JP2004175839A - 金属材料のエッチング液及びエッチング方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】塩化第2銅と、塩酸と、界面活性剤、酸化防止剤等の有機化合物とで構成されており、エッチング液中の有機化合物の拡散係数を0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲に調整することにより、この有機化合物を被加工物である金属材料のエッチング側面に優先吸着させ、水平方向のエッチングを抑制し、特に、開口幅が20μm以下のパターンエッチングでエッチングファクタ(EF)の大きいエッチング加工ができるようにしたエッチング液を用いて金属材料をエッチングする。
【選択図】なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明はプリント配線板、リードフレーム、TAB、BGA等の精密電子部品、シャドウマスク等の高精細ディスプレイ用部品のエッチング加工に用いられるエッチング液及びエッチング方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年電子部品の高密度実装化に伴い、プリント配線板、リードフレーム、TAB、BGA等精密電子部品のファインピッチ化が急速に進展しつつある。さらにディスプレイの高画素化に伴い、シャドウマスク等ディスプレイ用部品の高精細化が市場要求となっている。これらの部品はフォトエッチング法で製造されており、上述の理由によりエッチングに要求される加工寸法精度は年々高まり、近年においてはエッチングの限界加工ピッチなりつつある。ここでのフォトエッチング法とは、加工物である金属表面に耐腐食性の光感応性樹脂(フォトレジスト)を塗布し、所望のパターンのフォトマスクを介して露光し、現像した後に露出した金属表面部分をエッチング液にて腐食・加工する方法である。
【0003】
従来のエッチング液では材料深さ方向のみならず、材料水平方向にもエッチングが進行し(サイドエッチ)、金属材料の厚さよりも狭い加工幅の貫通孔を施すことは難しいとされ、上述のファインピッチ化に対応することが非常に困難となっている。
エッチング形状の善し悪しを見る目安としてエッチングファクタ(EF)で評価されることが多い。図1(a)〜(d)に、レジストパターン21aをマスクにして加工基材11をエッチング加工して、加工基材11に開口部31を形成するエッチング加工工程の一例を示す。
エッチングファクタ(EF)は、図1(c)に示すように、エッチング深度をd、サイドエッチ量をSとした場合d/Sで示され、エッチング深度が同じであれば、サイドエッチ量Sが小さいとエッチングファクタ(EF)は大きくなり、サイドエッチ量Sが大きいとエッチングファクタ(EF)は小さくなり、エッチングファクタ(EF)が大きい値を示すほどサイドエッチの小さい、加工精度に優れたエッチング加工法となる。
【0004】
このエッチングファクタ(EF)を増やす試みとして、両面エッチング、エッチング液及びエッチング方法等各種の方法が試みられているが、どうしてもある量のサイドエッチ量Sは覚悟しなければならず、加工精度に限界があった。
特にプリント配線板、リードフレーム、TAB、BGA等精密電子部品の製造において、従来技術では被加工物である金属材料の板厚を薄くして対応してきたが、配線パターンの断面積が小さくなり、電気伝導性の低下を招くことになる。さらに強度、信頼性低下の大きな要因となるため、板厚を薄くして対応する方法には限界がある。また、シャドウマスク製造においてはサイドエッチ量増加によるマスク強度の低下が問題となっている。
【0005】
従来から、エッチング抑制作用のある界面活性剤、酸化防止剤等の有機化合物を添加剤として加えることで、サイドエッチ方向のエッチングを阻害し、深さ方向のエッチングを優先的に進行させる試みは行われている(例えば、特許文献1及び特許文献2参照)。
従来のエッチング液及びエッチング方法では、必ずしも、充分なサイドエッチ抑制効果を発揮しているとは言えず、加工精度の更なるレベルアップが求められている。
【0006】
【特許文献1】
特開平6−57452号公報
【特許文献2】
特開平6−57453号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上記問題点に鑑み考案されたもので、サイドエッチを優先的に抑制する調整された有機化合物を添加剤として加えることで、良好なエッチファクターが得られるエッチング液及びエッチング方法を提供することを目的とする。
本発明によって高密度実装を可能にするファインピッチプリント基板、リードフレーム、TAB、BGAあるいは高精細シャドウマスクの製造に展開される技術を提供するものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明に於いて上記問題を解決するため、まず、請求項1においては、少なくとも塩化第2銅と、塩酸と、有機化合物とからなるエッチング液であって、前記エッチング液中の有機化合物の拡散係数が0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲にあることを特徴とするエッチング液としたものである。
【0009】
また、請求項2においては、少なくとも塩化第2鉄と、塩酸と、有機化合物とからなるエッチング液であって、前記エッチング液中の有機化合物の拡散係数が0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲にあることを特徴とするエッチング液としたものである。
【0010】
さらにまた、請求項3においては、請求項1または2に記載のエッチング液を用いて、各種金属材料をエッチングすることを特徴とするエッチング方法としたものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
請求項1に係る本発明のエッチング液は、塩化第2銅と、塩酸と、界面活性剤、酸化防止剤等の有機化合物とで構成されており、エッチング液中の有機化合物の拡散係数を0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲に調整することにより、この有機化合物を被加工物である金属材料のエッチング側面に優先吸着させ、水平方向のエッチングを抑制し、特に、開口幅が20μm以下のパターンエッチングでエッチングファクタ(EF)の大きいエッチング加工ができるようにしたもので、ここでは、被加工物である金属材料が銅及び銅合金の場合にその効果を発揮する。
【0012】
請求項2に係る本発明のエッチング液は、塩化第2鉄と、塩酸と、界面活性剤、酸化防止剤等の有機化合物とで構成されており、エッチング液中の有機化合物の拡散係数を0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲に調整することにより、この有機化合物を被加工物である金属材料のエッチング側面に優先吸着させ、水平方向のエッチングを抑制し、特に、開口幅が20μm以下のパターンエッチングでエッチングファクタ(EF)の大きいエッチング加工ができるようにしたもので、ここでは、被加工物である金属材料が鉄、鉄系合金、アルミキルド鋼、42合金及びインバー合金の場合にその効果を発揮する。
【0013】
レジストパターンの開口幅が20μm以下の微細孔をエッチングする場合のエッチング液の挙動はスプレーによる流動あるいは対流といった流動による物質移動は起こりにくく、ほぼ拡散支配であることが一般的に知られている。
本発明者らは、この現象に着目し、拡散現象とエッチファクターの関連性を鋭意検討している中で、エッチング液中の有機化合物がエッチング進行中の垂直側面に付着して、水平方向のエッチングを抑制する作用がエッチング液中の有機化合物の拡散係数と相関性のあることを突き止め、エッチング液中の有機化合物の拡散係数が0.1×10−5cm2/sec以上、1.0×10−5cm2/sec以下の範囲でエッチファクターが著しく向上することが判明した。
【0014】
エッチング液中における有機化合物の拡散係数の測定方法は隔膜法により測定した。隔膜法による拡散係数測定セルを図2に示す。セル1の中にセル2が挿入された2重構造のセルからなり、セル1とセル2の左右の間隔が同じになるように設置し、大気に開放する。セル1及びセル1とセル2間には有機化合物の既知濃度のエッチング液51及び52を等量加える。ここでセル1の初期濃度C1がセル2の初期濃度C2の濃度より大きくなるように調整する。拡散現象はセル間のグラスフィルター41を隔てて行われる。拡散係数Dは、セル1、セル2の初期濃度C1、C2(mol/cm3)及び拡散時間t(sec)、t=180分後のセル1、セル2の濃度C1’、C2’(mol/cm3)を測定することで以下の式により算出される。
D=(1/βt)×log(C2−C1)/(C2’−C1’)
ここで、βはセル定数で温度に依存しないことが知られており、本測定ではβ=0.0513のものを用いた。各セルの初期濃度は既知のものを調整し、拡散後の有機化合物濃度は液体クロマトグラフィーにより定量した。
塩化第2銅エッチング液中では比重1.20から1.45、液温40℃から60℃まで、塩化第2鉄中では比重1.30から1.57、液温40℃から80℃までの条件下で有機化合物の拡散係数を測定した。
【0015】
上記、請求項1及び請求項2に係るエッチング液は、エッチング液の温度、スプレー条件によって変化するため、その都度適切な分子量を有する有機化合物を添加剤として使用し、エッチング液の拡散係数を調整する。特に、エッチング液温度50℃、0.3Mpaの条件では拡散係数0.15〜0.90×10−5cm2/secのエッチング液を使用すると、サイドエッチ抑制効果が大きい。拡散係数が1.00×10−5cm2/sec以上のエッチング液ではエッチング速度が低下してしまい、現実的な速度でエッチング加工を施すことが不可能となるばかりではなく、エッチファクター向上が見られなかった。さらに、拡散係数が0.10×10−5cm2/sec以下のエッチング液ではエッチファクターの向上が確認されなかった。
【0016】
塩化第二銅の濃度であるが、比重によってエッチング速度、表面状態が異なるので所望の比重に調製したものを用いればよく、好ましくは1.20〜1.45の範囲を使用する。塩酸に対しても所望の濃度に調整すれば良く、好ましくは2〜12wt%の範囲で使用すれば良い。
【0017】
塩化第二鉄の濃度であるが、比重によってエッチング速度、表面状態が異なるので所望の比重に調製したものを用いればよく、好ましくは比重1.30〜1.57の範囲を使用する。塩酸に対しても所望の濃度に調整すれば良く、好ましくは0.2〜3wt%の範囲で使用すれば良い。
【0018】
有機化合物としては界面活性剤及び酸化防止剤が使用でき、エッチング液中の有機化合物の拡散係数は分子量で調整する。有機化合物のエッチング液中での濃度は0.005〜5wt%の範囲内で使用する。
【0019】
エッチング液の処方例としては、例えば、塩化第2銅のエッチング液の場合では、比重1.26の塩化第2銅溶液(27wt%)、塩酸8.6wt%の溶液にN,N’ビス(ポリオキシエチレン)アルキルアミン誘導体から選ばれる有機化合物の添加量及び分子量を調整し、0.1〜1.0×10−5cm2/secの範囲の所定値になるようにする。この場合ポリオキシエチレン部分の重合度は3、アルキル部分がラウリル基である上記誘導体で分子量は437.51となり、さらに添加量0.03wt%に調製することで、拡散係数が0.29×10−5cm2/secとなり所望のエッチング液を調整できる。
【0020】
例えば、塩化第2鉄のエッチング液の場合では、比重1.36の塩化第2鉄溶液(36wt%)、塩酸0.8wt%の溶液にポリエチレングリコールから選ばれる有機化合物の添加量及び分子量を調整し0.1〜1.0×10−5cm2/secの範囲の所定値になるようにする。この場合ポリオキシエチレン部分の重合度を約45にすることで分子量は1500となり、さらに添加量を0.07wt%に調製すると、拡散係数が0.16×10−5cm2/secとなり所望のエッチング液を調整できる。
【0021】
有機化合物としては、界面活性剤及び酸化防止剤が使用でき、界面活性剤としては非イオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤が、酸化防止剤としては含窒素化合物、含硫黄化合物、複素環状化合物が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレン、ポリプロピレンオキサイドおよびこれらモノあるいはジ−アルキルまたはアリールエーテル、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコールとそのモノあるいはジ−アルキルあるいはアリールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンポリスチリルフェニルエーテル、アルキルジエタノールアミド、N,N−ビス−2−ジヒドロキシアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、N,N−ビス(ポリオキシエチレン)アルキルアミン、トリアルキルアミンオキサイド、ポリオキシエチレンエチレンジアミン、N,N’−ビス(ポリオキシエチレン)エチレンジアミン、N,N,N’トリス(ポリオキシエチレン)エチレンジアミン、N,N,N’,N’−テトラ(ポリオキシエチレン)ジアミン、N−パーフルオロアルキルスルホニル−N’−ポリオキシエチレンアミン、水溶性高分子化合物としてポリビニルアルコール等を挙げることができ、所望の拡散係数のエッチング液を得るためには適切な分子量のものを選択してやれば良い。
【0022】
カチオン性界面活性剤としては、アルキルアミン塩、ジアルキルアミン塩、テトラアルキルアンモニウム塩、アルキルピリジニウム塩、2−アルキル−1−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリウム塩、N、N−ジアルキルモルホリニウム塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド−尿素縮合物の塩、ポリエチレンポリアミン脂肪酸アミド尿素縮合物の四級アンモニウム塩、[CnF2n+1SO2NHCH2CH2N(CH3)3]Iで示されるフッ素系界面活性剤等を挙げることができる。また、両性界面活性剤、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジメチル−N−パーフルオロアルキル−N−カルボキシアルキレンアンモニウムベタイン、N,N−ジアルキルアミノアルキレンカルボン酸塩、N,N,N−トリスアルキル−N−スルホアルキレンアンモニウムベタイン、N−アルキル−N,N−ビスポリオキシエチレン硫酸エステル塩、2−アルキル−1−ヒドロキシメチル−1−カルボキシメチルイミダゾリウム塩を挙げることができ、所望の拡散係数のエッチング液を得るためには適切な分子量のものを選択してやれば良い。
【0023】
アニオン性界面活性剤としては、脂肪族モノカルボン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、パーフルオロアルキル硫酸エステル塩、ヒドロキシアルカンスルホン酸塩、アルキルフェノキシエチレンプロピルスルホン酸塩、ポリオキシエチレンアルキル−スルホフェニルエーテル塩、N−メチル−N−オレイルタウリンナトリウム、N−アルキルスルホコハク酸モノアミド二ナトリウム塩、アルキル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシエチレンスチリルフェニルエーテル硫酸エステル塩、アルキル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸エステル塩、αオレフィン−マレイン酸重合体部分けん化物、スチレン−マレイン酸部分けん化物、ナフタレンスルホン酸塩−ホルマリン縮合物等を挙げるることができ、所望の拡散係数のエッチング液を得るためには適切な分子量のものを選択してやれば良い。
【0024】
酸化防止剤としては、含窒素化合物、含硫黄化合物、複素環状化合物が挙げられる。ここで使用される含窒素化合物の例としては1級、2級あるいは3級脂肪族あるいは芳香族アミン、モノ、ジおよびトリエチレンジアミンまたはポリエチレンジアミン等高分子アミン、ピペリジン、モルホリン等の脂肪族環状アミン、N1置換または2置換イミン化合物、ポリイミン化合物、アゾール類であれば2−アルキル−1−エチレンアミンイミダゾリン、2−アルキル−1−ヒドロキシエチルイミダゾリン等が挙げられ、所望の拡散係数のエッチング液を得るためには適切な分子量のものを選択してやれば良い。
【0025】
含硫黄有機化合物としては、ポリエチレンスルフィド、チオ尿素およびチオ尿素N置換体、フォルムアミジンジスルフィドおよびその塩酸塩、芳香族あるいは脂肪族チオール、脂肪族あるいは芳香族スルフィド、脂肪族あるいは芳香族ジスルフィド、脂肪族あるいは芳香族ポリスルフィド、含硫黄複素環化合物では2−メルカプトベンゾチアゾール、2−アミノベンゾチアゾールまたは2−ヒドロキシベンゾチアゾールとその誘導体、1又は4位に1ないし2個以上のヒドロキシル基、アミノ基、またはメルカプト基を有するフェノチアジン類を挙げることができ、所望の拡散係数のエッチング液を得るためには適切な分子量のものを選択してやれば良い。
【0026】
【実施例】
以下実施例により本発明を詳細に説明する。
<実施例1>
まず、300mm四方のガラスエポキシ基材に厚さ35μmの銅箔をラミネートした銅張積層板にポジ型フォトレジストを塗布して厚さ10μmの感光層を形成し、テストパターンの露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、銅箔上に配線ピッチ50μm、開口幅12μmのスリット形状のレジストパターンを形成した。
次に、比重1.26の塩化第二銅溶液(27wt%)、塩酸8.6wt%の溶液に表1に示す有機化合物A〜Gを所定量加え、表2に示す所定の拡散係数を有するエッチング液を作成した。
【0027】
【表1】
【0028】
次に、上記エッチング液を用いてスプレー式エッチング装置にて液温50℃、スプレー圧力0.3MPaのエッチング条件で、レジストパターンをマスクにして銅箔を深さ30μmまでエッチングした。
次に、レジストパターンを専用の剥離液で剥離処理して実施例1の銅張積層板エッチングサンプルを作製し、エッチング銅パターンの断面形状解析を走査型電子顕微鏡にて行い、エッチファクター(EF)の測定及び形状評価を行った。その結果を表2に示す。
【0029】
【表2】
【0030】
<比較例1>
まず、比重1.26の塩化第二銅溶液(27wt%)、塩酸8.6wt%の溶液で有機化合物を添加しないエッチング液を作製した。
次に、比重1.26の塩化第二銅溶液(27wt%)、塩酸8.6wt%の溶液に表1に示す分子量4400のポリエチレングリコールからなる有機化合物Hを0.01wt%添加し、拡散係数が0.08×10−5cm2/secのエッチング液を作製した。
次に、比重1.26の塩化第二銅溶液(27wt%)、塩酸8.6wt%の溶液に表1に示す分子量76.11のチオ尿素からなる有機化合物Iを0.01wt%添加し、拡散係数が1.12×10−5cm2/secのエッチング液を作製した。
【0031】
次に、実施例1と同様に、上記エッチング液を用いてスプレー式エッチング装置にて液温50℃、スプレー圧力0.3MPaのエッチング条件で、レジストパターンをマスクにして銅箔を30μmの深さまでエッチングした。
次に、レジストパターンを専用の剥離液で剥離処理して比較例1のエッチングサンプルを作製し、エッチング銅パターンの断面形状解析を走査型電子顕微鏡にて行い、エッチファクター(EF)の測定及び形状評価を行った。その結果を表3に示す。
【0032】
【表3】
【0033】
実施例1で得られたエッチングサンプルは比較例1と比べ高いエッチファクターを示し、走査型電子顕微鏡によるエッチング表面形状、外観等の仕上がりも非常に良好であった。
【0034】
<実施例2>
まず、300mm四方、厚さ0.2mmの42合金からなる金属板を脱脂・酸洗処理した後一方の面に保護シートを貼着し、他方の面にポジ型フォトレジストを塗布して厚さ10μmの感光層を形成し、テストパターンの露光、現像等の一連のパターニング処理を行って、金属板上に配線ピッチ50μm、開口幅12μmのスリット形状のレジストパターンを形成した。
次に、比重1.36の塩化第二鉄溶液(36wt%)、塩酸0.8wt%の溶液に表1に示す有機化合物A〜Gを所定量加え、表4に示す所定の拡散係数を有するエッチング液を作成した。
【0035】
次に、上記エッチング液を用いてスプレー式エッチング装置にて液温50℃、スプレー圧力0.3MPaのエッチング条件で、レジストパターンをマスクにして金属板を深さ30μmまでエッチングした。
次に、レジストパターンを専用の剥離液で剥離処理して実施例2の金属板エッチングサンプルを作製し、エッチングパターンの断面形状解析を走査型電子顕微鏡にて行い、エッチファクター(EF)の測定及び形状評価を行った。その結果を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】
<比較例2>
まず、比重1.36の塩化第二鉄溶液(36wt%)、塩酸0.8wt%の溶液で有機化合物を添加しないエッチング液を作製した。
次に、比重1.36の塩化第二鉄溶液(36wt%)、塩酸0.8wt%の溶液に表1に示す分子量4400のポリエチレングリコールからなる有機化合物Hを0.03wt%添加し、拡散係数が0.07×10−5cm2/secのエッチング液を作製した。
次に、比重1.36の塩化第二銅溶液(36wt%)、塩酸0.8wt%の溶液に表1に示す分子量76.11のチオ尿素からなる有機化合物Iを0.01wt%添加し、拡散係数が1.10×10−5cm2/secのエッチング液を作製した。
【0038】
次に、実施例2と同様に、上記エッチング液を用いてスプレー式エッチング装置にて液温50℃、スプレー圧力0.3MPaのエッチング条件で、レジストパターンをマスクにして金属板を30μmの深さまでエッチングした。
次に、レジストパターンを専用の剥離液で剥離処理して比較例2の金属板エッチングサンプルを作製し、エッチングパターンの断面形状解析を走査型電子顕微鏡にて行い、エッチファクター(EF)の測定及び形状評価を行った。その結果を表5に示す。
【0039】
【表5】
【0040】
実施例2で得られた金属板エッチングサンプルは比較例2と比べ高いエッチファクターを示し、走査型電子顕微鏡によるエッチング表面形状、外観等の仕上がりも非常に良好であった。
【0041】
【発明の効果】
上記したように、本発明のエッチング液を用いて銅張積層板及び金属板等の金属材料をエッチングするとエッチファクター及び形状再現性に優れたエッチングパターンを得ることができる。
従って本発明は、高密度実装を可能にするファインピッチプリント配線板、リードフレーム、TAB、BGA及び高精細シャドウマスク等の分野におい優れた実用上の効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)〜(d)は、加工基材のエッチング加工工程を示す説明図である。
【図2】拡散係数測定セルを示した説明図である。
【符号の説明】
11……加工基材
21、22……感光層
21a……レジストパターン
22a……保護層
31……開口部
41……グラスフィルター
51……セル1中のエッチング液
52……セル2中のエッチング液
w……レジストパターン開口幅
s……サイドエッチ
d……エッチング深さ
Claims (3)
- 少なくとも塩化第2銅と、塩酸と、有機化合物とからなるエッチング液であって、前記エッチング液中の有機化合物の拡散係数が0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲にあることを特徴とするエッチング液。
- 少なくとも塩化第2鉄と、塩酸と、有機化合物とからなるエッチング液であって、前記エッチング液中の有機化合物の拡散係数が0.1〜1.00×10−5cm2/secの範囲にあることを特徴とするエッチング液。
- 請求項1または2に記載のエッチング液を用いて、各種金属材料をエッチングすることを特徴とするエッチング方法。
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