅よりもエッチングレートの低いPt、Au及びPdのいずれか1種以上からなる被覆層を形成する。被覆層は、スパッタリング法に限らず、例えば、電気めっき、無電解めっき等の湿式めっき法で形成してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
本発明に係る銅箔を用いてプリント配線板(PWB)を常法に従って製造することができる。以下に、プリント配線板の製造方法の例を示す。
まず、銅箔と絶縁基板とを貼り合わせて積層体を製造する。銅箔が積層される絶縁基板はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等を使用する事ができる。
貼り合わせの方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意する。銅箔を被覆層の反対側の面からプリプレグに重ねて加熱加圧させることにより行うことができる。
フレキシブルプリント配線板(FPC)用の場合、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムと銅箔とをエポキシ系やアクリル系の接着剤を使って接着することができる(3層構造)。また、接着剤を使用しない方法(2層構造)としては、ポリイミドの前駆体であるポリイミドワニス(ポリアミック酸ワニス)を銅箔に塗布し、加熱することでイミド化するキャスティング法や、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に銅箔を重ね合わせ、加熱加圧するラミネート法が挙げられる。キャスティング法においては、ポリイミドワニスを塗布する前に熱可塑性ポリイミド等のアンカーコート材を予め塗布しておくことも有効である。
本発明に係る積層体は各種のプリント配線板(PWB)に使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり、絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。また、本発明に係る積層体は、銅箔を樹脂に貼り付けてなる上述のような銅張積層板に限定されず、樹脂上にスパッタリング、めっきで銅層を形成したメタライジング材であってもよい。
上述のように作製した積層体の銅箔上に形成された被覆層表面にレジストを塗布し、マスクによりパターンを露光し、現像することによりレジストパターンを形成したものをエッチング液に浸漬する。このとき、エッチングを抑制するPt、Au及びPdのいずれか1種以上で構成された被覆層は、銅箔上のレジスト部分に近い位置にあり、レジスト側の銅箔のエッチングは、この被覆層近傍がエッチングされていく速度よりも速い速度で、被覆層から離れた部位の銅のエッチングが進行することにより、銅の回路パターンのエッチングがほぼ垂直に進行する。これにより銅の不必要部分を除去されて、次いでエッチングレジストを剥離・除去して回路パターンを露出することができる。
積層体に回路パターンを形成するために用いるエッチング液に対しては、被覆層のエッチング速度は、銅よりも十分に小さいためエッチングファクターを改善する効果を有する。エッチング液は、塩化第二銅水溶液、又は、塩化第二鉄水溶液等を用いることができる。また、銅箔基材と被覆層との間には、初期エッチング性に悪影響を及ぼさない限り、耐加熱変色性の観点から下地層を設けてもよい。下地層としては、ニッケル、ニッケル合金、コバルト、銀、マンガンが好ましい。下地層を設ける方法は、乾式法及び湿式法のいずれを用いても良い。
(プリント配線板の銅箔表面の回路形状)
上述のように被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路は、その長尺状の2つの側面が絶縁基板上に垂直に形成されるのではなく、通常、銅箔の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりに形成される(ダレの発生)。これにより、長尺状の2つの側面はそれぞれ絶縁基板表面に対して傾斜角θを有している。現在要求されている回路パターンの微細化(ファインピッチ化)のためには、回路のピッチをなるべく狭くすることが重要であるが、この傾斜角θが小さいと、それだけダレが大きくなり、回路のピッチが広くなってしまう。また、回路表面の幅W1(μm)および回路底面の幅W2(μm)は、通常、各回路及び回路内で完全に一定ではない。このようなW1及びW2のばらつきが大きいと、回路の品質に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路は、長尺状の2つの側面がそれぞれ絶縁基板表面に対して65〜90°の傾斜角θを有するのが望ましい。また、銅箔又は銅層の厚みをb(μm)、回路のピッチ幅をX(μm)、エッチングファクターE.F.をb/{(W2−W1)/2}としたとき、W2/X≧0.2のときE.F.≧1.5且つ、W1及びW2の標準偏差が0.8以下であるのが望ましく、さらにW2/X≧0.2のときE.F.≧2.5であるのが望ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
(例1:実施例1〜32)
(銅箔への被覆層の形成)
実施例1〜32の銅箔基材として、表1に記載の厚さ及び表面粗さの各種銅箔又は銅層(圧延銅箔については日鉱金属製C1100、メタライジングCCLについては、日鉱金属製マキナス〔銅層側Ra0.01μm、タイコート層の金属付着量Ni1780μg/dm2、Cr360μg/dm2〕)を用意した。
銅箔の表面に付着している薄い酸化膜を逆スパッタにより取り除き、Au、Pt、Pdのターゲットを以下の装置及び条件でスパッタリングすることにより、被覆層を形成した。被覆層の厚さは成膜時間を調整することにより変化させた。スパッタリングに使用した各種金属の単体は純度が3Nのものを用いた。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・逆スパッタ電力:100W
・スパッタリング電力:50W
・ターゲット:エッチング面用
Au−50wt%Pd、Pt−50wt%Pd
Au−50wt%Pt
Au、Pt、Pd、Ni、Zn、Co、Cr、Ag、Mn(3N)
Ni−20wt%Cr、Ni−7wt%V、Ni−20wt%Mn
Ni−20wt%Zn、Ni−20wt%Sn
・ターゲット:接着面用
Ni、Cr(3N)
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約0.2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。
被覆層を設けた銅箔に対して、被覆層と反対側の表面にあらかじめ付着している薄い酸化被膜を逆スパッタリングによって取り除き、Ni層及びCr層を順に成膜した。
上記手順で表面処理が施された銅箔に、接着剤付ポリイミドフィルム(ニッカン工業製、CISV1215)を7kgf/cm2の圧力、160℃で40分間の加熱プレスで積層させた。一部の銅箔は、窒素雰囲気下で350℃で2時間保持した後に、上記手順でポリイミドフィルムと積層させた。
<付着量の測定>
被覆層のAu,Pd、Ptの付着量測定は、王水で表面処理銅箔サンプルを溶解させ、その溶解液を希釈し、原子吸光分析法で行った。Ni、Ni系合金の付着量測定としては、50mm×50mmの銅箔表面の被膜をHNO3(2重量%)とHCl(5重量%)を混合した溶液に溶解し、その溶液中の金属濃度をICP発光分光分析装置(エスアイアイ・ナノテクノロジー株式会社製、SFC−3100)にて定量し、単位面積当たりの金属量(μg/dm2)を算出した。
(エッチングによる回路形状)
銅箔のエッチング面をアセトンで脱脂し、硫酸(100g/L)に30秒浸漬させて、表面の汚れ及び酸化層を取り除いた。次に、スピンコーターを用いて液体レジスト(東京応化工業製、OFPR−800LB)をエッチング面に滴下し、乾燥させた。乾燥後のレジスト厚みは1μmとなるように調整した。その後、露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を以下の条件で実施した。
<エッチング条件>
・塩化第二鉄水溶液:(37wt%、ボーメ度:40°)
・液温:50°C
・スプレー圧:0.25MPa
(50μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=33μm/17μm
・仕上がり回路ボトム(回路底部)幅:25μm
・エッチング時間:10〜130秒
(30μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=25μm/5μm
・仕上がり回路ボトム(回路底部)幅:15μm
・エッチング時間:30〜200秒
・エッチング終点の確認:時間を変えてエッチングを数水準行い、光学顕微鏡で回路間に銅が残存しなくなるのを確認し、これをエッチング時間とした。
エッチング後、45℃のNaOH水溶液(100g/L)に1分間浸漬させてレジストを剥離した。
<エッチングファクターの測定条件>
エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(ダレが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、銅箔上面からの垂線と樹脂基板との交点からのダレの長さの距離をa(=(W2−W1)/2)とした場合において、このaと銅箔の厚さbとの比:b/aを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、ダレが小さくなることを意味する。図1に、回路パターンの一部の表面写真と、当該部分における回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略とを示す。このW1及びW2は、それぞれ回路上方からのSEM観察により測定し、エッチングファクター(EF=b/a)を算出した。このエッチングファクターを用いることにより、エッチング性の良否を簡単に判定できる。さらに、傾斜角θは上記手順で測定したa及び銅箔の厚さbを用いてアークタンジェントを計算することにより算出した。これらの測定範囲は回路長600μmで、12点のW1、W2、その標準偏差、及びエッチングファクター、傾斜角θの平均値を結果として採用した。
(例2:比較例33〜49)
比較例33〜49の銅箔基材として、表3に記載の厚さ及び表面粗さの各種銅箔又は銅層を準備し(圧延銅箔については日鉱金属製C1100、電解銅箔については日鉱金属製JTC箔、メタライジングCCLについては、日鉱金属製マキナス〔銅層側Ra0.01μm、タイコート層の金属付着量Ni1780μg/dm2、Cr360μg/dm2〕)、それぞれ例1の手順で表面処理を施し、エッチング処理を行った。
例1〜2の各測定結果を表1〜4に示す。
<評価>
(実施例1〜32)
実施例1〜32では、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもなく、矩形方に近い断面の回路を形成することができた。
図2に、実施例29により形成された回路の写真およびその断面写真を示す。
(比較例33〜49)
比較例33及び46は、表面にPt、Pd、Auが付着しておらず、エッチングファクターが小さくなった。
比較例34〜39では、Pt、Pd、Auの付着量が多く、直線性が不良となった。
比較例40〜49では、用いた銅箔の表面粗さRaが大きく、直線性が不良となった。

Claims (13)

  1. 少なくとも一方の表面粗さRaが0.1μm以下である銅箔基材と、該銅箔基材の該表面の少なくとも一部を被覆し、且つ、Pt、Au及びPdのいずれか1種以上で構成された被覆層とを備え、該被覆層上にレジストパターンを形成してエッチングする、プリント配線板用銅箔。
  2. 前記表面粗さRaが0.07μm以下である請求項1に記載のプリント配線板用銅箔。
  3. 前記表面粗さRaが0.03μm以下である請求項2に記載のプリント配線板用銅箔。
  4. 前記被覆層のAuが1000μg/dm2以下、Ptが1050μg/dm2以下、Pdが600μg/dm2以下の付着量で存在する請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
  5. 前記被覆層のAuが20〜400μg/dm2、Ptが20〜400μg/dm2、Pdが20〜250μg/dm2の付着量で存在する請求項4に記載のプリント配線板用銅箔。
  6. 前記被覆層のAuが50〜300μg/dm2、Ptが50〜300μg/dm2、Pdが30〜180μg/dm2の付着量で存在する請求項5に記載のプリント配線板用銅箔。
  7. プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である請求項1〜6のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
  8. 請求項1〜7のいずれかに記載の銅箔と樹脂基板との積層体。
  9. 銅層と樹脂基板との積層体であって、
    前記銅層の少なくとも一方の表面粗さRaが0.1μm以下であり、該表面の少なくとも一部をAu、Pt、Pdのいずれか1種以上で覆する請求項1〜7のいずれかに記載の被覆層を備えた積層体。
  10. 前記銅箔又は銅層に回路が形成されており、回路表面の幅をW1(μm)、回路底面の幅をW2(μm)、該銅箔又は銅層の厚みをb(μm)、回路のピッチ幅をX(μm)、エッチングファクターE.F.をb/{(W2−W1)/2}としたとき、W2/X≧0.2のときE.F.≧1.5であり、且つ、W1及びW2の標準偏差が0.8以下である請求項8又は9に記載の積層体。
  11. W2/X≧0.2のときE.F.≧2.5である請求項10に記載の積層体。
  12. 前記樹脂基板がポリイミド基板である請求項8〜11のいずれかに記載の積層体。
  13. 請求項8〜12のいずれかに記載の積層体を材料としたプリント配線板。
JP2010077779A 2010-03-30 2010-03-30 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体 Expired - Fee Related JP5506497B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010077779A JP5506497B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010077779A JP5506497B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2011210983A JP2011210983A (ja) 2011-10-20
JP5506497B2 true JP5506497B2 (ja) 2014-05-28

Family

ID=44941728

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010077779A Expired - Fee Related JP5506497B2 (ja) 2010-03-30 2010-03-30 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5506497B2 (ja)

Families Citing this family (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014049644A (ja) * 2012-08-31 2014-03-17 Toppan Forms Co Ltd アンテナ構造体、データ受送信体及び通信機器
CN114928950A (zh) * 2022-06-02 2022-08-19 烟台柳鑫新材料科技有限公司 一种铜箔载体的制作方法及铜箔载体

Family Cites Families (15)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS5819366B2 (ja) * 1975-11-27 1983-04-18 オイケコウギヨウ カブシキガイシヤ キンゾクハクノセイゾウホウ
CA2070047A1 (en) * 1991-06-28 1992-12-29 Richard J. Sadey Metal foil with improved peel strength and method for making said foil
JPH07314603A (ja) * 1993-12-28 1995-12-05 Nippon Denkai Kk 銅張積層体、多層プリント回路板及びそれらの処理方法
JPH08309918A (ja) * 1995-05-22 1996-11-26 Nippon Denkai Kk 銅張積層板とそれを用いたプリント回路板およびこれらの製法
JPH0974273A (ja) * 1995-06-27 1997-03-18 Nippon Denkai Kk プリント回路用銅張積層板とその接着剤
JP2002105699A (ja) * 2000-10-02 2002-04-10 Nikko Materials Co Ltd 銅張り積層板用電解銅箔及びその製造方法
JP2002164390A (ja) * 2000-11-28 2002-06-07 Hitachi Cable Ltd テープキャリア及びその製造方法
JP2002359452A (ja) * 2001-03-29 2002-12-13 Sumitomo Bakelite Co Ltd フレキシブル回路プリント配線板の製造方法
JP2003127276A (ja) * 2001-10-24 2003-05-08 Mitsui Chemicals Inc ポリイミド金属箔積層板及びその製造方法
JP2004019002A (ja) * 2002-06-18 2004-01-22 Karentekku:Kk 回路エッチング装置
JP2004175839A (ja) * 2002-11-25 2004-06-24 Toppan Printing Co Ltd 金属材料のエッチング液及びエッチング方法
TWI251536B (en) * 2003-03-20 2006-03-21 Hitachi Chemical Co Ltd Material for multilayer printed circuit board with built-in capacitor, substrate for multilayer printed circuit board, multilayer printed circuit board and methods for producing those
JP2005101398A (ja) * 2003-09-26 2005-04-14 Mitsui Mining & Smelting Co Ltd 銀系被覆層付銅箔及びその銀系被覆層付銅箔を用いた銅張積層板
JP4127231B2 (ja) * 2004-03-29 2008-07-30 日立電線株式会社 半導体装置用テープキャリアの製造方法およびそのエッチング処理装置
JP2007136677A (ja) * 2005-11-14 2007-06-07 Toyobo Co Ltd 金属被覆ポリイミドフィルム

Also Published As

Publication number Publication date
JP2011210983A (ja) 2011-10-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5346054B2 (ja) プリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層板
JP5702942B2 (ja) エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP5506497B2 (ja) 電送特性の優れた回路を形成するプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP5156784B2 (ja) プリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP5232823B2 (ja) エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP2011253855A (ja) プリント配線板用銅箔又は銅層と絶縁基板との積層体、プリント配線板、及び、回路基板の形成方法
JP5542715B2 (ja) プリント配線板用銅箔、積層体及びプリント配線板
JP5650023B2 (ja) プリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層板
JP5406099B2 (ja) エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体
WO2013027444A1 (ja) プリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP2012146933A (ja) プリント配線板用回路基板の形成方法
JP5524671B2 (ja) エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体
JP2011253856A (ja) プリント配線板用回路基板の形成方法
JP5808114B2 (ja) プリント配線板用銅箔、積層体及びプリント配線板
JP5079883B2 (ja) 耐加熱変色及びエッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層体
JP2013028823A (ja) 積層体及びこれを用いたプリント配線板
JP5746876B2 (ja) 電子回路の形成方法
JP2011207092A (ja) エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔又は銅層と絶縁基板との積層体
JP2011210986A (ja) 耐加熱変色性及びエッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体
JP2011210984A (ja) 耐加熱変色性及びエッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体
JP2011253854A (ja) プリント配線板用回路基板の形成方法
JP2011210998A (ja) 耐加熱変色性及びエッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体
JP2012033628A (ja) プリント配線板用回路基板の形成方法
WO2013047847A1 (ja) プリント配線板用銅箔及びそれを用いた積層板
JP2011253851A (ja) プリント配線板用回路基板の形成方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20120928

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20130709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20130813

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20131015

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140218

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140318

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5506497

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

S533 Written request for registration of change of name

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313533

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees