JP5406099B2 - エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体 - Google Patents
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Description
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はないが、典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で用いることができる。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
銅箔基材の絶縁基板との接着面の反対側(回路形成予定面側)の表面の少なくとも一部には、被覆層が形成されている。被覆層は、白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上を含んでおり、好ましくは、白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上を含んでいる。また、銅箔基材と被覆層との間には、酸化層が形成されている。酸化層は、XPSで表面分析を行ったとき、酸素原子濃度が5%以上である領域をいう。
なお、銅箔基材の絶縁基板との接着面側には、絶縁基板との接着性向上のために、例えば銅箔基材表面から順に積層した中間層及び表層で構成された別の被覆層を形成してもよい。この場合、中間層は、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、V、Sn、Mn、Nb、Ta及びCrの少なくともいずれか1種を含むのが好ましい。中間層は、金属の単体で構成されていてもよく、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、Nb及びTaのいずれか1種で構成されるのが好ましい。中間層は、合金で構成されていてもよく、例えば、Ni、Zn、V、Sn、Mn、Cr及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成されるのが好ましい。
被覆層の同定はXPS、若しくはAES等表面分析装置にて表層からアルゴンスパッタし、深さ方向の化学分析を行い、夫々の検出ピークの存在によって同定することができる。
被覆層の貴金属原子濃度が高すぎると、初期エッチング性が悪くなり、本発明に係る良好なエッチング性を得ることが困難となる。また、本発明の効果である良好なエッチング性を得るためには、ある程度の貴金属原子濃度が必要となる。このため、本発明に係る被覆層は、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上の原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.9で、区間[1.0、4.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.6を満たす。
また、極微量の貴金属を銅箔の酸化層の上に直接形成させると酸化物が表面に一部露出し、これにより銅箔の表面処理面の初期エッチング性が良好となる。このため、本発明に係る銅箔は、h(x)≧5%の酸化層と銅箔基材との境界が表層から0.5〜10nmの範囲に存在する。
被覆層が白金で構成されている場合は、白金の付着量が1050μg/dm2以下であり、20〜400μg/dm2であるのがより好ましく、50〜300μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層がパラジウムで構成されている場合は、パラジウムの付着量が600μg/dm2以下であり、20〜250μg/dm2であるのがより好ましく、30〜180μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層が金で構成されている場合は、金の付着量が1000μg/dm2以下であり、20〜400μg/dm2であるのがより好ましく、50〜300μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層の白金の付着量が15μg/dm2未満、被覆層のパラジウムの付着量が10μg/dm2未満、及び、被覆層の金の付着量が10μg/dm2未満であると、それぞれ効果が十分でない。一方、被覆層の白金の付着量が1050μg/dm2、被覆層のパラジウムの付着量が600μg/dm2、及び、被覆層の金の付着量が1000μg/dm2を超えると、それぞれ初期エッチング性に悪影響を及ぼす。
本発明に係るプリント配線板用銅箔は、スパッタリング法により形成することができる。すなわち、スパッタリング法によって銅箔基材の表面の少なくとも一部を、被覆層により被覆する。具体的には、スパッタリング法によって、銅箔のエッチング面側に銅よりもエッチングレートの低い白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上からなる被覆層を形成する。被覆層は、スパッタリング法に限らず、例えば、電気めっき、無電解めっき等の湿式めっき法で形成してもよい。
本発明に係る銅箔を用いてプリント配線板(PWB)を常法に従って製造することができる。以下に、プリント配線板の製造方法の例を示す。
積層体に回路パターンを形成するために用いるエッチング液に対しては、被覆層のエッチング速度は、銅よりも十分に小さいためエッチングファクターを改善する効果を有する。エッチング液は、塩化第二銅水溶液、又は、塩化第二鉄水溶液等を用いることができるが、特に塩化第二鉄水溶液が有効である。微細回路はエッチングに時間が掛かるが、塩化第二鉄水溶液の方が塩化第二銅水溶液よりもエッチング速度が早いためである。また、被覆層を形成する前に、あらかじめ銅箔基材表面に耐熱層を形成しておいてもよい。
上述のように被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路の各ラインパターンは、その長尺状の2つの側面が絶縁基板上に垂直に形成されるのではなく、通常、銅箔の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりに形成される(ダレの発生)。これにより、長尺状の2つの側面はそれぞれ絶縁基板表面に対して傾斜角θを有している。現在要求されている回路パターンの微細化(ファインピッチ化)のためには、ラインパターンのピッチをなるべく狭くすることが重要であるが、この傾斜角θが小さいと、それだけダレが大きくなり、ラインパターンのピッチが広くなってしまう。また、傾斜角θは、通常、各ラインパターン及びラインパターン内で完全に一定ではない。このような傾斜角θのばらつきが大きいと、回路の品質に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路の各ラインパターンは、長尺状の2つの側面がそれぞれ絶縁基板表面に対して65〜90°の傾斜角θを有し、且つ、同一回路内のtanθの標準偏差が1.0以下であるのが望ましい。
(銅箔への被覆層の形成)
実施例1〜18及び25〜51の銅箔基材として、厚さ17μm及び12μmの粗化処理をしていない圧延銅箔(日鉱金属製C1100)を用意した。圧延銅箔の表面粗さ(Rz)はそれぞれ0.2μm、0.5μmであった。また、実施例19〜24の銅箔基材として、厚さ9μmの電解銅箔(日鉱金属製JTC箔)を用意した。電解銅箔の樹脂との接着面の表面粗さ(Rz)は3.8μm、エッチング面の表面粗さ(Rz)は0.21μmであった。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・スパッタリング電力:50W
・ターゲット:エッチング面用
Au、Pt、Pd(3N)
Au−50wt%Pd、Pt−50wt%Pd
Au−50wt%Pt
Ni、Zn、Co、Cr、Ag、Mo(3N)
Ni−20wt%Zn、Ni−20wt%Sn
・ターゲット:接着面用
Ni、Cr(3N)
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約0.2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。
ただし、被覆層の形成の前に、銅箔のエッチング面の逆スパッタリングは行わなかった。
上記手順で表面処理が施された銅箔に、接着剤付ポリイミドフィルム(ニッカン工業製、CISV1215)を7kgf/cm2の圧力、160℃で40分間の加熱プレスで積層させた。一部の銅箔は、窒素雰囲気下で350℃で2時間保持した後に、上記手順でポリイミドフィルムと積層させた。
被覆層のAu,Pd、Ptの付着量測定は、王水で表面処理銅箔サンプルを溶解させ、その溶解液を希釈し、原子吸光分析法で行った。
被覆層のデプスプロファイルを作成した際のXPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKαまたは非単色MgKα、エックス線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.0nm/min(SiO2換算)
・測定はスパッタによる成膜後、接着強度測定時のポリイミド硬化条件(350℃×30分)よりも過酷な条件の熱処理(350℃×120分)を施した状態の被膜層をそれぞれ分析した。
銅箔のエッチング面をアセトンで脱脂し、硫酸(100g/L)に30秒浸漬させて、表面の汚れ及び酸化層を取り除いた。次に、スピンコーターを用いて液体レジスト(東京応化工業製、OFPR−800LB)をエッチング面に滴下し、乾燥させた。乾燥後のレジスト厚みは1μmとなるように調整した。その後、露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を以下の条件で実施した。
・塩化第二鉄水溶液:(37wt%、ボーメ度:40°)
・液温:50°C
・スプレー圧:0.25MPa
(50μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=33μm/17μm
・仕上がり回路ボトム(底部)幅:25μm
・エッチング時間:10〜130秒
(30μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=25μm/5μm
・仕上がり回路ボトム(底部)幅:15μm
・エッチング時間:30〜70秒
・エッチング終点の確認:時間を変えてエッチングを数水準行い、光学顕微鏡で回路間に銅が残存しなくなるのを確認し、これをエッチング時間とした。
エッチング後、45℃のNaOH水溶液(100g/L)に1分間浸漬させてレジストを剥離した。
エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(ダレが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、銅箔上面からの垂線と樹脂基板との交点からのダレの長さの距離をaとした場合において、このaと銅箔の厚さbとの比:b/aを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、ダレが小さくなることを意味する。図1に、回路パターンの一部の表面写真と、当該部分における回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略とを示す。このaは回路上方からのSEM観察により測定し、エッチングファクター(EF=b/a)を算出した。このエッチングファクターを用いることにより、エッチング性の良否を簡単に判定できる。さらに、傾斜角θは上記手順で測定したa及び銅箔の厚さbを用いてアークタンジェントを計算することにより算出した。これらの測定範囲は回路長600μmで、12点のエッチングファクター、その標準偏差及び傾斜角θの平均値を結果として採用した。
銅層厚み8μmのメタライジングCCL(日鉱金属製マキナス、銅層側Ra0.01μm、タイコート層の金属付着量Ni1780μg/dm2、Cr360μg/dm2)に例1の手順でAu、Pt、Pdを蒸着させ、エッチング性を評価した。
絶縁基板との接着面に粗化処理、エッチング面に2種類の防錆処理(Niめっき+クロメート、NiZn合金めっき+Znクロメート)を施した厚さ9μmの圧延銅箔(BHYA箔)を用意した。粗化処理面、防錆処理面のRaはともに0.11μmであった。このエッチング面に例1の手順でAu、Pt、Pdを蒸着させ、エッチング性を評価した。
12μm厚、17μm厚及び9μm厚の圧延又は電解銅箔を準備し、エッチング面には表面処理を施さず、接着面には例1と同じ手順で表面処理を施し、それぞれ例1と同じ手順でポリイミドフィルムを接着した。次にエッチング面に感光性レジスト塗布及び露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を例1の条件で実施した。
例1で使用した銅箔基材のエッチング面にスパッタリング時間を変化させてAu、Pt、Pdの付着量を変化させた。接着面には例1と同じ手順で表面処理を施し、それぞれ例1と同じ手順でポリイミドフィルムを接着した。次にエッチング面に感光性レジスト塗布及び露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を例1の条件で実施した。
厚み17μmの圧延銅箔の片面に下記条件でNiめっきを施した後、その反対面に例1の手順でスパッタリングによる表面処理を施した。Niめっきを施した面がエッチング面となるよう、この銅箔に例1の手順でポリイミドフィルムを接着させ、エッチングにより回路を形成した。
・Ni:30g/L
・pH:3.0
・温度:50℃
・電流密度:35A/dm2
・時間:4秒
絶縁基板との接着面に粗化処理、エッチング面に2種類の防錆処理(Niめっき+クロメート、NiZn合金めっき+Znクロメート)を施した厚さ9μmの圧延銅箔(BHYA箔)を用意した。これらを例1の手順でエッチングした。
例1〜7の各測定結果を表1〜6に示す。
(実施例1〜60)
実施例1、6、11では、やや裾引きがおおきかったものの、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで回路を形成することができた。
実施例2〜5、7〜10、12〜18では、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンでエッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例19〜21では、樹脂との接着面に粗化処理が施されていても、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例22〜24では、銅箔にポリイミド硬化相当の熱処理を施し、表層の貴金属が拡散した状態でも、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例25〜27では銅箔の厚みが17μmであっても、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例28〜51では、Ni、Zn、Co、Cr、Ag、Sn及びMoを被覆層の下地層とした場合であっても、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例52〜54では、銅箔として厚み8μmのメタライジングCCLを用いた場合であっても、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
実施例55〜60では、通常の2種類の防錆処理(Niめっき+クロメート、NiZn合金めっき+Znクロメート)を施した厚さ9μmの銅箔であって、樹脂との接着面に粗化処理が施されたものであっても、50μmピッチ及び30μmピッチの両方のレジストパターンで、エッチングファクターが大きく且つバラツキもない回路を形成することができた。
図2に、実施例19に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルを示す。図3に、実施例21に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルを示す。図4に、実施例27により形成された回路の写真およびその断面写真を示す。
比較例1〜3は、それぞれ銅箔表面が未処理であるブランク材であり、いずれのレジストパターンでも回路の裾引きが大きくなった。特に比較例2において、30μmピッチのレジストパターンでは、銅箔厚み方向のエッチングが完了する前に回路上方でのサイドエッチが進行したために、回路を形成することができなかった。
比較例4〜9ではPt、Pd、Auの付着量が過剰であったこと、表層の貴金属層が厚くて酸化層が最表層に露出してなかったことから、初期エッチング性が非常に悪く、銅箔エッチング面の耐腐食性が向上したために、30μmピッチのレジストパターンで回路を形成することができなかった。
比較例10〜12では、貴金属の被覆層を形成していないため、エッチング性が不良となり、50μm及び30μmピッチの両方におけるレジストパターンで回路のダレが大きくなった。
図5に、比較例9により形成された回路の写真を示す。
Claims (10)
- 銅箔基材と、該銅箔基材の表面の少なくとも一部を被覆し、白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上を含む被覆層と、該銅箔基材と該被覆層との間に形成された酸化層とを備えた銅箔であって、
前記被覆層における白金の付着量が20〜1050μg/dm 2 、パラジウムの付着量が20〜600μg/dm 2 、金の付着量が20〜1000μg/dm 2 であり、
XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上の原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、h(x)≧5%の酸化層と前記銅箔基材との境界が表層から0.5〜10nmの範囲に存在し、区間[0、1.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.9で、区間[1.0、4.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.6を満たすプリント配線板用銅箔。 - ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上の原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.3で、区間[1.0、4.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.3を満たす請求項1に記載のプリント配線板用銅箔。
- ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の白金族金属、金、及び、銀からなる群から選択される1種以上の原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とし、酸素の原子濃度(%)をh(x)とし、炭素の原子濃度(%)をi(x)とし、その他の金属の原子濃度の総和をj(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.3で、区間[1.0、4.0]において、0.01≦∫f(x)dx/(∫f(x)dx + ∫g(x)dx + ∫h(x)dx + ∫i(x)dx + ∫j(x)dx) ≦0.3を満たす請求項1又は2に記載のプリント配線板用銅箔。
- 前記被覆層における白金の付着量が20〜400μg/dm2、パラジウムの付着量が20〜250μg/dm2、金の付着量が20〜400μg/dm2である請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である請求項1〜4のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
- 請求項1〜5のいずれかに記載の銅箔で構成された圧延銅箔又は電解銅箔を準備する工程と、
前記銅箔の被覆層をエッチング面として該銅箔と樹脂基板との積層体を作製する工程と、
前記積層体を塩化第二鉄水溶液又は塩化第二銅水溶液を用いてエッチングし、銅の不必要部分を除去して銅の回路を形成する工程と、
を含む電子回路の形成方法。 - 請求項1〜5のいずれかに記載の銅箔と樹脂基板との積層体。
- 銅層と樹脂基板との積層体であって、
前記銅層の表面の少なくとも一部を被覆する請求項1〜5のいずれかに記載の被覆層と、該銅層と該被覆層との間に形成された請求項1〜5のいずれかに記載の酸化層とを備えた積層体。 - 前記樹脂基板がポリイミド基板である請求項7又は8に記載の積層体。
- 請求項7〜9のいずれかに記載の積層体を材料としたプリント配線板。
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