JP5524671B2 - エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体 - Google Patents

エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体 Download PDF

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Description

本発明は、エッチング性に優れたプリント配線板用銅箔及び積層体に関し、特にフレキシブルプリント配線板用の銅箔及び積層体に関する。
プリント配線板はここ半世紀に亘って大きな進展を遂げ、今日ではほぼすべての電子機器に使用されるまでに至っている。近年の電子機器の小型化、高性能化ニーズの増大に伴い搭載部品の高密度実装化や信号の高周波化が進展し、プリント配線板に対して導体パターンの微細化(ファインピッチ化)や高周波対応等が求められている。
プリント配線板は銅箔に絶縁基板を接着、もしくは絶縁基板上にNi合金等を蒸着させた後に電気めっきで銅層を形成させて積層体とした後に、エッチングにより銅箔または銅層面に導体パターンを形成するという工程を経て製造されるのが一般的である。そのため、プリント配線板用の銅箔または銅層には絶縁基板との接着性やエッチング性が要求される。
ここでの接着性とは、形成された回路が絶縁基板から剥離しないことを言う。このため、銅箔または銅層の樹脂との接着面側には凹凸を形成する粗化処理や、必要に応じてさらにNiめっきやクロメート等の処理が施されるのが一般的である。または、表皮効果等の観点から、粗化処理を行わずにクロメート処理等を銅箔に直接施す方法も知られている(特許文献1)。
また、エッチング性とは回路間の絶縁部に表面処理由来の金属が残存しないこと、回路の裾引きが小さいことをいう。回路間の絶縁部に金属が残存していれば、回路間で短絡が起こってしまう。また、回路形成のエッチングでは、回路上面から下(絶縁基板側)に向かって、末広がりにエッチングされ、回路の断面は台形になる。この台形の上低と下底の差(以下「裾引き」と呼ぶ)が小さければ、回路間のスペースを狭くでき、高密度配線基板が得られる。裾引きが大きければ、回路間のスペースを狭くすると回路が短絡するので、高密度実装基板を製造することができない。ここで、図5に、銅回路形成時に裾引きを生じて樹脂基板近傍で銅回路が短絡した例を示す回路表面の拡大写真を示す。
エッチングは銅箔又は銅層の板厚と平面の2方向に進行する。板厚方向のエッチング速度が平面方向のそれよりも低いので、回路断面は台形になる。このため、裾引きが小さい回路を得るためには、銅箔または銅層の厚みを薄くしてエッチング時間を短くすれば良い(特許文献2)。
また、裾引きを小さくするために、銅箔のエッチング面側に銅よりもエッチング速度が遅い金属又はその合金層を形成する方法がある(特許文献3、4)。これらの候補金属としてはNi、Co等である。これらを銅箔または銅層のエッチング面に多量に付着させることで形成した数10nmの層が回路上部の横方向のエッチングが抑制され、裾引きが小さい回路を形成される。
プリント配線板の配線回路のファインピッチ化が進展に伴い、回路間隔も小さくなっていくので、回路の裾引きは小さくなければならない。非特許文献1によれば、回路幅(L、単位はμm)と回路間隔(S、単位はμm)は年々狭まる傾向にあり、フレキシブルプリント配線板に関しては2012年にはL/S=25/25に達するとのことである。配線回路のファインピッチ化に対応するためには、回路の裾引きを小さくするべく銅箔の厚みを薄くしなければならない。しかしながら、銅箔の厚みが薄くなると製造時の取り扱いが困難になるため、電解銅箔や圧延銅箔で対応できる配線パターンはL/S=25/25が限界と言われている。銅箔のエッチング面にNi、Co等の金属層を形成しても、このような回路パターンに対応するのは困難であると予想される。
また、ポリイミド等の樹脂フィルム上にニッケル合金等をスパッタリングで蒸着させることで導電性を付与し、その後銅めっきを施す方法(メタライジング法)は微細配線パターンを形成するのに適している。この方法は、めっきで形成した銅層の厚さを容易に変えることが可能なため、配線回路のファインピッチ化に適した素材である。しかしながら、銅層を形成するめっきに時間を要するため、製造コストが高いという問題点がある。
特開2006−222185号公報 特開2000−269619号公報 特開平6−81172号公報 特開2002−176242号公報
2009年度版 日本実装技術ロードマップ プリント配線板編
銅箔から回路を形成する方法(サブトラクティブ法)によれば、従来の厚みでは、銅箔の板厚方向のエッチングが完了するまでに平面方向のエッチングが進行し、裾引きが大きな断面形状の回路しか得ることができない。幅が狭くなった回路上面では電流が集中するので発熱し、場合によっては断線する可能性がある。
回路断面の裾引きを小さくするためには、銅箔の厚みを薄くし、エッチング時間を短くすれば良い。しかしながら、銅箔が薄くなるほどCCL製造工程での取り扱いが困難になり、製品歩留まりに悪影響を与える。また、特許文献2のように銅層が薄くなると、回路の断面積が減少するので、必要な導電量を確保できない可能性がある。
銅箔のエッチング面にNi、Co層等を設ける技術は、今後進展すると予想される回路パターンの狭ピッチ化には対応できない可能性がある。また、先行技術ではこれらの金属を多量に付着させる必要があるが、これらの金属層は強磁性を有するため、電子機器に悪影響を及ぼす可能性がある。したがって、回路形成のエッチング、レジスト除去後に、ソフトエッチングでこれらの層を除去する必要があり、製造工程が増えてしまう。
銅箔基材のエッチング面にNi、Co層等を設ける場合、通常、これらの層は、銅箔基材の銅成分よりもエッチング液による腐食速度が遅いため、初期エッチング性に劣る。この結果、銅箔基材とレジストとの間にエッチング液が入り込んで、レジストが剥離される可能性がある。これは回路の直線性の低下を引き起こす。また、エッチングに要する時間が長くなるので、製造効率が低下する。
そこで、本発明は、初期エッチング性に優れ、ファインピッチ化に適した、裾引きが小さい断面形状の回路を形成可能なプリント配線板用銅箔及び積層体を提供することを課題とする。
従来、ファインピッチの回路をサブトラクティブ法で形成するためには銅箔の厚みを薄くする必要があった。また、裾引きが小さい断面形状の回路を形成するためには、銅箔のエッチング面に強磁性を有するNiやCoを多量に付着させ、数10nmの厚みの層を形成する必要があった。しかしながら、本発明者らは鋭意検討の結果、微量の貴金属を銅箔のエッチング面に付着させた場合に、形成された回路の裾引きが小さくなることを見出した。このとき、貴金属層は非常に薄いため、製造時の熱履歴で銅箔基材の銅と適度に拡散し合う。さらに、この拡散によって最表層近傍にまで達した銅原子は大気又はレジストの乾燥工程の加熱で酸化され、酸化銅が生成する。拡散により形成された貴金属/銅の合金層中におけるこの酸化銅は酸で容易に溶解するため、同時に貴金属も除去される。よって耐腐食性がある貴金属層であっても、レジストパターンの開口部に露出した部分から用意に除去することが可能となる。したがって、初期エッチング性に優れるとともに、従来技術により形成された回路よりも直線性が優れる。これにより、銅箔の厚みが薄くなくても裾引きが小さい回路を形成することが可能となるため、高密度実装基板の形成が可能となる。また、これらの貴金属元素はNiやCoのような強磁性を有しないことに加えて、極微量であるため、電子機器に及ぼす影響はないと期待される。
以上の知見を基礎として完成した本発明は一側面において、銅箔基材と、銅箔基材の表面の少なくとも一部を被覆し、且つ、白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上を含む被覆層とを備え、前記被覆層における白金の付着量が15〜1050μg/dm 2 、パラジウムの付着量が10〜600μg/dm 2 、金の付着量が10〜1000μg/dm 2 であり、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦15を満たすプリント配線板用銅箔である。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の一実施形態においては、ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の別の一実施形態においては、ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、被覆層における白金の付着量が20〜400μg/dm2、パラジウムの付着量が20〜250μg/dm2、金の付着量が20〜400μg/dm2である。
本発明に係るプリント配線板用銅箔の更に別の一実施形態においては、プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である
本発明は別の一側面において、本発明に係る銅箔を準備する工程と、銅箔の被覆層をエッチング面として銅箔と樹脂基板との積層体を作製する工程と、被覆層の上にレジストで回路パターンを形成した後、回路パターンの開口部に露出した該被覆層を除去し、その後、塩化第二鉄水溶液又は塩化第二銅水溶液を用いてエッチングを行い銅の不必要部分を除去して銅の回路を形成する工程とを含む電子回路の形成方法である。
本発明に係る電子回路の形成方法の一実施形態においては、開口部に露出した被覆層の除去を、塩酸、硫酸又は硝酸を主成分とする試薬により行う。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る銅箔と樹脂基板との積層体である。
本発明は更に別の一側面において、銅層と樹脂基板との積層体であって、銅層の表面の少なくとも一部を被覆する本発明に係る被覆層を備えた積層体である。
本発明に係る積層体の一実施形態においては、樹脂基板がポリイミド基板である。
本発明は更に別の一側面において、本発明に係る積層体を材料としたプリント配線板である。
本発明によれば、初期エッチング性に優れ、ファインピッチ化に適した、裾引きが小さい断面形状の回路を形成可能なプリント配線板用銅箔及び積層体を提供することができる。
回路パターンの一部の表面写真、当該部分における回路パターンの幅方向の横断面の模式図、及び、該模式図を用いたエッチングファクター(EF)の計算方法の概略である。 実施例13の熱処理前に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルである。 実施例13の熱処理後に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルである。 比較例4により形成された回路を示す写真である。 銅回路形成時に裾引きを生じて樹脂基板近傍で銅回路が短絡した例を示す回路表面の拡大写真である。
(銅箔基材)
本発明に用いることのできる銅箔基材の形態に特に制限はないが、典型的には圧延銅箔や電解銅箔の形態で用いることができる。一般的には、電解銅箔は硫酸銅めっき浴からチタンやステンレスのドラム上に銅を電解析出して製造され、圧延銅箔は圧延ロールによる塑性加工と熱処理を繰り返して製造される。屈曲性が要求される用途には圧延銅箔を適用することが多い。
銅箔基材の材料としてはプリント配線板の導体パターンとして通常使用されるタフピッチ銅や無酸素銅といった高純度の銅の他、例えばSn入り銅、Ag入り銅、Cr、Zr又はMg等を添加した銅合金、Ni及びSi等を添加したコルソン系銅合金のような銅合金も使用可能である。なお、本明細書において用語「銅箔」を単独で用いたときには銅合金箔も含むものとする。
本発明に用いることのできる銅箔基材の厚さについても特に制限はなく、プリント配線板用に適した厚さに適宜調節すればよい。例えば、5〜100μm程度とすることができる。但し、ファインパターン形成を目的とする場合には30μm以下、好ましくは20μm以下であり、典型的には5〜20μm程度である。
本発明に使用する銅箔基材は、特に限定されないが、例えば、粗化処理をしないものを用いても良い。従来は特殊めっきで表面にμmオーダーの凹凸を付けて表面粗化処理を施し、物理的なアンカー効果によって樹脂との接着性を持たせるケースが一般的であるが、一方でファインピッチや高周波電気特性は平滑な箔が良いとされ、粗化箔では不利な方向に働くことがある。また、粗化処理をしないものであると、粗化処理工程が省略されるので、経済性・生産性向上の効果がある。
(1)被覆層の構成
銅箔基材の絶縁基板との接着面の反対側(回路形成予定面側)の表面の少なくとも一部には、被覆層が形成されている。被覆層は、白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上を含んでいる。
なお、銅箔基材の絶縁基板との接着面側には、絶縁基板との接着性向上のために、例えば銅箔基材表面から順に積層した中間層及び表層で構成された別の被覆層を形成してもよい。この場合、中間層は、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、V、Sn、Mn、Nb、Ta及びCrの少なくともいずれか1種を含むのが好ましい。中間層は、金属の単体で構成されていてもよく、例えば、Ni、Mo、Ti、Zn、Co、Nb及びTaのいずれか1種で構成されるのが好ましい。中間層は、合金で構成されていてもよく、例えば、Ni、Zn、V、Sn、Mn、Cr及びCuの少なくともいずれか2種の合金で構成されるのが好ましい。
(2)被覆層の同定
被覆層の同定はXPS、若しくはAES等表面分析装置にて表層からアルゴンスパッタし、深さ方向の化学分析を行い、夫々の検出ピークの存在によって同定することができる。
(3)被覆層表面の原子濃度
本発明に係る被覆層は、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦15を満たす。通常の表面処理により形成される被覆層であれば、上記式において銅の原子濃度g(x)は限りなく小さいため、∫f(x)dx/∫g(x)dxは無限大となる。しかしながら、本発明に係る被覆層は、貴金属の付着量が極微量であるため、適度に銅が拡散しており、∫f(x)dx/∫g(x)dxが無限大とならず、15以下となっている。このように、極微量の貴金属で形成された被覆層に銅が上述の比率で存在することにより、これらによって形成された酸化物を酸で溶解することで、耐腐食性がある貴金属層であっても、レジストパターンの開口部に露出した部分から容易に除去することが可能となる。
また、ポリイミド硬化相当の熱処理(窒素雰囲気、350℃、2時間加熱)を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たすことが好ましい。本発明に係る被覆層は、上述のように、熱処理前では∫f(x)dx/∫g(x)dxは15以下と、上限が熱処理後よりも高いが、ラミネート法、キャスティング法など、CCL製造工程の熱履歴を受ければ、銅箔の表面の貴金属原子が銅箔側へ拡散するので、∫f(x)dxは小さくなり、∫g(x)dxは大きくなる。このため、∫f(x)dx/∫g(x)dxは熱処理前に比べて小さくなり、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3となる。また、∫f(x)dx/∫g(x)dxが3を超えると、初期エッチング性が低下するため、好ましくない。さらに、本発明の効果である良好なエッチング性を得るためには、ある程度の貴金属原子濃度が必要となる。このため、ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たすのが好ましい。
また、ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たすことが好ましい。
さらに、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たすことがより好ましい。
(4)付着量
被覆層が白金で構成されている場合は、白金の付着量が1050μg/dm2以下であり、15〜1050μg/dm2であるのがより好ましく、20〜400μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層がパラジウムで構成されている場合は、パラジウムの付着量が600μg/dm2以下であり、10〜600μg/dm2であるのがより好ましく、20〜250μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層が金で構成されている場合は、金の付着量が1000μg/dm2以下であり、10〜1000μg/dm2であるのがより好ましく、20〜400μg/dm2であるのが更により好ましい。被覆層の白金の付着量が15μg/dm2未満、被覆層のパラジウムの付着量が10μg/dm2未満、及び、被覆層の金の付着量が10μg/dm2未満であると、それぞれ効果が十分でない。一方、被覆層の白金の付着量が1050μg/dm2、被覆層のパラジウムの付着量が600μg/dm2、及び、被覆層の金の付着量が1000μg/dm2を超えると、それぞれ初期エッチング性に悪影響を及ぼす。
また、銅箔基材と被覆層との間には、初期エッチング性に悪影響を及ぼさない限り、耐加熱変色性の観点から下地層を設けてもよい。下地層としてはニッケル、ニッケル合金、コバルト、銀、マンガンが好ましい。下地層を設ける方法は乾式、湿式法いずれでも良い。
さらに、被覆層上には、防錆効果を高めるためにさらにクロム層若しくはクロメート層及び又はシラン処理層を形成することができる。また、被覆層と銅箔との間に、さらに加熱処理による酸化を抑制するため、耐酸化性を有する下地層を形成してもよい。
(銅箔の製造方法)
本発明に係るプリント配線板用銅箔は、スパッタリング法により形成することができる。すなわち、スパッタリング法によって銅箔基材の表面の少なくとも一部を、被覆層により被覆する。具体的には、スパッタリング法によって、銅箔のエッチング面側に銅よりもエッチングレートの低い白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上からなる被覆層を形成する。被覆層は、スパッタリング法に限らず、例えば、電気めっき、無電解めっき等の湿式めっき法で形成してもよい。
(プリント配線板の製造方法)
本発明に係る銅箔を用いてプリント配線板(PWB)を常法に従って製造することができる。以下に、プリント配線板の製造方法の例を示す。
まず、銅箔と絶縁基板とを貼り合わせて積層体を製造する。銅箔が積層される絶縁基板はプリント配線板に適用可能な特性を有するものであれば特に制限を受けないが、例えば、リジッドPWB用に紙基材フェノール樹脂、紙基材エポキシ樹脂、合成繊維布基材エポキシ樹脂、ガラス布・紙複合基材エポキシ樹脂、ガラス布・ガラス不織布複合基材エポキシ樹脂及びガラス布基材エポキシ樹脂等を使用し、FPC用にポリエステルフィルムやポリイミドフィルム等を使用する事ができる。
貼り合わせの方法は、リジッドPWB用の場合、ガラス布などの基材に樹脂を含浸させ、樹脂を半硬化状態まで硬化させたプリプレグを用意する。銅箔を被覆層の反対側の面からプリプレグに重ねて加熱加圧させることにより行うことができる。
フレキシブルプリント配線板(FPC)用の場合、ポリイミドフィルム又はポリエステルフィルムと銅箔とをエポキシ系やアクリル系の接着剤を使って接着することができる(3層構造)。また、接着剤を使用しない方法(2層構造)としては、ポリイミドの前駆体であるポリイミドワニス(ポリアミック酸ワニス)を銅箔に塗布し、加熱することでイミド化するキャスティング法や、ポリイミドフィルム上に熱可塑性のポリイミドを塗布し、その上に銅箔を重ね合わせ、加熱加圧するラミネート法が挙げられる。キャスティング法においては、ポリイミドワニスを塗布する前に熱可塑性ポリイミド等のアンカーコート材を予め塗布しておくことも有効である。
本発明に係る積層体は各種のプリント配線板(PWB)に使用可能であり、特に制限されるものではないが、例えば、導体パターンの層数の観点からは片面PWB、両面PWB、多層PWB(3層以上)に適用可能であり、絶縁基板材料の種類の観点からはリジッドPWB、フレキシブルPWB(FPC)、リジッド・フレックスPWBに適用可能である。また、本発明に係る積層体は、銅箔を樹脂に貼り付けてなる上述のような銅張積層板に限定されず、樹脂上にスパッタリング、めっきで銅層を形成したメタライジング材であってもよい。
上述のように作製した積層体の銅箔上に形成された被覆層表面にレジストを塗布し、マスクによりパターンを露光し、現像することによりレジストパターンを形成する。続いて、レジストパターンの開口部に露出した被覆層を、試薬を用いて除去する。当該試薬としては、塩酸、硫酸又は硝酸を主成分とするものを用いるのが、入手しやすさ等の理由から好ましい。貴金属層は非常に薄いため、製造時の熱履歴で銅箔基材の銅と適度に拡散し合っており、この拡散によって最表層近傍にまで達した銅原子が大気又はレジストの乾燥工程の加熱で酸化され、酸化銅が生成する。拡散により形成された貴金属/銅の合金層中におけるこの酸化銅は酸で容易に溶解するため、同時に貴金属も除去される。よって耐腐食性がある貴金属層であっても、レジストパターンの開口部に露出した部分から用意に除去することが可能となる。
次に、積層体をエッチング液に浸漬する。このとき、エッチングを抑制する白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上を含む被覆層は、銅箔上のレジスト部分に近い位置にあり、レジスト側の銅箔のエッチングは、この被覆層近傍がエッチングされていく速度よりも速い速度で、被覆層から離れた部位の銅のエッチングが進行することにより、銅の回路パターンのエッチングがほぼ垂直に進行する。これにより銅の不必要部分を除去されて、次いでエッチングレジストを剥離・除去して回路パターンを露出することができる。
積層体に回路パターンを形成するために用いるエッチング液に対しては、被覆層のエッチング速度は、銅よりも十分に小さいためエッチングファクターを改善する効果を有する。エッチング液は、塩化第二銅水溶液、又は、塩化第二鉄水溶液等を用いることができるが、特に塩化第二鉄水溶液が有効である。微細回路はエッチングに時間が掛かるが、塩化第二鉄水溶液の方が塩化第二銅水溶液よりもエッチング速度が早いためである。塩化第二鉄水溶液中のFe3+や塩化第二銅中のCu2+の濃度が低いなどの原因で初期エッチング性が悪い場合には、開口部に露出した部分の貴金属を予め溶解させる液で除去しても良い。この貴金属を溶解させる液としては塩酸やヨウ素を含む関東化学株式会社製「AURUM」等がある。ただし、これらの液を過剰に用いた場合はレジストの裏側に液が回りこんで、処理層を溶かしてしまう。
また、被覆層を形成する前に、あらかじめ銅箔基材表面に耐熱層を形成しておいてもよい。
(プリント配線板の銅箔表面の回路のラインパターン形状)
上述のように被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路の各ラインパターンは、その長尺状の2つの側面が絶縁基板上に垂直に形成されるのではなく、通常、銅箔の表面から下に向かって、すなわち樹脂層に向かって、末広がりに形成される。これにより、長尺状の2つの側面はそれぞれ絶縁基板表面に対して傾斜角θを有している。現在要求されている回路パターンの微細化(ファインピッチ化)のためには、ラインパターンのピッチをなるべく狭くすることが重要であるが、この傾斜角θが小さいと、それだけ裾引きが大きくなり、ラインパターンのピッチが広くなってしまう。また、傾斜角θは、通常、各ラインパターン及びラインパターン内で完全に一定ではない。このような傾斜角θのばらつきが大きいと、回路の品質に悪影響を及ぼすおそれがある。従って、被覆層側からエッチングされて形成されたプリント配線板の銅箔表面の回路の各ラインパターンは、長尺状の2つの側面がそれぞれ絶縁基板表面に対して65〜90°の傾斜角θを有し、且つ、同一回路内のtanθの標準偏差が1.0以下であるのが望ましい。
以下、本発明の実施例を示すが、これらは本発明をより良く理解するために提供するものであり、本発明が限定されることを意図するものではない。
(例1:実施例1〜24)
(銅箔への被覆層の形成)
実施例1〜18の基材として、厚さ12μmの圧延銅箔(日鉱金属製C1100)を用意した。圧延銅箔の表面粗さ(Rz)は0.7μmであった。また、実施例19〜21の銅箔基材として、厚さ9μmの無粗化処理の電解銅箔(日鉱金属製JTC箔)を用意した。電解銅箔の樹脂との接着面の表面粗さ(Rz)は1.5μmであった。さらに、実施例22〜24の基材として、厚さ8μmのメタライジングCCL(日鉱金属製マキナス、銅層側Ra0.01μm、タイコート層の金属付着量Ni1780μg/dm2、Cr360μg/dm2)を用意した。
銅箔の表面に付着している薄い酸化膜を逆スパッタにより取り除き、Au、Pt及び/又はPdのターゲットを以下の装置及び条件でスパッタリングすることにより、被覆層を形成した。被覆層の厚さは成膜時間を調整することにより変化させた。スパッタリングに使用した各種金属の単体は純度が3Nのものを用いた。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・逆スパッタ電力:100W
・スパッタリング電力:50W
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約0.2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。
また、実施例16〜18については、以下のターゲットを用いた。
・ターゲット:Au−50質量%Pd、Pt−50質量%Pd、Au−50質量%Pt
被覆層を設けた銅箔に対して、被覆層と反対側の表面にあらかじめ付着している薄い酸化被膜を逆スパッタリングによって取り除き、Ni層及びCr層を順に成膜した。Ni層及びCr層の厚さは成膜時間を調整することにより変化させた。
・装置:バッチ式スパッタリング装置(アルバック社、型式MNS−6000)
・到達真空度:1.0×10-5Pa
・スパッタリング圧:0.2Pa
・逆スパッタ電力:100W
・ターゲット:
Ni層用=Ni(純度3N)
Cr層用=Cr(純度3N)
・スパッタリング電力:50W
・成膜速度:各ターゲットについて一定時間約0.2μm成膜し、3次元測定器で厚さを測定し、単位時間当たりのスパッタレートを算出した。
上記手順で作製した銅箔の一部にポリイミド硬化を模擬した熱処理(窒素雰囲気、350℃、2時間加熱)を施した。
上記熱処理済み銅箔もしくは未熱処理銅箔基材のNi層及びCr層形成側表面に接着剤付ポリイミドフィルム(ニッカン工業製、CISV1215)を7kgf/cm2の圧力、160℃で40分間の加熱プレスにより積層させた。一部の銅箔は、窒素雰囲気下で350℃で2時間保持した後に、上記手順でポリイミドフィルムと積層させた。
<付着量の測定>
被覆層のAu,Pd、Ptの付着量測定は、王水で表面処理銅箔サンプルを溶解させ、その溶解液を希釈し、原子吸光分析法で行った。
<XPSによる測定>
被覆層のデプスプロファイルを作成した際のXPSの稼働条件を以下に示す。
・装置:XPS測定装置(アルバックファイ社、型式5600MC)
・到達真空度:3.8×10-7Pa
・X線:単色AlKαまたは非単色MgKα、エックス線出力300W、検出面積800μmφ、試料と検出器のなす角度45°
・イオン線:イオン種Ar+、加速電圧3kV、掃引面積3mm×3mm、スパッタリングレート2.0nm/min(SiO2換算)
(エッチングによる回路形状)
銅箔のエッチング面をアセトンで脱脂し、硫酸(100g/L)に30秒浸漬させて、表面の汚れ及び酸化層を取り除いた。次に、スピンコーターを用いて液体レジスト(東京応化工業製、OFPR−800LB)をエッチング面に滴下し、乾燥させた。乾燥後のレジスト厚みは1μmとなるように調整した。その後、露光工程により10本の回路を印刷し、希硫酸(90g/L)によりレジストパターンの開口部の貴金属層を除去し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を以下の条件で実施した。
<エッチング条件>
・塩化第二鉄水溶液:(37wt%、ボーメ度:40°)
・液温:50°C
・スプレー圧:0.25MPa
(50μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=33μm/17μm
・仕上がり回路ボトム(底部)幅:25μm
・エッチング時間:10〜130秒
(30μmピッチ回路形成)
・レジストL/S=25μm/5μm
・仕上がり回路ボトム(底部)幅:15μm
・エッチング時間:30〜70秒
・エッチング終点の確認:時間を変えてエッチングを数水準行い、光学顕微鏡で回路間に銅が残存しなくなるのを確認し、これをエッチング時間とした。
エッチング後、45℃のNaOH水溶液(100g/L)に1分間浸漬させてレジストを剥離した。
<エッチングファクターの測定条件>
エッチングファクターは、末広がりにエッチングされた場合(裾引きが発生した場合)、回路が垂直にエッチングされたと仮定した場合の、銅箔上面からの垂線と樹脂基板との交点からの裾引きの長さの距離をaとした場合において、このaと銅箔の厚さbとの比:b/aを示すものであり、この数値が大きいほど、傾斜角は大きくなり、エッチング残渣が残らず、裾引きが小さくなることを意味する。図1に、回路パターンの一部の表面写真と、当該部分における回路パターンの幅方向の横断面の模式図と、該模式図を用いたエッチングファクターの計算方法の概略とを示す。このaは回路上方からのSEM観察により測定し、エッチングファクター(EF=b/a)を算出した。このエッチングファクターを用いることにより、エッチング性の良否を簡単に判定できる。さらに、傾斜角θは上記手順で測定したa及び銅箔の厚さbを用いてアークタンジェントを計算することにより算出した。これらの測定範囲は回路長600μmで、12点のエッチングファクター、その標準偏差及び傾斜角θの平均値を結果として採用した。
(例2:比較例1:ブランク材)
12μm厚の圧延銅箔を準備し、例1と同じ手順でポリイミドフィルムを接着した。次に反対面に感光性レジスト塗布及び露光工程により10本の回路を印刷し、さらに銅箔の不要部分を除去するエッチング処理を例1の条件で実施した。
(例3:比較例2〜4)
12μm厚の圧延銅箔を準備し、それぞれ例1の手順で表面処理を施し、エッチング処理を行った。
(例4:比較例5)
厚み12μmの圧延銅箔の片面に下記条件でNiめっきを施した後、その反対面に例1の手順でスパッタリングによる表面処理を施した。Niめっきを施した面がエッチング面となるよう、この銅箔に例1の手順でポリイミドフィルムを接着させ、エッチングにより回路を形成した。
・Ni:30g/L
・pH:3.0
・温度:50℃
・電流密度:35A/dm2
・時間:5秒
例1〜4の各測定結果を表1〜4に示す。
<評価>
(実施例1〜24)
実施例1〜24ではいずれもエッチングファクターが大きく且つバラツキもなく、矩形方に近い断面の回路を形成することができた。
図2に、実施例13の熱処理前に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルを示す。図3に、実施例13の熱処理後に係る銅箔のXPSによる深さ方向の濃度プロファイルを示す。
(比較例1〜5)
比較例1は、銅箔表面が未処理であるブランク材であり、矩形方の断面の回路を形成することができなかった。
比較例2〜4では、白金の付着量が1050μg/dm2超、パラジウムの付着量が600μg/dm2超、又は、金の付着量が1000μg/dm2超であるために、矩形方の断面の回路を形成することができなかった。
エッチング面にNiめっきが施された比較例5でも、矩形方の断面の回路を形成することができなかった。
図4に、比較例4により形成された回路の写真を示す。

Claims (13)

  1. 銅箔基材と、該銅箔基材の表面の少なくとも一部を被覆し、且つ、白金、パラジウム、及び、金のいずれか1種以上を含む被覆層とを備え、
    前記被覆層における白金の付着量が15〜1050μg/dm 2 、パラジウムの付着量が10〜600μg/dm 2 、金の付着量が10〜1000μg/dm 2 であり、
    XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦15を満たすプリント配線板用銅箔。
  2. ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす請求項1に記載のプリント配線板用銅箔。
  3. ポリイミド硬化相当の熱処理を行った時、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす請求項2に記載のプリント配線板用銅箔。
  4. ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす請求項1〜3のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
  5. ポリイミド硬化相当の熱処理が行われたプリント配線板用銅箔であって、XPSによる表面からの深さ方向分析から得られた深さ方向(x:単位nm)の金、白金及び/又はパラジウムの原子濃度(%)をf(x)とし、銅の原子濃度(%)をg(x)とすると、区間[0、1.0]において、0.05≦∫f(x)dx/∫g(x)dx≦3を満たす請求項4に記載のプリント配線板用銅箔。
  6. 前記被覆層における白金の付着量が20〜400μg/dm2、パラジウムの付着量が20〜250μg/dm2、金の付着量が20〜400μg/dm2である請求項に記載のプリント配線板用銅箔。
  7. プリント配線板はフレキシブルプリント配線板である請求項1〜のいずれかに記載のプリント配線板用銅箔。
  8. 請求項1〜のいずれかに記載の銅箔を準備する工程と、
    前記銅箔の被覆層をエッチング面として該銅箔と樹脂基板との積層体を作製する工程と、
    前記被覆層の上にレジストで回路パターンを形成した後、該回路パターンの開口部に露出した該被覆層を除去し、その後、塩化第二鉄水溶液又は塩化第二銅水溶液を用いてエッチングを行い銅の不必要部分を除去して銅の回路を形成する工程と、
    を含む電子回路の形成方法。
  9. 前記開口部に露出した被覆層の除去を、塩酸、硫酸又は硝酸を主成分とする試薬により行う請求項に記載の方法。
  10. 請求項1〜のいずれかに記載の銅箔と樹脂基板との積層体。
  11. 銅層と樹脂基板との積層体であって、
    前記銅層の表面の少なくとも一部を被覆する請求項1〜のいずれかに記載の被覆層を備えた積層体。
  12. 前記樹脂基板がポリイミド基板である請求項10又は11に記載の積層体。
  13. 請求項1012のいずれかに記載の積層体を材料としたプリント配線板。
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