JP2014049644A - アンテナ構造体、データ受送信体及び通信機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基材2と、前記基材上に設けられた導電層4と、を備えたアンテナ構造体1であって、前記導電層4は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材2と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JISK5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体1;かかるアンテナ構造体1を用いたことを特徴とするデータ受送信体及び通信機器。
【選択図】図1
Description
本発明は、基材と、前記基材上に設けられた導電層と、を備えたアンテナ構造体であって、前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体を提供する。
本発明のアンテナ構造体は、前記受容層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであることが好ましい。
また、本発明は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とする通信機器を提供する。
本発明のアンテナ構造体は、基材と、前記基材上に設けられた導電層(アンテナ)と、を備えたアンテナ構造体であって、前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とする。
かかるアンテナ構造体は、導電層の基材との密着性が高いことにより、構造の安定性に優れ、また、導電性が高く、特に高周波用途において、信号の伝送損失が低減されるので、アンテナ性能にも優れる。
ここに示すアンテナ構造体1は、基材2上に受容層3を介して導電層4を備える。すなわち、アンテナ構造体1は、基材2上に受容層3及び導電層4がこの順に積層されたものである。
基材2は、公知のものでよく、特に限定されないが、絶縁性を有するものが好ましい。
基材2の好ましい材質としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、グリコール変性ポリエチレンテレフタレート(PET−G)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)等のポリエステル樹脂;ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)等のポリオレフィン樹脂;ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等のポリフッ化エチレン系樹脂;ナイロン6、ナイロン6,6等のポリアミド樹脂;ポリ塩化ビニル(PVC)、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアルコール、ビニロン等のビニル重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸エチル、ポリアクリル酸エチル、ポリアクリル酸ブチル等のポリ(メタ)アクリル樹脂;ポリスチレン;ポリカーボネート(PC);ポリアリレート;ポリイミド;ガラスエポキシ樹脂;上質紙、薄葉紙、グラシン紙、硫酸紙等の紙類が例示できる。
なお、基材2が複数層からなる場合には、各層の合計の厚さが、上記の好ましい基材2の厚さとなるようにするとよい。
導電層4は、導電性を有していればよく、各種金属を導電性材料とするものが好ましく、銀(金属銀、Ag)を導電性材料とするもの(以下、「銀層」と略記することがある)がより好ましい。
Yはそれぞれ独立にフッ素原子、塩素原子、臭素原子又は水素原子であり;R1は炭素数1〜19の脂肪族炭化水素基又はフェニル基であり;R2は炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり;R3は炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり;R4及びR5はそれぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基であり;
Xはそれぞれ独立に水素原子、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基、ハロゲン原子、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはベンジル基、シアノ基、N−フタロイル−3−アミノプロピル基、2−エトキシビニル基、又は一般式「R6O−」、「R6S−」、「R6−C(=O)−」若しくは「R6−C(=O)−O−」で表される基であり;
R6は、炭素数1〜10の脂肪族炭化水素基、チエニル基、又は1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよいフェニル基若しくはジフェニル基である。)
β−ケトカルボン酸銀(1)は、前記一般式(1)で表される。
式中、Rは1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよい炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基若しくはフェニル基、水酸基、アミノ基、又は一般式「R1−CY2−」、「CY3−」、「R1−CHY−」、「R2O−」、「R5R4N−」若しくは「(R3O)2CY−」で表される基である。
Rにおける環状の前記アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
Rにおける前記アルキニル基としては、エチニル基(−C≡CH)、プロパルギル基(−CH2−C≡CH)等の、Rにおける前記アルキル基の炭素原子間の1個の単結合(C−C)が三重結合(C≡C)に置換された基が例示できる。
置換基である前記脂肪族炭化水素基としては、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR2は、炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基であり、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR3は、炭素数1〜16の脂肪族炭化水素基であり、炭素数が1〜16である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
RにおけるR4及びR5は、それぞれ独立に炭素数1〜18の脂肪族炭化水素基である。すなわち、R4及びR5は、互いに同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜18である点以外は、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおける炭素数1〜20の脂肪族炭化水素基としては、Rにおける前記脂肪族炭化水素基と同様のものが例示できる。
Xにおけるフェニル基及びベンジル基は、1個以上の水素原子が置換基で置換されていてもよく、好ましい前記置換基としては、ハロゲン原子(フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、ニトロ基(−NO2)等が例示でき、置換基の数及び位置は特に限定されない。そして、置換基の数が複数である場合、これら複数個の置換基は互いに同一でも異なっていてもよい。
R6がチエニル基又はジフェニル基である場合、これらの、Xにおいて隣接する基又は原子(酸素原子、硫黄原子、カルボニル基、カルボニルオキシ基)との結合位置は、特に限定されない。例えば、チエニル基は、2−チエニル基及び3−チエニル基のいずれでもよい。
アンテナ構造体1は、基材2と導電層4との間に、さらに受容層3を備える。受容層3は必ずしも備えていなくてもよいが、これを備えることで、基材2及び導電層4の密着性がより向上する。
化合物(3)は、前記一般式(3)で表される。
式中、R11は炭素数1〜5のアルキル基、アルコキシアルキル基又はアルキルカルボニル基である。
R11における前記アルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよい。
直鎖状又は分枝鎖状のアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基が例示できる。
環状のアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基が例示できる。
R11における前記アルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が1〜3であることが好ましい。
R11における前記アルコキシアルキル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メトキシメチル基又は2−メトキシエチル基であることがより好ましい。
R11における前記アルキルカルボニル基は、直鎖状又は分枝鎖状であることが好ましく、炭素数が3以下であることが好ましく、メチルカルボニル基(アセチル基)又はエチルカルボニル基であることがより好ましい。
R12における前記アルキル基としては、R11における前記アルキル基と同じのものが例示でき、R11と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
R12における前記アリール基は、単環状であることが好ましく、フェニル基であることがより好ましい。
R13における前記アルキレン基としては、炭素数1〜10のアルキル基から1個の水素原子を除いてなる2価の基が例示でき、かかるアルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、tert−ペンチル基、1−メチルブチル基、n−ヘキシル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、n−ヘプチル基、2−メチルヘキシル基、3−メチルヘキシル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2,4−ジメチルペンチル基、3,3−ジメチルペンチル基、3−エチルペンチル基、2,2,3−トリメチルブチル基、n−オクチル基、イソオクチル基、ノニル基、デシル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基、シクロオクチル基、シクロノニル基、シクロデシル基、ノルボルニル基、イソボルニル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、トリシクロデシル基が例示できる。
また、R14における前記アルキレン基は、メチレン基であるか、又はメチレン基が2〜5個連結して構成されるが、アルキレン基を構成するこれらメチレン基(−CH2−)のうちの1個以上は、カルボニル基(−C(=O)−)で置換されていてもよい。カルボニル基で置換されるメチレン基の数は、前記アルキレン基中のメチレン基の総数に依存し、特に限定されず、例えば、R14はカルボニル基のみで構成されていてもよいし、カルボニル基であってもよく、1個以上のアルキレン基と1個以上のカルボニル基とが混在したものでもよい。そして、通常は、R14中のカルボニル基の数は、2個以下であることが好ましく、1個であることがより好ましい。
Zにおける前記アリール基としては、R12における前記アリール基と同じものが例示でき、R12と互いに同一でもよいし、異なっていてもよい。
また、m2及びm3はそれぞれ独立に0又は1である。ただし、Zがアミノ基である場合には、m2及びm3の少なくとも一方は1である(m2及びm3が共に0になることはない)。
本発明のアンテナ構造体(アンテナ構造体1)は、例えば、前記受容層(受容層3)を備えたものである場合、前記基材(基材1)上に前記受容層(受容層3)を形成する工程(以下、「受容層形成工程」と略記することがある)と、前記受容層(受容層3)上に前記導電層(導電層4)を形成する工程(以下、「導電層形成工程」と略記することがある)と、を有する方法により、製造できる。受容層を備えていないアンテナ構造体は、受容層形成工程を省略して、同様に製造すればよい。
受容層形成工程においては、前記基材上に前記受容層を形成する。
前記受容層は、例えば、受容層を形成するための原料化合物が配合されてなる受容層形成用組成物を調製し、これを基材上に付着させて、加熱処理することで形成できる。受容層形成工程における前記原料化合物としては、化合物(3)が好ましい。
以下、化合物(3)を用いた場合を例に挙げて、本工程について説明するが、化合物(3)以外の原料化合物を用いた場合も、同様に行うことができる。
前記溶媒は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
受容層形成用組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
前記印刷法としては、スクリーン印刷法、オフセット印刷法、ディップ式印刷法、インクジェット式印刷法、ディスペンサー式印刷法等が例示できる。
前記塗布法としては、スピンコーター、エアーナイフコーター、カーテンコーター、ダイコーター、ブレードコーター、ロールコーター、ゲートロールコーター、バーコーター、ロッドコーター、グラビアコーター等の各種コーターや、ワイヤーバー等を用いる方法が例示できる。
受容層形成用組成物を付着させる前の、基材の加熱処理の条件は、基材の種類に応じて適宜調節すればよく、特に限定されないが、60〜200℃で10〜60分間加熱処理することが好ましく、導電層形成工程での、後述する銀インク組成物の加熱(焼成)処理の条件と同じでもよい。
次いで、導電層形成工程においては、前記受容層上に前記導電層を形成する。
前記導電層は、例えば、導電層を形成するための原料化合物が配合されてなる導電層形成用組成物を調製し、これを受容層(基材)上に付着させて、加熱処理することで形成できる。
前記導電層が銀層である場合、導電層形成工程における前記原料化合物としては、金属銀を生成する化合物が好ましく、β−ケトカルボン酸銀(1)がより好ましい。
導電層形成用組成物としては、液状のものが好ましく、前記原料化合物が均一に溶解又は分散されたものが好ましい。
以下、β−ケトカルボン酸銀(1)が配合されてなる銀インク組成物を用いて、導電層として銀層を形成する場合を例に挙げて、本工程について説明するが、β−ケトカルボン酸銀(1)以外の原料化合物を用いた場合も、同様に導電層を形成できる。
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアミン化合物及び/又はアンモニウム塩が配合されてなるものが好ましい。そして、前記アミン化合物及び/又はアンモニウム塩は、炭素数が2〜25であることが好ましい。
好ましい前記モノアルキルアミンとして、具体的には、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミン、n−オクタデシルアミン(ステアリルアミン)、シクロヘキシルアミンが例示でき、n−プロピルアミン、n−ヘキシルアミン、2−エチルヘキシルアミン、tert−ブチルアミンがより好ましい。
前記ヘテロアリール基は、単環状及び多環状のいずれでもよく、その環員数(環骨格を構成する原子の数)も特に限定されないが、3〜12員環であることが好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1個有する単環状のものとしては、フラニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1個有する単環状のものとしては、チエニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、オキサゾリル基、イソオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、モルホリニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する単環状のものとしては、チアゾリル基、チアジアゾリル基、チアゾリジニル基が例示でき、3〜8員環であることが好ましく、5〜6員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、窒素原子を1〜5個有する多環状のものとしては、インドリル基、イソインドリル基、インドリジニル基、ベンズイミダゾリル基、キノリル基、イソキノリル基、インダゾリル基、ベンゾトリアゾリル基、テトラゾロピリジル基、テトラゾロピリダジニル基、ジヒドロトリアゾロピリダジニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ジチアナフタレニル基、ベンゾチオフェニル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、酸素原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾオキサゾリル基、ベンゾオキサジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ヘテロアリール基で、硫黄原子を1〜2個及び窒素原子を1〜3個有する多環状のものとしては、ベンゾチアゾリル基、ベンゾチアジアゾリル基が例示でき、7〜12員環であることが好ましく、9〜10員環であることがより好ましい。
前記ジアミンは炭素数が1〜10であることが好ましく、より好ましいものとしてはエチレンジアミンが例示できる。
好ましい前記ジアルキルアミンとして、具体的には、N−メチル−n−ヘキシルアミンが例示できる。
好ましい前記トリアルキルアミンとして、具体的には、N,N−ジメチル−n−オクタデシルアミン、N,N−ジメチルシクロヘキシルアミンが例示できる。
前記ジアルキルモノアリールアミンを構成するアリール基は、前記モノアリールアミンを構成するアリール基と同様であり、炭素数が6〜10であることが好ましい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するアルキル基は、前記モノアルキルアミンを構成するアルキル基と同様であり、炭素数が1〜19であることが好ましい。また、ハロゲン化テトラアルキルアンモニウム一分子中の4個のアルキル基は、互いに同一でも異なっていてもよい。すなわち、4個のアルキル基は、すべてが同じでもよいし、すべてが異なっていてもよく、一部のみが異なっていてもよい。
前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムを構成するハロゲンとしては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が例示できる。
好ましい前記ハロゲン化テトラアルキルアンモニウムとして、具体的には、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、テトラドデシルアンモニウムブロミドが例示できる。
環状アミンであれば、好ましいものとして、ピリジンが例示できる。
前記銀インク組成物は、β−ケトカルボン酸銀(1)以外に、さらにアルコールが配合されてなるものでもよい。
前記アルコールは、下記一般式(2)で表されるアセチレンアルコール類(以下、「アセチレンアルコール(2)」と略記することがある)であることが好ましい。
R’及びR’’における炭素数1〜20のアルキル基は、直鎖状、分岐鎖状及び環状のいずれでもよく、環状である場合、単環状及び多環状のいずれでもよい。R’及びR’’における前記アルキル基としては、前記一般式(1)のRにおける前記アルキル基と同様のものが例示できる。
前記その他の成分は、目的に応じて任意に選択でき、特に限定されない。
銀インク組成物において、配合成分の総量に占める前記その他の成分の配合量の比率(配合比)は、10質量%以下であることが好ましく、5質量%以下であることがより好ましい。
前記その他の成分は、一種を単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。二種以上を併用する場合で、その組み合わせ及び比率は、任意に調節できる。
各成分の配合時には、すべての成分を添加してからこれらを混合してもよいし、一部の成分を順次添加しながら混合してもよく、すべての成分を順次添加しながら混合してもよい。
混合方法は特に限定されず、撹拌子又は撹拌翼等を回転させて混合する方法、ミキサーを使用して混合する方法、超音波を加えて混合する方法等、公知の方法から適宜選択すればよい。
本発明のデータ受送信体は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とし、かかるアンテナ構造体を用いたこと以外は、公知のデータ受送信体と同様の構成とすることができる。例えば、図1に示すアンテナ構造体1において、基材2又は受容層3上に、導電層4と電気的に接続されたICチップを設けてアンテナ部とすることにより、非接触型データ受送信体を構成できる。
また、本発明の通信機器は、上記本発明のアンテナ構造体を用いたことを特徴とし、アンテナ部として前記アンテナ構造体を用いたこと以外は、公知の通信機器と同様の構成とすることができる。例えば、前記アンテナ構造体に加え、音声入力部、音声出力部、操作スイッチ、表示部等を組み合わせることにより、携帯電話機を構成できる。
本発明のデータ受送信体及び通信機器は、従来よりもさらなる軽量化及び薄層化が容易なものである。
[実施例1]
(銀インク組成物の製造)
表1に示すように、2−メチルアセト酢酸銀、2−エチルヘキシルアミン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール(エアープロダクツジャパン社製「サーフィノール61」)を、配合成分の総量に占める配合量の比率(配合比)がそれぞれ24.7質量%、74.3質量%、1.0質量%となるように配合し、室温下(25℃)で60分間撹拌することにより、銀インク組成物を得た。銀インク組成物の粘度は14.2mPa・sであった。
表1に示すように、化合物(3)としてN−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン((CH3O)3Si(CH2)3NH(CH2)2NH2、信越シリコーン社製「KBM603」)、2−プロパノールを、配合成分の総量に占める配合量の比率(配合比)がそれぞれ5質量%、95質量%となるように配合し、室温下(25℃)で60分間撹拌することにより、受容層形成用組成物を得た。受容層形成用組成物の粘度は2〜3mPa・sであった。
次いで、ポリエチレンテレフタレート製の基材(厚さ100μm)上に、スピンコータを用いてこの受容層形成用組成物を塗布し、オーブンを用いて120℃で10分間加熱処理することにより、基材上に厚さ0.3μmの受容層を形成した。受容層の厚さは、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて測定し、その平均値(平均膜厚)を算出して、その値を厚さとして採用した。
次いで、インクジェット装置を用いて、この受容層上に上記で得られた銀インク組成物をパターニングして塗布し、オーブンを用いて120℃で60分間加熱処理することにより、受容層上に厚さ0.2μmの銀層を形成し、図1に示すアンテナ構造体を製造した。銀層の厚さは、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて測定し、その平均値(平均膜厚)を算出して、その値を厚さとして採用した。
得られたアンテナ構造体について、ハイブリッド顕微鏡(キーエンス社製「VN−8010」)を用いて、銀層の基材と対向する面の表面粗さRaを測定した結果、0.029μmであった。
また、電気抵抗測定装置(三菱化学社製「MCP−T610」)を用いて、銀層の表面抵抗値を測定し、この表面抵抗値に上記の銀層の厚さの値を乗じて、銀層の体積抵抗率を算出した結果、10mΩ・cmであった。
また、基材及び導電層について、JIS K 5600−5−6に準拠した密着性試験を行った結果、25/25 分類0を満たすことが確認された。
また、銀層について、JIS K 5600−5−6に準拠した硬度試験を行った結果、6B〜6Hの14段階に対して、鉛筆硬度>5Hを満たすことが確認された。
アンテナ構造体のこれら評価結果を表2に示す。
表1に示すように、化合物(3)として、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシランに代えて、N−2−(アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン((CH3O)2Si(CH3)(CH2)3NH(CH2)2NH2)を用いたこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。評価結果を表2に示す。
受容層を設けず、さらに導電層として、銀インク組成物を用いて銀層を形成するのに代えて、従来法に従って銅箔(厚さ18μm)を用いて銅層を形成したこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。銅層は、ウェットエッチングによりパターニングし、接着層を介して基材上に設けた。評価結果を表2に示す。
受容層を設けず、さらに導電層として、銀インク組成物を用いて銀層を形成するのに代えて、従来法に従ってアルミ箔(厚さ9μm)を用いてアルミニウム層を形成したこと以外は、実施例1と同様にアンテナ構造体を製造し、評価を行った。アルミニウム層は、ウェットエッチングによりパターニングし、接着層を介して基材上に設けた。評価結果を表2に示す。
また、実施例1のアンテナ構造体は、比較例1のアンテナ構造体と同様に、共振周波数f0が目的とする値になっており、アンテナ性能に優れることを確認できた。
Claims (5)
- 基材と、前記基材上に設けられた導電層と、を備えたアンテナ構造体であって、
前記導電層は、厚さが9μm未満で、且つ前記基材と対向する面の表面粗さが0.3μm未満であり、
JIS K 5600−5−6に準拠した、前記基材及び導電層の密着性試験において、25/25 分類0を満たすことを特徴とするアンテナ構造体。 - 前記基材及び導電層間に、さらに受容層を備え、
JIS K 5600−5−4に準拠した、前記導電層の硬度試験において、鉛筆硬度>5Hを満たすことを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。 - 前記受容層が、下記一般式(3)で表される化合物を用いて形成されたものであることを特徴とする請求項2に記載のアンテナ構造体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体を用いたことを特徴とするデータ受送信体。
- 請求項1〜3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体を用いたことを特徴とする通信機器。
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